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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083871
(43)【公開日】2024-06-24
(54)【発明の名称】燃料電池車両
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04 20160101AFI20240617BHJP
   H01M 8/00 20160101ALI20240617BHJP
   H01M 8/04313 20160101ALI20240617BHJP
   H01M 8/04858 20160101ALI20240617BHJP
   H01M 8/04746 20160101ALI20240617BHJP
   H01M 8/04228 20160101ALI20240617BHJP
   H01M 8/04303 20160101ALI20240617BHJP
   H01M 8/0444 20160101ALI20240617BHJP
   B60L 50/70 20190101ALI20240617BHJP
   B60L 58/30 20190101ALI20240617BHJP
【FI】
H01M8/04 H
H01M8/00 Z
H01M8/04 J
H01M8/04313
H01M8/04858
H01M8/04746
H01M8/04228
H01M8/04303
H01M8/0444
H01M8/04 Z
B60L50/70
B60L58/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197933
(22)【出願日】2022-12-12
(71)【出願人】
【識別番号】521537852
【氏名又は名称】ダイムラー トラック エージー
(74)【代理人】
【識別番号】100187322
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 直輝
(72)【発明者】
【氏名】アマラシンフ スーウイン インヅューラ
【テーマコード(参考)】
5H125
5H127
【Fターム(参考)】
5H125AA01
5H125AC07
5H125BD12
5H125BD14
5H125EE32
5H125EE39
5H125EE51
5H125FF09
5H127AB04
5H127AB29
5H127AC02
5H127AC15
5H127BA02
5H127BA22
5H127BA59
5H127BB02
5H127BB12
5H127BB37
5H127DA05
5H127DA11
5H127DB91
5H127DB96
5H127DC90
5H127EE04
5H127EE27
5H127FF06
5H127FF11
5H127FF20
(57)【要約】
【課題】燃料電池車両において、水素の漏洩を速やかに検知すると共に、水素検知器の使用を減らすことにより、設置コストを抑制する。
【解決手段】水素ガスと酸素との化学反応により発電する燃料電池システム11を有する燃料電池車両101、201、301であって、上流端が吸気口22として燃料電池車両101、201、301の複数の場所に設けられる複数の第1流路21と、複数の第1流路21のそれぞれの下流端が接続する複数の接続口32Aを有し、複数の場所において吸気口22から取り込んだ被検査空気を集合させる集合部32と、集合部32の下流側に接続する第2流路33に介装され、被検査空気を吸引するポンプ部34と、第2流路33の集合部32の下流側に設けられ、被検査空気に含まれる水素ガスを検知する水素検知部35と、ポンプ部34の動作を制御する制御部40、340と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素ガスと酸素との化学反応により発電する燃料電池システムを有する燃料電池車両であって、
上流端が吸気口として前記燃料電池車両の複数の場所に設けられる複数の第1流路と、
前記複数の第1流路のそれぞれの下流端が接続する複数の接続口を有し、前記複数の場所において前記吸気口から取り込んだ被検査空気を集合させる集合部と、
前記集合部の下流側に接続する第2流路に介装され、前記被検査空気を吸引するポンプ部と、
前記第2流路の前記集合部の下流側に設けられ、前記被検査空気に含まれる水素ガスを検知する水素検知部と、
前記ポンプ部の動作を制御する制御部と、
を備えたことを特徴とする、燃料電池車両。
【請求項2】
前記燃料電池システムからの排気が流れる排気流路と、
前記排気流路と前記第2流路とを連通する第1連通部と、
を更に備え、
前記制御部は、前記燃料電池システムが運転しているときには、前記ポンプ部の運転を停止することを特徴とする、
請求項1に記載の燃料電池車両。
【請求項3】
前記燃料電池システムの吸気が流れる吸気流路と、
前記吸気流路に設けられる空気圧縮部と、
前記空気圧縮部よりも上流側の前記吸気流路と前記第2流路とを連通する第2連通部と、
を更に備え、
前記制御部は、前記燃料電池システムが運転しているときは、前記ポンプ部の運転を停止することを特徴とする、
請求項1に記載の燃料電池車両。
【請求項4】
車両外部の水素ガス供給源から水素ガスを補給するための水素ガス充填部のリッドの開閉状態を検知する開閉センサを更に備え、
前記制御部は、前記リッドが開状態のときに、前記ポンプ部の動作を制御することを特徴とする、
請求項1に記載の燃料電池車両。
【請求項5】
前記水素検知部は、前記燃料電池システムの運転が停止し、かつ、前記リッドが閉状態となったときに、電源オフまたは待機状態となることを特徴とする、
請求項4に記載の燃料電池車両。
【請求項6】
オンタンクバルブを有する水素タンクを更に備え、
前記制御部は、前記水素検知部からの情報に基づいて水素ガスの漏洩があると判定した場合、前記オンタンクバルブを閉じる要求を生成することを特徴とする、
請求項1に記載の燃料電池車両。
【請求項7】
前記第1流路は、間隔をあけて配置される複数の吸気口を有することを特徴とする、
請求項1に記載の燃料電池車両。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水素と酸素(空気)との化学反応を利用して発電を行う燃料電池システムを備えた燃料電池車両が知られている。近年、環境負荷低減の観点から、トラック等の商用車の分野においても燃料電池システムを搭載した商用車の開発が行われている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-006349号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
燃料電池車両の燃料として使用されている水素ガスは、空気よりも軽い気体であり、燃焼しやすいため、万が一、水素ガスが漏洩した場合、水素検知器によって速やかに漏洩した水素ガスを検知することが大切である。水素ガスが漏洩する可能性がある場所として、水素タンク、燃料電池システム、それらをつなぐ配管などが考えられるが、トラック等の商用車は乗用車に比べて大型であるため、多数の水素検知器が必要となり、コストアップの要因となるため、改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、燃料電池車両において、水素ガスの漏洩を速やかに検知すると共に、水素検知器の使用を減らすことにより、コストを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様又は適用例として実現することができる。
【0007】
(1)本適用例に係る燃料電池車両は、水素ガスと酸素との化学反応により発電する燃料電池システムを有する燃料電池車両であって、上流端が吸気口として前記燃料電池車両の複数の場所に設けられる複数の第1流路と、前記複数の第1流路のそれぞれの下流端が接続する複数の接続口を有し、前記複数の場所において前記吸気口から取り込んだ被検査空気を集合させる集合部と、前記集合部の下流側に接続する第2流路に介装され、前記被検査空気を吸引するポンプ部と、前記第2流路の前記集合部の下流側に設けられ、前記被検査空気に含まれる水素ガスを検知する水素検知部と、前記ポンプ部の動作を制御する制御部と、を備える。
【0008】
上記適用例に係る燃料電池車両は、複数の場所から被測定空気を吸引することによって、水素ガスの漏洩を速やかに検知することができる。また、水素検知器の使用を減らすことが可能となり、水素検知器の設置コストを抑制することができる。
【0009】
(2)上記(1)の適用例に係る燃料電池車両において、前記燃料電池システムからの排気が流れる排気流路と、前記排気流路と前記第2流路とを連通する第1連通部と、を更に備え、前記制御部は、前記燃料電池システムが運転しているときには、前記ポンプ部の運転を停止してもよい。上記構成によれば、燃料電池システムの運転中は、排気流路を流れる排気の吸引効果によって、被測定空気が吸引される。そして、その間はポンプ部の運転を停止することができるので、ポンプ部の消費エネルギーコストを抑制することができる。
【0010】
(3)上記(1)又は(2)の適用例に係る燃料電池車両において、前記燃料電池システムの吸気が流れる吸気流路と、前記吸気流路に設けられる空気圧縮部と、前記空気圧縮部よりも上流側の前記吸気流路と前記第2流路とを連通する第2連通部と、を更に備え、前記制御部は、前記燃料電池システムが運転しているときは、前記ポンプ部の運転を停止してもよい。上記構成によれば、燃料電池システムの運転中は、吸気流路を流れる吸気の吸引効果によって、被測定空気が吸引される。そして、その間はポンプ部の運転を停止することができるので、ポンプ部の消費エネルギーコストを抑制することができる。
【0011】
(4)上記(1)から(3)のいずれかの適用例に係る燃料電池車両において、車両外部の水素ガス供給源から水素ガスを補給するための水素ガス充填部のリッドの開閉状態を検知する開閉センサを更に備え、前記制御部は、前記リッドが開状態のときに、前記ポンプ部の動作を制御してもよい。これにより、水素漏洩の監視が必要な時だけポンプを作動させるので、ポンプ部の消費エネルギーコストを抑制することができる。
【0012】
(5)上記(1)から(4)のいずれかの適用例に係る燃料電池車両において、前記水素検知部は、前記燃料電池システムの運転が停止し、かつ、前記リッドが閉状態となったときに、電源オフまたは待機状態となってもよい。これにより、水素漏洩監視の必要性が低いときには水素検知部がオフとなるので、水素検知部の消費エネルギーコストを抑制することができる。
【0013】
(6)上記(1)から(5)のいずれかの適用例に係る燃料電池車両において、オンタンクバルブを有する水素タンクを更に備え、前記制御部は、前記水素検知部からの情報に基づいて水素ガスの漏洩があると判定した場合、前記オンタンクバルブを閉じる要求を生成してもよい。これにより、水素漏洩の有無に応じて水素タンクの開閉を制御することができる。
【0014】
(7)上記(1)から(6)のいずれかの適用例に係る燃料電池車両において、前記第1流路は、間隔をあけて配置される複数の吸気口を有してもよい。これにより、1つの第1流路でより広いエリアの水素漏洩監視をカバーでき、第1流路の設置コストを削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1実施形態に係る燃料電池車両の要部とその配置を示す概略図である。
図2】第1実施形態に係る水素検知部の概略図である。
図3】第1実施形態に係る水素ガス検知システムの制御ブロック図である。
図4】第1実施形態に係る水素ガス検知処理のフローチャートである。
図5】本発明の第2実施形態に係る燃料電池車両の要部とその配置を示す概略図である。
図6】第2実施形態に係る水素検知部の概略図である。
図7】第2実施形態に係る水素ガス検知処理のフローチャートである。
図8】本発明の第3実施形態に係る燃料電池車両の要部とその配置を示す概略図である。
図9】第3実施形態に係る水素検知部の概略図である。
図10】第3実施形態に係る水素ガス検知システムの制御ブロック図である。
図11】第3実施形態に係る水素ガス検知処理のフローである。
図12】各実施形態に係る燃料電池車両の要部及び配置の変型例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づき説明する。なお、以下の説明において、車両の進行方向を前後方向、車幅方向を左右方向、車高方向を上下方向と呼ぶ。
【0017】
<第1実施形態>
まず本発明の第1実施形態について説明する。
【0018】
図1は、本発明の第1実施形態に係る燃料電池車両の要部とその配置を示す概略図である。
【0019】
車両101は、水素ガスを燃料として駆動する燃料電池車両である。車両101は、例えばトラックやバスなどの大型車両である(図1ではトラックを示す)。車両101は、燃料電池システム11と、駆動用モータ12と、駆動ユニット13と、を備える。燃料電池システム11は、水素と酸素との化学反応により電力を生成し、駆動用モータ12に供給する。駆動用モータ12は、電力を回転動力に変換する。駆動ユニット13は、駆動用モータ12の回転動力を変速または減速し、図示しないデファレンシャルと駆動軸を介して駆動輪7へ動力伝達する。車両101は、燃料電池システム11が生成する電力により走行する。
【0020】
燃料電池システム11は、燃料電池スタック14と、補機群15と、高電圧バッテリ16と、圧縮機17(空気圧縮部)と、を備える。燃料電池スタック14は、水素と酸素(空気)との化学反応により発電する燃料電池セルを積層したものである。補機群15は、燃料電池スタック14の作動に必要な水素や空気(外気)の供給をする配管や補機、冷却回路、電流供給回路等を有する。高電圧バッテリ16は、燃料電池システム11が生成した電力を蓄積し、駆動用モータ12に供給する。圧縮機17は、燃料電池スタック14に供給する空気を圧縮する。
【0021】
車両101は、水素タンク2と、水素ガス充填部3と、を備える。
【0022】
水素タンク2は、燃料電池スタック14に供給する水素ガスを貯蔵する圧縮容器である。水素タンク2は、オンタンクバルブ2A(図示せず)を備える。オンタンクバルブ2Aは、その開閉状態により、水素タンク2への水素ガスの流入又は流出を制御する。
【0023】
水素ガス充填部3は、水素ガスを水素タンク2に補給する時に、車両外部の水素ガス供給源である水素ガスステーションの充填ノズル(図示せず)と接続する水素ガス充填口(図示せず)を有する。水素ガス充填部3は、車両101のボデーの外側面の一部に車室側に窪んだ凹部と、凹部を覆うリッド3Aと、開閉センサ3Bと、を有する。
【0024】
開閉センサ3Bは、リッド3Aの開閉状態を検知し、開情報又は閉情報を出力する。開閉センサ3Bは、例えばリミットスイッチを用いることができる。
【0025】
車両101は、車両電源スイッチ4と、運転席表示部5と、低電圧バッテリ6と、制御部40と、を備える。
【0026】
車両電源スイッチ4は、運転席付近に設けられる、例えば、押しボタンスイッチである。車両電源スイッチ4は、ユーザの押下操作に伴い、燃料電池システム11及び駆動用モータ12等を含む駆動システムの始動または停止、車両101の電装品の電源のオンまたはオフが可能である。なお、駆動システムを停止しつつ車両101の電装品の電源のみをオンにするアクセサリオン操作が含まれてもよい。本実施形態では説明を簡略化するため、少なくとも車両101の電動品の電源がオンしている状態を車両電源オン、電装品の電源がオフしている状態を車両電源オフとする。また、車両電源スイッチ4は、イグニッションキーのように回転による操作を伴うものであってもよい。
【0027】
運転席表示部5は、例えば運転席のインストルメントパネルに設けられる表示手段である。運転席表示部5は、液晶パネル等のモニタ画面及びスピーカーを備え、制御部40の指示により警告情報を表示したり、必要に応じて音声を出力したりする。
【0028】
低電圧バッテリ6は、システム電源やECU(コンピュータ)、車内の各種電装品等に電力を供給するための低電圧小容量の二次電池である。
【0029】
制御部40は、電子演算装置から構成される制御ユニットで、例えばECU(Electronic Control Unit)であり、車両101の各コンポーネントや各種センサとCAN(Controller Area Network)等の通信ネットワークや直接配線、無線を介して通信可能である。本実施形態では、制御部40は、予めインストールされた所定のプログラムに従って動作し、主に後述する水素ガス検知処理を実行する機能を有する。
【0030】
以上のように構成された車両101は、水素ガスの漏洩を検知する水素ガス検知システム108を備える。
【0031】
水素ガス検知システム108は、複数の第1流路21A、21B、21C、21D、21E、21F、21G、21Hと、水素検知ユニット131と、を備える。複数の第1流路21A、21B、21C、21D、21E、21F、21G、21Hは、それぞれ一方の端部に、吸気口22A、22B、22C、22D、22E、22F、22G、22Hを有する。以下の説明において、複数の第1流路21A、21B、21C、21D、21E、21F、21G、21Hを、まとめて第1流路21という場合がある。また、吸気口22A、22B、22C、22D、22E、22F、22G、22Hをまとめて吸気口22という場合がある。第1流路21の他方の端部それぞれは、水素検知ユニット131と接続している。
【0032】
第1流路21は、漏洩した水素ガスを含む可能性のある空気を吸気するための配管である。以下、燃料電池スタック14に供給される空気と区別するために、「漏洩した水素ガスを含む可能性のある空気」を被検査空気と呼ぶ。吸気口22は、車両101の複数の場所に配置される。具体的には、吸気口22Aは車室内、吸気口22Bは燃料電池システム11の近傍、吸気口22C及び吸気口22Dは、水素タンク2の前側近傍、吸気口22D及び22Eは水素タンク2の中央付近、吸気口22F及び吸気口22Gは水素タンク2の後ろ側近傍、にそれぞれ配置される。第1流路21は、例えば樹脂や金属のパイプによって構成される。なお、図1に示す第1流路21は、主に車両101のフレームに沿って配設される経路が示されているが、当該経路は一例であり、これらの経路に限定するものではない。
【0033】
水素検知ユニット131は、車両101において、水素ガス漏洩の可能性がある領域の中央付近に配置される。具体的には、水素ガス漏洩の監視が必要な、車室、水素タンク2、および燃料電池スタック14とを含む領域の中央付近に配置される。これにより、第1流路21の最大長と最小長の差を小さくすることができる。
【0034】
図2は、第1実施形態に係る水素検知部の概略図である。図2を参照しながら、水素検知ユニット131の詳細を説明する。
【0035】
水素検知ユニット131は、マニホールド32(集合部)と、マニホールド32の下流に接続する第2流路33と、第2流路33に設けられるポンプ部34と、第2流路33のポンプ部34の下流に設けられる水素検知センサ35(水素検知部)と、を備える。
【0036】
マニホールド32は、上流に複数の接続口32Aを有する。図2では、4つの接続口32Aのみ示し、残りの4つは省略されているが、マニホールド32が備える接続口32Aの数は、第1流路21の数と同じである。接続口32Aは、第1流路21の下流側の各他端と接続する。各第1流路21を通過した被検査空気は、マニホールド32に集合し、混合する。マニホールド32は、下流側に1つの接続口32Bを有し、第2流路33の上流端と接続する。
【0037】
第2流路33は、樹脂や金属等で形成される配管であり、その下流端に被検査空気を車外に排出する第2流路排出口36を有する。
【0038】
ポンプ部34は、第2流路33において、マニホールド32よりも下流側に設けられる。ポンプ部34は、小型のいわゆるマイクロポンプを有し、吸気口22付近の被検査空気を吸引し、被検査空気を第1流路21、マニホールド32、を介して、第2流路33の水素検知センサ35に送る。
【0039】
水素検知センサ35は、水素ガスの漏洩検知に用いられ、水素ガス検知量(濃度)を検出する。水素検知センサ35は、第2流路33の内部に設けられる。本実施形態では、水素検知センサ35は、ポンプ部34の下流側に設けられているが、マニホールド32よりも下流側に設けられていれば良い。水素検知センサ35は、例えば、接触燃焼式、気体熱伝導式、半導体式等を適用できる。水素検知センサ35は、燃料電池システム11の制御にも用いられる。
【0040】
図3は、第1実施形態に係る水素ガス検知システムの制御ブロック図である。本図を参照して、水素ガス検知システム108の制御構成と機能を以下に説明する。
【0041】
水素ガス検知システム108は、制御部40と、制御部40に通信可能に接続されたシステムコンポーネント群と、を備える。システムコンポーネント群は、上記した、燃料電池システム11と、ポンプ部34と、水素検知センサ35と、車両電源スイッチ4と、低電圧バッテリ6と、オンタンクバルブ2Aと、開閉センサ3Bと、運転席表示部5と、を含む。制御部40は、情報取得部41と、燃料電池管理部42と、判定部43と、警告制御部44と、を含む。制御部40は、システムコンポーネント群と通信しながら水素ガス検知処理を実行する。
【0042】
情報取得部41は、システムコンポーネント群に関する情報を取得する。
【0043】
情報取得部41は、システムコンポーネント群に関する情報として、各コンポーネントの作動状態や計測値、エラー情報等の各種情報を取得する。具体的には、情報取得部41は、燃料電池システム11から、作動状態を示すオン情報又はオフ情報と、エラー情報と、を取得する。情報取得部41は、ポンプ部34から、作動状態を示すオン情報又はオフ情報と、エラー情報と、を取得する。情報取得部41は、水素検知センサ35から、水素検知量と、エラー情報とを取得する。情報取得部41は、車両電源スイッチ4から、キーオン情報又はキーオフ情報と、エラー情報と、を取得する。情報取得部41は、低電圧バッテリ6から、低電圧バッテリ6の利用可不可状態を示すオン情報又はオフ情報と、エラー情報と、を取得する。情報取得部41は、オンタンクバルブ2Aから、バルブの開閉状態を示す開情報又は閉情報と、エラー情報とを取得する。情報取得部41は、開閉センサ3Bから、リッド3Aの開閉状態を示す開情報又は閉情報と、エラー情報と、を取得する。
【0044】
燃料電池管理部42は、情報取得部41がシステムコンポーネント群から取得した情報に基づいて、システムコンポーネントそれぞれの作動状態、計測値、エラーの有無を監視し、監視情報を生成し記憶する。燃料電池管理部42は、計測値が所定の警告条件を満たした場合や、エラーがある場合に、そのコンポーネントに関する警告情報を監視情報に含めることができる。例えば、燃料電池管理部42は、取得した水素検知量が所定量を超過している場合、水素検知量の異常に関する警告情報を生成し監視情報に含めて記憶する。燃料電池管理部42は、また、判定部43が水素の漏洩があると判定した場合に、オンタンクバルブ2Aを閉じる要求を示す閉要求情報を生成する。
【0045】
燃料電池管理部42は、水素タンク2のオンタンクバルブ2Aの開閉を制御する。燃料電池管理部42は、判定部43から閉要求情報を受信したときに、オンタンクバルブ2Aを閉じる制御をしてもよい。
【0046】
判定部43は、情報取得部41が水素検知センサ35から取得した水素ガス検知量に基づいて、水素の漏洩の有無を判定する。
【0047】
警告制御部44は、判定部43の判定結果に基づいて、警告を出力する。具体的には、警告制御部44は、判定部43が水素ガスの漏洩があると判定した場合に、水素ガス漏洩に関する警告情報を生成し、運転席表示部5に出力する。また、警告制御部44は、燃料電池管理部42の生成した警告情報を出力してもよい。
【0048】
図4は、第1実施形態に係る水素ガス検知処理のフローチャートである。以下本フローチャートに沿って制御部40が実行する水素ガス検知処理を説明する。当該ルーチンはリッド3Aが閉じた状態、かつ、水素検知センサ35がオフ状態または待機状態でスタートする。
【0049】
ステップS101において、情報取得部41は、低電圧バッテリ6からオン情報を取得して、ステップS102に進む。
【0050】
ステップS102において、燃料電池管理部42は、システムコンポーネント群の状態を監視していることを確認しステップS103に進む。
【0051】
ステップS103において、燃料電池管理部42は、車両電源スイッチ4および開閉センサ3Bから取得した情報に基づいて、車両101の電源がオン状態(車両電源オン)またはリッド3Aが開状態のいずれかに該当するか否かを判定する。当該判定が真、すなわち車両101の電装品の電源がオン状態またはリッド3Aが開状態のいずれかに該当する場合、ステップS104に進む。当該判定が偽、すなわち車両101の電源がオン状態でもなくリッド3Aが開状態でもない場合、ステップS102に戻る。
【0052】
ステップS104において、燃料電池管理部42は、水素検知センサ35を起動してオン状態にして、ステップS105に進む。
【0053】
ステップS105において、燃料電池管理部42は、ポンプ部34を始動させてオン状態にし、ステップS106に進む。
【0054】
ステップS106において、情報取得部41は、水素検知センサ35から水素検知量を取得してステップS107に進む。
【0055】
ステップS107において、燃料電池管理部42は、ステップS106において取得した水素検知量に基づいて、水素漏洩の有無を判定する。当該判定結果が真、すなわち水素漏洩があると判定された場合は、ステップS108に進む。一方、当該判定結果が偽、すなわち水素漏洩がないと判定された場合は、ステップS110に進む。
【0056】
ステップS108において、判定部43は、水素タンク2のオンタンクバルブ2Aについて閉要求情報を生成して記憶し、ステップS109に進む。
【0057】
ステップS109において、燃料電池管理部42は、オンタンクバルブ2Aの閉要求情報を含む水素ガスの漏洩に関する警告情報を生成および記憶し、警告制御部44は生成された警告情報を運転席表示部5に出力して、ステップS110に進む。
【0058】
ステップS110において、燃料電池管理部42は、車両電源スイッチ4および開閉センサ3Bから取得した情報に基づいて、車両101の電源がオフ状態(車両電源オフ)かつリッド3Aが閉状態か否かを判定する。当該判定が真、すなわち車両101の電装品の電源がオフ状態かつリッド3Aが閉状態の場合、ステップS111に進む。当該判定が偽、車両101の電源がオン状態(車両電源オン)またはリッド3Aが開状態のいずれかに該当する場合、ステップS106に戻る。
【0059】
ステップS111において、燃料電池管理部42は水素検知センサ35とポンプ部34をオフ状態にして、当該ルーチンをリターンする。
【0060】
なお、当該ルーチンの途中で、制御部40がリッド3Aの閉情報を受信した場合は、制御部40は当該ルーチンを強制終了することができる。
【0061】
以上のように、第1実施形態に係る上記構成の車両101は、1つの水素検知ユニット131に複数の第1流路21を接続し、ポンプ部34を作動して、複数の場所から漏洩した水素ガスを含む可能性のある被検査空気を吸引することによって、水素検知ユニット131から物理的に距離のある場所の水素ガスの漏洩を速やかに検知することができる。また、水素検知センサ35の使用台数を減らすことが可能となり、水素検知器の設置コストを抑制することができる。すなわち、水素ガスの漏洩を速やかに検知すると共に、水素検知センサ35の使用を減らすことにより、設置コストを抑制することができる。水素ガス漏洩の監視対象である水素タンク2、燃料電池スタック14、および車室が大きく、また、それぞれ離れて配置される大型車両では、特に有効である。また、水素漏洩の監視の必要性が低いときには、水素検知センサ35およびポンプ部34をオフにすることで、これらの消費エネルギーコストを抑制することができる。また、水素ガスの漏洩があると判定された場合に、水素タンク2を閉とする要求情報を生成することで、水素漏洩の有無に応じて水素タンクの開閉を制御することができる
【0062】
<第2実施形態>
次に本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同じ構成要素については同じ符号を付して、詳しい説明を省略する。
【0063】
図5は、本発明の第2実施形態に係る燃料電池車両の要部及び配置を示す概略図である。図6は、第2実施形態に係る水素検知部の概略図である。
【0064】
図5に示す第2実施形態に係る車両201は、第1実施形態に係る車両101と同様、燃料電池車両である。車両201は、水素ガスの漏洩を検知する水素ガス検知システム208を備える。水素ガス検知システム208は、第1流路21と、水素検知ユニット231と、を備える。
【0065】
図6に示すように、第2実施形態の水素ガス検知システム208の水素検知ユニット231は、構成自体は第1実施形態の水素検知ユニット131と同じであるが、第2流路33が、燃料電池スタック14の排気流路51に連通している点が異なる。
【0066】
排気流路51は、燃料電池スタック14から排出された排気水素ガス(排気)を流通するための配管である。排気流路51は、軸方向の一部の長さに亘って径が小さく形成される絞り部52を有する。排気流路51には、燃料電池システム11が運転しているときに、排気が流れている。
【0067】
水素ガス検知システム208は、第2流路33と排気流路51とを連通する配管である第1連通部37を更に備える。第1連通部37の外径は、排気流路51の内径より小さい。また、第1連通部37は、逆流を防止するためのチェックバルブ38が介装されている。
【0068】
第1連通部37の上流端は、第2流路排出口36と接続する。第1連通部37の下流側は、排気流路51の絞り部52より上流側において、排気流路51の下側から排気流路51の外壁を貫通して排気流路51の内部に入り、絞り部52の上流側から下流側に向かって絞り部52と平行に配置される。第1連通部37の下流端は、絞り部52の下流端付近に配置される。このように、排気の流通する排気流路51の内部に第1連通部37の下流端を配置することで、ベルヌーイの法則により第1連通部37に負圧が発生し、第1連通部37の上流の第1流路21から被検査空気を吸引することができる。また、第1連通部37が、排気流路51の下側から排気流路55に向かうことで、排気流路51にエアポケットが形成されることを防ぎ、水素ガスを含む可能性のある被検査空気がエアポケットに滞留するのを防ぐことができる。
【0069】
第2実施形態の水素ガス検知システム208の制御構成と機能は、図3に示す第1実施形態の水素ガス検知システム108と同じである。
【0070】
図7は、第2実施形態に係る水素ガス検知処理のフローチャートである。以下本フローチャートに沿って制御部40が実行する水素ガス検知処理を説明する。当該ルーチンはリッド3Aが閉じた状態、かつ、水素検知センサ35がオフ状態でスタートする。
【0071】
ステップS201からステップS204は、第1実施形態の水素ガス検知処理のステップS101からステップS104と同様であるため説明を省略する。
【0072】
ステップS205において、情報取得部41は、燃料電池システム11から作動状態に関する情報を取得する。そして、判定部43は、燃料電池システム11がオン状態か否かを判定する。当該判定結果が真、すなわち燃料電池システム11がオン状態の場合、ステップS207に進む。一方、燃料電池システム11がオン状態でない、すなわちオフ状態の場合、ステップS206に進む。
【0073】
ステップS206において、すなわち燃料電池システム11の作動状態がオン状態でなくオフ状態の場合、燃料電池管理部42は、ポンプ部34を作動させてオン状態にし、ステップS209に進む。
【0074】
ステップS207において、すなわちステップS205において燃料電池システム11の作動状態がオン状態と判定された場合、判定部43は、ポンプ部34がオン状態か否かを判定する。当該判定結果が真、すなわちポンプ部34がオン状態の場合、ステップS208に進む。一方、当該判定結果が偽、すなわちポンプ部34がオン状態でなくオフ状態の場合、ステップS209に進む。
【0075】
ステップS208において、すなわちステップS207においてポンプ部34がオン状態と判定された場合、燃料電池管理部42は、ポンプ部34をオフ状態にし、ステップS209に進む。
【0076】
ステップS209からステップS214は、第1実施形態のステップS106からS111とそれぞれ同じであるため説明を省略する。
【0077】
なお、当該ルーチンの途中で、制御部40がリッド3Aの閉情報を受信した場合は、制御部40は当該ルーチンを強制終了することができる。
【0078】
以上のように、本実施形態に係る上記構成の車両201は、燃料電池システム11の運転中は、排気流路51を流れる排気の吸引効果によって、被検査空気が吸引される。そして、その間はポンプ部34の運転を停止することができるので、ポンプ部34の消費エネルギーを抑制することができる。
【0079】
<第3実施形態>
次に本発明の第3実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同じ構成要素については同じ符号を付して、詳しい説明を省略する。
【0080】
図8は、本発明の第3実施形態に係る燃料電池車両の要部及び配置を示す概略図である。図9は、第3実施形態に係る水素検知部の概略図である。
【0081】
図8に示す第3実施形態に係る車両301は、第1実施形態に係る車両101と同様、燃料電池車両である。車両301は、水素ガスの漏洩を検知する水素ガス検知システム308を備える。水素ガス検知システム308は、第1流路21と、水素検知ユニット331と、を備える。
【0082】
図9に示すように、第3実施形態の水素ガス検知システム308の水素検知ユニット331は、構成自体は第1実施形態の水素検知ユニット131と同じであるが、第2流路33が、燃料電池スタック14の吸気流路53に連通している点が異なる。
【0083】
吸気流路53は、燃料電池スタック14に取り込む空気を流通するための配管である。吸気流路53には、圧縮機17と、フィルタ54を収納するフィルタボックス55とが介装されている。
【0084】
水素ガス検知システム308は、第2流路33と吸気流路53とを連通する配管である第2連通部39を更に備える。第2連通部39の上流端は、第2流路排出口36と接続する。第2連通部39の下流側は、吸気流路53のフィルタボックス55の外壁を貫通してフィルタボックス55の内部に入る。第2連通部39の下流端は、フィルタボックス55内、すなわち、吸気流路53内に配置される。
【0085】
図10は、第3実施形態に係る水素ガス検知システムの制御ブロック図である。
【0086】
図10に示す第3実施形態の水素ガス検知システム308の制御構成及び機能は、図3に示す第1実施形態の水素ガス検知システム108の制御構成及び機能と比較して、制御部340が圧縮機17と通信可能に接続している点が異なっているが、その他の点では同じである。また、制御部340は、情報取得部341と、燃料電池取得部342と、判定部343と、警告制御部344と、を備える。
【0087】
第3実施形態の制御部340が、第1実施形態の制御部40と異なる点は下記2点である。1点目は、情報取得部341が、さらに、圧縮機17から、作動状態を示すオン情報又はオフ情報と、エラー情報と、を取得する点である。2点目は、燃料電池取得部342が、さらに、圧縮機17の作動状態、すなわちオン状態かオフ状態を監視(判定)している点である。それ以外の機能は第1実施形態の制御部40の各部と同様である。
【0088】
図12は、第3実施形態に係る水素ガス検知処理のフローである。以下本フローチャートに沿って制御部340が実行する水素ガス検知処理を説明する。当該ルーチンはリッド3Aが閉じた状態、かつ、水素検知センサ35がオフ状態でスタートする。
【0089】
ステップS301からステップS304は、第1実施形態の水素ガス検知処理のステップS101からステップS104と同様であるため説明を省略する。
【0090】
ステップS305において、情報取得部41は、圧縮機17から作動状態に関する情報を取得する。そして、判定部43は、圧縮機17がオン状態か否かを判定する。当該判定結果が真、すなわち圧縮機17がオン状態の場合、ステップS307に進む。一方、圧縮機17がオン状態でない、すなわちオフ状態の場合、ステップS306に進む。
【0091】
ステップS306において、すなわち圧縮機17の作動状態がオン状態でなくオフ状態の場合、燃料電池管理部42は、ポンプ部34を作動させてオン状態にし、ステップS309に進む。
【0092】
ステップS307において、すなわちステップS305において圧縮機17の作動状態がオン状態と判定された場合、判定部43は、ポンプ部34がオン状態か否かを判定する。当該判定結果が真、すなわちポンプ部34がオン状態の場合、ステップS308に進む。一方、当該判定結果が偽、すなわちポンプ部34がオン状態でなくオフ状態の場合、ステップS309に進む。
【0093】
ステップS308において、すなわちステップS307においてポンプ部34がオン状態と判定された場合、燃料電池管理部42は、ポンプ部34をオフ状態にし、ステップS309に進む。
【0094】
ステップS309からステップS314は、第1実施形態のステップS106からS111とそれぞれ同じであるため説明を省略する。
【0095】
なお、当該ルーチンの途中で、制御部340がリッド3Aの閉情報を受信した場合は、制御部340は当該ルーチンを強制終了することができる。
【0096】
以上のように、本実施形態に係る車両301は、圧縮機17の運転中は、吸気流路53を流れる吸気の吸引効果によって、被検査空気が吸引される。そして、その間はポンプ部34の運転を停止することができるので、ポンプ部34の消費エネルギーを抑制することができる。
【0097】
以上で本発明に係る第1実施形態から第3実施形態の車両101、201、301についての説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。
【0098】
図12は、各実施形態に係る燃料電池車両の要部とその配置の変型例を示す図である。例えば、上記各実施形態において、車両101、201、301は、第1流路21と水素検知ユニット131、231、331との組み合わせを1組搭載していたが、図5に示すように、第1流路21と水素検知ユニット131、231、331との組み合わせを複数組搭載してもよい。具体的には、車室と燃料電池スタック14を監視するために1組、右の水素タンク2を監視するために1組、左の水素タンク2を監視するために1組、の計3組を搭載してもよい。これにより、車両101、201、301のどの場所で水素ガスの漏洩が発生したのかを識別できる。また、図5に示すように、第1流路21は、上流側の先端だけでなく、両端の中間に間隔をあけて、複数の吸気口22を有していてもよい。これにより、水素漏洩の監視対象である燃料電池スタック14や水素タンク2が大型化しやすい大型車両では、1つの第1流路21で、車室内の複数の箇所、燃料電池スタック14の複数の箇所、水素タンク2の複数の箇所に対し、1つの第1流路21でカバーすることができる。
【0099】
また、マニホールド32の各接続口32A、又は、各第1流路に、開閉バルブ等の流路の流通遮断手段を設け、被検査空気を吸気する1つの流路を選択的に一定時間毎に変更する輪番監視を行ってもよい。これにより、水素漏洩のある場所を特定することができる。
【符号の説明】
【0100】
101、201、301 :車両
108、208、308 :水素ガス検知システム
131、231、331 :水素検知ユニット
2 :水素タンク
2A :オンタンクバルブ
3 :水素ガス充填部
3A :リッド
3B :開閉センサ
4 :車両電源スイッチ
5 :運転席表示部
6 :低電圧バッテリ
11 :燃料電池システム
12 :駆動用モータ
13 :電動アスクル
14 :燃料電池スタック
15 :補機群
16 :高電圧バッテリ
17 :圧縮機(空気圧縮部)
21(21A~21H) :第1流路
22(22A~22H) :吸気口
32 :マニホールド(集合部)
32A :接続口
32B :接続口
33 :第2流路
34 :ポンプ部
35 :水素検知センサ(水素検知部)
36 :第2流路排出口
37 :第1連通部
38 :チェックバルブ
39 :第2連通部
40、340 :制御部
413、341 :情報取得部
42、342 :燃料電池管理部
43、343 :判定部
44、344 :警告制御部
51 :排気流路
52 :絞り部
53 :吸気流路
54 :フィルタ
55 :フィルタボックス


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12