IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トヨタ自動車東日本株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-チェーン給油装置 図1
  • 特開-チェーン給油装置 図2
  • 特開-チェーン給油装置 図3
  • 特開-チェーン給油装置 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083874
(43)【公開日】2024-06-24
(54)【発明の名称】チェーン給油装置
(51)【国際特許分類】
   F04B 9/02 20060101AFI20240617BHJP
   F16H 7/06 20060101ALI20240617BHJP
   F16G 13/02 20060101ALI20240617BHJP
   F16N 7/36 20060101ALI20240617BHJP
【FI】
F04B9/02 C
F16H7/06
F16G13/02 B
F16N7/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197936
(22)【出願日】2022-12-12
(71)【出願人】
【識別番号】000157083
【氏名又は名称】トヨタ自動車東日本株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100131026
【弁理士】
【氏名又は名称】藤木 博
(74)【代理人】
【識別番号】100194124
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 まゆみ
(72)【発明者】
【氏名】山田 仁
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 実
(72)【発明者】
【氏名】石井 光太郎
(72)【発明者】
【氏名】須田 立樹
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 教世
(72)【発明者】
【氏名】宮林 大地
【テーマコード(参考)】
3H075
3J049
【Fターム(参考)】
3H075AA02
3H075BB03
3H075CC15
3H075DA03
3H075DA04
3H075DA30
3H075DB23
3J049AA08
3J049BH11
3J049BH20
(57)【要約】
【課題】簡単な構造で、チェーンサイズおよびチェーン速度に関係なく給油することができるチェーン給油装置を提供する。
【解決手段】チェーン給油装置10は、チェーンスプロケット23と連動して回転するカム11と、カム11の回転に応じてピストン12が往復移動し、ピストン12の移動に伴いオイルを吸引し、又は、オイルを突出するシリンダー13と、シリンダー13にオイルを供給するオイルタンク18と、シリンダー13から吐出されたオイルをチェーン21に供給する供給部19とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チェーンに回転運動を伝達するチェーンスプロケットと連動して回転するカムと、
前記カムの回転に応じてピストンが往復移動し、ピストンの移動に伴いオイルを吸引し、又は、オイルを突出するシリンダーと、
前記シリンダーにオイルを供給するオイルタンクと、
前記シリンダーから吐出されたオイルをチェーンに供給する供給部と
を備えたことを特徴とするチェーン給油装置。
【請求項2】
前記カムは、カム本体の外周に、ローラーよりなるカム山を回転可能に配設したことを特徴とする請求項1記載のチェーン給油装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チェーンに給油を行う給油装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、チェーンに自動的に給油を行う給油装置が知られている。例えば、特許文献1には、チェーンローラーを乗り越える度にチェッカーアームが押し上げられ、根元のカムが回転することでカムを押圧しているプランジャが往復動し、シリンダー内へオイルの吸引及び吐出を繰り返すチェーン給油装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許3830002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のチェーン給油装置は、チェッカーアームの構造が精密で高価であるという問題があった。また、使用できるチェーンサイズが限られており、使用できないチェーンサイズがあることや、給油間隔がチェーンローラーの間隔となるので給油間隔を変えることができないこと、更に、チェーン速度が速すぎると、チェッカーアームが戻る前に次のチェーンローラーに押し上げられたままとなり、給油することができない場合があるという問題があった。加えて、チェッカーアームが戻る際に、毎回チェーンローラーと衝突するため、チェッカーアームだけでなく、チェーン本体の劣化にも影響を与えてしまうという問題もあった。
【0005】
本発明は、このような問題に基づきなされたものであり、簡単な構造で、チェーンサイズおよびチェーン速度に関係なく給油することができるチェーン給油装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のチェーン給油装置は、チェーンに回転運動を伝達するチェーンスプロケットと連動して回転するカムと、カムの回転に応じてピストンが往復移動し、ピストンの移動に伴いオイルを吸引し、又は、オイルを突出するシリンダーと、シリンダーにオイルを供給するオイルタンクと、シリンダーから吐出されたオイルをチェーンに供給する供給部とを備えたものである。
【0007】
このチェーン給油装置では、チェーンスプロケットと連動してカムが回転し、カムの回転に応じてピストンが往復移動して、シリンダーの内部にオイルが吸引され、又は、シリンダーの内部からオイルが吐出される。これにより、供給部からチェーンにオイルが供給される。
【発明の効果】
【0008】
本発明のチェーン給油装置によれば、チェーンスプロケットに連動するカムによりピストンを往復移動させるようにしたので、簡単な構造で、かつ、チェーンサイズおよびチェーン速度に関係なく、チェーンに給油することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施の形態に係るチェーン給油装置の構成を表す図である。
図2図1に示したチェーン給油装置の動きを表す図である。
図3図2に続く動きを表す図である。
図4図3に続く動きを表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施の形態に係るチェーン給油装置10の構成を表すものである。図2から図4は、図1に示したチェーン給油装置10の動きを表すものである。このチェーン給油装置10は、例えば、チェーン21に給油を行うものであり、チェーン21に回転運動を伝達するチェーンスプロケット22と連動して回転するカム11と、カム11の回転に応じてピストン12が往復移動し、ピストン12の移動に伴い内部にオイルを吸引し、又は、内部からオイルを突出するシリンダー13とを備えている。
【0012】
カム11は、例えば、チェーンスプロケット22と同一軸上に形成することにより、チェーンスプロケット22と連動して回転するように構成されている。なお、カム11は、チェーンスプロケット22と連動するように構成されていれば同一軸上に形成されていなくてもよく、例えば、チェーンスプロケット22の回転軸と、カム11の回転軸との間に、これらを連動させる歯車などの連動機構が設けられていてもよい。また、連動させる歯車の歯数を変えることで、カム11の回転速度を変えることもできる。
【0013】
カム11は、例えば、カム本体11aの外周に、カム山11bとしてローラーがカム本体11aの回転方向に回転可能に配設されていることが好ましい。カム11の回転に応じてピストン12を往復移動させる際に、カム山11bと後述する押圧板15との摩擦を低減するためである。カム本体11aは、例えば、円柱状又は円板状であり、カム山11bは、例えば、ローラーのローラー回転軸をカム本体11aに固定して配設されている。
【0014】
ピストン12は、シリンダー13の内部に移動可能に配設されている。ピストン12には、例えば、ピストンロッド14がシリンダー13から突出するように設けられている。ピストンロッド14の先端には、カム11により押圧される押圧板15が設けられている。また、ピストン12は、例えば、付勢部材16によりカム11の側に移動する方向に付勢されている。これにより、ピストン12は、カム11の回転に応じて、押圧板15がカム山11bに接触する場合には、カム山11bに押されてカム11と反対側に移動し、押圧板15がカム本体11aに接触する場合には、付勢部材16に押されてカム11の側に移動するようになっている。付勢部材16は、例えば、シリンダー13と押圧板15との間に配設され、押圧板15をカム11の側に付勢するばね等により構成されていることが好ましい。
【0015】
シリンダー13には、また、第1オイル供給管17aを介して、シリンダー13にオイルを供給するオイルタンク18が接続されている。第1オイル供給管17aは、シリンダー13に対し、ピストン12のカム11の側に接続されてもよく、また、反対側に接続されてもよい。なお、図1に示した例では、ピストン12のカム11の側に接続されている。第1オイル供給管17aには、オイルがシリンダー13からオイルタンク18の側に逆流することを防止する第1逆止弁17bが設けられていることが好ましい。
【0016】
シリンダー13には、更に、第2オイル供給管17cを介して、シリンダー13から吐出されたオイルをチェーン21に供給する供給部19が接続されている。第2オイル供給管17cは、シリンダー13に対し、ピストン12の第1オイル供給管17aが接続されている側に接続されている。第2オイル供給管17cには、オイルが供給部19からシリンダー13の側に逆流することを防止する第2逆止弁17dが設けられていることが好ましい。第1オイル供給管17aと第2オイル供給管17cとは、例えば、シリンダー13の側の一部が共通とされていてもよい。供給部19は、例えば、流量調整弁を有していることが好ましい。
【0017】
このチェーン給油装置10は、例えば、次のように動作する。まず、チェーン21に給油する際には、オイルタンク18にオイルを供給する。次いで、チェーンスプロケット22を回転させ、チェーン21を移動させる。また、チェーンスプロケット22の回転に連動してカム11が回転し、カム11の回転に応じてカム山11bが押圧板15まで移動してくると(図2参照)、更にカム11が回転することによりカム山11bが押圧板15を押し、押圧板15と共に、ピストンロッド14及びピストン12がカム11から離れる方向に移動する(図3参照)。これにより、例えば、シリンダー13の内部にオイルタンク18からオイルが吸引される。
【0018】
更に、チェーンスプロケット22が回転し、連動してカム11が回転してカム山11bが押圧板15を通り過ぎると、押圧板15は付勢部材16によりカム11の方に押され、押圧板15と共に、ピストンロッド14及びピストン12がカム11に近づく方向に移動する(図4参照)。これにより、例えば、シリンダー13の内部からオイルが吐出され、供給部19からチェーン22にオイルが供給される。これを繰り返すことにより、チェーン22を移動させながら、チェーン22にオイルが自動的に供給される。なお、オイルタンク18に供給したオイルがなくなると、チェーン22への給油が終了する。
【0019】
このように本実施の形態によれば、チェーンスプロケット22に連動するカム11によりピストン12を往復移動させるようにしたので、簡単な構造で、かつ、チェーンサイズおよびチェーン速度に関係なく、チェーン21に給油することができる。
【0020】
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態では、各構成要素について具体的に説明したが、各構成要素の具体的な構造や形状は異なっていてもよく、また、上述した構成要素を全て備えていなくてもよく、他の構成要素を備えていてもよい。
【0021】
また、上記実施の形態では、第1オイル供給管17a及び第2オイル供給管17bをシリンダー13に対しピストン12のカム11の側に接続する場合について説明したが、ピストン12のカム11と反対側に接続する場合には次のように動作する。例えば、カム11が回転し、カム本体11aと押圧板15が接触して付勢部材16により押圧板15がカム11の方に押圧されると、シリンダー13の内部にオイルタンク18からオイルが吸引され、カム山11bと押圧板15が接触してカム山11bにより押圧板15がカム11と反対側に押圧されると、シリンダー13からオイルが吐出され、供給部19からチェーン22にオイルが供給される。
【0022】
更に、上記実施の形態では、チェーン22に給油する際には、オイルタンク18にオイルを供給し、オイルタンク18に供給したオイルがなくなると給油を終了する場合について説明したが、例えば、シリンダー13、ピストン12、ピストンロッド14、及び、押圧板15を一体として移動可能とし、チェーン22に給油する際には、押圧板15をカム11に当接させ、給油しないときには、押圧板15をカム11から離間させて当接しないように構成してもよい。
【符号の説明】
【0023】
10…チェーン給油装置、11…カム、11a…カム本体、11b…カム山、12…ピストン、13…シリンダー、14…ピストンロッド、15…押圧板、16…付勢部材、17a…第1オイル供給管、17b…第1逆止弁、17c…第2オイル供給管、17d…第2逆止弁、18…オイルタンク、19…供給部、21…チェーン、22…チェーンスプロケット
図1
図2
図3
図4