(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083886
(43)【公開日】2024-06-24
(54)【発明の名称】電子部品
(51)【国際特許分類】
H01F 27/29 20060101AFI20240617BHJP
H01G 4/252 20060101ALI20240617BHJP
【FI】
H01F27/29 123
H01F27/29 120
H01G4/252 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197963
(22)【出願日】2022-12-12
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(72)【発明者】
【氏名】田久保 悠一
(72)【発明者】
【氏名】▲柳▼沼 達
(72)【発明者】
【氏名】飛田 和哉
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 進之介
(72)【発明者】
【氏名】高久 宗裕
【テーマコード(参考)】
5E070
【Fターム(参考)】
5E070AA01
5E070AB10
5E070EA01
5E070EB04
(57)【要約】
【課題】電子部品の実装不良を低減できる電子部品を提供する。
【解決手段】電子部品1は、素体2及び外部電極41,42を備えている。素体2は、主面2aと方向D1で互いに対向している側面21b,22bと方向D2で互いに対向している側面2d,2eとを有している。外部電極41は、実装面41a,端面41b,41c,41d,41eを有している。実装面41aと端面41bとは、第一曲面によって連結され、実装面41aと端面41dとは、第二曲面によって連結され、実装面41aと端面41eとは、第三曲面によって連結されている。外部電極42は、実装面42a,端面42b,42c,42d,42eを有している。実装面42aと端面42bとは、第四曲面によって連結され、実装面42aと端面42dとは、第五曲面によって連結され、実装面42aと端面42eとは、第六曲面によって連結されている。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主面と、第一方向で互いに対向している第一側面及び第二側面と、当該第一方向と交差する第二方向で互いに対向している第三側面及び第四側面と、を有する素体と、
前記主面上に配置されていると共に前記第一側面寄りに位置している第一外部電極と、
前記主面上に配置されていると共に前記第二側面寄りに位置しており、前記第一外部電極と前記第一方向で対向している第二外部電極と、を備え、
前記第一外部電極は、
前記主面と対向している第一実装面と、
前記第一側面寄りに位置している第一端面と、
前記第二側面寄りに位置しており、前記第一端面と前記第一方向で対向している第二端面と、
前記第二方向で互いに対向している第三端面及び第四端面と、を有し、
前記第一実装面と前記第一端面とは第一曲面によって連結され、
前記第一実装面と前記第三端面とは第二曲面によって連結され、
前記第一実装面と前記第四端面とは第三曲面によって連結され、
前記第二外部電極は、
前記主面と対向している第二実装面と、
前記第二側面寄りに位置している第五端面と、
前記第一側面寄りに位置しており、前記第五端面と前記第一方向で対向している第六端面と、
前記第二方向で互いに対向している第七端面及び第八端面と、を有し、
前記第二実装面と前記第五端面とは第四曲面によって連結され、
前記第二実装面と前記第七端面とは第五曲面によって連結され、
前記第二実装面と前記第八端面とは第六曲面によって連結されている、
電子部品。
【請求項2】
前記第一端面は、前記第一方向において、前記第一側面から離れ、かつ、前記主面上に位置し、
前記第五端面は、前記第一方向において、前記第二側面から離れ、かつ、前記主面上に位置している、
請求項1に記載の電子部品。
【請求項3】
前記第三端面及び前記第七端面は、前記第二方向において、前記第三側面から離れ、かつ、前記主面上に位置し、
前記第四端面及び前記第八端面は、前記第二方向において、前記第四側面から離れ、かつ、前記主面上に位置している、
請求項1に記載の電子部品。
【請求項4】
前記主面と直交する方向から見て、前記第一側面、前記第三側面、及び前記第四側面と前記第一外部電極との間の各間隔は互いに等しく、
前記主面と直交する方向から見て、前記第二側面、前記第三側面、及び前記第四側面と前記第二外部電極との間の各間隔は互いに等しい、
請求項1~3の何れか一項に記載の電子部品。
【請求項5】
前記主面と直交する方向での前記第一外部電極の厚みは、前記主面と直交する方向から見た、前記第一側面、前記第三側面、及び前記第四側面と前記第一外部電極との間の各間隔より大きく、
前記主面と直交する方向での前記第二外部電極の厚みは、前記主面と直交する方向から見た、前記第二側面、前記第三側面、及び前記第四側面と前記第二外部電極との間の各間隔より大きい、
請求項1~3の何れか一項に記載の電子部品。
【請求項6】
前記主面と直交する方向での前記第一外部電極及び前記第二外部電極の各々の厚みは、前記主面と直交する方向での長さの5%以上である、請求項1~3の何れか一項に記載の電子部品。
【請求項7】
前記素体内に配置されている内部導体を更に備え、
前記主面と直交する方向での前記第一外部電極及び前記第二外部電極の各々の厚みは、前記主面と直交する方向での前記主面と前記内部導体との間の最短距離よりも大きい、請求項1~3の何れか一項に記載の電子部品。
【請求項8】
前記第一曲面、前記第二曲面、及び前記第三曲面のそれぞれは、前記第一実装面に近い位置ほど曲率半径が大きくなるように湾曲しており、
前記第四曲面、前記第五曲面、及び前記第六曲面のそれぞれは、前記第二実装面に近い位置ほど曲率半径が大きくなるように湾曲している、請求項1~3の何れか一項に記載の電子部品。
【請求項9】
前記曲率半径の最大値は、前記主面と直交する方向での前記第一外部電極及び前記第二外部電極の各々の厚み以上である、請求項8に記載の電子部品。
【請求項10】
前記第一実装面及び前記第二端面は、第七曲面によって連結され、
前記第二実装面及び前記第六端面は、第八曲面によって連結されている、
請求項1~3の何れか一項に記載の電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
知られている電子部品は、素体、第一外部電極、及び第二外部電極を備えている(例えば特許文献1)。素体は、主面と、第一方向で互いに対向している第一側面及び第二側面と、第一方向と交差する第二方向で互いに対向している第三側面及び第四側面とを有している。第一外部電極は、主面上に配置されていると共に、第一側面寄りに位置している。第二外部電極は、主面上に配置されていると共に、第二側面寄りに位置している。第一外部電極及び第二外部電極は、第一方向で互いに対向している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような電子部品は、電子部品の輸送及び保管のためにキャリアテープに収納される。電子部品を電子機器に実装するときには、電子部品は、キャリアテープから取り出される。電子部品をキャリアテープから取り出すときには、キャリアテープに外部電極が干渉することがある。外部電極がキャリアテープと干渉すると、キャリアテープから取り出された電子部品の姿勢が変化することがある。電子部品の姿勢が変化すると、実装不良が生じることがある。調査研究の結果、外部電極の角がキャリアテープと干渉する傾向があることが判明した。
【0005】
本発明の一つの態様は、電子部品の実装不良を低減できる電子部品を提供することを目標とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの態様に係る電子部品は、素体、第一外部電極、及び第二外部電極を備えている。素体は、主面と、第一方向で互いに対向している第一側面及び第二側面と、第一方向と交差する第二方向で互いに対向している第三側面及び第四側面とを有している。第一外部電極は、第一側面寄りに位置している。第二外部電極は、第二側面寄りに位置しており、第一外部電極と第一方向で対向している。第一外部電極は、主面と対向している第一実装面と、第一側面寄りに位置している第一端面と、第二側面寄りに位置しており第一端面と対向する第二端面と、第二方向で互いに対向している第三端面及び第四端面とを有している。第一実装面と第一端面とは、第一曲面によって連結されている。第一実装面と第三端面とは、第二曲面によって連結されている。第一実装面と第四端面とは、第三曲面によって連結されている。第二外部電極は、主面と対向している第二実装面と、第二側面寄りに位置している第五端面と、第一側面寄りに位置しており第五端面と対向する第六端面と、第二方向で互いに対向している第七端面及び第八端面とを有している。第二実装面と第五端面とは、第四曲面によって連結されている。第二実装面と第七端面とは、第五曲面によって連結されている。第二実装面と第八端面とは、第六曲面によって連結されている。
【0007】
上記一つの態様では、第一実装面及び第一端面は第一曲面によって連結され、第二実装面及び第五端面は第四曲面によって連結されている。したがって、第一方向で互いに対向している第一外部電極及び第二外部電極は、第一方向での両端において角を有しがたい。第一実装面及び第三端面は第二曲面によって連結され、第一実装面及び第四端面は第三曲面によって連結され、第二実装面及び第七端面は第五曲面によって連結され、第二実装面及び第八端面は第六曲面によって連結されている。したがって、第一外部電極及び第二外部電極は、第二方向での両端において角を有しがたい。結果として、第一外部電極及び第二外部電極は、キャリアテープと干渉する角を有しがたいので、上記一つの態様は、電子部品の実装不良を低減できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一つの態様は、電子部品の実装不良を低減できる電子部品を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る電子部品を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る電子部品の内部の構造を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2のIII-III線に沿った断面の構成を示す図である。
【
図4】
図4は、
図2のIV-IV線に沿った断面の構成を示す図である。
【
図5】
図5は、
図2のV-V線に沿った断面の構成を示す図である。
【
図6】
図6は、本実施形態に係る電子部品の外部電極を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下では、図面を参照しながら本開示に係る実施形態について説明する。図面の説明において、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。
【0011】
図1~
図6を参照して、本実施形態に係る電子部品1の構成を説明する。
図1は、本実施形態に係る電子部品を示す斜視図である。
図2は、本実施形態に係る電子部品の内部の構造を示す斜視図である。
図3は、
図2のIII-III線に沿った断面の構成を示す図である。
図4は、
図2のIV-IV線に沿った断面の構成を示す図である。
図5は、
図2のV-V線に沿った断面の構成を示す図である。
図6は、本実施形態に係る電子部品の外部電極を示す図である。電子部品1は、電子機器にはんだ実装される。電子機器は、たとえば、回路基板又は電子部品を含む。本実施形態では、電子部品1は、積層コイル部品である。
【0012】
図1~
図6に示されるように、電子部品1は、素体2、コイル3、接続導体C1,C2、外部電極41、及び外部電極42を備えている。たとえば、外部電極41が第一外部電極として規定され、外部電極42が第二外部電極として規定される。素体2は、直方体形状を呈している。直方体形状は、たとえば、角及び稜線部が面取りされている直方体の形状、及び、角及び稜線部が丸められている直方体形状を含む。
【0013】
図1に示されるように、素体2は、互いに対向している一対の主面2a,20aと、互いに対向している一対の側面21b,22bと、互いに対向している一対の側面2d,2eとを有している。たとえば、側面21bが第一側面として規定され、側面22bが第二側面として規定され、側面2dが第三側面として規定され、側面2eが第四側面として規定される。主面2a,20a、側面21b,22b、及び側面2d,2eのそれぞれは、矩形状を呈している。主面2a,20aと側面21b,22bとは、互いに隣り合っている。
図3に示されるように、素体2は、曲面21f及び曲面22fを有していてもよい。主面2aと側面21bとは、曲面21fを挟んで互いに隣り合っていてもよく、主面2aと側面22bとは、曲面22fを挟んで互いに隣り合っていてもよい。主面2aと側面21bとは、曲面21fによって連結されてもよく、主面2aと側面22bとは、曲面22fによって連結されていてもよい。主面2a,20aと側面2d,2eとは、互いに隣り合っている。
図4に示されるように、素体2は、曲面2g及び曲面2hを有してもよい。主面2aと側面2dとは、曲面2gを挟んで互いに隣り合っていてもよく、主面2aと側面2eとは、曲面2hを挟んで互いに隣り合っていてもよい。主面2aと側面2dとは、曲面2gによって連結されていてもよく、主面2aと側面2eとは、曲面2hによって連結されていてもよい。
【0014】
一対の側面21b,22bは、方向D1で互いに対向している。方向D1は、各側面21b,22bに交差している。本実施形態では、方向D1は、各側面21b,22bに直交している。一対の側面2d,2eは、方向D2で互いに対向している。方向D2は、各側面2d,2eに交差している。本実施形態では、方向D2は、各側面2d,2eと直交している。一対の主面2a,20aは、方向D3で互いに対向している。本実施形態では、方向D3は、各主面2a,20aと直交している。方向D1と方向D2とは直交している。方向D3は、方向D1と方向D2とに直交している。素体2は、方向D3を積層方向として積層された複数の絶縁体層によって構成されていてもよい。たとえば、方向D1が第一方向として規定され、方向D2が第二方向として規定される。
【0015】
図2に示されるように、コイル3は、素体2内に配置されている。コイル3は、素体2内に配置される内部導体の一例である。コイル3は、方向D2に沿って互いに隣り合う複数のコイル導体31,32,33,34,35を有している。複数のコイル導体31,32,33,34,35は、互いに電気的に接続されている。コイル導体31の端は、コイル3の一方の端を構成する。接続導体C1は、コイル導体31の端に配置されている。コイル導体35の端は、コイル3の他方の端を構成する。接続導体C2は、コイル導体35の端に配置されている。本実施形態では、コイル3のコイル軸は、方向D2に沿っている。コイル3は、導電性ペーストの焼結体により構成されていてもよい。
【0016】
外部電極41,42は、主面2a上に配置されている。外部電極41は、側面21b寄りに位置している。外部電極41は、コイル導体35と接続導体C2を介して電気的に接続されている。外部電極42は、側面22b寄りに位置している。外部電極42は、コイル導体31と接続導体C1を介して電気的に接続されている。外部電極42は、外部電極41と方向D1で対向している。
【0017】
各外部電極41,42は、直方体形状を呈している。
図6に示されるように、外部電極41は、実装面41a、側面21b寄りに位置している端面41b、側面22b寄りに位置している端面41c、及び方向D2で互いに対向している端面41d,41eを有している。方向D1において、端面41bと側面21bとは、同じ側を向いている。端面41cは、第一方向で端面41bと対向している。たとえば、実装面41aが第一実装面として規定され、端面41bが第一端面として規定され、端面41cが第二端面として規定され、端面41dが第三端面として規定され、端面41eが第四端面として規定される。
【0018】
実装面41a及び各端面41b,41c,41d,41eは、略矩形状を呈している。実装面41aは、主面2aと互いに対向している。実装面41aは、主面2aと方向D3で互いに対向してもよい。実装面41aは、電子部品1の実装面を構成する。
図6に示されるように、端面41b,41c及び端面41d,41eは、複数の曲面41kによって連結されていてもよい。
【0019】
外部電極42は、実装面42a、側面22b寄りに位置している端面42b、側面21b寄りに位置している端面42c、及び方向D2で互いに対向している端面42d,42eを有している。方向D1において、端面42bと側面22bとは、同じ側を向いている。端面42cは、第一方向で端面42bと対向している。たとえば、実装面41aが第二実装面として規定され、端面42bが第五端面として規定され、端面42cが第六端面として規定され、端面42dが第七端面として規定され、端面42eが第八端面として規定される。
【0020】
実装面42a及び各端面42b,42c,42d,42eは、略矩形状を呈している。実装面42aは、主面2aと互いに対向している。実装面42aは、主面2aと方向D3で互いに対向してもよい。実装面42aは、電子部品1の実装面を構成する。
図6に示されるように、端面42b,42c及び端面42d,42eは、複数の曲面42kによって連結されていてもよい。
【0021】
図3に示される外部電極41の厚みt1は、方向D3での主面2aと実装面41aとの間の距離である。
図3に示される外部電極42の厚みt2は、方向D3での主面2aと実装面42aとの間の距離である。厚みt1及び厚みt2は、たとえば、15μmである。厚みt1及び厚みt2は、15μmより大きくてもよい。厚みt1及び厚みt2は、方向D3での電子部品1の高さの5%以上である。方向D3での電子部品1の高さは、たとえば、200μmである。
【0022】
図3に示されるように、実装面41a及び端面41bは、曲面41fによって連結されている。たとえば、曲面41fは、第一曲面として規定される。本実施形態では、実装面41a及び端面41cは、曲面41jによって連結されている。たとえば、曲面41jは、第七曲面として規定される。
図4に示されるように、実装面41a及び端面41dは曲面41gによって連結され、実装面41a及び端面41eは曲面41hによって連結されている。たとえば、曲面41gが第二曲面として規定され、曲面41hが第三曲面として規定される。
【0023】
本実施形態では、曲面41f,41g,41h,41jのそれぞれは、実装面41aに近い位置ほど曲率半径R1が大きくなるように湾曲している。曲率半径R1の最大値は、たとえば、15μmである。曲率半径R1の最大値は、15μmより大きくてもよい。曲率半径R1の最大値は、外部電極41の厚みt1以上である。曲率半径R1は、曲面21f,2g,2hの各々の曲率半径よりも大きい。
【0024】
図3に示されるように、実装面42a及び端面42bは、曲面42fによって連結されている。たとえば、曲面42fは、第四曲面として規定される。本実施形態では、実装面42a及び端面42cは、曲面42jによって連結されている。たとえば、曲面42jは、第八曲面として規定される。
図5に示されるように、実装面42a及び端面42dは曲面42gによって連結され、実装面42a及び端面42eは曲面42hによって連結されている。たとえば、曲面42gが第五曲面として規定され、曲面42hが第六曲面として規定される。
【0025】
本実施形態では、曲面42f,42g,42h,42jのそれぞれは、実装面42aに近い位置ほど曲率半径R2が大きくなるように湾曲している。曲率半径R2の最大値は、たとえば、15μmである。曲率半径R2の最大値は、15μmより大きくてもよい。曲率半径R2の最大値は、外部電極42の厚みt2以上である。曲率半径R2は、曲面22f,2g,2hの各々の曲率半径よりも大きい。
【0026】
図6に示されるように、本実施形態では、方向D1において、端面41bは、側面21bから離れ、かつ、主面2a上に位置している。方向D2において、端面41d,41eは、側面2d,2eから離れ、かつ、主面2a上に位置している。本実施形態では、方向D3から見て、側面21b、側面2d、及び側面2eと外部電極41との間の各間隔は、互いに等しい。
図6に示される、間隔d11が方向D1における端面41bと側面21bとの間の間隔であり、間隔d21が方向D2における端面41dと側面2dとの間の間隔であり、間隔d31が方向D2における端面41eと2eとの間の間隔である。間隔d11,d21,d31は、互いに等しい。間隔d11,d21,d31は、たとえば、15μmである。
【0027】
本実施形態では、外部電極41の厚みt1は、方向D3から見た、側面21b、側面2d、及び側面2eと外部電極41との間の各間隔以上である。外部電極41の厚みt1は、方向D1における端面41bと側面21bとの間の間隔d11、方向D2における端面41dと側面2dとの間の間隔d21、及び方向D2における端面41eと2eとの間の間隔d31の各々以上である。
【0028】
本実施形態では、方向D1において、端面42bは、側面22bから離れ、かつ、主面2a上に位置している。方向D2において、端面42d,42eは、側面2d,2eから離れ、かつ、主面2a上に位置している。本実施形態では、方向D3から見て、側面22b、側面2d、及び側面2eと外部電極42との間の各間隔は、互いに等しい。
図6に示される、間隔d12が方向D1における端面42bと側面22bとの間の間隔であり、間隔d22が方向D2における端面42dと側面2dとの間の間隔であり、間隔d32が方向D2における端面42eと2eとの間の間隔である。間隔d12,d22,d32は、互いに等しい。間隔d12,d22,d32は、たとえば、15μmである。
【0029】
等しいとは、予め設定した範囲での微差又は製造誤差などを含んだ値であってもよい。たとえば、間隔d11,d21,d31,d12,d22,d32が、その平均値の±5%の範囲内に含まれているのであれば、間隔d11,d21,d31,d12,d22,d32は等しいとされる。
【0030】
本実施形態では、外部電極42の厚みt2は、方向D3から見た、側面22b、側面2d、及び側面2eと外部電極42との間の各間隔以上である。外部電極42の厚みt2は、方向D1における端面42bと側面22bとの間の間隔d12、方向D2における端面42dと側面2dとの間の間隔d22、及び方向D2における端面42eと2eとの間の間隔d32の各々以上である。
【0031】
本実施形態では、外部電極41の厚みt1及び外部電極42の厚みt2は、方向D3での主面2aとコイル3との間の最短距離d3よりも大きい。
図3~
図5に示される最短距離d3は、方向D3での各コイル導体31,32,33,34,35のうち最も主面2aに近いコイル導体の下面と主面2aとの間の距離である。コイル導体の下面は、方向D3において外部電極41,42と互いに対向している面である。
【0032】
以上説明したように、実装面41a及び端面41bは曲面41fによって連結され、実装面42a及び端面42bは曲面42fによって連結されている。したがって、方向D1で互いに対向している外部電極41,42は、方向D1での両端において角を有しがたい。実装面41aと端面41dは曲面41gによって連結され、実装面41aと端面41eは曲面41hによって連結され、実装面42aと端面42dは曲面42gによって連結され、実装面42aと端面42eは曲面42hによって連結されている。したがって、外部電極41,42は、方向D2での両端において角を有しがたい。結果として、各外部電極41,42は、キャリアテープと干渉する角を有しがたいので、電子部品1は、電子部品の実装不良を低減できる。
【0033】
電子部品1では、方向D1において、端面41bは、側面21bから離れ、かつ、主面2a上に位置している。方向D2において、端面41d,41eは、側面2d,2eから離れ、かつ、主面2a上に位置している。方向D1において、端面42bは、側面22bから離れ、かつ、主面2a上に位置している。方向D2において、端面42d,42eは、側面2d,2eから離れ、かつ、主面2a上に位置している。
方向D1で互いに対向している外部電極41,42の各端面41b,42bは、方向D1において各側面21b,22bよりも内側に位置している。外部電極41,42の各端面41d,41e,42d,42eは、方向D2において各側面2d,2eよりも内側に位置している。結果として、各外部電極41,42は、方向D3から見て素体2から外側に突出しないので、電子部品1は、キャリアテープとより一層干渉しがたい。
【0034】
電子部品1では、方向D3から見て、側面21b、側面2d、及び側面2eと外部電極41との間の各間隔は互いに等しく、方向D3から見て、側面22b、側面2d、及び側面2eと外部電極42との間の各間隔は互いに等しい。
素体2の各側面21b,22b,2d,2eと各外部電極41,42との間の各間隔が等しいので、方向D1及び方向D2の何れにおいても、電子部品はキャリアテープと干渉しがたい。
【0035】
電子部品1では、方向D3での外部電極41の厚みt1は、方向D3から見た、側面21b、側面2d、及び側面2eと外部電極41との間の各間隔以上であり、外部電極42の厚みt2は、方向D3から見た、側面22b、側面2d、及び側面2eと外部電極42との間の各間隔以上である。
厚みt1,t2が各間隔d11,d21,d31,d12,d22,d32よりも大きいので、電子部品1は、電子部品1が実装される電子機器とコイル3との間の間隔を確保しやすい。したがって、電子部品1は、電気的特性の劣化を抑制できる。
主面2aの外部電極41,42が配置されている各部分から実装面41a,42aまで外部電極41,42が突出する距離は、主面2aの外部電極41,42が配置されている各部分から各側面21b,22b,2d,2eまで素体2が突出する距離よりも大きい。外部電極41,42は、主面2aの外縁よりも突出している。したがって、突出している外部電極41,42がキャリアテープと干渉する角部を有さないので、電子部品1は、電子部品の実装不良をより一層低減できる。
【0036】
電子部品1は、素体2内に配置されているコイル3を更に備える。電子部品1では、方向D3での外部電極41,42の各々の厚みt1,t2は、方向D3での主面2aとコイル3との間の最短距離d3よりも大きい。
各厚みt1,t2が最短距離d3よりも大きいので、電子部品1が実装される電子機器と主面2aとの間の間隔は、主面2aとコイル3との間の最短距離d3よりも大きい。電子機器と主面2aとの間の空間の誘電率は、主面2aとコイル3との間の素体2を形成している材料の誘電率よりも小さい。したがって、電子部品1は、電気的特性の劣化を抑制できる。
【0037】
電子部品1では、曲面41f,41g,41hのそれぞれは、実装面41aに近い位置ほど曲率半径が大きくなるように湾曲しており、曲面42f,42g,42hのそれぞれは、実装面42aに近い位置ほど曲率半径が大きくなるように湾曲しており、各外部電極41,42では、各曲面41f,41g,41h,42f,42g,42hは、各実装面41a,42aに近い位置ほど大きな曲率半径を有しているので、外部電極41,42は、キャリアテープとより一層干渉しがたい。
【0038】
電子部品1では、外部電極41は方向D1で端面41bと互いに対向している端面41cを更に備え、外部電極42は方向D1で端面42bと互いに対向している端面42cを更に備えている。実装面41aと端面41cは曲面41jによって連結され、実装面42aと端面42cは曲面42jによって連結されている。
電子部品1を実装するときには、電子部品1が実装される電子機器と外部電極41,42との間の隙間にはんだが入り込む。電子機器と外部電極41,42との間の隙間が狭いと、はんだフラッシュによる実装不良を生じる場合がある。曲面41j,42jの位置では、電子機器との間に広い隙間ができやすいので、はんだフラッシュが生じがたい。したがって、電子部品1は、電子部品の実装不良をより一層低減できる。
【0039】
電子部品1の製造方法の一例について説明する。最初に、複数の外部電極が配置された積層体基板が所定の大きさの個片に分割される。積層体基板は、切断機によって所定の大きさの個片に分割される。側面21b,22bは、方向D2に沿って切断された積層体基板の断面から構成される。側面2d,2eは、方向D1に沿って切断された積層体基板の断面から構成される。所定の大きさに分割された積層体基板の各個片は、電子部品1を構成する。
【0040】
電子部品1では、方向D1において、端面41bは、側面21bから離れ、かつ、主面2a上に位置している。方向D2において、端面41d,41eは、側面2d,2eから離れ、かつ、主面2a上に位置している。方向D1において、端面42bは、側面22bから離れ、かつ、主面2a上に位置している。方向D2において、端面42d,42eは、側面2d,2eから離れ、かつ、主面2a上に位置している。
外部電極41,42の各端面41b,42bは、素体2の各側面21b,22bから離れている。したがって、方向D2に沿って切断機が積層体基板を切断するとき、切断機のブレードが外部電極41,42に接触しがたい。外部電極41,42の各端面41d,41e,42d,42eは、素体2の各側面2d,2eから離れている。したがって、方向D1に沿って切断機が積層体基板を切断するとき、切断機のブレードが外部電極41,42に接触しがたい。結果として、積層体基板を個片に分割するとき、切断機のブレードが外部電極41,42に接触しがたいので、電子部品1は、外部電極41,42の形状のばらつきを抑制できる。
【0041】
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【0042】
内部導体は、コイル3ではなくてもよい。内部導体は、素体2の内部に配置された導体であればよい。電子部品1は、積層コイル部品ではなくてもよい。電子部品1は、コンデンサ、圧電素子、又はトランスであってもよい。
【0043】
素体2は、曲面21f,22f,2g,2hを有さなくてもよい。曲面21f,22f,2g,2hの曲率半径は、たとえば、0μmであってもよい。
【0044】
曲面41f,41g,41h,41j,42f、42g,42h,42jのそれぞれは、複数の曲面を含んでいてもよく、少なくとも一つの平面を含んでいてもよい。
【0045】
方向D1において、端面41bは、側面21bから離れていなくてもよい。端面41bと側面21bとは、一つの仮想平面上に位置していてもよい。方向D2において、端面41dは、側面2dから離れていなくてもよい。端面41dと側面2dとは、一つの仮想平面上に位置していてもよい。方向D2において、端面41eは、側面2eから離れていなくてもよい。端面41eと側面2eとは、一つの仮想平面上に位置していてもよい。
方向D1において、端面42bは、側面22bから離れていなくてもよい。端面42bと側面22bとは、一つの仮想平面上に位置していてもよい。方向D2において、端面42dは、側面2dから離れていなくてもよい。端面42dと側面2dとは、一つの仮想平面上に位置していてもよい。方向D2において、端面42eは、側面2eから離れていなくてもよい。端面42eと側面2eとは、一つの仮想平面上に位置していてもよい。
【0046】
上述した実施形態及び各変形例の記載から把握されるとおり、本明細書では以下に示す態様の開示を含んでいる。
(付記1)
主面と、第一方向で互いに対向している第一側面及び第二側面と、当該第一方向と交差する第二方向で互いに対向している第三側面及び第四側面と、を有する素体と、
前記主面上に配置されていると共に前記第一側面寄りに位置している第一外部電極と、
前記主面上に配置されていると共に前記第二側面寄りに位置しており、前記第一外部電極と前記第一方向で対向している第二外部電極と、を備え、
前記第一外部電極は、
前記主面と対向している第一実装面と、
前記第一側面寄りに位置している第一端面と、
前記第二側面寄りに位置しており、前記第一端面と前記第一方向で対向している第二端面と、
前記第二方向で互いに対向している第三端面及び第四端面と、を有し、
前記第一実装面と前記第一端面とは第一曲面によって連結され、
前記第一実装面と前記第三端面とは第二曲面によって連結され、
前記第一実装面と前記第四端面とは第三曲面によって連結され、
前記第二外部電極は、
前記主面と対向している第二実装面と、
前記第二側面寄りに位置している第五端面と、
前記第一側面寄りに位置しており、前記第五端面と前記第一方向で対向している第六端面と、
前記第二方向で互いに対向している第七端面及び第八端面と、を有し、
前記第二実装面と前記第五端面とは第四曲面によって連結され、
前記第二実装面と前記第七端面とは第五曲面によって連結され、
前記第二実装面と前記第八端面とは第六曲面によって連結されている、
電子部品。
(付記2)
前記第一端面は、前記第一方向において、前記第一側面から離れ、かつ、前記主面上に位置し、
前記第五端面は、前記第一方向において、前記第二側面から離れ、かつ、前記主面上に位置している、
付記1に記載の電子部品。
(付記3)
前記第三端面及び前記第七端面は、前記第二方向において、前記第三側面から離れ、かつ、前記主面上に位置し、
前記第四端面及び前記第八端面は、前記第二方向において、前記第四側面から離れ、かつ、前記主面上に位置している、
付記1又は付記2に記載の電子部品。
(付記4)
前記主面と直交する方向から見て、前記第一側面、前記第三側面、及び前記第四側面と前記第一外部電極との間の各間隔は互いに等しく、
前記主面と直交する方向から見て、前記第二側面、前記第三側面、及び前記第四側面と前記第二外部電極との間の各間隔は互いに等しい、
付記1~3の何れか一項に記載の電子部品。
(付記5)
前記主面と直交する方向での前記第一外部電極の厚みは、前記主面と直交する方向から見た、前記第一側面、前記第三側面、及び前記第四側面と前記第一外部電極との間の各間隔より大きく、
前記主面と直交する方向での前記第二外部電極の厚みは、前記主面と直交する方向から見た、前記第二側面、前記第三側面、及び前記第四側面と前記第二外部電極との間の各間隔より大きい、
付記1~4の何れか一項に記載の電子部品。
(付記6)
前記主面と直交する方向での前記第一外部電極及び前記第二外部電極の各々の厚みは、前記主面と直交する方向での長さの5%以上である、付記1~5の何れか一項に記載の電子部品。
(付記7)
前記素体内に配置されている内部導体を更に備え、
前記主面と直交する方向での前記第一外部電極及び前記第二外部電極の各々の厚みは、前記主面と直交する方向での前記主面と前記内部導体との間の最短距離よりも大きい、
付記1~6の何れか一項に記載の電子部品。
(付記8)
前記第一曲面、前記第二曲面、及び前記第三曲面のそれぞれは、前記第一実装面に近い位置ほど曲率半径が大きくなるように湾曲しており、
前記第四曲面、前記第五曲面、及び前記第六曲面のそれぞれは、前記第二実装面に近い位置ほど曲率半径が大きくなるように湾曲している、付記1~7に記載の電子部品。
(付記9)
前記曲率半径の最大値は、前記主面と直交する方向での前記第一外部電極及び前記第二外部電極の各々の厚み以上である、付記8に記載の電子部品。
(付記10)
前記第一実装面及び前記第二端面は、第七曲面によって連結され、
前記第二実装面及び前記第六端面は、第八曲面によって連結されている、
付記1~9の何れか一項に記載の電子部品。
【符号の説明】
【0047】
1…電子部品、2…素体、2a…主面、21b,22b,2d,2e…側面、3…コイル、41,42…外部電極、41a,42a…実装面、41b,41c,41d,41e,42b,42c,42d,42e…端面、41f、41g,41h,41j,42f、42g,42h,42j…曲面、D1,D2,D3…方向、d11,d21,d31,d12,d22,d32…間隔、d3…最短距離、t1,t2…厚み、R1,R2…曲率半径。