(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083830
(43)【公開日】2024-06-24
(54)【発明の名称】医用情報処理装置、医用情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 30/00 20180101AFI20240617BHJP
【FI】
G16H30/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197878
(22)【出願日】2022-12-12
(71)【出願人】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木村 朝輝
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 翔
(72)【発明者】
【氏名】野呂 和正
(72)【発明者】
【氏名】霜村 侑香
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA26
(57)【要約】
【課題】多領域シーケーシングにおける適切なサンプリングをできるようにする。
【解決手段】実施形態の医用情報処理装置は、取得部と、分割部と、算出部と、クラスタ生成部と、特定部と、を持つ。取得部は、処理対象の医用画像を取得する。分割部は、前記医用画像を複数の領域に分割する。算出部は、前記複数の領域ごとに画像特徴量を算出する。クラスタ生成部は、前記画像特徴量に基づいて、前記複数の領域うちの少なくとも一部を集めた第1のクラスタを生成する。特定部は、前記第1のクラスタに基づいて、サンプリング位置を特定する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理対象の医用画像を取得する取得部と、
前記医用画像を複数の領域に分割する分割部と、
前記複数の領域ごとに画像特徴量を算出する算出部と、
前記画像特徴量に基づいて、前記複数の領域うちの少なくとも一部を集めた第1のクラスタを生成するクラスタ生成部と、
前記第1のクラスタに基づいて、サンプリング位置を特定する特定部と、を備える、
医用情報処理装置。
【請求項2】
前記クラスタ生成部は、前記第1のクラスタと関連する第2のクラスタを更に生成し、
前記特定部は、前記第1のクラスタと前記第2のクラスタに含まれる領域の連結数に基づいて、前記サンプリング位置を特定する、
請求項1に記載の医用情報処理装置。
【請求項3】
前記特定部は、前記第1のクラスタと前記第2のクラスタのうち、前記連結数が多い一方のクラスタを特定し、前記連結数が多い一方のクラスタ内で前記サンプリング位置を特定する、
請求項2に記載の医用情報処理装置。
【請求項4】
前記第2のクラスタは、前記第1のクラスタと前記画像特徴量が共通し、前記第1のクラスタから離れているクラスタである、
請求項2または3に記載の医用情報処理装置。
【請求項5】
前記医用画像は平面画像であり、
前記分割部は、前記医用画像を長方形の前記領域に分割し、
前記特定部は、互いに線接触または点接触のいずれかで接触する前記領域の数に基づいて、前記連結数を計数する、
請求項2または3に記載の医用情報処理装置。
【請求項6】
前記医用画像は立体画像であり、
前記分割部は、前記医用画像を直方体の前記領域に分割する、
請求項1に記載の医用情報処理装置。
【請求項7】
前記医用画像は立体画像であり、
前記分割部は、前記医用画像を直方体の前記領域に分割し、
前記特定部は、互いに面接触、線接触、または点接触する前記領域の数に基づいて、前記連結数を計数する、
請求項2または3に記載の医用情報処理装置。
【請求項8】
前記特定部は、前記領域の重心となる点または前記領域内における前記領域のエッジからの距離の総和が最も近い点に基づいて、前記サンプリング位置を特定する、
請求項1に記載の医用情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータが、
処理対象の医用画像を取得し、
前記医用画像を複数の領域に分割し、
前記複数の領域ごとに画像特徴量を算出し、
前記画像特徴量に基づいて、前記複数の領域の少なくとも一部を含む第1のクラスタを生成し、
前記第1のクラスタに基づいて、サンプリング位置を特定する、
医用情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータに、
処理対象の医用画像を取得し、
前記医用画像を複数の領域に分割し、
前記複数の領域ごとに画像特徴量を算出し、
前記画像特徴量に基づいて、前記複数の領域の少なくとも一部を含む第1のクラスタを生成し、
前記第1のクラスタに基づいて、サンプリング位置を特定する、ことを行わせる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、医用情報処理装置、医用情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
遺伝子変異を推定するにあたり、従来、同一の腫瘍の複数個所からシーケーシングを行ういわゆる多領域シーケーシングが行われる。多領域シーケーシングは、例えば、臨床応用や臨床研究を用途として行われる。臨床応用を用途とした多領域シーケーシングは、例えば、確定診断や腫瘍特性を確認するために用いられる。腫瘍特性は、例えば、放射線抵抗性や薬剤抵抗性を含む。臨床研究を用途とした多領域シーケーシングは、例えば、腫瘍の不均一性や進化の過程を説明する進化系統樹を作成するために用いられる。
【0003】
多領域シーケーシングを行うに際して、腫瘍には遺伝子変異の空間的不均一性が存在するため、どの領域をサンプリングすれば腫瘍特性を反映できるかを決定しにくいなどのため、適切なサンプリング領域を決定することが難しい。そこで、サンプリング数を増やすことが考えられるが、サンプリング数を増やすと、シーケーシングに必要なコストや患者の負担が増大する。
【0004】
従来、周辺領域の画像に基づいて病理学的特性に基づいて、注視領域の病理学的特性を分類する技術がある。この技術では、注視領域の病理学的特性を効率的に分類し得る。ところが、この技術では、同じ腫瘍特性を表す複数の領域の中で、どの領域が最も腫瘍特性を反映しているかを特定できないため、サンプリング領域(サンプリング位置)を絞り込むことが難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題は、多領域シーケーシングにおける適切なサンプリングをできるようにすることである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の医用情報処理装置は、取得部と、分割部と、算出部と、クラスタ生成部と、特定部と、を持つ。取得部は、処理対象の医用画像を取得する。分割部は、前記医用画像を複数の領域に分割する。算出部は、前記複数の領域ごとに画像特徴量を算出する。クラスタ生成部は、前記画像特徴量に基づいて、前記複数の領域うちの少なくとも一部を集めた第1のクラスタを生成する。特定部は、前記第1のクラスタに基づいて、サンプリング位置を特定する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】病院内システム1の構成の一例を示すブロック図。
【
図2】第1の実施形態の医用情報処理装置100の構成の一例を示すブロック図。
【
図3】第1の実施形態の医用情報処理装置100における処理の一例を示すフローチャート。
【
図4】医用情報処理装置100により画像処理される医用画像の変遷の一例を説明する図。
【
図5】第2の実施形態の医用情報処理装置100における処理の一例を示すフローチャートの一部。
【
図7】第2の実施形態の医用情報処理装置100により画像処理される医用画像の変遷の一例を説明する図。
【
図8】サンプリング位置を特定する手法を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、実施形態の医用情報処理装置、医用情報処理方法、及びプログラムについて説明する。実施形態の医用情報処理装置は、例えば、腫瘍を含む画像における腫瘍領域を分割して分割した領域ごとの画像特徴量を算出し、画像特徴量に基づいて分割した領域をクラスタ化し、組織学的に類似し、あるいは腫瘍特性の近い領域を決定する。実施形態の医用情報処理装置は、クラスタ化した領域の中から適切なサンプリング位置を特定する。
【0010】
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態について説明する。
図1は、病院内システム1の構成の一例を示すブロック図である。第1の実施形態の病院内システム1は、例えば、病院情報システム(Hospital Information System:以下、HIS)10と、放射線科情報システム(Radiology Information System:以下、RIS)20と、医用画像診断装置(モダリティ)30と、画像保存通信システム(PACS:Picture Archiving and Communication System)40と、医用情報処理装置100とを備える。
【0011】
HIS10は、病院内での業務支援を行うコンピュータシステムである。具体的には、HIS10は、各種サブシステムを有する。各種サブシステムとしては、例えば、電子カルテシステム、医療会計システム、診療予約システム、来院受付システム、入退院管理システムが含まれる。
【0012】
HIS10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のメモリ、ディスプレイ、入力インターフェース及び通信インターフェースを備えるサーバ装置やクライアント端末等のコンピュータを含む。
【0013】
RIS20は、画像診断部門での業務支援を行うコンピュータシステムである。RIS20は、HIS10と連携した画像検査オーダーの予約管理のほか、検査機器への予約情報連携、検査情報の管理などを行う。RIS20は、例えば、CPU等のプロセッサ、ROMやRAM等のメモリ、ディスプレイ、入力インターフェース及び通信インターフェースを備えるサーバ装置やクライアント端末等のコンピュータを含む。
【0014】
モダリティ30は、例えば、画像検査指示等に基づき決定される撮影条件(撮影プロトコル)に従い撮像(撮影)を実行する。モダリティ30としては、例えば、X線コンピュータ断層撮影装置、X線診断装置、磁気共鳴イメージング装置、超音波診断装置、核医学診断装置等が挙げられる。医用画像は、例えば、放射線画像、磁気共鳴画像、超音波画像を含む。モダリティ30は、例えば、医師(放射線科医)や診療放射線技師等のオペレータにより操作される。モダリティ30の撮像により生成された医用画像(画像データ)はPACS40に送信される。医用画像は、平面画像及び立体画像(ボリューム画像)を含む。
【0015】
PACS40は、モダリティ30により送信された医用画像を受信してデータベースに保存するコンピュータシステムである。PACS40は、クライアントからのリクエストに応じて、データベースに保存された医用画像を送信(転送)する。PACS40は、CPU等のプロセッサ、ROMやRAM等のメモリ、ディスプレイ、入力インターフェース、通信インターフェースを含むサーバ・コンピュータを含む。
【0016】
病院内システム1の構成は上記に限定されない。病院内システム1は、例えば、読影レポート作成装置等を含んでいてもよい。また、病院内システム1のいくつかの要素が統合されていてもよい。例えば、HIS10とRIS20とが1個のシステムに統合されていてもよい。
【0017】
医用情報処理装置100は、多領域シーケーシングで利用される検体を撮影した磁気共鳴画像などの医用画像において、処理対象となる医用画像を取得し、医用画像内におけるサンプリングに適した位置(以下、サンプリング位置)を特定する。医用情報処理装置100は、特定したサンプリング位置をユーザに提示する。
【0018】
図2は、第1の実施形態の医用情報処理装置100の構成の一例を示すブロック図である。医用情報処理装置100は、例えば、通信インターフェース110と、入力インターフェース120と、ディスプレイ130と、処理回路140と、メモリ150と、を備える。医用情報処理装置100における通信インターフェース110、入力インターフェース120、及びディスプレイ130は、HIS10が備える通信インターフェース、入力インターフェース及びディスプレイとは別個に設けられているが、これらが共通していてもよい。
【0019】
通信インターフェース110は、例えば、LAN(Local Area Network)などのネットワークNWを介してRIS20、モダリティ30、PACS40等の外部装置と通信する。通信インターフェース110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等の通信インターフェースを含む。ネットワークNWは、LANに代えてまたは加えて、インターネット、セルラー網、Wi-Fi網、WAN(Wide Area Network)等を含んでもよい。
【0020】
入力インターフェース120は、診療医等のユーザからの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路140に出力する。入力インターフェース120は、例えば、ユーザにより入力操作が行われた場合に、入力操作に応じた情報を生成する。入力インターフェース120は、生成した入力操作に応じた情報を処理回路140に出力する。
【0021】
入力インターフェース120は、例えば、マウス、キーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、タッチパネル等を含む。入力インターフェース120は、例えば、マイク等の音声入力を受け付けるユーザインターフェースであってもよい。入力インターフェース120がタッチパネルである場合、入力インターフェース120は、ディスプレイ130の表示機能を兼ね備えるものであってもよい。
【0022】
なお、本明細書において入力インターフェースはマウス、キーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を制御回路へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェースの例に含まれる。
【0023】
ディスプレイ130は、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ130は、処理回路140によって生成された画像や、操作者からの各種の入力操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)等を表示する。例えば、ディスプレイ130は、LCD(Liquid Crystal Display)や、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等である。
【0024】
処理回路140は、例えば、取得機能141と、分割機能142と、算出機能143と、クラスタ生成機能144と、特定機能145とを備える。処理回路140は、例えば、ハードウェアプロセッサ(コンピュータ)がメモリ(記憶回路)150に記憶されたプログラムを実行することにより、これらの機能を実現するものである。
【0025】
ハードウェアプロセッサとは、例えば、CPU、GPU(Graphics Processing Unit)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit; ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device; SPLD)または複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device; CPLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array; FPGA)などの回路(circuitry)を意味する。
【0026】
メモリ150にプログラムを記憶させる代わりに、ハードウェアプロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合、ハードウェアプロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。上記のプログラムは、予めメモリ150に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROM等の非一時的記憶媒体に格納されており、非一時的記憶媒体が医用情報処理装置100のドライブ装置(不図示)に装着されることで非一時的記憶媒体からメモリ150にインストールされてもよい。
【0027】
ハードウェアプロセッサは、単一の回路として構成されるものに限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのハードウェアプロセッサとして構成され、各機能を実現するようにしてもよい。また、複数の構成要素を1つのハードウェアプロセッサに統合して各機能を実現するようにしてもよい。医用情報処理装置100におけるハードウェアプロセッサやメモリ等は、HIS10のハードウェアプロセッサやメモリ等とは別個に設けられているが、これらが共通していてもよい。
【0028】
取得機能141は、処理対象となる医用画像を例えばPACS40にリクエストを、通信インターフェース110を用いて送信する。PASC40は、リクエストに応じて医用画像を医用情報処理装置100に送信する。取得機能141は、OACS40により送信され、通信インターフェース110により受信された医用画像を取得する。取得機能141は、取得部の一例である。
【0029】
分割機能142は、医用画像を複数の領域に分割する。分割機能142は、例えば、予め定められた形状及びスケールのグリッド(升目)で医用画像を分割する。グリッドは、例えば、画素に対して1対1であってもよいし、グリッド内に複数の画素が含まれていてもよい。
【0030】
医用画像が平面画像である場合、グリッドは、例えば正方形である。グリッドは、正方形以外の形状でもよい。グリッドは、例えば、正方形以外の長方形や正多角形などの直線で囲まれた形状でもよい。医用画像が立体画像である場合には、グリッドは、例えば立方体であるが、立方体以外の直方体でもよいし、その他の形状でもよい。分割機能142は、分割部の一例である。グリッドは、領域の一例である。
【0031】
算出機能143は、複数の領域ごとに画像特徴量を算出する。画像特徴量は、例えば、腫瘍の不均一性を表現する。画像特徴量は、腫瘍の不均一性を表現するもの以外のものでもよい。画像特徴量は、例えば、Radiogenomics(radiology, genomics:遺伝子に関する多量の情報を系統的に取り扱う科学)において取り扱われる種々の画像特徴量であってよい。算出機能143は、算出部の一例である。
【0032】
クラスタ生成機能144は、画像特徴量に基づいて、グリッドの少なくとも一部を集めた複数階層のクラスタを生成する。クラスタには、複数(2以上)の領域が含まれる。クラスタ生成機能144により生成されるクラスタの階層の数(以下、クラスタ規定数)は予め定めておくことができる。例えば、クラスタ規定数が2である場合には、クラスタ生成機能144は、第1層クラスタ及び第2層クラスタを生成する。クラスタ規定数は、例えば、k-means法におけるkの値としてよい。
【0033】
クラスタ生成機能144は、所定の条件に従ってクラスタを生成する。クラスタ生成機能144は、例えば、画像特徴量の大小に基づいて、グリッドを第1層クラスタグリッドと第2層クラスタグリッドに分類する。クラスタ生成機能144は、例えば、医用画像における腫瘍が含まれるグリッドにおける画像特徴量をそれぞれ算出する。クラスタ生成機能144は、クラスタ生成部の一例である。
【0034】
クラスタ生成機能144は、医用画像における腫瘍が含まれるグリッドを分類する。クラスタ生成機能144は、クラスタ規定数に応じてグリッドを分類する。ここでは、クラスタ規定数が2であるので、クラスタ生成機能144は、医用画像に含まれる画像特徴量(腫瘍の不均一性)が小さい(低い)グリッド(以下、第1層クラスタグリッド)と大きい(高い)グリッド(以下、第2層クラスタグリッド)とに分類する。クラスタ生成機能144は、隣接する第1層クラスタグリッド同士を連結して第1層クラスタを生成し、隣接する第2層クラスタグリッド同士を連結して第2層クラスタを生成する。
【0035】
グリッド同士が連結するか否かを判定するにあたり、クラスタ生成機能144は、医用画像が平面画像である場合、例えば、2つのグリッドが線接触しているときにグリッド同士が連結すると判定してよい。クラスタ生成機能144は、2つのグリッドが点接触または線接触しているときにグリッド同士が連結すると判定してもよい。
【0036】
2つのグリッドが線接触しているときにグリッド同士が連結すると判定する場合には、正方形であるグリッドの4方にあるグリッド同士が連結することとなる。点接触または線接触しているときにグリッド同士が連結すると判定する場合には、グリッドの8方にあるグリッド同士が連結することとなる。
【0037】
クラスタ生成機能144は、医用画像が立体画像である場合、例えば、2つのグリッドが面接触しているときにグリッド同士が連結すると判定してよい。クラスタ生成機能144は、2つのグリッドが面接触または線接触しているときにグリッド同士が連結すると判定してもよい。クラスタ生成機能144は、2つのグリッドが面接触、線接触、または点接触しているときにグリッド同士が連結すると判定してもよい。
【0038】
2つのグリッドが面接触しているときにグリッド同士が連結すると判定する場合には、立方体であるグリッドの6方にあるグリッド同士が連結することとなる。2つのグリッドが面接触または線接触しているときにグリッド同士が連結すると判定する場合には、グリッドの18方にあるグリッド同士が連結することとなる。2つのグリッドが面接触、線接触、または点接触しているときにグリッド同士が連結すると判定する場合には、グリッドの26方にあるグリッド同士が連結することとなる。
【0039】
クラスタ生成機能144は、第1層クラスタおよび第2層クラスタをそれぞれ単数または複数生成する。第1層クラスタ及び第2層クラスタは、互いに連結したグリッドにより形成される。このため、例えば、複数の第1層クラスタグリッドが離れて位置する場合には、それらの第1層クラスタグリッドは異なる第1層クラスタに含まれることとなる。したがって、第1層クラスタが複数生成されることがある。クラスタ生成機能144が第1層クラスタを複数生成した場合、第1層クラスタの1つが第1のクラスタの一例であり、第1層クラスタの他の1つが第1のクラスタに関連する第2のクラスタの一例である。
【0040】
特定機能145は、クラスタ生成機能144により生成された第1層クラスタに基づいて、1つめのサンプリング位置(以下、第1サンプリング位置)を特定する。特定機能145は、クラスタ生成機能144により生成された第2層クラスタに基づいて、2つめのサンプリング位置(以下、第2サンプリング位置)を特定する。特定機能145は、特定部の一例である。
【0041】
特定機能145は、第1サンプリング位置を特定するにあたり、第1層クラスタが複数ある場合に、複数の第1層クラスタのそれぞれ連結数を計数する。特定機能145は、連結数を計数した結果に基づいて第1サンプリング位置を特定する。特定機能145は、連結数が最も多い第1層クラスタに基づいて第1サンプリング位置を特定する。特定機能145は、例えば、2つの第1層クラスタがある場合に連結数が多い一方のクラスタを特定し、連結数が多い一方のクラスタ内でサンプリング位置を特定する。特定機能145は、同様の手順で第2サンプリング位置を特定する。
【0042】
特定機能145は、算出したサンプリング位置を出力する。特定機能145は、例えば、ディスプレイ130に表示させることによりサンプリング位置を出力する。特定機能145は、他の態様でサンプリング位置を出力してもよい。特定機能145は、例えば、通信インターフェース110を利用して、例えばユーザが使用するタブレット端末などの外部装置にサンプリング位置を出力してもよい。
【0043】
次に、医用情報処理装置100における処理及び医用情報処理装置100により画像処理される医用画像の変遷について説明する。ここでは、第1層クラスタ及び第2層クラスタがそれぞれ1つずつ生成された場合について説明する。
図3は、第1の実施形態の医用情報処理装置100における処理の一例を示すフローチャートである。
図4は、医用情報処理装置100により画像処理される医用画像の変遷の一例を説明する図である。
【0044】
図3に示すフローにおいて、医用情報処理装置100は、まず、取得機能141において、処理対象となる医用画像を例えばPACS40にリクエストする。取得機能141は、PACS40により送信され通信インターフェース110により受信される医用画像を取得する(ステップS101)。
【0045】
続いて、分割機能142は、取得機能141により取得された医用画像を複数のグリッドに分割する(ステップS103)。分割機能142は、
図4の左上図に示すように、例えば、患部画像GSを含む十共鳴画像をグリッドMxy(x=1,2,・・・、y=1,2,・・・)に分割する。グリッドMxyは、予め定められた形状及びスケールであり、これらは互いに同一の形状及びスケールの正方形をなす。
【0046】
続いて、算出機能143は、グリッドMxyのうち、患部画像GSを含むグリッドに対して、グリッドごとに画像特徴量をそれぞれ算出する。画像特徴量を算出する対象とするグリッドは、第1の実施形態では、全体が患部画像GSがとなっているグリッドとしているが、一部が患部画像GSであり他の一部が患部画像GS以外の画像となるグリッドを対称としてもよい。
【0047】
算出機能143は、グリッドMxyの画像特徴量として、不均一性を算出する。
図4の右上図において、グリッドM13,M14,M15,M23,M24,M25,M33,M34の画像特徴量を示す。グリッドM13,M14,M15の画像特徴量はいずれも「1.1」、グリッドM23,M24,M33の画像特徴量は「2.2」、グリッドM25の画像特徴量は「2.1」、グリッドM34の画像特徴量は「2.3」である。
【0048】
続いて、クラスタ生成機能144は、算出した各グリッドの画像特徴量に基づいて、第1層クラスタ及び第2層クラスタを生成する(ステップS105)。クラスタ生成機能144は、例えば、クラスタ規定数が2と設定されている場合に、
図4の右下図に示すように、グリッドM13,M14,M15、M23,M24,M25,M33,M34を第1層クラスタグリッド及び第2層クラスタグリッドに分類し、第1層クラスタ及び第2層クラスタにクラスタリングする。
【0049】
ここでは、クラスタ生成機能144は、グリッドM13,M14,M15を第1層クラスタグリッドに分類し、グリッドM23、M24,M25,M33,M34を第1層クラスタグリッドに分類する。クラスタ生成機能144は、第1層クラスタグリッドであるグリッドM13,M14,M15により第1層クラスタを生成し、第2層クラスタグリッドであるグリッドM23、M24,M25,M33,M34により第2層クラスタを生成する。
【0050】
続いて、特定機能145は、第1層クラスタ及び第2層クラスタのそれぞれにおける第1サンプリング位置及び第2サンプリング位置を特定する(ステップS107)。
図4の右下図に示すように、特定機能145は、第1層クラスタに含まれるすべてのグリッド(グリッドM13,M14,M15)の重心を第1サンプリング位置P11として特定する。特定機能145は、第2層クラスタに含まれるすべてのグリッド(M23、M24,M25,M33,M34)の重心を第2サンプリング位置P12として特定する。
【0051】
特定機能145は、例えば、第1層クラスタの第1サンプリング位置P11を特定する際に、第1層クラスタに含まれるすべての第1層クラスタグリッドの重心以外の位置を第1サンプリング位置として特定してもよい。特定機能145は、例えば、所定の条件で選別された第1層クラスタグリッドの一部の重心を第1サンプリング位置P11としてもよいし、第1層クラスタのエッジからの距離の総和が最も小さい点を第1サンプリング位置P11としてもよい。
【0052】
ステップS105において、クラスタ生成機能144により、第1層クラスタが複数生成された場合、特定機能145は、サンプリング位置を特定するにあたり、各第1層クラスタに含まれるグリッドの連結数に基づいてサンプリング位置を特定する。ここで生成された複数の第1層クラスタは、互いに画像特徴量が共通するクラスタである。
【0053】
特定機能145は、例えば、複数の第1層クラスタのうち、連結数が最も多い第1層クラスタを選定する。特定機能145は、選定した第1層クラスタ内にサンプリング位置を特定する。特定機能145は、例えば、選定した第1層クラスタの重心を第1サンプリング位置P11として特定する。
【0054】
続いて、特定機能145は、特定した第1サンプリング位置P11及び第2サンプリング位置P12を、ディスプレイ130に表示させることにより出力する(ステップS109)。あるいは、特定機能145は、第1サンプリング位置P11及び第2サンプリング位置を、通信インターフェース110を利用して外部装置に送信することにより出力する。こうして、医用情報処理装置100は、
図3に示す処理を終了する。
【0055】
第1の実施形態の医用情報処理装置100は、腫瘍を含む医用画像における腫瘍領域を分割し、分割した領域ごとの画像特徴量を算出する。医用情報処理装置100は、画像特徴量に基づいて分割した領域をクラスタ化することにより、組織学的に類似し、あるいは腫瘍特性の近い領域を決定する。このため、クラスタ化した領域の中から、多領域シーケーシングにおける適切なサンプリング位置を特定することができる。
【0056】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態の医用情報処理装置100は、第1の実施形態の医用情報処理装置100と比較して、クラスタ生成機能144における処理が主に異なる。第2の実施形態の医用情報処理装置100では、クラスタ規定数に応じた階層のクラスタを生成した際に、各クラスタにおける最大連結成分が閾値未満である場合や階層の異なるクラスタ同士の特性が類似(近似)する場合に、複数のクラスタを統一する。以下、第1の実施形態との相違点を中心として、第2の実施形態の医用情報処理装置100について説明する。
【0057】
次に、第2の実施形態の医用情報処理装置100における処理について説明する。
図5は、第2の実施形態の医用情報処理装置100における処理の一例を示すフローチャートの一部である。第2の実施形態の医用情報処理装置100では、
図3に示す第1の実施形態における医用情報処理装置100のステップS101~ステップS105と同様の処理を行う。
【0058】
続いて、第2の実施形態の医用情報処理装置100は、クラスタ生成機能144において。複数の第1層クラスタのそれぞれ含まれるグリッドの最大数(以下、最大連結成分)が、第1閾値α未満であるか否かを判定する(ステップS201)。最大連結成分が第1閾値α未満でない(第1閾値α以上である)と判定した場合、クラスタ生成機能144は、処理をステップS107に進める。
【0059】
クラスタ生成機能144は、最大連結成分が第1閾値α未満でない(第1閾値α以上である)と判定した場合、第1層クラスタと第2層クラスタの間(クラスタ間)の距離dを算出する(ステップS203)。
図6は、クラスタ間の距離dを説明するための図である。
【0060】
クラスタ生成機能144は、例えば、クラスタを特徴量1及び特徴量2に基づいて生成し、第1層クラスタに含まれる第1層クラスタグリッドの集合を示す領域R1の中心と、第2層クラスタに含まれる第2層クラスタグリッドの集合を示す領域R2の中心との距離をクラスタ間の距離dとして求める。クラスタ生成機能144は、クラスタ間の距離dが第2閾値β未満であるか否かを判定する(ステップS205)。
【0061】
クラスタ間の距離dが第2閾値β未満でないと判定した場合、第1層クラスタと第2層クラスタは類似していないと判定して、クラスタ生成機能144は、処理をステップS107に進める。クラスタ間の距離dが第2閾値β未満でない((第2閾値β以上である)と判定した場合、クラスタ生成機能144は、第1層クラスタと第2層クラスタは類似していないと判定して、処理をステップS107に進める。
【0062】
クラスタ生成機能144は、クラスタ間の距離dが第2閾値未満であると判定した場合に、第1層クラスタと第2層クラスタは類似していると判定して、第1層クラスタと第2層クラスタを同一クラスと擬制する(ステップS207)。クラスタ生成機能144は、同一クラスにある第2層クラスタを含めて第1層クラスタとする。続くステップS107では、ステップS207の内からサンプリング位置を特定する。
【0063】
図7は、第2の実施形態の医用情報処理装置100により画像処理される医用画像の変遷の一例を説明する図である。
図7に示す例では、グリッドM13,M15、M24,M32,M34が第1層クラスタグリッドであり、グリッドM14,M23、M25,M33が第2層クラスタグリッドである。
図7では、第1層クラスタグリッドに「A」、第2層クラスタグリッドに「B」の符号を付している。
【0064】
ここで、第1層クラスタと第2層クラスタのクラスタ間の距離dが第2閾値βを超える場合には、第1層クラスタと第2層クラスタを統一する。このため、グリッドM13,M14,M15,M23,M24,M25,M32,M33,M34のグリッドが第1第2層統一クラスタとなる。
図7では、第1第2層統一クラスタに含まれるグリッドに「AB」の符号を付している。特定機能145は、例えば、グリッドM13,M14,M15,M23,M24,M25,M32,M33,M34の重心をサンプリング位置P21として特定する。
【0065】
第2の実施形態の医用情報処理装置100は、第1の実施形態の医用情報処理装置100と同様の作用効果を奏する。さらに、第2の実施形態の医用情報処理装置100は、各クラスタにおける最大連結成分が第1閾値未満であり、階層の異なるクラスタ間の距離dが第2閾値未満である場合に、階層の異なるクラスタを統一する。このため、クラスタの領域が狭くなりすぎないようにすることができるとともに、近似する範囲でサンプリング位置を特定するための領域を広くすることができる。各クラスタにおける最大連結成分が第1閾値未満であるか否かによらず、階層の異なるクラスタ間の距離が第2閾値未満である場合に、階層の異なるクラスタを統一するようにしてもよい。
【0066】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態の医用情報処理装置100は、針生検における生検領域を特定する。例えば、腫瘍を持つ患者に対して針生検を行う際に、患者の負担を考慮して、針生検の箇所を少なく、例えば3か所で済ませたいとすることがある。第3の実施形態の医用情報処理装置100では、このような場合に、針生検を行う個所の数にクラスタ規定数を設定して、サンプリング位置を特定する。医用情報処理装置100は、例えば、特定したサンプリング位置を付した腫瘍特性予測マップに生成して出力する。その他の点は、第1の実施形態の医用情報処理装置100と同様である。腫瘍特性予測マップは、例えば、ユーザが使用するタブレット端末に記憶されている。医用情報処理装置100は、例えば、腫瘍特性予測マップを記憶するタブレット端末にサンプリング位置を送信することにより出力する。
【0067】
図8は、サンプリング位置を特定する手法を説明するための図である。第3の実施形態の医用情報処理装置100では、例えば、
図8の左図に示す患部画像GSを含む医用画像に対して、分割機能142により、
図8の右図に示すように、グリッドを設定する。続いて、算出機能143により各グリッドの画像特徴量を算出した後、クラスタ生成機能144により、クラスタ規定数を3とした3階層のクラスタを生成する。
【0068】
図8の右図において、グリッドM13、M15が第1層クラスタグリッド、グリッドM24,M25,M34が第2層クラスタグリッド、グリッドM23,M32,M33が第3層クラスタグリッドとなる。
図8において、第1層クラスタグリッドには「A」、第2層クラスタグリッドには「B」、第3層クラスタグリッドには「C」の符号をそれぞれ付している。
【0069】
特定機能145は、第1層クラスタ、第2層クラスタ、及び第3層クラスタに対して、それぞれ第1サンプリング位置P31、第2サンプリング位置P32、及び第3サンプリング位置P33を特定する。特定機能145は、特定した第1サンプリング位置P31、第2サンプリング位置P32、及び第3サンプリング位置P33を、例えば、腫瘍特性予測マップが記憶されたタブレット端末に送信する。
【0070】
第1サンプリング位置P31、第2サンプリング位置P32、及び第3サンプリング位置P33を送信されたタブレット端末は、これらの各サンプリング位置を腫瘍特性予測マップに書き込む。こうして、タブレット端末において、腫瘍特性予測マップが改良されユーザは、サンプリング位置を容易に認識できるようになる。
【0071】
腫瘍特性マップは、外部装置に記憶されているほか、医用情報処理装置100に記憶されていてもよい。この場合、医用情報処理装置100における処理回路140は、特定機能145により特定したサンプリング位置を腫瘍特性予測マップに書き込む書き込み機能を備え、第1サンプリング位置P31、第2サンプリング位置P32、及び第3サンプリング位置P33をそれぞれ腫瘍特性サンプリングマップに書き込む。
【0072】
第3の実施形態の医用情報処理装置100は、上記第1の実施形態の医用情報処理装置100と同様の作用効果を奏する。第3の実施形態の医用情報処理装置100は、サンプリング位置を特定した腫瘍特性予測マップを参照する。このため、ユーザに針生検サンプリング位置が付加された腫瘍予測マップを生成する。したがって、活用性の高い腫瘍予測マップを容易に製造することができる。
【0073】
上記の各実施形態の医用情報処理装置100において、同じ層のクラスタが複数生成される場合には、連結数が最も多いクラスタ内にサンプリング位置が特定されるが、連結数が最も多いクラスタ以外のクラスタ内にサンプリング位置が特定されてもよい。この場合、1層のクラスタに対して複数のサンプリング位置が特定されるが、これらの複数のサンプリング位置に対して、優劣をつけてもよい。優劣は、例えば、各クラスタの連結数に応じて定めてよく、例えば、連結数が多いほど優先度が高くなるようにしてよい。そして、例えば、優先度が最も高いサンプリング位置による生検が困難である場合、例えば、当該サンプリング位置に穿刺針を到達させると、穿刺針が主要臓器、例えば心臓を通過する場合に、次の優先度が高いサンプリング位置による生検を行ってよい。
【0074】
さらに、医用情報処理装置100は、サンプリング位置以外の情報、例えば、穿刺針がサンプリング位置に到達するまでの空間領域の情報を出力してもよい。この場合、特定機能145により特定したサンプリング位置を通り、他の階層のクラスタグリッドを通らない領域を表示してもよい。穿刺針が異なる階層のクラスタグリッドを通らないことにより、他の階層のクラスタグリッドを通らずにサンプリングした検体を採取することができる。
【0075】
上記の各実施形態の医用情報処理装置100では、特性が共通するグリッドに対して異なる階層を設定してサンプリング位置を特定しているが、特性が異なるグリッドに対して同時にサンプリング位置を特定するようにしてもよい。サンプリングには、例えば、マンモトーム、針生検、細胞診などが用いられるが、これらのためのサンプリング位置を同時に特定できるようにしてもよい。
【0076】
この場合、医師は、組織学的・主要特性の違いを反映した規定数のサンプリング領域を確認できる。このため、生検時に適切なサンプリング位置を決定することができる。また、バイオインフォマティシャンは、低コストで腫瘍の不均一性の解析や進化系統樹を作成することができる。
【0077】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、処理対象の医用画像を取得する取得部と、前記医用画像を複数の領域に分割する分割部と、前記複数の領域ごとに画像特徴量を算出する算出部と、前記画像特徴量に基づいて、前記複数の領域うちの少なくとも一部を集めた第1のクラスタを生成するクラスタ生成部と、前記第1のクラスタに基づいて、サンプリング位置を特定する特定部と、を持つことにより、多領域シーケーシングにおける適切なサンプリングをできるようにすることができる。
【0078】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0079】
1…病院内システム
10…HIS(病院情報システム)
20…RIS(放射線科情報システム)
30…医用画像診断装置(モダリティ)
40…PACS(画像保存通信システム)
100…医用情報処理装置
110…通信インターフェース
120…入力インターフェース
130…ディスプレイ
140…処理回路
141…取得機能
142…分割機能
143…算出機能
144…クラスタ生成機能
145…特定機能
150…メモリ