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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083772
(43)【公開日】2024-06-24
(54)【発明の名称】レゾルバの絶縁キャップ体
(51)【国際特許分類】
   H02K 24/00 20060101AFI20240617BHJP
   H02K 3/46 20060101ALI20240617BHJP
【FI】
H02K24/00
H02K3/46 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197777
(22)【出願日】2022-12-12
(71)【出願人】
【識別番号】000203634
【氏名又は名称】多摩川精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100221729
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭介
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(72)【発明者】
【氏名】小島 彰
【テーマコード(参考)】
5H604
【Fターム(参考)】
5H604AA08
5H604BB14
5H604CC01
5H604CC05
5H604CC16
5H604PB03
(57)【要約】
【課題】コイルがティースに巻かれる際に第1絶縁キャップおよび第2絶縁キャップのそれぞれがティースから離れることを抑制することができるレゾルバの絶縁キャップ体を得る。
【解決手段】このレゾルバの絶縁キャップ体は、第1絶縁キャップ3と、第2絶縁キャップ4と、を備え、第1絶縁キャップ3は、第1面対向部301を有し、第2絶縁キャップ4は、第2面対向部401と、第2弾性部402と、第2凸部403と、を有し、第2弾性部402は、第2凸部403が第1面104に沿った方向に移動するように弾性変形可能になっており、第2凸部403が第1面104に沿った方向に移動することによって、第2凸部403は、第2凸部取付位置と第2凸部取外位置との間で移動する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータコア(1)における厚さ方向を向く一対の面のうちの一方の面である第1面(104)に設けられた第1絶縁キャップ(3)と、
前記一対の面のうちの他方の面である第2面(105)に設けられた第2絶縁キャップ(4)と、
を備え、
前記第1絶縁キャップ(3)は、前記第1面(104)に対向する第1面対向部(301)を有し、
前記第2絶縁キャップ(4)は、前記第2面(105)に対向する第2面対向部(401)と、前記第2面対向部(401)から前記第1面対向部(301)まで延びた第2弾性部(402)と、前記第2弾性部(402)に設けられ、前記第1面(104)に沿った方向に前記第2弾性部(402)から突出した第2凸部(403)と、を有し、
前記第2弾性部(402)は、前記第2凸部(403)が前記第1面(104)に沿った方向に移動するように弾性変形可能になっており、
前記第2凸部(403)が前記第1面(104)に沿った方向に移動することによって、前記第2凸部(403)は、前記第1面対向部(301)における前記第1面(104)とは反対側の面に掛かる第2凸部取付位置と、前記第2凸部取付位置からずれる第2凸部取外位置との間で移動するレゾルバの絶縁キャップ体。
【請求項2】
前記ステータコア(1)には、コイルが配置されるスロット(103)が形成されており、
前記第2弾性部(402)は、前記スロット(103)の内側を通るように配置されている請求項1に記載のレゾルバの絶縁キャップ体。
【請求項3】
前記第1絶縁キャップ(3)は、前記第1面対向部(301)における前記第1面(104)とは反対側の面に立てられた第1壁(304)を有し、
前記第2凸部(403)は、前記ステータコア(1)の径方向において前記第1壁(304)の内側に配置されており、
前記コイルに接続されているマグネットワイヤ(5)は、前記径方向において前記第1壁(304)の外側を通るように配置されている請求項2に記載のレゾルバの絶縁キャップ体。
【請求項4】
前記第1絶縁キャップ(3)は、前記第1面対向部(301)から前記第2面対向部(401)まで延びた第1弾性部(302)と、前記第1弾性部(302)に設けられ、前記第2面(105)に沿った方向に前記第1弾性部(302)から突出した第1凸部(303)と、を有し、
前記第1弾性部(302)は、前記第1凸部(303)が前記第2面(105)に沿った方向に移動するように弾性変形可能になっており、
前記第1凸部(303)が前記第2面(105)に沿った方向に移動することによって、前記第1凸部(303)は、前記第2面対向部(401)における前記第2面(105)とは反対側の面に掛かる第1凸部取付位置と、前記第1凸部取付位置からずれる第1凸部取外位置との間で移動する請求項1から請求項3までの何れか一項に記載のレゾルバの絶縁キャップ体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、レゾルバの絶縁キャップ体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ステータコアに設けられた第1絶縁キャップおよび第2絶縁キャップを備えたレゾルバの絶縁キャップ体が知られている。ステータコアにおける厚さ方向を向く一対の面のうちの一方の面である第1面に第1絶縁キャップが設けられ、ステータコアにおける厚さ方向を向く一対の面のうちの他方の面である第2面に第2絶縁キャップが設けられている。ステータコアの厚さ方向に第1絶縁キャップおよび第2絶縁キャップがステータコアを挟んだ状態で、第1絶縁キャップおよび第2絶縁キャップを介してコイルがステータコアのティースに巻かれている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-283962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、第1絶縁キャップおよび第2絶縁キャップを介してコイルがステータコアのティースに巻かれる際に、第1絶縁キャップおよび第2絶縁キャップの少なくとも一方がステータコアから離れてしまう可能性がある。第1絶縁キャップおよび第2絶縁キャップの少なくとも一方がステータコアから離れることによって、ティースに対してコイルを予め設定された形に巻くことができなくなってしまうという問題点があった。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、コイルがティースに巻かれる際に第1絶縁キャップおよび第2絶縁キャップのそれぞれがステータコアから離れることを抑制することができるレゾルバの絶縁キャップ体を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るレゾルバの絶縁キャップ体は、ステータコアにおける厚さ方向を向く一対の面のうちの一方の面である第1面に設けられた第1絶縁キャップと、一対の面のうちの他方の面である第2面に設けられた第2絶縁キャップと、を備え、第1絶縁キャップは、第1面に対向する第1面対向部を有し、第2絶縁キャップは、第2面に対向する第2面対向部と、第2面対向部から第1面対向部まで延びた第2弾性部と、第2弾性部に設けられ、第1面に沿った方向に第2弾性部から突出した第2凸部と、を有し、第2弾性部は、第2凸部が第1面に沿った方向に移動するように弾性変形可能になっており、第2凸部が第1面に沿った方向に移動することによって、第2凸部は、第1面対向部における第1面とは反対側の面に掛かる第2凸部取付位置と、第2凸部取付位置からずれる第2凸部取外位置との間で移動する。
この発明に係るレゾルバの絶縁キャップ体では、ステータコアには、コイルが配置されるスロットが形成されており、第2弾性部は、スロットの内側を通るように配置されている。
この発明に係るレゾルバの絶縁キャップ体では、第1絶縁キャップは、第1面対向部における第1面とは反対側の面に立てられた第1壁を有し、第2凸部は、ステータコアの径方向において第1壁の内側に配置されており、コイルに接続されているマグネットワイヤは、径方向において第1壁の外側を通るように配置されている。
この発明に係るレゾルバの絶縁キャップ体では、第1絶縁キャップは、第1面対向部から第2面対向部まで延びた第1弾性部と、第1弾性部に設けられ、第2面に沿った方向に第1弾性部から突出した第1凸部と、を有し、第1弾性部は、第1凸部が第2面に沿った方向に移動するように弾性変形可能になっており、第1凸部が第2面に沿った方向に移動することによって、第1凸部は、第2面対向部における第2面とは反対側の面に掛かる第1凸部取付位置と、第1凸部取付位置からずれる第1凸部取外位置との間で移動する。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係るレゾルバの絶縁キャップ体によれば、コイルがティースに巻かれる際に第1絶縁キャップおよび第2絶縁キャップのそれぞれがステータコアから離れることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係るレゾルバの絶縁キャップ体を備えたレゾルバステータを示す斜視図である。
図2図1のレゾルバステータを示す分解斜視図である。
図3図1のレゾルバステータを示す平面図である。
図4図3のIV-IV線に沿った矢視断面図である。
図5】実施の形態2に係るレゾルバの絶縁キャップ体を備えたレゾルバステータを示す斜視図である。
図6図5のレゾルバステータを示す分解斜視図である。
図7】実施の形態3に係るレゾルバの絶縁キャップ体を備えたレゾルバステータを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るレゾルバの絶縁キャップ体を備えたレゾルバステータを示す斜視図である。図2は、図1のレゾルバステータを示す分解斜視図である。図3は、図1のレゾルバステータを示す平面図である。図4は、図3のIV-IV線に沿った矢視断面図である。レゾルバステータは、ステータコア1と、絶縁キャップ体2と、図示しない複数のコイルと、備えている。
【0010】
ステータコア1は、板状に形成されている。ステータコア1は、コアバック101と、複数のティース102と、を有している。
【0011】
ステータコア1の厚さ方向に見た場合に、コアバック101は、環状に形成されている。複数のティース102のそれぞれは、コアバック101に一体に形成されている。
【0012】
複数のティース102は、コアバック101の周方向に等間隔に並んで配置されている。複数のティース102のそれぞれは、コアバック101の径方向において、コアバック101から内側に向かって延びている。
【0013】
ステータコア1には、複数のスロット103が形成されている。複数のスロット103は、コアバック101の周方向に等間隔に並んでいる。複数のスロット103のそれぞれは、コアバック101の周方向に互いに隣り合う一対のティース102とコアバック101とによって構成されている。
【0014】
複数のティース102のそれぞれには、複数のコイルが1つずつ巻かれている。複数のスロット103のそれぞれには、対応するコイルが配置されている。
【0015】
ステータコア1における厚さ方向を向く一対の面のうちの一方の面を第1面104とし、ステータコア1における厚さ方向を向く一対の面のうちの他方の面を第2面105とする。
【0016】
絶縁キャップ体2は、第1絶縁キャップ3と、第2絶縁キャップ4と、を有している。第1絶縁キャップ3および第2絶縁キャップ4は、ステータコア1の厚さ方向にステータコア1を挟んでいる。
【0017】
第1絶縁キャップ3は、第1面104に設けられている。第1絶縁キャップ3は、第1面対向部301を有している。
【0018】
第1面対向部301は、第1面104に対向している。第1面対向部301は、第1面104に接触している。
【0019】
第2絶縁キャップ4は、第2面105に設けられている。第2絶縁キャップ4は、第2面対向部401と、複数の第2弾性部402と、複数の第2凸部403と、を有している。複数の第2弾性部402および複数の第2凸部403は、第1絶縁キャップ3に対して第2絶縁キャップ4を固定するスナップフィット構造の機能を有している。
【0020】
第2面対向部401は、第2面105に対向している。第2面対向部401は、第2面105に接触している。
【0021】
複数の第2弾性部402のそれぞれは、第2面対向部401に設けられている。複数の第2弾性部402のそれぞれは、第2面対向部401から第1面対向部301まで延びている。第2弾性部402が延びる方向は、ステータコア1の厚さ方向と同一である。
【0022】
複数の第2凸部403は、複数の第2弾性部402のそれぞれに1つずつ設けられている。複数の第2凸部403のそれぞれは、第1面104に沿った方向に第2弾性部402から突出している。具体的には、複数の第2凸部403のそれぞれは、第1面104に沿った方向であって、コアバック101の径方向において外側に向かって、第2弾性部402から突出している。
【0023】
複数の第2弾性部402のそれぞれは、対応する第2凸部403が第1面104に沿った方向に移動するように弾性変形可能になっている。第2凸部403が第1面104に沿った方向に移動することによって、第2凸部403は、第1面対向部301における第1面104とは反対側の面に掛かる第2凸部取付位置と、第2凸部取付位置からずれる第2凸部取外位置との間で移動する。
【0024】
第2凸部403の位置が第2凸部取付位置である場合に、第1面対向部301における第1面104とは反対側の面に第2凸部403が掛かる。これにより、第1絶縁キャップ3に対して第2絶縁キャップ4が固定される。したがって、第1絶縁キャップ3および第2絶縁キャップ4が互いに離れることが抑制される。その結果、第1絶縁キャップ3および第2絶縁キャップ4のそれぞれがステータコア1から離れることが抑制される。
【0025】
コアバック101の径方向における内側への外力が第2弾性部402に作用していない場合に、第2凸部403の位置は、第2弾性部402の弾性力によって第2凸部取付位置になる。
【0026】
第2凸部403の位置が第2凸部取外位置である場合に、第1面対向部301における第1面104とは反対側の面から第2凸部403が外れる。これにより、第1絶縁キャップ3に対する第2絶縁キャップ4の固定が解除される。したがって、第1絶縁キャップ3および第2絶縁キャップ4が互いに離れることが可能になる。その結果、第1絶縁キャップ3および第2絶縁キャップ4のそれぞれがステータコア1から離れることが可能になる。
【0027】
コアバック101の径方向における内側への外力が第2弾性部402の弾性力に逆らって第2弾性部402に作用している場合に、第2凸部403の位置は、第2凸部取外位置になる。
【0028】
複数の第2弾性部402は、複数のスロット103のそれぞれの内側を1つずつ通るように配置されている。第2凸部403の位置が第2凸部取外位置である場合に、第2凸部403は、対応するスロット103の内側を通過することが可能になる。
【0029】
次に、レゾルバステータの組立手順について説明する。まず、第1絶縁キャップ3を第1面104に設ける。その後、第2絶縁キャップ4を第2面105に設ける。このとき、複数の第2弾性部402のそれぞれが対応するスロット103の内側を通るように第2絶縁キャップ4を第2面105に設ける。
【0030】
第2絶縁キャップ4を第2面105に設けることによって、複数の第2凸部403のそれぞれが対応するスロット103の内側を通過して、第1面対向部301におけるステータコア1とは反対側の面に掛かる。
【0031】
第2凸部403が第1面対向部301におけるステータコア1とは反対側の面に掛かることによって、第1絶縁キャップ3および第2絶縁キャップ4のそれぞれがステータコア1から離れることが抑制される。
【0032】
その後、第1絶縁キャップ3および第2絶縁キャップ4を介して複数のティース102のそれぞれにコイルを巻く。
【0033】
ティース102にコイルを巻く際には、ステータコア1、第1絶縁キャップ3および第2絶縁キャップ4に振動が発生する場合がある。この場合であっても、第1絶縁キャップ3および第2絶縁キャップ4のそれぞれがステータコア1から離れることが抑制されることによって、ティース102に対してコイルを予め設定された形に巻くことができる。以上により、レゾルバステータの組立手順が終了する。
【0034】
以上説明したように、実施の形態1に係るレゾルバの絶縁キャップ体2は、ステータコア1の第1面104に設けられた第1絶縁キャップ3と、ステータコア1の第2面105に設けられた第2絶縁キャップ4と、を備えている。第1絶縁キャップ3は、第1面104に対向する第1面対向部301を有している。第2絶縁キャップ4は、第2面105に対向する第2面対向部401と、第2面対向部401から第1面対向部301まで延びた第2弾性部402と、第2弾性部402に設けられた第2凸部403と、を有している。第2凸部403は、第1面104に沿った方向に第2弾性部402から突出している。第2弾性部402は、第2凸部403が第1面104に沿った方向に移動するように弾性変形可能になっている。第2凸部403が第1面104に沿った方向に移動することによって、第2凸部403は、第1面対向部301における第1面104とは反対側の面に掛かる第2凸部取付位置と、第2凸部取付位置からずれる第2凸部取外位置との間で移動する。この構成によれば、第2凸部403の位置を第2凸部取付位置にすることによって、第1絶縁キャップ3および第2絶縁キャップ4が互いに離れることが抑制される。これにより、第1絶縁キャップ3および第2絶縁キャップ4のそれぞれがステータコア1から離れることを抑制することができる。また、第2凸部403の位置を第2凸部取外位置にすることによって、第1絶縁キャップ3および第2絶縁キャップ4を互いに離すことが可能になる。これにより、第1絶縁キャップ3および第2絶縁キャップ4のそれぞれをステータコア1から離すことが可能になる。
【0035】
また、実施の形態1に係るレゾルバの絶縁キャップ体2では、ステータコア1には、コイルが配置されるスロット103が形成されており、第2弾性部402は、スロット103の内側を通るように配置されている。この構成によれば、コアバック101の径方向においてコアバック101の外側を第2弾性部が通るように第2弾性部が配置されている場合と比較して、コアバック101の径方向においてレゾルバステータを小型化することができる。
【0036】
実施の形態2.
図5は、実施の形態2に係るレゾルバの絶縁キャップ体を備えたレゾルバステータを示す斜視図である。図6は、図5のレゾルバステータを示す分解斜視図である。実施の形態2に係るレゾルバの絶縁キャップ体2では、第1絶縁キャップ3は、複数の第1弾性部302と、複数の第1凸部303と、を有している。複数の第1弾性部302および複数の第1凸部303は、第2絶縁キャップ4に対して第1絶縁キャップ3を固定するスナップフィット構造の機能を有している。
【0037】
複数の第1弾性部302のそれぞれは、第1面対向部301に設けられている。複数の第1弾性部302のそれぞれは、第1面対向部301から第2面対向部401まで延びている。第1弾性部302が延びる方向は、ステータコア1の厚さ方向と同一である。
【0038】
複数の第1凸部303は、複数の第1弾性部302のそれぞれに1つずつ設けられている。複数の第1凸部303のそれぞれは、第2面105に沿った方向に第1弾性部302から突出している。具体的には、複数の第1凸部303のそれぞれは、第2面105に沿った方向であって、コアバック101の径方向において外側に向かって、第1弾性部302から突出している。
【0039】
複数の第1弾性部302のそれぞれは、対応する第1凸部303が第2面105に沿った方向に移動するように弾性変形可能になっている。第1凸部303が第2面105に沿った方向に移動することによって、第1凸部303は、第2面対向部401における第2面105とは反対側の面に掛かる第1凸部取付位置と、第1凸部取付位置からずれる第1凸部取外位置との間で移動する。
【0040】
第1凸部303の位置が第1凸部取付位置である場合に、第2面対向部401における第2面105とは反対側の面に第1凸部303が掛かる。これにより、第2絶縁キャップ4に対して第1絶縁キャップ3が固定される。したがって、第1絶縁キャップ3および第2絶縁キャップ4が互いに離れることが抑制される。その結果、第1絶縁キャップ3および第2絶縁キャップ4のそれぞれがステータコア1から離れることが抑制される。
【0041】
コアバック101の径方向における内側への外力が第1弾性部302に作用していない場合に、第1凸部303の位置は、第1弾性部302の弾性力によって第1凸部取付位置になる。
【0042】
第1凸部303の位置が第1凸部取外位置である場合に、第2面対向部401における第2面105とは反対側の面から第1凸部303が外れる。第1凸部303の位置が第1凸部取外位置であり、第2凸部403の位置が第2凸部取外位置である場合に、第1絶縁キャップ3および第2絶縁キャップ4が互いに離れることが可能になる。その結果、第1絶縁キャップ3および第2絶縁キャップ4のそれぞれがステータコア1から離れることが可能になる。
【0043】
コアバック101の径方向における内側への外力が第1弾性部302の弾性力に逆らって第1弾性部302に作用している場合に、第1凸部303の位置は、第1凸部取外位置になる。
【0044】
複数の第1弾性部302は、対応する複数のスロット103のそれぞれの内側を1つずつ通るように配置されている。第1凸部303の位置が第1凸部取外位置である場合に、第1凸部303は、対応するスロット103の内側を通過することが可能になる。
【0045】
コアバック101の周方向において、第1弾性部302および第2弾性部402のそれぞれの位置が互いにずれている。したがって、コアバック101の周方向において、第1凸部303および第2凸部403のそれぞれの位置が互いにずれている。
【0046】
実施の形態2に係るレゾルバの絶縁キャップ体2におけるその他の構成は、実施の形態1に係るレゾルバの絶縁キャップ体2の構成と同様である。
【0047】
以上説明したように、実施の形態2に係るレゾルバの絶縁キャップ体2では、第1絶縁キャップ3は、第1面対向部301から第2面対向部401まで延びた第1弾性部302と、第1弾性部302に設けられた第1凸部303と、を有している。第1凸部303は、第2面105に沿った方向に第1弾性部302から突出している。第1弾性部302は、第1凸部303が第2面105に沿った方向に移動するように弾性変形可能になっている。第1凸部303が第2面105に沿った方向に移動することによって、第1凸部303は、第2面対向部401における第2面105とは反対側の面に掛かる第1凸部取付位置と、第1凸部取付位置からずれた第1凸部取外位置との間で移動する。この構成によれば、第1凸部303の位置を第1凸部取付位置にすることによって、第1絶縁キャップ3および第2絶縁キャップ4が互いに離れることがより確実に抑制される。これにより、第1絶縁キャップ3および第2絶縁キャップ4のそれぞれがステータコア1から離れることをより確実に抑制することができる。また、第1凸部303の位置を第1凸部取外位置にし、さらに、第2凸部403の位置を第2凸部取外位置にすることによって、第1絶縁キャップ3および第2絶縁キャップ4を互いに離すことが可能になる。これにより、第1絶縁キャップ3および第2絶縁キャップ4のそれぞれをステータコア1から離すことが可能になる。
【0048】
なお、実施の形態2に係るレゾルバの絶縁キャップ体2では、第1絶縁キャップ3が、複数の第1弾性部302と、複数の第1凸部303と、を有している構成について説明した。しかしながら、第1絶縁キャップ3は、少なくとも1つの第1弾性部302と、少なくとも1つの第1凸部303と、を有している構成であればよい。
【0049】
実施の形態3.
図7は、実施の形態3に係るレゾルバの絶縁キャップ体を備えたレゾルバステータを示す断面図である。実施の形態3に係るレゾルバの絶縁キャップ体2では、第1絶縁キャップ3は、複数の第1壁304を有している。複数の第1壁304のそれぞれは、第1面対向部301における第1面104とは反対側の面に立てられている。複数の第1壁304は、複数の第2凸部403のそれぞれに1つずつ対応して設けられている。
【0050】
複数の第2凸部403のそれぞれは、ステータコア1の径方向において対応する第1壁304の内側に配置されている。ステータコア1の径方向は、コアバック101の径方向と同一の方向である。
【0051】
複数のコイルには、複数のマグネットワイヤ5が接続されている。複数のマグネットワイヤ5のそれぞれは、ステータコア1の径方向において複数の第1壁304のそれぞれの外側を通るように配置されている。複数のマグネットワイヤ5のそれぞれは、複数の第1壁304のそれぞれに接触している。
【0052】
実施の形態3に係るレゾルバの絶縁キャップ体2におけるその他の構成は、実施の形態1に係るレゾルバの絶縁キャップ体2の構成と同様である。なお、実施の形態3に係るレゾルバの絶縁キャップ体2におけるその他の構成は、実施の形態2に係るレゾルバの絶縁キャップ体2の構成と同様に、第1絶縁キャップ3が第1弾性部302と第1凸部303とを有している構成であってもよい。
【0053】
以上説明したように、実施の形態3に係るレゾルバの絶縁キャップ体2では、第1絶縁キャップ3は、第1面対向部301における第1面104とは反対側の面に立てられた第1壁304を有している。第2凸部403は、ステータコア1の径方向において第1壁304の内側に配置されている。コイルに接続されているマグネットワイヤ5は、ステータコア1の径方向において第1壁304の外側を通るように配置されている。この構成によれば、第2凸部403とマグネットワイヤ5とが互いに接触することが防止されている。これにより、第2凸部403とマグネットワイヤ5との間の接触によるマグネットワイヤ5の断線を防止することができる。
【0054】
なお、実施の形態3に係るレゾルバの絶縁キャップ体2では、第1絶縁キャップ3が第1壁304を有している構成について説明した。しかしながら、第2絶縁キャップ4が、第2面対向部401における第2面105とは反対側に立てられた第2壁を有している構成であってもよい。この場合に、マグネットワイヤ5は、ステータコア1の径方向において第2壁の外側を通るように配置される。
【0055】
また、各実施の形態に係るレゾルバの絶縁キャップ体2では、第2絶縁キャップ4が、複数の第2弾性部402と、複数の第2凸部403と、を有している構成について説明した。しかしながら、第2絶縁キャップ4は、少なくとも1つの第2弾性部402と、少なくとも1つの第2凸部403と、を有している構成であればよい。
【0056】
以上、好ましい各実施の形態に係るレゾルバの絶縁キャップ体2について説明したが、上述した各実施の形態に係るレゾルバの絶縁キャップ体2に制限されることはない。特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した各実施の形態に係るレゾルバの絶縁キャップ体2に種々の変形および変換を加えることができる。
【符号の説明】
【0057】
1 ステータコア、2 絶縁キャップ体、3 第1絶縁キャップ、4 第2絶縁キャップ、5 マグネットワイヤ、101 コアバック、102 ティース、103 スロット、104 第1面、105 第2面、301 第1面対向部、302 第1弾性部、303 第1凸部、304 第1壁、401 第2面対向部、402 第2弾性部、403 第2凸部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7