(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083786
(43)【公開日】2024-06-24
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/01 20060101AFI20240617BHJP
G07G 1/00 20060101ALI20240617BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20240617BHJP
【FI】
G07G1/01 301D
G07G1/00 311E
G07G1/12 331A
G07G1/00 311Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197797
(22)【出願日】2022-12-12
(71)【出願人】
【識別番号】000190116
【氏名又は名称】信越ポリマー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 亮
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142AA01
3E142AA03
3E142CA12
3E142CA20
3E142DA08
3E142EA04
3E142GA22
3E142GA41
3E142HA01
3E142JA01
3E142KA01
(57)【要約】
【課題】ユーザに商品の登録を促すことができる情報処理システム、情報処理方法及びプログラムを提供すること。
【解決手段】情報処理システムは、入力された情報に基づいて商品の情報を取得する商品情報取得部と、商品保持部に付加された静電容量方式のセンサと、センサが検出した静電容量に基づいて商品保持部に商品が入ったことを検知する検知部と、検知部が商品保持部に商品が入ったことを検知したが商品情報取得部が商品の情報を取得していない場合に、商品の登録についてユーザに注意を促す情報を示す報知を行う報知処理部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された情報に基づいて商品の情報を取得する商品情報取得部と、
商品保持部に付加された静電容量方式のセンサと、
前記センサが検出した静電容量に基づいて前記商品保持部に商品が入ったことを検知する検知部と、
前記検知部が前記商品保持部に商品が入ったことを検知したが前記商品情報取得部が商品の情報を取得していない場合に、商品の登録についてユーザに注意を促す情報を示す報知を行う報知処理部と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記検知部は、前記商品保持部に商品が入っていない場合の静電容量と商品が入った場合の静電容量との差に基づいて前記商品保持部に商品が入ったことを検知する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記商品保持部は商品を収容するかごを備え、
前記センサは、前記かごの上フレームに付加されている、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記商品保持部は商品を収容するかごを備え、
前記センサは、一又は複数のセンサを含み、前記かごの下フレームに付加されている、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記センサを包含する樹脂層
をさらに備える、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記報知処理部は、前記検知部が前記商品保持部に商品が入ったことを検知したが、検知した時刻から所定の時間前の間に前記商品情報取得部が商品の情報を取得していなかった場合に、商品の登録についてユーザに注意を促す情報を示す報知を行う、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記検知部が前記商品保持部に商品が入ったことを検知したが前記商品情報取得部が商品の情報を取得していない場合に通知を行う通知部
をさらに備える、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項8】
情報処理システムで実行される情報処理方法であって、
入力された情報に基づいて商品の情報を取得するステップと、
商品保持部に付加された静電容量方式のセンサが検出した静電容量に基づいて前記商品保持部に商品が入ったことを検知するステップと、
前記検知するステップで前記商品保持部に商品が入ったことを検知したが前記商品の情報を取得するステップで商品の情報を取得していない場合に、商品の登録についてユーザに注意を促す情報を示す報知を行うステップと
を有する、情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータに、
入力された情報に基づいて商品の情報を取得するステップと、
商品保持部に付加された静電容量方式のセンサが検出した静電容量に基づいて前記商品保持部に商品が入ったことを検知するステップと、
前記検知するステップで前記商品保持部に商品が入ったことを検知したが前記商品の情報を取得するステップで商品の情報を取得していない場合に、商品の登録についてユーザに注意を促す情報を示す報知を行うステップと
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デパート、スーパーマーケット、コンビニ、家電量販店などの小売店等において人手不足が続いている。また、コロナ禍では人と人との接触を避けることが要求されている。こうした理由から無人店舗の活用が進んでいる。
無人店舗には、天井に設置されているカメラや、商品棚の重量センサを用いて、人の導線と手に取った商品とを解析し、誰が何を手に取ったかを特定するものがある。このような無人店舗では、利用者は専用アプリのQRコード(登録商標)をゲートにかざして入店し、欲しい商品を手に取って退店するだけで、退店後自動的にクレジットカード決済が行われる。また、無人店舗には、商品にRFID(登録商標)タグを付け、自動的に精算するものがある。
【0003】
また、無人店舗には、客自らが商品に付されたバーコードなどの画像コードを読ませるセルフレジ型の無人店舗があり、このような無人店舗では、店内を移動するユーザによって、商品の運搬に用いるショッピングカートや買物かごとともに、セルフ登録用のPOS(Point of sales)として、タブレット端末やスマートフォンなどの情報処理装置が用いられる。
このような情報処理装置に関して、ユーザに商品の登録を促すべきタイミングでその旨を報知可能にする技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、情報処理装置は、入力された情報に基づいて商品の情報を取得する商品情報取得部と、所定の商品保持部が保持する商品の増減を検知する増減検知部と、商品保持部の移動を検知する移動検知部と、増減検知部が商品の増減を検知したが商品情報取得部が商品の情報を取得せず且つ移動検知部が商品保持部の移動を検知すると、商品の登録についてユーザに注意を促す情報を示す報知を行う報知処理部とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述したような無人店舗のうち、天井に設置されているカメラや、商品棚の重量センサを用いて、人の導線と手に取った商品とを解析する無人店舗は、店舗に張り巡らせるカメラや重量計などの導入へのハードウェア的、ソフトウェア的な初期投資が多く必要である。さらに、このような無人店舗は、継続的にセンサ類の校正や調整などもあり、現行の店舗へ広げていくことは難しい。
また、商品にRFIDタグを付け、自動的に精算する無人店舗は、商品一つ一つにRFIDタグを取り付ける必要があるため、大きな工数が必要となり、特にスーパーマーケットなどの商品や商流が多岐に渡る店舗では負担が大きい。
また、お客様自らが商品に付されたバーコードなどの画像コードを読ませ、商品の情報を取得するセルフレジ型の無人店舗は、導入コストが安くスーパーマーケットなどにも向くが、商品の登録の有無を客自らの良心に任せる形となり、万引きなどの問題も懸念される。
本発明の目的は、ユーザに商品の登録を促すことができる情報処理システム、情報処理方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一態様は、入力された情報に基づいて商品の情報を取得する商品情報取得部と、商品保持部に付加された静電容量方式のセンサと、前記センサが検出した静電容量に基づいて前記商品保持部に商品が入ったことを検知する検知部と、前記検知部が前記商品保持部に商品が入ったことを検知したが前記商品情報取得部が商品の情報を取得していない場合に、商品の登録についてユーザに注意を促す情報を示す報知を行う報知処理部と、を備える情報処理システムである。
(2)本発明の一態様は、上記(1)に記載の情報処理システムにおいて、前記検知部は、前記商品保持部に商品が入っていない場合の静電容量と商品が入った場合の静電容量との差に基づいて前記商品保持部に商品が入ったことを検知する。
(3)本発明の一態様は、上記(1)に記載の情報処理システムにおいて、前記商品保持部は商品を収容するかごを備え、前記センサは、前記かごの上フレームに付加されている。
(4)本発明の一態様は、上記(1)に記載の情報処理システムにおいて、前記商品保持部は商品を収容するかごを備え、前記センサは、一又は複数のセンサを含み、前記かごの下フレームに付加されている。
(5)本発明の一態様は、上記(1)に記載の情報処理システムにおいて、前記センサを包含する樹脂層をさらに備える。
(6)本発明の一態様は、上記(1)に記載の情報処理システムにおいて、前記報知処理部は、前記検知部が前記商品保持部に商品が入ったことを検知したが、検知した時刻から所定の時間前の間に前記商品情報取得部が商品の情報を取得していなかった場合に、商品の登録についてユーザに注意を促す情報を示す報知を行う。
(7)本発明の一態様は、上記(1)に記載の情報処理システムにおいて、前記検知部が前記商品保持部に商品が入ったことを検知したが前記商品情報取得部が商品の情報を取得していない場合に通知を行う通知部をさらに備える。
【0007】
(8)本発明の一態様は、情報処理システムで実行される情報処理方法であって、入力された情報に基づいて商品の情報を取得するステップと、商品保持部に付加された静電容量方式のセンサが検出した静電容量に基づいて前記商品保持部に商品が入ったことを検知するステップと、前記検知するステップで前記商品保持部に商品が入ったことを検知したが前記商品の情報を取得するステップで商品の情報を取得していない場合に、商品の登録についてユーザに注意を促す情報を示す報知を行うステップとを有する、情報処理方法である。
【0008】
(9)本発明の一態様は、コンピュータに、入力された情報に基づいて商品の情報を取得するステップと、商品保持部に付加された静電容量方式のセンサが検出した静電容量に基づいて前記商品保持部に商品が入ったことを検知するステップと、前記検知するステップで前記商品保持部に商品が入ったことを検知したが前記商品の情報を取得するステップで商品の情報を取得していない場合に、商品の登録についてユーザに注意を促す情報を示す報知を行うステップとを実行させる、プログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザに商品の登録を促すことができる情報処理システム、情報処理方法及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態に係るカートPOS1の一例の外観を示す斜視図である。
【
図2A】本実施形態に係るかごKの一例を示す図である。
【
図2B】本実施形態に係るかごKの一例を示す図である。
【
図3】本実施形態に係るタブレットPOS10の一例を示すブロック図である。
【
図4】本実施形態に係るタブレットPOS10の制御部110の一例を示すブロック図である。
【
図5】本実施形態に係るタブレットPOS10の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図6】本実施形態に係るタブレットPOS10の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図7】本実施形態に係るタブレットPOS10の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図8】本実施形態に係るタブレットPOS10が表示する画面の一例を示す図である。
【
図9】本実施形態に係るカートPOS1の他の一例の外観を示す斜視図である。
【
図10】実施形態の変形例に係るカートPOS1aの一例の外観を示す斜視図である。
【
図11】実施形態の変形例に係るタブレットPOS10aの一例を示すブロック図である。
【
図12】実施形態の変形例に係るタブレットPOS10aの制御部110aの一例を示すブロック図である。
【
図13】実施形態の変形例に係るタブレットPOS10aの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本実施形態の情報処理システム、情報処理方法及びプログラムを、図面を参照しつつ説明する。以下で説明する実施形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施形態は、以下の実施形態に限られない。
なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
【0012】
(実施形態)
実施形態について図面を用いて説明する。本実施形態に係る無人店舗USは、カートPOSを備える。カートPOSは、小売りの店舗に設置されて商品の運搬に用いられ、店舗内を移動しながら購入する商品を収納する。カートPOSは、タブレットPOSを備える。
無人店舗USでは、お客様自らが商品に付されたバーコードなどの画像コードを読み取らせ、商品の情報を取得するセルフレジ型の無人店舗である。このような無人店舗では、お客様自らが商品に付されたバーコードなどの画像コードをスキャナなどによって読み取らせた後に、商品をかごに入れる。お客様自らが画像コードを読み取らせることによってタブレットPOSは商品の情報を取得する。無人店舗USでは、タブレットPOSによって取得された商品の情報に基づいて会計が行われる。
【0013】
無人店舗USでは、商品に付された画像コードを読み取らせず、商品をかごに入れてしまう万引き的行為が想定される。無人店舗USでは、タブレットPOSは、商品に付された画像コードを読み取らせていないのにかごの中に商品が入ったことを検知し、お客様へ商品に付された画像コードを読み取らせることを促す。
図1は、実施形態に係るカートPOS1の一例の外観を示す斜視図である。カートPOS1は、顧客が押して店内を移動させるものである。カートPOS1は、取っ手2、かご載置部3、キャスター4、スキャナ5、タブレットPOS10を備える。
【0014】
取っ手2は、顧客が把持してカートPOS1を移動させるための部分である。かご載置部3は、商品を収納するかごKを載置する台であって、上下段に設けられている。キャスター4は、カートPOS1に4脚備えられる。それぞれのキャスター4が個別に回転することで、カートPOS1は顧客に押されて店内を自由に移動することができる。
【0015】
スキャナ5は、顧客が購入する商品に付されたバーコードなどの画像コードを読み取る装置である。スキャナ5は、タブレットPOS10に接続されている。スキャナ5は、画像コードを光学的にまたは撮像して読み取る。スキャナ5は、画像コードをデコードし、画像コードをデコードした結果をタブレットPOS10に送信する。
【0016】
タブレットPOS10は、売上登録処理を実行する。売上登録処理については後述する。タブレットPOS10は、いわゆるタブレット型コンピュータ(タブレット端末)のような外観および機能を有し、本体部11、表示部12および操作部13を備えている。
【0017】
表示部12は、例えば液晶ディスプレイなど、板状の表示デバイスである。操作部13は、表示部12の表面に重ねられたタッチ入力デバイス(タッチパネル)である。本体部11は、一面に開口部を有する薄い箱状の筐体で、上記各部を収納する。本体部11の開口部は、操作部13が操作を受け付ける領域を露出させる。
【0018】
次に、かごKについて説明する。
図2A、
図2Bは、本実施形態に係るかごKの一例を示す図である。
図2AはかごKの斜視図、
図2BはかごKの正面図である。
かごKは、かご本体31、上フレーム31a、下フレーム31b、サイドフレーム31c、取っ手32a、取っ手32b、取っ手取付部33a~33d、センサストラップST、センサ基板SBを備えている。
図2A、
図2Bにおいて、X軸方向とY軸方向とによって水平面が構成され、水平面に垂直な方向がZ軸方向とされる。矢印の方向が正の方向である。X軸方向はかごKにおいて長手方向であり、Y軸方向はかごKにおいて短辺方向である。
【0019】
かごKの一例は、ポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチック製である。かご本体31は、Z軸方向の正の方向から見た場合に略長方形状の上フレーム31a、上フレーム31aと相似して各辺の長さが上フレーム31aより少し短い下フレーム31b、上フレーム31aの四隅と下フレーム31bの四隅を連結する4本のサイドフレーム31cを備え、上フレーム31a、下フレーム31b及びサイドフレーム31cで形成される6面のうち、上面を除く面は、網状、格子状であり、上面は開口している。
【0020】
かご本体31の上フレーム31aには、取っ手取付部33a~33dが設けられ、取っ手取付部33a、33bに左側の取っ手32aが取り付けられ、取っ手取付部33c、33dに右側の取っ手32bが取り付けられている。
【0021】
かごKにおいて上フレーム31aなどの商品が最初に通過する入口部分には、センサストラップSTが付加され、センサストラップSTはセンサ基板SBに接続されている。センサストラップSTの一例は、金属線であり、上フレーム31aに巻き付けられている。センサ基板SBの一例は、上フレーム31a、下フレーム31b及びサイドフレーム31cで形成される6面のうち、上面を除く面のいずれかに取り付けられる。
【0022】
図2Aに示される例では、センサ基板SBは、上フレーム31a、下フレーム31b及びサイドフレーム31cで形成される6面のうち、上面及び下面を除く、X軸方向のフレームとZ軸方向のフレームとからなる面に取り付けられる。
センサストラップSTとセンサ基板SBとによってセンサ7が構成される。センサ7の一例は、静電容量型近接センサであり、かごKに物体が出入りしたことを検出する。センサ7の一例は、電界を利用した非接触型のセンサである。
【0023】
具体的には、センサ7の一例は、対象物が電界に進入した際の静電容量の変化により商品などの対象物を検出する。つまり、センサ7は、対象物が電界に進入する前後の静電容量の変化により商品などの対象物を検出する。例えば、センサ7は、静電容量の変化(差)が閾値以上である場合には対象物が電界に進入したと判定し、静電容量の変化(差)が閾値未満である場合には対象物が電界に進入していないと判定する。
センサ基板SBは、発振回路と、検出回路とを含む。発振回路には、電界を発生させる検出用電極が組み込まれている。検出用電極は、金属線に接続される。発信回路は、検出用電極に電界を発生させる。検出用電極が発生させた電界によって検出領域が構成される。ここで、検出領域の一例は、センサストラップによって囲まれた領域である。検出回路は、発振回路の発振周波数の変化を検出する。
【0024】
検出領域に対象物が存在しない場合には、発振回路の検出用電極の電荷が変化しないため静電容量は変化しない。静電容量が変化しないため、検出回路は発振回路の発振周波数の変化を検出しない。
検出領域に対象物が存在している場合には、発振回路の検出用電極の電荷が増加するため、静電容量が増加する。静電容量が変化するため、検出回路は発振回路の発振周波数の変化を検出する。センサ7は、検出回路が発振回路の発振周波数の変化を検出したことにより、センサ7は、対象物を検出する。例えば、センサ7は、検出回路が発振回路の発振周波数の変化(差)が閾値以上であることを検出したことにより、センサ7は、対象物を検出する。センサ7は、対象物を検出した場合にオン信号を出力し、対象物を検出しない場合にオフ信号を出力する。
【0025】
なお、かごKの大きさの一例は、幅(X方向の長さ)が450mm~570mm、奥行き(Y方向の長さ)が330mm~370mm、高さ(Z方向の長さ)が230mm~260mmである。
【0026】
図3は、本実施形態に係るタブレットPOS10の一例を示すブロック図である。タブレットPOS10は、表示部12、操作部13、制御部110、記憶部120、I/F(Interface、インタフェース)130などを備え、各部がデータバスやアドレスバス等のシステムバス101を介して相互に接続されて構成されている。
I/F130は、スキャナ5及びセンサ7の接続を受け、スキャナ5及びセンサ7と制御部110との通信を仲介する。
【0027】
制御部110は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサが記憶部120に格納されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。
制御部110の機能のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。コンピュータプログラムは、予めHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。
【0028】
記憶部120は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの記憶装置である。記憶部120は、制御部110(CPU)が実行可能な各種のプログラムや、設定情報等を記憶する。
また記憶部120は、PLU(Price Look Up)ファイル(商品マスタ)を、記憶している。PLUファイルは、各商品に一意に割り当てられた商品コードと、商品に関する情報(商品情報)とを、対応付けて格納している。商品情報は、例えば、商品の名称(商品名)、価格(単価)、商品分類などである。
【0029】
タブレットPOS10は、売上登録処理において、スキャナ5が読み取った画像コードをデコードした結果に基づいて商品コードを取得し、取得した商品コードで特定される商品に係る商品情報をPLUファイルから読み出し、読み出した商品情報を表示部12に表示するとともに、記憶部120の一部領域である商品情報記憶部に記憶する。
【0030】
図4は、本実施形態に係るタブレットPOS10の制御部110の一例を示すブロック図である。制御部110は、商品情報取得部111、検知部112、報知処理部113として機能する。制御部110は、ROMや記憶部120に記憶されたプログラムを実行することで、上記各機能部を実現する。
【0031】
商品情報取得部111は、スキャナ5からI/F130を介して入力される画像コードをデコードした結果を取得する。商品情報取得部111は、取得した画像コードをデコードした結果に基づいて商品コードを取得する。商品情報取得部111は、取得した商品コードに基づいて、商品情報を取得する。商品情報取得部111は、商品情報を取得した時刻情報(以下「商品情報取得時刻情報」という)を取得する。
例えば、商品情報取得部111は、商品コードで特定される商品に関する商品情報(商品名、価格など)を、PLUファイルから読み出すことによって取得する。商品情報取得部111は、取得した商品情報を表示部12に表示するとともに、記憶部120の一部領域である商品情報記憶部に商品情報取得時刻情報と関連付けて記憶させる。
【0032】
検知部112は、センサ7からI/F130を介して入力されるオン信号を検知することによってかごKに商品が入ったことを検知する。検知部112は、オン信号を検知した場合に、報知処理部113にオン信号を検知したことを通知する。
報知処理部113は、検知部112からオン信号を検知したことが通知された場合に、商品情報取得部111によって商品情報が取得されているか否かを判定する。報知処理部113は、検知部112からオン信号を検知したことが通知されたが、商品情報取得部111が商品情報を取得していない場合に、商品の登録についてユーザに注意を促す情報を報知する。
【0033】
例えば、報知処理部113は、検知部112からオン信号を検知したことが通知されたが、通知された時刻から所定の時間前の時刻の間に商品情報取得部111が商品の情報を取得していなかった場合に、商品の登録についてユーザに注意を促す情報を報知する。
具体的には、報知処理部113は、検知部112からオン信号を検知したことが通知された時刻情報を取得する。報知処理部113は、記憶部120の商品情報記憶部を参照し、取得した時刻情報に基づいて、その時刻情報に該当する時刻から所定の時間前の時刻の間に記憶された商品情報があるか否かを、商品情報と関連付けられている商品情報取得時刻情報に基づいて判定する。
【0034】
報知処理部113は、取得した時刻情報に該当する時刻から所定の時間前の時刻の間に記憶された商品情報があると判定した場合には、商品が登録されているため、ユーザに注意を促す情報を報知しない。報知処理部113は、取得した時刻情報に該当する時刻から所定の時間前の時刻の間に記憶された商品情報がないと判定した場合には、商品が登録されていないため、ユーザに注意を促す情報を報知する。
例えば、報知処理部113は、表示部12にユーザに注意を促す情報を示す情報を表示することによって報知を行うようにしてもよいし、音声によってユーザに注意を促すようにしてもよい。
【0035】
(タブレットPOS10の動作)
タブレットPOS10が行う処理について、次に説明する。
図5は、本実施形態に係るタブレットPOS10の動作の一例を示すフローチャートである。
図5を参照して、タブレットPOS10aの全体的な動作について説明する。
(ステップS1-1)
制御部110は、「登録忘れフラグ」を初期化する。ここで、フラグの初期状態の一例はOFFである。
【0036】
(ステップS2-1)
制御部110は、監視処理を行う。監視処理については、後述する。
(ステップS3-1)
制御部110は、監視処理の結果に基づいて、登録忘れフラグがオンであるか否かを判定する。
【0037】
(ステップS4-1)
ステップS3-1で、登録忘れフラグがONであった場合(ステップS3-1:YES)、制御部110は、登録忘れ処理を行う。登録忘れ処理については、後述する。
【0038】
(ステップS5-1)
制御部110は、ステップS3-1で登録忘れフラグがOFFであった場合(ステップS3-1:NO)又はステップS4-1の処理の後、会計処理に移行するか否かの判断を行う。例えば、制御部110は、ユーザによって操作部13に、会計する操作が行われた場合に会計処理に移行すると判断し、会計する操作が行われない場合に会計処理に移行しないと判断する。会計処理に移行すると判断した場合(ステップS5-1:YES)、制御部110は本処理を終了する。ステップS5-1において会計処理に移行しないと判断した場合(ステップS5-1:NO)、制御部110は、処理をステップS2-1に移行させる。
【0039】
図6は、本実施形態に係るタブレットPOS10の動作の一例を示すフローチャートである。
図6を参照して、
図5の監視処理(ステップS2-1)について説明する。
(ステップS1-2)
制御部110において、検知部112はかごKに商品が入ったことを検知したか否かを判定する。検知部112は、センサ7からオン信号が入力された場合にかごKに商品が入ったと判定し、センサ7からオン信号が入力されない場合にかごKに商品が入っていないと判定する。検知部112は、センサ7からオン信号が入力されることによってオン信号を検知した場合に、報知処理部113にオン信号を検知したことを通知する。検知部112がかごKに商品が入ったことを検知しない場合ステップS1-2へ戻る。
【0040】
(ステップS2-2)
制御部110において、報知処理部113は、検知部112からオン信号を検知したことが通知された時刻情報を取得する。報知処理部113は、記憶部120の商品情報記憶部を参照し、取得した時刻情報に基づいて、その時刻情報に該当する時刻から所定の時間前の時刻の間に取得された商品情報があるか否かを、商品情報と関連付けられている商品情報取得時刻情報に基づいて判定する。
報知処理部113は、商品情報取得部111によって商品情報が取得されていると判定した場合には終了する。この場合、商品情報取得部111が、かごKに入っている商品の商品情報を取得しているため、万引きのおそれがないため、報知は行われない。
【0041】
(ステップS3-2)
制御部110は、報知処理部113が、商品情報取得部111によって商品情報が取得されていないと判定した場合(ステップS2-2:NO)、登録忘れフラグをオンにする。
【0042】
(ステップS4-2)
制御部110において、報知処理部113は、商品の登録についてユーザに注意を促す情報を報知する。
【0043】
図7は、本実施形態に係るタブレットPOS10の動作の一例を示すフローチャートである。
図7を参照して、
図7の登録忘れ処理(ステップS4-1)について説明する。
(ステップS1-3)
制御部110は、表示部12に登録画面を表示している。例えば、商品情報取得部111は、商品情報を表示部12に表示させる。
【0044】
(ステップS2-3)
制御部110は、操作部13に対して画面操作があるか否かを判定する。制御部110は、画面操作が無い場合(ステップS2-3:NO)ステップS2-3に戻る。つまり、制御部110は、画面操作があるまで待機する。
【0045】
(ステップS3-3)
制御部110は、表示部12に商品登録画面を表示させる。
図8は、本実施形態に係るタブレットPOS10が表示する画面の一例を示す図である。制御部110は、例えば、商品登録画面を、登録画面に重ねたポップアップウィンドウとして表示させる。商品登録画面には、例えば、「商品登録をしていない商品がかごに入りました。正しい商品を取り出し、バーコードをスキャンしてください。」と表示される。さらに、ポップアップウィンドウには「OK」ボタンが表示される。
図7に戻り説明を続ける。
【0046】
(ステップS4-3)
商品登録画面の文面を読み終えたユーザが「OK」ボタンに触れると、その操作を操作部13が受け付ける。操作部13から信号を受けた制御部110は、画面操作があったとして、通知のポップアップウィンドウを閉じて登録画面のみの表示にし、商品登録が可能な状態にする。続いて制御部110は、ユーザがスキャナ5を操作することによって取得される画像コードをデコードした結果を取得する。
【0047】
(ステップS5-3)
制御部110において、商品情報取得部111は、スキャナ5からI/F130を介して入力される画像コードをデコードした結果を取得する。商品情報取得部111は、取得した画像コードをデコードした結果に基づいて商品コードを取得する。商品情報取得部111は、取得した商品コードに基づいて、商品情報を取得する。
【0048】
(ステップS6-3)
制御部110において、商品情報取得部111は、取得した商品情報を表示部12に表示するとともに、記憶部120の一部領域である商品情報記憶部に商品情報取得時刻情報と関連付けて記憶させる。
【0049】
(ステップS7-3)
制御部110において、報知処理部113は、検知部112からオン信号を検知したことが通知されたか否かを判定する。通知されていない場合ステップS1-3に戻る。
【0050】
(ステップS8-3)
制御部110は、報知処理部113に検知部112からオン信号を検知したことが通知された場合には登録忘れフラグをオフにし、終了する。
【0051】
前述した実施形態では、かごKにセンサストラップST及びセンサ基板SBが付加されている場合について説明したがこの例に限られない。例えば、かごKにセンサストラップSTが付加されているが、センサ基板SBはカートに取り付けられるように構成してもよい。この場合、センサストラップSTとセンサ基板SBとは、接続部材で接続するように構成される。
【0052】
前述した実施形態では、かごKにおいて上フレーム31aに、センサストラップSTが巻き付けられている場合について説明したが、この例に限られない。例えば、かごKにおいてかごK内部の中心付近にセンサストラップSTが付加されるように構成してもよい。また、例えば、かごKにおいて下フレーム31bにセンサストラップSTが付加されるように構成してもよい。
【0053】
図9は、本実施形態に係るカートPOS1の他の一例の外観を示す斜視図である。
図9は、
図1を参照して説明したPOS1において、カートのかご載置部3を取り囲んで支える上フレーム41a、側面及び下側フレーム41bのうち、商品が最初に通過する入口部分に該当する上フレーム41aにセンサストラップSTが付加され、センサストラップSTは、側面及び下側フレーム41bに付加されたセンサ基板SBに接続されるようにしたものである。
このように構成することによって、お客様がかごKを使用せず、商品をかご載置部3に載置して買い物をする場合でも、検出領域に商品が存在していることを検出できる。
また、この場合、側面及び下側フレーム41bにセンサストラップST及びセンサ基板SBが付加されるようにしてもよい。
【0054】
前述した実施形態において、センサストラップSTの代わりにセンサフィルム(シート)SFが使用されてもよい。ここで、センサフィルムSFは、金属がシート状に成形されたものである。
この場合、例えば、かごKにおいて上フレーム31aに、センサフィルムSFが巻き付けられるように構成してもよいし、かごKにおいてかごK内部の中心付近にセンサフィルムSFが付加されるように構成してもよいし、かごKにおいて下フレーム31bにセンサフィルムSFが巻き付けられるように構成してもよい。センサフィルムSFと接続されるセンサ基板SBはかごKに取り付けられるように構成してもよいし、カートに取り付けられるようにしてもよい。
【0055】
また、センサフィルムSFが、カートのかご載置部3を取り囲んで支える上フレーム41a、側面及び下側フレーム41bのうち、商品が最初に通過する入口部分に該当する上フレーム41aに巻き付けられるように構成してもよいし、側面及び下側フレーム41bにセンサフィルムSFが巻き付けられるように構成してもよい。センサフィルムSFと接続されるセンサ基板SBも上フレーム41aに付加されてもよいし、側面及び下側フレーム41bに付加されてもよい。
【0056】
また、センサフィルムSFをかごKの底面に配置してもよい。この場合、センサフィルムSFにタッチパネルなどの座標検出機能を備えるように構成してもよい。
例えば、
図2Aに示すように、かごKの底面において、任意の位置を原点とする座標軸(X軸、Y軸)で、商品がかごKの底面に置かれた場合に、その商品が置かれた位置の座標を検出できるように構成する。このように構成することによって、物(商品)の位置や数などをより効果的に管理することができる。
【0057】
前述した実施形態において、センサストラップSTの外周(周囲)を樹脂層で覆うようにしてもよいし、空気層で覆うようにしてもよい。このように構成することによって、センサストラップSTがかごKの外側のノイズに反応することによって誤検知してしまうことを防止できる。
【0058】
前述した実施形態において、センサストラップSTの外周(周囲)は、シリコーンゴムなどの耐水性、耐擦過性を有する樹脂材料で表面を保護するようにしてもよい。このように構成することによって、センサストラップSTをかごKやカートに取り付けたままで、かごKやカートを洗浄できる。
【0059】
前述した実施形態において、センサ基板SBをセンサKやカートから取り外すことができるようにしてもよい。このように構成することによって、センサKやカートを洗浄する場合に、センサ基板SBが破損してしまうことを防止できる。
【0060】
また、本実施形態では、カートPOS1に適用した場合について説明したが、この例に限られない。例えば、スマートフォンなどの携帯型でカメラ付きの端末が、かごKに付加されたセンサ7の出力を受信するよう構成してもよい。
【0061】
また、前述した実施形態において、PLUファイルは、タブレットPOS10が商品を一般物体認識(オブジェクト認識)により特定する際に用いる、各商品の特徴量または基準画像等を記憶していてもよい。ここで、特徴量とは、商品の基準画像から読み取られた、商品の色合いや商品の表面の凹凸状況等のデータである。
【0062】
この場合、例えば、スキャナ5に代えて、CCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子を備える読取装置を用いるようにし、その撮像素子で撮像した画像(撮像画像)から、商品の情報を読み取る。
具体的には、読取装置は、商品の表面に付されたバーコードや二次元コードなどのコードシンボルを読み取った(デコードした)コード情報や、商品の外観を撮像した画像(撮像画像)を、タブレットPOS10に対して出力する。
【0063】
この場合、商品情報取得部111は、読取装置が出力したコード情報や撮像画像を取得し、取得したコード情報や撮像画像に合致する商品の商品情報を、PLUファイルから取り出す。具体的には、商品情報取得部111は、コード情報を取得した場合には、そのコード情報と一致する商品コードをPLUファイルから探し出し、その商品コードに対応付けられた商品情報を取得する。
また、商品情報取得部111は、撮像画像を取得した場合には、その撮像画像に基づいて一般物体認識(オブジェクト認識)を行って特徴量を取得し、取得した特徴量が合致する商品の商品情報を、PLUファイルから取得する。
【0064】
本実施形態に係る情報処理システムの一例としてのタブレットPOS10によれば、入力された情報に基づいて商品の情報を取得する商品情報取得部111と、商品保持部の一例としてのかごK、カートとに付加された静電容量方式のセンサの一例としてのセンサストラップSTと、センサが検出した静電容量に基づいて商品保持部に商品が入ったことを検知する検知部112と、検知部112が商品保持部に商品が入ったことを検知したが商品情報取得部111が商品の情報を取得していない場合に、商品の登録についてユーザに注意を促す情報を示す報知を行う報知処理部113と、を備える。
【0065】
このように構成することによって、かごK、カートなどの商品保持部に商品が入ったことを検知したが商品情報取得部111が商品の情報を取得していない場合に、商品の登録についてユーザに注意を促す情報を示す報知を行うことができる。
このため、会計せずに商品を持ち去る万引きを防止できる。商品に付されたバーコードなどの画像コードを読み込むセルフレジ方式と併用することで、カメラや重量計を使った監視を行う場合より導入コスト及び維持コストを低減しつつ、万引きを防止できる。
【0066】
情報処理システムにおいて、検知部112は、商品保持部に商品が入っていない場合の静電容量と商品が入った場合の静電容量との差に基づいて商品保持部に商品が入ったことを検知する。
このように構成することによって、静電容量方式のセンサを使用して、商品保持部に商品が入っていない場合の静電容量と商品が入った場合の静電容量との差に基づいて商品保持部に商品が入ったことを検知できる。
このため、カメラや重量計などを導入したり、商品にRFIDタグを取り付けたりして、商品保持部に商品が入ったことを検知する場合よりも簡便に商品保持部に商品が入ったことを検知できる。
【0067】
情報処理システムにおいて、商品保持部は商品を収容するかごKを備える。センサは、かごKの上フレームに付加されている。
このように構成することによって、かごKにおいて、センサを商品が最初に通過する入口部分に付加できるため、かごKに収容される商品を確実に検知できる。
【0068】
情報処理システムにおいて、商品保持部は商品を収容するかごKを備える。センサは、一又は複数のセンサを含み、かごKの下フレームに付加されている。
このように構成することによって、かごKにおいて、一又は複数のセンサを下フレームに付加できるため、かごKに収容される商品を確実に検知できる。
【0069】
情報処理システムにおいて、センサを包含する樹脂層をさらに備える。
このように構成することによって、センサがかごKの外側のノイズに反応することによって誤検知してしまうことを防止できる。
【0070】
情報処理システムにおいて、報知処理部113は、検知部112が商品保持部に商品が入ったことを検知したが、検知した時刻から所定の時間前の間に商品情報取得部111が商品の情報を取得していなかった場合に、商品の登録についてユーザに注意を促す情報を示す報知を行う。
【0071】
このように構成することによって、かごK、カートなどの商品保持部に商品が入ったことを検知したが、検知した時刻から所定の時間前の間に商品情報取得部111が商品の情報を取得していない場合に、商品の登録についてユーザに注意を促す情報を示す報知を行うことができる。
このため、会計せずに商品を持ち去る万引きを防止できる。商品に付されたバーコードなどの画像コードを読み込むセルフレジ方式と併用することで、カメラや重量計を使って商品保持部に商品が入ったことを監視する場合よりも導入コスト及び維持コストを低減しつつ、万引きを防止できる。
【0072】
(実施形態の変形例)
本実施形態に係る無人店舗USaは、実施形態に係る無人店舗USにおいて、タブレットPOSは、商品を読み取っていないのに、かごKの中にモノ(商品)が入ったことを検知した場合に、お客様へ商品に付された画像コードの読み取りを促すとともに、従業員などのユーザが持つ端末装置、店舗レジ等の外部機器と情報をやり取りするようにしたものである。
実施形態の変形例では、一例として、タブレットPOSが、商品を読み取っていないのに、かごKの中にモノ(商品)が入ったことを検知した場合に、従業員などのユーザが持つ端末装置に通知する場合について説明する。
【0073】
図10は、実施形態の変形例に係るカートPOS1aの一例の外観を示す斜視図である。
図10には、カートPOS1aに加え、従業員などのユーザUが持つ端末装置20が示されている。カートPOS1aは、顧客が押して店内を移動させるものである。カートPOS1aは、取っ手2、かご載置部3、キャスター4、スキャナ5、タブレットPOS10aを備える。タブレットPOS10aと端末装置20とは、ネットワークNWを介して通信する。
ネットワークNWは、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、プロバイダ装置、無線基地局などを含む。
【0074】
タブレットPOS10aは、売上登録処理を実行する。タブレットPOS10aは、いわゆるタブレット型コンピュータ(タブレット端末)のような外観および機能を有し、本体部11、表示部12および操作部13を備えている。
図11は、実施形態の変形例に係るタブレットPOS10aの一例を示すブロック図である。タブレットPOS10aは、表示部12、操作部13、通信部14a、制御部110a、記憶部120、I/F130などを備え、各部がデータバスやアドレスバス等のシステムバス101を介して相互に接続されて構成されている。
【0075】
通信部14aは、通信モジュールによって実現される。通信部14aは、ネットワークNWを介して、外部の通信装置と通信する。通信部14aは、例えば有線LANなどの通信方式で通信してもよい。また、通信部14aは、例えば無線LAN、ブルートゥース(登録商標)、LoRa(登録商標)又はLTE(登録商標)などの無線通信方式で通信してもよい。
【0076】
制御部110aは、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサが記憶部120に格納されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。
制御部110aの機能のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。コンピュータプログラムは、予めHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。
【0077】
タブレットPOS10aは、売上登録処理において、スキャナ5が読み取った画像コードをデコードした結果に基づいて商品コードを取得し、取得した商品コードで特定される商品に係る商品情報をPLUファイルから読み出し、読み出した商品情報を表示部12に表示するとともに、記憶部120の一部領域である商品情報記憶部に記憶する。
【0078】
図12は、実施形態の変形例に係るタブレットPOS10aの制御部110aの一例を示すブロック図である。制御部110aは、商品情報取得部111、検知部112、報知処理部113a、通知部114aとして機能する。制御部110aは、ROMや記憶部120に記憶されたプログラムを実行することで、上記各機能部を実現する。
【0079】
報知処理部113aは、報知処理部113を適用できる。報知処理部113aは、検知部112からオン信号を検知したことが通知された場合に、商品情報取得部111によって商品情報が取得されているか否かを判定する。
報知処理部113aは、検知部112からオン信号を検知したことが通知されたが、商品情報取得部111が商品情報を取得していない場合に、商品の登録についてユーザに注意を促す情報を報知する。
さらに、報知処理部113aは、検知部112からオン信号を検知したことが通知されたが、商品情報取得部111が商品情報を取得していない場合に、かごKに登録されていない商品を収容しているユーザがいることを示す情報を、通知部114aに出力する。
【0080】
通知部114aは、報知処理部113aが出力したかごKに登録されていない商品を収容しているユーザがいることを示す情報を取得した場合に、予め設定されている通知先に通知する。
ここでは、一例として、報知処理部113aに、従業員などのユーザが持つ端末装置のアドレスが登録されている場合について説明を続ける。
この場合、例えば、通知部114aは、従業員などのユーザUのアドレスを宛先とする、かごKに登録されていない商品を収容しているユーザがいることを通知するための通知情報を作成する。通知部114aは、作成した通知情報を、通信部14aから送信する。
【0081】
(タブレットPOS10aの動作)
タブレットPOS10aの全体的な動作については、
図5を適応できるためここでの説明は省略する。
図13は、実施形態の変形例に係るタブレットPOS10aの動作の一例を示すフローチャートである。
図13を参照して、
図5の監視処理(ステップS2-1)について説明する。
ステップS1-4からS4-4は、
図6のステップS1-2からS4-2を適用できるため、ここでの説明は省略する。
【0082】
(ステップ5-4)
制御部110aにおいて、報知処理部113aは、かごKに登録されていない商品を収容しているユーザがいることを示す情報を、通知部114aに出力する。通知部114aは、報知処理部113aが出力したかごKに登録されていない商品を収容しているユーザがいることを示す情報を取得した場合に、予め設定されている通知先に通知する。
【0083】
前述した実施形態では、タブレットPOS10aが、かごKに登録されていない商品を収容しているユーザがいることを示す情報を予め設定されている通知先に通知する場合について説明したが、この例に限られない。
例えば、タブレットPOS10aに、無人店舗USa内における位置情報を取得できる機能を備えるように構成し、位置情報とともにかごKに登録されていない商品を収容しているユーザがいることを示す情報を、予め設定されている通知先に通知するようにしてもよい。
このように構成することによって、予め登録された従業員に、かごKに登録されていない商品を収容しているユーザが無人店舗USa内のどこにいるのかを通知できる。このため、通知を受けたユーザは、無人店舗USaに多くの人がいる場合に、多くの人の中から、かごKに登録されていない商品を収容しているユーザを識別できる。
【0084】
実施形態の変形例に係る情報処理システムとしてのタブレットPOS10aによれば、タブレットPOS10において、検知部112が商品保持部に商品が入ったことを検知したが商品情報取得部111が商品の情報を取得していない場合に通知を行う通知部114aをさらに備える。
このように構成することによって、かごKに登録されていない商品を収容しているユーザがいることを通知することができるため、そのお客様に対して何らかの対応を取ることができる。
【0085】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組合わせを行うことができる。これら実施形態及びその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると同時に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
なお、前述のタブレットPOS10、10aは内部にコンピュータを有している。そして、前述した各装置の各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。
【0086】
ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどをいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータがプログラムを実行するようにしてもよい。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0087】
1、1a…カートPOS、2…取っ手、3…かご載置部、4…キャスター、5…スキャナ、10、10a…タブレットPOS(情報処理システム)、11…本体部、12…表示部、13…操作部、31…かご本体、31a…上フレーム、31b…下フレーム、31c…サイドフレーム、32a、32b…取っ手、33a~33d…取っ手取付部、101…システムバス、110、110a…制御部、120…記憶部、130…I/F、111…商品情報取得部、112…検知部、113、113a…報知処理部、114a…通知部