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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083880
(43)【公開日】2024-06-24
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240617BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197954
(22)【出願日】2022-12-12
(71)【出願人】
【識別番号】308019922
【氏名又は名称】株式会社レスキューナウ
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(72)【発明者】
【氏名】朝倉 一昌
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】イベント情報が予め定められている条件を満たすことを契機にして第1送信先にアンケートの送信が行われる場合に第2送信先にアンケート以外の情報を送信するときの負担軽減を図る。
【解決手段】震度5弱の地震が発生したことの情報取得(ステップ301)を契機に第1アンケートを作成し(ステップ302)、第1特定者に送信する(ステップ303)。第1アンケートが作成又は送信されるタイミングで、第2特定者である部材調達先に送信(ステップ304)するアンケートであって第1アンケートとは異なるアンケートである施設稼働状況確認用アンケート及び/又は第2特定者である取引先に送信(ステップ304)するお知らせであって当該第1アンケートとは異なるお知らせを作成する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イベント情報が予め定められている条件を満たすことを契機に第1送信先に送信する第1アンケートを作成する第1作成手段と、
前記第1アンケートが作成又は送信される場合、第2送信先に送信するアンケートであって当該第1アンケートとは異なるアンケートである第2アンケート及び/又は当該第2送信先に送信する通知であって当該第1アンケートとは異なる通知を作成する第2作成手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記第2送信先を示す情報と前記第2アンケート又は前記通知の内容を指定する情報とを受け付ける受付手段をさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記受付手段による前記情報の受付は、前記第1アンケートの作成又は送信の後である、ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記条件は、前記イベント情報の各々に対応付けられる複数の属性を用いた条件である、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
情報処理装置に、
イベント情報が予め定められている条件を満たすことを契機に第1送信先に送信する第1アンケートを作成する第1作成機能と、
前記第1アンケートが作成又は送信される場合、第2送信先に送信するアンケートであって当該第1アンケートとは異なるアンケートである第2アンケート及び/又は当該第2送信先に送信する通知であって当該第1アンケートとは異なる通知を作成する第2作成機能と、
を実現させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
安否確認調査票等のアンケートを送信する種々のシステムがある。特許文献1に記載の従来技術は、情報処理装置との間の対話を制御する対話制御部と、情報処理装置を有する社員の危機状況における役割に対し、提示する対話と提示条件とが関連付けられた対話情報を記憶する記憶部と、を備え、対話制御部は、ある役割を有する社員の入力操作に係る情報を取得すると、対話情報において入力操作に係る提示条件と関連する対話として、危機状況での所定の行動指示を所定の役割を有する社員に提示する対話制御装置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-189517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、地震等のイベントが発生した場合に管理者がイベントに応じてアンケートを送信する第1送信先を個別に定め、定めた第1送信先の各々に例えば安否確認のアンケート送信が行われるシステムにおいて、他の送信先である第2送信先との意思疎通を図るためイベント発生に伴う事項を送信したいと管理者が考える場合に、管理者の負担軽減を図ることが困難である。また、管理者がイベント情報に対して予め定めておいた条件を満たす第1送信先及び第2送信先の各々にイベント発生を契機にアンケートの送信が行われるシステムでは、管理者の負担軽減が図られる一方で、発生したイベントに応じた第2送信先への送信が過不足なく行われるように条件を予め定めておくことは困難である。
本発明は、イベント情報が予め定められている条件を満たすことを契機にして第1送信先にアンケートの送信が行われる場合に第2送信先に当該アンケート以外の情報を送信するときの負担軽減を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成する本発明の情報処理装置は、イベント情報が予め定められている条件を満たすことを契機に第1送信先に送信する第1アンケートを作成する第1作成手段と、前記第1アンケートが作成又は送信される場合、第2送信先に送信するアンケートであって当該第1アンケートとは異なるアンケートである第2アンケート及び/又は当該第2送信先に送信する通知であって当該第1アンケートとは異なる通知を作成する第2作成手段と、を備える。
より好ましくは、前記第2送信先を示す情報と前記第2アンケート又は前記通知の内容を指定する情報とを受け付ける受付手段をさらに備える、ことを特徴とする。前記受付手段による前記情報の受付は、前記第1アンケートの作成又は送信の後である場合でよい。
また、前記条件は、前記イベント情報の各々に対応付けられる複数の属性を用いた条件である、ことを特徴とする。
上記の目的を達成する他の本発明のプログラムは、情報処理装置に、イベント情報が予め定められている条件を満たすことを契機に第1送信先に送信する第1アンケートを作成する第1作成機能と、前記第1アンケートが作成又は送信される場合、第2送信先に送信するアンケートであって当該第1アンケートとは異なるアンケートである第2アンケート及び/又は当該第2送信先に送信する通知であって当該第1アンケートとは異なる通知を作成する第2作成機能と、を実現させる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、イベント情報が予め定められている条件を満たすことを契機にして第1送信先にアンケートの送信が行われる場合に第2送信先に当該アンケート以外の情報を送信するときの負担軽減を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施の形態によるアンケートシステムの構成例を示す図である。
図2】管理者端末装置の機能構成を示す図である。
図3】アンケート実施サーバの機能構成を示す図である。
図4】イベント情報である地震発生に伴いアンケート実施サーバが取得する情報を説明する図であり、(a)、(b)及び(c)を時系列に示す。
図5】アンケート実施サーバの属性管理部においてイベント情報の属性を管理する処理手順例を示すフローチャートである。
図6】地震発生前後に取得した各種の情報を種類ごとに区分けされた例を示す図である。
図7】イベント情報の断面情報を説明する図であり、(a)は、地震発生から60分後の時点、(b)は、地震発生から120分後の時点を示す。
図8】アンケートシステムの本実施の形態における処理手順例を示すフローチャートである。
図9】地震発生に伴うアンケート実施を行う具体例を説明する図である。
図10】特定者に送信されるアンケート等を説明する図であり、(a)は従業員に送信されるアンケート、(b)は取引先に送信される通知、(c)は部材調達先に送信されるアンケートを示す。
図11】地震発生に伴うアンケート実施を行う変形例を説明する図であり、(a)はステップ301を説明する図であり、(b)は条件1により起動する場合、(c)は条件2により起動する場合を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<システム構成>
図1は、本実施の形態によるアンケートシステム10の構成例を示す図である。
かかるアンケートシステム10は、例えば災害発生等の予め設定されている条件であるアンケート実施条件を満たすと、アンケート実施条件に応じたアンケートを実施する。すなわち、アンケートシステム10は、災害や事故等のイベントが発生すると、予め定められている従業員(アンケート実施対象者)のうち災害や事故に直面している可能性のある被災者ないし被害者(以下、第1特定者という)に対する被災状況に関するアンケートを作成し、その第1特定者に送信する。アンケートの回答を受信すると、その所属先である会社に送信する。
【0009】
このようなアンケートシステム10は、情報取得装置100と、管理者端末装置200と、アンケート実施サーバ300と、第1端末装置400と、第2端末装置500と、を備える。情報取得装置100とアンケート実施サーバ300、管理者端末装置200とアンケート実施サーバ300、第1端末装置400とアンケート実施サーバ300、第2端末装置500とアンケート実施サーバ300とは、それぞれネットワーク600を介して接続されている。
【0010】
ここにいう管理者端末装置200は、例えば会社等の組織において安否確認を行う管理者が使用する端末である。ここにいう管理者は、例えば総務部の防災担当者である。
また、第1端末装置400は、管理者により管理される会社員ないし従業員(以下、従業員という)である第1特定者が使用する端末である。さらに、第2端末装置500は、管理者が属する会社の外部関係者である第2特定者が使用する端末である。
【0011】
ネットワーク600は、各装置の間のデータ通信に用いられる通信ネットワークであれば、その種類は特に限定されず、例えばLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット等として良い。データ通信に用いられる通信回線は、有線か無線かを問わず、これらを併用しても良い。また、ゲートウェイ装置やルータ等の中継装置を用い、複数のネットワークや通信回線を介して各装置を接続するように構成しても良い。
【0012】
なお、図1に示す構成例では情報取得装置100が直接、ネットワーク600を介してアンケート実施サーバ300と接続されているが、いわゆるエッジサーバ等の中継サーバを介在させ、この中継サーバにより各情報取得装置100で取得した情報を収集し、アンケート実施サーバ300に送信する構成としても良い。この場合、検知しようとする事象に関連する位置情報を中継サーバに保持しておき、中継サーバが、情報取得装置100により取得した情報と共に、アンケート実施サーバ300へ送信するようにしても良い。
【0013】
<情報取得装置の構成>
情報取得装置100は、アンケート実施サーバ300がアンケート実施を行うのに必要な情報を取得する装置である。
すなわち、情報取得装置100は、ネットワーク600を介して接続されている他のサーバの情報を検索し、検索結果の情報を取得する。気象災害、地震、噴火等の自然災害が発生した場合を説明すると、例えば、気象庁のサイトで新たな気象災害情報が掲載されたときには、地震情報や津波情報、気象情報等として掲載情報を取得する。また、列車事故、航空事故等の人為的災害が発生した場合を説明すると、鉄道会社のサイトで鉄道情報が更新されたりしたときは、交通情報として掲載情報を取得する。
なお、かかる掲載情報には、災害の種類や程度、災害発生の場所や時間を示す情報が含まれる。
【0014】
情報取得装置100は、各種のセンサ、カメラ、マイクロフォン等の機器が接続され、災害に関して予め定められた特定の事象が発生したかどうかを判断するための情報を取得するようにしてもよい。また、情報取得装置100は、例えばSNSでトレンド分析により急上昇した情報を、事件事故の情報等として取得するようにしてもよい。
なお、このように情報取得装置100により取得された各種の情報を以下「イベント情報」という。
【0015】
<管理者端末装置の構成>
図2は、管理者端末装置200の機能構成を示す図である。
図2に示すように、管理者端末装置200は、送受信部201と、条件指示部202と、追加情報指定部203と、表示部204とを備える。
【0016】
送受信部201は、ネットワーク600を介して情報取得装置100、アンケート実施サーバ300、第1端末装置400及び第2端末装置500と接続し、データ交換を行うネットワーク・インターフェイスである。送受信部201は、アンケート実施サーバ300によるアンケートの実施を行うことになる条件を送信し、実施されたアンケートの回答についての報告データを受信する。
【0017】
条件指示部202は、情報取得装置100によりイベント情報が取得された場合にアンケートの実施を行うかどうかを判断するための条件をユーザが指定する機能を有し、ユーザによる入力を受け付ける。さらに説明すると、条件指示部202により指定された条件は、その後に取得したイベント情報に対して適用され、従業員に対するアンケートの実施を行うかどうかの判断が行われる。
条件は、後述するように、地域、程度、種類及び時間等の属性を示す情報を組み合わせて複数の要素を含むものとすることができる。条件は、予め定められている条件の一例である。
【0018】
追加情報指定部203は、従業員以外の者である外部関係者、例えば取引先や部材調達先に対するアンケートの実施を行うことをユーザが指定する機能を有し、ユーザによる入力を追加情報として受け付ける。また、追加情報指定部203は、外部関係者に対して発生したイベントに対する会社の状況を知らせる通知を行う通知先をユーザが指定する機能を有し、ユーザによる入力を追加情報として受け付ける。
追加情報とは、第2特定者として、追加アンケートを行う外部関係者やお知らせないし通知を送信する外部関係者を示す情報をいう。
【0019】
表示部204は、アンケート実施サーバ300から送信されたアンケートの実施結果を表示する。また、表示部204は、従業員に対するアンケートの実施が行われることを表示するようにしてもよい。表示部204の表示により、管理者は、必要に応じて、追加情報指定部203に指定することができる。
【0020】
<端末装置の構成>
ここで、管理者端末装置200、第1端末装置400及び第2端末装置500(図1参照)は、例えば、ネットワーク600に接続可能なパーソナル・コンピュータ(PC)、いわゆるタブレット型端末装置、スマートフォン、その他の情報端末装置により実現される。なお、管理者端末装置200、第1端末装置400及び第2端末装置500は、ネットワーク600に単数が接続されているが、各々を複数台としてもよい。
なお、各端末装置200、400、500は、表示制御部(不図示)の制御により各種の画面を表示するものであり、例えば、液晶ディスプレイ等で実現される。また、例えばキーボードやマウス、タッチパネル等のユーザが操作するための操作デバイスを備える。
【0021】
<アンケート実施サーバの構成>
アンケート実施サーバ300は、情報取得装置100から取得したイベント情報に応じてアンケートの実施を行うサーバであり、取得した情報を基に、アンケートの内容や送信先を特定することでアンケートを作成する。また、アンケート実施サーバ300は、特定者からのアンケートの回答を受信すると、その回答を、特定者が属する会社に転送報告する。
【0022】
図3は、アンケート実施サーバ300の機能構成を示す図である。
アンケート実施サーバ300は、送受信部301と、条件取得部302と、追加情報受付部303と、属性管理部304と、第1特定者抽出部305と、アンケートデータ作成部306と、追加データ作成部307とを備える。
【0023】
送受信部301は、ネットワーク600を介して情報取得装置100、管理者端末装置200、第1端末装置400及び第2端末装置500と接続し、データ交換を行うネットワーク・インターフェイスである。送受信部301は、情報取得装置100から情報を受信し、第1端末装置400へのアンケートを送信し、そのアンケート回答を受信する。また、送受信部301は、情報取得装置100から情報を受信し、第2端末装置500へのアンケート等を送信し、アンケート回答があればそれを受信する。また、送受信部301は、アンケート回答を管理者端末装置200に送信する。
第1端末装置400は第1送信先の一例であり、第2端末装置500は第2送信先の一例である。
【0024】
条件取得部302は、管理者端末装置200から送信された条件を取得し、記憶する。かかる条件は、イベント情報の取得を契機に安否確認用のアンケートを実施するかどうかを判断するのに用いられ、また、アンケートの送信先として第1特定者を抽出するのに用いられる。
【0025】
追加情報受付部303は、管理者端末装置200から送信された追加情報を取得し、記憶する。追加情報受付部303は、受付手段の一例である。追加情報としては、ユーザにより指定された例えば第2送信先を示す情報や第2アンケート又は通知の内容を指定する情報である。すなわち、第2アンケートや通知の作成・送信(図8のステップ221参照)は、ユーザの指示に応じて行われる。
【0026】
属性管理部304は、情報取得装置100から取得した情報の各々について属性を管理設定する。すなわち、設定された属性の情報である属性情報は、ユーザが情報を絞りたい場合に用いる複数の要素であり、組み合わせにより絞り込みを行うことが可能である。
具体的には、かかる属性は、イベント情報の取得を契機に安否確認用のアンケートを実施するかどうかを判断するのに用いられ、また、アンケートの送信先として第1特定者を抽出するのに用いられる。
【0027】
なお、本実施の形態では、属性管理部304をアンケート実施サーバ300が備える構成を採用するが、これに限られない。すなわち、アンケート実施サーバ300が属性管理部304を備える代わりに、情報取得装置100が備えてもよい。また、属性管理部304を、情報取得装置100及びアンケート実施サーバ300のそれぞれが備える構成を採用してもよい。
【0028】
第1特定者抽出部305は、情報取得装置100から取得したイベント情報を基に、アンケートを実施する従業員(第1特定者)を抽出する第1特定者抽出処理を行う。かかる第1特定者抽出処理は、例えば、イベント情報を解析することで、発生した災害等で影響を受ける地域を定め、その地域に在住ないし在勤の者を特定することで、災害や事故に直面している可能性のある特定者を抽出する。
【0029】
第1特定者抽出部305による第1特定者抽出処理は、管理者端末装置200や第1端末装置400から送受信部301を介して取得した情報を基にアンケート実施対象者の情報が更新されるデータベースを用いて行われる。
【0030】
特定者抽出部305による第1特定者抽出処理としてはこれに限られない。他の第1特定者抽出処理としては、イベント情報を解析することで、アンケートを実施すべきかどうかを決定するための条件であるアンケート実施条件を具備するかどうかを判断し、アンケート実施条件を具備する場合、アンケートを実施する第1特定者を抽出する。例えば、地震が発生した場合、マグニチュードや最大震度が予め定められている値以上であることがアンケート実施条件であり、アンケート実施条件を具備する場合に特定者を抽出する一方で、具備しない場合には特定者を抽出しない。
【0031】
また、他の第1特定者抽出処理として、情報取得装置100から取得したイベント情報による情報から特定者を直接抽出してもよい。すなわち、アンケート実施対象者の群に含まれる者の各々に対して個別にアンケート実施条件が予め設定され、イベント情報の解析により得た情報により第1特定者を抽出する。したがって、第1特定者抽出処理を行っても、第1特定者が抽出されない場合がある。
【0032】
アンケートデータ作成部306は、例えば安否確認のための第1特定者に対するアンケートデータを作成する。アンケートデータの文面は、予め定められているものから選択される。例えばイベントの種類ごとに定型文が予め定められていてもよい。なお、アンケートデータの文面をイベント情報の解析により得た情報を用いて文書をプログラムにより作成してもよい。
なお、アンケートデータの文面は、回答し易いように選択肢を提示する形式であってもよく、また、自由記述の形式であってもよく、両者が含まれる形式であってもよい。
【0033】
また、アンケートデータ作成部306は、第1特定者の送信先をアンケート宛先情報として管理し、第1特定者に対応する送信先をアンケートデータに含ませて作成する。アンケート宛先情報は、所属会社の端末である管理者端末装置200から取得してもよく、また、アンケートを回答する第1端末装置400から取得してもよい。
アンケートデータは、メールの文面にアンケートを表示する形式の他、メール文面に、クリックすることでサーバ装置(不図示)にアクセスしてアンケートを見ることができるURL(Uniform Resource Locator)を表示する形式であってもよい。
【0034】
追加データ作成部307は、第2特定者に対するアンケートデータを作成する。また、追加データ作成部307は、かかるアンケートデータの代わりに又はアンケートデータと共に第2特定者に対する通知データを作成してもよい。このようなデータについては、上述したアンケートデータ作成部306の場合と同様に、予め定められているものから選択される等の処理によってもよい。
【0035】
ここで、追加データ作成部307により作成されるアンケートデータや通知データは、アンケートデータ作成部306により作成されるアンケートデータとは異なる。すなわち、目的を異にする。より詳細には、追加データ作成部307により作成されるアンケートデータや通知データは、イベントによる自社の影響を外部関係者に知らせたりイベントによる施設可動状況を部材調達先に問い合わせたりするものである点で、アンケートデータ作成部306により作成される安否確認用のアンケートデータとは異なる。
このように、互いに異なるアンケートは、上述したように、その目的が異なることから、内容も異なるものである。
【0036】
アンケートデータ作成部306は、第1作成手段の一例であり、アンケートデータ作成部306により作成される第1特定者に対するアンケートは、第1アンケートの一例である。
追加データ作成部307は第2作成手段の一例であり、追加データ作成部307により作成される第2特定者に対するアンケートは、第2アンケートの一例であり、第2特定者に対する通知は、通知の一例である。
【0037】
なお、上述したアンケート実施サーバ300の機能構成は、演算装置であるCPU(Central Processing Unit)と、CPUが実行するプログラムを格納したROM(Read Only Memory)と、作業メモリとして用いられるRAM(Random Access Memory)とを備えて構成される制御部により実現される。
【0038】
<イベント情報>
ここで、情報取得装置100からアンケート実施サーバ300に送信されるイベント情報には、イベントの種類、時間、地域、程度等を示す情報が含まれている。例えば、地震が発生した場合のイベント情報には、イベントの種類として地震が発生したことを示す情報、イベントの時間として発生時刻を示す情報、イベントの地域として震源地を示す情報が含まれる。さらに、イベント情報には、イベントの程度として、マグニチュード及び震源の深さを示す情報のほか、各地の震度を示す情報が含まれる。
地震により影響を受ける地域を定める方法として、予め定められている値以上の震度が観測された地域に応じて定めるやり方を採用してもよく、また、震源地、マグニチュード及び震源の深さ等を基にして定めるやり方を採用してもよい。
【0039】
さらに説明すると、属性管理部304が管理設定を行うイベント情報の属性には、複数の要素として、取得した情報についての地域(area)を示す情報、程度(level)を示す情報、種類(category)を示す情報及び時間(time)を示す情報の一部または全部が含まれ、さらに、これらの情報以外の他の情報を含ませることができる。
【0040】
地域を示す情報とは、取得した情報がいずれの地域についてのものであるかを特定するための情報をいい、地理的範囲(district)を特定するものである。程度を示す情報とは、予め定められている複数の段階のいずれかを特定するための情報をいい、緊急度ないし深刻度、重要度等(level)を特定するものである。種類を示す情報とは、予め定められているカテゴリーのいずれに属するかを示す情報をいい、時間を示す情報とは、いつの時点の状況であるかを示す情報をいう。また、他の情報とは、取得した情報に応じて設定することが許容される。
【0041】
その一例を示すと、地震が発生したという情報を取得した場合、地域を示す情報として、震源地の位置や震度が検知された地域等が含まれ、程度を示す情報として、地震の規模を示すマグニチュードや、地域ごとの揺れの大きさを示す震度が含まれる。そして、種類を示す情報は、地震であり、時間を示す情報は、地震発生の時刻である。また、他の情報としては、例えば地震による津波の可能性があること等である。
【0042】
属性は、取得した情報を分析したり、情報の取得元や取得の状況を検知したりすることで、設定される。より詳細には、属性管理部304は、取得した情報から抽出した情報を属性情報として設定したり、オペレータにより入力された情報が属性情報として設定されたりする。
【0043】
属性情報の一例を説明すると、取得した情報が、山手線で運転見合わせをしているという鉄道の運行状況を表す情報である場合、地域を示す情報として「山手線」、程度を示す情報として最も軽い「1」から最も重大な「5」のうち例えば「4」、種類を示す情報として「鉄道情報」、時間を示す情報として「2021年9月9日15時48分」である。そして、この場合の他の情報としては、例えば「人身事故」とする。
他の情報は一つに限らず、複数としてもよい。複数にすることで、検索精度を高めることができる。例えば、上述の例では、他の情報として、「人身事故」のほか「外回り」や「運転再開見込なし」等とする。イベント情報ごとに他の情報の数を変えることができる。
なお、取得した情報は、不揮発性メモリ等の記憶手段により記憶され、また、設定された属性情報と共に記憶される。
【0044】
図4は、イベント情報である地震発生に伴いアンケート実施サーバ300が取得する情報を説明する図であり、(a)、(b)及び(c)を時系列に示す。(a)~(c)では、上から下に進む時間軸が設定されており、取得する情報を概念的に示す。
図4(a)は、地震情報の第1報を取得した場面を示す。地震情報の第1報(速報)には、地震が発生したことを示す情報(地震発生情報)や地震発生時刻が「8時△△分」であることを示す情報のほかに、おおよその震源地や、マグニチュード及び震源の深さの情報(速報値ないし暫定値)が含まれる(震源震度に関する情報)。
かかる地震発生情報は種類を示す情報として、また、地震発生時刻は時間を示す情報として管理される。また、震源地は地域を示す情報であり、マグニチュード及び震源の深さは、程度を示す情報として管理される。
【0045】
また、地震情報には、震源地を中心とする各地の震度情報が通常含まれるが、かかる各地の震度情報は、他の情報として管理される。すなわち、震度が示された各地と各地の震度とが対応付けて管理される。他の情報の数は、1つに限られず、複数であってもよい。
【0046】
また、各地の震度情報は、他の情報として管理する場合に限られない。例えば、震度が示された各地を、地域を示す情報として管理すると共に、各地の震度を、程度を示す情報として管理しても良い。すなわち、種類を示す情報である地震情報に対し、地域を示す情報及び程度を示す情報を複数対応付けるようにしてもよい。
このように、種類を示す情報、地域を示す情報、程度を示す情報及び時間を示す情報のいずれか1つの情報(例えば、種類を示す情報)に対し、当該1つの情報以外の情報(例えば、地域を示す情報、程度を示す情報及び時間を示す情報)の一部又は全部が複数対応付けられるように管理してもよい。
【0047】
図4(b)は、地震情報の第2報(詳細報)を取得するほか、津波情報の第1報を取得した場面を示す。地震情報の第2報を取得した場合、すでに取得した地震情報の第1報と共に、地震情報という種類の情報で括られて管理される。
第2報が発表された時刻は「8時□□分」であり、かかる時刻は、時間を示す情報として管理される。このため、地震情報として時系列に沿って延びる円柱で図示することができる。
【0048】
さらに説明すると、第2報には、第1報よりも広い範囲の各地の震度が含まれ、また、第1報よりも正確な震源地やマグニチュードの情報が含まれ、また、第1報よりも正確な震源地やマグニチュード及び震源の深さの情報が含まれる場合がある。第1報の更新版である第2報を取得した場合、第2報が第1報に上書きされて管理するのではなく、第1報及び第2報がつながる形で共に管理される。
【0049】
また、図4(b)における津波情報には、各地の到達予想時刻や予想される津波の高さが含まれ、また、津波警報や注意報が発表された場合にどの地域に警報・注意報のいずれが発表されたかを示す情報が含まれる。
より詳細には、津波情報の第1報には、津波が発生する可能性があることを示す情報(津波発生可能性情報)や、津波情報が発表された時刻が「8時○○分」であることを示す情報が含まれる。また、各地の第1波到達予想時刻とその高さを示す情報や発表された警報・注意報を示す情報が含まれる。
【0050】
ここにいう津波発生可能性情報は種類を示す情報として、また、津波情報発表時刻は時間を示す情報として管理される。また、各地は地域を示す情報であり、警報・注意報を示す情報は、程度を示す情報として管理される。さらに、各地の第1波到達予想時刻とその高さを示す情報は、他の情報として管理される。
【0051】
ここで、取得した津波情報は、種類を示す情報が地震情報とは異なる。このため、図4(b)に示すように、地震情報の円柱とは別に、津波情報の円柱が追加されている。ただし、津波情報における時間を示す情報は、「8時△△分」以降の「8時○○分」であり、津波情報の円柱は、地震情報と同様、時間軸に従って図示されている。
【0052】
図4(c)は、地震情報の第3報及び津波情報の第2報を取得するほか、安否情報の第1報を取得した場面を示す。
地震情報の第3報は、「8時▽▽分」に発表されたものであり、例えば広範囲に揺れた地震の場合に各地の震度情報の収集が第2報に間に合わなかった場合や、第1報のマグニチュード及び震源深さがその後の正確な計算より訂正された場合に発表される。
【0053】
なお、地震情報は、一つの地震に対する第1報や第2報、第3報という区別のほか、余震の後に本震があり、さらに余震があったという場合もあり、そのような区別をする場合も考えられる。また、本震と余震とを関連付けて管理する場合の他、それぞれ独立して管理する場合も考えられる。余震が1日に複数回あるような群発地震の場合も、関連付け管理のほか、独立管理を行うことも考えられる。
【0054】
津波情報の第2報は、「8時◎◎分」に発表されたものであり、津波が発生する可能性がある情報の場合、第1報よりも広い範囲の各地の第1波到達予想時刻及び高さの情報が含まれる。また、第1波が到達した場合、第2報には、到達した場所や時刻、その高さ等を示す情報が含まれる。その後の状況に応じて、第3報以降の津波情報がさらに発表されると、アンケート実施サーバ300が順次取得し、情報の管理が行われる。
【0055】
安否情報は、地震や津波が発生した後の例えば会社の従業員等が無事であるかどうかの安否を確認した情報であり、例えば、会社から従業員等に出したアンケートの回答結果により自動取得することが可能であり、また、従業員からのメール報告を基にユーザ操作による手動入力で取得してもよい。かかる手動入力は、アンケート実施サーバ300にて行われる場合の他、管理者端末装置200にて行うことができるように構成してもよく、また、情報取得装置100にて行うことができるように構成してもよい。
【0056】
安否情報は、地震情報や津波情報の円柱とは別の円柱で示されている。
安否情報の第1報には、安否確認を示す情報(安否確認情報)や、安否確認情報を取得した時刻が「8時××分」であることを示す情報が含まれる。また、安否確認した従業員等の名前(以下、安否確認の名前という)やその結果を示す情報が含まれる。安否確認の結果としては、無事や軽傷/重症等の負傷の有無や程度等である。
【0057】
安否確認情報は種類を示す情報として、また、取得時刻は時間を示す情報として管理される。また、安否確認の名前に対応する居住地域ないし勤務地域、居場所を示す情報を有する場合、その情報は地域を示す情報として管理される。さらに、安否確認の結果である負傷の有無等は、程度を示す情報として管理される。
【0058】
また、安否確認の名前やその結果を示す情報は、他の情報として管理される。また、名前と組織における所属とを対応付ける情報を有する場合、組織の所属を示す情報も他の情報として管理してもよい。また、安否情報に、連絡事項が含まれる場合は、連絡事項は他の情報として管理してもよい。
【0059】
このように安否情報は取得時刻で管理されるが、上述の地震情報や津波情報とは異なり、比較的頻繁に都度取得することから、第2報以降の続報の安否情報は、予め定められている時間間隔を単位にして情報の管理を行っても良い。
予め定められている時間が例えば15分である場合、第1報の取得時刻から15分経過するまで取得した安否情報は第2報とし、第1報の取得時刻から15分経過後30分を経過するまでに取得した安否情報は第3報とする、というように、15分ごとに区切って第2報以降の安否情報を管理する。
【0060】
なお、アンケート実施サーバ300が取得する情報が、文字による場合のほか、文字以外の動画(例えば河川に設置したカメラの画像)や静止画(例えば衛星写真等)、音声による場合も考えられ、そのような場合にも、属性が付与され属性で管理される。
【0061】
図5は、アンケート実施サーバ300の属性管理部304(図3参照)においてイベント情報の属性を管理する処理手順例を示すフローチャートである。
図5に示す処理例では、アンケート実施サーバ300の送受信部301(図3参照)が情報取得装置100(図1参照)からイベント情報を取得すると(ステップ101)、属性管理部304はイベント情報の属性を解析する(ステップ102)。これにより、取得したイベント情報が、既に取得したイベント情報と関連がある情報であるかが把握される。
【0062】
その後、属性管理部304は、イベント情報の属性に追加や変更があるかどうかを判断する(ステップ103)。追加変更がある場合(ステップ103でYes)、属性の追加変更が行われ(ステップ104)、管理を行う(ステップ105)。追加変更がない場合(ステップ103でNo)、取得したイベント情報で管理を行う(ステップ105)。
ここにいう管理とは、イベント情報の属性により、既に取得したイベント情報と関連があるものを対応付けることをいい、図4で説明したとおりである。
【0063】
<管理・絞込みの例示>
図6は、地震発生前後に取得した各種の情報を種類ごとに区分けされた例を示す図であり、概念図である。すなわち、取得した様々な種類のイベント情報同士を属性により関連付けられたまとまりのある情報として概念的に円柱で示す。
図6に示す例では、地震情報の円柱11を含む9本の円柱が示されており、他の円柱の図示を省略している。すなわち、地震情報の円柱11の隣りに津波情報の円柱12が示され、順に、気象情報の円柱13、避難情報の円柱14、ライフライン情報の円柱15、交通情報の円柱16、安否情報の円柱17、拠点情報の円柱18、取引先情報の円柱19が示されている。このように、取得情報を種類ごとに三次元的に表示している。
【0064】
図6に示す円柱11~19の位置は、予め定められているカテゴリーごとに整列順が規定されており、種類を示す情報を基に並びが定まる。これに限られず、円柱の並び順をユーザが選択できるようにしてもよく、また、第1報を取得した順に並びが定まるようにしてもよい。
時間軸に対する円柱11~19の位置は、時間を示す情報を基に定まる。より詳細には、気象情報の円柱13及び交通情報の円柱16は、地震情報の第1報よりも前に取得したものであり、第1報ではなく続報であってもよい。また、ライフライン情報の円柱15は、地震発生後のタイミングの第1報である。
【0065】
ここで、図6では、地震情報を1本の円柱11で示しているが、もし複数回の地震が起きたときには、1本ではなく、地震ごとに円柱が示される。例えば本震の後に余震が1回あったときには、余震の円柱が本震の円柱とは別に示される。また、余震が複数回あったときには、各々の余震について円柱で示される。
【0066】
また、図6では、1本の気象情報の円柱13を示すが、気象情報には、例えば大雨情報や土砂災害警戒情報等の種類が複数あることから、気象情報の円柱13と共に又はこれに代えて、不図示の大雨情報の円柱や土砂災害警戒情報の円柱を示してもよい。さらには、気象情報から取り出した大雨情報や土砂災害警戒情報を気象情報と共に区分けして示す場合には、大雨情報の円柱や土砂災害警戒情報の円柱を気象情報の円柱13の周面にそれぞれ螺旋状に延びるように示してもよい。
【0067】
図6に示す時間軸は、時分秒の時間軸である場合、刻々と変化する状況を示す情報を任意の時間で切って断面情報を生成する場合であるが、これに限られない。例えば時間軸を、月曜から日曜までの曜日ごとに分けた1週間にしてもよい。かかる場合、曜日ごとに断面情報を形成することができる。
【0068】
また、図6に示す複数の円柱は、複数のユーザに対する情報を蓄積したものとしてもよいが、これに限られない。取得情報の管理をユーザごとに行うことで、ユーザにカスタマイズした情報の管理を行い、ユーザごとの断面情報の形成を行うようにしてもよい。
【0069】
なお、図6に示す例は、取得情報を、種類を示す情報ごとに時間軸方向に延びる円柱で区分けされた形で示すが、これに限られず、円柱以外の柱形状で示すようにしてもよい。また、図6に示す例は、同じ形状の円柱で示すが、情報の種類に応じて異なる柱形状で示すようにしてもよい。さらに、図6に示す例は、外径が同じ円柱で示すが、情報の種類に応じて外径が異なる円柱で示してもよく、また、情報の重要度に応じて外径が異なる円柱で示してもよい。
【0070】
図7は、イベント情報の断面情報を説明する図であり、(a)は、地震発生から60分後の時点、(b)は、地震発生から120分後の時点を示す。ここにいうイベント情報の断面情報は、取得した様々な種類のイベント情報同士を属性により関連付けられたまとまりのある情報として概念的に円柱で示す場合、その円柱をある位置(時間)で切ったときの円形の横断面に対応する情報をいう。
図7(a)に示す断面情報には、地震情報の円柱11、津波情報の円柱12、気象情報の円柱13、ライフライン情報の円柱15、交通情報の円柱16、安否情報の円柱17及び拠点情報の円柱18の断面に対応する情報が含まれる。地震発生から60分後の断面情報には、避難情報の円柱14及び取引先情報の円柱19の断面に対応する情報が含まれない。
かかる断面情報を基にサマリーが作成されることから、地震発生から60分後である場合、避難情報及び取引先情報がサマリーに表示されない。
【0071】
また、図7(b)に示す断面情報には、地震情報の円柱11、津波情報の円柱12、避難情報の円柱14、ライフライン情報の円柱15、交通情報の円柱16、安否情報の円柱17、拠点情報の円柱18及び取引先情報の円柱19の断面に対応する情報が含まれる一方で、気象情報の円柱13に対応する情報は含まれない。
このように、ある時点の断面情報に含まれていた情報が他の時点の断面情報に含まれない場合がある。言い換えると、時間軸の切る位置により、断面情報にどの種類の情報を含ませるかが定まる。さらに説明すると、時間軸の切る位置により、第1報を含ませるか第2報を含ませるかが定まる。
【0072】
図7では、種類を示す情報で分けられて時間軸の方向に延びる円柱を、時間で切る場合を示しているが、これに限られず、属性のいずれかで切るようにしてもよい。すなわち、イベント情報の属性は、イベント情報を分類するのに用いられるほか、断面を切る要素すなわち絞込みを行う要素としても用いられている。
また、図7では、種類と時間軸で分けているが、これに限られず、他の要素の組み合わせ、例えば地域と種類で分けるようにしてもよい。
【0073】
また、図7では、ある時刻で切った断面情報を例示しているが、これに限られず、始まりと終わりがある時間範囲で切ったものを断面情報とすることも考えられる。例えば、地震発生から10日間の時間範囲で、日ごとの断面情報とすることで、広い視野で見た場合のサマライズ情報を生成することができる。
【0074】
図8は、アンケートシステム10の本実施の形態における処理手順例を示すフローチャートであり、情報取得装置100、管理者端末装置200、アンケート実施サーバ300、第1端末装置400及び第2端末装置500の各々の処理を示す。
まず、管理者端末装置200において条件指示部202(図2参照)にて管理者が条件を指定すると(ステップ201)、指定された条件が送受信部201(同図参照)によりアンケート実施サーバ300に送信される(ステップ202)。
アンケート実施サーバ300では、その条件を送受信部301(図3参照)が受信すると(ステップ203)、条件取得部302(同図参照)が条件を取得し、記憶する。記憶した条件は、後述する第1特定者抽出処理に用いられる。
【0075】
その後、情報取得装置100においてイベント情報を取得すると(ステップ204)、取得したイベント情報をアンケート実施サーバ300に送信する(ステップ205)。なお、受信したイベント情報については、属性管理部304(図3参照)が属性を管理する。
【0076】
アンケート実施サーバ300では、そのイベント情報を受信すると(ステップ206)、イベント情報が条件に該当する場合、第1特定者抽出部305(図3参照)は条件を用いる第1特定者抽出処理を行う(ステップ207)。
【0077】
アンケート実施サーバ300において、アンケートデータ作成部306(図3参照)により第1特定者に向けたアンケートデータを作成し、また、第1特定者抽出処理の結果に基づく送信先リストを作成する(ステップ208)。なお、アンケートデータの作成は、予め定められている単一のデータを用いる場合のほか、複数のデータのうち条件に対応するデータを選択して用いる場合でもよい。
第1特定者へのアンケートデータは、安否確認のためのアンケートデータである。
【0078】
送信先リストは、第1特定者抽出処理(ステップ207参照)により抽出された第1特定者のほかに、管理者が外部関係者の情報(ステップ218参照)を指定した場合は、指定された第2特定者が含まれる。
【0079】
作成したアンケートデータによるアンケートを、送信先リストに従って第1特定者に送信する(ステップ209)。なお、かかるアンケートの送信は、メールの文面にアンケートを表示する形式の他、メール文面に、クリックすることでサーバ装置(不図示)にアクセスしてアンケートを見ることができるURL(Uniform Resource Locator)を表示する形式であってもよい。
【0080】
アンケート実施サーバ300からのアンケートを受信した第1端末装置400において(ステップ210)、第1特定者がアンケートについて回答すると、第1端末装置400からアンケート回答として送信される(ステップ211)。
【0081】
アンケート実施サーバ300では、アンケート回答を受信すると(ステップ212)、アンケート回答を記憶する。そして、すべての第1特定者からのアンケート回答を受信すると、追加データ作成部307(図3参照)がアンケート回答を用いて報告データを作成し(ステップ213)、作成した報告データをアンケート実施情報と共に管理者端末装置200に送信する(ステップ214)。
【0082】
管理者端末装置200では、報告データを受信し(ステップ215)、また、アンケート実施情報を受け付けると、表示部204(同図参照)にて報告データがアンケート実施情報と共に表示される(ステップ216)。
表示された報告データは、第1特定者についてのアンケート結果であり、管理者は、アンケート結果に基づいて第2特定者に通知するかどうかを判断する。すなわち、今回のイベント情報に対するアンケート結果等を踏まえて外部関係者に通知するかどうかの入力を管理者が行うかどうかの入力を管理者が行う(ステップ217)。
【0083】
管理者が外部関係者に通知することを入力した場合(ステップ217でYes)、追加情報指定部203(図2参照)にて管理者が追加情報を指定し(ステップ218)、指定された追加情報が送受信部201(同図参照)によりアンケート実施サーバ300に送信される(ステップ219)。
ここにいう追加情報は、第2特定者へのアンケートデータの作成及び送信に必要な情報をいい、第2特定者への送信先を示す情報や、通知の内容を指定する情報が含まれる。
【0084】
なお、管理者が通知すべき外部関係者がいないと判断した場合(ステップ217でNo)、アンケートシステム10における処理が終了する。
【0085】
アンケート実施サーバ300では、追加情報受付部303(図3参照)が追加情報を受信すると(ステップ220)、追加情報受付部303(図3参照)が追加情報を受け付け、記憶する。そして、追加データ作成部307は、追加情報に含まれる第2特定者に対する通知データを作成し(ステップ221)、作成した通知データを第2端末装置500に送信する(ステップ222)。
ここにいう通知データは、安否確認用ではなく、地震発生後の自社の状況を知らせるためのデータである。なお、通知データに代えて、施設稼働状況の確認のためのアンケートデータとしてもよい(図9又は図10のステップ304参照)。
【0086】
第2端末装置500において、アンケート実施サーバ300からの通知データを受信し(ステップ223)、通知データが表示装置に表示されることで、外部関係者に通知され、アンケートシステム10における処理が終了する。
なお、第2端末装置500が通知を受信したことを示す情報をアンケート実施サーバ300に送信してもよい。
【0087】
<具体例>
図9は、地震発生に伴うアンケート実施を行う具体例を説明する図であり、本実施の形態に対応する部分を含む。
図9に示す具体例では、管理人が指定した条件(図8のステップ201参照)は、「D:北海道」、「L:震度5-(=5-~6+)」、「C:地震」であり、イベント情報の各々に対応付けられる複数の属性を用いた条件である。
より詳細には、イベント情報の属性を用いた条件として、地域を示す情報は「北海道」であり、程度を示す情報は「震度5-(=5-~6+)」であり、種類を示す情報は「地震」である。なお、この例では、時間を示す情報や他の情報は含まれていない。
【0088】
このように指定した条件をアンケート実施サーバ300が受信した場合において(ステップ301。図8のステップ203参照)、アンケート実施サーバ300が、北海道に震度6+の地震が発生したというイベント情報を取得すると、条件による第1特定者抽出処理を行う(ステップ302。図8のステップ206~207参照)。
これにより、予め定められている者(アンケート実施対象者)のうち、北海道に在住又は在勤の者を第1特定者として抽出する。なお、イベント情報としての第1報の続報としてより正確な第2報で北海道に震度4以下の「地域」がある場合には、その地域に在住又は在勤の者を除外するようにしてもよい。
【0089】
このように、震度5-(=5-~6+)の地域を把握した上で、その地域に在住又は在勤の者を第1特定者として抽出する。さらに、第1特定者に対して安否確認用アンケートを送信するためのアンケートデータを作成し、送信する(ステップ303。図8のステップ208~209参照)。
【0090】
また、第1特定者へのアンケート実施後のタイミングで、お知らせを作成し(図8のステップ221参照)、第2特定者である取引先に送信する(ステップ304。図8のステップ222参照)。
また、第1特定者へのアンケート実施後のタイミングで、施設稼働状況確認用アンケートデータを作成し(図8のステップ215の「アンケートデータ作成」参照)、第2特定者である部材調達先に送信する(ステップ304。図8のステップ222参照)。
なお、お知らせの作成や施設稼働状況確認用アンケートデータの作成を第1特定者へのアンケート実施と共に行ってもよく、第2特定者への送信を第1特定者への送信と共に行ってもよい。
【0091】
取引先への通知の作成ないし送信と部材調達先へのアンケートの作成ないし送信(以下、作成等という)は、いずれか一方を行う場合のほか、両方を行うようにしてもよい。すなわち、取引先への通知の作成等を行い、部材調達先へのアンケートの作成等を行わない場合や、部材調達先へのアンケートの作成等を行い、取引先への通知の作成等を行わない場合でもよく、また、取引先への通知の作成等を行い、部材調達先へのアンケートの作成等を行う場合でもよい。
取引先や部材調達先は、第2特定者に含まれる外部関係者の一例であり、これに限られない。
【0092】
また、第1の実施の形態において、取引先への通知は、第1特定者へのアンケート実施後のタイミングで行い(図8のステップ222参照)、部材調達先へのアンケート送信は、第1特定者へのアンケート実施と共に行うが(図8のステップ216)、これに限られない。すなわち、取引先への通知を第1特定者へのアンケート実施と共に行ってもよく、また、部材調達先へのアンケート送信を第1特定者へのアンケート実施後のタイミングで行ってもよい。
【0093】
さらに説明すると、上述した取引先への通知及び部材調達先へのアンケート送信を行う場合であっても、そのタイミングは、第1特定者へのアンケート実施後に行う場合のほか、第1特定者へのアンケート実施と共に行う場合でもよい。
また、取引先への通知及び部材調達先へのアンケート送信のいずれか一方を第1特定者へのアンケート実施後に行い、他方を第1特定者へのアンケート実施と共に行うようにしてもよい。
【0094】
図10は、特定者に送信されるアンケート等を説明する図であり、(a)は従業員Aに送信されるアンケート21、(b)は取引先Bに送信される通知22、(c)は部材調達先Cに送信されるアンケート23を示す。これらはいずれも例示であり、これに限られない。
図10(a)に示すアンケート21は、第1特定者としての従業員A向けの文面例であり、「さきほど発生した「地震」に対するアンケートに御回答ください。」という説明と、安否確認のための「無事」、「軽度の負傷」及び「重度の負傷」という選択肢を含む。また、回答用の送信ボタンも表示されている。
アンケート21を受信した従業員Aは、安否確認用の選択肢のいずれかを選択し、送信ボタンを押すことで、アンケート回答が完了する。
【0095】
図10(b)に示す通知22は、第2特定者としての取引先B向けの文面例であり、「さきほど発生した「地震」に対する弊所の状況をお知らせします。」という説明と、従業員の安否確認の結果としての「従業員は、全員無事です。」という説明及び施設の損害状況に関する「施設の損害状況は確認中です。」という説明を含む。
これにより、通知22により、取引先Bの担当者に対し地震の影響を速やかに報告することができる。
【0096】
図10(c)に示すアンケート23は、第2特定者としての部材調達先C向けの文面例であり、「さきほど発生した「地震」に対するアンケートに御回答ください。」という説明と、施設稼動状況確認のための「点検中」、「稼動中」及び「稼動不可」という選択肢を含む。また、回答用の送信ボタンも表示されている。
アンケート23を受信した部材調達先Cの担当者は、施設稼動状況確認用の選択肢のいずれかを選択し、送信ボタンを押すことで、アンケート回答が完了する。
【0097】
<変形例>
図11は、地震発生に伴うアンケート実施を行う変形例を説明する図であり、(a)はステップ301を説明する図であり、(b)は条件1により起動する場合、(c)は条件2により起動する場合を示す。なお、図11では、図9と同じステップ301~304を用いて説明する。
図11に示す変形例では、同図(a)に示すように、管理人が指定した条件(図8のステップ201参照)は、イベント情報の属性を用いた条件が複数設定されており、アンケート実施サーバ300は、条件1及び条件2を受信する(ステップ301)。
【0098】
詳細には、条件1は、「D:北海道」、「L:震度4(=4~5)」、「C:地震」であり、条件2は、「D:北海道」、「L:震度5+(=5+~6+)」、「C:地震」であり、程度を示す情報が互いに異なる。
そして、条件1の場合の送信先は、第2特定者であり、また、条件2の場合の送信先は、第1特定者及び第2特定者である。このため、条件1の場合、第1特定者抽出処理で抽出された第1特定者は送信先とされず、管理者が指定した第2特定者が送信先となる。これに対し、条件2の場合には両者とも送信先となる。このように、条件が複数設定されている場合、送信先は条件ごとに設定することができる。
【0099】
図11(b)に示すように、アンケート実施サーバ300が、北海道に震度4の地震が発生したというイベント情報を取得すると(ステップ302)、条件1により自動起動する。これにより、第2特定者である取引先へのお知らせ及び部材調達先への施設稼働状況確認用アンケートの送信が行われる(ステップ304)。条件1の場合には、上述したとおり、ステップ303は行われない。
【0100】
図11(c)に示すように、アンケート実施サーバ300が、北海道に震度6+の地震が発生したというイベント情報を取得すると(ステップ302)、条件2により自動起動する。これにより、第1特定者への安否確認用アンケート送信が行われ(ステップ302)、また、及び第2特定者である取引先へのお知らせ及び部材調達先への施設稼働状況確認用アンケートの送信が行われる(ステップ304)。
【0101】
なお、図9及び図11においては、自動起動により第1特定者の安否確認(ステップ303)を行った後に、追加起動で第2特定者へのお知らせ又は施設稼働状況確認(ステップ304)を行っているが、これに限られず、自動起動により第2特定者へのお知らせ又は施設稼働状況確認を行った後に、追加起動で第1特定者の安否確認を行ってもよい。
さらに説明すると、第2特定者へのお知らせ又は施設稼働状況確認は、取引先へのお知らせを送信するタイミングと部材調達先への施設稼働状況確認用アンケートを送信するタイミングは、いずれか一方が先に行われ、他方が後に行われるようにしてもよい。
上述したように、第1特定者の安否確認と第2特定者へのお知らせと第2特定者への施設稼働状況確認とを自動起動後に行う順番は、いずれであってもよい。
【0102】
なお、上記具体例や変形例の送信先は、取引先と部材調達先を第2特定者として一括りとしているが、これに限られず、いずれか一方のみを送信先としてもよい。
【符号の説明】
【0103】
300…アンケート実施サーバ、301…送受信部、302…条件取得部、303…追加情報受付部、304…属性管理部、305…第1特定者抽出部、306…アンケートデータ作成部、307…追加データ作成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2023-08-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イベント情報が予め定められている条件を満たすことを契機に第1送信先に送信する第1アンケートを作成する第1作成手段と、
前記第1アンケートが作成又は送信される場合、第2送信先に送信す第2アンケート作成する第2作成手段と、
前記第1アンケートの作成又は送信の後にユーザからの前記第2送信先を示す情報と前記第2アンケートの内容を指定する情報とを受け付ける受付手段と、
を備え
前記条件は、前記イベント情報の各々に対応付けられる複数の属性を用いた条件であり、
前記複数の属性は、種類を示す情報、地域を示す情報、程度を示す情報及び時間を示す情報以外の他の情報を含み、
前記複数の属性に含まれる前記他の情報は、前記イベント情報を取得したときに当該イベント情報に応じて単数又は複数に変更可能であると共に当該複数の場合に数を変更可能である、
情報処理装置。
【請求項2】
情報処理装置に、
イベント情報が予め定められている条件を満たすことを契機に第1送信先に送信する第1アンケートを作成する第1作成機能と、
前記第1アンケートが作成又は送信される場合、第2送信先に送信する第2アンケートを作成する第2作成機能と、
前記第1アンケートの作成又は送信の後にユーザからの前記第2送信先を示す情報と前記第2アンケートの内容を指定する情報とを受け付ける受付機能と、
を実現させ、
前記条件は、前記イベント情報の各々に対応付けられる複数の属性を用いた条件であり、
前記複数の属性は、種類を示す情報、地域を示す情報、程度を示す情報及び時間を示す情報以外の他の情報を含み、
前記複数の属性に含まれる前記他の情報は、前記イベント情報を取得したときに当該イベント情報に応じて単数又は複数に変更可能であると共に当該複数の場合に数を変更可能である、
プログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
上記の目的を達成する本発明の情報処理装置は、イベント情報が予め定められている条件を満たすことを契機に第1送信先に送信する第1アンケートを作成する第1作成手段と、前記第1アンケートが作成又は送信される場合、第2送信先に送信す第2アンケート作成する第2作成手段と、前記第1アンケートの作成又は送信の後にユーザからの前記第2送信先を示す情報と前記第2アンケートの内容を指定する情報とを受け付ける受付手段と、を備え、前記条件は、前記イベント情報の各々に対応付けられる複数の属性を用いた条件であり、前記複数の属性は、種類を示す情報、地域を示す情報、程度を示す情報及び時間を示す情報以外の他の情報を含み、前記複数の属性に含まれる前記他の情報は、前記イベント情報を取得したときに当該イベント情報に応じて単数又は複数に変更可能であると共に当該複数の場合に数を変更可能であ
上記の目的を達成する他の本発明のプログラムは、情報処理装置に、イベント情報が予め定められている条件を満たすことを契機に第1送信先に送信する第1アンケートを作成する第1作成機能と、前記第1アンケートが作成又は送信される場合、第2送信先に送信す第2アンケート作成する第2作成機能と、前記第1アンケートの作成又は送信の後にユーザからの前記第2送信先を示す情報と前記第2アンケートの内容を指定する情報とを受け付ける受付機能と、を実現させ、前記条件は、前記イベント情報の各々に対応付けられる複数の属性を用いた条件であり、前記複数の属性は、種類を示す情報、地域を示す情報、程度を示す情報及び時間を示す情報以外の他の情報を含み、前記複数の属性に含まれる前記他の情報は、前記イベント情報を取得したときに当該イベント情報に応じて単数又は複数に変更可能であると共に当該複数の場合に数を変更可能である。