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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083812
(43)【公開日】2024-06-24
(54)【発明の名称】ラック
(51)【国際特許分類】
   A47B 47/00 20060101AFI20240617BHJP
   A47B 7/00 20060101ALI20240617BHJP
【FI】
A47B47/00
A47B7/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197852
(22)【出願日】2022-12-12
(71)【出願人】
【識別番号】500560129
【氏名又は名称】株式会社ニトリホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】230116816
【弁護士】
【氏名又は名称】成川 弘樹
(74)【代理人】
【識別番号】100174850
【弁理士】
【氏名又は名称】大崎 絵美
(72)【発明者】
【氏名】長田 琢也
【テーマコード(参考)】
3B054
【Fターム(参考)】
3B054AA03
3B054BA04
3B054BA10
3B054BA17
3B054BB03
3B054BB09
3B054BB16
3B054BC02
3B054BC06
3B054CA02
3B054CA09
3B054FA01
(57)【要約】
【課題】天板を脚部から簡単に取り外すことができるラックの提供。
【解決手段】本発明に係るラックは、脚部と天板を備えた折り畳み可能な組み立て式のラックであって、脚部は、互いに対向する一対の2本の脚支柱に連結される横フレームを有する脚セットを複数備えており、複数の脚セットは、それぞれの脚セットの横フレーム同士が互いに枢動自在に連結されており、天板は一方面に凹部を有しており、ラックの使用時において凹部を脚部の横フレームに嵌合させることで天板を脚部に係止させることにより該天板を脚セットに回転不能に係止させるとともに、横フレームとの嵌合解除により天板を脚部から取り外しが可能であり、複数の脚セットを有する脚部は枢動による折り畳みが可能である。本発明により、コンパクトな折り畳みと組み立てが簡単な組み立て式ラックが提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脚部と天板を備えた折り畳み可能な組み立て式のラックであって、
前記脚部は、互いに対向する一対の2本の脚支柱に連結される横フレームを有する脚セットを複数備えており、
前記複数の脚セットは、それぞれの脚セットの横フレーム同士が互いに枢動自在に連結されており、
前記天板は一方面に凹部を有しており、前記ラックの使用時において前記凹部を前記脚部の横フレームに嵌合させることで前記天板を前記脚部に係止させることにより該天板を前記脚セットに回転不能に係止させるとともに、前記横フレームとの嵌合解除により前記天板を前記脚部から取り外しが可能であり、
前記複数の脚セットを有する脚部は前記枢動による折り畳みが可能である、ことを特徴とするラック。
【請求項2】
前記脚セットのそれぞれは前記横フレームを複数有しており、該複数の横フレームは、前記ラックの使用時における前記脚支柱の上下方向にみて非対称となる異なる高さ位置に連結されており、前記複数の横フレームのうちのひとつが前記脚支柱の一方端部に連結されており、該脚支柱の一方端部に連結されている横フレームに前記天板を嵌合させた状態で、前記脚支柱の上端が前記天板の表面と略同じ高さとなる、請求項1に記載のラック。
【請求項3】
前記脚セットは一対であり、一方の脚セットが有する横フレームの端部には突起部が設けられており、前記突起部は、前記ラックの使用時においては前記突起部の上端面と他方の脚セットが有する横フレームの上面が上下方向にみて同じ高さにあり、前記脚部を枢動させて折り畳んだ状態においては前記突起部と他方の脚セットが有する横フレームが重なるように設けられている、請求項1または2に記載のラック。
【請求項4】
前記異なる高さ位置において連結される横フレームのそれぞれに嵌合する少なくとも2枚の天板を備えている、請求項2に記載のラック。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テーブルや棚やスタンドやプランター台などのいわゆるラックに関し、天板を脚部から取り外しが可能なラックに関する。
【背景技術】
【0002】
テーブルや棚やスタンドやプランター台などのいわゆるラックは、一般に、脚部と天板を備えており、天板が1枚のものだけではなく、複数の天板を備えたものもある。例えば、非特許文献1(意匠登録第1720756号の意匠公報)には、4本の脚支柱の上端に支持された天板のほかに、脚支柱の下方にもう一枚の天板を設けたテーブルが開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】意匠登録第1720756号の意匠公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のラックは、天板が脚部にネジ止めなどにより固定されており、天板を取り外すことができない仕様ものがほとんどである。いわゆる組み立て用家具のラックにおいても、一般的には、購入者が組み立てた後で天板を脚部から取り外すためにはネジなどの締結部材の取り外しの必要があるため、長期にわたり使用しなくなったようなテーブルを別場所で収納しておこうとすると、その解体作業が面倒である。
【0005】
また、非特許文献1に開示されているようなテーブルは、上下を反転させて使用するようなことを想定していないため、上側の天板は作業や食事などをするためのものとしてのみ機能し、下側に設けられている天板は物を一時的に置いておくためのものとしてのみ機能するに過ぎない。
【0006】
しかし、天板を脚部から簡単に取り外すことができれば収納などの作業が容易になるし、ラックの上下を反転させて使用することができれば、1つのラックを、テーブルとして使用したりスタンドやプランター台などとして使用したりすることもでき、ラックの用途が多様化する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、本発明に係るラックは、脚部と天板を備えた折り畳み可能な組み立て式のラックであって、前記脚部は、互いに対向する一対の2本の脚支柱に連結される横フレームを有する脚セットを複数備えており、前記複数の脚セットは、それぞれの脚セットの横フレーム同士が互いに枢動自在に連結されており、前記天板は一方面に凹部を有しており、前記ラックの使用時において前記凹部を前記脚部の横フレームに嵌合させることで前記天板を前記脚部に係止させることにより該天板を前記脚セットに回転不能に係止させるとともに、前記横フレームとの嵌合解除により前記天板を前記脚部から取り外しが可能であり、前記複数の脚セットを有する脚部は前記枢動による折り畳みが可能である、ことを特徴とする。
【0008】
一態様においては、前記脚セットのそれぞれは前記横フレームを複数有しており、該複数の横フレームは、前記ラックの使用時における前記脚支柱の上下方向にみて非対称となる異なる高さ位置に連結されており、前記複数の横フレームのうちのひとつが前記脚支柱の一方端部に連結されており、該脚支柱の一方端部に連結されている横フレームに前記天板を嵌合させた状態で、前記脚支柱の上端が前記天板の表面と略同じ高さとなる。
【0009】
また、一態様においては、前記脚セットは一対であり、一方の脚セットが有する横フレームの端部には突起部が設けられており、前記突起部は、前記ラックの使用時においては前記突起部の上端面と他方の脚セットが有する横フレームの上面が上下方向にみて同じ高さにあり、前記脚部を枢動させて折り畳んだ状態においては前記突起部と他方の脚セットが有する横フレームが重なるように設けられている。
【0010】
さらに、一態様においては、前記異なる高さ位置において連結される横フレームのそれぞれに嵌合する少なくとも2枚の天板を備えている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、天板を脚部から簡単に取り外すことができるので、収納などの作業が容易になる。本発明により、コンパクトな折り畳みと組み立てが簡単な組み立て式ラックが提供される。
【0012】
また、本発明に係るラックは、上下を反転させて使用することができる態様とすることもできるため、1つのラックを、テーブルとして使用したり棚やスタンドやプランター台として使用したりすることもでき、ラックの用途が多様化する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明に係るラックの一態様を示す斜視図であり、図1(a)はテーブルとして使用する際の状態を、図1(b)はスタンドやプランター台などとして用いる際の状態を示す図である。
図2図2は、天板を2枚設けた場合の、本発明に係るラックの一態様を示す斜視図であり、図2(a)はテーブルとして使用する際の状態を、図2(b)はスタンドやプランター台などとして用いる際の状態を示す図である。
図3図3は、図1および図2に示したラックを構成する脚部の一態様を示す斜視図であり、図3(a)は図1(a)および図2(a)で示したテーブルとしての使用時の脚部の状態を、図3(b)は図1(b)および図2(b)で示したスタンドやプランター台などとしての使用時の脚部の状態を、そして、図3(c)はこの脚部を折り畳んだ状態を示す図である。
図4図4は、脚部を折り畳み可能とするとともに、天板を取り外し可能に嵌合させるための2本の横フレーム(1対の横フレーム)の連結を説明するための図であり、図4(a)は連結前の2本のフレームの状態を、図4(b)は連結後の2本のフレームの状態を示している。
図5図5は、ラックを構成する天板を説明するための図であり、図5(a)は天板の上面図、図5(b)は天板の下面図である。
図6図6は、本発明に係るラックのテーブルとしての使用時の側面図であり、図6(a)と図6(b)は、90度違う角度からみた状態を示している。
図7図7は、本発明に係るラックのテーブルとしての使用時の上面図(図7(a))および下面図(図7(b))である。
図8図8は、脚支柱に、ラックの使用時における天板の高さ位置が調整可能となるように、横フレームを連結するための複数の係合部を設けた態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、図面を参照して、本発明に係るラックについて説明する。なお、以下の説明では、本発明に係るラックを、便宜上、いわゆるテーブルとして説明するが、本明細書で用いる「ラック」という用語はテーブルに限らず、天板を有する家具である、棚、架、プランター台などのいわゆる台、枠、スタンドなどを包含する広い意味で用いられる。また、本明細書中で用いる「上」や「下」という用語は、図示された態様を説明するためのものに過ぎず、実際の使用に際しては、「上」は「下」であり得るし、逆に、「下」は「上」であり得る。
【0015】
図1は、本発明に係るラックの一態様を示す斜視図であり、図1(a)はテーブルとして使用する際の状態を、図1(b)は、このテーブルを上下反転させて、例えばスタンドやプランター台として用いる際の状態を示している。このラック100をテーブルとして使用する場合には、天板10を、図1(b)中で符号22aおよび22cで示された横フレームに嵌合させて、脚部20の上端に係合させる。このラック(テーブル)を上下反転させて例えばスタンドやプランター台などとして使用する場合には、天板10を、図1(a)中で符号22bおよび22dで示された横フレームに嵌合し直して使用することとなる。なお、図1に示した態様では、ラック100には、天板10が1枚のみ設けられているが、天板10を2枚以上設ける態様としてもよい。そのような態様の場合、異なる高さ位置において連結される横フレームのそれぞれに嵌合する少なくとも2枚の天板を備えているラックとなる。
【0016】
図2は、天板10を2枚(10a、10b)設けた場合の、本発明に係るラックの一態様を示す斜視図であり、図2(a)はテーブルとして使用する際の状態を、図2(b)はスタンドやプランター台などとして用いる際の状態を示す図である。このような態様においても、ラック100をテーブルとして使用する場合には、天板10aを、図1(b)中で符号22aおよび22cで示された横フレームに嵌合させて脚部20の上端に係合させるとともに、天板10bを、図1(a)中で符号22bおよび22dで示された横フレームに嵌合させて脚部20の下方において係合させる。このラック(テーブル)を上下反転させて例えばスタンドやプランター台などとして使用する場合にも、天板10aおよび天板10bのそれぞれを、横フレーム22a~dに嵌合し直して使用することとなる。
【0017】
本発明に係るラックの態様は、種々に変更が可能である。横フレーム22の対をラック100の使用時における脚支柱21の少なくとも3つ以上の異なる高さ位置において連結されるように少なくとも3つ以上設け、これらの横フレーム対のそれぞれに嵌合する3枚以上の天板を設ける態様としてもよい。何れの態様においても、このような天板10は、後述するように、脚部20に取り外し自在に係止されている。
【0018】
図3は、図1および図2に示したラック100を構成する脚部20の一態様を示す斜視図であり、図3(a)は図1(a)および図2(a)で示したテーブルとしての使用時の脚部20の状態を、図3(b)は図1(b)および図2(b)で示したスタンドやプランター台などとしての使用時の脚部20の状態を、そして、図3(c)はこの脚部20を折り畳んだ状態を示す図である。
【0019】
本発明に係るラック100の脚部20は、複数の脚支柱21と、ラック100の使用時において互いに対向する2本の脚支柱21に同じ高さで連結される複数の横フレーム22とを有している。つまり、一対の(2本の)脚支柱と、100ラックの使用時において互いに対向する一対の2本の脚支柱に同じ高さで連結される横フレームでひとつの脚セットを構成している。
【0020】
この図に示した態様では、脚支柱21は4本設けられており、ラック100の使用時において互いに対向する2本の脚支柱21(脚支柱21aと21b、および、脚支柱21cと21d)に、同じ高さで連結される複数の横フレーム22(この例では4本)が設けられている。つまり、この脚部20は、2つの脚セットで構成されている。
【0021】
具体的には、第1の脚支柱の対(ペア)である脚支柱21aと21bには、ラック100の使用時において同じ高さとなる位置に横フレーム22aおよび22bが連結されており、第2の脚支柱の対である脚支柱21cと21dには、ラック100の使用時において同じ高さとなる位置に横フレーム22cおよび22dが連結されている。
【0022】
なお、図1および図2に示した態様では、ラック100をテーブルとして使用する際に脚支柱の上端部が天板10の上面から突出してテーブルとしての使用時に邪魔にならないように、上部の横フレーム22aおよび22cが、脚支柱21aと21bおよび脚支柱21cと21dの一方端部に連結されている。好ましい態様では、横フレーム22に嵌合させた状態の天板10の上面は、脚支柱21の上端面と略同じ高さにあるように設計される。
【0023】
つまり、一態様においては、脚セットのそれぞれは横フレームを複数有しており、該複数の横フレームは、ラックの使用時における脚支柱の上下方向にみて非対称となる異なる高さ位置に連結されており、複数の横フレームのうちのひとつが脚支柱の一方端部に連結されており、該脚支柱の一方端部に連結されている横フレームに天板を嵌合させた状態で、脚支柱の上端が天板の表面と略同じ高さとなる。
【0024】
そのような設計とすれば、テーブルとしての使用時に、脚支柱21の上端部が天板10の上面から突出することがない。例えば、天板10の厚みが2cmであれば、一対の横フレーム22の一方は、横フレーム本体部の上面が脚支柱21の上端面から下方に略2cmに位置するように連結される。なお、後述するように、一対の横フレームの他方の端部に突起部を設け、この突起部でも天板10を係止させるようにすることもでき、その場合には、当該突起部の上面が脚支柱21の上端面から下方に略2cmに位置するように連結される。なお、横フレーム22に嵌合させた状態の天板10の上面が、脚支柱21の上端面とよりも上になるように設計するようにしてもよい。そのような設計としても、テーブルとしての使用時に、脚支柱21の上端部が天板10の上面から突出することがない。
【0025】
このような横フレーム22は脚支柱21に溶接などして固定連結してもよいが、脚支柱21に、ラック100の使用時における天板10の高さ位置が調整可能となるように、横フレーム22を連結するための複数の係合部(例えばネジ孔など)を設けた態様としてもよい。脚支柱21の形状は特に限定されず、例えば、四角柱や円柱である。横フレーム22の形状も同様に特に限定されず、例えば、四角柱や円柱である。脚支柱21と横フレーム22とが溶接で連結されている場合には、溶接の容易性および溶接部の耐久性の観点から、脚支柱21および横フレーム22は四角柱であることが好ましい。
【0026】
上述のとおり、本発明のラック100では、天板10を1枚のみ設ける態様であってもよく、2枚以上の天板を設ける態様であってもよい。天板10を1枚のみ設ける態様とする場合には、図中に示した横フレーム22bおよび横フレーム22dは必ずしも必要ではないが、ラック100を安定して使用する観点からは、これらの横フレームが設けられていることが好ましい。また、上述のとおり、天板10を2枚以上設ける態様とする場合には、天板の枚数に対応させて、これらの天板の係止のために必要となる数の横フレーム対が設けられることとなる。
【0027】
天板10を2枚以上設ける態様とする場合、各天板10の大きさは同じであってもよいし、異なっていてもよい。各天板10の大きさが同じデザインとした場合には、どの横フレーム対にも対応できるため、各天板10の取り付けが容易である。一方、各天板10の大きさを異ならせるデザインとした場合には、各天板10に対応する大きさの横フレーム対を設ければよい。
【0028】
図4は、脚部20を折り畳み可能とするとともに、天板10を取り外し可能に嵌合させるための2本の横フレームの連結を説明するための図であり、図4(a)は連結前の2本のフレーム(1対の横フレーム)の状態を、図4(b)は連結後の2本のフレームの状態を示している。この図に示した態様では、天板10を2つの横フレームの何れにも嵌合させるべく、横フレーム22aおよび22cの端部には突起部23が設けられている。
【0029】
この突起部23は、天板10に設けられる凹部の端部に嵌合させるためのものである。このような突起部23は必須ではないが、天板10と横フレーム22の嵌合を確実なものとする観点から、設けることが好ましい。仮にこのような突起部23を設けない場合には、天板10の凹部は、一対の横フレームの何れか一方の本体部とだけ嵌合することとなる。このような横フレームの態様は、他の横フレームの対においても同様であることは言うまでもない。つまり、一態様において、横フレーム22は、天板10の凹部と、上記の突起部もしくは突起部以外の本体部で嵌合する。天板10に設けられる凹部については後述する。
【0030】
図4(b)に示すように、2本の横フレーム22aおよび22cは、その中央部で、ネジなどの締結部材24で連結されている。このような連結により、2本の横フレームは、締結部材24を中心軸として互いに回転可能(枢動可能)である。そのため、ラック100を使用しないような場合には脚部20を折り畳むことができ、ラック100の収容に至便である。なお、図4に示した態様では、突起部23は横フレームの両端に設けられているが、一方端部にのみ設ける態様としてもよい。しかし、天板10を横フレーム22に安定させて係合させるためには、横フレームの両端に突起部を設けることが好ましい。
【0031】
これらの図で例示した態様では、脚セットは一対(2セット)であり、一方の脚セットが有する横フレームの端部には突起部が設けられており、この突起部は、ラックの使用時においては突起部の上端面と他方の脚セットが有する横フレームの上面が上下方向にみて同じ高さにあり、脚部を枢動させて折り畳んだ状態においては突起部と他方の脚セットが有する横フレームが重なるように設けられている。
【0032】
図5は、ラック100を構成する天板10を説明するための図であり、図5(a)は天板10の上面図、図5(b)は天板10の下面図である。ここでは、横フレーム22に嵌合させる凹部を有しない面を上面とし、該凹部を設けた面を下面としている。図5(b)に示すように、天板10の一方面(下面)には、天板10の直径方向に延在する凹部15aおよび15bが設けられている。この凹部15は、ラック100の使用時において横フレーム22の本体部および少なくとも一方端部に設けられた突起部と嵌合し、これにより天板10が脚部20に係止される。このような嵌合は、単に凹部15を横フレームの本体部もしくは突起部に嵌め込むだけの作業で済むから、ネジ止めなどの係止部材が不要であり、天板10と横フレーム22の嵌合ないし嵌合解除は極めて簡単であり、収容時などにおける天板10の横フレーム22からの取り外しが簡易である。
【0033】
なお、図4に示した態様では、天板10の形状は円形であるが、このような形状に限定されるものではない。天板10の形状は例えば楕円であってもよく、矩形などの多角形であってもよい。なお、天板10の形状を多角形とする場合には、角部のそれぞれに面取り加工を施すことが好ましい。
【0034】
図6は、本発明に係るラックのテーブルとしての使用時の側面図であり、図6(a)と図6(b)は、90度違う角度からみた状態を示している。また、図7は、本発明に係るラックのテーブルとしての使用時の上面図(図7(a))および下面図(図7(b))である。
【0035】
図6(a)に示した角度からみた場合、天板10aの凹部は横フレーム22aの本体部と嵌合して脚部に係止されている。図6(b)に示した角度からみた場合、天板10aの凹部は横フレーム22cの端部に設けられた突起部と嵌合して脚部に係止されている。つまり、天板10aの凹部は、横フレームの突起部もしくは突起部以外の本体部で嵌合することで天板10aを脚部20に係止させる。この係止により、天板10aは脚セットに回転不能となる。なお、天板10aの下方に設けられている天板10bについても同様であるから、繰り返しての説明は省略する。
【0036】
図8は、脚支柱21に、ラック100の使用時における天板10の高さ位置が調整可能となるように、横フレーム22を連結するための複数の係合部25を設けた態様を示す図である。この図に示した例では、脚支柱21に設ける係合部25は、横フレーム22を、例えばネジなどの締結部材を用いて連結するための孔部25である。なお、このような高さ調整の態様はこれに限らない。例えば、フック状の締結部を設けて横フレームを連結するようにしてもよい。このような態様としておけば、ラック100をテーブルとして使用していた状態のものを上下反転させてスタンドやプランター台などとして使用する際に、上側にあった天板10の高さを調整することができ、利便性が高まる。
【0037】
このように、本発明に係るラックは、脚部と天板を備えた折り畳み可能な組み立て式のラックであって、前記脚部は、互いに対向する一対の2本の脚支柱に連結される横フレームを有する脚セットを複数備えており、前記複数の脚セットは、それぞれの脚セットの横フレーム同士が互いに枢動自在に連結されており、前記天板は一方面に凹部を有しており、前記ラックの使用時において前記凹部を前記脚部の横フレームに嵌合させることで前記天板を前記脚部に係止させることにより該天板を前記脚セットに回転不能に係止させるとともに、前記横フレームとの嵌合解除により前記天板を前記脚部から取り外しが可能であり、前記複数の脚セットを有する脚部は前記枢動による折り畳みが可能である。
【0038】
一態様においては、前記脚セットのそれぞれは前記横フレームを複数有しており、該複数の横フレームは、前記ラックの使用時における前記脚支柱の上下方向にみて非対称となる異なる高さ位置に連結されており、前記複数の横フレームのうちのひとつが前記脚支柱の一方端部に連結されており、該脚支柱の一方端部に連結されている横フレームに前記天板を嵌合させた状態で、前記脚支柱の上端が前記天板の表面と略同じ高さとなる。
【0039】
また、一態様においては、前記脚セットは一対であり、一方の脚セットが有する横フレームの端部には突起部が設けられており、前記突起部は、前記ラックの使用時においては前記突起部の上端面と他方の脚セットが有する横フレームの上面が上下方向にみて同じ高さにあり、前記脚部を枢動させて折り畳んだ状態においては前記突起部と他方の脚セットが有する横フレームが重なるように設けられている。
【0040】
さらに、一態様においては、前記異なる高さ位置において連結される横フレームのそれぞれに嵌合する少なくとも2枚の天板を備えている。
【0041】
本発明の実施態様には、様々なバリエーションがあり得る。例えば、前記脚支柱には、前記ラックの使用時における前記天板の高さ位置が調整可能となるように、前記横フレームを連結するための複数の係合部が設けられている態様としてもよい。
【0042】
一例として、前記脚支柱に設けられる係合部は、前記横フレームを締結部材を用いて連結するための孔部である。
【0043】
このようなラックは、上下を反転させて使用が可能である。
【0044】
前記天板は、例えば円形ないし楕円形である。前記天板は、また、例えば多角形であり、角部のそれぞれに面取り加工が施されている。
【0045】
以上説明したように、本発明によれば、天板を脚部から簡単に取り外すことができるので、収納などの作業が容易になる。本発明により、コンパクトな折り畳みと組み立てが簡単な組み立て式ラックが提供される。
【0046】
また、本発明に係るラックは、上下を反転させて使用することができる態様とすることもできるため、1つのラックを、テーブルとして使用したり棚やスタンドやプランター台などとして使用したりすることもでき、ラックの用途を増やすことができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明によれば、天板を脚部から簡単に取り外すことができるラックが提供され、コンパクトな折り畳みと組み立てが簡単な組み立て式ラックが提供される。
【符号の説明】
【0048】
10 天板
15 凹部
20 脚部
21 脚支柱
22 横フレーム
23 突起部
24 締結部材
25 孔部
100 ラック
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8