(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083868
(43)【公開日】2024-06-24
(54)【発明の名称】送風機用の集塵アタッチメント
(51)【国際特許分類】
A47L 9/02 20060101AFI20240617BHJP
A47L 9/24 20060101ALI20240617BHJP
A47L 9/28 20060101ALI20240617BHJP
A47L 5/24 20060101ALI20240617BHJP
【FI】
A47L9/02 D
A47L9/24 A
A47L9/28 U
A47L5/24 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197930
(22)【出願日】2022-12-12
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110003052
【氏名又は名称】弁理士法人勇智国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 拓実
【テーマコード(参考)】
3B057
3B061
【Fターム(参考)】
3B057BA01
3B061AA18
3B061AA41
(57)【要約】
【課題】送風機に取り付けられて集塵に使用可能なアタッチメントに関する改良を提供する。
【解決手段】集塵アタッチメントは、送風機に着脱可能である。送風機は、吸気口と吐出口とを有するハウジングと、ハウジングに収容されたモータと、ハウジングに収容され、モータによって回転されることで、吸気口を通じてハウジング内に吸い込まれ、モータを通過して吐出口から吐出される空気流を生成するように構成されたファンとを備える。集塵アタッチメントは、アタッチメント本体を備える。アタッチメント本体は、第1開口と、第2開口と、第1開口と第2開口との間に設けられた粉塵収容空間とを有する。アタッチメント本体は、第2開口と送風機のハウジングの吸気口とが連通するようにハウジングに取り付けられるように構成されている。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気口と吐出口とを有するハウジングと、前記ハウジングに収容されたモータと、前記ハウジングに収容され、前記モータによって回転されることで、前記吸気口を通じて前記ハウジング内に吸い込まれ、前記モータを通過して前記吐出口から吐出される空気流を生成するように構成されたファンとを備えた送風機に着脱可能な集塵アタッチメントであって、
第1開口と、第2開口と、前記第1開口と前記第2開口との間に設けられた粉塵収容空間とを有するアタッチメント本体を備え、
前記アタッチメント本体は、前記第2開口と前記送風機の前記ハウジングの前記吸気口とが連通するように前記ハウジングに取り付けられるように構成されていることを特徴とする集塵アタッチメント。
【請求項2】
請求項1に記載の集塵アタッチメントであって、
前記粉塵収容空間と前記第2開口との間で前記アタッチメント本体に収容された第1フィルタを更に備えた集塵アタッチメント。
【請求項3】
請求項2に記載の集塵アタッチメントであって、
前記第1フィルタは、前記アタッチメント本体から取り外し可能であることを特徴とする集塵アタッチメント。
【請求項4】
請求項2に記載の集塵アタッチメントであって、
前記第1フィルタは、前記アタッチメント本体に固定されていることを特徴とする集塵アタッチメント。
【請求項5】
請求項1~4の何れか1つに記載の集塵アタッチメントであって、
前記アタッチメント本体は、前記第1開口と前記粉塵収容空間との間に配置された逆止弁を備えることを特徴とする集塵アタッチメント。
【請求項6】
請求項1~5の何れか1つに記載の集塵アタッチメントであって、
前記アタッチメント本体は、前記粉塵収容空間と外部とを連通させる開口と、前記開口を開閉可能な蓋とを備えることを特徴とする集塵アタッチメント。
【請求項7】
請求項1~6の何れか1つに記載の集塵アタッチメントであって、
前記アタッチメント本体の前記第1開口に連結された長尺の筒状部材を更に備え、
前記筒状部材の少なくとも一部は、可撓性を有することを特徴とする集塵アタッチメント。
【請求項8】
送風機と集塵アタッチメントとを含む集塵システムであって、
前記送風機は、
吸気口と吐出口とを有するハウジングと、
前記ハウジングに収容されたモータと、
前記ハウジングに収容され、前記モータによって回転されることで、前記吸気口を通じて前記ハウジング内に吸い込まれ、前記モータを通過して前記吐出口から吐出される空気の流れを生成するように構成されたファンとを備え、
前記集塵アタッチメントは、請求項1~7の何れか1つに記載の集塵アタッチメントであって、前記アタッチメント本体は、前記第2開口と前記送風機の前記ハウジングの前記吸気口とが連通するように、前記ハウジングに取り外し可能に取り付けられていることを特徴とする集塵システム。
【請求項9】
請求項8に記載の集塵システムであって、
前記集塵アタッチメントは、請求項2及び請求項2に直接的又は間接的に従属する請求項3~7のうち何れか1つに記載の集塵アタッチメントであって、
前記第1フィルタは、前記送風機の前記ハウジングの前記吸気口に対向することを特徴とする集塵システム。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の集塵システムであって、
前記集塵アタッチメントは、請求項2及び請求項2に直接的又は間接的に従属する請求項3~7のうち何れか1つに記載の集塵アタッチメントであって、
前記送風機は、前記吸気口と前記モータの間に配置された第2フィルタを更に備え、
前記集塵アタッチメントの前記第1フィルタは、前記送風機の前記第2フィルタよりも目の細かいフィルタであることを特徴とする集塵システム。
【請求項11】
請求項8~10の何れか1つに記載の集塵システムであって、
前記アタッチメント本体は、先端に前記第1開口を有する筒状部を含み、
前記筒状部は、前記アタッチメント本体が前記送風機の前記ハウジングに取り付けられた状態で、前記モータの回転軸に交差する方向に延びるように構成され、
前記送風機の前記ハウジング及び前記アタッチメント本体は、前記回転軸周りの周方向における前記筒状部の位置を変更可能に構成されていることを特徴とする集塵システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、送風機に着脱可能な集塵アタッチメントに関する。
【背景技術】
【0002】
空気を吐出口から吐出することで、塵埃等を吹き飛ばすことが可能な電動式の送風機が知られている。例えば、特許文献1には、モータによって回転される複数の遠心ファンによって、吸気口から空気を吸い込んで圧縮し、圧縮された空気をノズルから噴射するように構成された送風機(いわゆるエアダスタ)が開示されている。この送風機は、吸気口に吸込みノズルを取り付けることで、集塵用のクリーナとしても使用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の送風機に吸込みノズルが取り付けられ、集塵作業が行われると、吸込みノズルから送付機本体内に粉塵が吸い込まれ、モータの不具合が生じうる。よって、この送風機及び吸込みノズルには改良の余地がある。
【0005】
本開示は、送風機に取り付けられて集塵に使用可能なアタッチメントに関する改良を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の非限定的な一態様によれば、送風機に着脱可能な集塵アタッチメントが提供される。送風機は、ハウジングと、モータと、ファンとを備える。ハウジングは、吸気口と吐出口とを有する。モータ及びファンは、ハウジングに収容されている。ファンは、モータによって回転されることで、吸気口を通じてハウジング内に吸い込まれ、モータを通過して吐出口から吐出される空気の流れを生成するように構成されている。集塵アタッチメントは、アタッチメント本体を備える。アタッチメント本体は、第1開口と、第2開口と、第1開口と第2開口との間に設けられた粉塵収容空間とを有する。アタッチメント本体は、第2開口と送風機のハウジングの吸気口とが連通するようにハウジングに取り付けられるように構成されている。
【0007】
本態様の集塵アタッチメントは、第2開口と送風機のハウジングの吸気口とが連通するようにハウジングに取り付けられ、使用される。送風機のモータによってファンが回転されると、集塵アタッチメントの第1開口から空気が流入し、粉塵収容空間を経て、第2開口から流出し、送風機の吸気口を通じてハウジング内に吸い込まれる。空気流に含まれる粉塵等の異物は、集塵アタッチメント内で、第1開口と第2開口との間にある粉塵収容空間に収容される。このため、送風機内に異物が流入し、モータに悪影響を与える可能性が低減される。
【0008】
本開示の非限定的な別の一態様によれば、送風機と集塵アタッチメントとを含む集塵システムが提供される。送風機は、ハウジングと、モータと、ファンとを備える。ハウジングは、吸気口と吐出口とを有する。モータは、ハウジングに収容されている。ファンは、ハウジングに収容され、モータによって回転されることで、吸気口を通じて吸い込まれ、モータを通過して吐出口から吐出される空気の流れを生成するように構成されている。集塵アタッチメントには、上記態様の集塵アタッチメントが採用されうる。集塵アタッチメントのアタッチメント本体は、第2開口と送風機のハウジングの吸気口とが連通するように、ハウジングに取り外し可能に取り付けられている。
【0009】
本態様の集塵システムによれば、送風機のモータによってファンが回転されると、ハウジングの吸気口に空気が吸い込まれる前に、粉塵等の異物は、ハウジングに取り外し可能に取り付けられた集塵アタッチメント内で、粉塵収容空間に収容される。このため、送風機内に異物が流入し、モータに悪影響を与える可能性が低減される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図3】吸気側カバーが取り外された状態の送風機の部分的な斜視図である。
【
図6】集塵システムの断面図である(但し、集塵アタッチメントはアタッチメント本体のみが図示されている)。
【
図7】
図6のVII-VII線における部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の非限定的な一実施形態において、集塵アタッチメントは、粉塵収容空間と第2開口との間でアタッチメント本体に収容された第1フィルタを更に備えてもよい。この実施形態によれば、第1フィルタによって粉塵等の異物を捕捉し、粉塵収容空間に溜めることができるため、異物が送風機のハウジング内に流入する可能性をより確実に低減することができる。
【0012】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、第1フィルタは、アタッチメント本体から取り外し可能であってもよい。この実施形態によれば、使用者は、第1フィルタをアタッチメント本体から取り外して容易に清掃することができる。また、第1フィルタをアタッチメント本体から取り外して新しいものに交換することができる。これにより、第1フィルタの目詰まりによる送風効率の低下を抑制することができる。
【0013】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、第1フィルタは、アタッチメント本体に固定されていてもよい。この実施形態によれば、使用者は、アタッチメント本体を送風機のハウジングから取り外した状態で、第1フィルタを清掃することができる。これにより、第1フィルタの目詰まりによる送風効率の低下を抑制することができる。
【0014】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、アタッチメント本体は、第1開口と粉塵収容空間との間に配置された逆止弁を備えてもよい。この実施形態によれば、粉塵収容空間に溜まった粉塵等の異物が第1開口を通じてアタッチメント本体の外部に排出されるのを防止することができる。
【0015】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、アタッチメント本体は、粉塵収容空間と外部とを連通させる開口と、開口を開閉可能な蓋とを備えてもよい。この実施形態によれば、使用者は、アタッチメント本体を送風機から取り外すことなく、粉塵収容空間に溜まった粉塵等の異物をアタッチメント本体から容易に排出させることができる。
【0016】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、集塵アタッチメントは、アタッチメント本体の第1開口に連結された長尺の筒状部材を更に備えてもよい。筒状部材の少なくとも一部は、可撓性を有してもよい。筒状部材は、例えば、少なくとも部分的に蛇腹構造を有するホースとして実現されうる。この実施形態によれば、使用者は、送風機及びアタッチメント本体の向きにかかわらず、筒状部材の先端の位置を比較的自由に変更できる。よって、操作性に優れた集塵アタッチメントが実現される。
【0017】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、第1フィルタは、送風機のハウジングの吸気口に対向していてもよい。この実施形態によれば、第1フィルタを通過した空気を効率的に送風機のハウジング内に流入させることができる。
【0018】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、送風機は、吸気口と前記モータの間に配置された第2フィルタを更に備えてもよい。集塵アタッチメントの第1フィルタは、送風機の前記第2フィルタよりも目の細かいフィルタであってもよい。この実施形態によれば、送風機が単体で送風機として使用される場合と、集塵アタッチメントが取り付けられた状態で集塵機として使用される場合とで、送風効率と粉塵等の異物の捕集性能とのバランスを適切に変更することができる。
【0019】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、アタッチメント本体は、先端に第1開口を有する筒状部を含んでもよい。筒状部は、アタッチメント本体が送風機のハウジングに取り付けられた状態で、モータの回転軸に交差する方向に延びるように構成されていてもよい。送風機のハウジング及びアタッチメント本体は、モータの回転軸周りの周方向における筒状部の位置を変更可能に構成されていてもよい。この実施形態によれば、使用者は、作業環境に応じてアタッチメント本体の向き(筒状部の配置)を変更できるため、操作性が向上する。
【0020】
以下、図面を参照して、本開示の代表的且つ非限定的な一実施形態に係る集塵システム9について、具体的に説明する。
【0021】
まず、集塵システム9の概略構成について説明する。
図1に示すように、集塵システム9は、送風機1と、送風機1に取り外し可能に取り付けられた集塵アタッチメント6とを含む。送風機1は、集塵アタッチメント6と別個に使用可能な電動式の送風機であって、吐出口105から圧縮空気を吐出することで、塵埃等を吹き飛ばすことが可能である。集塵アタッチメント6は、送風機1に選択的に取り付けて使用される集塵用のアタッチメントである。集塵アタッチメント6が取り付けられると、送風機1は、集塵機として機能することができる。つまり、送風機1と集塵アタッチメント6とは、全体として、集塵システム9を構成する。
【0022】
図1及び
図2に示すように、送風機1は、本体ハウジング10と、本体ハウジング10に収容されたモータ33及びファン35とを備える。本体ハウジング10には、使用者によって把持されるハンドル17が連結されている。
【0023】
本実施形態では、本体ハウジング10のうち、モータ33のモータシャフト335の回転軸A1の延在方向(以下、単に回転軸A1方向ともいう)における一端部には、空気を本体ハウジング10内に吸い込むための吸気口101が設けられている。本体ハウジング10のうち、回転軸A1方向における他端部には、圧縮空気が吐出される吐出口105が設けられている。
【0024】
ハンドル17は、使用者によって把持される部分であって、本体ハウジング10から、回転軸A1と交差する方向に突出している。ハンドル17の基端部(本体ハウジング10に接続する端部)には、使用者による押圧操作(引き操作)が可能なトリガ181が設けられている。また、ハンドル17の突出側の端部(先端部)には、送風機1の電源であるバッテリ19が取り外し可能に装着されている。
【0025】
送風機1が、吐出口105から対象物に対して圧縮空気を吹き付けるエアダスタ(ダストブロワ)として使用されるときには、
図2に示すように、吸気口101には、複数の開口160を有する吸気側カバー16が取り付けられる。使用者によってトリガ181が引き操作されると、モータ33が通電されてファン35が回転され、吸気口101(吸気側カバー16の開口160)を介して空気が本体ハウジング10内に吸い込まれ、ファン35によって圧縮された空気が吐出口105から吐出される。
【0026】
一方、送風機1が、粉塵等の異物(以下、単に粉塵という)を吸い込んで収集する集塵機として使用されるときには、
図1に示すように、吸気口101には、集塵アタッチメント6が取り付けられる。集塵アタッチメント6は、送風機1の本体ハウジング10に着脱可能なアタッチメント本体60と、アタッチメント本体60に連結されたホース68と、ホース68の先端に連結された吸引ノズル69とを備える。ファン35が回転されると、吸引ノズル69から粉塵を含む空気が吸い込まれ、ホース68を通過してアタッチメント本体60へ至る。粉塵は空気から分離されてアタッチメント本体60に収容され、空気のみが送風機1の吸気口101から本体ハウジング10内に吸い込まれて圧縮され、吐出口105から吐出される。
【0027】
以下、送風機1の詳細構成について説明する。なお、以下では、説明の便宜上、回転軸A1方向を、送風機1の前後方向と規定する。前後方向において、吸気口101から吐出口105に向かう方向を前方向、反対方向(吐出口105から吸気口101に向かう方向)を後ろ方向と規定する。回転軸A1方向に直交し、且つ、ハンドル17の延在方向に概ね対応する方向を、送風機1の上下方向と規定する。上下方向において、ハンドル17が本体ハウジング10から突出する方向(本体ハウジング10からハンドル17の突出端に向かう方向)を下方向と規定し、反対方向(ハンドル17の突出端から本体ハウジング10へ向かう方向)を上方向と規定する。前後方向及び上下方向に直交する方向を、左右方向と規定する。
【0028】
まず、本体ハウジング10及び本体ハウジング10の内部に配置されている要素(機構)について説明する。
【0029】
図2に示すように、本体ハウジング10の前端部は、先細りの漏斗状に形成されており、ノズル部11とも称される。ノズル部11の先端の開口は、本体ハウジング10から圧縮空気を流出させる吐出口105として機能する。なお、詳細な説明及び図示は省略するが、ノズル部11は、用途に応じて別個に用意されたノズルを選択的に取り付け可能に構成されている。本体ハウジング10のノズル部11以外の部分は、略円筒状に形成されており、モータ33及びファン35を収容する収容部13を構成する。収容部13の後端の開口は、本体ハウジング10に空気を流入させる吸気口101として機能する。収容部13(本体ハウジング10)の後端部15は、吸気側カバー16及び集塵アタッチメント6を選択的に取り付け(連結)可能に構成されている。
【0030】
より詳細には、
図3に示すように、後端部15は、実質的に円筒状に形成されている。後端部15の内周面には、2つの係合溝150が形成されている。2つの係合溝150は、夫々、後端部15の左後端と右後端に、後端部15の中心軸に対して対称に(つまり、直径方向に対向して)配置されている。係合溝150は、L字状の溝であって、後端部15の後端から前方に延びる第1部分151と、第1部分151の前端部から、後端部15の中心軸周りの周方向に延びる第2部分152とを含む。つまり、第2部分152の後側には、壁部153が存在する。詳細は後述するが、係合溝150に、吸気側カバー16の突起(図示略)又は集塵アタッチメント6の係合突起632(
図4参照)が係合されることで、吸気側カバー16又は集塵アタッチメント6が本体ハウジング10に取り付けられる。
【0031】
図2に示すように、モータ33及びファン35は、前後方向において、吸気口101と吐出口105との間にある。本実施形態のモータ33は、ブラシレスDCモータである。ファン35は、遠心ファンであって、モータ33のステータ331の後側で、モータシャフト335に固定されている。ファン35は、モータシャフト335と一体的に回転軸A1周りに回転し、吸気口101を通じて本体ハウジング10に吸い込まれ、モータ33を通過して吐出口105から吐出される空気の流れを生成する。なお、詳細な図示及び説明は省略するが、本実施形態では、モータ33及びファン35は、ケースに収容されて、モータアセンブリ30を構成している。
【0032】
また、収容部13の後端部15内(ファン35の後方)には、2つのフィルタ41、42が配置されている。フィルタ41は、フィルタ42の後方(吸気口101側)に配置されている。後側のフィルタ41は、容易に取り外し可能に後端部15に嵌め込まれている。一方、前側のフィルタ42は、後端部15から実質的に取り外せないように保持されている。
【0033】
本実施形態では、フィルタ41、42には、目の粗さが異なるフィルタが採用されている。より詳細には、後側のフィルタ41は、前側のフィルタ41よりも目が細かい(つまり、サイズがより小さい粉塵の(例えば、径がより小さな粒子)の通過を許容する)フィルタである。このように、粉塵が詰まっても容易に取り外して清掃又は交換が可能なフィルタ41には、粉塵の捕捉性能がより高いフィルタを採用することで、2段階で粉塵を捕捉可能な合理的な構成が実現されている。フィルタ41、42は、吸気口101から空気と共に進入した粉塵を捕捉することで、粉塵がモータ33に悪影響を与える可能性を低減することができる。
【0034】
なお、本実施形態では、フィルタ41、42の各々には、合成樹脂の連続気泡構造体(詳細には、ポリウレタン樹脂製のスポンジ)で形成されたフィルタが採用されている。但し、他の種類のフィルタ(例えば、HEPA(High Efficiency Particulate Air Filter)フィルタ、パウダフィルタ、又は不織布フィルタ)が採用されてもよい。
【0035】
以下、ハンドル17及びハンドル17の内部に配置されている要素(機構)について説明する。
【0036】
図1及び
図2に示すように、ハンドル17は、概ね上下方向に延在する筒状の把持部171と、把持部171の下端に連結された矩形箱状のコントローラ収容部175とを含む。
【0037】
把持部171は、使用者によって把持される部分である。トリガ181は、把持部171の上端部の前部に設けられている。把持部171内には、スイッチ182が収容されている。スイッチ182は常時にはオフ状態で維持されており、トリガ181が押圧操作されるのに応じて、オン状態となる。スイッチ182は、図示しない電線を介してコントローラ37に電気的に接続されている。
【0038】
コントローラ収容部175内には、コントローラ37が収容されている。コントローラ37は、スイッチ182から出力される信号に応じて、モータ33の駆動を制御するように構成されている。また、コントローラ収容部175の下端部には、充電式のバッテリ(バッテリパックともいう)19を取り外し可能に装着可能なバッテリ装着部176が設けられている。バッテリ装着部176及びバッテリ19の構成自体は周知であるため、ここでの説明は省略する。なお、送風機1の電源は、バッテリ19ではなく、使い捨ての電池であってもよいし、外部の交流電源であってもよい。また、送風機1に充電式のバッテリが内蔵されていてもよい。
【0039】
以下、集塵アタッチメント6の詳細構成について説明する。
【0040】
図4、
図5に示すように、集塵アタッチメント6は、アタッチメント本体60と、フィルタ650と、ホース68と、吸引ノズル69とを含む。
【0041】
まず、アタッチメント本体60について説明する。アタッチメント本体60は、送風機1の本体ハウジング10に連結(取り付け)可能に構成されている。本実施形態のアタッチメント本体60は、第1開口601と、第2開口602と(排気口)を有する中空体である。
【0042】
より詳細には、
図6~
図8に示すように、アタッチメント本体60は、一端に第1開口601を有する筒状の吸気部61と、吸気部61の他端に接続する中空の収容部62と、収容部62から吸気部61の延在方向と交差する方向(詳細には、実質的に直交する方向)に突出し、先端に第2開口602を有する筒状の排気部63とを含む。このような構成により、アタッチメント本体60は、概ねL字状の空気の流路600を規定する(
図7参照)。吸気部61の第1開口601は、アタッチメント本体60が送風機1に取り付けられて使用されるときに、アタッチメント本体60内部へ空気を流入させる吸気口として機能する。排気部63の第2開口602は、アタッチメント本体60が送風機1に取り付けられて使用されるときに、アタッチメント本体60の外部(送風機1の本体ハウジング10内)へ空気を排出するための排気口として機能する。
【0043】
吸気部61は、実質的に円筒状に形成されている。吸気部61は、吸気口としての第1開口601から収容部62へ通じる吸気用の流路を規定する。また、吸気部61は、ホース68を連結可能な連結部として構成されている。ホース68は、第1開口601を通じて、吸気部61内に取り外し可能に挿入されている。
【0044】
収容部62のうち、排気部63に隣接する部分は、円筒状に形成されており、吸気部61の延在方向と交差する方向(詳細には、実質的に直交する方向)に延びる中心軸を有する。この円筒状部分には、フィルタ650(フィルタユニット65)が収容されている。以下、収容部62のうち、フィルタ650を収容する円筒状部分を、フィルタ収容部621という。収容部62のうち、フィルタ収容部621以外の部分(空気の流れ方向において、吸気部61とフィルタ収容部621との間にある部分)は、粉塵収容部623として機能する。粉塵収容部623は、粉塵が収容される粉塵収容空間624を規定する。
【0045】
図7に示すように、第1開口601(吸気口)と、粉塵収容空間624との間には、粉塵収容空間624に収容された粉塵が第1開口601に向かって移動するのを妨げるための逆止弁(一方向弁)64が取り付けられている。本実施形態では、逆止弁64は、空気の流れ方向における吸気部61の下流側の端(収容部62との境界)において、アタッチメント本体60内の流路600を閉塞可能に構成されている。
【0046】
本実施形態の逆止弁64は、フラップ式の逆止弁であって、可撓性を有するシート(例えば、ゴム又は可撓性を有する合成樹脂製のシート)で形成されている。また、逆止弁64は、吸気部61の下流側の端の断面形状に対応して、概ね円形に形成れている(
図9参照)。逆止弁64は、その周方向の一部から径方向外側に突出する突起641を有する。突起641は、ネジ642によって吸気部61の下流側の端部に固定されている。
図7に実線で示すように、逆止弁64は、送風機1が動作していない状態では、流路600を実質的に閉塞する。一方、モータ33が駆動され、ファン35によって、吸気口101から本体ハウジング10内に吸い込まれる空気流が生成されると、
図7に一点鎖線で示すように、逆止弁64のうち突起641と離れた部分が送風機1側に引き込まれ、流路600を開放する。
【0047】
なお、何らかの理由で空気が逆方向に流れた場合や、第1開口601が地面方向に向けられた場合には、逆止弁64には、第1開口601に向かう方向の力が作用しうる。しかしながら、逆止弁64のうち突起641以外の円形部分の外縁部が、吸気部61と収容部62の間のショルダ部615(段差部)に当接することで、流路600の閉塞状態を維持する。よって、逆止弁64は、粉塵収容空間624に収容された粉塵が第1開口601を通じてアタッチメント本体60の外部に漏れるのを効果的に防止することができる。なお、逆止弁64は、この例のようなフラップ式ではなく、直動式であってもよい。
【0048】
また、
図7に示すように、粉塵収容部623には、粉塵収容空間624と外部とを連通させる開口625と、開口625を開閉可能な蓋626とが設けられている。蓋626は、開口625を閉塞する閉位置(実線で示す位置)と、開口625を開放する開位置(一点鎖線で示す位置)との間で回動可能に、収容部62に支持されている。なお、蓋626は、この例のような回動式ではなく、開位置と閉位置との間で直線状にスライドするように構成されていてもよい。
【0049】
図6~
図8に示すように、排気部63は、実質的に円筒状に形成されている。排気部63は、収容部62から、排気口としての第2開口602へ通じる排気用の流路を規定する。また、排気部63は、送風機1の本体ハウジング10に着脱可能に構成されている。つまり、排気部63は、送風機1に取り外し可能に連結される連結部(取付け部)として構成されている。
【0050】
より詳細には、
図8に示すように、排気部63のうち、第2開口602(排気口)側の端部631の外周面からは、2つの係合突起632が径方向外側に突出している。2つの係合突起632は、排気部63の中心軸に対して対称に(つまり、直径方向に対向する位置に)配置されている。また、係合突起632は、送風機1の本体ハウジング10の係合溝150(
図3参照)に係合可能に構成されている。更に、端部631の外周面には、2つの凹部633が設けられている。凹部633には、円柱状の弾性ピン634が嵌め込まれ、保持されている。なお、本実施形態では、弾性ピン634はゴム製である(ラバーピンである)が、他の弾性材料(例えば、合成樹脂)で形成されていてもよい。
【0051】
送風機1の本体ハウジング10にアタッチメント本体60を取り付けるときには、使用者は、排気部63の係合突起632が、後方から係合溝150の第1部分151に夫々進入するように、後端部15に対してアタッチメント本体60を前方に移動させる。使用者は、その後、係合突起632が第2部分152内を周方向に移動するように、アタッチメント本体60を回転させる。これにより、係合突起632の一部が壁部153の前側に配置される。壁部153は、係合突起632の一部に後方から当接し、アタッチメント本体60が後方へ移動するのを妨げる。また、弾性ピン634は、後端部15の内周面に接触して摩擦抵抗を生じさせることで、本体ハウジング10に対するアタッチメント本体60の回転を規制する。よって、弾性ピン634は、アタッチメント本体60が後端部15から外れる可能性を低減することができる。一方、使用者は、後端部15に対し、アタッチメント本体60を取付け時とは逆の方向に移動させることで、送風機1の本体ハウジング10からアタッチメント本体60を容易に取り外すことができる。
【0052】
なお、詳細な図示は省略するが、送風機1がエアダスタとして使用される場合に使用される吸気側カバー16(
図2参照)にも、アタッチメント本体60の2つの係合突起632と同じ構成を有する2つの係合突起が設けられている。
【0053】
上述したように、本実施形態では、送風機1の本体ハウジング10の2つの係合溝150は、円筒状の後端部15の直径方向に対向配置されている(
図3参照)。また、アタッチメント本体60の2つの係合突起632も、円筒状の排気部63の直径方向に対向配置されている。よって、
図7に示すように、送風機1の本体ハウジング10に対するアタッチメント本体60の取付け位置は、第1位置(実線で示す位置)と、第1取付け位置から180度回転された第2位置(一点鎖線で示す位置)との間で変更可能である。アタッチメント本体60が本体ハウジング10に対して第1位置に取り付けられると、吸気部61は、モータ33の回転軸A1に対し、左方に突出するように配置される。つまり、ホース68は送風機1の左側から延びる。一方、アタッチメント本体60が本体ハウジング10に対して第2位置に取り付けられると、吸気部61は、回転軸A1に対し、右方に突出するように配置される。つまり、ホース68は送風機1の右側から延びる。
【0054】
なお、
図9に示すように、本実施形態のアタッチメント本体60は、複数の部材が互いに連結されることで形成されている。具体的には、アタッチメント本体60は、吸気部61及び収容部62の一部を構成する第1部材71と、収容部62の別の一部を構成する第2部材72と、排気部63を構成する第3部材73とから形成されている。第1部材71、第2部材72、第3部材73は、何れも合成樹脂製である。
【0055】
第1部材71と第2部材72とは、夫々に設けられた複数の突起711と複数の凹部721とのスナップフィットにより、互いに連結されている。互いに連結され、一体化された第1部材71及び第2部材72は、吸気部61及び収容部62を形成する。同様に、第1部材71と第3部材73とは、夫々に設けられた突起713と凹部733とのスナップフィットにより、互いに連結されている。第2部材72と第3部材73とは、夫々に設けられた突起723と凹部733とのスナップフィットにより、互いに連結されている。
【0056】
本実施形態では、第3部材73の凹部733は、タブを有する可撓片734に設けられている。よって、使用者は、フィルタ650の交換時に、第3部材73を、一体化された第1部材71及び第2部材72から容易に分離することができる。このように、本実施形態では、第3部材73、つまり、排気部63は、フィルタ650が収容された収容部62から取り外し可能な蓋(カバー)としても機能する。
【0057】
以下、フィルタ650について説明する。フィルタ650は、アタッチメント本体60に収容されており、空気と共にアタッチメント本体60に進入した粉塵を捕捉して空気から分離する。フィルタ650の種類は特に限定されるものではないが、例えば、合成樹脂製の連続気泡構造体、HEPA(High Efficiency Particulate Air Filter)フィルタ、パウダフィルタ、不織布フィルタが採用されうる。本実施形態では、フィルタ650には、送風機1のフィルタ41、42よりも目が細かいパウダフィルタが採用されている。これは、送風機1のフィルタ41、42の選定には、送風機1が単独でエアダスタ(ダストブロワ)として使用されるときの効率が重視されるのに対し、集塵アタッチメント6のフィルタ650には、粉塵をより確実に捕集することが重視されるためである。
【0058】
図7~
図9に示すように、本実施形態では、フィルタ650は、蛇腹状に折り曲げられたフィルタであって、複数の襞651を有する。フィルタ650は、ホルダ653に収容された状態で、アタッチメント本体60(フィルタ収容部621)に収容されている。ホルダ653は、軸方向の一端が開放され、他端が閉塞された有底円筒状に形成されている。ホルダ653の底部には、複数の通気口が形成されている。フィルタ650は、ホルダ653の周方向に位置決めされた状態で(襞651が所定方向に延在するように)、ホルダ653内に嵌め込まれている。
【0059】
図9に示すように、ホルダ653の開口端側の端部からは、2つの位置決め突起654が径方向外側に突出している。2つの位置決め突起654は、直径方向に対向する位置にある。また、排気部63と同様に、ホルダ653の外周面には2つの凹部が設けられており、夫々に弾性ピン655が嵌め込まれている。更に、ホルダ653には、フィルタ650がホルダ653から外れるのを防止する押え枠657が嵌め込まれている。このようにして、フィルタ650と、ホルダ653と、押え枠657とは、一体化されて、円柱状のフィルタユニット65を構成する。
【0060】
フィルタユニット65は、アタッチメント本体60に対して位置決めされ、アタッチメント本体60に収容されている。より詳細には、フィルタユニット65は、上述のように一体化された第1部材71及び第2部材72のフィルタ収容部621に、ホルダ653の底部側から嵌め込まれている。第2部材72のうち、フィルタ収容部621を構成する部分の開口端からは、2つのリブ725が突出している。ホルダ653の位置決め突起654の何れか1つは、フィルタ収容部621の中心軸周りの周方向において、2つのリブ725の間に嵌め込まれている。これにより、アタッチメント本体60に対するフィルタユニット65の周方向の位置が規定されるとともに、アタッチメント本体60に対するフィルタユニット65の中心軸周りの回転が規制される。また、弾性ピン655は、フィルタ収容部621の内周面に接触して摩擦抵抗を生じさせることで、アタッチメント本体60に対するフィルタユニット65の回転を規制する。
【0061】
なお、
図8に示すように、本実施形態では、アタッチメント本体60に対するフィルタユニット65の周方向の位置は、フィルタ650の襞651が吸気部61の延在方向と概ね平行に延びるように設定されている。
【0062】
更に、上述のように、第3部材73が第1部材71及び第2部材72に連結されると、
図7に示すように、第3部材73の連結側のフランジ部731がホルダ653の開口端に当接する。これにより、アタッチメント本体60に対するフィルタユニット65の中心軸方向の移動が規制される。
【0063】
以下、ホース68について説明する。
図4及び
図5に示すように、ホース68は、部分的に可撓性を有する長尺の筒状部材である。また、ホース68は、アタッチメント本体60に取り外し可能に連結されている。より詳細には、ホース68は、蛇腹構造を有する可撓部680と、可撓部680の一端に連結された円筒状の第1連結部681と、可撓部680の他端に連結された円筒状の第2連結部682とを含む。
【0064】
ホース68の可撓部680は、使用者が、アタッチメント本体60に対してホース68の先端、ひいては吸引ノズル69の向きを容易に変更することを可能とする。また、可撓部680の蛇腹構造は、ホース68が曲げられても、ホース68の断面形状が変形するのを抑制することができ、これにより、ホース68内の空気の流れが阻害される可能性を低減することができる。
【0065】
なお、吸引ノズル69を所望の位置に配置可能とするために、ホース68は、ある程度長いことが好ましい。例えば、ホース68の全長が30センチメートル(cm)以上あれば、使用者は、吸引ノズル69の吸引口690と送風機1の吐出口105とを容易に同じ向きに向けることができる。この場合、使用者は、送風機1のトリガ181を操作しながら吸引ノズル69を無理なく操作できるため、操作性が向上する。また、ホース68の全長が80cm程度ある場合、使用者が一方の手で送風機1の把持部171を保持した状態で、吸引ノズル69を持った他方の手を伸ばして集塵作業を行うことができる点で好ましい。なお、ホース68のうち第1連結部681と第2連結部682の長さは、夫々、例えば10cm程度あれば十分であり、それ以外の部分が可撓部680とされればよい。また、アタッチメント本体60に連結可能な長さの異なる複数種類のホース68が用意されてもよい。
【0066】
第1連結部681のうち、可撓部680に隣接する部分の外径は、アタッチメント本体60の吸気部61の内径よりも僅かに大きい。また、第1連結部681は、先端に向かって僅かに径が小さくなるように構成されている。よって、使用者は、第1連結部681の一部を吸気部61に嵌め込むことで、ホース68をアタッチメント本体60に取り外し可能に連結することができる。一方、第2連結部682は、実質的に均一の内径を有する。
【0067】
以下、吸引ノズル69について説明する。
図4及び
図5に示すように、吸引ノズル69は、筒状体である。吸引ノズル69は、空気を吸い込む吸引口690を有する吸引部691と、吸引部691のうち吸引口690と反対側の端に連結された円筒状の連結部693とを含む。連結部693は、ホース68に取り外し可能に連結される部分である。連結部693のうち、吸引部691に隣接する部分の外径は、ホース68の第2連結部682の内径よりも僅かに大きい。連結部693は、先端に向かって僅かに径が小さくなるように構成されている。よって、使用者は、連結部693の一部をホース68の第2連結部682に嵌め込むことで、吸引ノズル69をホース68に取り外し可能に連結することができる。あるいは、使用者は、吸引ノズル69をアタッチメント本体60の吸気部61に挿入することで、ホース68を介さずに、吸引ノズル69をアタッチメント本体60に取り外し可能に連結することができる。
【0068】
なお、本実施形態で例示する吸引ノズル69は、吸引部691の吸引口690の周囲にブラシが設けられたタイプである。但し、吸引ノズル69はこの例に限られず、様々な用途に応じて複数種類が用意されうる。
【0069】
以上に説明したように、本実施形態の集塵システム9は、送風機1と、送風機1に選択的に取り付けられる集塵アタッチメント6とを含む。集塵アタッチメント6は、アタッチメント本体60の排気口である第2開口602と、送風機1の本体ハウジング10の吸気口101とが連通するように本体ハウジング10に取り付けられ、使用される。送風機1のモータ33によってファン35が回転されると、吸引ノズル69及びホース68を経由して、アタッチメント本体60の吸気口である第1開口601からアタッチメント本体60内へ空気が流入する。流入した空気は、粉塵収容空間624を経て、第2開口602から本体ハウジング10内に吸い込まれる。アタッチメント本体60を通過する空気に含まれる粉塵は、アタッチメント本体60内で、第1開口601と第2開口602との間に規定された粉塵収容空間624に収容される。このため、送風機1の本体ハウジング10内に粉塵が流入し、モータ33に悪影響を与える可能性が低減される。
【0070】
特に、本実施形態では、粉塵収容空間624と第2開口602との間に、フィルタ650が配置されているため、粉塵は、フィルタ650によって捕捉され、粉塵収容空間624に溜まる。よって、粉塵が送風機1の本体ハウジング10内に流入する可能性をより確実に低減することができる。また、本実施形態では、フィルタ650は、襞651が吸気部61の延在方向と概ね平行に延びるように配置されている。これにより、粉塵が特定の襞651に集中して目詰まりを起こす可能性を低減することができる。
【0071】
また、使用者は、フィルタ650をアタッチメント本体60から取り外すことができる。より詳細には、使用者はまず、集塵アタッチメント6を送風機1から取り外す。更に、使用者は、可撓片734を撓ませて突起713、723と凹部733との係合を解除し、排気部63(第3部材73)を収容部62から取り外した後、フィルタユニット65を収容部62から取り出すことができる。使用者は、フィルタユニット65を取り外した後、粉塵収容空間624に溜まった粉塵を容易に廃棄することができる。更に、使用者は、フィルタ650を清掃又は交換することで、フィルタ650の目詰まりによる送風効率の低下を抑制することができる。
【0072】
また、使用者は、粉塵収容部623の蓋626を開け、粉塵収容空間624に溜まった粉塵を、開口625を通じて粉塵収容部623から排出させることができる。よって、フィルタ650の清掃や交換が不要な場合には、使用者は、アタッチメント本体60を送風機1から取り外すことなく粉塵を容易に廃棄することができる。
【0073】
上記実施形態の各構成要素(特徴)と本開示又は発明の各構成要素(特徴)の対応関係を以下に示す。但し、実施形態の各構成要素は、単なる一例であって、本開示又は本発明の各構成要素を限定するものではない。
【0074】
送風機1の本体ハウジング10は、「送風機のハウジング」の一例である。集塵アタッチメント6のフィルタ650は、「集塵アタッチメントの第1フィルタ」の一例である。ホース68は、「筒状部材」の一例である。送風機1のフィルタ41、42の各々は、「送風機の第2フィルタ」の一例である。吸気部61は、「アタッチメント本体の筒状部」の一例である。
【0075】
なお、上記実施形態は単なる例示であり、本開示に係る集塵アタッチメント及び集塵システムは、例示された集塵アタッチメント6及び集塵システム9に限定されるものではない。例えば、下記に例示される変更を加えることができる。また、これらの変更のうち少なくとも1つが、実施形態に例示される集塵アタッチメント6、集塵システム9、及び各請求項に記載された発明の何れかと組み合わされて採用されうる。
【0076】
例えば、送風機1の本体ハウジング10及びハンドル17の構成(形状、構成部材、構成部材間の連結態様)は、上記実施形態の例示に限られず、適宜、変更されうる。例えば、吸気口101及び/又は吐出口105の形状、大きさ、位置のうち少なくとも1つは、適宜、変更されうる。本体ハウジング10の内部に配置されるモータ33及び/又はファン35の構成及び/又は配置も、適宜、変更されうる。例えば、モータ33は、ブラシモータや交流モータであってもよい。ファン35は、モータ33と吐出口105の間に配置されてもよい。ファン35の数は複数であってもよい。例えば、複数のファン35が、モータと同軸状に多段配置されてもよい。モータ33とファン35とは、上述の実施形態のようにケースに収容されてモータアセンブリ30を構成する必要はなく、モータシャフト335が本体ハウジング10に支持された軸受によって回転可能に支持されてもよい。
【0077】
送風機1に対する集塵アタッチメント6(アタッチメント本体60)の取付け構造(連結構造)は、上記実施形態の送風機1の後端部15及び集塵アタッチメント6の排気部63の構造に限られない。例えば、送風機1の本体ハウジング10(後端部15)とアタッチメント本体60(排気部63)とは、ネジ係合によって、あるいはスナップフィットによって、取り外し可能に連結されてもよい。更には、アタッチメント本体60は、別個のネジによって、送風機1の本体ハウジング10に取り外し可能に連結されてもよい。
【0078】
集塵アタッチメント6のアタッチメント本体60は、第1開口601(吸気口)と、第2開口602(排気口)と、第1開口601と第2開口602の間に設けられた粉塵収容空間624とを有する限りにおいて、適宜、変更されうる。例えば、アタッチメント本体60は、上記実施形態の例とは異なる形状を有してもよい。例えば、アタッチメント本体60は、単独で(ホース68及び吸引ノズル69なしで)集塵を行うのに適した構成を有してもよい。具体的には、吸気部61は、粉塵等の吸引に適したノズル形状を有し、第1開口601がそのまま吸引口として機能してもよい。また、アタッチメント本体60は、上記実施形態の例とは異なる複数の部材で構成されてもよいし、その素材も適宜変更されうる。複数の部材の連結方法も、スナップフィットに限られず、任意の方法が選択されうる。
【0079】
アタッチメント本体60に対するフィルタ650の襞651の向きや、フィルタ650の保持構造は、適宜変更されてよい。例えば、フィルタ650は、アタッチメント本体60に固定されていてもよい。具体的には、
図5に示す上記実施形態のホルダ653は、アタッチメント本体60と一体化され、アタッチメント本体60の一部であってもよい。そして、フィルタ650は、ホルダ653から実質的に取り外し不能に、ホルダ653に固定されていてもよい。この変形例では、使用者は、集塵アタッチメント6を送風機1から取り外した状態で、フィルタ650を清掃することができる。また、集塵アタッチメント6のフィルタ650は、送風機1のフィルタ41、42よりも目が細かいと好ましいが、フィルタ41、42のうち少なくとも一方と実質的に同一の目の粗さであってもよい。また、送風機1のフィルタ41、42の目の粗さは実質的に同一でもよい。フィルタ41、42の少なくとも一方は、省略されてもよい。
【0080】
ホース68は、一部でなく全体が螺旋状の蛇腹構造を有するように変更されてもよい。この場合、アタッチメント本体60の吸気部61の内周面と、吸引ノズル69の連結部693の内周面には、夫々、ホース68の蛇腹構造に整合する螺旋状の溝(ネジ溝)が形成されればよい。これにより、ホース68とアタッチメント本体60、及び、ホース68と吸引ノズル69とは、ネジ係合によって取り外し可能に連結される。なお、ホース68は、アタッチメント本体60から取り外し不能であってもよい。同様に、吸引ノズル69は、ホース68から取り外し不能であってもよい。
【0081】
更に、本発明、上記実施形態及びその変形例の趣旨に鑑み、以下の態様が構築される。以下の態様のうち少なくとも1つが、上述の実施形態及びその変形例、ならびに各請求項に記載された発明の少なくとも1つと組み合わされて採用されうる。
[態様1]
前記アタッチメント本体は、前記送風機の前記ハウジングに連結可能な第1連結部を備える。
排気部63は、本態様の「第1連結部」の一例である。
[態様2]
前記第1連結部は、別個の器具を使用することなく、前記ハウジングに連結可能に構成されている。
[態様3]
前記アタッチメント本体は、前記第1開口を有する筒状の吸気部と、前記第2開口を有する筒状の排気部と、前記吸気部と前記排気部とに連結された収容部とを含み、
前記粉塵収容空間は、前記収容部内に規定されている。
[態様4]
前記排気部は、前記送風機の前記ハウジングに取り外し可能に連結される第1連結部として構成されている。
[態様5]
前記第1フィルタは、前記収容部に収容されている。
[態様6]
前記排気部は、前記収容部に取り外し可能に連結されている。
[態様7]
前記フィルタは、複数の襞を有する蛇腹状のフィルタであって、
前記複数の襞が前記筒状部(又は前記吸気部)の延在方向と実質的に平行となるように配置されている。
[態様8]
前記筒状部材は、前記アタッチメント本体から取り外し可能である。
[態様9]
前記集塵アタッチメントは、前記筒状部材に連結された吸引ノズルを更に備える。
[態様10]
前記送風機の前記吸気口と、前記吐出口と、前記モータと、前記ファンとは、同軸状に配置されている。
【符号の説明】
【0082】
1:送風機、10:本体ハウジング、101:吸気口、105:吐出口、11:ノズル部、13:収容部、15:後端部、150:係合溝、151:第1部分、152:第2部分、153:壁部、16:吸気側カバー、160:開口、17:ハンドル、171:把持部、175:コントローラ収容部、176:バッテリ装着部、181:トリガ、182:スイッチ、19:バッテリ、30:モータアセンブリ、33:モータ、331:ステータ、335:モータシャフト、35:ファン、37:コントローラ、41:フィルタ、42:フィルタ、6:集塵アタッチメント、60:アタッチメント本体、600:流路、601:第1開口、602:第2開口、61:吸気部、615:ショルダ部、62:収容部、621:フィルタ収容部、623:粉塵収容部、624:粉塵収容空間、625:開口、626:蓋、63:排気部、631:端部、632:係合突起、633:凹部、634:弾性ピン、64:逆止弁、641:突起、642:ネジ、65:フィルタユニット、650:フィルタ、651:襞、653:ホルダ、654:位置決め突起、655:弾性ピン、657:押え枠、68:ホース、680:可撓部、681:第1連結部、682:第2連結部、69:吸引ノズル、690:吸引口、691:吸引部、693:連結部、71:第1部材、711:突起、713:突起、72:第2部材、721:凹部、723:突起、725:リブ、73:第3部材、731:フランジ部、733:凹部、734:可撓片、集塵システム9