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▶ 薬糧開発株式会社の特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083774
(43)【公開日】2024-06-24
(54)【発明の名称】サプリメント
(51)【国際特許分類】
   A23L 33/10 20160101AFI20240617BHJP
【FI】
A23L33/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197780
(22)【出願日】2022-12-12
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】506191091
【氏名又は名称】薬糧開発株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081949
【弁理士】
【氏名又は名称】神保 欣正
(72)【発明者】
【氏名】河野 司
【テーマコード(参考)】
4B018
【Fターム(参考)】
4B018LE01
4B018MD05
4B018MD08
4B018MD10
4B018MD20
4B018MD29
4B018MD32
4B018MD34
4B018MD48
4B018MD61
4B018MD74
4B018MD76
4B018ME06
4B018ME14
4B018MF01
(57)【要約】
【課題】 血管の硬化を防ぎ柔軟性を向上することを一種類のサプリメンで実現する。
【解決手段】 オリーブ由来のヒドロキシチロソールとカツオ由来のエラスチンペプチドを含むことにより、血中のLDLコレステロールの酸化を抑制させる作用と血管の柔軟性を維持する作用を同時に実現する。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オリーブ由来のヒドロキシチロソールとカツオ由来のエラスチンペプチドを含むことにより、血中のLDLコレステロールの酸化を抑制させる作用と血管の柔軟性を維持する作用を同時に実現することを可能としたサプリメント。
【請求項2】
パフィア抽出物を含む請求項1記載のサプリメント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は血管の硬化を防ぎ柔軟性を向上することを企図したサプリメントに関する。
【背景技術】
【0002】
血管の硬化を防ぎ柔軟性を向上させることは血管の老化を阻止し成人病を防止するために必須である。
【0003】
血管を老化を招来する要素としていわゆる悪玉コレステロールと呼ばれるLDLコレステロールがある。LDLコレステロールは本来は体に必要な栄養素のひとつであるが、活性酸素によって酸化されると血管壁に蓄積されて、血管を硬く細くして老化させる。これに関してヒドロキシチロソールが血中LDLコレステロールの酸化抑制に有効で、オリーブ由来ヒドロキシチロソールの存在が知られている(特許文献1、2)。
【0004】
また、血管の柔軟性に関してはエラスチンが有効である。エラスチンはゴムのように伸縮性に富むタンパク質であり、ヒトの組織や臓器(皮膚、動脈、靭帯など)に弾力性を与えている。エラスチンは動脈では中膜に多く存在し、血圧及び血流の拍動を緩衝するのに役立っている。しかし、加齢により中膜のエラスチンが減少し、血管は柔軟性を失う。これに関してはカツオ由来エラスチンペプチドを経口摂取することによってエラスチンの減少を補うことが知られている(特許文献3、4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】再公表2017-104777号公報
【特許文献2】特許第5614817号公報
【特許文献3】特許第5690704号公報
【特許文献4】特開2015-42688号公報
【特許文献5】特開2015-89890号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記したように、前記オリーブ由来ヒドロキシチロソールは人体に有用な効果があるのでサプリメント化することが想定される。
【0007】
また、カツオ由来エラスチンペプチドは人体に有用な効果があるのでサプリメント化することが想定される。
【0008】
ところで、現代人は各種のサプリメントを服用するが、多数のサプリメントを携帯することは負担になり、飲み忘れなどを将来しがちであった。また、多数のサプリメントを購入することは経済的な負担にもなった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明のサプリメントは前記の問題を解消することを目的としたものであり、オリーブ由来のヒドロキシチロソールとカツオ由来のエラスチンペプチドを含むことにより、血中のLDLコレステロールの酸化を抑制させる作用と血管の柔軟性を維持する作用を同時に実現することを可能とする。
【0010】
また、請求項2記載のサプリメントは前記のサプリメントにパフィア抽出物を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
以上の構成よりなる本願発明のサプリメントによれば、一種類のサプリメントを服用することにより、血中のLDLコレステロールの酸化を抑制させる作用と血管の柔軟性を維持する作用を同時に実現することが可能となる。血中LDLコレステロールの酸化抑制は血管の硬化を防止するものであり、血管の柔軟性の維持と複合して血管の老化を阻止し成人病を防止するものであり、一種類のサプリメントの服用でこれらを実現できることは有用である。
【0012】
また、パフィア抽出物は血管内皮細胞に発現する受容体型チロシンキナーゼT■e2の活性
化作用があり(特許文献5)、血管新生が抑制することにより血管を正常化させる作用を生じる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
健常成人に対して、オリーブ由来ヒドロキシチロソールを摂取させた際の、血中LDLコレステロールの酸化抑制における機能の有無を評価してみた。
【0014】
オリーブに含まれるポリフェノールには抗酸化機能があることから、LDLコレステロールの酸化抑制作用が報告されている。オリーブ由来ヒドロキシチロソールはオリーブに含まれるポリフェノールの一種であり、LDLコレステロールに対する酸化抑制作用が示唆されている。
【0015】
そこで、健常成人を対象とし、オリーブ由来ヒドロキシチロソールの経口摂取による、血中LDLコレステロールの酸化への影響を、プラセボと比較してみた。健常成人に対しオリーブ由来ヒドロキシチロソールを1. 59mg~50mgを単回または3週間継続摂取させた試験を行なったころ、プラセボと比較して有意に血中LDLコレステロールの酸化抑制効果が認められた。
【0016】
健常成人に対して、カツオ由来エラスチンペプチドを摂取させた際の、血管機能の改善の有無を評価してみた。
【0017】
エラスチンはゴムのように伸縮性に富むタンパク質であり、ヒトの組織や臓器(皮膚、動脈、靭帯など)に弾力性を与えている。エラスチンは動脈では中膜に多く存在し、血圧及び血流の拍動を緩衝するのに役立っている。しかし、加齢により中膜のエラスチンが減少し、血管は柔軟性を失うことが報告されている
【0018】
血管弾性を表す数値(上腕足首間脈波伝播速度)が各年代及び性別における基準範囲内であり、40歳以上64歳以下の疾病を患っていない健康な日本人男性及び女性を対象に、カツオ由来エラスチンペプチド75mg/日(エラスチン群)またはプラセボ(プラセボ群)を16週間持続して経口摂取させることで、エラスチン群ではプラセボ群と比較して血管弾性、血管内皮機能および体感(手足の冷え、腰痛、疲れやすさ、目の疲れ、イライラ感、物忘れ)が有意に改善した。
【0019】
以下は本願発明のサプリメントの各原料の配合例である。
┌─────────────────┬────────────┬────────┐
│ 原 料 │一粒あたり配合量(mg)│配合割合(%) │
├─────────────────┼────────────┼────────┤
│ エラスチンペプチド │ 82.5 │ 27.5 │
├─────────────────┼────────────┼────────┤
│ 澱粉 │ 57.6 │ 19.2 │
├─────────────────┼────────────┼────────┤
│ 水飴パウダー │ 50.0 │ 16.7 │
├─────────────────┼────────────┼────────┤
│ 還元麦芽糖水飴 │ 50.0 │ 16.7 │
├─────────────────┼────────────┼────────┤
│ オリーブ葉エキス末 │ 29.0 │ 9.7 │
├─────────────────┼────────────┼────────┤
│ パフィアエキス末 │ 15.0 │ 5.0 │
├─────────────────┼────────────┼────────┤
│ ステアリン酸Ca │ 9.0 │ 3.0 │
├─────────────────┼────────────┼────────┤
│ 微粒二酸化ケイ素 │ 5.9 │ 2.0 │
├─────────────────┼────────────┼────────┤
│ セラック │ 1.0 │ 0.3 │
├─────────────────┼────────────┼────────┤
│ 合 計 │ 300.0 │ 100.0 │
└─────────────────┴────────────┴────────┘