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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083839
(43)【公開日】2024-06-24
(54)【発明の名称】仕切材
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/28 20180101AFI20240617BHJP
【FI】
A01G9/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197891
(22)【出願日】2022-12-12
(71)【出願人】
【識別番号】394015877
【氏名又は名称】福西鑄物株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】松岡 孝一
【テーマコード(参考)】
2B022
【Fターム(参考)】
2B022AB06
2B022AB08
2B022CA01
(57)【要約】
【課題】設置作業が簡単な仕切材を提供することを課題とする。
【解決手段】基礎地面に敷設される敷設物を仕切る仕切材1であって、帯板2と、前記帯板2の長さ方向における一端部から外向きに突設される一対の突設片と、を有し、前記一対の突設片のうちの一方は前記帯板2の一方の板面に設けられ、前記一対の突設片のうちの他方は前記帯板2の他方の板面に設けられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基礎地面に敷設される敷設物を仕切る仕切材であって、
帯板と、
前記帯板の長さ方向における一端部から外向きに突設される一対の突設片と、を有し、
前記一対の突設片のうちの一方の突設片は前記帯板の一方の板面に設けられ、
前記一対の突設片のうちの他方の突設片は前記帯板の他方の板面に設けられる、
仕切材。
【請求項2】
前記一対の突設片は、前記帯板の長さ方向における一端部と前記帯板の前記長さ方向における他端部とに設けられる、
請求項1に記載の仕切材。
【請求項3】
前記帯板の一端部に設けられる前記一対の突設片のうちの少なくとも一つの突設片と、前記帯板の他端部に設けられる前記一対の突設片のうちの少なくとも一つの突設片とは、前記長さ方向において互いに係合可能に構成される、
請求項2に記載の仕切材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基礎地面に敷設される敷設物を仕切る仕切材に関する。
【背景技術】
【0002】
上記仕切材として、例えば、特許文献1に開示されているような、金属製プレート体であって、連結棒状体を用いて別の金属製プレート体と接合可能な金属製プレート体を有する見切材が知られている。
【0003】
金属製プレート体の上下縁部は、連結棒状体が入れ込まれるパイプ状部となるように構成されている。
【0004】
前記見切材は、連結棒状体の一端側を金属製プレート体のパイプ状部に入れ込ませ、この連結棒状体の他端側を別の見切材の金属製プレート体のパイプ状部に入れ込ませると、別の見切材と金属製プレート体の端同士を付き合わせた状態で連結されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003-143953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記従来の見切材の設置作業では、上縁部のパイプ状部と下縁部のパイプ状部に連結棒状体の一端側が入れ込まれている連結棒状体付きの見切材に別の見切材を連結する際、別の見切材の上縁部のパイプ状部の位置と下縁部のパイプ状部の位置を連結棒状体の他端側の位置に合わせる作業、すなわち、連結棒状体付きの見切材の端と別の見切材の端を向かい合わせにした状態にする作業が必要となるが、連結棒状体付きの見切材の端と別の見切材の端を簡単に向かい合わせにすることができなかった。
【0007】
そこで、本発明は、かかる実情に鑑み、設置作業が簡単な仕切材の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の仕切材は、
基礎地面に敷設される敷設物を仕切る仕切材であって、
帯板と、
前記帯板の長さ方向における一端部から外向きに突設される一対の突設片と、を有し、
前記一対の突設片のうちの一方の突設片は前記帯板の一方の板面に設けられ、
前記一対の突設片のうちの他方の突設片は前記帯板の他方の板面に設けられる。
【0009】
上記構成の仕切材は、帯板の長さ方向における一端部から外向きに突設される一対の突設片のうちの一方の突設片が帯板の一方の板面に設けられ、他方の突設片が帯板の他方の板面に設けられているため、作業者が一方の突設片に別の仕切材の帯板の一方の板面を添わせた状態で別の仕切材を動かしたり、他方の突設片に別の仕切材の帯板の他方の板面を添わせた状態で別の仕切材を動かしたりすることができるようになる。
【0010】
このように、別の仕切材を一方の突設片や他方の突設片に案内させながら移動させることができるため、長さ方向で並べて配置する仕切材の帯板の端部同士を向かい合わせにした状態にする作業を簡単に行うことができ、これにより、仕切材の設置作業が簡単になる。
【0011】
本発明の前記仕切材において、
前記一対の突設片は、前記帯板の長さ方向における一端部と前記帯板の前記長さ方向における他端部とに設けられる、ようにしてもよい。
【0012】
このようにすれば、複数の仕切材を並べると、隣り合う仕切材が突設片によって帯板を保持し合った状態になるため、帯板の端部の位置がずれにくくなる。
【0013】
本発明の前記仕切材において、
前記帯板の一端部に設けられる前記一対の突設片のうちの少なくとも一つの突設片と、前記帯板の他端部に設けられる前記一対の突設片のうちの少なくとも一つの突設片とは、前記長さ方向において互いに係合可能に構成されていてもよい。
【0014】
このようにすれば、複数の仕切材を並べると、隣り合う仕切材の一方の突設片と、隣り合う仕切材の他方の突設片とが長さ方向で係合可能な状態になるため、隣り合う仕切材が離れてしまうことを抑制できる。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明の仕切材は、設置作業が簡単であるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る仕切材の全体図である。
図2図2は、同実施形態に係る仕切材を一方の板面側から見た拡大図である。
図3図3は、同実施形態に係る仕切材を上方から見た拡大図である。
図4図4は、同実施形態に係る仕切材の使用方法の説明図であって、2つの仕切材を隣り合わせにして配置する作業の説明図である。
図5図5は、同実施形態に係る仕切材の使用方法の説明図であって、2つの仕切材を隣り合わせにして配置した状態の説明図である。
図6図6は、同実施形態に係る仕切材の使用方法の説明図であって、2つの仕切材を隣り合わせにして配置した状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態にかかる仕切材について、添付図面を参照しつつ説明する。
【0018】
仕切材は、基礎地面に敷設される敷設物を仕切るものである。また、仕切材は、敷設物を敷設するエリアの境界に沿って複数個並べて使用される。
【0019】
敷設物とは、例えば、アスファルト、タイル、砂利、植物等の資材のことである。なお、仕切材を境として一方側のエリアに敷設される敷設物と、仕切材を境として他方側のエリアに敷設される敷設物は、異種のものであってもよいし、同種のものであってもよい。
【0020】
本実施形態の仕切材1は、図1に示すように、帯板2と、帯板2の長さ方向における一端部から外向きに突設される一対の突設片3(以下、第1突設片3と称する)と、帯板2の長さ方向における他端部から外向きに突設される一対の突設片4(以下、第2突設片4と称する)と、帯板2に形成されるアンカー受部5であって、基礎地面に打ち込むアンカーAを受けるアンカー受部5と、を備える。
【0021】
帯板2は、薄板状であり、正面視形状が長方形状となるように形成されている。
【0022】
帯板2は、一対の長辺のうちの一方が下側に向けられ、一対の長辺のうちの他方が上側に向けられた状態で基礎地面に配置される。
【0023】
長さ方向とは、帯板2の短辺が並ぶ方向である。また、以下、帯板2の長辺が並ぶ方向は幅方向と称し、帯板2の厚みに対応する方向は厚み方向と称する。
【0024】
さらに、帯板2が基礎地面に配置された状態で上側に配置される長辺を上長辺と称し、帯板2が基礎地面に配置された状態で下側に配置される長辺を下長辺と称する。
【0025】
一対の第1突設片3のうちの一方は、図2に示すように、帯板2の厚み方向における一方の板面20に設けられる一方第1突設片30であり、一対の第1突設片3のうちの他方は、帯板2の厚み方向における他方の板面21(図3参照)に設けられる他方第1突設片31である。
【0026】
このように、一方第1突設片30は帯板2の厚み方向における一方の板面20に設けられ、他方第1突設片31は帯板2の厚み方向における他方の板面21に設けられるため、仕切材1を上方から見ると、厚み方向における一方第1突設片30の位置と他方第1突設片31の位置は、帯板2の厚みの分だけずれている(図3参照)。そのため、仕切材1を上方から見ると、一方第1突設片30と他方第1突設片31との間が空きスペースとなっている。
【0027】
一方第1突設片30の幅方向における位置と、他方第1突設片31の幅方向における位置は、それぞれ異なっている。一方第1突設片30は帯板2の中央部に形成され、他方第1突設片31は一方第1突設片30よりも下方側(帯板2の下長辺側)に形成されている。また、仕切板1を厚み方向から見ると、一方第1突設片30と他方第1突設片31とは幅方向で離れた位置に形成されているため、互いの間には隙間が形成されている。
【0028】
一対の第2突設片4のうちの一方は、帯板2の一方の板面20に設けられる一方第2突設片40であり、一対の第2突設片4のうちの他方は、帯板2の他方の板面21(図3参照)に設けられる他方第2突設片41である。
【0029】
このように、一方第2突設片40は帯板2の厚み方向における一方の板面20に設けられ、他方第2突設片41は帯板2の厚み方向における他方の板面21に設けられるため、仕切材1を上方から見ると、厚み方向における一方第2突設片40の位置と他方第2突設片41の位置は、帯板2の厚みの分だけずれている(図3参照)。そのため、仕切材1を上方から見ると、一方第2突設片40と他方第2突設片41との間が空きスペースとなっている。
【0030】
一方第2突設片40の幅方向における位置と、他方第2突設片41の幅方向における位置は、それぞれ異なっている。一方第2突設片40は帯板2の上方側(帯板2の上長辺側)に形成され、他方第2突設片41は一方第2突設片40よりも下方側(帯板2の下長辺側)に形成されている。また、仕切板1を厚み方向から見ると、一方第2突設片40と他方第2突設片41とは幅方向で離れた位置に形成されているため、互いの間には隙間が形成されている。
【0031】
このように、一方第1突設片30と一方第2突設片40は帯板2の同一面上に形成されており、一方第2突設片40は、一方第1突設片30よりも上方側(上長辺側)に形成されている。また、他方第1突設片31と他方第2突設片41は帯板2の同一面上に形成されており、他方第2突設片41は他方第1突設片31よりも上方側(上長辺側)に形成されている。
【0032】
さらに、一方第2突設片40の上端は帯板2の上長辺よりも下方側にずれた場所に位置している一方で、他方第1突設片31の下端は厚み方向において帯板2の下長辺と並ぶ場所に位置している。そのため、他方第1突設片40の上端が帯板2の上長辺からずれた場所に位置していることを目印にして、帯板2の上下の向きを確認できるようになっている。
【0033】
ここで、第1突設片3と第2突設片4は、長さ方向において係合可能に構成されている。第1突設片3には第1係合部6が形成され、第2突設片4には第2係合部7が形成されている。
【0034】
複数の仕切材1が長さ方向に並べて配置されている状態で、隣り合う2つの仕切材1のうちの一方の第1係合部6と、隣り合う2つの仕切材1のうちの他方の第2係合部7は、長さ方向で互いに係合するように構成されている。
【0035】
第1係合部6には、一方第1突設片30に形成される一方第1係合部60と、他方第1突設片31に形成される他方第1係合部61と、が含まれている。
【0036】
一方第1係合部60は、一方第1突設片30の先端部(帯板2よりも外方に突出している部分)から上方側に向かって突出している。
【0037】
そのため、一方第1係合部60には、幅方向に沿って延びる一対の縦辺600、601が含まれている。一対の縦辺600、601のうちの内側(帯板2側)に位置する縦辺600は、帯板2を厚み方向から見た状態で、帯板2の長さ方向における一端部よりも僅かに外側にずれた位置(長さ方向における外側にずれた位置)に形成されている。
【0038】
他方第1係合部61は、他方第1突設片31の先端部(帯板2よりも外方に突出している部分)から上方側に向かって突出している。
【0039】
そのため、他方第1係合部61には、幅方向に沿って延びる一対の縦辺610、611が含まれている。一対の縦辺610、611のうちの内側(帯板2側)に位置する縦辺610も、帯板2を厚み方向から見た状態で、帯板2の長さ方向における一端部よりも僅かに外側にずれた位置(長さ方向における外側にずれた位置)に形成されている。
【0040】
第2係合部7には、一方第2突設片40に形成される一方第2係合部70と、他方第2突設片41に形成される他方第2係合部71と、が含まれている。
【0041】
一方第2係合部70は、一方第2突設片40の先端部(帯板2よりも外方に突出している部分)から下方側に向かって突出している。
【0042】
そのため、一方第2係合部70には、幅方向に沿って延びる一対の縦辺700、701が含まれている。一対の縦辺700、701のうちの内側(帯板2側)に位置する縦辺700は、帯板2を厚み方向から見た状態で、帯板2の長さ方向における他端部よりも僅かに外側にずれた位置(長さ方向における外側にずれた位置)に形成されている。
【0043】
他方第2係合部71は、他方第2突設片41の先端部(帯板2よりも外方に突出している部分)から下方側に向かって突出している。
【0044】
そのため、他方第2係合部71には、幅方向に沿って延びる一対の縦辺710、711が含まれている。一対の縦辺710、711のうちの内側(帯板2側)に位置する縦710も、帯板2を厚み方向から見た状態で、帯板2の長さ方向における他端部よりも僅かに外側にずれた位置(長さ方向における外側にずれた位置)に形成されている。
【0045】
このように、仕切材1では、第1突設片3の一部に第1係合部6が含まれており、第2突設片4の一部に第2係合部7が含まれており、2つの仕切材1を長さ方向で並べて配置した状態で、この第1突設片3の第1係合部6と第2突設片4の第2係合部7が長さ方向において互いに対向することによって係合可能になるように構成されている。
【0046】
より具体的に説明すると、2つの仕切材1を並べて配置すると、一方第1突設片30に含まれる一方第1係合部60の縦辺600と、一方第2突設片40に含まれる一方第2係合部70の縦辺700とが長さ方向において対向することによって係合可能となり、他方第1突設片31に含まれる他方第1係合部61の縦辺610と、他方第2突設片41に含まれる他方第2係合部71の縦辺710とが長さ方向において対向することによって係合可能となるように構成されている。
【0047】
アンカー受部5は、帯板2の一方の板面20側において、幅方向でアンカーAを挿通可能な挿通領域を形成するように構成されている。
【0048】
本実施形態の仕切材1は、基礎地面に自立して基礎地面に立った状態を維持することはできず、アンカー受部5に挿通したアンカーAが基礎地面に打ち込まれることによって基礎地面に立った状態が維持されるタイプの仕切材1である。
【0049】
アンカー受部5は、一方第1突設片30と一方第2突設片40と同じく帯板2の前記一方の板面20側に形成されているため、本実施形態の仕切材1は、基礎地面に固定される作業が行われる際に、一方第1突設片30と一方第2突設片40が仕切材1を基礎地面に固定する者(アンカー受部5にアンカーAを打ち込む作業者)の視界に入りやすい位置に配置されている。
【0050】
本実施形態に係る仕切材1の構成は、以上の通りである。続いて、仕切材1の使用方法を説明する。なお、以下の説明では、2つの仕切材1を並べて設置する作業、より具体的には、既設の仕切材1の帯板2の他端部側に、新たな仕切材1を並べて設置する作業を一例に挙げている。
【0051】
仕切材1は、下長辺を基礎地面に接触させて基礎地面に立てた状態にされ、アンカー受部5に挿通されたアンカーが基礎地面に打ち込まれることによって、基礎地面に設置される。
【0052】
既設の仕切材1に新たな仕切材1を並べて配置する際(図4参照)、作業者は、既設の仕切材1の一方第1突設片30に新たな仕切材1の帯板2(帯板2の他端部)の一方の板面20を添わせた状態にして新たな仕切材1を動かしたり、既設の仕切材1の他方第1突設片31に新たな仕切材1の帯板2(帯板2の他端部)の他方の板面21を添わせた状態にして新たな仕切材1を動かしたりすることができる。すなわち、既設の仕切材1の一方第1突設片30と他方第1突設片31とに新たな仕切材1の帯板2(帯板2の他端部)を案内させながら、該新たな仕切材1の帯板2の他端部を既設の仕切材1の帯板2の一端部と向かい合う位置まで移動させることができる。
【0053】
既設の仕切材1の帯板2の一端部と、新たな仕切材1の帯板2の他端部とが向かい合わせになると、既設の仕切材1の一方第1突設片30と他方第1突設片31が新たな仕切材1の帯板2を厚み方向で保持した状態になり、さらに、新たな仕切材1の一方第2突設片40と他方第2突設片41が既設の仕切材1の帯板2を厚み方向で保持した状態になる。
【0054】
そのため、新たな仕切材1は、作業者が手放しても倒れない状態になる。
【0055】
また、既設の仕切材1の第1突設片3と、新たな仕切材1の第2突設片4が長さ方向において互いに対向することによって係合可能な状態になる。
【0056】
本実施形態の仕切材1を用いる場合は、既設の仕切材1の一方第1係合部60の縦辺600と新たな仕切材1の一方第2係合部70の縦辺700とが対向することによって係合可能な状態になり(図5参照)、既設の仕切材1の他方第1係合部61の縦辺610と新たな仕切材1の他方第2係合部71の縦辺710とが対向することによって係合可能な状態になる(図6参照)。
【0057】
これにより、既設の仕切材1と新たな仕切材1の長さ方向での動きが制限された状態になり、長さ方向で並べて配置した2つの仕切材1が離れてしまうことが抑制される。
【0058】
そして、新たな仕切材1のアンカー受部5にもアンカーを挿通し、該アンカーを基礎地面に打ち込むことによって、新たな仕切材1も基礎地面に設置される。
【0059】
以上のように、本実施形態に係る仕切材1によれば、帯板2の長さ方向における一端部から外向きに突設される一対の突設片3(一方第1突設片30、他方第1突設片31)のうちの一方の突設片3(一方第1突設片30)が帯板2の一方の板面20に設けられ、他方の突設片31(他方第1突設片31)が帯板2の他方の板面21に設けられているため、作業者が一方の突設片3(一方第1突設片30)に別の仕切材1の帯板2の一方の板面20を添わせた状態で別の仕切材1を動かしたり、他方の突設片3(他方第1突設片31)に別の仕切材1の帯板2の他方の板面21を添わせた状態で別の仕切材1を動かしたりすることができるようになる。
【0060】
このように、別の仕切材1を一方の突設片3(一方第1突設片30)や他方の突設片3(一方第1突設片31)に案内させながら移動させることができるため、長さ方向で並べて配置する仕切材1の帯板2の端部同士を向かい合わせにした状態にする作業を簡単に行うことができ、これにより、仕切材1の設置作業が簡単になるという優れた効果を奏し得る。
【0061】
また、一方第1突設片30と他方第1突設片31は、厚み方向から見ると幅方向において互いに離れているため、一方第1突設片30の対面側と他方第1突設片31の対面側がそれぞれ開放されており、さらに、一方第1突設片30と他方第1突設片31との間(幅方向における間)には隙間が形成されている。
【0062】
そのため、一方の仕切材1の帯板2の一端部に対して他方の仕切材1の帯板2の他端部が傾いていたとしても(厚み方向に傾いていたとしても)他方の仕切材1の帯板2の他端部を一方の仕切材1の一方第1突設片30と他方第1突設片31の隙間を通して、一方の仕切材1の帯板2と隣り合う位置まで動かしやすくなっている。
【0063】
さらに、帯板2の一端部には一対の第1突設片3が設けられ、帯板2の他端部には一対の第2突設片4が設けられているため、2つの仕切材1が長さ方向で並べて配置されると、一方の仕切材1の一対の第1突設片3が他方の仕切材1の帯板2の他端部を保持し、他方の仕切材1の第2突設片4が他方の仕切材1の帯板2の一端部を保持した状態になる。
【0064】
そのため、長さ方向で並べて配置された2つの仕切材1が互いに保持し合うことによって、作業者が仕切材1から手を放しても倒れにくくなっている。
【0065】
さらに、2つの仕切材1を長さ方向で並べると、一方の仕切材1の第1突設片3と、他方の仕切材1の第2突設片4とが長さ方向で係合可能な状態になる。
【0066】
本実施形態の仕切材1では、一方の仕切材1の一方第1係合部60の縦辺600と他方の仕切材1の一方第2係合部70の縦辺700、一方の仕切材1の他方第1係合部61の縦辺610と他方の仕切材1の他方第2係合部71の縦辺710が互いに係合可能な状態になる。これにより、長さ方向で並べた仕切材1が離れてしまうことを抑制できる。
【0067】
さらに、本実施形態の仕切材1は、一方第2突設片40の上端が帯板2の上長辺よりも下方側にずれた場所に位置している一方で、他方第1突設片31の下端が厚み方向において帯板2の下長辺と並ぶ場所に位置しているため、一方第2突設片40の上端が帯板2の上長辺からずれた場所に位置していることを目印にして、帯板2の上下の向きを確認することもできる。
【0068】
また、一方第2突設片40は、アンカー受部5と同じく帯板2の一方の板面20に形成されているため、アンカー受部5にアンカーを挿し込む際(仕切材1を基礎地面に固定する際)に一方第2突設片40が作業者の視界に入りやすくなり、これにより、帯板2の上下の向きが誤ったまま基礎地面に設置されてしまうことを抑制できるようにもなっている。
【0069】
なお、本発明に係る仕切材は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加え得ることは勿論である。
【0070】
上記実施形態の一方第1突設片30と他方第1突設片31は、それぞれの幅方向における位置が異なっていたが、この構成に限定されない。例えば、一方第1突設片30と他方第1突設片31は、それぞれの幅方向における位置が同一であってもよい。
【0071】
一方第2突設片40と他方第2突設片41も同様に、それぞれの幅方向における位置が異なっていたが、例えば、一方第2突設片40と他方第2突設片41は、それぞれの幅方向における位置が同一であってもよい。
【0072】
上記実施形態の一方第1突設片30と他方第1突設片31は、厚み方向から見ると幅方向において互いに離れており、互いの間に隙間が形成されていたが、この構成に限定されない。例えば、一方第1突設片30と他方第1突設片31は、厚み方向から見ると幅方向において互いに隙間なく並ぶように形成されていてもよい。
【0073】
一方第2突設片40と他方第2突設片41も同様に、厚み方向から見ると幅方向において互いに離れており、互いの間に隙間が形成されていたが、例えば、一方第2突設片40と他方第2突設片41は、厚み方向から見ると幅方向において互いに隙間なく並ぶように形成されていてもよい。
【0074】
上記実施形態の仕切材1は、帯板2の前記一方の板面側に2つのアンカー受部5が形成されていたが、この構成に限定されない。例えば、アンカー受部5の数は1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
【0075】
上記実施形態の仕切材1の使用方法の説明においては、基礎地面に固定された既設の仕切材に新たな仕切材を並べて配置することを一例に挙げていたが、例えば、2つの仕切材を横並びに配置した後にそれぞれの仕切材1を基礎地面に固定してもよい。
【0076】
上記実施形態の仕切材1では、一方第1係合部60の縦辺600が帯板2の長さ方向における一端部よりも僅かに外側にずれた位置に形成され、且つ一方第2係合部70の縦辺700が帯板2の長さ方向における他端部よりも僅かに外側にずれた位置に形成されていたが、例えば、一方第1係合部60の縦辺600が帯板2の長さ方向における一端部と厚み方向で重なる位置に形成され、且つ一方第2係合部70の縦辺700が帯板2の長さ方向における他端部と厚み方向で重なる位置に形成されていてもよい。
【0077】
このようにすれば、2つの仕切材1を並べて配置すると、一方の帯板2の一端部と他方の帯板2の他端部とが当接した状態で、一方の帯板2の一方第1係合部60の縦辺600と、他方の帯板2の一方第2係合部70の縦辺700とが互いに係合(当接)するため、2つの仕切材1を隙間なく並べて配置した状態を維持しやすくなる。
【0078】
また、上記実施形態の仕切材1では、他方第1係合部61の縦辺610が帯板2の長さ方向における一端部よりも僅かに外側にずれた位置に形成され、且つ他方第2係合部71の縦辺710が帯板2の長さ方向における他端部よりも僅かに外側にずれた位置に形成されていたが、例えば、他方第1係合部61の縦辺610が帯板2の長さ方向における一端部と厚み方向で重なる位置に形成され、且つ他方第2係合部71の縦辺710が帯板2の長さ方向における他端部と厚み方向で重なる位置に形成されていてもよい。
【0079】
このようにすれば、2つの仕切材1を並べて配置すると、一方の帯板2の一端部と他方の帯板2の他端部とが当接した状態で、一方の帯板2の他方第1係合部61の縦辺610と、他方の帯板2の他方第2係合部71の縦辺710とが互いに係合(当接)するため、2つの仕切材1を隙間なく並べて配置した状態を維持しやすくなる。
【符号の説明】
【0080】
1…仕切材、2…帯板、3…突設片(第1突設片)、4…突設片(第2突設片)、5…アンカー受部、6…第1係合部、7…第2係合部、20…板面、21…板面、30…一方第1突設片、31…他方第1突設片、40…一方第2突設片、41…他方第2突設片、60…一方第1係合部、61…他方第1係合部、70…一方第2係合部、71…他方第2係合部、600、601…縦辺、610、611…縦辺、700、701…縦辺、710、711…縦辺、A…アンカー
図1
図2
図3
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図5
図6