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特開2024-83834距離画像撮像素子、距離画像撮像装置、及び距離画像撮像方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083834
(43)【公開日】2024-06-24
(54)【発明の名称】距離画像撮像素子、距離画像撮像装置、及び距離画像撮像方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/4863 20200101AFI20240617BHJP
   G01S 17/894 20200101ALI20240617BHJP
   G01C 3/06 20060101ALI20240617BHJP
【FI】
G01S7/4863
G01S17/894
G01C3/06 120Q
G01C3/06 140
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197882
(22)【出願日】2022-12-12
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】大久保 優
【テーマコード(参考)】
2F112
5J084
【Fターム(参考)】
2F112AD01
2F112BA06
2F112CA12
2F112DA25
2F112DA28
2F112EA05
2F112FA03
2F112FA07
2F112FA21
2F112FA45
2F112GA01
5J084AA05
5J084AD01
5J084BA04
5J084BA17
5J084BA20
5J084BA36
5J084BA40
5J084BB02
5J084CA03
5J084CA20
5J084CA49
5J084CA55
5J084CA67
5J084CA69
5J084EA04
(57)【要約】
【課題】電荷蓄積部のそれぞれに電荷を蓄積させる蓄積時間が一定となるように、電荷転送ゲートまたは電荷排出ゲートを駆動させる。
【解決手段】測定対象の空間から入射した光に応じた電荷を発生する光電変換素子と、前記電荷を蓄積する電荷蓄積部と、前記光電変換素子から前記電荷を前記電荷蓄積部に転送する転送経路上に設けられた電荷転送トランジスタと、前記光電変換素子から前記電荷を排出する排出経路上に設けられた電荷排出トランジスタとを少なくとも備える画素回路が半導体基板上に形成された距離画像撮像素子であって、前記光電変換素子の表面における平面視の形状が長方形であり、前記電荷排出トランジスタは、2N(Nは整数であり、N≧1)個設けられ、2N個の前記電荷排出トランジスタのうち少なくとも1個の前記電荷排出トランジスタは、前記光電変換素子と電気的に接続されないフローティングである。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象の空間から入射した光に応じた電荷を発生する光電変換素子と、前記電荷を蓄積する電荷蓄積部と、前記光電変換素子から前記電荷を前記電荷蓄積部に転送する転送経路上に設けられた電荷転送トランジスタと、前記光電変換素子から前記電荷を排出する排出経路上に設けられた電荷排出トランジスタとを少なくとも備える画素回路が半導体基板上に形成された距離画像撮像素子であって、
前記光電変換素子の表面における平面視の形状が長方形であり、
前記電荷転送トランジスタは、2M(Mは整数であり、M≧2)個設けられ、
前記電荷排出トランジスタは、2N(Nは整数であり、N≧1)個設けられ、
2N個の前記電荷排出トランジスタのうち少なくとも1個の前記電荷排出トランジスタは、前記光電変換素子と電気的に接続されないフローティングである、
ことを特徴とする距離画像撮像素子。
【請求項2】
前記光電変換素子の長辺に平行であり当該光電変換素子の中心を通るx軸に対して線対称となるように、当該長辺の各々にM個の前記電荷転送トランジスタがそれぞれ対向して形成され、
前記電荷排出トランジスタが前記光電変換素子の短辺に設けられている、
請求項1に記載の距離画像撮像素子。
【請求項3】
前記電荷転送トランジスタが、前記短辺に平行で、前記光電変換素子の中心を通るy軸に対して線対称の位置に形成されている、
請求項2に記載の距離画像撮像素子。
【請求項4】
前記電荷蓄積部が、前記x軸に対して線対称に形成されている、
請求項2に記載の距離画像撮像素子。
【請求項5】
測定対象の空間から入射した光に応じた電荷を発生する光電変換素子と、前記電荷を蓄積する電荷蓄積部と、前記光電変換素子から前記電荷を前記電荷蓄積部に転送する転送経路上に設けられた電荷転送トランジスタと、前記光電変換素子から前記電荷を排出する排出経路上に設けられた電荷排出トランジスタとを少なくとも有する画素回路が半導体基板上に形成された距離画像撮像素子を備える受光部と、
前記距離画像撮像素子における前記電荷転送トランジスタ及び前記電荷排出トランジスタの駆動を制御する距離画像処理部と、
を備え、
前記光電変換素子の表面における平面視の形状が長方形であり、
前記電荷転送トランジスタは、2M(Mは整数であり、M≧2)個設けられ、
前記電荷排出トランジスタは、2N(Nは整数であり、N≧1)個設けられ、
前記距離画像処理部は、2N個の前記電荷排出トランジスタのうち少なくとも1個の前記電荷排出トランジスタを、前記電荷を排出するか蓄積するかに関わらず、オフ状態に維持する、
ことを特徴とする距離画像撮像装置。
【請求項6】
前記距離画像処理部は、
前記電荷を排出する場合、2N個の前記電荷排出トランジスタのうちの第1電荷排出トランジスタをオン状態とし、2N個の前記電荷排出トランジスタのうちの前記第1電荷排出トランジスタとは他電荷排出トランジスタをオフ状態とし、
前記電荷を排出する状態から、前記電荷を蓄積する状態に切替える場合、前記第1電荷排出トランジスタをオフ状態とすると共に、前記電荷転送トランジスタをオン状態とし、前記他電荷排出トランジスタをオフ状態に維持する、
請求項5に記載の距離画像撮像装置。
【請求項7】
前記電荷排出トランジスタは、2個設けられ、
前記距離画像処理部は、第1駆動制御および第2駆動制御を、予め定められた駆動回数ごとに交互に実行し、
前記第1駆動制御は、2個の前記電荷排出トランジスタのうちの第1電荷排出トランジスタを、前記電荷転送トランジスタをオン状態に切替える場合に、オフ状態に切替わるように制御し、2個の前記電荷排出トランジスタのうち前記第1電荷排出トランジスタと異なる第2電荷排出トランジスタを、前記電荷転送トランジスタがオン状態であるかオフ状態であるかに関わらず、オフ状態に維持する制御であり、
前記第2駆動制御は、前記第2電荷排出トランジスタを、前記電荷転送トランジスタがオン状態に切替える場合に、オフ状態に切替わるように制御し、前記第1電荷排出トランジスタを、前記電荷転送トランジスタがオン状態であるかオフ状態であるかに関わらず、オフ状態に維持する制御である、
請求項5に記載の距離画像撮像装置。
【請求項8】
測定対象の空間から入射した光に応じた電荷を発生する光電変換素子と、前記電荷を蓄積する電荷蓄積部と、前記光電変換素子から前記電荷を前記電荷蓄積部に転送する転送経路上に設けられた電荷転送トランジスタと、前記光電変換素子から前記電荷を排出する排出経路上に設けられた電荷排出トランジスタとを少なくとも備える画素回路が半導体基板上に形成された距離画像撮像素子が備えられた受光部と、前記距離画像撮像素子における前記電荷転送トランジスタ及び前記電荷排出トランジスタの駆動を制御する距離画像処理部と、を備え、前記光電変換素子の表面における平面視の形状が長方形であり、前記電荷転送トランジスタは、2M(Mは整数であり、M≧2)個設けられ、前記電荷排出トランジスタは、2N(Nは整数であり、N≧1)個設けられる距離画像撮像装置が行う距離画像撮像方法であって、
前記距離画像処理部は、2N個の前記電荷排出トランジスタのうち少なくとも1個の前記電荷排出トランジスタを、前記電荷を排出するか蓄積するかに関わらず、オフ状態に維持する、
ことを特徴とする距離画像撮像方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、距離画像撮像素子、距離画像撮像装置、及び距離画像撮像方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、光の速度が既知であることを利用し、空間(測定空間)における光の飛行時間に基づいて測定器と対象物との距離を測定する、タイム・オブ・フライト(Time of Flight、以下「TOF」という)方式の距離画像センサが実現されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
TOF方式の距離画像センサは、光電変換素子が入射される光の光量を電荷に変換し、変換した電荷を電荷蓄積部に蓄積している。そのため、光電変換素子から電荷蓄積部へ電荷を転送するために、電荷蓄積部の各々には電荷を転送する電荷転送ゲート(トランジスタ)が設けられている。また、電荷を蓄積させることなく排出する期間(ドレイン期間)において光電変換素子が変換した電荷を排出する電荷排出ゲート(トランジスタ)が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4235729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、排出していた電荷をある電荷蓄積部に蓄積させるように切替えるタイミングと、ある電荷蓄積部に蓄積させていた電荷を別の電荷蓄積部に蓄積させるように切替えるタイミングとにおいて、切替時に駆動する電荷転送ゲートまたは電荷排出ゲートの数が異なる場合がある。
【0006】
この場合、トランジスタを駆動させる際の負荷がタイミングにより異なることに起因して、電荷の排出又は蓄積などを制御する制御パルスの特性が変化する場合がある。制御パルスの特性が変化してしまうと、電荷蓄積部のそれぞれに電荷を蓄積させる蓄積時間の時間幅が変動してしまい、距離を測定する精度が劣化する要因になる。
【0007】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、電荷蓄積部のそれぞれに電荷を蓄積させる蓄積時間が一定となるように、電荷転送ゲートまたは電荷排出ゲートを駆動させることができる距離画像撮像素子、距離画像撮像装置、及び距離画像撮像方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明の距離画像撮像素子は、測定対象の空間から入射した光に応じた電荷を発生する光電変換素子と、前記電荷を蓄積する電荷蓄積部と、前記光電変換素子から前記電荷を前記電荷蓄積部に転送する転送経路上に設けられた電荷転送トランジスタと、前記光電変換素子から前記電荷を排出する排出経路上に設けられた電荷排出トランジスタとを少なくとも備える画素回路が半導体基板上に形成された距離画像撮像素子であって、前記光電変換素子の表面における平面視の形状が長方形であり、前記電荷転送トランジスタは、2M(Mは整数であり、M≧2)個設けられ、前記電荷排出トランジスタは、2N(Nは整数であり、N≧1)個設けられ、2N個の前記電荷排出トランジスタのうち少なくとも1個の前記電荷排出トランジスタは、前記光電変換素子と電気的に接続されないフローティングである、ことを特徴とする。
【0009】
本発明の距離画像撮像素子は、前記光電変換素子の長辺に平行であり当該光電変換素子の中心を通るx軸に対して線対称となるように、当該長辺の各々にM個の前記電荷転送トランジスタがそれぞれ対向して形成され、前記電荷排出トランジスタが前記光電変換素子の短辺に設けられている。
【0010】
本発明の距離画像撮像素子は、前記電荷転送トランジスタが、前記短辺に平行で、前記光電変換素子の中心を通るy軸に対して線対称の位置に形成されている。
【0011】
本発明の距離画像撮像素子は、前記電荷蓄積部が、前記x軸に対して線対称に形成されている。
【0012】
本発明の距離画像撮像装置は、測定対象の空間から入射した光に応じた電荷を発生する光電変換素子と、前記電荷を蓄積する電荷蓄積部と、前記光電変換素子から前記電荷を前記電荷蓄積部に転送する転送経路上に設けられた電荷転送トランジスタと、前記光電変換素子から前記電荷を排出する排出経路上に設けられた電荷排出トランジスタとを少なくとも有する画素回路が半導体基板上に形成された距離画像撮像素子を備える受光部と、前記距離画像撮像素子における前記電荷転送トランジスタ及び前記電荷排出トランジスタの駆動を制御する距離画像処理部と、を備え、前記光電変換素子の表面における平面視の形状が長方形であり、前記電荷転送トランジスタは、2M(Mは整数であり、M≧2)個設けられ、前記電荷排出トランジスタは、2N(Nは整数であり、N≧1)個設けられ、前記距離画像処理部は、2N個の前記電荷排出トランジスタのうち少なくとも1個の前記電荷排出トランジスタを、前記電荷を排出するか蓄積するかに関わらず、オフ状態に維持する、ことを特徴とする。
【0013】
本発明の距離画像撮像装置は、前記距離画像処理部は、前記電荷を排出する場合、2N個の前記電荷排出トランジスタのうちの第1電荷排出トランジスタをオン状態とし、2N個の前記電荷排出トランジスタのうちの前記第1電荷排出トランジスタとは他電荷排出トランジスタをオフ状態とし、前記電荷を排出する状態から、前記電荷を蓄積する状態に切替える場合、前記第1電荷排出トランジスタをオフ状態とすると共に、前記電荷転送トランジスタをオン状態とし、前記他電荷排出トランジスタをオフ状態に維持する。
【0014】
本発明の距離画像撮像装置は、前記電荷排出トランジスタは、2個設けられ、前記距離画像処理部は、第1駆動制御および第2駆動制御を、予め定められた駆動回数ごとに交互に実行し、前記第1駆動制御は、2個の前記電荷排出トランジスタのうちの第1電荷排出トランジスタを、前記電荷転送トランジスタをオン状態に切替える場合に、オフ状態に切替わるように制御し、2個の前記電荷排出トランジスタのうち前記第1電荷排出トランジスタと異なる第2電荷排出トランジスタを、前記電荷転送トランジスタがオン状態であるかオフ状態であるかに関わらず、オフ状態に維持する制御であり、前記第2駆動制御は、前記第2電荷排出トランジスタを、前記電荷転送トランジスタがオン状態に切替える場合に、オフ状態に切替わるように制御し、前記第1電荷排出トランジスタを、前記電荷転送トランジスタがオン状態であるかオフ状態であるかに関わらず、オフ状態に維持する制御である。
【0015】
本発明の距離画像撮像方法は、測定対象の空間から入射した光に応じた電荷を発生する光電変換素子と、前記電荷を蓄積する電荷蓄積部と、前記光電変換素子から前記電荷を前記電荷蓄積部に転送する転送経路上に設けられた電荷転送トランジスタと、前記光電変換素子から前記電荷を排出する排出経路上に設けられた電荷排出トランジスタとを少なくとも備える画素回路が半導体基板上に形成された距離画像撮像素子が備えられた受光部と、前記距離画像撮像素子における前記電荷転送トランジスタ及び前記電荷排出トランジスタの駆動を制御する距離画像処理部と、を備え、前記光電変換素子の表面における平面視の形状が長方形であり、前記電荷転送トランジスタは、2M(Mは整数であり、M≧2)個設けられ、前記電荷排出トランジスタは、2N(Nは整数であり、N≧1)個設けられる距離画像撮像装置が行う距離画像撮像方法であって、前記距離画像処理部は、2N個の前記電荷排出トランジスタのうち少なくとも1個の前記電荷排出トランジスタを、前記電荷を排出するか蓄積するかに関わらず、オフ状態に維持する。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明によれば、電荷蓄積部のそれぞれに電荷を蓄積させる蓄積時間が一定となるように、電荷転送ゲートまたは電荷排出ゲートを駆動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態の距離画像撮像装置1の構成例を示すブロック図である。
図2】実施形態の距離画像撮像素子(距離画像センサ32)の構成例を示すブロック図である。
図3】実施形態の画素回路321の構成例を示す回路図である。
図4】実施形態の画素回路321のレイアウトパターンの例を示す図である。
図5図4における各トランジスタの配置関係を説明するための図である。
図6】実施形態の画素回路321を駆動するタイミングの例を示すタイミングチャートである。
図7】実施形態の画素回路321を駆動するタイミングの例を示すタイミングチャートである。
図8】実施形態の画素回路321を駆動するタイミングの例を示すタイミングチャートである。
図9】実施形態の画素回路321を駆動した例を示す図である。
図10】実施形態の距離画像処理部4が行う処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、距離画像撮像装置1の構成例を示すブロック図である。距離画像撮像装置1は、例えば、光源部2と、受光部3と、距離画像処理部4とを備える。なお、図1には、距離画像撮像装置1において距離を測定する対象物である被写体OBも併せて示している。距離画像撮像素子は、例えば、受光部3における距離画像センサ32(後述)である。
【0019】
光源部2は、距離画像処理部4からの制御に従って、距離画像撮像装置1において距離を測定する対象の被写体OBが存在する撮影対象の空間に光パルスPOを照射する。光源部2は、例えば、垂直共振器面発光レーザー(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)などの面発光型の半導体レーザーモジュールである。光源部2は、光源装置21と、拡散板22とを備える。
【0020】
光源装置21は、被写体OBに照射する光パルスPOとなる近赤外の波長帯域(例えば、波長が850nm~940nmの波長帯域)のレーザー光を発光する光源である。光源装置21は、例えば、半導体レーザー発光素子である。光源装置21は、タイミング制御部41からの制御に応じて、パルス状のレーザー光を発光する。拡散板22は、光源装置21が発光した近赤外の波長帯域のレーザー光を、被写体OBに照射する面の広さに拡散する光学部品である。拡散板22が拡散したパルス状のレーザー光が、光パルスPOとして出射され、被写体OBに照射される。
【0021】
受光部3は、距離画像撮像装置1において距離を測定する対象の被写体OBによって反射された光パルスPOの反射光RLを受光し、受光した反射光RLに応じた画素信号を出力する。受光部3は、レンズ31と、距離画像センサ32とを備える。レンズ31は、入射した反射光RLを距離画像センサ32に導く光学レンズである。レンズ31は、入射した反射光RLを距離画像センサ32側に出射して、距離画像センサ32の受光領域に備えた画素回路に受光(入射)させる。
【0022】
距離画像センサ32は、距離画像撮像装置1に用いられる撮像素子である。距離画像センサ32は、二次元の受光領域に複数の画素を備える。距離画像センサ32のそれぞれの画素回路(画素回路321)の中に、1つの光電変換素子と、この1つの光電変換素子に対応する複数の電荷蓄積部と、それぞれの電荷蓄積部に電荷を振り分ける構成要素とが設けられる。
【0023】
距離画像センサ32は、タイミング制御部41からの制御に応じて、光電変換素子が発生した電荷をそれぞれの電荷蓄積部に振り分ける。また、距離画像センサ32は、電荷蓄積部に振り分けられた電荷量に応じた画素信号を出力する。距離画像センサ32には、複数の画素回路が二次元の行列状に配置されており、それぞれの画素回路の対応する1フレーム分の画素信号を出力する。
【0024】
距離画像処理部4は、距離画像撮像装置1を制御し、被写体OBまでの距離を演算する。距離画像処理部4は、タイミング制御部41と、距離演算部42とを備える。タイミング制御部41は、距離の測定に要する様々な制御信号を出力するタイミングを制御する。ここでの様々な制御信号とは、例えば、光パルスPOの照射を制御する信号や、反射光RLを複数の電荷蓄積部に振り分ける信号、受光部3が受光した背景光などの光が電荷蓄積部に蓄積されないように電荷を排出する信号、及び1フレームあたりの振り分け回数を制御する信号などである。振り分け回数とは、電荷蓄積部CS(図3参照)に電荷を振り分ける処理を繰返す回数である。
【0025】
距離演算部42は、距離画像センサ32から出力された画素信号に基づいて、被写体OBまでの距離を演算した距離情報を出力する。距離演算部42は、複数の電荷蓄積部CSに蓄積された電荷量に基づいて、光パルスPOを照射してから反射光RLを受光するまでの遅延時間Tdを算出する。距離演算部42は、算出した遅延時間Tdに応じて、距離画像撮像装置1から被写体OBまでの距離を演算する。
【0026】
このような構成によって、距離画像撮像装置1では、光源部2が被写体OBに照射した近赤外の波長帯域の光パルスPOが被写体OBによって反射された反射光RLを受光部3が受光し、距離画像処理部4が、被写体OBと距離画像撮像装置1との距離を測定した距離情報を出力する。なお、図1においては、距離画像処理部4を内部に備えた構成の距離画像撮像装置1を示しているが、距離画像処理部4は、距離画像撮像装置1の外部に備える構成要素であってもよい。
【0027】
次に、距離画像撮像装置1において画像撮像素子として用いられる距離画像センサ32の構成について説明する。図2は、画像撮像素子(距離画像センサ32)の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、距離画像センサ32は、例えば、複数の画素回路321が配置された受光領域320と、制御回路322と、振り分け動作を有した垂直走査回路323と、水平走査回路324と、画素信号処理回路325とを備える。
【0028】
受光領域320は、複数の画素回路321が配置された領域であって、図2では、8行8列に二次元の行列状に配置された例を示している。画素回路321は、受光した光量に相当する電荷を蓄積する。制御回路322は、例えば、距離画像処理部4のタイミング制御部41からの指示に応じて、距離画像センサ32の構成要素の動作を制御する。
【0029】
垂直走査回路323は、制御回路322からの制御に応じて、受光領域320に配置された画素回路321を行ごとに制御する回路である。垂直走査回路323は、画素回路321の電荷蓄積部CSそれぞれに蓄積された電荷量に応じた電圧信号を画素信号処理回路325に出力させる。
【0030】
画素信号処理回路325は、制御回路322からの制御に応じて、それぞれの列の画素回路321から出力された電圧信号に対して、予め定めた信号処理(例えば、ノイズ抑圧処理やA/D変換処理など)を行う。水平走査回路324は、制御回路322からの制御に応じて、画素信号処理回路325から出力される信号を、順次、時系列に出力させる回路である。これにより、1フレーム分蓄積された電荷量に相当する画素信号が、距離画像処理部4に順次出力される。以下の説明においては、画素信号処理回路325がA/D変換処理を行い、画素信号がデジタル信号であるものとして説明する。
【0031】
ここで、距離画像センサ32に備える受光領域320内に配置された画素回路321の構成について説明する。図3は、画素回路321の構成例を示す回路図である。図3の画素回路321は、4つの画素信号読み出し部を備えた構成例である。
【0032】
画素回路321は、1つの光電変換素子PDと、電荷排出トランジスタGD(後述するGD1、GD2)と、対応する出力端子Oから電圧信号を出力する4つの画素信号読み出し部RU(RU1からRU4)とを備える。画素信号読み出し部RUのそれぞれは、電荷転送トランジスタGと、フローティングディフュージョンFDと、電荷蓄積容量Cと、リセットトランジスタRTと、ソースフォロアトランジスタSFと、選択トランジスタSLとを備える。フローティングディフュージョンFDと電荷蓄積容量Cとは、電荷蓄積部CSを構成している。
【0033】
図3に示す画素回路321において、出力端子O1から電圧信号を出力する画素信号読み出し部RU1は、電荷転送トランジスタG1(転送MOSトランジスタ)と、フローティングディフュージョンFD1と、電荷蓄積容量C1と、リセットトランジスタRT1と、ソースフォロアトランジスタSF1と、選択トランジスタSL1とを備える。画素信号読み出し部RU1では、フローティングディフュージョンFD1と電荷蓄積容量C1とによって電荷蓄積部CS1が構成されている。画素信号読み出し部RU2、RU3及びRU4も同様の構成である。
【0034】
光電変換素子PDは、入射した光を光電変換して、入射した光(入射光)に応じた電荷を発生させ、発生させた電荷を蓄積する埋め込み型のフォトダイオードである。本実施形態においては、入射光は測定対象の空間から入射される。画素回路321では、光電変換素子PDが入射光を光電変換して発生させた電荷を4つの電荷蓄積部CS(CS1からCS4)のそれぞれに振り分け、振り分けられた電荷の電荷量に応じたそれぞれの電圧信号を、画素信号処理回路325に出力する。
【0035】
また、画素回路321の構成は、図3に示すような、4つの画素信号読み出し部RU(RU1からRU4)を備えた構成に限定されるものではない。画素回路321は、例えば、画素信号読み出し部RUが2M(Mは整数であり、M≧2)個以上の複数の画素信号読み出し部RUを備えた構成の画素回路でもよい。すなわち、2M(Mは整数であり、M≧2)個以上の電荷転送トランジスタGが備えられた構成の画素回路でもよい。
【0036】
また、画素回路321の構成は、図3に示すような、電荷排出トランジスタGD(後述するGD1、GD2)と、を備えた構成に限定されるものではない。画素回路321は、例えば、2N(Nは整数であり、N≧1)個以上の複数の電荷排出トランジスタGDを備えた構成の画素回路でもよい。
【0037】
ここで、図4を用いて画素回路321のレイアウトパターンについて説明する。図4は、本実施形態における画素回路321の各トランジスタの配置(レイアウトパターン)の例を示す図である。
【0038】
ここでの各トランジスタとは、画素回路321を構成する集積回路であり、具体的には、電荷転送トランジスタG1、G2、G3及びG4と、ソースフォロアトランジスタSF1、SF2、SF3及びSF4と、選択トランジスタSL1、SL2、SL3及びSL4と、リセットトランジスタRT1、RT2、RT3及びRT4と、電荷排出トランジスタGD1及びGD2と、光電変換素子PDである。上述したトランジスタの各々は、すべて、p型の半導体基板上に形成されたnチャネル型のMOSトランジスタである。
【0039】
図4の例に示すように、例えば、リセットトランジスタRT1は、p型の半導体基板上において、ドレインRT1_D(n拡散層(n型不純物の拡散層))と、ソースRT1_S(n拡散層)とゲートRT1_Gとの各々で構成されている。
【0040】
また、コンタクトRT1_Cは、リセットトランジスタRT1のドレインRT1_D(n拡散層)と、ソースRT1_S(n拡散層)との各々の拡散層に設けられた、不図示の配線と接続するコンタクトを示すパターンである。他の電荷転送トランジスタG1からG4、ソースフォロアトランジスタSF1からSF4、選択トランジスタSL1からSL4、リセットトランジスタRT2からRT4、電荷排出トランジスタGD1及びGD2も同様の構成をしている。
【0041】
光電変換素子PDは、長方形の形状で形成されており、長辺PDL1と、長辺PDL1に平行に対向する長辺PDL2と、短辺PDS1と、短辺PDS1に平行に対向する短辺PDS2とから成る。
【0042】
ここで、x軸は、光電変換素子PDの長方形のパターンにおいて、当該長方形の短辺PDS1(及びPDS2)に対して直交し(すなわち、長方形の長辺PDL1、PDL2に平行であり)、長方形の中心Oを通る軸である。また、y軸は、x軸に直交し、すなわち長方形の長辺PDL1(及びPDL2)に直交し(長方形の短辺PDS1、PDS2に平行であり)、長方形の中心Oを通る軸である。
【0043】
電荷排出トランジスタGD1は、短辺PDS1におけるx軸上に配置される。
【0044】
電荷排出トランジスタGD2は、短辺PDS2におけるx軸上に配置され、電荷排出トランジスタGD1と、y軸に対して線対称となる位置に配置される。すなわち、電荷排出トランジスタGD2は、短辺PDS2におけるx軸上に、電荷排出トランジスタGD1とx軸に対して線対称となるように配置される。
【0045】
上述したように、電荷排出トランジスタGD1及びGD2の各々は、x軸上に配置され、かつy軸から同一の距離に配置される。したがって、電荷排出トランジスタGD1及びGD2の各々は、光電変換素子PDの中心Oから同一の距離に配置されている。
【0046】
電荷転送トランジスタG1及びG2は、長辺PDL1において、y軸に対して線対称となる位置に配置される。
電荷転送トランジスタG3及びG4は、長辺PDL2において、y軸に対して線対称となる位置に配置される。
電荷転送トランジスタG3は、電荷転送トランジスタG1と、x軸に対して線対称となる位置に配置される。
電荷転送トランジスタG4は、電荷転送トランジスタG2と、x軸に対して線対称となる位置に配置される。
【0047】
上述したように、電荷転送トランジスタG1、G2、G3及びG4の各々は、それぞれx軸、y軸及び中心Oのそれぞれから同一の距離となるように配置されている。
また、電荷転送トランジスタG1からG4の各々は、同一のサイズ(チャネル長及びチャネル幅が同一)であり、同様のトランジスタ特性を有している。
これにより、光電変換素子PDが生成した電荷を同一の転送効率(転送特性)とすることができ、電荷蓄積部CS1からCS4の各々に同一の転送特性にて電荷を蓄積させることが可能となる。したがって、被写体と距離画像撮像装置との間の距離を高い精度で求めることができる。
【0048】
リセットトランジスタRT1及びRT2の各々は、リセットトランジスタRT3、RT4それぞれと、x軸に対して線対称に配置されている。
また、ソースフォロアトランジスタSF1及びSF2の各々は、ソースフォロアトランジスタSF3及びSF4それぞれと、x軸に対して線対称に配置されている。
また、選択トランジスタSL1及びSL2の各々は、選択トランジスタSL3及びSL4それぞれと、x軸に対して線対称に配置されている。
【0049】
なお、図4においては、画素回路321の半導体基板上における各トランジスタの各々の配置を示すものであり、配線パターン及び電荷蓄積容量(C1からC4)の各々は省略されている。例えば、電荷蓄積部CS1、CS2、CS3及びCS4の各々は、フローティングディフュージョンFD1、FD2、FD3、FD4それぞれの位置に配置されている。
【0050】
ここで、図5を用いて、電荷を蓄積または排出する制御を行う際に主に駆動されるトランジスタ、具体的には、光電変換素子PDと電荷転送トランジスタGと電荷排出トランジスタGDの配置関係について説明する。
【0051】
図5は、図4における光電変換素子PDと電荷転送トランジスタGと電荷排出トランジスタGDとの配置関係の一例を示す図である。
【0052】
図5の例に示すように、電荷排出トランジスタGD1は、ドレインGD1_Dと、ゲートGD1_Gと、ソース(光電変換素子PDのn拡散層)とから形成されている。ドレインGD1_Dは、コンタクト及び配線を介して電源VDDと接続されている。
【0053】
電荷排出トランジスタGD1は、ゲートGD1_Gに「H」レベルのゲート電圧が印加されることにより、光電変換素子PDに生成された電荷(電子)を、ドレインGD1_Dに転送する。そして、ドレインGD1_Dは、光電変換素子PDから転送された電荷を電源VDDに排出する。
【0054】
電荷排出トランジスタGD2は、電荷排出トランジスタGD1と同様の構成であり、ドレインGD2_Dと、ゲートGD2_Gと、ソース(光電変換素子PDのn拡散層)とから形成されている。ドレインGD2_Dは、コンタクト及び配線を介して電源VDDと接続されている。
【0055】
電荷排出トランジスタGD2は、ゲートGD2_Gに「H」レベルのゲート電圧が印加されることにより、光電変換素子PDに生成された電荷(電子)を、ドレインGD2_Dに転送する。そして、ドレインGD2_Dは、光電変換素子PDから転送された電荷を電源VDDに排出する。
【0056】
電荷転送トランジスタG1は、ドレインG1_DとしてのフローティングディフュージョンF1と、ゲートG1_Gと、ソース(光電変換素子PDのn拡散層)とから形成されている。フローティングディフュージョンFD1には、電荷蓄積部CS1が形成されている。ドレインG1_Dは、コンタクト及び配線を介して、ソースフォロアトランジスタSF1のゲートSF1_G、及びリセットトランジスタRT1のソースRT1_Sの各々に接続されている。
【0057】
電荷転送トランジスタG1は、ゲートG1_Gに「H」レベルのゲート電圧が印加されることにより、光電変換素子PDに生成された電荷(電子)を、ドレインG1_DとしてのフローティングディフュージョンF1に転送する。そして、フローティングディフュージョンFD1は、光電変換素子PDから転送された電荷を蓄積する。
電荷転送トランジスタG2、G3及びG4の各々は、電荷転送トランジスタG1と同様の構成である。
【0058】
ここで、距離画像処理部4が画素回路321を駆動する制御、つまり電荷を蓄積または排出する制御について、図6図8を用いて説明する。図6図8は、画素回路321を駆動するタイミングの例を示すタイミングチャートである。
【0059】
図6には、理想的なタイミングチャートが模式的に示されている。図7及び図8には、寄生容量などの影響を受けてパルス波形に波形なまりが生じた実際のタイミングチャートが模式的に示されている。
【0060】
図6図8では、「G1」で示す制御パルスにおいて、電荷蓄積部CS1に電荷を蓄積させる電荷転送トランジスタG1の開閉タイミングが示されている。
また、「G2」で示す制御パルスにおいて、電荷蓄積部CS2に電荷を蓄積させる電荷転送トランジスタG2の開閉タイミングが示されている。
また、「G3」で示す制御パルスにおいて、電荷蓄積部CS3に電荷を蓄積させる電荷転送トランジスタG3の開閉タイミングが示されている。
また、「G4」で示す制御パルスにおいて、電荷蓄積部CS4に電荷を蓄積させる電荷転送トランジスタG4の開閉タイミングが示されている。
また、「GD」で示す制御パルスにおいて、電荷を排出させる電荷排出トランジスタGDの開閉タイミングが示されている。
【0061】
距離画像処理部4は、光源部2を制御し、光パルスPOが照射時間Toで照射されるように制御する。照射された光パルスPOは被写体OBに反射し、例えば、遅延時間Td遅れた反射光RLが距離画像センサ32に受光される。距離画像センサ32に受光された反射光RLは、光電変換素子PDによって電荷に変換される。
【0062】
そして、距離画像処理部4は、光パルスPOを照射させた照射タイミングに応じた蓄積タイミングにおいて、電荷蓄積部CS1、CS2、CS3及びCS4の順にそれぞれに電荷を蓄積させる制御を行う。距離画像処理部4は、電荷蓄積部CSに電荷を蓄積させる駆動をさせた後、電荷を排出する制御を行う。距離画像処理部4は、このような動作を照射タイミングに応じて繰返し行う。
【0063】
まず、図6を用いて、距離画像処理部4が画素回路321を駆動する制御を説明する。図6には、距離画像処理部4が、電荷転送トランジスタG1~G4、および電荷排出トランジスタGDの開閉を制御する制御パルスのタイミングが示されている。
【0064】
まず、画素回路321は、電荷を排出する状態に制御されているとする。この場合、距離画像処理部4は、電荷転送トランジスタG1~G4をオフ状態に制御すると共に、電荷排出トランジスタGDをオン状態に制御する。これにより、電荷が排出される。
【0065】
この場合、図6の「G1」、「G2」、「G3」、および「G4」に対応する制御パルスは「Low」であり、「GD」に対応する制御パルスは「High」である。
【0066】
次に、距離画像処理部4は、光パルスPOの照射タイミングに同期させた蓄積タイミングにおいて、電荷蓄積部CS1に電荷を蓄積させる制御を行う。この場合、距離画像処理部4は、例えば時間T1において、電荷排出トランジスタGDをオフ状態に切替える。また、距離画像処理部4は、電荷転送トランジスタG1をオン状態に切替える。これにより、電荷は、電荷蓄積部CS1に蓄積される。
【0067】
この場合、時間T1において、図6の「GD」に対応する制御パルスは「Low」に切替わり、「G1」に対応する制御パルスは「High」に切替わる。
【0068】
次に、距離画像処理部4は、電荷蓄積部CS2に電荷を蓄積させる制御を行う。この場合、距離画像処理部4は、例えば時間T2において、電荷転送トランジスタG1をオフ状態に切替える。また、距離画像処理部4は、電荷転送トランジスタG2をオン状態に切替える。これにより、電荷は、電荷蓄積部CS2に蓄積される。
【0069】
この場合、時間T2において、図6の「G1」に対応する制御パルスは「Low」に切替わり、「G2」に対応する制御パルスは「High」に切替わる。
【0070】
次に、距離画像処理部4は、電荷蓄積部CS3に電荷を蓄積させる制御を行う。この場合、距離画像処理部4は、例えば時間T3において、電荷転送トランジスタG2をオフ状態に切替える。また、距離画像処理部4は、電荷転送トランジスタG3をオン状態に切替える。これにより、電荷は、電荷蓄積部CS3に蓄積される。
【0071】
この場合、時間T3において、図6の「G2」に対応する制御パルスは「Low」に切替わり、「G3」に対応する制御パルスは「High」に切替わる。
【0072】
次に、距離画像処理部4は、電荷蓄積部CS4に電荷を蓄積させる制御を行う。この場合、距離画像処理部4は、例えば時間T4において、電荷転送トランジスタG3をオフ状態に切替える。また、距離画像処理部4は、電荷転送トランジスタG4をオン状態に切替える。これにより、電荷は、電荷蓄積部CS4に蓄積される。
【0073】
この場合、時間T4において、図6の、「G3」に対応する制御パルスは「Low」に切替わり、「G4」に対応する制御パルスは「High」に切替わる。
【0074】
次に、距離画像処理部4は、電荷を排出させる制御を行う。この場合、距離画像処理部4は、例えば時間T5において、電荷転送トランジスタG4をオフ状態に切替える。また、距離画像処理部4は、電荷排出トランジスタGDをオン状態に切替える。これにより、電荷は、排出される。
【0075】
この場合、時間T5において、図6の、「G4」に対応する制御パルスは「Low」に切替わり、「GD」に対応する制御パルスは「High」に切替わる。
【0076】
図6の例では、電荷蓄積部CS1に電荷が蓄積される蓄積時間は、「GD」に対応する制御パルスが「Low」に切替わると共に「G1」に対応する制御パルスが「High」に切替わった時間T1から、「G1」に対応する制御パルスが「Low」に切替わった時間T2までの時間である。
【0077】
同様に、電荷蓄積部CS2に電荷が蓄積される蓄積時間は、時間T2から時間T3までの時間である。電荷蓄積部CS3に電荷が蓄積される蓄積時間は、時間T3から時間T4までの時間である。電荷蓄積部CS4に電荷が蓄積される蓄積時間は、時間T4から時間T5までの時間である。
【0078】
ここで、実際の制御パルスの波形形状は、寄生容量などの影響を受けることから、理想的な矩形形状にはならない。図7に示すように、制御パルスの立ち上がり、及び立下りに波形なまりが発生する。この場合、波形なまりにより、蓄積時間が変化する可能性がある。
【0079】
例えば、制御パルスが、閾値thを上回った場合に「High」になり、閾値thを下回った場合に「Low」になったと仮定する。
【0080】
図7の例では、「GD」に対応する制御パルスが閾値thを下回った点P1に対応する時間T1#において「Low」に切替わる。
また、「G1」に対応する制御パルスが閾値thを下回った点P2に対応する時間T2#において「Low」に切替わる。
また、「G2」に対応する制御パルスが閾値thを下回った点P3に対応する時間T3#において「Low」に切替わる。
また、「G3」に対応する制御パルスが閾値thを下回った点P4に対応する時間T4#において「Low」に切替わる。
また、「G4」に対応する制御パルスが閾値thを下回った点P5に対応する時間T5#において「Low」に切替わる。
【0081】
この場合、電荷蓄積部CS1に電荷が蓄積される蓄積時間は、「GD」に対応する制御パルスが「Low」に切替わると共に「G1」に対応する制御パルスが「High」に切替わった時間T1#から、「G1」に対応する制御パルスが「Low」に切替わった時間T2#までの時間である。
【0082】
同様に、図7の例では、電荷蓄積部CS2に電荷が蓄積される蓄積時間は、時間T2#から時間T3#までの時間である。電荷蓄積部CS3に電荷が蓄積される蓄積時間は、時間T3#から時間T4#までの時間である。電荷蓄積部CS4に電荷が蓄積される蓄積時間は、時間T4#から時間T5#までの時間である。
【0083】
ここで、制御パルスのそれぞれに発生した波形なまり、特に立下り特性が同じような特性を示す場合、波形なまりが発生していない場合と比較して、遅延が生じるものの、蓄積時間は波形なまりが発生していない場合とほぼ同じ時間間隔になると考えられる。
【0084】
例えば、図4及び図5において説明したように、例えば、電荷転送トランジスタGおよび電荷排出トランジスタGDのそれぞれのトランジスタを、p型の半導体基板上に形成されたnチャネル型のMOSトランジスタで揃え、更に、トランジスタのサイズを同一のサイズ(チャネル長及びチャネル幅が同一)とし、同様のトランジスタ特性を有するものとすることにより、制御パルスのそれぞれに発生する波形なまりを、同じような特性とすることが考えられる。
【0085】
ここで、図4及び図5に示すように、1つの画素回路321に対し、電荷排出トランジスタGDは、電荷排出トランジスタGD1およびGD2の2つ配置されている。一方、「G1」、「G2」、「G3」及び「G4」のそれぞれに対応する電荷転送トランジスタG1~G4は、1つの画素回路321に対し1つ配置されている。
【0086】
距離画像処理部4が、「GD」に対応する制御パルスにて、電荷排出トランジスタGD1およびGD2の2つのトランジスタを制御し、「G1」、「G2」、「G3」及び「G4」のそれぞれに対応する制御パルスにて、電荷転送トランジスタG1~G4のうちの1つのトランジスタを制御することか考えられる。
【0087】
この場合、「GD」に対応する制御パルスの方が、「G1」、「G2」、「G3」及び「G4」のそれぞれに対応する制御パルスよりも、制御パルスが受ける負荷が大きくなると考えられる。このため、「GD」に対応する制御パルスにて2つのトランジスタを制御した場合、制御パルスの立下り特性は、「G1」、「G2」、「G3」及び「G4」のそれぞれに対応する制御パルスよりも、傾きがより緩やかになると考えられる。
【0088】
図8には、「GD」に対応する制御パルスに、他の制御パルスより大きな負荷がかかる場合のタイミングチャートの例が模式的に示されている。
【0089】
図8に示すように、「GD」に対応する制御パルスに大きな負荷がかかる場合、制御パルスの立下り特性は、他の制御パルスより、傾きがより緩やかになる。
【0090】
電荷蓄積部CS1に電荷が蓄積される蓄積時間は、時間T1##から時間T2#までの時間である。具体的には、「GD」に対応する制御パルスが閾値thを下回る点P1#に対応する時間T1##は、点P1#よりも遅れる。
【0091】
この場合、電荷蓄積部CS1に電荷が蓄積される蓄積時間は、他の電荷蓄積に電荷を蓄積させる蓄積時間よりも短くなる。このように、電荷蓄積部CSによって蓄積時間が異なる場合、距離画像処理部4が算出する距離の精度が劣化する要因となる。
【0092】
この対策として、本実施形態では、「GD」に対応する制御パルスにて駆動させる電荷排出トランジスタGDの数を減らし、制御パルスにかかる負荷を低減させるようにした。
【0093】
具体的に、距離画像処理部4は、「GD」に対応する制御パルスにて、電荷排出トランジスタGD1およびGD2の2つのトランジスタのうち一方(例えば、電荷排出トランジスタGD1)のみを、電荷の蓄積または排出に応じてオン状態またはオフ状態に制御し、他方(例えば、電荷排出トランジスタGD2)を電荷の蓄積または排出に関わらずオフ状態に維持する。
【0094】
例えば、距離画像処理部4は、電荷を排出する場合、電荷排出トランジスタGD1をオン状態とし、電荷排出トランジスタGD2をオフ状態とする。距離画像処理部4は、電荷を排出する状態から、電荷を蓄積する状態に切替える場合、電荷排出トランジスタGD1をオフ状態とすると共に、電荷転送トランジスタG1をオン状態とし、電荷排出トランジスタGD2をオフ状態に維持する。
【0095】
或いは、距離画像撮像装置1において、一方(例えば、電荷排出トランジスタGD1)をオン状態またはオフ状態にする制御が可能となるように配線し、他方(例えば、電荷排出トランジスタGD2)はフローティングとして、電荷を排出する機能を実行しないように配置してもよい。
【0096】
ここで、本実施形態では、画素回路321には2つの電荷排出トランジスタGDが対称となるように配置されている。
【0097】
具体的には、光電変換素子PDの長辺PDLに平行であり、光電変換素子PDの中心Oを通るx軸に対して線対称となるように、長辺PDLの各々に2個の電荷転送トランジスタGがそれぞれ対向して形成される。また、光電変換素子PDの短辺PDSの各々に1個の電荷排出トランジスタGDが設けられている。更に、電荷転送トランジスタGが、短辺PDSに平行で、光電変換素子PDの中心Oを通るy軸に対して線対称の位置に形成されている。更に、電荷蓄積部CSが、x軸に対して線対称に形成されている。
【0098】
このため、他方の電荷排出トランジスタGDを画素回路321から削除してしまう場合と比較して、構造の対称性が高めることができる。したがって、電荷転送時に電荷転送トランジスタにおける蓄積時間のばらつきを抑制することが可能となる。
【0099】
図9は、画素回路321を駆動した例を示す図である。図9には、「G1」、「G2」、「G3」、「G4」及び「GD」に対応する各制御パルスが重ねられて示されている。図9の横軸は時間、縦軸は電圧を示す。
【0100】
図9には、各制御パルスにて駆動させるトランジスタの数を1つに揃えることにより、各制御パルスの立下り特性を同等の特性とした例が示されている。
図9に示すように、電荷を排出するGD期間が、電荷蓄積部CS1に電荷を蓄積させるG1期間に切替わるタイミングにて、電荷排出トランジスタGDをオフ状態とする制御パルスが立下がる。
また、G1期間が、電荷蓄積部CS2に電荷を蓄積させるG2期間に切替わるタイミングにて、電荷転送トランジスタG1をオフ状態とする制御パルスが立下がる。
また、G2期間が、電荷蓄積部CS3に電荷を蓄積させるG3期間に切替わるタイミングにて、電荷転送トランジスタG2をオフ状態とする制御パルスが立下がる。
また、G3期間が、電荷蓄積部CS4に電荷を蓄積させるG4期間に切替わるタイミングにて、電荷転送トランジスタG3をオフ状態とする制御パルスが立下がる。
これら各各制御パルスの立下り特性を同等の特性であることから、各蓄積時間に対応する、G1期間、G2期間、G3期間、およびG4期間のそれぞれは、同じ時間間隔となる。
【0101】
上記では、2つの電荷排出トランジスタGDのうち、一方のみで電荷を排出させる制御の例を説明したが、これに限定されない。距離画像処理部4は、2つの電荷排出トランジスタGDを、一個ずつ交互に駆動して、電荷を排出させるように制御してもよい。
【0102】
ここで、図10を用いて、2つの電荷排出トランジスタGDを、一個ずつ交互に駆動して、電荷を排出させる処理の例について、説明する。図10は、実施形態の距離画像処理部4が行う処理の流れを示すフローチャートである。
【0103】
距離画像処理部4は、画素回路321を駆動し、電荷蓄積部CSに電荷を蓄積させる(ステップS10)。距離画像処理部4は、画素回路321を駆動させた駆動回数が閾値に達したか否かを判定する(ステップS11)。距離画像処理部4は、駆動回数が閾値に達した場合、画素回路321を駆動させる際に用いた電荷排出トランジスタGDが、電荷排出トランジスタGD1であるか、電荷排出トランジスタGD2であるかを判定する(ステップS12)。画素回路321を駆動させる際に用いた電荷排出トランジスタGDが、電荷排出トランジスタGD1である場合、距離画像処理部4は、次回以降における画素回路321の駆動に用いる電荷排出トランジスタGDを、電荷排出トランジスタGD2に変更する(ステップS13)。一方、画素回路321を駆動させる際に用いた電荷排出トランジスタGDが、電荷排出トランジスタGD2である場合、距離画像処理部4は、次回以降における画素回路321の駆動に用いる電荷排出トランジスタGDを、電荷排出トランジスタGD1に変更する(ステップS14)。
【0104】
なお、駆動回数は任意に設定されてよい。1回の駆動ごとに交互に電荷排出トランジスタGDを変更してもよいし、フレームの駆動回数の半数に達した時点で変更してもよいし、1フレームに対応する駆動回数ごとに変更しもよいし、複数フレーム単位で電荷排出トランジスタGDを変更してもよい。
【0105】
以上説明したように、実施形態の距離画像センサ32(「距離画像撮像素子」の一例)は、画素回路321が半導体基板上に形成された距離画像撮像素子である。画素回路321は、光電変換素子PDと、電荷蓄積部CSと、電荷転送トランジスタGと、電荷排出トランジスタGDを少なくとも備える。光電変換素子PDは、測定対象の空間から入射した光に応じた電荷を発生する。電荷蓄積部CSは、電荷を蓄積する。電荷転送トランジスタGは、光電変換素子PDから電荷を電荷蓄積部CSに転送する転送経路上に設けられる。電荷排出トランジスタGDは、光電変換素子PDから電荷を排出する排出経路上に設けられる。光電変換素子PDの表面における平面視の形状が長方形である。電荷転送トランジスタGは、2M(Mは整数であり、M≧2)個設けられる。電荷排出トランジスタGDは、2N(Nは整数であり、N≧1)個設けられる。2N個の電荷排出トランジスタGDのうち、少なくとも1個の電荷排出トランジスタGDは、光電変換素子PDと電気的に接続されないフローティングである。
【0106】
これにより、実施形態の距離画像センサ32は、画素回路321に配置された2N個の電荷排出トランジスタGDのうち、より少ない数の電荷排出トランジスタGDを駆動して電荷を排出または蓄積することができる。このため、電荷排出トランジスタGDを駆動させる場合と、電荷転送トランジスタGを駆動させる場合とにおいて、制御パルスの立下り特性を同等にすることができる。したがって、電荷蓄積部のそれぞれに電荷を蓄積させる蓄積時間が一定となるように、電荷転送ゲートまたは電荷排出ゲートを駆動させることが可能となる。
【0107】
また、実施形態の距離画像センサ32では、x軸に対して線対称となるように、長辺PDLの各々に2個の電荷転送トランジスタGがそれぞれ対向して形成される。光電変換素子PDの短辺PDSの各々に1個の電荷排出トランジスタGDが設けられている。また、実施形態の距離画像センサ32では、電荷転送トランジスタGが、y軸に対して線対称の位置に形成されている。また、実施形態の距離画像センサ32では、電荷蓄積部CSが、x軸に対して線対称に形成されている。これにより、実施形態の距離画像センサ32では、構造の対称性を高めることができる。したがって、電荷を排出させない電荷排出トランジスタGDを画素回路321から削除してしまう場合と比較して、電荷転送時に、電荷転送トランジスタGにおける蓄積時間のばらつきを抑制することが可能となる。
【0108】
また、実施形態の距離画像撮像装置1は、受光部3と、距離画像処理部4とを備える。受光部3は、画素回路321が半導体基板上に形成された距離画像センサ32を備える。距離画像処理部4は、距離画像センサ32における電荷転送トランジスタG及び電荷排出トランジスタGDの駆動を制御する。光電変換素子PDの表面における平面視の形状が長方形である。電荷転送トランジスタGは、2M(Mは整数であり、M≧2)個設けられる。電荷排出トランジスタGDは、2N(Nは整数であり、N≧1)個設けられる。距離画像処理部4は、2N個の電荷排出トランジスタGDのうち少なくとも1個の電荷排出トランジスタGDを、電荷を排出するか蓄積するかに関わらず、オフ状態に維持する。これにより、上述した効果と同様に、電荷蓄積部CSのそれぞれに電荷を蓄積させる蓄積時間が一定となるように、電荷転送ゲートまたは電荷排出ゲートを駆動させることが可能となる。
【0109】
また、実施形態の距離画像撮像装置1では、電荷を排出する場合、2N個の電荷排出トランジスタGDのうちの電荷排出トランジスタGD1(「第1電荷排出トランジスタ」の一例)をオン状態とし、電荷排出トランジスタGD2(「他電荷排出トランジスタ」の一例)をオフ状態とする。他電荷排出トランジスタは、2N個の前記電荷排出トランジスタのうちの電荷排出トランジスタGD1(「第1電荷排出トランジスタ」の一例)とは異なる電荷排出トランジスタGDである。距離画像処理部4は、電荷を排出する状態から、電荷を蓄積する状態に切替える場合、電荷排出トランジスタGD1(「第1電荷排出トランジスタ」の一例)をオフ状態とすると共に、電荷転送トランジスタGをオン状態とし、電荷排出トランジスタGD2(「他電荷排出トランジスタ」の一例)をオフ状態に維持する。これにより、実施形態の距離画像撮像装置1では、電荷を排出する状態から、電荷を蓄積する状態に切替える場合と、電荷を蓄積させる電荷蓄積部CSを切替える場合とにおいて、制御パルスの立下り特性を同等にすることができる。したがって、電荷蓄積部のそれぞれに電荷を蓄積させる蓄積時間が一定となるように、電荷転送ゲートまたは電荷排出ゲートを駆動させることが可能となる。
【0110】
また、実施形態の距離画像撮像装置1では、電荷排出トランジスタGDは、2個設けられる。距離画像処理部4は、第1駆動制御および第2駆動制御を、予め定められた駆動回数ごとに交互に実行する。第1駆動制御は、電荷排出トランジスタGD1(「第1電荷排出トランジスタ」の一例)を、電荷転送トランジスタGをオン状態に切替える場合に、オフ状態に切替わるように制御し、電荷排出トランジスタGD2(「第2電荷排出トランジスタ」の一例)を、電荷転送トランジスタGがオン状態であるかオフ状態であるかに関わらず、オフ状態に維持する制御である。第2駆動制御は、電荷排出トランジスタGD2(「第2電荷排出トランジスタ」の一例)を、電荷転送トランジスタGをオン状態に切替える場合に、オフ状態に切替わるように制御し、電荷排出トランジスタGD1(「第1電荷排出トランジスタ」の一例)を、電荷転送トランジスタGがオン状態であるかオフ状態であるかに関わらず、オフ状態に維持する制御である。これにより、実施形態の距離画像撮像装置1では、2つの電荷排出トランジスタGDを交互に使用して電荷を排出させることができ、光電変換素子PDにおいて、電荷排出時における排出経路の対称性を高めることが可能となる。
【0111】
具体的に、距離画像処理部4は、「GD」に対応する制御パルスにて、電荷排出トランジスタGD1およびGD2の2つのトランジスタのうち一方(例えば、電荷排出トランジスタGD1)のみを、オン状態またはオフ状態に制御し、他方(例えば、電荷排出トランジスタGD2)をオフ状態に維持する。
【0112】
上述した実施形態における距離画像撮像装置1、距離画像処理部4の全部または一部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【符号の説明】
【0113】
1…距離画像撮像装置
2…光源部
3…受光部
321…画素回路
4…距離画像処理部
CS…電荷蓄積部
G1,G2,G3,G4…電荷転送トランジスタ
GD1,GD2…電荷排出トランジスタ
PD…光電変換素子
PO…光パルス
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