(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083898
(43)【公開日】2024-06-24
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240617BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197978
(22)【出願日】2022-12-12
(71)【出願人】
【識別番号】391010943
【氏名又は名称】株式会社藤商事
(74)【代理人】
【識別番号】100154014
【弁理士】
【氏名又は名称】正木 裕士
(74)【代理人】
【識別番号】100154520
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 祐子
(72)【発明者】
【氏名】福井 教人
(72)【発明者】
【氏名】月波 優季
【テーマコード(参考)】
2C333
【Fターム(参考)】
2C333AA11
2C333BA02
2C333CA26
2C333CA51
(57)【要約】
【課題】処理負荷を軽減することができる遊技機を提供する。
【解決手段】加工用画像P71は、単色(例えば、黄色)で構成されている。そして、VDPは、所定の変動演出の内容に応じて、複数の画像処理(例えば、「乗算」、「加算」、「差」)から1の画像処理を選択して、加工用画像P71及び/又は背景画像P70に対して画像処理を行った上で、加工用画像P71を背景画像P70に重ね合わせて、液晶表示装置に表示させる。なお、加工用画像P71は、所定の変動演出における画像として、該加工用画像P71単体で、液晶表示装置に表示されるものでない。
【選択図】
図23
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段と、
所定の変動演出を実行可能な変動演出実行手段と、
1の画像と、
前記1の画像に対して前記所定の変動演出における演出効果を付加するための加工用画像と、
画像処理手段と、を有し、
前記加工用画像は、単色で構成され、
前記画像処理手段は、
前記所定の変動演出の内容に応じて、複数の画像処理から1の画像処理を選択して、前記加工用画像及び/又は前記1の画像に対して画像処理を行った上で、前記加工用画像を前記1の画像に重ね合わせて前記表示手段に表示させてなる遊技機。
【請求項2】
前記加工用画像は、色が異なる第1加工用画像と第2加工用画像を有し、
前記画像処理手段は、
前記所定の変動演出において、
前記第1加工用画像を用いて、前記複数の画像処理から前記1の画像を明るくするための第1画像処理を選択して、前記第1加工用画像及び/又は前記1の画像に対して画像処理を行った上で、前記第1加工用画像を前記1の画像に重ね合わせて前記表示手段に表示させ、
前記第2加工用画像を用いて、前記複数の画像処理から前記1の画像を暗くするための第2画像処理を選択して、前記第2加工用画像及び/又は前記1の画像に対して画像処理を行った上で、前記第2加工用画像を前記1の画像に重ね合わせて前記表示手段に表示させてなる請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記画像処理手段は、
前記第1加工用画像に対して、前記第1画像処理を選択して、前記第1加工用画像及び/又は前記1の画像に対する画像処理と、前記第1加工用画像に対して、前記第2画像処理を選択して、前記第1加工用画像及び/又は前記1の画像に対する画像処理とを実行可能としてなる請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記加工用画像は、
前記変動演出実行手段にて実行される前記所定の変動演出における画像として、前記画像処理を行うことなく該加工用画像単体で、前記表示手段に表示されるものでない請求項1に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機、アレンジボール機、雀球遊技機、スロット、封入された遊技球を内部で循環させる封入式パチンコ機(管理遊技機)などの遊技機に関し、より詳しくは、処理負荷を軽減することができる遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のパチンコ機等の遊技機として、例えば特許文献1に記載のような遊技機が知られている。この遊技機は、図柄の仮停止動作を強調するために、図柄の輪郭表示を曖昧にするというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような遊技機は、ある背景画像に対して、全体を淡くするような場合、背景画像そのものに対してVDPで淡くするという処理ができないため、全体を淡くした背景画像を予め用意し、CGROM内に格納しておく必要があった。しかしながら、これでは、CGROM内の容量が圧迫され、処理負荷が増大するという問題があった。
【0005】
そこで本発明は、上記問題に鑑み、処理負荷を軽減することができる遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記本発明の目的は、以下の手段によって達成される。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0007】
請求項1の発明に係る遊技機によれば、表示手段(例えば、
図2に示す液晶表示装置41)と、
所定の変動演出を実行可能な変動演出実行手段(例えば、
図3に示すサブ制御CPU800a)と、
1の画像(例えば、
図23に示す背景画像P70)と、
前記1の画像に対して前記所定の変動演出における演出効果を付加するための加工用画像(例えば、
図23に示す加工用画像P71)と、
画像処理手段(例えば、
図3に示すVDP803)と、を有し、
前記加工用画像は、単色(例えば、
図23に示す黄色)で構成され、
前記画像処理手段は、
前記所定の変動演出の内容に応じて、複数の画像処理(例えば、「乗算」、「加算」、「差」)から1の画像処理を選択して、前記加工用画像及び/又は前記1の画像に対して画像処理を行った上で、前記加工用画像を前記1の画像に重ね合わせて(例えば、
図23(d-1)に示す背景画像P72)前記表示手段に表示させてなることを特徴としている。
請求項2の発明に係る遊技機によれば、上記請求項1に記載の遊技機において、前記加工用画像は、色が異なる第1加工用画像(例えば、
図23に示す黄色)と第2加工用画像(例えば、黒色)を有し、
前記画像処理手段(例えば、
図3に示すVDP803)は、
前記所定の変動演出において、
前記第1加工用画像を用いて、前記複数の画像処理から前記1の画像(例えば、
図23に示す背景画像P70)を明るくするための第1画像処理(例えば、「加算」)を選択して、前記第1加工用画像及び/又は前記1の画像に対して画像処理を行った上で、前記第1加工用画像を前記1の画像に重ね合わせて前記表示手段(例えば、
図2に示す液晶表示装置41)に表示させ、
前記第2加工用画像を用いて、前記複数の画像処理から前記1の画像を暗くするための第2画像処理(例えば、「乗算」)を選択して、前記第2加工用画像及び/又は前記1の画像に対して画像処理を行った上で、前記第2加工用画像を前記1の画像に重ね合わせて前記表示手段に表示させてなることを特徴としている。
請求項3の発明に係る遊技機によれば、上記請求項2に記載の遊技機において、前記画像処理手段(例えば、
図3に示すVDP803)は、
前記第1加工用画像(例えば、
図23に示す黄色)に対して、前記第1画像処理(例えば、「加算」)を選択して、前記第1加工用画像及び/又は前記1の画像(例えば、
図23に示す背景画像P70)に対する画像処理と、前記第1加工用画像に対して、前記第2画像処理(例えば、「乗算」)を選択して、前記第1加工用画像及び/又は前記1の画像に対する画像処理とを実行可能としてなることを特徴としている。
請求項4の発明に係る遊技機によれば、上記請求項1に記載の遊技機において、前記加工用画像(例えば、
図23に示す加工用画像P71)は、
前記変動演出実行手段(例えば、
図3に示すサブ制御CPU800a)にて実行される前記所定の変動演出における画像として、前記画像処理を行うことなく該加工用画像単体で、前記表示手段(例えば、
図2に示す液晶表示装置41)に表示されるものでないことを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、処理負荷を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る遊技機の外観を示す斜視図である。
【
図3】同実施形態に係る遊技機の制御装置を示すブロック図である。
【
図4】(a)~(k-3)は、弱SPリーチ演出から、強SPリーチ演出へ発展する演出例を説明する画面例を示す図である。
【
図5】(a)~(c)は、弱SPリーチ演出から、強SPリーチ演出へ発展しない演出例を説明する画面例を示す図である。
【
図6】(a)~(h-3)は、弱SPリーチ演出から、強SPリーチ演出へ発展せず、別ルート演出への発展あおり演出が発生する演出例を説明する画面例を示す図である。
【
図7】(a)~(e-2)は、別ルート演出への発展あおり演出が、弱SPリーチ演出の結果が出る前のリーチ演出と並行して、複数回実行している演出例を説明する画面例を示す図である。
【
図8】(a)~(e-2)は、別ルート演出への発展あおり演出が、弱SPリーチ演出の結果が出る前のリーチ演出と並行して、複数回実行している
図7とは異なる演出例を説明する画面例を示す図である。
【
図9】(a)は、弱SPリーチはずれの場合のタイミングチャートを示し、(b)は、弱SPリーチ演出から強SPリーチ演出へ発展し当たりになる場合のタイミングチャートを示し、(c)は、弱SPリーチ演出から強SPリーチ演出へ発展し、はずれになる場合のタイミングチャートを示し、(d)は、弱SPリーチ演出から強SPリーチ演出へ発展し、はずれになった後、復活演出が実行される場合のタイミングチャートを示し、(e)は、別ルート演出への発展あおり演出が実行され別ルート演出が実行される場合のタイミングチャートを示し、(f)は、別ルート演出への発展あおり演出が実行され別ルート演出が実行されない場合のタイミングチャートを示し、(g)は、別ルート演出への発展あおり演出が弱SPリーチ演出中だけ実行され、強SPリーチ演出への発展失敗後には実行されない場合のタイミングチャートを示し、(h)は、別ルート演出への発展あおり演出が強SPリーチ演出への発展あおり演出中だけ実行され、強SPリーチ演出への発展失敗後には実行されない場合のタイミングチャートを示す図である。
【
図10】別ルート発展あおり演出振り分けテーブルを示す図である。
【
図11】(a)~(e-3)は、ノーマルリーチから別ルート演出へ移行するか否かの演出例を説明する画面例を示す図である。
【
図12】(a)~(e)は、ノーマルリーチから別ルート演出へ発展する通常変動パターンの演出例を説明する画面例を示す図である。
【
図13】(a)は、ノーマルリーチから弱SPリーチ演出へ発展する場合のタイミングチャートを示し、(b)は、ノーマルリーチから別ルート演出へ発展する場合のタイミングチャートを示す図である。
【
図14】別ルート/SPリーチ発展あおり演出振り分けテーブルを示す図である。
【
図15】(a)~(h)は、チャレンジ演出が失敗し、はずれ確定演出が実行される演出例を説明する画面例を示す図である。
【
図16】(a)~(b)は、チャレンジ演出が成功し、弱SPリーチ演出へ発展する演出例を説明する画面例を示す図である。
【
図17】(a)~(b)は、チャレンジ演出が成功し、別ルート演出へ発展する演出例を説明する画面例を示す図である。
【
図18】(a)は、チャレンジ演出(発展あおり演出)に失敗する場合のタイミングチャートを示し、(b)は、ノーマルリーチはずれのタイミングチャートを示し、(c)は、チャレンジ演出(発展あおり演出)に成功し、弱SPリーチに発展する場合のタイミングチャートを示し、(d)は、チャレンジ演出(発展あおり演出)に成功し、別ルート演出に発展する場合のタイミングチャートを示し、(e)は、ノーマルリーチ演出から弱SPリーチ演出に発展する場合のタイミングチャートを示し、(f)は、ノーマルリーチ演出から別ルート演出に発展する場合のタイミングチャートを示す図である。
【
図19】(a)は、別ルート/SPリーチ発展あおり演出選択抽選テーブルを示し、(b)は、別ルート/SPリーチ発展あおり演出振り分けテーブルを示す図である。
【
図20】(a)~(c)は、アイテムゲットチャレンジの可能性を示唆する予告演出が実行されている画面例を示し、(d)は、(b)に示す輪郭が縁取られたキャラクタ画像を示し、(e)は、(d)に示すキャラクタ画像を単色で表現しているドロップシャドウ画像を示し、(f)は、吹き出し画像を示し、(g)は、セリフ文字画像を示し、(h)は、(d)と(e)と(f)と(g)に示す画像を組み合わせた画像を示し、(i)は、ドロップシャドウ画像が配置された敵キャラクタ画像を示し、(j)は、(h)に示す画像のうちドロップシャドウ画像及び吹き出し画像並びに異なるセリフのセリフ文字画像を赤色で表現した画像を示す図である。
【
図21】(a)~(e)は、強SPリーチ演出へ発展し、強SPリーチ演出が実行されている画面例を示す図である。
【
図22】(a)~(d)は、背景画像に対してキャラクタ画像によるマスク処理を行い、そのキャラクタ画像の形状内に文字画像がスクロール表示された後、背景画像に対してマスク処理を行うことなくキャラクタ画像が表示される予告演出を示す画面例を示し、(e)は、背景画像に対してキャラクタ画像がマスク処理された図を示し、(f)は、背景色が青色で、「悪を倒す」という縦長矩形状の文字画像と、背景色が青色で、「武士」という矩形状の文字画像を示し、(g)は、マスク処理されたキャラクタ画像の形状内に(f)に示す文字画像をスクロール表示させる方法を説明する説明図である。
【
図23】(a-1)は、背景画像を示し、(b-1)は、加工用画像を示し、(c-1)は、(b-1)に示す加工用画像を拡大して、(a-1)に示す背景画像に対して、画像処理を施して重ね合わせようとしている状態を示し、(d-1)は、(c-1)に示す処理を継続し、完全に重ね合わせた状態を示し、(a-2)は、背景画像を示し、(b-2)は、加工用画像を示し、(c-2)は、エフェクト画像を示し、(d-2)は、(b-2)に示す加工用画像を拡大して、(a-2)に示す背景画像に対して、画像処理を施して重ね合わせた後、(c-2)に示すエフェクト画像を重ね合わせ状態を示す図である。
【
図24】同実施形態に係る主制御のメイン処理を説明するフローチャート図である。
【
図25】
図24に示す主制御のメイン処理の続きを説明するフローチャート図である。
【
図26】
図24に示す設定切替処理を説明するフローチャート図である。
【
図27】電源異常チェック処理を説明するフローチャート図である。
【
図28】同実施形態に係る主制御のタイマ割込み処理を説明するフローチャート図である。
【
図29】
図28に示す普通図柄処理を説明するフローチャート図である。
【
図30】
図28に示す特別図柄処理を説明するフローチャート図である。
【
図31】
図30に示す始動口チェック処理1(2)を説明するフローチャート図である。
【
図32】
図30に示す特別図柄変動開始処理を説明するフローチャート図である。
【
図33】
図32に示す当たり判定処理を説明するフローチャート図である。
【
図34】
図30に示す特別図柄変動中処理を説明するフローチャート図である。
【
図35】
図30に示す特別図柄確認時間中処理を説明するフローチャート図である。
【
図36】(a)は普通図柄の当否抽選を実行する際に使用される普通図柄当たり判定テーブルを示し、(b)は特別図柄の当否抽選を実行する際に使用される特別図柄大当たり判定テーブルを示し、(c)は特別図柄の当否抽選を実行する際に使用される特別図柄小当たり判定テーブルを示し、(d)は特別図柄の当否抽選を実行する際に使用される特殊電サポ図柄当たり判定テーブルを示す図である。
【
図37】同実施形態に係るサブ制御のメイン処理を示すフローチャート図である。
【
図38】
図37に示すデータ解析処理を示すフローチャート図である。
【
図39】同実施形態に係るサブ制御のコマンド受信処理を示すフローチャート図である。
【
図40】同実施形態に係るサブ制御のタイマ割込み処理を示すフローチャート図である。
【
図41】(a)は動画に関する初期コマンドリストを説明するフローチャート図を示し、(b)は動画に関する定常コマンドリストを説明するフローチャート図を示し、(c)は静止画に関するコマンドリストを説明するフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る遊技機の一実施形態を、パチンコ遊技機を例にして、図面を参照して具体的に説明する。なお、以下の説明において、上下左右の方向を示す場合は、図示正面から見た場合の上下左右をいうものとする。
【0011】
<パチンコ遊技機外観構成の説明>
まず、
図1~
図2を参照して、本実施形態に係るパチンコ遊技機の外観構成を説明する。
【0012】
<パチンコ遊技機前面の外観構成の説明>
【0013】
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、木製の外枠2の前面に矩形状の前面枠3を開閉可能に取り付け、その前面枠3の裏面に取り付けられている遊技盤収納フレーム(図示せず)内に遊技盤4が装着された構成からなる。遊技盤4は、
図2に示す遊技領域40を前面に臨ませた状態で装着され、
図1に示すように、この遊技領域40の前側に透明ガラスを支持したガラス扉枠5が設けられている。なお、上記遊技領域40は、遊技盤4の面上に配設された球誘導レール6(
図2参照)で囲まれた領域からなるものである。
【0014】
一方、パチンコ遊技機1は、
図1に示すように、ガラス扉枠5の下側に前面操作パネル7が配設され、その前面操作パネル7には上受け皿ユニット8が設けられ、この上受け皿ユニット8には、排出された遊技球を貯留する上受け皿9が一体形成されている。また、この前面操作パネル7には、球貸しボタン11及びプリペイドカード排出ボタン12(カード返却ボタン12)が設けられている。上受け皿9の上皿表面部分には、内蔵ランプ(図示せず)点灯時に遊技者が押下することにより演出効果を変化させることができる押しボタン式の演出ボタン装置13が設けられている。また、この上受け皿9には、当該上受け皿9に貯留された遊技球を下方に抜くための球抜きボタン14が設けられ、さらに、略十字キーからなる設定ボタン15が設けられている。この設定ボタン15は、遊技者による操作が可能なもので、中央部に設けられた円形の決定キー15aと、その決定キー15aの図示上側に設けられた三角形状の上キー15bと、その決定キー15aの図示左側に設けられた三角形状の左キー15cと、その決定キー15aの図示右側に設けられた三角形状の右キー15dと、その決定キー15aの図示下側に設けられた三角形状の下キー15eとで構成されている。
【0015】
一方、
図1に示すように、前面操作パネル7の右端部側には、発射ユニットを作動させるための発射ハンドル16が設けられ、前面枠3の上部両側面側及び発射ハンドル16の近傍には、BGM(Background music)や効果音等を発するスピーカ17が設けられている。なお、上記前面枠3の周枠には、光の装飾により演出効果を現出するフルカラーLEDランプ等の装飾ランプが配設されている。
【0016】
<遊技盤の外観構成の説明>
他方、上記遊技盤4の遊技領域40には、
図2に示すように、略中央部にLCD(Liquid Crystal Display)等からなる液晶表示装置41が配置されている。この液晶表示装置41は、表示エリアを左、中、右の3つのエリアに分割し、独立して数字やキャラクタ、文字(キャラクタの会話や歌詞テロップ等)あるいは図柄(特別図柄や普通図柄)の変動表示が可能なものである。そしてこのような液晶表示装置41の周囲には、装飾用の上飾り42a、左飾り42b、右飾り42cが設けられており、この上飾り42a、左飾り42b、右飾り42cの背面側には可動役物装置43が配置されている。なお、上飾り42a、左飾り42b、右飾り42cには、光の装飾により演出効果を現出するフルカラーLEDランプ等の装飾ランプが配置されている。
【0017】
この可動役物装置43は、
図2に示すように、遊技の進行に伴い所定の演出動作を行う上可動役物43aと、左可動役物43bと、右可動役物43cと、左上可動役物43dと、さらに、上・左・右・左上可動役物43a~43dを、夫々、駆動する2相のステッピングモータ等のモータ(図示せず)とで構成されている。なお、これら上・左・右・左上可動役物43a~43dには、光の装飾により演出効果を現出するフルカラーLEDランプ等の装飾ランプが配置されている。
【0018】
一方、液晶表示装置41の真下には、特別図柄1始動口44が配置され、その内部には入賞球を検出する特別図柄1始動口スイッチ44a(
図3参照)が設けられている。そしてこの特別図柄1始動口スイッチ44a(
図3参照)が検出した有効入賞球数、すなわち、第1始動保留球数が所定数(例えば、4個)液晶表示装置41に表示されることとなる。なお、この第1始動保留球数は、特別図柄1始動口44へ遊技球が入賞し、特別図柄1始動口スイッチ44a(
図3参照)にて検出されると、1加算(+1)され、数字やキャラクタあるいは図柄(装飾図柄)等の特別図柄の変動表示が開始されると、1減算(-1)されるというものである。なお、特別図柄1始動口44及びその周囲には、光の装飾により演出効果を現出するフルカラーLEDランプ等の装飾ランプが配置されている。
【0019】
他方、液晶表示装置41の右下部側には、
図2に示すように、特別図柄2始動装置45が配置されている。この特別図柄2始動装置45は、特別図柄2始動口45aと、この特別図柄2始動口45aを遊技球が入球可能な開状態とする「開放状態」と入球不可能な閉状態とする「閉鎖状態」とに変化可能な開閉部45bと、遊技球を特別図柄2始動口45aに向けて案内する「案内状態」と案内しない「非案内状態」とに変化可能な入球案内部45cと、特別図柄2始動口45aに入球した遊技球を検出する特別図柄2始動口スイッチ45a1(
図3参照)と、で構成されている。
【0020】
特別図柄2始動口45aは、
図2の図示正面左右方向の右側に向けて略横向きに開口しており、その特別図柄2始動口45aの内部に入賞球を検出する特別図柄2始動口スイッチ45a1(
図3参照)が設けられている。この特別図柄2始動口スイッチ45a1(
図3参照)が検出した有効入賞球数、すなわち、第2始動保留球数が所定数(例えば、4個)液晶表示装置41に表示されることとなる。なお、この第2始動保留球数は、特別図柄2始動口45aへ遊技球が入賞し、特別図柄2始動口スイッチ45a1(
図3参照)にて検出されると、1加算(+1)され、数字やキャラクタあるいは図柄(装飾図柄)等の特別図柄の変動表示が開始されると、1減算(-1)されるというものである。
【0021】
開閉部45bは、特別図柄2始動口45aに対して左右方向に移動可能な開閉部材(図示せず)と、開閉部材(図示せず)を駆動制御する普通電動役物ソレノイド45b2(
図3参照)とを備えている。この開閉部45bは、閉鎖状態のときには、開閉部材(図示せず)が特別図柄2始動口45a内に突出してこの特別図柄2始動口45aへの遊技球の入球を阻止し、開放状態のときには、退避して特別図柄2始動口45aへの遊技球の入球を許容するようになっている。
【0022】
入球案内部45cは、
図2に示す右側から左側に向かって下り状に傾斜(特別図柄2始動口45a側に向かって下り状に傾斜)している案内部材(図示せず)と、を備えている。そして、この案内部材(図示せず)は、普通電動役物ソレノイド45b2(
図3参照)にて駆動制御されることとなる。
【0023】
この入球案内部45cは、案内状態のときには、案内部材(図示せず)が遊技領域40の前側(
図1に示すガラス扉枠5側)にスライドして突出し、その上側に乗った遊技球を特別図柄2始動口45aへ案内し、非案内状態のときには、案内部材(図示せず)が後向き(遊技領域40の後側)にスライドして退避するようになっている。これにより、案内部材(図示せず)が案内状態のときにその上に遊技球が乗ったとしても、その遊技球が特別図柄2始動口45aに入球する前に非案内状態に変化して案内部材(図示せず)が後向きにスライドした場合、その遊技球は特別図柄2始動口45aに入球することなく下流側に流下することとなる。なお、案内部材(図示せず)と開閉部材(図示せず)とは連動して動作するようになっている。
【0024】
なお、以下では、上記のような特別図柄2始動装置45を普通電動役物と称することがある。また、特別図柄2始動装置45には、光の装飾により演出効果を現出するフルカラーLEDランプ等の装飾ランプが配置されている。
【0025】
他方、特別図柄1始動口44の右側には、
図2に示すように、入賞装置46が配置されている。この入賞装置46は、後述する特別図柄の抽選に当選したとき、すなわち、当たり遊技状態の際、開閉扉46aにて閉止されている図示しない大入賞口が開放するように開閉扉46aが特別電動役物ソレノイド46b(
図3参照)によって駆動制御され、遊技球が大入賞口(図示せず)に入球可能となる。なお、大入賞口(図示せず)に入球した遊技球は入賞球として大入賞口(図示せず)内部に設けられている大入賞口スイッチ46c(
図3参照)によって検出される。
【0026】
一方、特別図柄の抽選に当選していないとき、すなわち、当たり遊技状態でない場合は、特別電動役物ソレノイド46b(
図3参照)によって開閉扉46aが駆動制御され、大入賞口(図示せず)が閉止される。これにより、大入賞口(図示せず)内に遊技球が入球することができなくなる。なお、以下では、このような開閉扉46a及び特別電動役物ソレノイド46bを合せた装置を特別電動役物と称することがある。また、入賞装置46には、光の装飾により演出効果を現出するフルカラーLEDランプ等の装飾ランプが配置されている。
【0027】
ところで、入賞装置46内には、従来周知の構造である振分装置47が設けられている。この振分装置47は、
図2に示すように、V領域47aと、アウト口47bとを備えており、遊技球が大入賞口(図示せず)に入球されると、その遊技球は、V領域47aか、アウト口47bかに振り分けられるようになっている。なお、振分装置47は、所定の遊技状態とならない限り、大入賞口(図示せず)に入球された遊技球を、V領域47aに振り分けず、アウト口47bに振り分けるようになっている。
【0028】
他方、液晶表示装置41の右上部には、
図2に示すように、ゲートからなる普通図柄始動口48が配置され、その内部には、遊技球の通過を検出する普通図柄始動口スイッチ48a(
図3参照)が設けられている。また、上記入賞装置46の右側及び上記特別図柄1始動口44の左側には、一般入賞口49が夫々配置されている。この一般入賞口49は、上記入賞装置46の右側に配置されている右上一般入賞口49aと、上記特別図柄1始動口44の左側に配置されている左上一般入賞口49bと、左中一般入賞口49cと、左下一般入賞口49dとで構成されている。そして、右上一般入賞口49aの内部には遊技球の通過を検出する右上一般入賞口スイッチ49a1(
図3参照)が設けられ、左上一般入賞口49bの内部には遊技球の通過を検出する左上一般入賞口スイッチ49b1(
図3参照)が設けられ、左中一般入賞口49cの内部には遊技球の通過を検出する左中一般入賞口スイッチ49c1(
図3参照)が設けられ、左下一般入賞口49dの内部には遊技球の通過を検出する左下一般入賞口スイッチ49d1(
図3参照)が設けられている。なお、一般入賞口49には、光の装飾により演出効果を現出するフルカラーLEDランプ等の装飾ランプが配置されている。
【0029】
一方、特別図柄1始動口44の真下には、入賞することなく遊技領域40最下流部まで流下してきた遊技球(アウト球)が入球されるアウト口50が配置されている。なお、このアウト口50に入球した遊技球は非入賞球として内部に設けられているアウト口スイッチ50a(
図3参照)によって検出され、さらに、上述した入賞球も遊技盤4の背面側を通って最下流部まで流下することとなるため、アウト口スイッチ50a(
図3参照)によって検出されることとなる。それゆえ、アウト口スイッチ50a(
図3参照)は、排出されたアウト総数、すなわち、発射ハンドル16にて遊技領域40に発射された遊技球と同数の遊技球を検出することとなる。また、発射ハンドル16にて遊技領域40に発射された遊技球をカウントするにあたっては、球誘導レール6から遊技領域40へと進入する箇所にスイッチを設けて、カウントするようにしてもよい。
【0030】
他方、上記遊技盤4の遊技領域40の右下周縁部には、7セグメントが3個並べて構成されており、そのうち2個の7セグメントが特別図柄表示装置51であり、その他の7セグメント表示装置53aは特別図柄1や特別図柄2、普通図柄の始動保留球数、遊技状態(例えば、有利遊技状態等)を表示するものである。この特別図柄表示装置51は、
図2に示すように、特別図柄1表示装置51aと特別図柄2表示装置51bとで構成されており、その特別図柄1表示装置51aの左側には、1個のLEDからなる普通図柄表示装置52が設けられ、さらに、大当たり遊技のラウンド数を報知するラウンドランプ53b、右打ちを報知するための右打ち報知ランプ53cが設けられている。
【0031】
また、特別図柄1,特別図柄2に対応する識別情報を示す識別ランプ装置51Aが左飾り43b上端部側に設けられている。
【0032】
この識別ランプ装置51Aは、特別図柄1,特別図柄2が変動中、あるいは、当該特別図柄1,特別図柄2の当たり、はずれの情報を遊技者に知らせるための第1,第2識別ランプ51Aa,51Abを有している。この第1識別ランプ51Aaは、特別図柄1に対応しており、第2識別ランプ51Abは、特別図柄2に対応している。そして、特別図柄1が変動中の場合、第1識別ランプ51Aaは点滅し、特別図柄1が当たりの場合、第1識別ランプ51Aaは点灯し、特別図柄1がはずれの場合、第1識別ランプ51Aaは消灯する。そしてさらに、特別図柄2が変動中の場合、第2識別ランプ51Abは点滅し、特別図柄2が当たりの場合、第2識別ランプ51Abは点灯し、特別図柄2がはずれの場合、第2識別ランプ51Abは消灯するというものである。
【0033】
なお、上記遊技盤4の遊技領域40には、図示はしないが複数の遊技釘が配置され、遊技球の落下方向変換部材としての風車54が配置されている。
【0034】
<制御装置の説明>
次に、上記のような外観構成からなるパチンコ遊技機1内に設けられる遊技の進行状況に応じて電子制御を行う制御装置を、
図3を用いて説明する。この制御装置は、
図3に示すように、遊技動作全般の制御を司る主制御基板60と、その主制御基板60からの制御コマンドに基づいて遊技球を払出す払出・発射制御基板70と、画像と光と音についての制御を行うサブ制御基板80とで主に構成されている。
【0035】
<主制御基板に関する説明>
主制御基板60は、主制御CPU600aと、一連の遊技制御手順を記述した遊技プログラム等を格納した主制御ROM600bと、作業領域やバッファメモリ等として機能する主制御RAM600cとで構成されたワンチップマイクロコンピュータ600と、低確時(当たり抽選確率が通常の低確率状態)に幾らの賞球がされたかの比率等に関する内容の表示(性能表示)、及び、遊技者に有利な遊技状態を発生させる確率の設定内容の表示を兼用する7セグメントからなる計測・設定表示装置610と、RAMクリアスイッチ620と、設定キースイッチ630と、を主に搭載している。
【0036】
そして、このように構成される主制御基板60には、払出モータMを制御して遊技球を払出す払出・発射制御基板70が接続されている。そしてさらには、特別図柄1始動口44への入賞を検出する特別図柄1始動口スイッチ44aと、特別図柄2始動口45aへの入賞を検出する特別図柄2始動口スイッチ45a1と、普通図柄始動口48の通過を検出する普通図柄始動口スイッチ48aと、一般入賞口49(右上一般入賞口49a,左上一般入賞口49b,左中一般入賞口49c,左下一般入賞口49d)への入賞を検出する右上一般入賞口スイッチ49a1,左上一般入賞口スイッチ49b1,左中一般入賞口スイッチ49c1,左下一般入賞口スイッチ49d1と、開閉扉46aによって開放又は閉止される大入賞口(図示せず)の入賞を検出する大入賞口スイッチ46cと、発射ハンドル16にて遊技領域40に発射された遊技球と同数の遊技球を検出可能なアウト口スイッチ50aとが接続されている。またさらには、開閉部材(図示せず)及び案内部材(図示せず)を駆動制御する普通電動役物ソレノイド45b2と、開閉扉46aの動作を制御する特別電動役物ソレノイド46bと、振分装置47と、特別図柄1表示装置51aと、特別図柄2表示装置51bと、普通図柄表示装置52と、7セグメント表示装置53aと、ラウンドランプ53bと、右打ち報知ランプ53cと、が接続されている。またさらには、遊技者の不正行為を検出する不正検出基板55が接続されている。
【0037】
このように構成される主制御基板60は、特別図柄1始動口スイッチ44a又は特別図柄2始動口スイッチ45a1あるいは普通図柄始動口スイッチ47aからの信号を主制御CPU600aにて受信すると、抽選を行い、その抽選結果である当否情報に応じて特別図柄の変動パターンや停止図柄あるいは普通図柄の表示内容を決定し、その決定した情報を特別図柄1表示装置51a又は特別図柄2表示装置51bあるいは普通図柄表示装置52に送信する。これにより、特別図柄1表示装置51a又は特別図柄2表示装置51bあるいは普通図柄表示装置52に抽選結果が表示されることとなる。そしてさらに、主制御基板60、すなわち、主制御CPU600aは、その決定した情報を含む演出制御コマンドDI_CMDを生成し、サブ制御基板80に送信する。なお、主制御基板60、すなわち、主制御CPU600aが、特別図柄1始動口スイッチ44a、特別図柄2始動口スイッチ45a、右上一般入賞口スイッチ49a1、左上一般入賞口スイッチ49b1、左中一般入賞口スイッチ49c1、左下一般入賞口スイッチ49d1、大入賞口スイッチ46cからの信号を受信した場合は、遊技者に幾らの遊技球を払い出すかを決定し、その決定した情報を含む払出制御コマンドPAY_CMDを払出・発射制御基板70に送信することで、払出・発射制御基板70が遊技者に遊技球を払出すこととなる。
【0038】
また、抽選を行った結果、普通図柄の抽選に当選した場合、所定時間、開閉部材(図示せず)が開放状態、及び、案内部材(図示せず)が案内状態となるように普通電動役物ソレノイド45b2が駆動制御され、特別図柄の抽選に当選した場合、特別電動役物ソレノイド46bが大入賞口(図示せず)を開放するように制御される。
【0039】
そして、1種2種混合タイプの遊技機では、小当たり遊技状態となった際、開閉扉46aにて大入賞口(図示せず)の開放閉止を繰り返し行うように制御され、遊技球が大入賞口(図示せず)に入球されると、その遊技球がV領域47aに振り分けられるように、振分装置47が制御される。
【0040】
他方、主制御基板60、すなわち、主制御CPU600aは、特別図柄1始動口スイッチ44a、特別図柄2始動口スイッチ45a1、右上一般入賞口スイッチ49a1、左上一般入賞口スイッチ49b1、左中一般入賞口スイッチ49c1、左下一般入賞口スイッチ49d1、大入賞口スイッチ46cからの信号を受信する毎に、賞球数を計測し、アウト口スイッチ50aからの信号を受信する毎に、排出された遊技球の総数を計測する。そして、主制御基板60、すなわち、主制御CPU600aは、この計測した賞球数及び排出された遊技球の総数に基づき、低確時に幾らの賞球がされたかの比率等に関する内容(性能表示)を計測・設定表示装置610に出力する。これにより、計測・設定表示装置610に低確時に幾らの賞球がされたかの比率等に関する内容(性能表示)が表示されることとなる。
【0041】
さらに、計測・設定表示装置610は、遊技者に有利な遊技状態を発生させる確率の設定内容を、例えば、「1」~「6」の6段階で表示することができるようになっている。したがって、このような設定内容を変更するにあたっては、設定キースイッチ630に専用キーを挿入し、ONされると、RAMクリアスイッチ620にて、遊技者に有利な遊技状態を発生させる確率の設定内容を例えば「1」~「6」の6段階で設定変更することができるようになっている(例えば、設定「6」が、遊技者に有利な遊技状態を発生させる確率が最も高く、設定「1」が、遊技者に有利な遊技状態を発生させる確率が最も低くなっている)。そして、その設定変更内容は、計測・設定表示装置610に表示され、設定変更内容が確定すると、7セグメントの右下側にあるドットが点灯し、設定内容が確定したことが表示されるようになっている。
【0042】
他方、RAMクリアスイッチ620は、設定キースイッチ630に専用キーを挿入し、ONされた場合以外に、RAMクリアスイッチ620が押下されると、主制御RAM600cのメモリ領域は全てクリアされず、一部のメモリ領域のみクリアされるようになっている。
【0043】
一方、主制御基板60、すなわち、主制御CPU600aは、不正検出基板55に搭載されている磁気センサ、又は、電波センサ、あるいは、振動センサにて遊技者の不正行為を検出した不正行為検知信号を受信すると、不正エラーコマンド(演出制御コマンドDI_CMD)を生成し、サブ制御基板80に送信する。
【0044】
<払出・発射制御基板に関する説明>
払出・発射制御基板70は、上記主制御基板60(主制御CPU600a)からの払出制御コマンドPAY_CMDを受信し、その受信した払出制御コマンドPAY_CMDに基づいて払出モータ信号を生成する。そして、その生成した払出モータ信号にて、払出モータMを制御し、遊技者に遊技球を払出す。そしてさらに、払出・発射制御基板70は、遊技球の払出動作を示す賞球計数信号や払出動作の異常に係るステータス信号に基づいて、遊技者の操作に応答して遊技球を発射させる動作を開始又は停止させる処理を行う。
【0045】
一方、
図1に示す発射ハンドル16の周縁部には、タッチセンサが設けられており、遊技者の手が発射ハンドル16のタッチセンサに接触すると、タッチセンサは検出信号を、
図4に示すように、払出・発射制御基板70に出力する。これを受けて、払出・発射制御基板70は、その検出信号を、主制御基板60(主制御CPU600a)に送信することとなる。そして、主制御基板60(主制御CPU600a)は、その検出信号を、演出制御コマンドDI_CMDとして、サブ制御基板80に送信することとなる。これにより、遊技者がハンドル16に触って遊技したか否かの情報を、サブ制御基板80に送信することが可能となる。
【0046】
ところで、払出・発射制御基板70は、遊技者への球貸し処理も行っている。すなわち、
図1及び
図3に示す球貸しボタン11が押下されると、球貸し信号が、パチンコ遊技機1に隣接して配置されているCRユニット(図示省略)に送信される。これを受けて、CRユニットは、球貸し要求信号を払出・発射制御基板70に送信する。そして、払出・発射制御基板70は、この信号を受けて、遊技者に遊技球を払い出し、払い出しが完了すると、球貸し完了信号をCRユニットに送信することとなる。したがって、このようにして、払出・発射制御基板70は、遊技者への球貸し処理を行うこととなる。
【0047】
<サブ制御基板に関する説明>
サブ制御基板80は、上記主制御基板60(主制御CPU600a)からの演出制御コマンドDI_CMDを受けて各種演出を実行制御すると共に、液晶表示装置41に表示される表示画像を制御するサブ制御CPU800aと、演出制御手順を記述した制御プログラム等が格納されているサブ制御ROM800bと、作業領域やバッファメモリ等として機能するサブ制御RAM800cとで構成されたサブワンチップマイコン800を搭載している。
【0048】
またさらに、サブ制御基板80は、所望のBGMや効果音等を生成する音LSI801と、作業領域やバッファメモリ等として機能する音RAM802と、サブワンチップマイコン800の指示に基づき液晶表示装置41に表示される画像データを生成するVDP803と、動画圧縮データを伸張する作業領域と、液晶表示装置41に表示される画像データを一時的に保存するフレームバッファ領域とで構成されるDDR2SDRAM804と、静止画圧縮データと動画圧縮データのCGデータと、BGMや効果音等の音データと、が予め格納されている遊技ROM805と、が搭載されている。なお、静止画とは、いわゆるスプライト画像であって、文字等のテキストデータや背景画像、あるいは、特別図柄等、単一の画像を示すものである。また、動画とは、連続的に変化する複数枚(複数フレーム分)の静止画の集合を意味し、液晶表示装置41に複数枚の静止画が連続して描画されることで、円滑な動作が再現されるものである。
【0049】
このように構成されるサブ制御基板80には、ランプ演出効果を現出するフルカラーLEDランプ等の装飾ランプが搭載されている装飾ランプ基板90が接続され、さらに、内蔵されているランプ(図示せず)点灯時に遊技者が押下することにより演出効果を変化させることができる押しボタン式の演出ボタン装置13が接続され、BGMや効果音等を発するスピーカ17が接続されている。そしてさらに、サブ制御基板80には、遊技の進行に伴い所定の演出動作を行う可動役物装置43が接続され、特別図柄1,特別図柄2が変動中、あるいは、当該特別図柄1,特別図柄2の当たり、はずれの情報を遊技者に知らせるための識別ランプ装置51Aが接続され、各種設定が可能な設定ボタン15が接続され、液晶表示装置41が接続されている。
【0050】
かくして、このように構成されるサブ制御基板80は、主制御基板60(主制御CPU600a)より送信される抽選結果に基づく特別図柄変動パターン、現在の遊技状態、始動保留球数、抽選結果に基づき停止させる装飾図柄等に必要となる基本情報を含んだ演出制御コマンドDI_CMDをサブ制御CPU800aにて受信する。そして、サブ制御CPU800aは、受信した演出制御コマンドDI_CMDに対応した演出パターンを、サブ制御ROM800b内に予め格納しておいた多数の演出パターンの中から抽選により決定し、その決定した演出パターンを実行指示する制御信号をサブ制御RAM800c内に一時的に格納する。
【0051】
サブ制御CPU800aは、サブ制御RAM800cに格納しておいた演出パターンを実行指示する制御信号のうち、音に関する制御信号を音LSI801に送信する。これを受けて音LSI801は、当該制御信号に対応する音データを遊技ROM805又は音RAM802より読み出し、スピーカ17に出力する。これにより、スピーカ17より上記決定された演出パターンに対応したBGMや効果音が発せられることとなる。
【0052】
またサブ制御CPU800aは、サブ制御RAM800cに格納しておいた演出パターンを実行指示する制御信号のうち、光に関する制御信号を装飾ランプ基板90に送信する。これにより、装飾ランプ基板90が、ランプ演出効果を現出するフルカラーLEDランプ等の装飾ランプを点灯又は消灯する制御を行うため、上記決定された演出パターンに対応したランプ演出が実行されることとなる。
【0053】
そしてサブ制御CPU800aは、サブ制御RAM800cに格納しておいた演出パターンを実行指示する制御信号のうち、画像に関するコマンドリストをVDP803に送信する。これにより、VDP803が、当該コマンドリストに基づく画像を表示させるように画像データを生成し、その生成した画像データを液晶表示装置41に送信することにより、上記決定された演出パターンに対応した画像が液晶表示装置41に表示されることとなる。なお、液晶表示装置41に表示される画像データは1フレーム毎に更新されるが、この1フレームの表示動作が終わったことをサブワンチップマイコン800(サブ制御CPU800a)が把握できるように、
図3に示すVSYNC(垂直同期信号)を割込み信号としてVDP803からサブ制御CPU800aに対して送信するようにしている。これにより、サブ制御CPU800aは、1フレーム分の画像データが液晶表示装置41に表示されたことを把握することができる。なお、このVSYNC割込み信号は、例えば、33ms毎に発生するようにしている。
【0054】
さらにサブ制御CPU800aは、サブ制御RAM800cに格納しておいた演出パターンを実行指示する制御信号のうち、可動役物に関する制御信号を可動役物装置43に送信する。これにより、可動役物装置43は、上記決定された演出パターンに対応した可動をすることとなる。
【0055】
<電源基板の説明>
ところで、上記説明した各基板への電源供給は、
図3に示す電源基板130より供給されている。この電源基板130は、電圧生成部1300と、電圧監視部1310と、システムリセット生成部1320とを含んで構成されている。この電圧生成部1300は、遊技店に設置された図示しない変圧トランスから供給される外部電源である交流電圧AC24Vを受けて複数種類の直流電圧を生成するもので、その生成された直流電圧は、図示はしないが各基板に供給されている。
【0056】
また、電圧監視部1310は、上記交流電圧AC24Vの電圧を監視するもので、この電圧が遮断されたり、停電が発生したりして電圧異常を検出した場合に電圧異常信号ALARMを主制御基板60に出力するものである。なお、電圧異常信号ALARMは、電圧異常時には「L」レベルの信号を出力し、正常時には「H」レベルの信号を出力する。
【0057】
また、一方、システムリセット生成部1320は、電源投入時のシステムリセット信号RSTを生成するもので、その生成されたシステムリセット信号RSTは、各基板に出力されている。
【0058】
<発展あおり演出に関する説明>
ここで、発展あおり演出に関する説明を行う。
【0059】
従来の遊技機において、期待感の低い弱SPリーチ演出から期待感の高い強SPリーチへ発展するか否かの発展あおり演出を行うものが知られている。しかしながら、ノーマルリーチ演出から発展した、所謂、弱SPリーチ演出は、ほぼ大当たりに当選しない。そのため、強SPリーチ演出へ発展するか否かがポイントになるが、それでもなかなか発展しないという問題があった。
【0060】
そこで、弱SPリーチ演出から強SPリーチ演出へと発展させ易くすると、遊技者の大当たりへの期待度は向上することとなるが、発展させ易くすると、必然的に、強SPリーチ演出の出現率が上がりすぎることとなり、これによって、大当たりへの信頼度が低下してしまう(強SPリーチ演出の出現率を上げようとすると、はずれの場合に強SPリーチ演出の出現率をあげなくてはならないため)という問題があった。
【0061】
そこで、本実施形態においては、なかなか強SPリーチ演出へ発展しない事態を補填するため、弱SPリーチ演出中に別ルートの発展演出を行い、弱SPリーチ演出からの発展先を複数設けることによって、大当たりへの信頼度を低下させることなく、遊技者の期待感を増大させるというものである。以下、詳しく説明することとする。
【0062】
<弱SPリーチ演出から強SPリーチ演出へ発展する例の説明>
図4は、弱SPリーチ演出から、強SPリーチ演出へ発展する例を示している。具体的には、
図4(a)では、弱SPリーチ演出を示しており、液晶表示装置41には、画面左上隅に縮小した左装飾図柄(画像P1Aa参照)と、画面右上隅に縮小した右装飾図柄(画像P1Ca参照)が表示され、さらに、画面中央に、「SPリーチ」(画像P20参照)という青色の文字が表示されると共に、画面右下隅に、常駐図柄(画像P2参照)が変動している状態が表示されている。
【0063】
次いで、所定の条件を満たせば、強SPリーチ演出に発展するリーチ内容が、
図4(b)~(d)に示すように液晶表示装置41に表示されることとなる。具体的には、
図4(b)に示すように、液晶表示装置41には、「SPリーチ」(画像P20参照)という青色の文字に代わって、傾斜状の境界線(画像P21参照)を挟んで図示右下に兜を被って盾と剣を持った上半身が表示されているキャラクタ画像CH30(キャラクタ画像の服の色は「青色」、兜の立物の色は「白色」、盾の枠の色は「白色」、剣の色は「白色」)が表示されると共に、図示左上に砦CH31が表示される。次いで、
図4(c)に示すように、液晶表示装置41には、
図4(b)に示す画面内容に加え、画面中央に、「砦に行けば発展」(画像M1参照)という内容が表示される。次いで、
図4(d)に示すように、液晶表示装置41には、
図4(c)に示す画面に表示されている境界線(画像P21参照)よりも幅が広がった傾斜状の境界線(画像P21a参照)を挟んで図示右下に兜を被って盾と剣を持った全身が表示されているキャラクタ画像CH30a(キャラクタ画像の服の色は「青色」、兜の立物の色は「白色」、盾の枠の色は「白色」、剣の色は「白色」)が「やー!」と叫んだ状態で表示されると共に、図示左上に
図4(c)に示す画面に表示されている砦CH31よりも拡大された砦CH31aが表示される。
【0064】
次いで、はずれか発展かのどちらになるかの発展あおり演出が実行される。具体的には、
図4(e)に示すように、液晶表示装置41には、境界線(画像P21a参照)が薄く表示され、さらに、砦CH31aに代わって、画面中央に、発展図柄(画像P22参照)とはずれ図柄(画像P23参照、図示では、「6」が表示)が表示され、どちらになるかの発展あおり演出が実行される。なお、本実施形態においては、当たり図柄を表示せずにはずれ図柄と発展図柄を表示する例を示したが、当たり図柄とはずれ図柄と発展図柄を表示する場合もある。
【0065】
次いで、発展図柄(画像P22参照)が選択されると、
図4(f)に示すように、液晶表示装置41の画面中央に、発展図柄(画像P22参照)が表示される(発展図柄(画像P22参照)の後ろには、キャラクタ画像CH30aが砦CH31aに行ったことを示すように、キャラクタ画像CH30aと砦CH31aが表示されている)。これにより、
図4(g)に示すように、液晶表示装置41には、キャラクタ画像CH30aと砦CH31aと発展図柄(画像P22参照)に代わって、「最終決戦リーチ」(画像P24参照)という青色の文字が表示される。かくして、このようにして、強SPリーチ演出へと発展することとなる。なお、この時点では、当たりではないため、はずれの場合でも発展図柄が選択される場合がある。
【0066】
次いで、強SPリーチ演出へと発展すると、演出が成功するか失敗するかの当落表示を行い、その後、図柄表示が行われることとなる。すなわち、強SPリーチ演出では、図柄で当落をあおることなく、演出が成功するか失敗するかで当落表示を行い、その後、図柄表示が行われることとなる。
【0067】
具体的に説明すると、液晶表示装置41に
図4(g)に示す内容が表示されたのち、
図4(h)に示すように、液晶表示装置41には、「最終決戦リーチ」(画像P24参照)という青色の文字に代わって、兜を被って盾と剣を持った全身が表示されているキャラクタ画像CH30a(キャラクタ画像の服の色は「青色」、兜の立物の色は「白色」、盾の枠の色は「白色」、剣の色は「白色」)が「勝負!」と叫んだ状態で、敵キャラクタ画像CH32に戦いを挑んでいる演出が表示される。
【0068】
次いで、戦いに勝てば、
図4(i-1)に示すように、キャラクタ画像CH30aが「勝ち!」と叫んだ状態で、敵キャラクタ画像CH32を倒した演出が液晶表示装置41に表示され、その後、
図4(j-1)に示すように、液晶表示装置41には、画面中央に、左装飾図柄(画像P1A参照)、中装飾図柄(画像P1B参照)、右装飾図柄(画像P1C参照)が、当たり図柄(図示では、「777」)で停止し、常駐図柄(画像P2A参照)も同一の数字で停止した、大当たりに当選したこと示す画像が表示される。
【0069】
一方、戦いに負ければ、
図4(i-2)に示すように、キャラクタ画像CH30aが「負けた」と叫んだ状態で、敵キャラクタ画像CH32に倒された演出が液晶表示装置41に表示され、その後、
図4(j-2)に示すように、液晶表示装置41には、画面中央に、左装飾図柄(画像P1A参照)、中装飾図柄(画像P1B参照)、右装飾図柄(画像P1C参照)がはずれ図柄(図示では、「767」)で停止したものが表示される。そしてその後、
図4(k-2)に示すように、液晶表示装置41には、左装飾図柄(画像P1A参照)、中装飾図柄(画像P1B参照)、右装飾図柄(画像P1C参照)が停止し(図示では、「767」で停止)、常駐図柄(画像P2A参照)も同一の数字で停止したものが表示され、通常変動画面に戻ることとなる。
【0070】
一方、戦いに負けて、液晶表示装置41に
図4(i-2)に示すような画面が表示された後、強SPリーチでは当たりとなる場合のみ、
図4(j-3)に示すように、液晶表示装置41に、背景色が変わり、「復活だ!」と叫んだ状態のキャラクタ画像CH30が表示された復活演出が実行される。この際、
図4(i-2)から
図4(j-3)の復活演出へ移行するか否かのあおり演出のようなものはなく、復活演出が実行されると、必ず当たりとなるため、
図4(k-3)に示すように、液晶表示装置41には、画面中央に、左装飾図柄(画像P1A参照)、中装飾図柄(画像P1B参照)、右装飾図柄(画像P1C参照)が、当たり図柄(図示では、「777」)で停止し、常駐図柄(画像P2A参照)も同一の数字で停止した、大当たりに当選したこと示す画像が表示される。
【0071】
他方、
図4(e)に示すように、液晶表示装置41に発展おあり演出が実行され、はずれ図柄(画像P23参照、図示では、「6」が表示)が選択されると、
図5(a)に示すように、液晶表示装置41の画面中央にはずれ図柄(画像P23参照、図示では、「6」が表示)が表示されることとなる。なお、
図5(a)に示すように、液晶表示装置41には、兜を被って盾と剣を持った全身が表示されているキャラクタ画像CH30b(キャラクタ画像の服の色は「青色」、兜の立物の色は「白色」、盾の枠の色は「白色」、剣の色は「白色」)が「あーれー」と叫んだ状態で転落していっている状態も表示されている。
【0072】
次いで、
図5(b)に示すように、液晶表示装置41に、左装飾図柄(画像P1Aa参照)、中装飾図柄(画像P1B参照)、右装飾図柄(画像P1Ca参照)が、はずれ図柄(図示では、「767」)で停止し、はずれであることが表示される。そしてその後、
図5(c)に示すように、液晶表示装置41には、左装飾図柄(画像P1A参照)、中装飾図柄(画像P1B参照)、右装飾図柄(画像P1C参照)が停止し(図示では、「767」で停止)、常駐図柄(画像P2A参照)も同一の数字で停止したものが表示され、通常変動画面に戻ることとなる。なお、
図5(b)に示すはずれ表示の後に復活演出を実行するようにしてもよいが、大当たりとなるパターンが増えることで、大当たり時における強SPリーチや、強SPリーチはずれ後の復活演出を実行する割合が減ってしまうため、本実施形態では弱SPリーチ後は復活演出を実行しないようにしている。
【0073】
かくして、このようにして、弱SPリーチ演出から強SPリーチ演出へと発展するか、はずれ図柄となるかの発展あおり演出が行われることとなる。すなわち、弱SPリーチ演出では、基本的に、当たりとなる確率が低くなっている。そのため、当たり図柄とはずれ図柄で当落のあおり演出を行うと、ほぼ、はずれ図柄が液晶表示装置41に表示されることとなるから、これでは、遊技者の興趣を低下させてしまいかねない。そこで、上記説明したように、弱SPリーチ演出から強SPリーチ演出へと発展するか、はずれ図柄となるかの発展あおり演出が行われている。
【0074】
しかしながら、それでも弱SPリーチ演出から強SPリーチ演出へは、なかなか発展しないことが多いため、強SPリーチ演出と同じぐらいか、弱SPリーチ演出と強SPリーチ演出の中間ぐらいの大当たりへの信頼度に位置する別ルート演出への発展あおり演出を行うようにする。以下、詳しく説明することとする。
【0075】
<別ルート演出への発展あおり演出の説明>
図4(e)に示すように、液晶表示装置41に発展おあり演出が表示され、はずれ図柄(画像P23参照、図示では、「6」が表示)が選択されると、
図6(a)に示すように、液晶表示装置41の画面中央に、はずれ図柄(画像P23参照、図示では、「6」が表示)が表示されることとなる。なお、
図6(a)に示すように、液晶表示装置41には、兜を被って盾と剣を持った全身が表示されているキャラクタ画像CH30b(キャラクタ画像の服の色は「青色」、兜の立物の色は「白色」、盾の枠の色は「白色」、剣の色は「白色」)が「あーれー」と叫んだ状態で転落していっている状態も表示されている。
【0076】
次いで、
図6(a)に示すように、はずれ図柄(画像P23参照、図示では、「6」が表示)が表示された後、別ルート演出へ発展するか否かの発展あおり演出が実行される。具体的には、
図6(b)に示すように、液晶表示装置41に、はずれ図柄(画像P23参照、図示では、「6」が表示)を隠蔽するように、宝箱(画像P25参照)が表示される発展あおり演出が表示される。なお、本実施形態においては、はずれ図柄(画像P23参照、図示では、「6」が表示)を、
図6(a)に示すように、キャラクタ画像CH30bが転落している際に液晶表示装置41に表示する例を示したが、別ルート演出へ発展するか否かの発展あおり演出の期待感を損ねないように、はずれ図柄を液晶表示装置41に表示しないようにしても良い。この際、はずれ図柄を液晶表示装置41に表示するタイミングは、
図6(c-1)に示す別ルート演出へ発展しないことを示すタイミングが好ましい。
【0077】
次いで、別ルート演出へ発展しない場合は、
図6(c-1)に示すように、液晶表示装置41に、左装飾図柄(画像P1Aa参照)、中装飾図柄(画像P1B参照)、右装飾図柄(画像P1Ca参照)が、はずれ図柄(図示では、「767」)で停止し、はずれであることが表示される。そしてその後、
図6(d-1)に示すように、液晶表示装置41には、左装飾図柄(画像P1A参照)、中装飾図柄(画像P1B参照)、右装飾図柄(画像P1C参照)が停止し(図示では、「767」で停止)、常駐図柄(画像P2A参照)も同一の数字で停止したものが表示され、通常変動画面に戻ることとなる。
【0078】
一方、別ルート演出へ発展する場合、別ルート演出(リーチ演出)が実行されることとなる。具体的には、
図6(c-2)に示すように、液晶表示装置41には、画面左上隅に縮小した左装飾図柄(画像P1Aa参照)と、画面右上隅に縮小した右装飾図柄(画像P1Ca参照)が同一の図柄(図示では、「7」)で停止されたリーチ状態が表示され、画面中央には、宝箱の画像に重なった状態で「宝箱チャンスゲット!」(画像P26参照)という青色の文字が表示される。そして、
図6(d-2)に示すように、液晶表示装置41には、
図6(c-2)に示す画面内容に加え、画面下に、「お宝発見で大当たり!?」(画像P27参照)という緑色の文字が表示される。そしてその後、
図6(e-2)に示すように、宝箱の画像に重なった状態で「宝箱チャンスゲット!」(画像P26参照)という青色の文字、及び、「お宝発見で大当たり!?」(画像P27参照)という緑色の文字に代わって、液晶表示装置41には、画面中央に、宝箱の中にお宝があってリーチ演出が成功するか否かの画像(画像P28参照)が表示される。
【0079】
かくして、リーチ演出に成功すると、
図6(f-2)に示すように、液晶表示装置41には、宝箱からお宝が出てきている画像に重なった状態で「お宝発見!」(画像P26参照)という赤色の文字が表示される成功演出が表示される。そしてその後、
図6(g-2)に示すように、液晶表示装置41には、画面中央に、左装飾図柄(画像P1A参照)、中装飾図柄(画像P1B参照)、右装飾図柄(画像P1C参照)が、当たり図柄(図示では、「777」)で停止し、常駐図柄(画像P2A参照)も同一の数字で停止した、大当たりに当選したこと示す画像が表示される。
【0080】
一方、リーチ演出に失敗すると、
図6(f-3)に示すように、液晶表示装置41には、宝箱の中身がからっぽであることを示す画像に重なった状態で「からっぽ・・・」(画像P30参照)という青色の文字が表示される失敗演出が表示される。その後、
図6(g-3)に示すように、液晶表示装置41には、左装飾図柄(画像P1Aa参照)、中装飾図柄(画像P1B参照)、右装飾図柄(画像P1Ca参照)が、はずれ図柄(図示では、「767」)で停止し、はずれであることが表示される。そしてその後、
図6(h-3)に示すように、液晶表示装置41には、左装飾図柄(画像P1A参照)、中装飾図柄(画像P1B参照)、右装飾図柄(画像P1C参照)が停止し(図示では、「767」で停止)、常駐図柄(画像P2A参照)も同一の数字で停止したものが表示され、通常変動画面に戻ることとなる。
【0081】
かくして、このようにして、別ルート演出への発展あおり演出が実行されることとなる。
【0082】
<別ルート演出への発展あおり演出を複数回実行する場合の説明>
ところで、上記説明した別ルート演出への発展あおり演出は、弱SPリーチ演出の結果が出る前のリーチ演出と並行して、複数回実行することもできる。具体的には、液晶表示装置41に、
図4(d)に示すような画面内容が表示された際、
図7(a)に示すように、液晶表示装置41に、キャラクタ画像CH30a及び砦CH31aを隠蔽するように、宝箱(画像P31参照)が表示される別ルート演出への発展あおり演出が表示される。
【0083】
次いで、
図7(b)に示すように、液晶表示装置41には、境界線(画像P21a参照)が薄く表示され、さらに、砦CH31aに代わって、画面中央に、発展図柄(画像P22参照)と、はずれ図柄(画像P23参照、図示では、「6」が表示)が表示され、どちらになるかの、弱SPリーチ演出から強SPリーチ演出へ発展するかの発展あおり演出が実行される。
【0084】
次いで、はずれ図柄(画像P23参照、図示では、「6」が表示)が選択されると、
図7(c)に示すように、液晶表示装置41の画面中央にはずれ図柄(画像P23参照、図示では、「6」が表示)が表示されることとなる。なお、
図7(c)に示すように、液晶表示装置41には、兜を被って盾と剣を持った全身が表示されているキャラクタ画像CH30b(キャラクタ画像の服の色は「青色」、兜の立物の色は「白色」、盾の枠の色は「白色」、剣の色は「白色」)が「あーれー」と叫んだ状態で転落していっている状態も表示されている。
【0085】
次いで、
図7(c)に示すように、はずれ図柄(画像P23参照、図示では、「6」が表示)が表示された後、再び、別ルート演出へ発展するか否かの発展あおり演出が実行される。具体的には、
図7(d)に示すように、液晶表示装置41に、はずれ図柄(画像P23参照、図示では、「6」が表示)を隠蔽するように、宝箱(画像P25参照)が表示される発展あおり演出が表示される。
【0086】
次いで、別ルート演出へ発展しない場合は、
図7(e-1)に示すように、液晶表示装置41に、左装飾図柄(画像P1Aa参照)、中装飾図柄(画像P1B参照)、右装飾図柄(画像P1Ca参照)が、はずれ図柄(図示では、「767」)で停止し、はずれであることが表示される。以降の処理は、
図6を参照して説明した内容と同一である。
【0087】
一方、別ルート演出へ発展する場合、
図7(e-2)に示すように、液晶表示装置41には、画面左上隅に縮小した左装飾図柄(画像P1Aa参照)と、画面右上隅に縮小した右装飾図柄(画像P1Ca参照)が同一の図柄(図示では、「7」)で停止されたリーチ状態が表示され、画面中央には、宝箱の画像に重なった状態で「宝箱チャンスゲット!」(画像P26参照)という青色の文字が表示される。以降の処理は、
図6を参照して説明した内容と同一である。
【0088】
一方、
図8に示すように、上記説明した別ルート演出への発展あおり演出は、弱SPリーチ演出の結果が出る前のリーチ演出と並行して、複数回実行することもできる。
【0089】
図8(a)に示すように、液晶表示装置41には、傾斜状の境界線(画像P21a参照)を挟んで図示右下に兜を被って盾と剣を持った全身が表示されているキャラクタ画像CH30a(キャラクタ画像の服の色は「青色」、兜の立物の色は「白色」、盾の枠の色は「白色」、剣の色は「白色」)が「やー!」と叫んだ状態で表示されると共に、砦CH31aが表示され、弱SPリーチ演出から強SPリーチ演出へ発展するかの発展あおり演出が実行される。
【0090】
次いで、
図8(b)に示すように、液晶表示装置41には、境界線(画像P21a参照)が薄く表示され、さらに、砦CH31aに代わって、画面中央に、発展図柄(画像P22参照)とはずれ図柄(画像P23参照、図示では、「6」が表示)が表示され、どちらになるかの発展あおり演出が実行される。この際、発展図柄(画像P22参照)とはずれ図柄(画像P23参照、図示では、「6」が表示)とキャラクタ画像CH30aを隠蔽するように、宝箱(画像P31参照)が表示される別ルート演出への発展あおり演出も表示される。
【0091】
次いで、はずれ図柄(画像P23参照、図示では、「6」が表示)が選択されると、
図8(c)に示すように、液晶表示装置41の画面中央にはずれ図柄(画像P23参照、図示では、「6」が表示)が表示されることとなる。なお、
図8(c)に示すように、液晶表示装置41には、兜を被って盾と剣を持った全身が表示されているキャラクタ画像CH30b(キャラクタ画像の服の色は「青色」、兜の立物の色は「白色」、盾の枠の色は「白色」、剣の色は「白色」)が「あーれー」と叫んだ状態で転落していっている状態も表示されている。
【0092】
次いで、
図8(c)に示すように、はずれ図柄(画像P23参照、図示では、「6」が表示)が表示された後、再び、別ルート演出へ発展するか否かの発展あおり演出が実行される。具体的には、
図8(d)に示すように、液晶表示装置41に、はずれ図柄(画像P23参照、図示では、「6」が表示)を隠蔽するように、宝箱(画像P25参照)が表示される発展あおり演出が表示される。
【0093】
次いで、別ルート演出へ発展しない場合は、
図8(e-1)に示すように、液晶表示装置41に、左装飾図柄(画像P1Aa参照)、中装飾図柄(画像P1B参照)、右装飾図柄(画像P1Ca参照)が、はずれ図柄(図示では、「767」)で停止し、はずれであることが表示される。以降の処理は、
図6を参照して説明した内容と同一である。
【0094】
一方、別ルート演出へ発展する場合、
図8(e-2)に示すように、液晶表示装置41には、画面左上隅に縮小した左装飾図柄(画像P1Aa参照)と、画面右上隅に縮小した右装飾図柄(画像P1Ca参照)が同一の図柄(図示では、「7」)で停止されたリーチ状態が表示され、画面中央には、宝箱の画像に重なった状態で「宝箱チャンスゲット!」(画像P26参照)という青色の文字が表示される。以降の処理は、
図6を参照して説明した内容と同一である。
【0095】
かくして、
図7及び
図8を参照して説明したように、上記説明した別ルート演出への発展あおり演出は、弱SPリーチ演出の結果が出る前のリーチ演出と並行して、複数回実行することができる。
【0096】
<発展あおり演出のタイミングチャートの説明>
ところで、上記説明してきた発展あおり演出は、
図9に示すようなタイミングチャートに則して処理されることとなる。
【0097】
具体的には、
図9(a)に示す弱SPリーチはずれの場合、タイミングT1~タイミングT2の期間、
図4(a)~(c)に示すような弱SPリーチ演出が実行される。次いで、タイミングT2~タイミングT3の期間、
図4(d)~(e)に示すような発展あおり演出が実行される。次いで、タイミングT3~タイミングT4の期間、
図5(a)に示すように、発展失敗演出が実行され、タイミングT4~タイミングT5の期間、
図5(b)に示すように、発展失敗後の弱SPリーチ演出でのはずれ図柄が液晶表示装置41に表示される。次いで、タイミングT5~タイミングT6の期間、
図5(c)に示すように、通常変動に戻ってのはずれ図柄が液晶表示装置41に表示される。
【0098】
一方、
図9(b)に示す弱SPリーチ演出から強SPリーチ演出へ発展し当たりになる場合、タイミングT1~タイミングT2の期間、
図4(a)~(d)に示すような弱SPリーチ演出が実行される。次いで、タイミングT2~タイミングT3の期間、
図4(e)に示すような発展あおり演出が実行される。次いで、タイミングT3~タイミングT4の期間、
図4(f)に示すように、発展成功演出が実行され、タイミングT4~タイミングT7の期間、
図4(g)~(i-1)に示すような強SPリーチ演出が実行される。次いで、タイミングT7~タイミングT8の期間、
図4(j-1)に示すような当たり演出が実行される。
【0099】
一方、
図9(c)に示す弱SPリーチ演出から強SPリーチ演出へ発展し、はずれになる場合、タイミングT1~タイミングT2の期間、
図4(a)~(d)に示すような弱SPリーチ演出が実行される。次いで、タイミングT2~タイミングT3の期間、
図4(e)に示すような発展あおり演出が実行される。次いで、タイミングT3~タイミングT4の期間、
図4(f)に示すように、発展成功演出が実行され、タイミングT4~タイミングT7の期間、
図4(g)~(i-2)に示すような強SPリーチ演出が実行される。次いで、タイミングT7~タイミングT8の期間、
図4(j-2)に示すようなはずれ演出が実行される。
【0100】
一方、
図9(d)に示す弱SPリーチ演出から強SPリーチ演出へ発展し、はずれになった後、復活演出が実行される場合、タイミングT1~タイミングT2の期間、
図4(a)~(d)に示すような弱SPリーチ演出が実行される。次いで、タイミングT2~タイミングT3の期間、
図4(e)に示すような発展あおり演出が実行される。次いで、タイミングT3~タイミングT4の期間、
図4(f)に示すように、発展成功演出が実行され、タイミングT4~タイミングT7の期間、
図4(g)~(i-2)に示すような強SPリーチ演出が実行される。次いで、タイミングT7~タイミングT8の期間、
図4(j-2)に示すようなはずれ演出が実行され、その後、タイミングT8~タイミングT9の期間、
図4(j-3)に示すような復活演出が実行される。
【0101】
一方、
図9(e)に示す別ルート演出への発展あおり演出が実行され別ルート演出が実行される場合、タイミングT1~タイミングT2の期間、
図4(a)~(d)に示すような弱SPリーチ演出が実行される。次いで、タイミングT2~タイミングT3の期間、
図4(e)に示すような発展あおり演出が実行される。次いで、タイミングT3~タイミングT4の期間、
図6(a)に示すような発展失敗演出が実行され、タイミングT4~タイミングT5の期間、
図6(b)~(c-2)に示すような別ルート演出への発展あおり演出が実行される。次いで、発展に成功すると、タイミングT5~タイミング6Aの期間、
図6(d-2)~(f-2)、又は、
図6(d-2)~(f-3)に示すような別ルート演出が実行される。
【0102】
また一方、
図9(f)に示す別ルート演出への発展あおり演出が実行され別ルート演出が実行されない場合、タイミングT1~タイミングT2の期間、
図4(a)~(d)に示すような弱SPリーチ演出が実行される。次いで、タイミングT2~タイミングT3の期間、
図4(e)に示すような発展あおり演出が実行される。次いで、タイミングT3~タイミングT4の期間、
図6(a)に示すような発展失敗演出が実行され、タイミングT4~タイミングT5の期間、
図6(b)~(c-1)に示すような別ルート演出への発展あおり演出が実行される。次いで、発展に失敗すると、タイミングT5~タイミングT6の期間、
図6(d-1)に示すように、通常変動に戻ってのはずれ図柄が液晶表示装置41に表示される。
【0103】
ところで、別ルート演出に分岐する前に、別ルート演出の発展あおり演出を行う場合、
図9(e)及び
図9(f)に示す弱SPリーチ演出の期間(タイミングT1~タイミングT2の期間)中であるタイミングT1A~タイミングT1Bの期間、
図7(a)に示すような別ルート演出への発展あおり演出が実行される場合がある。また、
図9(e)及び
図9(f)に示す発展あおり演出期間中(タイミングT2~タイミングT3の期間)中であるタイミングT2~タイミングT2Aの期間、
図8(b)に示すような別ルート演出への発展あおり演出が実行される場合がある。なお、この期間中に実行される別ルート演出への発展あおり演出は、成功しないようになっている。この期間中に実行される別ルート演出への発展あおり演出が成功すると、その場合の変動パターンを新たに設ける必要があるためである。そのため、別ルート演出に分岐する前に、別ルート演出の発展あおり演出が実行された場合は、その時点での別ルート演出の発展あおり演出は成功しないようになっている。すなわち、タイミングT1A~タイミングT1Bの期間、タイミングT2~タイミングT2Aの期間に実行される別ルート演出への発展あおり演出は、タイミングT4~タイミングT5の期間において別ルート演出への発展あおり演出が実行されることを示唆する発展あおり示唆演出に相当する。この発展あおり示唆演出の有無や実行される回数によって、別ルート演出への発展あおり演出による発展成功への期待度を変化させることができるため、遊技者へ様々なパターンで別ルート演出へ発展する期待感を付与することができる。
【0104】
また、
図9(e)及び
図9(f)に示すタイミングT4~タイミングT5の期間中に実行される
図6(b)~(c-2)に示すような別ルート演出への発展あおり演出は、
図9(a)に示すタイミングT4~タイミングT5の期間に示している発展失敗後の弱SPリーチ演出でのはずれ図柄が液晶表示装置41に表示される時間を使って実行されるようになっている。すなわち、別ルート演出への発展あおり演出を別の時間を使って実行しようとすると、主制御CPU600a側にてこの時間尺を管理しておかなければならなくなる。すなわち、この時間尺を使用する変動パターンを主制御CPU600a側にて管理しておく必要がある。そのため、主制御CPU600a側の負荷が増大することとなる。そこで、本実施形態においては、サブ制御CPU800a側で処理できるように、
図9(a)に示すタイミングT4~タイミングT5の期間を使用して、別ルート演出への発展あおり演出を実行するかしないかの抽選を行うようにしている。このようにすれば、予告演出と同じ扱いとなるため、主制御CPU600a側で別の変動パターンを用意しておく必要がなくなるから、主制御CPU600a側の負荷を低減させることができる。
【0105】
一方、
図9(g)に示す別ルート演出への発展あおり演出が弱SPリーチ演出中だけ実行され、強SPリーチ演出への発展失敗後には実行されない場合、タイミングT1~タイミングT2の期間、
図4(a)~(d)に示すような弱SPリーチ演出が実行される。この際、タイミングT1A~タイミングT1Bの期間、
図7(a)に示すような別ルート演出への発展あおり演出が実行される。次いで、タイミングT2~タイミングT3の期間、
図7(b)に示すような発展あおり演出が実行される。次いで、タイミングT3~タイミングT4の期間、
図7(c)に示すように、発展失敗後の弱SPリーチ演出でのはずれ図柄が液晶表示装置41に表示される。次いで、別ルート演出への発展あおり演出が実行されず、タイミングT4~タイミングT5の期間、
図5(b)に示すように、発展失敗後の弱SPリーチ演出でのはずれ図柄が液晶表示装置41に表示され、タイミングT5~タイミングT6の期間、
図5(c)に示すように、通常変動に戻ってのはずれ図柄が液晶表示装置41に表示される。
【0106】
一方、
図9(h)に示す別ルート演出への発展あおり演出が強SPリーチ演出への発展あおり演出中だけ実行され、強SPリーチ演出への発展失敗後には実行されない場合、タイミングT1~タイミングT2の期間、
図4(a)~(d)に示すような弱SPリーチ演出が実行される。次いで、タイミングT2~タイミングT3の期間、
図8(a)に示すような発展あおり演出が実行される。この際、タイミングT2~タイミングT2Aの期間、
図8(a)に示すような別ルート演出への発展あおり演出も実行される。次いで、タイミングT3~タイミングT4の期間、
図8(c)に示すように、発展失敗後の弱SPリーチ演出でのはずれ図柄が液晶表示装置41に表示される。次いで、別ルート演出への発展あおり演出が実行されず、タイミングT4~タイミングT5の期間、
図5(b)に示すように、発展失敗後の弱SPリーチ演出でのはずれ図柄が液晶表示装置41に表示され、タイミングT5~タイミングT6の期間、
図5(c)に示すように、通常変動に戻ってのはずれ図柄が液晶表示装置41に表示される。
【0107】
かくして、上記説明してきた発展あおり演出は、
図9に示すようなタイミングチャートに則して処理されることとなる。
【0108】
<別ルート発展あおり演出振り分けテーブルの説明>
ところで、上記説明した別ルート演出への発展あおり演出を実行するかしないかの抽選は、
図10に示す別ルート発展あおり演出振り分けテーブルSUB_SBHA_TBLを用いて抽選されることとなる。具体的には、
図10に示すように、別ルート発展あおり演出振り分けテーブルSUB_SBHA_TBLは、パターンA~Iを備えている。パターンAは、
図9(f)に示す別ルート演出への発展あおり演出が実行され別ルート演出が実行されないパターンを示している。パターンBは、
図9(g)に示す別ルート演出への発展あおり演出が弱SPリーチ演出中だけ実行され、強SPリーチ演出への発展失敗後には実行されないパターンを示している。パターンCは、別ルート演出への発展あおり演出が強SPリーチ演出への発展あおり演出中だけ実行され、強SPリーチ演出への発展失敗後には実行されないパターンを示している。パターンDは、別ルート演出への発展あおり演出が、弱SPリーチ演出中と強SPリーチ演出への発展失敗後に実行され、別ルート演出が実行されないパターン(パターンBにパターンAを加えたパターン)を示している。パターンEは、別ルート演出への発展あおり演出が強SPリーチ演出への発展あおり演出中と強SPリーチ演出への発展失敗後に実行され、別ルート演出が実行されないパターン(パターンCにパターンAを加えたパターン)を示している。パターンFは、
図9(e)に示す別ルート演出への発展あおり演出が実行され別ルート演出が実行される場合を示している。パターンGは、別ルート演出への発展あおり演出が、弱SPリーチ演出中と強SPリーチ演出への発展失敗後に実行され、別ルート演出が実行されるパターン(パターンBにパターンFを加えたパターン)を示している。パターンHは、別ルート演出への発展あおり演出が強SPリーチ演出への発展あおり演出中と強SPリーチ演出への発展失敗後に実行され、別ルート演出が実行されるパターン(パターンCにパターンFを加えたパターン)を示している。パターンIは、別ルート演出への発展あおり演出が、弱SPリーチ演出中と強SPリーチ演出への発展あおり演出中と強SPリーチ演出への発展失敗後に実行され、別ルート演出が実行されるパターン(パターンBにパターンCを加え、さらに、パターンFを加えたパターン)を示している。
【0109】
かくして、主制御CPU600aが、特別図柄の変動パターンの抽選を行い、その抽選結果を演出制御コマンドDI_CMDとして、サブ制御基板80(サブ制御CPU800a)へ送信すると、それを受けて、サブ制御CPU800aは、
図10に示す別ルート発展あおり演出振り分けテーブルSUB_SBHA_TBLを参照して、上記説明した別ルート演出への発展あおり演出を実行するかしないかの抽選を行うこととなる。
【0110】
具体的には、
図10に示すように、変動パターンの抽選が通常変動(はずれ)、チャレンジ演出失敗(はずれ)、ノーマルリーチ(はずれ)の場合、サブ制御CPU800aは、「なし」(別ルート発展おあり演出を実行しない)を選択する。そして、
図10に示すように、変動パターンの抽選が弱SPリーチ1(はずれ)、弱SPリーチ2(はずれ)の場合、サブ制御CPU800aは、図示の確率で抽選を行う。これにより、「なし」、パターンA~Eの何れかに当選することなる。また、
図10に示すように、変動パターンの抽選がノーマルリーチ⇒別ルート演出(はずれ)の場合、サブ制御CPU800aは、「なし」を選択する。さらに、
図10に示すように、変動パターンの抽選が弱SPリーチ⇒別ルート演出(はずれ)の場合、サブ制御CPU800aは、図示の確率で抽選を行う。これにより、パターンF~Iの何れかに当選することなる。またさらに、
図10に示すように、変動パターンの抽選が弱SPリーチ⇒強SPリーチ(はずれ)の場合、サブ制御CPU800aは、図示の確率で抽選を行う。これにより、「なし」、パターンB~Cの何れかに当選することなる。またさらに、
図10に示すように、変動パターンの抽選がノーマルリーチ(当たり)の場合、サブ制御CPU800aは、「なし」を選択する。またさらに、
図10に示すように、変動パターンの抽選が弱SPリーチ1(当たり)、弱SPリーチ2(当たり)の場合、サブ制御CPU800aは、図示の確率で抽選を行う。これにより、「なし」、パターンB~Cの何れかに当選することなる。またさらに、
図10に示すように、変動パターンの抽選がノーマルリーチ⇒別ルート演出(当たり)の場合、サブ制御CPU800aは、「なし」を選択する。またさらに、
図10に示すように、変動パターンの抽選が弱SPリーチ⇒別ルート演出(当たり)の場合、サブ制御CPU800aは、図示の確率で抽選を行う。これにより、パターンF~Iの何れかに当選することなる。またさらに、
図10に示すように、変動パターンの抽選が弱SPリーチ⇒強SPリーチ(当たり)、弱SPリーチ⇒強SPリーチ⇒復活演出(当たり)の場合、サブ制御CPU800aは、図示の確率で抽選を行う。これにより、「なし」、パターンB~Cの何れかに当選することなる。
【0111】
かくして、このようにして、サブ制御CPU800aは、
図10に示す別ルート発展あおり演出振り分けテーブルSUB_SBHA_TBLを参照して、上記説明した別ルート演出への発展あおり演出を実行するかしないかの抽選を行うこととなる。なお、別ルート発展あおり演出振り分けテーブルSUB_SBHA_TBLは、サブ制御ROM800b(
図3参照)内に格納されている。
【0112】
また、別ルート発展あおり演出振り分けテーブルSUB_SBHA_TBLは、弱SPリーチ演出当たりや、弱SPリーチ演出から強SPリーチ演出へ発展する場合でも、弱SPリーチ中や、強SPリーチ演出への発展あおり演出中に出現するだけの別ルート発展あおり演出の場合(パターンBやパターンC)に限って実行されるように、振分け値が振り分けられている。これは、弱SPリーチ中や、強SPリーチ演出への発展あおり演出中に別ルート発展あおり演出が実行されることで、弱SPリーチ演出での当たりや強SPリーチ演出へ発展することがないと遊技者が思って、期待感を損ねることがないようにするためである。
【0113】
<ノーマルリーチから別ルート演出へ移行する場合の説明>
上記説明では、弱SPリーチ演出中であることを前提に説明をしてきたが、それに限らず、ノーマルリーチから別ルート演出へ移行させることもできる。具体的には、
図11(a)に示すように、液晶表示装置41に、左装飾図柄(画像P1A参照)と、右装飾図柄(画像P1C)が同一の図柄(図示では、「7」)で停止し、中装飾図柄(画像P1B参照)が変動している、リーチ(テンパイ)状態となっているものが表示され、さらに、画面上部に「リーチ」(画像P35参照)という青色の文字が表示され、画面右下隅に、常駐図柄(画像P2参照)が変動している、ノーマルリーチが表示されている。
【0114】
次いで、
図11(b)に示すように、液晶表示装置41には、中装飾図柄(画像P1B参照)に代わって、画面中央に、弱SPリーチ図柄(画像P36参照、図示では、「SP」と表示)と、はずれ図柄(画像P37参照、図示では、「6」が表示)と、別ルート演出図柄(画像P38参照、図示では、「宝箱」と表示)とが表示され、
図11(c)に示すように、これらがぐるぐる回って、何れの図柄で止まるのかのあおり演出が実行される。
【0115】
かくして、
図11(d-1)に示すように、別ルート演出図柄(画像P38参照、図示では、「宝箱」と表示)が選択されたものが液晶表示装置41に表示されると、
図11(e-1)に示すように、液晶表示装置41には、画面左上隅に縮小した左装飾図柄(画像P1Aa参照)と、画面右上隅に縮小した右装飾図柄(画像P1Ca参照)が同一の図柄(図示では、「7」)で停止されたリーチ状態が表示され、画面中央には、宝箱の画像に重なった状態で「宝箱チャンスゲット!」(画像P26参照)という青色の文字が表示され、画面下に、「お宝発見で大当たり!?」(画像P27参照)という緑色の文字が表示される。
【0116】
一方、
図11(d-2)に示すように、弱SPリーチ図柄(画像P36参照、図示では、「SP」と表示)が選択されたものが液晶表示装置41に表示されると、
図11(e-2)に示すように、液晶表示装置41には、画面左上隅に縮小した左装飾図柄(画像P1Aa参照)と、画面右上隅に縮小した右装飾図柄(画像P1Ca参照)が表示され、さらに、画面中央に、「SPリーチ」(画像P20参照)という青色の文字が表示されると共に、画面右下隅に、常駐図柄(画像P2参照)が変動している状態が表示される。
【0117】
一方、
図11(d-3)に示すように、はずれ図柄(画像P37参照、図示では、「6」が表示)が選択されたものが液晶表示装置41に表示されると、
図11(e-3)に示すように、液晶表示装置41には、左装飾図柄(画像P1A参照)、中装飾図柄(画像P1B参照)、右装飾図柄(画像P1C参照)が停止し(図示では、「767」で停止)、常駐図柄(画像P2A参照)も同一の数字で停止したものが表示され、通常変動画面に戻ることとなる。
【0118】
したがって、このようにすれば、別ルート演出の変動演出が続く場合と、弱SPリーチの変動演出が続く場合と、はずれで終わる場合とを遊技者に提示することが可能となる。
【0119】
他方、ノーマルリーチから別ルート演出へ発展する変動パターンは、
図12に示すように、ノーマルリーチから弱SPリーチ演出への発展パターンとほぼ同じになる。具体的には、
図12(a)に示すように、液晶表示装置41に、左装飾図柄(画像P1A参照)と、右装飾図柄(画像P1C)が同一の図柄(図示では、「7」)で停止し、中装飾図柄(画像P1B参照)が変動している、リーチ(テンパイ)状態となっているものが表示され、さらに、画面上部に「リーチ」(画像P35参照)という青色の文字が表示され、画面右下隅に、常駐図柄(画像P2参照)が変動している、ノーマルリーチが表示されている。
【0120】
次いで、
図12(b)に示すように、中装飾図柄(画像P1B参照)が低速変動している状態が液晶表示装置41に表示され、その後、
図12(c)に示すように、再び高速変動している状態が液晶表示装置41に表示される。
【0121】
次いで、
図12(b)に示すように、画面左上隅に縮小した左装飾図柄(画像P1Aa参照)と、画面右上隅に縮小した右装飾図柄(画像P1Ca参照)が液晶表示装置41に表示され、その後、
図12(e)に示すように、液晶表示装置41には、画面中央に、宝箱の画像に重なった状態で「宝箱チャンスゲット!」(画像P26参照)という青色の文字が表示され、画面下に、「お宝発見で大当たり!?」(画像P27参照)という緑色の文字が表示される。
【0122】
かくして、このようにして、ノーマルリーチから別ルート演出へ発展する変動パターンが実行されることとなる。
【0123】
したがって、
図11及び
図12を参照して説明したように、ノーマルリーチから別ルート演出へ移行させることもできる。
【0124】
<ノーマルリーチから別ルート演出へ移行させるタイミングチャートの説明>
ところで、上記説明したノーマルリーチから別ルート演出への移行は、
図13に示すようなタイミングチャートに則して処理されることとなる。
【0125】
具体的には、ノーマルリーチから弱SPリーチ演出へ発展する場合、
図13(a)に示すように、タイミングT10~タイミングT11の期間、通常変動が実行され、タイミングT11~タイミングT12の期間、ノーマルリーチ演出が実行されて、タイミングT12以降、弱SPリーチ演出が実行されることとなる。この際、
図11(b)~(c)に示すような発展あおり演出を実行する場合、タイミングT11~タイミングT12の期間に示すノーマルリーチ演出に代わって実行されることとなる。
【0126】
一方、ノーマルリーチから別ルート演出へ発展する場合、
図13(b)に示すように、タイミングT10~タイミングT11の期間、通常変動が実行され、タイミングT11~タイミングT12の期間、ノーマルリーチ演出が実行されて、タイミングT12以降、
図12(e)に示す別ルート演出が実行されることとなる。この際、
図11(b)~(c)に示すような発展あおり演出を実行する場合、タイミングT11~タイミングT12の期間に示すノーマルリーチ演出に代わって実行されることとなる。
【0127】
<別ルート/SPリーチ発展あおり演出振り分けテーブルの説明>
ところで、上記説明したノーマルリーチ演出を実行するか、発展あおり演出を実行するかの抽選は、
図14に示す別ルート/SPリーチ発展あおり演出振り分けテーブルSUB_NBHA_TBLを用いて抽選されることとなる。
【0128】
主制御CPU600aが、特別図柄の変動パターンの抽選を行い、その抽選結果を演出制御コマンドDI_CMDとして、サブ制御基板80(サブ制御CPU800a)へ送信すると、それを受けて、サブ制御CPU800aは、
図14に示す別ルート/SPリーチ発展あおり演出振り分けテーブルSUB_NBHA_TBLを参照して、上記説明したノーマルリーチ演出を実行するか、発展あおり演出を実行するかの抽選を行うこととなる。
【0129】
具体的には、
図14に示すように、変動パターンの抽選が通常変動(はずれ)、チャレンジ演出失敗(はずれ)の場合、サブ制御CPU800aは、「なし」(ノーマルリーチ演出を実行する)を選択する。そして、
図14に示すように、変動パターンの抽選がノーマルリーチ(はずれ)の場合、サブ制御CPU800aは、図示の確率で抽選を行う。これにより、「なし」、発展あおり演出が実行され「発展失敗」の何れかに当選することなる。さらに、
図14に示すように、変動パターンの抽選が弱SPリーチ1(はずれ)、弱SPリーチ2(はずれ)の場合、サブ制御CPU800aは、図示の確率で抽選を行う。これにより、「なし」、発展あおり演出が実行され「SP発展」の何れかに当選することなる。またさらに、
図14に示すように、変動パターンの抽選がノーマルリーチ⇒別ルート演出(はずれ)の場合、サブ制御CPU800aは、図示の確率で抽選を行う。これにより、「なし」、発展あおり演出が実行され「宝箱発展」の何れかに当選することなる。またさらに、
図14に示すように、変動パターンの抽選が弱SPリーチ⇒別ルート演出(はずれ)、弱SPリーチ⇒強SPリーチ(はずれ)の場合、サブ制御CPU800aは、図示の確率で抽選を行う。これにより、「なし」、発展あおり演出が実行され「SP発展」の何れかに当選することなる。またさらに、
図14に示すように、変動パターンの抽選がノーマルリーチ(当たり)の場合、サブ制御CPU800aは、「なし」を選択する。またさらに、
図14に示すように、変動パターンの抽選が弱SPリーチ1(当たり)、弱SPリーチ2(当たり)の場合、サブ制御CPU800aは、図示の確率で抽選を行う。これにより、「なし」、発展あおり演出が実行され「SP発展」の何れかに当選することなる。またさらに、
図14に示すように、変動パターンの抽選がノーマルリーチ⇒別ルート演出(当たり)の場合、サブ制御CPU800aは、図示の確率で抽選を行う。これにより、「なし」、発展あおり演出が実行され「宝箱発展」の何れかに当選することなる。またさらに、
図14に示すように、変動パターンの抽選が弱SPリーチ⇒別ルート演出(当たり)、弱SPリーチ⇒強SPリーチ(当たり)、弱SPリーチ⇒強SPリーチ⇒復活演出(当たり)の場合、サブ制御CPU800aは、図示の確率で抽選を行う。これにより、「なし」、発展あおり演出が実行され「SP発展」の何れかに当選することなる。
【0130】
かくして、サブ制御CPU800aは、
図14に示す別ルート/SPリーチ発展あおり演出振り分けテーブルSUB_NBHA_TBLを参照して、上記説明したノーマルリーチ演出を実行するか、発展あおり演出を実行するかの抽選を行うこととなる。なお、別ルート/SPリーチ発展あおり演出振り分けテーブルSUB_NBHA_TBLは、サブ制御ROM800b(
図3参照)内に格納されている。
【0131】
したがって、以上説明してきたように、上記のような別ルート演出を設けるようにすれば、大当たり遊技状態になる信頼度の高い演出に対し、その演出が実行されるか否かの示唆演出が単調にならないように、遊技者の大当たりへの期待感を多岐に渡るようにすることができ、さらに、大当たり遊技状態になる期待感が損なわれた場合においても、遊技者に不要な期待感をあおらないようにメリハリのついた遊技機を提供することができる。
【0132】
なお、本実施形態においては、
図4(e)に示すようなはずれか発展かのどちらになるかの発展あおり演出が実行される際、当たり図柄を表示しても良いことを説明したが、はずれか発展かのどちらになるかの発展あおり演出では、
図4(e)に示すように、発展図柄(画像P22参照)とはずれ図柄(画像P23参照、図示では、「6」が表示)でしか発展あおり演出を行わないようにしても良い。すなわち、当たり図柄が停止候補画像として液晶表示装置41に表示されることなく、弱SPリーチ演出では、当たり図柄が止まらないという事である。そのため、これに合わせて、弱SPリーチ演出での当たりを無くすようにしても良い。これにより、変動パターンの増大を抑えることができるため、制御負担を軽減することができる。
【0133】
一方、大当たりとなる場合、弱SPリーチ演出から別ルート演出へ発展して当たる場合は、弱SPリーチ演出から強SPリーチ演出に発展して当たるより、大当たりへの信頼度が低い予告演出が出やすいようにしても良い。このようにすれば、強SPリーチ演出への発展の期待度は下がるものの、別ルート演出への発展を期待することができることから、遊技者の期待感を多岐に渡らせることができる。
【0134】
また、本実施形態における別ルートの発展演出は、強SPリーチ演出へ発展しない事態を補填するためのものであるから、強SPリーチ演出中は、別ルートの発展演出は発生しないようになっている。
【0135】
<はずれ確定演出に関する説明>
次に、はずれ確定演出に関する説明を行う。
【0136】
従来、通常変動中に、リーチ(主に、弱SPリーチ)に発展するかしないかのチャレンジ系の予告演出(以下、チャレンジ演出という)が出現する遊技機が知られている。このチャレンジ演出は、失敗した場合、失敗後に、ノーマルリーチ演出を行うが大当たりすることもなく、また復活演出が発生して大当たりすることはない。
【0137】
そこで、本実施形態においては、チャレンジ演出が失敗した場合、図柄が停止する前に、遊技者にはずれであることを伝えるため、はずれ確定演出を行うこととする。
【0138】
具体的には、
図15(a)に示すように、液晶表示装置41に、左装飾図柄(画像P1A参照)、中装飾図柄(画像P1B参照)、右装飾図柄(画像P1C参照)が停止し(図示では、「767」で停止)、常駐図柄(画像P2A参照)も同一の数字で停止した通常変動画面が表示されていた後、
図15(b)に示すように、左装飾図柄(画像P1A参照)、中装飾図柄(画像P1B参照)、右装飾図柄(画像P1C参照)、及び、常駐図柄(画像P2参照)が変動している状態が表示され、その後、チャレンジ演出(発展あおり演出)が発生することとなる。このチャレンジ演出(発展あおり演出)は、
図15(c)~
図15(e)に示すように実行される。具体的には、
図15(c)に示すように、液晶表示装置41の画面中央に、複数のアイテムボックス(図示では3個)の何れか1つを四角枠で選択できるようになっていることを示すように「アイテムゲットチャレンジ」という文字が複数のアイテムボックス(図示では3個)を覆うように表示され、下部には、複数のアイテムボックス(図示では3個)の何れか1つを
図1に示す演出ボタン装置13で選択できることを示す「ボタンで選んでね」という画像(画像P40参照)が表示される。
【0139】
次いで、
図15(d)に示すように、液晶表示装置41の画面中央には、複数のアイテムボックス(図示では3個)のうちの1つ(図示では、左側)を選択した画像(画像P41参照)が表示され、
図15(e)に示すように、液晶表示装置41の画面中央には、その選択されたアイテムボックスが開こうとしている状態の画像(画像P42参照)が表示される。
【0140】
かくして、このようにしてチャレンジ演出(発展あおり演出)が実行されることとなる。この際、
図15(c)~(e)に示すように、左装飾図柄(画像P1A参照)、中装飾図柄(画像P1B参照)、右装飾図柄(画像P1C参照)のスクロール変動は、液晶表示装置41に表示せず、常駐図柄(画像P2参照)が変動している状態だけが表示されようになっている。これは、チャレンジ演出(発展あおり演出)への遊技者の期待感を下げないようにするためである。すなわち、左装飾図柄(画像P1A参照)、中装飾図柄(画像P1B参照)、右装飾図柄(画像P1C参照)のスクロール変動においては、左装飾図柄(画像P1A参照)、右装飾図柄(画像P1C参照)がテンパイするか否かでリーチになるか否かの演出を行うため、チャレンジ演出(発展あおり演出)中にスクロール変動させてしまうと図柄変動の動きから、リーチになるか否かが先に分かってしまい、これによって、チャレンジ演出(発展あおり演出)への遊技者の期待感が下がってしまうためである。そのため、本実施形態においては、チャレンジ演出(発展あおり演出)が実行されている際、左装飾図柄(画像P1A参照)、中装飾図柄(画像P1B参照)、右装飾図柄(画像P1C参照)のスクロール変動は、液晶表示装置41に表示せず、常駐図柄(画像P2参照)が変動している状態だけが表示されようになっている。
【0141】
ところで、上記のようなチャレンジ演出(発展あおり演出)が実行され、失敗した場合、
図15(f)に示すように、液晶表示装置41には、アイテムボックスの中身がからっぽであることを示す画像に重なった状態で「からっぽ・・・」(画像P43参照)という青色の文字が表示される、はずれ確定演出が表示される。
【0142】
次いで、図柄がスクロール変動しての停止表示は行わず、
図15(g)に示すように、左装飾図柄(画像P1Aa参照)、中装飾図柄(画像P1B参照)、右装飾図柄(画像P1Ca参照)が、はずれ図柄で揺れ変動している状態に切り替わって、液晶表示装置41に表示される。なお、この際、常駐図柄(画像P2参照)は変動している。
【0143】
そしてその後、
図15(h)に示すように、液晶表示装置41には、左装飾図柄(画像P1A参照)、中装飾図柄(画像P1B参照)、右装飾図柄(画像P1C参照)が停止し(図示では、「767」で停止)、常駐図柄(画像P2A参照)も同一の数字で停止したものが表示され、通常変動画面に戻ることとなる。なお、本実施形態においては、リーチはずれで表示されている例を示したが、それに限らず、バラケ目(例えば、「567」)で停止表示させるようにしても良い。
【0144】
一方、上記のようなチャレンジ演出(発展あおり演出)が実行され、成功し、弱SPリーチに発展する場合、
図16(a)に示すように、アイテムボックスの中からSP図柄が出てきて「SPリーチゲット」(画像P44参照)という緑色の文字が液晶表示装置41に表示される。次いで、
図16(b)に示すように、液晶表示装置41には、画面左上隅に縮小した左装飾図柄(画像P1Aa参照)と、画面右上隅に縮小した右装飾図柄(画像P1Ca参照)が表示され、さらに、画面中央に、「SPリーチ」(画像P20参照)という青色の文字が表示されると共に、画面右下隅に、常駐図柄(画像P2参照)が変動している状態が表示される。なお、以降は、上記説明したような、弱SPリーチ演出が実行されることとなる。
【0145】
一方、上記のようなチャレンジ演出(発展あおり演出)が実行され、成功し、別ルート演出に発展する場合、
図17(a)に示すように、アイテムボックスの中から宝箱図柄が出てきて「宝箱チャンスゲット」(画像P45参照)というオレンジ色の文字が液晶表示装置41に表示される。次いで、
図17(b)に示すように、画面左上隅に縮小した左装飾図柄(画像P1Aa参照)と、画面右上隅に縮小した右装飾図柄(画像P1Ca参照)が液晶表示装置41に表示され、その後、
図17(b)に示すように、液晶表示装置41には、画面中央に、宝箱の画像に重なった状態で「宝箱チャンス」(画像P46参照)という青色の文字が表示され、画面下に、「お宝発見で大当たり!?」(画像P27参照)という緑色の文字が表示される。なお、以降は、上記説明したような、別ルート演出が実行されることとなる。
【0146】
<チャレンジ演出のタイミングチャートの説明>
ところで、上記説明したチャレンジ演出(発展あおり演出)は、
図18に示すようなタイミングチャートに則して処理されることとなる。
【0147】
具体的には、チャレンジ演出(発展あおり演出)に失敗する場合、
図18(a)に示すように、タイミングT20~タイミングT21の期間、
図15(b)に示すような通常変動が実行され、タイミングT21~タイミングT22の期間、
図15(c)~(e)に示すようなチャレンジ演出が実行され、タイミングT22~タイミングT23の期間、
図15(f)~(h)に示すように、チャレンジ演出に失敗し、通常変動画面に移行する。
【0148】
ところで、このようなチャレンジ演出(発展あおり演出)失敗は、失敗演出に合わせた時間尺で実行する専用の変動パターンを設けてもよいが、チャレンジ演出(発展あおり演出)失敗の時間尺は、ノーマルリーチはずれの時間尺と同じ時間尺を用いて実行してもよい。すなわち、
図18(b)に示すように、タイミングT20~タイミングT21Bの期間、通常変動が実行され、この期間中、タイミングT21A時に、左装飾図柄が停止し、タイミングT21B時に、右装飾図柄が停止してテンパイ状態となる。次いで、
図18(b)に示すように、タイミングT21B~タイミングT23の期間、ノーマルリーチ演出が実行され、タイミングT23時、中装飾図柄が停止してはずれとなって通常変動画面に戻ることとなる。
【0149】
かくして、このようにチャレンジ演出(発展あおり演出)失敗の時間尺を、ノーマルリーチはずれの時間尺と同じ時間尺を用いて実行するようにすれば、主制御CPU600a側でチャレンジ演出失敗の変動パターンを選択するときだけでなく、サブ制御CPU800aにてノーマルリーチはずれの変動パターンが選択された場合も実行させるように調整することができる。また、主制御CPU600a側で変動パターンを用意しておく数を減らすことができるため、主制御CPU600a側の負荷を低減させることができる。
【0150】
一方、チャレンジ演出(発展あおり演出)に成功し、弱SPリーチに発展する場合、
図18(c)に示すように、タイミングT30~タイミングT31の期間、
図15(b)に示すような通常変動が実行され、タイミングT31~タイミングT32の期間、
図15(c)~(e)に示すようなチャレンジ演出が実行される。そして、タイミングT32~タイミングT33の期間、
図16(a)に示すような画面が液晶表示装置41に表示され、タイミングT33以降、弱SPリーチ演出が実行されることとなる。
【0151】
また一方、チャレンジ演出(発展あおり演出)に成功し、別ルート演出に発展する場合、
図18(d)に示すように、タイミングT30~タイミングT31の期間、
図15(b)に示すような通常変動が実行され、タイミングT31~タイミングT32の期間、
図15(c)~(e)に示すようなチャレンジ演出が実行される。そして、タイミングT32~タイミングT33の期間、
図17(a)に示すような画面が液晶表示装置41に表示され、タイミングT33以降、別ルート演出が実行されることとなる。
【0152】
ところで、このようなチャレンジ演出(発展あおり演出)に成功し、弱SPリーチに発展する場合の時間尺は、ノーマルリーチ演出から弱SPリーチ演出に発展する場合の時間尺と同じ時間尺を用いて実行し、チャレンジ演出(発展あおり演出)に成功し、別ルート演出に発展する場合の時間尺は、ノーマルリーチ演出から別ルート演出に発展する場合の時間尺と同じ時間尺を用いて実行するようにしている。すなわち、
図18(e)に示すように、タイミングT30~タイミングT31Aの期間、通常変動が実行され、タイミングT31A~タイミングT33の期間、ノーマルリーチ演出が実行され、タイミングT33時以降、弱SPリーチ演出が実行されることとなる。
【0153】
また、
図18(f)に示すように、タイミングT30~タイミングT31Aの期間、通常変動が実行され、タイミングT31A~タイミングT33の期間、ノーマルリーチ演出が実行され、タイミングT33時以降、別ルート演出が実行されることとなる。
【0154】
かくして、このようにチャレンジ演出(発展あおり演出)に成功し、弱SPリーチに発展する場合の時間尺は、ノーマルリーチ演出から弱SPリーチ演出に発展する場合の時間尺と同じ時間尺を用いて実行し、チャレンジ演出(発展あおり演出)に成功し、別ルート演出に発展する場合の時間尺は、ノーマルリーチ演出から別ルート演出に発展する場合の時間尺と同じ時間尺を用いて実行するようにすれば、ノーマルリーチ演出を経由することなく弱SPリーチに発展又は別ルート演出に発展するため、遊技者に多くの演出のバリエーションを提供することができる。
【0155】
<別ルート/SPリーチ発展あおり演出選択抽選テーブルの説明>
ところで、上記説明したように、通常変動中のチャレンジ演出(発展あおり演出)は、ノーマルリーチ中の時間尺を使用することから、予めノーマルリーチ中の発展あおり演出か、通常変動中のチャレンジ演出(発展あおり演出)のどちらを出現させるのかの抽選を行うようにしている。具体的には、
図19(a)に示す別ルート/SPリーチ発展あおり演出選択抽選テーブルSUB_SBCH_TBLを用いて抽選されることとなる。
【0156】
かくして、主制御CPU600aが、特別図柄の変動パターンの抽選を行い、その抽選結果を演出制御コマンドDI_CMDとして、サブ制御基板80(サブ制御CPU800a)へ送信すると、それを受けて、サブ制御CPU800aは、
図19(a)に示す別ルート/SPリーチ発展あおり演出選択抽選テーブルSUB_SBCH_TBLを参照して、ノーマルリーチ中の発展あおり演出か、通常変動中のチャレンジ演出(発展あおり演出)のどちらを出現させるのかの抽選を行うこととなる。
【0157】
具体的には、
図19(a)に示すように、変動パターンの抽選が通常変動(はずれ)、ノーマルリーチ(当たり)の場合、サブ制御CPU800aは、「なし」(発展おあり演出を実行しない)を選択する。そして、
図19(a)に示すように、変動パターンの抽選がチャレンジ演出失敗(はずれ)の場合、サブ制御CPU800aは、通常変動中のチャレンジ演出(発展あおり演出)を選択する。そしてさらに、
図19(a)に示すように、変動パターンの抽選がノーマルリーチ(はずれ)の場合、サブ制御CPU800aは、図示の確率で抽選を行い、これによって、「なし」、通常変動中のチャレンジ演出(発展あおり演出)の何れかに当選することとなる。なお、それ以外の変動パターンの項目においては、
図19(a)に示すように、サブ制御CPU800aは、図示の確率で抽選を行い、これによって、「なし」、通常変動中のチャレンジ演出(発展あおり演出)、ノーマルリーチ中の発展あおり演出の何れかに当選することとなる。なお、別ルート/SPリーチ発展あおり演出選択抽選テーブルSUB_SBCH_TBLは、サブ制御ROM800b(
図3参照)内に格納されている。
【0158】
<別ルート/SPリーチ発展あおり演出振り分けテーブルの説明>
かくして、
図19(a)に示す別ルート/SPリーチ発展あおり演出選択抽選テーブルSUB_SBCH_TBLを用いて抽選を行った結果、通常変動中のチャレンジ演出(発展あおり演出)に当選した場合、発展失敗演出を実行するか、SP発展演出を実行するか、宝箱発展演出を実行するかの抽選を、
図19(b)に示す別ルート/SPリーチ発展あおり演出振り分けテーブルSUB_SBFK_TBLを用いて抽選されることとなる。
【0159】
具体的には、
図19(b)に示すように、変動パターンの抽選が通常変動(はずれ)の場合、サブ制御CPU800aは、「なし」(通常変動を実行する)を選択する。そして、
図19(b)に示すように、変動パターンの抽選がチャレンジ演出失敗(はずれ)の場合、「発展失敗」を選択する。さらに、変動パターンの抽選がノーマルリーチ(はずれ)の場合、サブ制御CPU800aは、図示の確率で抽選を行い、これによって、「なし」、「発展失敗」の何れかに当選することとなる。またさらに、変動パターンの抽選がノーマルリーチ⇒別ルート演出(はずれ)、ノーマルリーチ⇒別ルート演出(当たり)の場合、サブ制御CPU800aは、図示の確率で抽選を行い、これによって、「なし」、「宝箱発展」の何れかに当選することとなる。なお、それ以外の変動パターンの項目においては、
図19(b)に示すように、サブ制御CPU800aは、図示の確率で抽選を行い、これによって、「なし」、「SP発展」の何れかに当選することとなる。なお、別ルート/SPリーチ発展あおり演出振り分けテーブルSUB_SBFK_TBLは、サブ制御ROM800b(
図3参照)内に格納されている。
【0160】
かくして、このようにして、チャレンジ演出(発展あおり演出)は実行されることとなる。なお、チャレンジ演出失敗の変動パターンは、主制御CPU600aにて選択されることとなるため、サブ制御CPU800a側で、チャレンジ演出失敗の出現率を調整することができない。しかしながら、上記説明したように、ノーマルリーチはずれの変動パターンをチャレンジ演出失敗の変動パターンに置き換えられるようにしておけば、
図19(a)に示す別ルート/SPリーチ発展あおり演出選択抽選テーブルSUB_SBCH_TBL(ノーマルリーチ(はずれ)の項目参照)、
図19(b)に示す別ルート/SPリーチ発展あおり演出振り分けテーブルSUB_SBFK_TBL(ノーマルリーチ(はずれ)の項目参照)にて、サブ制御CPU800a側で、出現率の調整が可能となる。
【0161】
したがって、以上説明してきたように、上記のような別ルート演出を設け、さらに、はずれ確定演出を設けるようにすれば、大当たり遊技状態になる信頼度の高い演出に対し、その演出が実行されるか否かの示唆演出が単調にならないように、遊技者の大当たりへの期待感を多岐に渡るようにすることができ、さらに、大当たり遊技状態になる期待感が損なわれた場合においても、遊技者に不要な期待感をあおらないようにメリハリのついた遊技機を提供することができる。
【0162】
なお、上記説明したチャレンジ演出(発展あおり演出)は、図柄揃いなどの当たり結果を示さないようにしている。これは、チャレンジ演出(発展あおり演出)は、発展するか否かのあおり演出であるため、当たりとなる演出パターンを入れてもほぼ出現しないためである。そのため、作業効率を上げるため、上記説明したチャレンジ演出(発展あおり演出)は、図柄揃いなどの当たり結果を示さないようにしている。
【0163】
<キャラクタの強調表示と背景になじませる表示の説明>
ところで、上記説明してきた演出内容を液晶表示装置41に表示させるにあたって、従来においては、図柄の仮停止動作を強調するために、図柄の輪郭表示を曖昧にする手法が行われてきた。
【0164】
しかしながら、従来の手法は、図柄の動作表示に着目したのみであり、液晶表示装置41に表示される背景やキャラクタなどの強調表示に関して十分な対策が講じられていないという問題があった。
【0165】
そこで、本実施形態においては、上記のような問題を解決すべく、以下のような処理を行っている。
【0166】
<キャラクタの強調表示の説明>
まず、キャラクタの強調表示について説明する。具体的には、
図20(a)~(c)に示すような、アイテムゲットチャレンジの可能性を示唆する予告演出が実行される場合を例に説明する。
図20(a)に示すように、液晶表示装置41には、左装飾図柄(画像P1A参照)、中装飾図柄(画像P1B参照)、右装飾図柄(画像P1C参照)、及び、常駐図柄(画像P2参照)が変動している状態が表示されている。そしてその後、液晶表示装置41には、左装飾図柄(画像P1A参照)、中装飾図柄(画像P1B参照)、右装飾図柄(画像P1C参照)などの背景になじませないよう、浮くような感じで、キャラクタ画像CH50が表示される。
【0167】
この点、詳しく説明すると、このキャラクタ画像CH50は、
図20(d)に示すように、兜を被って盾を持った上半身が表示されており、外周面に所定の幅のある輪郭CH50aが縁取られている。具体的には、盾以外の部分は、黒色の輪郭CH50aが縁取られ、盾は、白色の輪郭CH50aが縁取られている。
【0168】
かくして、このような輪郭CH50aが縁取られたキャラクタ画像CH50を、
図20(b)に示すように液晶表示装置41に表示させれば、左装飾図柄(画像P1A参照)、中装飾図柄(画像P1B参照)、右装飾図柄(画像P1C参照)などの背景になじむことなく、浮くような感じで表示させることが可能となる。すなわち、キャラクタ画像CH50を強調表示させることができる。したがって、このように、キャラクタ画像CH50を強調表示させれば、予告演出の発生を遊技者に認識させることができる。なお、輪郭CH50aが縁取られたキャラクタ画像CH50は、遊技ROM805(
図3参照)内に、予め格納されている。また、本実施形態においては、輪郭CH50aが一重である例を示したが、それに限らず、2重にしても良い。すなわち、輪郭CH50aの外周面に沿うように、輪郭CH50aの所定の幅とは異なる幅の輪郭(図示せず)を縁取るようにしても良い。
【0169】
一方、このようなキャラクタ画像CH50には、
図20(b)に示すように、ドロップシャドウ画像CH51が表示されている。具体的には、
図20(d)に示すキャラクタ画像CH50を単色(例えば、オレンジ色)で表現して、
図20(e)に示すようなドロップシャドウ画像CH51を生成する。なお、このドロップシャドウ画像CH51は、ドロップシャドウ画像CH51自体を強調表示させるわけではないため、
図20(d)に示すような輪郭CH50aが縁取られていない。
【0170】
かくして、このようなドロップシャドウ画像CH51を、
図20(d)に示すキャラクタ画像CH50に重ね合わせるにあたり、キャラクタ画像CH50の背面に所定方向(例えば、図示右方向)ずらして配置させるようにする。これにより、
図20(h)及び
図20(b)に示すように、キャラクタ画像CH50の影のようになり、キャラクタ画像CH50が浮いて見える視覚効果を得ることができる。それゆえ、このようにしても、キャラクタ画像CH50を強調表示させることができる。なお、この際、キャラクタ画像CH50は、輪郭CH50aを縁取っていても良いし、縁取っていなくても良い。縁取っていれば、よりキャラクタ画像CH50を強調表示することができる。
【0171】
ところで、このようなドロップシャドウ画像CH51は、
図20(h)に示すキャラクタ画像CH50の背面に所定方向(例えば、図示右方向)ずらして配置させた状態の画像を、遊技ROM805(
図3参照)内に、予め格納しておいても良いし、VDP803(
図3参照)を用いて、
図20(d)に示すキャラクタ画像CH50を単色に加工して、ドロップシャドウ画像CH51を生成し、
図20(h)に示すキャラクタ画像CH50の背面に所定方向(例えば、図示右方向)ずらして配置させるようにしても良い。
【0172】
一方、このようなドロップシャドウ画像CH51が配置されたキャラクタ画像CH50には、
図20(f)に示すような吹き出し画像CH52が、
図20(b)に示すように液晶表示装置41に表示されている。そして、この吹き出し画像CH52には、
図20(g)に示すような様々なセリフ文字画像CH53(セリフ文字画像CH53は、バリエーションに応じて複数種類ある)の1つが、
図20(h)に示すように、表示(図示では、「アイテム?」)されている。
【0173】
かくして、このように、キャラクタ画像CH50、ドロップシャドウ画像CH51、吹き出し画像CH52、セリフ文字画像CH53が組み合わさって、
図20(h)のような画像となり、
図20(b)に示す液晶表示装置41に表示されるような予告演出となる。なお、
図20(b)に示すように、ドロップシャドウ画像CH51の背面には、更なる強調表示を目的として、外周面に所定の幅のある輪郭CH54aが縁取られた直角三角形の画像CH54が配置されている。
【0174】
次いで、液晶表示装置41に、
図20(b)に示すような内容が表示された後、
図20(c)に示すように、チャレンジ演出(発展あおり演出)が発生することとなる。具体的には、
図20(c)に示すように、液晶表示装置41の画面中央に、複数のアイテムボックス(図示では3個)の何れか1つを四角枠で選択できるようになっていることを示すように「アイテムゲットチャレンジ」という文字が複数のアイテムボックス(図示では3個)を覆うように表示され、下部には、複数のアイテムボックス(図示では3個)の何れか1つを
図1に示す演出ボタン装置13で選択できることを示す「ボタンで選んでね」という画像(画像P40参照)が表示される。
【0175】
かくして、このように予告演出が実行される際、キャラクタ画像CH50が強調表示されることとなる。
【0176】
ところで、上記説明したドロップシャドウ画像CH51の形状は、キャラクタに応じて形状が異なるようになっている。すなわち、
図20(i)に示すような、鬼を模した敵キャラクタ画像CH60であれば、ドロップシャドウ画像CH61も、その鬼を模した敵キャラクタ画像CH60の形状となる。そのため、
図20(e)に示すドロップシャドウ画像CH51の形状とは異なるものとなる。
【0177】
一方、ドロップシャドウ画像CH51やドロップシャドウ画像CH61の色を、
図20(j)に示すドロップシャドウ画像CH51のように、赤色や、金色に変更することで、大当たりへの信頼度が高いことを示すことができる。このようにすれば、ドロップシャドウ画像の形状が異なっても、遊技者は、色によって、大当たりへの信頼度を認識することができる。
【0178】
また、
図20(g)に示すように、セリフ文字画像CH53は、バリエーションに応じて複数種類あるため、セリフの内容が、キャラクタ毎で異なる場合、或いは、同一のキャラクタであっても、
図20(j)に示すように、異なる場合がある。しかしながら、セリフの内容が異なっていても、
図20(j)に示すように、セリフ文字画像CH53の色を、赤色や、金色に変更することで、大当たりへの信頼度が高いことを示すことができる。このようにすれば、セリフの内容が異なっていても、遊技者は、色によって、大当たりへの信頼度を認識することができる。また、セリフ文字画像の色を赤色や金色に変更する際は、ドロップシャドウ画像の色も同じ様に赤色や金色に変更してもよい。このようにすれば遊技者は、より一層大当りへの信頼度を認識することができる。またさらに、色の違いだけでなく、色が同じ場合でも文字の大きさの違いや、文字フォントの形状の違いなどでも大当りへの信頼度が高くなることを認識できるようにしても良い。
【0179】
<背景になじませる表示の説明>
次に、背景になじませる表示について説明する。具体的には、
図21(a)~(e)に示すような、強SPリーチ演出が実行される場合を例に説明する。
図21(a)に示すように、液晶表示装置41には、画面左上隅に縮小した左装飾図柄(画像P1Aa参照)と、画面右上隅に縮小した右装飾図柄(画像P1Ca参照)が表示され、さらに、画面中央に、「最終決戦リーチ」(画像P24参照)という青色の文字が表示される。かくして、このようにして、強SPリーチ演出へと発展することとなる。
【0180】
次いで、強SPリーチ演出へと発展すると、演出が成功するか失敗するかの当落表示を行う、強SPリーチ演出が実行される。具体的には、
図21(b)に示すように、液晶表示装置41には、「最終決戦リーチ」(画像P24参照)という青色の文字に代わって、兜を被って盾と剣を持った全身が表示されているキャラクタ画像CH65(キャラクタ画像の服の色は「青色」、兜の立物の色は「白色」、盾の枠の色は「白色」、剣の色は「白色」)が「勝負!」と叫んだ状態で、敵キャラクタ画像CH60に戦いを挑んでいる演出が表示される。より詳しく説明すると、
図21(b)に示すように、キャラクタ画像CH65の外周面には、
図20(b)及び(d)に示す輪郭CH50aよりも幅の細い輪郭CH65aが縁取られている。さらに、
図21(b)に示すように、敵キャラクタ画像CH60の外周面にも、
図20(b)及び(d)に示す輪郭CH50aよりも幅の細い輪郭CH60aが縁取られている。そしてさらに、
図21(b)に示すように、液晶表示装置41には、複数の柱や雷雲などの背景画像P50が表示されているが、その背景画像P50の外周面にも、
図20(b)及び(d)に示す輪郭CH50aよりも幅の細い輪郭P50aが縁取られている。これにより、背景画像P50に対して、キャラクタ画像CH65及び敵キャラクタ画像CH60が、浮くような感じがなく、なじんだ状態となる。さらに、本実施形態においては、
図21(b)に示すように、キャラクタ画像CH65のセリフを、
図20(f)に示すような吹き出し画像CH52を用いず、「勝負!」というセリフを、テロップ画像P51を用いて表示するようにしている。これにより、背景画像P50に対して、セリフが浮くような感じにならないようにしている。したがって、このようにすれば、背景になじませることができる。なお、リーチ演出においては、上記説明した予告演出と異なり、強調表示するのではなく、背景になじませて表示させるため、輪郭は、1重のままの方が好ましい。この際、輪郭CH65aの幅は、上記説明した輪郭CH50aを2重にする場合の、何れの輪郭の幅とも異なっている。また、上記説明したキャラクタ画像CH65及び敵キャラクタ画像CH60、並びに、背景画像P50は、遊技ROM805(
図3参照)内に、予め格納されている。
【0181】
次いで、液晶表示装置41に、
図21(b)に示すような内容が表示された後、
図21(c)に示すように、テロップ画像P51に「やー!」というセリフが表示され、キャラクタ画像CH65及び敵キャラクタ画像CH60が接近した状態が表示される。
【0182】
次いで、液晶表示装置41には、
図21(d)に示すように、強SPリーチ演出中に大当たりへの信頼度を報知する予告演出が実行される。具体的には、
図21(d)に示すように、キャラクタ画像CH65及び敵キャラクタ画像CH60、並びに、背景画像P50を用いた強SPリーチ演出内容よりも前面にカットイン演出画像P52が表示される。このカットイン演出画像P52には、
図21(d)に示すように、外周面に所定の幅のある輪郭P52aが縁取られており、これによって、カットイン演出画像P52の領域を遊技者に強調表示している。そしてさらに、このカットイン演出画像P52には、
図21(d)に示すように、
図21(b)及び(c)に示すキャラクタ画像CH65の剣が無く上半身だけのキャラクタ画像CH65Aが表示されている。
図21(d)に示すように、このキャラクタ画像CH65Aの外周面には、輪郭が縁取られる代わりに、エフェクトCH65Aaが輪郭のように縁取られている。これにより、
図20(b)及び(d)に示すような輪郭CH50aを縁取らなくとも、カットイン演出画像P52の領域に対して、キャラクタ画像CH65Aを強調表示させることができる。それゆえ、予告演出の発生を遊技者に認識させることができる。また、
図21(d)に示すように、カットイン演出画像P52には、大当たりへの信頼度が高い赤文字の「これで決める!」というセリフ画像P53が表示されている。なお、本実施形態においては、カットイン演出画像P52として、
図21(b)及び(c)に示すキャラクタ画像の剣が無く上半身だけのキャラクタ画像を例示したが、それに限らず、
図21(b)及び(c)に示すキャラクタと同一モチーフであればよく、例えば、
図21(b)及び(c)とは異なるポーズや表情をしたキャラクタであっても良い。
【0183】
かくして、このようにして、強SPリーチ演出中に大当たりへの信頼度を報知する予告演出が実行されることとなる。なお、本実施形態においては、エフェクトCH65Aaを輪郭のように縁取る例を示したが、
図20(b)及び(d)に示すような輪郭CH50aを縁取り、エフェクトを付加させるようにしても良い。また、
図20(b)及び(d)に示すような輪郭CH50aに代え、エフェクトCH65Aaを輪郭のように縁取っても良い。
【0184】
次いで、液晶表示装置41に、
図21(d)に示すような内容が表示された後、
図21(e)に示すように、テロップ画像P51に「勝ち!」というセリフが表示され、敵キャラクタ画像CH60を倒した演出が液晶表示装置41に表示され、その後、
図4(j-1)に示すように、液晶表示装置41には、画面中央に、左装飾図柄(画像P1A参照)、中装飾図柄(画像P1B参照)、右装飾図柄(画像P1C参照)が、当たり図柄(図示では、「777」)で停止し、常駐図柄(画像P2A参照)も同一の数字で停止した、大当たりに当選したこと示す画像が表示されることとなる。
【0185】
かくして、このようにリーチ演出が実行される際、キャラクタは、背景になじませて表示されることとなる。すなわち、特に、強SPリーチ演出のように、
図21(b)~(e)に示す一連の映像(動画)として、キャラクタ画像CH65及び敵キャラクタ画像CH60が表示されるような場合、背景にキャラクタ画像CH65及び敵キャラクタ画像CH60をなじませて表示させる方が、SPリーチ演出よりも映像的に特別感が出る。さらには、大当たりへの信頼度が上がっていることが、遊技者に伝わりやすくなる。なお、本実施形態においては、特に、強SPリーチ演出にその傾向が見られることから、強SPリーチ演出を用いて説明したが、このことは、強SPリーチ演出に限らず、大当たりへの信頼度が上がっていることを遊技者に伝わりやすくする点で、キャラクタを、背景になじませて表示させることは、リーチ演出全般に対して言えることでもある。
【0186】
したがって、上記説明してきたように、キャラクタを強調表示させたり、背景になじませる表示をさせたりすることで、液晶表示装置41に表示される背景やキャラクタなどの強調表示に関して十分な対策を講じることができる。
【0187】
<背景画像に対してキャラクタ画像を用いてマスク処理をする場合の説明>
次に、背景画像に対してキャラクタ画像を用いてマスク処理をする場合について説明する。具体的には、
図22に示すような処理となる。すなわち、
図22(a)に示すように、液晶表示装置41には、左装飾図柄(画像P1A参照)、中装飾図柄(画像P1B参照)、右装飾図柄(画像P1C参照)、及び、常駐図柄(画像P2参照)が変動している状態が表示されている。なお、背景画像P60は、水色一色となっている。
【0188】
次いで、液晶表示装置41には、
図22(b)に示すように、背景画像P60がキャラクタ画像CH70の形状で透過されるように表示され、背景画像P60の背面に文字画像P61,P62を表示させることで、透過されたキャラクタ画像CH70の形状内にだけ、文字が表示されるような演出が実行されている。この点、詳しく説明すると、VDP803(
図3参照)を用いて、
図22(e)に示すように、背景画像P60に対して、遊技ROM805(
図3参照)内に、予め格納されている
図20(d)に示すキャラクタ画像CH50を用いてマスク処理して、キャラクタ画像CH70の形状が透過された背景画像P60を生成する。したがって、このようにすれば、
図22(e)に示すように、背景画像P60が、キャラクタ画像CH70にて切り取られた感じとなる。
【0189】
そして、このようなマスク処理してキャラクタ画像CH70の形状で透過された背景画像P60に対して、遊技ROM805(
図3参照)内に、予め格納されている、背景色が青色で、「悪を倒す」という縦長矩形状の文字画像P61と、背景色が青色で、「武士」という矩形状の文字画像P62を配置する。すなわち、
図22(e)に示す背景画像P60の背面に、
図22(f)に示す文字画像P61,P62を表示させる。これにより、液晶表示装置41には、
図22(b)に示すように、キャラクタ画像CH70の形状内にだけ、文字画像P61,P62が表示されることとなる。
【0190】
次いで、このような文字画像P61を、
図22(g)に示すように図示上方向(矢印Y1方向)に移動させていき、文字画像P62を、
図22(g)に示すように図示左方向(矢印Y2方向)に移動させていけば、
図22(c)に示すように、キャラクタ画像CH70の形状内にだけ文字内容がスクロール表示される。
【0191】
次いで、液晶表示装置41に、
図22(c)に示すような内容が表示された後、
図22(d)に示すように、マスク処理が行われない背景画像P60に対して、キャラクタ画像CH50が表示される。
【0192】
かくして、このようにキャラクタ画像CH70を用いてマスク処理して、キャラクタ画像CH70の形状が透過された背景画像P60に対して、文字画像をスクロール表示させた後、
図22(d)に示すように、キャラクタを表示させるようにすれば、キャラクタを登場させることを予告する予告演出が実行可能となる。なお、本実施形態においては、文字画像P61,P62を表示させる例を示したが、それに限らず、どのような画像を表示させるようにしても良い。
【0193】
<簡易的な手法で複数の映像効果を持つ方法の説明>
次に、簡易的な手法で複数の映像効果を持つ方法について説明する。従来においては、例えば、ある背景画像に対して、全体を淡くするような場合、背景画像そのものに対してVDP803(
図3参照)で淡くするという処理ができないため、全体を淡くした背景画像を予め用意し、遊技ROM805(
図3参照)内に格納しておく必要があった。
【0194】
しかしながら、これでは、遊技ROM805(
図3参照)内の容量が圧迫され、処理負荷が増大するという問題があった。
【0195】
そこで、本実施形態においては、上記のような問題を解決すべく、以下のような処理を行っている。
【0196】
すなわち、
図22(a)に示すような左装飾図柄(画像P1A参照)、中装飾図柄(画像P1B参照)、右装飾図柄(画像P1C参照)の変動演出にあたり、演出効果を付加するために、淡い背景画像を生成する場合を例に説明する。遊技ROM805(
図3参照)内に予め格納されている
図23(a-1)に示す背景画像P70を淡くする場合、遊技ROM805(
図3参照)内に、
図23(b-1)に示す、演出効果を付加する加工用画像P71を予め格納しておく。この加工用画像P71は、単色(図示では、黄色)のベタ画像であり、背景画像P70より小さいサイズ(例えば、160×120ピクセル)である。
【0197】
かくして、このような加工用画像P71を、VDP803(
図3参照)を用いて、
図23(c-1)に示すように、
図23(a-1)に示す背景画像P70と同サイズ(例えば、1600×1200ピクセル)に拡大して、画像処理を施して重ね合わせることで、
図23(d-1)に示すような淡い背景画像P72が生成される。なお、この淡い背景画像P72は、VDP803(
図3参照)を用いて、液晶表示装置41(
図2参照)に表示されることとなる。
【0198】
したがって、このようにすれば、全体を淡くした背景画像を予め用意しておく必要がなくなるから、遊技ROM805(
図3参照)内の容量が圧迫されなくなり、これによって、処理負荷を軽減することができる。
【0199】
なお、加工用画像P71としては、単色であれば、黒色や青色など、どのような色でも良い。黒色であれば、背景画像をより暗くすることができるし、青色であれば、淡さを際立たせることができる。すなわち、様々な色を用意しておけば、様々な背景画像の表現を、遊技ROM805(
図3参照)内の容量を圧迫することなく実現することができる。
【0200】
ところで、重ね合わせる際の画像処理については、次のような処理が行われる。具体的には、「乗算」、「加算」、「差」という画像処理が施される。すなわち、「乗算」の画像処理では、背景画像P70の1画素毎の各色と、
図23(c-1)に示すように拡大した加工用画像P71の色とを掛け合わせる画像処理を行うことで、背景画像P70と拡大した加工用画像P71を重ね合わせるようにする。かくして、このような「乗算」の画像処理を施すと、背景画像P70は元の色よりも暗い色となる。
【0201】
一方、「加算」の画像処理では、背景画像P70の1画素毎の各色と、
図23(c-1)に示すように拡大した加工用画像P71の色とを足し合わせる画像処理を行うことで、背景画像P70と拡大した加工用画像P71を重ね合わせるようにする。かくして、このような「加算」の画像処理を施すと、背景画像P70は元の色よりも明るい色となる。
【0202】
また、「差」の画像処理では、背景画像P70の1画素毎の各色と、
図23(c-1)に示すように拡大した加工用画像P71の色とを差し引いて、絶対値を採用して、背景画像P70の1画素毎の各色と合成する画像処理を行うことで、背景画像P70と拡大した加工用画像P71を重ね合わせるようにする。かくして、このような「差」の画像処理を施すと、背景画像P70は元の色よりも暗い色となる。
【0203】
かくして、このような画像処理を行えば、様々な加工が実現できることとなる。それゆえ、VDP803(
図3参照)は、変動演出の内容に応じて(例えば、予告演出時のエフェクトなど)、「乗算」、「加算」、「差」の何れか1つの画像処理を選択して、画像処理を施し、背景画像P70と拡大した加工用画像P71を重ね合わせることとなる。なお、加工用画像P71は、あくまで、背景画像P70を加工するための画像であるため、この加工用画像P71単独で変動演出における所定の演出を実行するための画像として、液晶表示装置41(
図2参照)に表示されることはない。そのため、拡大表示しても見た目に影響がなく、単色の画像で小さいサイズであることから、遊技ROM805(
図3参照)内の容量を圧迫することもない。
【0204】
ここで、変動演出の内容に応じて、「乗算」、「加算」、「差」の何れか1つの画像処理を選択して、画像処理を施す場合を、具体例を用いて説明する。具体的には、変動演出に用いられるエフェクト画像について説明する。
【0205】
図23(d-2)に示すように、背景画像P74に、エフェクト画像P73を重ね合わせて、液晶表示装置41(
図2参照)に表示させたい場合、以下のような処理が行われる。遊技ROM805(
図3参照)内には、
図23(a-2)に示す背景画像P70、
図23(b-2)に示す加工用画像P71、
図23(c-2)に示す雷を模したエフェクト画像P73が格納されている。なお、この背景画像P70と、加工用画像P71と、エフェクト画像P73とでは、背景画像P70のサイズが最も大きく、次に、エフェクト画像P73のサイズが大きく、次に、加工用画像P71のサイズとなっている。すなわち、加工用画像P71のサイズが最も小さくなっている。
【0206】
次いで、エフェクト画像P73を際立たせるため、
図23(a-2)に示す背景画像P70を暗くする。具体的には、VDP803(
図3参照)は、
図23(b-2)に示す加工用画像P71を、背景画像P70と同サイズ(例えば、1600×1200ピクセル)に拡大して、背景画像P70及び/又は拡大した加工用画像P71に対して、「乗算」の画像処理を行い、重ね合わせる。これにより、
図23(a-2)に示す背景画像P70を、
図23(d-2)に示すような暗い背景画像P74にすることができる。そしてその後、VDP803(
図3参照)は、
図23(c-2)に示す雷を模したエフェクト画像P73を、背景画像P70と同サイズ(例えば、1600×1200ピクセル)に拡大して、暗い背景画像P74の上に重ね合わせる。これにより、
図23(d-2)に示すように、暗い背景画像P74に対して、エフェクト画像P73を際立たせることができる。なお、
図23(d-2)に示す画像(暗い背景画像P74の上に重ね合わされたエフェクト画像P73)は、VDP803(
図3参照)を用いて、液晶表示装置41(
図2参照)に表示されることとなる。
【0207】
したがって、このように、変動演出の内容に応じて、VDP803(
図3参照)を用いて、「乗算」、「加算」、「差」の何れか1つの画像処理を選択して、画像処理を施すようにすれば、遊技ROM805(
図3参照)内の容量を削減することができるだけでなく、画像制作の制作工程の削減にも寄与することができる。
【0208】
<主制御:プログラムの説明>
ここで、上記種々説明した内容の処理方法を、以下、詳しく説明することとする。まず、主制御基板60にて処理される主制御ROM600b(
図3参照)内に格納されているプログラムの概要を
図24~
図35を参照して説明することで、詳しく説明することとする。
【0209】
<主制御:メイン処理の説明>
まず、パチンコ遊技機1に電源が投入されると、電源基板130(
図3参照)の電圧生成部1300にて生成された直流電圧が各制御基板に投入された旨の電源投入信号が送られ、その信号を受けて、主制御CPU600a(
図3参照)は、主制御ROM600b(
図3参照)内に格納されているプログラムを読み出し、
図24に示す主制御メイン処理を行う。この際、主制御CPU600aは、まず、最初に自らを割込み禁止状態に設定する(ステップS1)。
【0210】
次いで、主制御CPU600aは、主制御CPU600a内部のスタックポインタの値を、通常用スタック領域の最終アドレスに対応して設定するスタックポインタの設定処理を行う(ステップS2)。
【0211】
次いで、主制御CPU600aは、WDT(図示せず)をクリアし(ステップS3)、発射制御信号を出力する出力ポートをクリアする(ステップS4)。
【0212】
続いて、主制御CPU600aは、サブ制御基板80の起動待ち時間をセットし(ステップS5)、セットした待ち時間をデクリメント(-1)し(ステップS6)、WDT(図示せず)をクリアする(ステップS7)。
【0213】
次いで、主制御CPU600aは、セットした待ち時間が「0」になったか否かを確認し(ステップS8)、「0」になっていなければ(ステップS8:≠0)、ステップS7の処理に戻り、「0」になっていれば(ステップS8:=0)、ステップS9の処理に進む。
【0214】
次いで、主制御CPU600aは、電源基板130(電圧監視部1310)(
図3参照)より出力されている電圧異常信号ALARM(
図3参照)を2回取得し、その2回取得した電圧異常信号ALARMのレベルが一致するか否かを確認した上で図示しない当該主制御CPU600aの内部レジスタ内に格納し、その電圧異常信号ALARMのレベルを確認する(ステップS9)。そして電圧異常信号ALARMのレベルが「L」レベルであれば(ステップS10:YES)、ステップS9の処理に戻り、電圧異常信号ALARMのレベルが「H」レベルであれば(ステップS10:NO)、ステップS11の処理に進む。すなわち、主制御CPU600aは、電圧異常信号ALARMが正常レベル(すなわち「H」レベル)に変化するまで同一の処理を繰り返す(ステップS9~ステップS10)。このように、電圧異常信号ALARMを2回取得することで、正確な信号を読み込むことができる。
【0215】
次いで、主制御CPU600aは、主制御RAM600cへのデータ書き込みを許可し(ステップS11)、主制御RAM600cの作業領域の初期設定を行う(ステップS12)。具体的には、電源異常確認カウンタに00Hをセットし、システム動作ステータスに01Hをセットする。
【0216】
次いで、主制御CPU600aは、サブ制御基板80に液晶表示装置41に待機画面を表示させるような処理コマンド(演出制御コマンドDI_CMD)を送信する(ステップS13)。
【0217】
次いで、主制御CPU600aは、WDT(図示せず)をクリアし(ステップS14)、払出制御基板70から電源が投入された旨の信号(電源投入信号)が来たか否かを確認する(ステップS15)。電源投入信号が来ていなければ(ステップS15:OFF)、ステップS14の処理に戻り、電源投入信号が来ていれば(ステップS15:ON)、ステップS16の処理に進む。
【0218】
次いで、主制御CPU600aは、RAMクリアスイッチ620、設定キースイッチ630のレベルデータを取得し、主制御RAM600cの通常用RAM領域の作業領域に退避させる(ステップS16)。
【0219】
次いで、主制御CPU600aは、
図1に示すガラス扉枠5が開放されているか否かの扉開放信号、及び、主制御RAM600cの作業領域に退避させたRAMクリアスイッチ620の信号、並びに、設定キースイッチ630の信号を取得し(ステップS17)、全てONになっているか否かを確認する(ステップS18)。全てONになっていれば(ステップS18:YES)、主制御CPU600aは、設定切替処理を行う(ステップS19)。
【0220】
<主制御:メイン処理:設定切替処理に関する説明>
ここで、この設定切替処理について、
図26を参照して具体的に説明する。
【0221】
まず、主制御CPU600aは、サブ制御基板80に設定変更中であることを示す設定切替開始コマンド(演出制御コマンドDI_CMD)を送信する(ステップS50)。
【0222】
次いで、主制御CPU600aは、バックアップフラグをクリアする(ステップS51)。なお、このバックアップフラグとは、
図27に示す電源異常チェック処理にて、停電等による電圧低下を検出した場合に、バックアップの処理が実行されたか否かを示すデータである。また、このバックアップフラグをクリアするのは、設定切替処理中に、何らかの要因で電断し、主制御RAM600cが正常にバックアップされなかった場合を、後述する
図25に示すステップS21にて検出するためである。
【0223】
次いで、主制御CPU600aは、システム動作ステータスに02Hをセットし(ステップS52)、主制御RAM600c(
図3参照)内に記憶されている遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる確率の設定値を取得し、Wレジスタにセットする(ステップS53)。具体的に説明すると、設定値が、例えば「1」~「6」である場合、プログラム上では、設定値「1」~「6」を「00H」~「05H」の値に対応させて、Wレジスタにセットすることとなる。
【0224】
次いで、主制御CPU600aは、Wレジスタにセットした値と、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる確率の設定最大値(例えば「6」に対応した「05H」)を比較する(ステップS54)。そして、主制御CPU600aは、Wレジスタにセットした値が遊技者に有利な遊技状態を発生させる確率の設定最大値(例えば「6」」に対応した「05H」)よりも大きければ(ステップS55:YES)、異常値であると判断し、Wレジスタに00Hをセットする(ステップS56)。
【0225】
一方、Wレジスタにセットした値が遊技者に有利な遊技状態を発生させる確率の設定最大値(例えば「6」に対応した「05H」)よりも小さければ(ステップS55:NO)、正常値であると判断し、ステップS57の処理に進む。
【0226】
次いで、主制御CPU600aは、遊技場の遊技島管理に使用されるホールコンピュータに出力されるセキュリティ信号をONに設定し、そのセキュリティ信号を、ホールコンピュータに出力する(ステップS57)。
【0227】
次いで、主制御CPU600aは、LEDコモンポートに00Hをセットする(ステップS58)。
【0228】
次いで、主制御CPU600aは、Wレジスタにセットされている値をLEDデータポートに出力する(ステップS59)。
【0229】
次いで、主制御CPU600aは、設定値を表示するLEDコモンポートをONにセットする(ステップS60)。
【0230】
次いで、主制御CPU600aは、4msのウェイトがかかるように、主制御CPU600a内のレジスタに所定値をセットして、カウントダウンする処理を行う(ステップS61)。なお、この処理は、RAMクリアスイッチ620(
図3参照)、設定キースイッチ630(
図3参照)のレベルデータの変化を確認する際、前回のスイッチレベルの取得から少なくとも4msの時間をおくことで、ノイズ等のイレギュラーによるレベルデータの変化ではないことを確認するための処理である。またさらに、この後の電源異常チェック処理における電圧異常信号の変化を確認して、電源異常確認カウンタをカウントする際にも、4msの時間をおくことで、電圧異常信号の「L」レベルがノイズ等のイレギュラーによるレベルデータでないことを確認するための処理でもある。
【0231】
次いで、主制御CPU600aは、電源異常チェック処理を行う(ステップS62)。この電源異常チェック処理について、
図27を参照して具体的に説明する。
【0232】
<主制御:メイン処理:電源異常チェック処理に関する説明>
図27に示すように、主制御CPU600aは、電源基板130(電圧監視部1310)(
図3参照)より出力されている電圧異常信号ALARM(
図3参照)を2回取得し(ステップS80)、その2回取得した電圧異常信号ALARMのレベルが一致するか否かを確認する(ステップS81)。一致していれば(ステップS81:YES)、主制御CPU600aは、電圧異常信号ALARMのレベルを確認し(ステップS82)、一致していなければ(ステップS81:NO)、ステップS80の処理に戻る。
【0233】
次いで、主制御CPU600aは、電圧異常信号ALARMのレベルが「H」レベルであれば(ステップS82:OFF)、電源異常確認カウンタをクリアし(ステップS83)、電源異常チェック処理を終える。
【0234】
一方、主制御CPU600aは、電圧異常信号ALARMのレベルが「L」レベルであれば(ステップS82:ON)、電源異常確認カウンタをインクリメント(+1)し(ステップS84)、電源異常確認カウンタの値を確認する(ステップS85)。電源異常確認カウンタの値が2以上でなければ(ステップS85:NO)、電源異常チェック処理を終える。
【0235】
一方、主制御CPU600aは、電源異常確認カウンタの値が2以上であれば(ステップS85:YES)、サブ制御基板80に電源が遮断されたことを示す電断コマンド(演出制御コマンドDI_CMD)を送信する(ステップS86)。
【0236】
次いで、主制御CPU600aは、システム動作ステータスの値を確認する(ステップS87)。システム動作ステータスの値が02Hであれば、設定変更処理中であると判断し(ステップS87:YES)、バックアップフラグをONにセットせず、ステップS89の処理に進む。このようにすれば、設定切替処理中に、何らかの要因で電断し、主制御RAM600cが正常にバックアップされなかった場合を、後述する
図25に示すステップS21にて検出することができる。
【0237】
一方、システム動作ステータスの値が02Hでなければ、設定変更処理中でないと判断し(ステップS87:NO)、バックアップフラグをONにセットする(ステップS88)。
【0238】
次いで、主制御CPU600aは、主制御RAM600cへのデータ書込みを禁止状態に設定する(ステップS89)と共に、全ての出力ポートの出力データをクリアし(ステップS90)。そして、タイマ割込みを禁止し(ステップS91)、無限ループ処理を繰り返し電圧が降下するのを待つ処理を行う。
【0239】
<主制御:メイン処理:設定切替処理に関する説明>
かくして、上記のような処理を経て、電源異常チェック処理(ステップS62)を終えると、主制御CPU600aは、前回と今回のRAMクリアスイッチ620のレベルデータ、並びに、設定キースイッチ630のレベルデータから、RAMクリアスイッチ620信号のスイッチエッジデータ、並びに、設定キースイッチ630信号のスイッチエッジデータを作成する(ステップS63)。なお、主制御CPU600aは、作成したエッジデータを主制御RAM600cに格納する。
【0240】
次いで、主制御CPU600aは、主制御RAM600cに格納されているエッジデータを確認し、設定キースイッチ630がONであれば(ステップS64:NO)、ステップS65の処理に進み、設定キースイッチ630がOFFであれば(ステップS64:YES)、ステップS67の処理に進む。
【0241】
次いで、主制御CPU600aは、RAMクリアスイッチ620がONであれば(ステップS65:NO)、Wレジスタの値をインクリメント(+1)し(ステップS66)、ステップS54の処理に戻る。
【0242】
一方、RAMクリアスイッチ620がOFFであれば(ステップS65:NO)、ステップS57の処理に戻る。
【0243】
かくして、設定キースイッチ630がOFFされるまで、上記処理を繰り返し行い、設定キースイッチ630がOFFされると、主制御CPU600aは、Wレジスタの値を、主制御RAM600c(
図3参照)内に記憶されている遊技者に有利な遊技状態を発生させる確率の設定値(例えば「1」~「6」に対応した「00H」~「05H」)の設定値)に上書きして格納する(ステップS67)。
【0244】
次いで、主制御CPU600aは、設定確定表示をLEDデータポートに出力する(ステップS68)。
【0245】
次いで、主制御CPU600aは、サブ制御基板80に設定値を反映した設定切替終了コマンド(演出制御コマンドDI_CMD)を送信する(ステップS69)。
【0246】
<主制御:メイン処理の説明>
かくして、上記のような処理を経て、
図24に示す設定切替処理(ステップS19)を終えると、主制御CPU600aは、
図25に示すステップS26の処理に進むこととなる。
【0247】
他方、主制御CPU600aは、RAMクリアスイッチ620の信号、並びに、設定キースイッチ630の信号が、全てONになっているか否かを確認し(ステップS18)、全てONになっていなければ(ステップS18:NO)、主制御CPU600aは、
図25に示すステップS20の処理を行う。
【0248】
すなわち、主制御CPU600aは、主制御RAM600c(
図3参照)内に記憶されている遊技者に有利な遊技状態を発生させる確率の設定値(例えば「1」~「6」に対応した「00H」~「05H」の設定値)を取得し、設定最大値(例えば「6」に対応した「05H」)以下か否かを確認する(ステップS20)。設定最大値以下であれば(ステップS20:YES)、バックアップフラグがONにセットされているか否かを確認する(ステップS21)。
【0249】
<主制御:メイン処理:RAMエラー処理に関する説明>
設定最大値以下でないか(ステップS20:NO)、又は、バックアップフラグがONにセットされていなければ(ステップS21:NO)、主制御CPU600aは、サブ制御基板80にRAMエラーであることを示すRAMエラーコマンド(演出制御コマンドDI_CMD)を送信する(ステップS22)。
【0250】
次いで、主制御CPU600aは、エラー表示をLEDデータポートに出力する(ステップS23)。
【0251】
次いで、主制御CPU600aは、電源異常チェック処理を行い(ステップS24)、ステップS23の処理に戻り、処理を繰り返すこととなる。なお、この電源異常チェック処理は、
図27に示す電源異常チェック処理と同一の処理である。
【0252】
<主制御:メイン処理の説明>
一方、バックアップフラグがONにセットされていれば(ステップS21:YES)、RAMクリアスイッチ620の信号を確認する(ステップS25)。
【0253】
<主制御:メイン処理:RAMクリア処理に関する説明>
RAMクリアスイッチ620の信号がON(ステップS25:YES)、又は、
図24に示す設定切替処理(ステップS19)を行った場合、主制御CPU600aは、主制御RAM600cの計測用RAM領域、計測用スタック領域はクリアせず、主制御RAM600cの通常用RAM領域、通常用スタック領域をクリアする(ステップS26)。
【0254】
次いで、主制御CPU600aは、RAMクリア報知タイマを30秒(30s)に設定し(ステップS27)、遊技場の遊技島管理に使用されるホールコンピュータに出力されるセキュリティ信号を出力するタイマを30秒(30s)に設定する(ステップS28)。
【0255】
次いで、主制御CPU600aは、主制御RAM600cの一部に、初期値設定を行い(ステップS29)、ステップS41の処理に進む。
【0256】
<主制御:メイン処理の説明>
一方、RAMクリアスイッチ620の信号がOFF(ステップS25:NO)であれば、主制御CPU600aは、
図1に示すガラス扉枠5が開放されているか否かの扉開放信号、及び、設定キースイッチ630の信号を取得し(ステップS30)、全てONになっているか否かを確認する(ステップS31)。全てONになっていなければ(ステップS31:NO)、ステップS40の処理に進む。
【0257】
<主制御:メイン処理:設定確認処理に関する説明>
一方、全てONになっていれば(ステップS31:YES)、主制御CPU600aは、サブ制御基板80に設定値を反映した設定値コマンド(演出制御コマンドDI_CMD)を送信する(ステップS32)。
【0258】
次いで、主制御CPU600aは、遊技場の遊技島管理に使用されるホールコンピュータに出力されるセキュリティ信号を出力するタイマを30秒(30s)に設定する(ステップS33)。
【0259】
次いで、主制御CPU600aは、遊技場の遊技島管理に使用されるホールコンピュータに出力されるセキュリティ信号をONに設定し、ホールコンピュータに、上記タイマにて設定された30秒(30s)間、セキュリティ信号を出力する(ステップS34)。
【0260】
次いで、主制御CPU600aは、設定値をLEDデータポートに出力する(ステップS35)。
【0261】
次いで、主制御CPU600aは、4msのウェイトがかかるように、主制御CPU600a内のレジスタに所定値をセットして、カウントダウンする処理を行う(ステップS36)。
【0262】
次いで、主制御CPU600aは、電源異常チェック処理を行う(ステップS37)。なお、この電源異常チェック処理は、
図27に示す電源異常チェック処理と同一の処理である。
【0263】
次いで、主制御CPU600aは、前回と今回の設定キースイッチ630のレベルデータから、設定キースイッチ630信号のスイッチエッジデータを作成する(ステップS38)。なお、主制御CPU600aは、作成したエッジデータを主制御RAM600cに格納する。
【0264】
次いで、主制御CPU600aは、主制御RAM600cに格納されているエッジデータを確認し(ステップS39)、設定キースイッチ630がONであれば(ステップS39:NO)、ステップS34の処理に戻る。
【0265】
<主制御:メイン処理の説明>
一方、設定キースイッチ630がOFFであれば(ステップS39:YES)、主制御RAM600cの一部に、バックアップフラグやエラー検出タイマ等の初期値設定を行う(ステップS40)。
【0266】
次いで、主制御CPU600aは、サブ制御基板80に、RAMクリアによる電断復帰か、又は、バックアップによる電断復帰かを示すコマンド(演出制御コマンドDI_CMD)を送信する(ステップS41)。
【0267】
次いで、主制御CPU600aは、遊技状態報知情報を更新する遊技状態報知情報更新処理を行う(ステップS42)。
【0268】
次いで、主制御CPU600aは、内部機能レジスタの設定を行う(ステップS43)。具体的には、発射制御信号をONに設定し、払出制御基板70に送信する。これにより、払出制御基板70は、発射制御基板71の動作を開始させるように制御する。また、主制御CPU600aの内部に設けられている一定周期のパルス出力を作成する機能や時間計測の機能等を有するCTCの設定を行う。すなわち、主制御CPU600aは、4ms毎に定期的にタイマ割込みがかかるようにCTCの時間定数レジスタを設定する。
【0269】
かくして、上記の処理までが、主制御メイン処理における初期処理となる。
【0270】
次いで、主制御CPU600aは、自身への割込みを禁止状態にセットした状態(ステップS44)で、賞球数,非入賞数を含む遊技領域40に発射された遊技球の総数等の性能を算出する賞球入賞数管理処理1の処理を行う(ステップS45)。そして、主制御CPU600aは、各種の乱数カウンタの更新処理を行った後(ステップS46)、割込み許可状態に戻して(ステップS47)、ステップS44に戻り、ステップS44~ステップS47の処理を繰り返し行うループ処理を行う。なお、このループ処理と、後述する割込み処理が定常処理となる。
【0271】
<主制御:タイマ割込み処理の説明>
次に、
図28を参照して、上述したメイン処理を中断させて、4ms毎に開始されるタイマ割込みプログラムについて説明する。
【0272】
このタイマ割込みが生じると、主制御CPU600a内のレジスタ群の内容を主制御RAM600cのスタック領域に退避させる退避処理を実行し(ステップS100)、その後、電圧異常チェック処理を実行する(ステップS101)。この電圧異常チェック処理は、
図27に示す電源異常チェック処理と同一の処理である。
【0273】
次いで、主制御CPU600aは、特別図柄1始動口スイッチ44a(
図3参照)と、特別図柄2始動口スイッチ45a1(
図3参照)と、普通図柄始動口スイッチ48a(
図3参照)と、右上一般入賞口スイッチ49a1(
図3参照),左上一般入賞口スイッチ49b1(
図3参照),左中一般入賞口スイッチ49c1(
図3参照),左下一般入賞口スイッチ49d1(
図3参照)と、アウト口スイッチ50a(
図3参照)と、大入賞口スイッチ46c(
図3参照)を含む各種スイッチ類のON/OFF信号が入力され、主制御RAM600c内の作業領域にON/OFF信号レベルや、その立ち上がり状態が記憶される(ステップS102)。
【0274】
次いで、主制御CPU600aは、各遊技動作の時間を管理している各種タイマ(普通図柄変動タイマ、普通図柄役物タイマ等)のタイマ減算処理を行う(ステップS103)。
【0275】
次いで、主制御CPU600aは、乱数管理処理を行う(ステップS104)。具体的には、当否抽選に使用する普通図柄、特別図柄等の乱数を更新する処理を行うものである。
【0276】
次いで、主制御CPU600aは、エラー管理処理を行う(ステップS105)。なお、エラー管理処理は、遊技球の補給が停止したり、あるいは、遊技球が詰まったり、特別図柄1始動口スイッチ44a(
図3参照)、特別図柄2始動口スイッチ45a1(
図3参照)、普通図柄始動口スイッチ48a(
図3参照)、右上一般入賞口スイッチ49a1(
図3参照)、左上一般入賞口スイッチ49b1(
図3参照)、左中一般入賞口スイッチ49c1(
図3参照)、左下一般入賞口スイッチ49d1(
図3参照)、アウト口スイッチ50a(
図3参照)、大入賞口スイッチ46c(
図3参照)の断線など、機器内部に異常が生じていないかの判定を行うものである。なお、何らかのエラーが発生した際、サブ制御基板80へ、そのエラーに応じたコマンド(演出制御コマンドDI_CMD)が送信されることとなる。
【0277】
次いで、主制御CPU600aは、賞球管理処理を実行する(ステップS106)。この賞球管理処理は、払出・発射制御基板70(
図3参照)に払出し動作を行わせるための払出制御コマンドPAY_CMDを出力している。
【0278】
次いで、主制御CPU600aは、普通図柄処理を実行する(ステップS107)。この普通図柄処理は、普通図柄の当否抽選を実行し、その抽選結果に基づいて普通図柄の変動パターンや普通図柄の停止表示状態を決定したりするものである。なお、この処理の詳細は後述することとする。
【0279】
次いで、主制御CPU600aは、普通電動役物管理処理を実行する(ステップS108)。この普通電動役物管理処理は、普通図柄処理(ステップS107)の抽選結果に基づき、普通電動役物開放遊技発生に必要な普通電動役物ソレノイド45b2(
図3参照)の制御に関する信号が生成されるものである。なお、後述する特別図柄処理(ステップS109)にて、遊技状態が時短遊技状態か否かを示す入賞容易フラグがONとなった際、次のタイマ割込み処理にて、普通電動役物開放遊技が発生することとなる。
【0280】
次いで、主制御CPU600aは、特別図柄処理を実行する(ステップS109)。この特別図柄処理では、特別図柄の当否抽選を実行し、その抽選の結果に基づいて特別図柄の変動パターンや特別図柄の停止表示態様を決定するものである。また、遊技状態が時短遊技状態か否かを示す入賞容易フラグ、普通図柄確変フラグの処理も行われる。なお、入賞容易フラグがONになった状態の特別図柄の当否抽選は、次のタイマ割込み処理にて行われる。また、この処理の詳細は後述することとする。
【0281】
次いで、主制御CPU600aは、特別電動役物管理処理を実行する(ステップS110)。この特別電動役物管理処理では、主に、大当たり抽選結果が「大当たり」、「小当たり」であった場合、その当りに対応した当り遊技を実行制御するために必要な設定処理を行うものである。この際、特別電動役物ソレノイド46b(
図3参照)の制御に関する信号も生成される。なお、大当たり抽選結果が「大当たり」、「小当たり」であった場合、それに関するコマンド(演出制御コマンドDI_CMD)がサブ制御基板80に送信される。
【0282】
次いで、主制御CPU600aは、右打ち報知情報管理処理を行う(ステップS111)。この右打ち報知情報管理処理では、開閉部材(図示せず)が所定回数、所定時間開放する場合や、開閉扉46aが開放され大入賞口(図示せず)が開放される場合など、右打ちが有利な状況において右打ち指示報知を行う「発射位置誘導演出(右打ち報知演出)」を現出させるための処理を行う。
【0283】
次いで、主制御CPU600aは、LED管理処理を実行する(ステップS112)。このLED管理処理では、入賞容易遊技状態LED信号が出力される。すなわち、同じタイマ割込み内である上述した特別図柄処理にて、入賞容易フラグがONされれば、主制御CPU600aの出力ポートから、入賞容易遊技状態LED信号出力として、
図2に示す7セグメント表示装置53aへ出力される。これにより、
図2に示す7セグメント表示装置53aのLEDが点灯することとなる。一方、入賞容易フラグがOFFされれば、主制御CPU600aの出力ポートから、入賞容易遊技状態LED信号が出力される。これにより、
図2に示す7セグメント表示装置53aのLEDが消灯することとなる。
【0284】
次いで、主制御CPU600aは、外部端子管理処理を実行する(ステップS113)。この外部端子管理処理では、遊技場の遊技島管理に使用されるホールコンピュータに、当り遊技中、当りの発生回数、特別図柄の変動回数、入賞口への入賞球検出情報、時短遊技状態中情報、セキュリティ情報など、所定の遊技情報が出力されるものである。
【0285】
次いで、主制御CPU600aは、ソレノイド管理処理を行う(ステップS114)。この際、主制御CPU600aは、普通電動役物管理処理(ステップS108)にて生成された普通電動役物ソレノイド45b2(
図3参照)の制御に関する信号を確認すると共に、特別電動役物管理処理(ステップS110)にて生成された特別電動役物ソレノイド46b(
図3参照)の制御に関する信号を確認する。そしてこの信号に基づき、普通電動役物ソレノイド45b2又は特別電動役物ソレノイド46bの作動/停止が制御され、電チュー(普通電動役物)の開閉部材(図示せず)が開放状態、及び、案内部材(図示せず)が案内状態となる時間が延長状態/非延長状態、あるいは、大入賞口(図示せず)が開放又は閉止するように開閉扉46a(
図2参照)が動作することとなる。
【0286】
次いで、主制御CPU600aは、使用領域外処理を行う(ステップS115)。この処理では、
図25に示すステップS45の賞球入賞数管理処理1にて算出した性能表示の値を計測・設定表示装置610(
図3参照)に表示させる処理を行う。
【0287】
次いで、主制御CPU600aは、WDT(図示せず)をクリアし(ステップS116)、割込み許可状態に戻し(ステップS117)、主制御RAM600cのスタック領域に退避させておいたレジスタの内容を復帰させタイマ割込みを終える(ステップS118)。これにより、割込み処理ルーチンからメイン処理(
図25参照)に戻ることとなる。
【0288】
<主制御:普通図柄処理の説明>
次に、
図29を参照して、上記普通図柄処理について詳細に説明する。
【0289】
図29に示すように、普通図柄処理は、先ず、ゲートからなる普通図柄始動口48(
図2参照)において、遊技球の通過を検出したか否かを確認、すなわち、普通図柄始動口48の普通図柄始動口スイッチ48a(
図3参照)の信号レベルを確認する(ステップS150)。そして遊技球の通過を検出した場合(ステップS150:YES)、主制御CPU600aは、普通図柄の始動保留球数が例えば4以上か否かを判断するため、普通図柄の始動保留球数が格納されている主制御RAM600cを確認する(ステップS151)。その際、普通図柄の始動保留球数が4未満であれば(ステップS151:≠MAX)、普通図柄の始動保留球数を1加算する(ステップS152)。その後、主制御CPU600aは、普通図柄の当否抽選に用いられる普通図柄当り判定用乱数値を普通図柄の始動保留球数が格納されている主制御RAM600cに格納した上で(ステップS153)、ステップS154の処理に進む。
【0290】
一方、ステップS150にて、遊技球の通過を検出しなかった場合(ステップS150:NO)、ステップS151にて、普通図柄の始動保留球数が4以上であると判断した場合(ステップS151:=MAX)には、ステップS152~S153の処理は行わず、ステップS154の処理に進む。
【0291】
主制御CPU600aは、ステップS154の処理に進むと、普通図柄当たり作動フラグがONに設定されているか、すなわち、普通図柄当たり作動フラグに5AHが設定されているかを確認する(ステップS154)。普通図柄当たり作動フラグに5AHが設定されていれば(ステップS154:ON)、普通図柄が当たり中であると判断し、普通図柄の表示データの更新を行った後(ステップS163)、普通図柄処理を終える。
【0292】
一方、普通図柄当たり作動フラグに5AHが設定されていなければ(ステップS154:OFF)、普通図柄の挙動を示す処理状態、すなわち、普通図柄動作ステータスフラグの値を確認する(ステップS155)。そして、普通図柄動作ステータスフラグが00Hであれば、主制御CPU600aは、普通図柄の変動開始前の状態であると判断し、ステップS156に進み、普通図柄の始動保留球数が0か否かを確認する(ステップS156)。
【0293】
主制御CPU600aは、普通図柄の始動保留球数が格納されている主制御RAM600cを確認した上で、0であると判断した場合(ステップS156:=0)は、普通図柄の表示データの更新を行った後(ステップS163)、普通図柄処理を終える。一方、0でないと判断した場合(ステップS156:≠0)は、普通図柄の始動保留球数を1減算する(ステップS157)。
【0294】
その後、主制御CPU600aは、
図36(a)に示す普通図柄当たり判定テーブルNPP_TBLを用いて主制御RAM600cに格納されている普通図柄の始動保留球数に対応した乱数値の当たり判定を行う。すなわち、主制御CPU600aは、遊技状態を示す普通図柄確変フラグがOFFであれば、当該乱数値が、
図36(a)に示す普通図柄当たり判定テーブルNPP_TBL(通常状態)の下限値(図示では、249)以上で上限値(図示では、250)以下か否かを判定し、下限値以上で上限値以下であれば、普通図柄当たり判定フラグに5AHをセットし、ONにする。それ以外の場合は、普通図柄当たり判定フラグをOFFにする。
【0295】
一方、遊技状態を示す普通図柄確変フラグがONであれば、当該乱数値が、
図36(a)に示す普通図柄当たり判定テーブルNPP_TBL(確変状態)の下限値(図示では、4)以上で上限値(図示では、250)以下か否かを判定し、下限値以上で上限値以下であれば、普通図柄当たり判定フラグに5AHをセットし、ONにする。それ以外の場合は、普通図柄当たり判定フラグをOFFにセットする処理を行う(ステップS158)。
【0296】
かくして、主制御CPU600aは、上記乱数抽選処理にて決定した抽選結果に基づいて、停止図柄(普通図柄停止図柄)を決定する(ステップS159)。
【0297】
次いで、主制御CPU600aは、普通図柄の変動時間を短くする普通図柄時短フラグがONに設定されているかを確認し、ONに設定されていれば、普通図柄変動タイマにそれに応じた変動時間を設定し、OFFに設定されていれば、普通図柄変動タイマに通常の変動時間を設定する処理を行う(ステップS160)。
【0298】
次いで、主制御CPU600aは、普通図柄の始動保留球数に対応した普通図柄の当否抽選に用いられる乱数値が格納されている主制御RAM600cの記憶領域をシフトする(ステップS161)。すなわち、普通図柄の始動保留球数を最大で4個保留できるとすると、普通図柄の始動保留球数4に対応した普通図柄の当否抽選に用いられる乱数値を普通図柄の始動保留球数3に対応した普通図柄の当否抽選に用いられる乱数値が格納されていた主制御RAM600cにシフトし、普通図柄の始動保留球数3に対応した普通図柄の当否抽選に用いられる乱数値を普通図柄の始動保留球数2に対応した普通図柄の当否抽選に用いられる乱数値が格納されていた主制御RAM600cにシフトし、普通図柄の始動保留球数2に対応した普通図柄の当否抽選に用いられる乱数値を普通図柄の始動保留球数1に対応した普通図柄の当否抽選に用いられる乱数値が格納されていた主制御RAM600cにシフトするという処理を行う。
【0299】
この処理の後、主制御CPU600aは、上記ステップS155にて用いた普通図柄動作ステータスフラグに01Hを設定し、普通図柄の始動保留球数4に対応した普通図柄の当否抽選に用いられる乱数値が格納されていた主制御RAM600cに00Hを設定する処理を行う(ステップS162)。
【0300】
そして、主制御CPU600aは、上記ステップS162の処理を終えた後、普通図柄の表示データの更新を行い(ステップS163)、普通図柄処理を終える。
【0301】
他方、主制御CPU600aは、上記ステップS155にて、普通図柄の挙動を示す処理状態、すなわち、普通図柄動作ステータスフラグの値が01Hであれば、主制御CPU600aは、普通図柄が変動中であると判断し、ステップS164に進み、普通図柄変動タイマが0か否かを確認する(ステップS164)。普通図柄変動タイマが0でなければ(ステップS164:≠0)、普通図柄の表示データの更新を行い(ステップS163)、普通図柄処理を終える。そして、普通図柄変動タイマが0であれば(ステップS164:=0)、主制御CPU600aは、上記ステップS155にて用いた普通図柄動作ステータスフラグに02Hを設定し、普通図柄の当否抽選結果を一定時間維持させるために、普通図柄変動タイマに例えば約600msの時間が設定される(ステップS165)。
【0302】
主制御CPU600aは、上記ステップS165の処理を終えた後、普通図柄の表示データの更新を行い(ステップS163)、普通図柄処理を終える。
【0303】
一方、主制御CPU600aは、上記ステップS155にて、普通図柄の挙動を示す処理状態、すなわち、普通図柄動作ステータスフラグの値が02Hであれば、主制御CPU600aは、普通図柄が確認時間中(普通図柄の変動が終了して停止中)であると判断し、ステップS166に進み、普通図柄変動タイマが0か否かを確認する(ステップS166)。普通図柄変動タイマが0でなければ(ステップS166:≠0)、普通図柄の表示データの更新を行い(ステップS163)、普通図柄処理を終える。そして、普通図柄変動タイマが0であれば(ステップS166:=0)、主制御CPU600aは、上記ステップS155にて用いた普通図柄動作ステータスフラグに00Hを設定し(ステップS167)、普通図柄当たり判定フラグがONに設定(5AHが設定)されているかを確認する(ステップS168)。
【0304】
これにより、普通図柄当たり判定フラグがOFFに設定(5AHが設定されていない)されていれば(ステップS168:OFF)、主制御CPU600aは、普通図柄の表示データの更新を行い(ステップS163)、普通図柄処理を終える。そして、普通図柄当たり判定フラグがONに設定(5AHが設定)されていれば(ステップS168:ON)、主制御CPU600aは、ステップS154にて用いられる普通図柄当たり作動フラグをON(5AHを設定)に設定した(ステップS169)後、普通図柄処理を終える。
【0305】
<主制御:特別図柄処理の説明>
次に、
図30~
図35を参照して、上記特別図柄処理について詳細に説明する。
【0306】
図30に示すように、特別図柄処理は、先ず、特別図柄1始動口44(
図2参照)の特別図柄1始動口スイッチ44a(
図3参照)において、遊技球の入球(入賞球)を検出した否かを確認し(ステップS200)、さらに、特別図柄2始動口45a(
図2参照)の特別図柄2始動口スイッチ45a1(
図3参照)において、遊技球の入球(入賞球)を検出したか否かを確認する(ステップS201)。
【0307】
<主制御:特別図柄処理:始動口チェック処理の説明>
この処理について、
図31を用いて詳しく説明すると、主制御CPU600aは、特別図柄1始動口44又は特別図柄2始動口45aに遊技球が入球(入賞)したか否かを確認、すなわち、特別図柄1始動口44の特別図柄1始動口スイッチ44a又は特別図柄2始動口45aの特別図柄2始動口スイッチ45a1のレベルを確認する(ステップS250)。これにより、遊技球の入球(入賞)を検出しなければ(ステップS250:NO)、特別図柄処理を終える。
【0308】
一方、遊技球の入球(入賞)を検出すれば(ステップS250:YES)、主制御CPU600aは、特別図柄の変動契機となる始動保留球数が所定数、主制御RAM600cに格納されているか否かを確認する(ステップS251)。その始動保留球数が、4未満であれば(ステップS251:≠MAX)、当該始動保留球数を1加算(+1)する(ステップS252)。
【0309】
次いで、主制御CPU600aは、特別図柄停止の際用いられる乱数値及び変動パターン用乱数値並びに大当たり判定用乱数値を特別図柄の変動契機となる始動保留球数が格納されている主制御RAM600cに格納する(ステップ253)。
【0310】
次いで、主制御CPU600aは、現在の遊技状態(特別図柄大当たり判定フラグがONに設定されているか否か等)を確認し、先読み禁止状態か否かを判定する(ステップS254)。そして、先読み禁止状態でなければ(ステップS254:NO)、主制御CPU600aは、上記ステップS253にて主制御RAM600cに格納した特別図柄の当否抽選に用いられる大当たり判定用乱数値を取得し(ステップS255)、さらに、図示しない始動口入賞時乱数判定テーブルを取得する(ステップS256)。
【0311】
次いで、主制御CPU600aは、上記ステップS255にて取得した大当たり判定用乱数値及びステップS256にて取得した始動口入賞時乱数判定テーブル(図示せず)を用いて、抽選を行い、その抽選結果に応じて、特別図柄の図柄抽選を行う。さらに、上記ステップS253にて主制御RAM600cに格納した特別図柄用乱数値を用いて、大当たりの種類(ランクアップボーナス当り,通常の大当り等)を決定し、変動パターン用乱数値を用いて、変動パターンを決定し、それに応じた特別図柄始動口入賞コマンドを生成する(ステップS257)。なお、この際、大当たり抽選だけでなく、小当たり抽選も行い、上記説明した特別図柄用乱数値を用いるか、又は、特別図柄用乱数値とは別の乱数値を用いて、小当たりの種類を決定し、変動パターン用乱数値を用いて、変動パターンを決定し、それに応じた特別図柄始動口入賞コマンドを生成してもよい。
【0312】
次いで、主制御CPU600aは、上記生成された特別図柄始動口入賞コマンドに応じた下位バイトの始動保留加算コマンドを生成する(ステップS258)。
【0313】
一方、主制御CPU600aは、上記ステップS258の処理を終えるか、又は、上記ステップS251にて特別図柄1又は2の第1始動保留球数又は第2始動保留球数が4以上であるか(ステップS251:=MAX)、あるいは、先読み禁止状態であれば(ステップS254:YES)、増加した始動保留球数に応じた上位バイトの始動保留加算コマンドを生成する(ステップS259)。
【0314】
次いで、主制御CPU600aは、上記ステップS258にて生成した下位バイトの始動保留加算コマンドと、上記ステップS259にて生成した上位バイトの始動保留加算コマンドとを結合した上で、始動保留加算コマンド(演出制御コマンドDI_CMD)として、サブ制御基板80に送信する処理を行う(ステップS260)。
【0315】
<主制御:特別図柄処理の説明>
かくして、
図30に示すステップS200及びステップS201の処理を終えると、主制御CPU600aは、特別図柄小当たり作動フラグがONに設定されているか、すなわち、特別図柄小当たり作動フラグに5AHが設定されているかを確認する(ステップS202)。特別図柄小当たり作動フラグに5AHが設定されていれば(ステップS202:ON)、特別図柄が小当たり中であると判断し、特別図柄の表示データの更新を行った後(ステップS208)、特別図柄処理を終える。
【0316】
一方、特別図柄小当たり作動フラグに5AHが設定されていなければ(ステップS202:OFF)、特別図柄大当たり作動フラグがONに設定されているか、すなわち、特別図柄大当たり作動フラグに5AHが設定されているかを確認する(ステップS203)。特別図柄大当たり作動フラグに5AHが設定されていれば(ステップS203:ON)、特別図柄が大当たり中であると判断し、特別図柄の表示データの更新を行った後(ステップS208)、特別図柄処理を終える。
【0317】
一方、特別図柄大当たり作動フラグに5AHが設定されていなければ(ステップS203:OFF)、特別図柄の挙動を示す処理状態、すなわち、特別図柄動作ステータスフラグの値を確認する(ステップS204)。より詳しく説明すると、主制御CPU600aは、特別図柄動作ステータスフラグの値が00H又は01Hであれば、特別図柄変動待機中(特別図柄の変動が行われておらず次回の変動のための待機状態であることを示す)であると判定し、特別図柄変動開始処理を行う(ステップS205)。
【0318】
<主制御:特別図柄処理:特別図柄変動開始処理の説明>
この処理について、
図32を用いて詳しく説明すると、主制御CPU600aは、特別図柄の変動契機となる始動保留球数が0か否かを確認する(ステップS300)。すなわち、主制御CPU600aは、主制御RAM600cに格納されているか否かを確認し、始動保留球数が0であると判断した場合(ステップS300:=0)、特別図柄動作ステータスフラグの値が00Hか否かを確認する(ステップS301)。特別図柄動作ステータスフラグの値が00Hであれば(ステップS301:YES)、特別図柄変動開始処理を終了する。
【0319】
一方、特別図柄動作ステータスフラグの値が00Hでなければ(ステップS301:NO)、主制御CPU600aは、客待ちデモコマンドを演出制御コマンドDI_CMDとしてサブ制御基板80(
図3参照)に送信する(ステップS302)。
【0320】
次いで、主制御CPU600aは、特別図柄動作ステータスフラグに00Hをセットし(ステップS303)、特別図柄変動開始処理を終了する。
【0321】
他方、主制御CPU600aは、始動保留球数が0でないと判断した場合(ステップS300:≠0)、始動保留球数を1減算(-1)し(ステップS304)、始動保留減算コマンドを演出制御コマンドDI_CMDとして、サブ制御基板80(サブ制御CPU800a)に送信する(ステップS305)。
【0322】
次いで、主制御CPU600aは、後述する特別図柄時短回数カウンタの値を確認し、時短回数コマンドを演出制御コマンドDI_CMDとして、サブ制御基板80(サブ制御CPU800a)に送信する(ステップS306)。これを受けて、サブ制御CPU800aは、所定の時短回数以下となるまで、現在の時短回数を、液晶表示装置41に表示しないか、100回などの固定回数を液晶表示装置41に表示するような画像(映像)に関するコマンドリストをVDP803に送信する。これにより、VDP803が、当該コマンドリストに基づく画像を表示させるように画像(映像)データを生成し、その生成した画像(映像)データを液晶表示装置41に送信することにより、液晶表示装置41には、現在の時短回数が表示されないか、又は、100回などの固定回数が表示されることとなる。そして、所定の時短回数となった際、サブ制御CPU800aは、受信した時短回数情報を、液晶表示装置41に表示するような画像(映像)に関するコマンドリストをVDP803に送信する。これにより、VDP803が、当該コマンドリストに基づく画像を表示させるように画像(映像)データを生成し、その生成した画像(映像)データを液晶表示装置41に送信することにより、液晶表示装置41には、現在の時短回数が表示されることとなる。
【0323】
次いで、主制御CPU600aは、特別図柄停止の際用いられる乱数値及び変動パターン用乱数値並びに大当たり判定用乱数値(
図31のステップS253参照)が格納されている主制御RAM600c内の記憶領域をシフトし(ステップS307)、始動保留4に対応した特別図柄の当否抽選に用いられる乱数値が格納されていた主制御RAM600c内の領域に0を設定する(ステップS308)。
【0324】
次いで、主制御CPU600aは、当たり判定処理を行う(ステップS309)。
【0325】
<主制御:特別図柄処理:当たり判定処理の説明>
この処理について、
図33を用いて詳しく説明すると、主制御CPU600aは、大当たり判定用乱数値(
図31のステップS253参照)が格納されている主制御RAM600cから、大当たり判定用乱数値を取得する(ステップS370)。
【0326】
次いで、主制御CPU600aは、変動する特図に応じた当たり判定テーブルのアドレス番地を取得する。すなわち、
図36(b)に示す特別図柄大当たり判定テーブルSDH_TBL、
図36(c)に示す特別図柄小当たり判定テーブルSDP_TBLのアドレス番地を取得する(ステップS371)。
【0327】
次いで、主制御CPU600aは、取得したアドレス番地を、判定値が格納されたアドレス番地に変更する(ステップS372)。
【0328】
次いで、主制御CPU600aは、設定値毎に判定値が異なるかの情報を取得し(ステップS373)、取得した情報の値を確認する(ステップS374)。取得した値が「0」であれば(ステップS374:=0)、ステップS377の処理に進み、取得した値が「0」でなければ(ステップS374:≠0)、主制御CPU600aは、主制御RAM600c(
図3参照)内に記憶されている遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる確率の設定値(例えば「1」~「6」に対応した「00H」~「05H」の設定値)を取得する(ステップS375)。
【0329】
次いで、主制御CPU600aは、取得した設定値に応じた判定値が格納されているアドレス番地に変更する(ステップS376)。
【0330】
次いで、主制御CPU600aは、現在のアドレス番地から、判定値を取得する(ステップS377)。
【0331】
次いで、主制御CPU600aは、アドレス番地を次の判定値が格納された先頭アドレス番地に変更し(ステップS378)、取得した大当たり判定用乱数値と、取得した判定値を比較する(ステップS379)。
【0332】
次いで、主制御CPU600aは、取得した大当たり判定用乱数値が取得した判定値より小さくなければ(ステップS380:NO)、ステップS373の処理に戻り、取得した大当たり判定用乱数値が取得した判定値より小さくなるまで(ステップS380:YES)ステップS373~ステップS380の処理を繰り返す。
【0333】
次いで、主制御CPU600aは、取得した大当たり判定用乱数値が取得した判定値より小さくなれば(ステップS380:YES)、遊技状態に応じた特別図柄大当たり判定フラグ、特別図柄小当たり判定フラグを取得し(ステップS381)、当たり判定処理を終える。
【0334】
<主制御:特別図柄処理:特別図柄変動開始処理の説明>
かくして、上記のような当たり判定処理(ステップS309)を終えた後、主制御CPU600aは、
図31のステップS253にて主制御RAM600cに格納した特別図柄停止の際用いられる乱数値を用いて、抽選を行い、その抽選結果に応じた特別図柄の停止図柄を生成する(ステップS310)。
【0335】
次いで、主制御CPU600aは、通常状態、時短状態、潜伏確変状態、確変状態等の遊技状態に移行する準備を行う(ステップS311)。なお、ここでは、大当りとなった場合に大当り後にセットされる普通図柄時短フラグと普通図柄確変フラグと特別図柄時短フラグと特別図柄確変フラグと入賞容易フラグとのうち、移行後の遊技状態に応じたフラグをONにするためのフラグデータを予め準備する。また、特別図柄時短回数カウンタに設定する時短回数と、特別図柄確変回数カウンタに設定する確変回数も準備することとなる。なお、入賞容易フラグは、遊技状態が時短遊技状態であるか否かを示すフラグである。
【0336】
次いで、主制御CPU600aは、
図31のステップS253にて主制御RAM600cに格納した変動パターン用乱数値を用いて、抽選を行い、その抽選結果に応じた特別図柄の変動パターンの生成を行い、その生成された特別図柄の変動パターンの変動パターンコマンドを演出制御コマンドDI_CMDとして、サブ制御基板80(サブ制御CPU800a)に送信する(ステップS312)。なお、このステップS312にて、主制御CPU600aは、特別図柄変動タイマに変動時間を設定することとなる。
【0337】
次いで、主制御CPU600aは、特別図柄変動中フラグに5AHを設定し、ON状態にする(ステップS313)。
【0338】
次いで、主制御CPU600aは、液晶表示装置41に表示される特別図柄の指定を行う図柄指定コマンドを生成し(ステップS314)、その生成した図柄指定コマンドを演出制御コマンドDI_CMDとしてサブ制御基板80(サブ制御CPU800a)に送信する処理を行う(ステップS315)。
【0339】
次いで、主制御CPU600aは、特別図柄動作ステータスフラグに02Hを設定し(ステップS316)、特別図柄変動開始処理を終了する。
【0340】
<主制御:特別図柄処理の説明>
他方、
図30に示すように、特別図柄動作ステータスフラグの値が02Hの場合、主制御CPU600aは、特別図柄変動中(特別図柄が現在変動中であることを示す)であると判定し、特別図柄変動中処理を行う(ステップS206)。
【0341】
<主制御:特別図柄処理:特別図柄変動中処理の説明>
この処理について、
図34を用いて詳しく説明すると、主制御CPU600aは、まず、
図32のステップS312にて特別図柄変動タイマに設定された変動時間が経過したか、すなわち、0になったか否かを確認する(ステップS400)。特別図柄変動タイマが0でなければ(ステップS400:NO)、主制御CPU600aは、特別図柄変動中処理を終了する。
【0342】
一方、特別図柄変動タイマが0であれば(ステップS400:YES)、主制御CPU600aは、図柄確定コマンドを演出制御コマンドDI_CMDとしてサブ制御基板80(サブ制御CPU800a)に送信する(ステップS401)。
【0343】
次いで、主制御CPU600aは、特別図柄動作ステータスフラグに03Hを設定し、特別図柄変動中フラグに00Hを設定する。そしてさらに、主制御CPU600aは、特別図柄の当否抽選結果を一定時間維持するために、特別図柄変動タイマに例えば約500msの時間を設定する(ステップS402)。その後、主制御CPU600aは、特別図柄変動中処理を終了する。
【0344】
<主制御:特別図柄処理の説明>
一方、
図30に示すように、特別図柄動作ステータスフラグの値が03Hの場合、主制御CPU600aは、特別図柄確認中(特別図柄の変動が終了して停止中であることを示す)であると判定し、特別図柄確認時間中処理を行う(ステップS207)。
【0345】
<主制御:特別図柄処理:特別図柄確認時間中処理の説明>
この処理について、
図35を用いて詳しく説明すると、主制御CPU600aは、まず、
図32のステップS312にて特別図柄変動タイマに設定された変動時間が経過したか、すなわち、0になったか否かを確認する(ステップS450)。特別図柄変動タイマが0でなければ(ステップS450≠0)、主制御CPU600aは、特別図柄確認時間中処理を終了する。
【0346】
一方、特別図柄変動タイマが0であれば(ステップS450=0)、主制御CPU600aは、特別図柄動作ステータスフラグに01Hを設定し(ステップS451)、特別図柄大当たり判定フラグがONに設定されているか(5AHが設定されているか)を確認する(ステップS452)。特別図柄大当たり判定フラグがONに設定されていれば(5AHが設定されていれば)(ステップS452:YES)、特別図柄大当たり判定フラグに00Hを設定し、特別図柄大当たり作動フラグに5AHを設定し、そして普通図柄時短フラグに00Hを設定し、普通図柄確変フラグに00Hを設定し、さらに、特別図柄時短フラグに00Hを設定し、特別図柄確変フラグに00Hを設定し、入賞容易フラグに00Hを設定する。そしてさらに、後述する特別図柄時短回数カウンタに0000H、及び、特別図柄確変回数カウンタに00Hを設定する処理を行い(ステップS453)、主制御CPU600aは、特別図柄確認時間中処理を終了する。
【0347】
他方、特別図柄大当たり判定フラグがONに設定されていなければ(5AHが設定されていなければ)(ステップS452:NO)、主制御CPU600aは、特別図柄小当たり判定フラグがONに設定されているか(5AHが設定されているか)を確認する(ステップS454)。特別図柄小当たり判定フラグがONに設定されていれば(5AHが設定されていれば)(ステップS454:YES)、特別図柄小当たり判定フラグに00Hを設定し、特別図柄小当たり作動フラグに5AHを設定する(ステップS455)。なお、この際、普通図柄時短フラグと特別図柄時短フラグと入賞容易フラグをON(5AHを設定)にし、特別図柄時短回数カウンタに時短回数をセットするようにする。
【0348】
主制御CPU600aは、上記ステップS455の処理を終えた後、又は、特別図柄小当たり判定フラグがONに設定されていなければ(5AHが設定されていなければ)(ステップS454:NO)、特別図柄時短回数カウンタの値が0か否かを確認する(ステップS456)。
【0349】
特別図柄時短回数カウンタの値が0でなければ(ステップS456:NO)、特別図柄時短回数カウンタの値を1減算(-1)し(ステップS457)、主制御CPU600aは、再度、特別図柄時短回数カウンタの値が0か否かを確認する(ステップS458)。そして、特別図柄時短回数カウンタの値が0であれば(ステップS458:YES)、普通図柄時短フラグに00Hを設定すると共に、普通図柄確変フラグに00Hを設定し、さらに、入賞容易フラグに00Hを設定し、そしてさらに、普通図柄時短フラグに00Hを設定する(ステップS459)。
【0350】
上記ステップS459の処理を終えた後、又は、特別図柄時短回数カウンタの値が0(ステップS456:YES)、あるいは、特別図柄時短回数カウンタの値が0でなければ(ステップS458:NO)、主制御CPU600aは、特別図柄確変回数カウンタの値が0か否かを確認する(ステップS460)。特別図柄確変回数カウンタの値が0であれば(ステップS460:YES)、特別図柄確認時間中処理を終了する。
【0351】
一方、特別図柄確変回数カウンタの値が0でなければ(ステップS460:NO)、主制御CPU600aは、特別図柄確変回数カウンタの値を1減算(-1)し(ステップS461)、再度、特別図柄確変回数カウンタの値が0か否かを確認する(ステップS462)。特別図柄確変回数カウンタの値が0でなければ(ステップS462:NO)、特別図柄確認時間中処理を終了する。
【0352】
一方、特別図柄確変回数カウンタの値が0であれば(ステップS462:YES)、主制御CPU600aは、普通図柄時短フラグに00Hを設定し、普通図柄確変フラグに00Hを設定し、入賞容易フラグに00Hを設定し、特別図柄時短フラグに00Hを設定し、特別図柄確変フラグに00Hを設定する処理を行い(ステップS463)、特別図柄確認時間中処理を終了する。
【0353】
<主制御:特別図柄処理の説明>
かくして、
図30に示す上記ステップS205、ステップS206、ステップS207のいずれかの処理を終えると、主制御CPU600aは、特別図柄の表示データの更新を行った後(ステップS208)、特別図柄処理を終える。
【0354】
<サブ制御基板の処理内容の説明>
次に、上記
図4~
図23を参照して説明した演出内容の処理方法について、
図37~
図41に示すサブ制御基板80の処理内容(プログラムの概要)を参照して具体的に説明する。
【0355】
まず、パチンコ遊技機1に電源が投入されると、電源基板130(
図3参照)から各制御基板に電源が投入された旨の電源投入信号が送られる。そしてその信号を受けて、サブ制御CPU800aは、
図37に示すメイン処理を行う。
【0356】
<サブ制御:メイン処理の説明>
図37に示すように、まず、サブ制御CPU800aが、内部に設けられているレジスタを初期化すると共に、入出力ポートの入出力方向を設定する。そしてさらに、出力方向に設定された出力ポートから送信されるデータがシリアル転送となるように設定する(ステップS1000)。
【0357】
次いで、サブ制御CPU800aは、上記主制御基板60(
図3参照)から受信する演出制御コマンドDI_CMDを格納するサブ制御RAM800c内のメモリ領域を初期化する(ステップS1001)。そして、サブ制御CPU800aは、上記主制御基板60からの割込み信号を受信する入力ポートの割込み許可設定処理を行う(ステップS1002)。
【0358】
次いで、サブ制御CPU800aは、作業領域、スタック領域として使用するサブ制御RAM800c内のメモリ領域を初期化し(ステップS1003)、音LSI801(
図3参照)に初期化指令を行う。これにより、音LSI801は、その内部に設けられているレジスタを初期化する(ステップS1004)。
【0359】
次いで、サブ制御CPU800aは、上・左・右・左上可動役物43a~43d(
図2参照)を動作させるモータ(図示せず)に異常が発生しているか否か、そのモータ(図示せず)を動作させるモータデータが格納されるサブ制御RAM800c内のメモリ領域を確認する。異常データが格納されている場合は、サブ制御CPU800aは、当該モータを原点位置(退避位置)に戻す指令を行う。これにより、上・左・右・左上可動役物43a~43dは初期位置に戻ることとなる(ステップS1005)。
【0360】
次いで、サブ制御CPU800aは、その内部に設けられている一定周期のパルス出力を作成する機能や時間計測の機能等を有するCTC(Counter Timer Circuit)の設定を行う。すなわち、サブ制御CPU800aは、1ms毎に定期的にタイマ割込みがかかるように上記CTCの時間定数レジスタを設定する(ステップS1006)。
【0361】
次いで、サブ制御CPU800aは、サブ制御RAM800cの作業領域を対象とする8ビット加算演算であるチェックサム演算を行い(ステップS1007)、そのチェックサム演算値と、後述するメモリバックアップ(ステップS1015参照)にて算出しサブ制御RAM800c内に格納されているチェックサム演算値とを比較し、一致しているか否かの確認を行う(ステップS1008)。一致していなければ(ステップS1008:NO)、サブ制御RAM800c内の全領域を全てクリアする処理を行う(ステップS1009)。
【0362】
一方、一致(ステップS1008:YES)、あるいは、上記ステップS1009の処理を終えた後、サブ制御CPU800aは、図示しないウオッチドックタイマ機能を解除し(ステップS1010)、サブ制御CPU800aやVDP803等のハードウェアのリフレッシュを実行する(ステップS1011)。
【0363】
次いで、サブ制御CPU800aは、上記サブ制御RAM800c内のメモリ領域に格納されている上記主制御基板60(
図3参照)から受信する演出制御コマンドDI_CMDを読み出し、その内容に応じた演出パターンを、サブ制御ROM800b内に予め格納しておいた多数の演出パターンの中から抽選により決定する(ステップS1012)。この際、サブ制御CPU800aは、別ルート演出への発展あおり演出を実行するかしないかの抽選を、
図10に示す別ルート発展あおり演出振り分けテーブルSUB_SBHA_TBLを用いて抽選することとなる。
【0364】
また、ステップS1012において、サブ制御CPU800aは、ノーマルリーチ演出を実行するか、発展あおり演出を実行するかの抽選を、
図14に示す別ルート/SPリーチ発展あおり演出振り分けテーブルSUB_NBHA_TBLを用いて抽選することとなる。
【0365】
また一方、通常変動中のチャレンジ演出(発展あおり演出)は、ノーマルリーチ中の時間尺を使用することから、予めノーマルリーチ中の発展あおり演出か、通常変動中のチャレンジ演出(発展あおり演出)のどちらを出現させるのかの抽選を行うようにしている。具体的には、ステップS1012において、サブ制御CPU800aは、
図19(a)に示す別ルート/SPリーチ発展あおり演出選択抽選テーブルSUB_SBCH_TBLを用いて抽選することとなる。そして、
図19(a)に示す別ルート/SPリーチ発展あおり演出選択抽選テーブルSUB_SBCH_TBLを用いて抽選を行った結果、通常変動中のチャレンジ演出(発展あおり演出)に当選した場合、サブ制御CPU800aは、発展失敗演出を実行するか、SP発展演出を実行するか、宝箱発展演出を実行するかの抽選を、
図19(b)に示す別ルート/SPリーチ発展あおり演出振り分けテーブルSUB_SBFK_TBLを用いて抽選することとなる。
【0366】
次いで、サブ制御CPU800aは、後述するタイマ割込み処理にて取得した設定ボタン15又は演出ボタン装置13の入力内容を解析する処理を行う(ステップS1013)。具体的には、設定ボタン15又は演出ボタン装置13が、遊技者によって、押圧された瞬間か、放された瞬間か、あるいは、押圧されたままの状態か等の解析を行う。
【0367】
次いで、サブ制御CPU800aは、上記ステップS1012にて抽選により決定した演出パターンに基づいて、上・左・右・左上可動役物43a~43d(
図2参照)の動作制御や、装飾ランプ基板90(
図3参照)に搭載されている発光手段であるLEDランプ等の装飾ランプの点灯又は消灯の制御や、スピーカ17の制御や、液晶表示装置41に表示される画像の制御を実行する(ステップS1014)。
【0368】
次いで、サブ制御CPU800aは、サブ制御RAM800cの作業領域を対象とする8ビット加算演算であるチェックサム演算を行い、そのチェックサム演算値を、サブ制御RAM800c内に格納するメモリバックアップ処理を行う(ステップS1015)。
【0369】
次いで、サブ制御CPU800aは、VDP803からサブ制御CPU800aに対してVSYNC割込み信号が送信されてきたか否かの確認を行う(ステップS1016)。VSYNC割込み信号が送信されて来なければ(ステップS1016:NO)、サブ制御CPU800aは、VSYNC割込み信号が送信されてくるまで、ステップS1016の処理を繰り返し実行し、VSYNC割込み信号が送信されてくると(ステップS1016:YES)、再度ステップS1007の処理に戻り、ステップS1007~S1016の処理を繰り返すこととなる。
【0370】
<サブ制御:データ解析処理>
続いて、
図38を参照して、メイン処理のステップS1014のデータ解析処理にて詳述する。まず、サブ制御CPU800aは、ステップS1012にて抽選により決定した演出パターンに対応する演出シナリオデータに基づき、VDP803に液晶表示装置41に表示させる画像データを生成するためのコマンドリストを生成する(ステップS1050)。
【0371】
次いで、サブ制御CPU800aは、上記演出シナリオデータに演出ボタン装置13の押下演出が有効である旨のデータ又は設定ボタン15の連打演出が有効である旨のデータが格納されている場合、そのデータをサブ制御RAM800c内のメモリ領域に格納する。
【0372】
そしてさらに、サブ制御CPU800aは、上記演出シナリオデータに格納されているランプデータのデータ内容に基づき、光に関する制御信号を生成し、サブ制御RAM800c内に格納する処理を行う。
【0373】
また、サブ制御CPU800aは、上記演出シナリオデータに格納されている可動役物データのデータ内容に基づき、上・左・右・左上可動役物43a~43dの動作内容を決定し、その決定した動作内容に応じた可動役物装置43のモータ(図示せず)のモータデータを生成する。
【0374】
またさらに、サブ制御CPU800aは、上記演出シナリオデータに格納されている音データのデータ内容に基づき、音に関する制御信号を生成する(ステップS1051)。
【0375】
かくして、サブ制御CPU800aは、
図37に示すステップS1012にて抽選により決定した演出パターンに基づくデータを全て生成し終えるまで(ステップS1052:NO)、上記ステップS1050及びステップS1051の処理を繰り返し行い、上記データを全て生成し終えると(ステップS1052:YES)、ステップS1053の処理に進む。
【0376】
次いで、サブ制御CPU800aは、上記ステップS1051にてサブ制御RAM800c内に格納した内容及び
図37に示すステップS1013にて処理した設定ボタン15又は演出ボタン装置13の入力内容に基づき、ボタン有効時処理を行う(ステップS1053)。
【0377】
<サブ制御:コマンド受信割込み処理>
続いて、
図39を参照して、このようなメイン処理の実行中に、主制御基板60より演出制御コマンドDI_CMD及び割込み信号が送信されてきた際の処理について説明する。
【0378】
図39に示すように、サブ制御CPU800aは、上記割込み信号を受信した際、各レジスタの内容をサブ制御RAM800c内のスタック領域に退避させる退避処理を実行する(ステップS1100)。その後、サブ制御CPU800aは、演出制御コマンドDI_CMDを受信した入力ポートのレジスタを読み出し(ステップS1101)、サブ制御RAM800c内のコマンド送受信用メモリ領域のアドレス番地を示すポインタを算出する(ステップS1102)。
【0379】
そしてその後、サブ制御CPU800aは、再度、演出制御コマンドDI_CMDを受信した入力ポートのレジスタを読み出し(ステップS1103)、ステップS1101にて読み出した値とステップS1103にて読み出した値が一致しているか否かを確認する。一致していなければ(ステップS1104:NO)、ステップS1107に進み、一致していれば(ステップS1104:YES)、上記算出したポインタに対応するアドレス番地に、主制御基板60より受信した演出制御コマンドDI_CMDを格納する(ステップS1105)。なお、この格納された演出制御コマンドDI_CMDが、
図37に示すステップS1012の処理の際、サブ制御CPU800aに読み出されることとなる。
【0380】
次いで、サブ制御CPU800aは、サブ制御RAM800c内のコマンド送受信用メモリ領域のアドレス番地を示すポインタを更新し(ステップS1106)、ステップS1100の処理で退避しておいたレジスタを復帰させる(ステップS1107)。これにより、
図37に示すメイン処理に戻ることとなる。
【0381】
<サブ制御:タイマ割込み処理>
続いて、
図40を参照して、メイン処理のステップS1006(
図37参照)の処理にて設定した、1ms毎のタイマ割込みが発生した際の処理について説明する。
【0382】
図40に示すように、サブ制御CPU800aは、1ms毎のタイマ割込みが発生した際、各レジスタの内容をサブ制御RAM800c内のスタック領域に退避させる退避処理を実行する(ステップS1150)。
【0383】
次いで、サブ制御CPU800aは、設定ボタン15のデータや演出ボタン装置13のデータや可動役物装置43のモータデータ等を2度取得し(ステップS1151)、その2度取得したデータが一致しているか否かを確認する(ステップS1152)。データが一致していなければ(ステップS1152:NO)、サブ制御CPU800aは、データが一致するまでステップS1151の処理を繰り返し、一致していれば(ステップS1152:YES)、一致したデータをサブ制御RAM800c内に格納する(ステップS1153)。
【0384】
次いで、サブ制御CPU800aは、設定ボタン15又は演出ボタン装置13からの信号を受信する(ステップS1154)。この受信した信号が、
図37に示すステップS1013のボタン解析処理にて解析されることとなる。
【0385】
次いで、サブ制御CPU800aは、
図38に示すステップS1051にてサブ制御RAM800c内に記憶した光に関する制御信号を装飾ランプ基板90(
図3参照)に送信する(ステップS1155)。この際、識別ランプ装置51A(
図2参照)を点灯又は消灯させるのに必要な制御信号も送信されることとなる。
【0386】
次いで、サブ制御CPU800aは、ステップS1150の処理で退避しておいたレジスタを復帰させる(ステップS1156)。これにより、
図37に示すメイン処理に戻ることとなる。
【0387】
<サブ制御:コマンドリスト>
ここで、
図38に示すステップS1050にて生成したコマンドリストについて、
図41を用いて詳しく説明する。
【0388】
このコマンドリストは、VDP803(コマンドパーサ8035)に対する指令を列記したコマンド列であるが、その記載内容や記載順序が、動画の描画を指示する場合と、静止画の描画を指示する場合とでやや相違する。
【0389】
動画の描画をVDP803に指示する場合は、
図41(a)の初期コマンドリストと、
図41(b)の定常コマンドリストの構成となる。
【0390】
図41(a)に示すように、サブ制御CPU800aは、先ず、フレームバッファ領域が設定されているDDR2SDRAM804のメモリ領域、並びに、DDR2SDRAM804の動画データを格納するメモリ領域の設定を行うコマンドを生成する(ステップS1200)。
【0391】
次いで、動画のデコードを指示するコマンドを生成する(ステップS1201)。具体的には、どの動画圧縮データをデコードするかの指示であり、該当する動画が格納されている遊技ROM805のCGデータ記憶領域のアドレス番地やその動画のフレーム数などと共に指示する。
【0392】
次いで、終了処理用コマンドを記入して初期コマンドリストの生成を終える(ステップS1202)。
【0393】
続いて、サブ制御CPU800aは、
図41(b)に示す定常コマンドリストを生成する。
【0394】
この定常コマンドリストは、
図41(b)に示すように、動画の描画指示で構成されており、上記初期コマンドリストにおいて、デコードした動画データに関し、どのフレーム番号のデコードデータを、液晶表示装置41のどの座標位置に描画するかのコマンドを生成する(ステップS1203)。次いで、終了処理用コマンドを記入して定常コマンドリストの生成を終える(ステップS1204)。
【0395】
一方、静止画の描画をVDP803に指示する場合、
図41(c)に示すとおり、サブ制御CPU800aは、先ず、フレームバッファ領域が設定されているDDR2SDRAM804のメモリ領域の設定を行うコマンドを生成する(ステップS1210)。
【0396】
次いで、静止画のデコードを指示するコマンドを生成する(ステップS1211)。具体的には、どの静止画圧縮データをデコードするかの指示であり、該当する静止画が格納されている遊技ROM805のCGデータ記憶領域のアドレス番地やデータサイズなどと共に指示する。
【0397】
次いで、デコードされた静止画データを、液晶表示装置41のどの座標位置に、どのような態様(回転角度や縮小拡大等)で描画するかのコマンドを生成する(ステップS1212)。次いで、終了処理用コマンドを記入して静止画に関するコマンドリストの生成を終える(ステップS1213)。
【0398】
かくして、このような動画に関するコマンドリスト並びに静止画に関するコマンドリストは、VDP803(
図4参照)に送信され、適宜処理された上で、液晶表示装置41に送信される。これにより、液晶表示装置41に、上記に詳しく説明した
図4~
図8、
図11~
図12、
図15~
図17、
図20~
図23に示す画像が表示されることとなる。
【0399】
したがって、上記のような処理を経て、上記
図4~
図23を参照して説明した演出内容が実行されることとなる。
【0400】
<変形例の説明>
なお、本実施形態においては、音LSI801と、VDP803と、を別々に構成する例を示したが、ワンチップとして一体化させても良い。
【0401】
また、本実施形態においては、サブワンチップマイコン800内にサブ制御CPU800aを設ける例を示したが、それに限らず、VDP803内にサブ制御CPU800aを設けるようにしても良い。
【符号の説明】
【0402】
1 パチンコ遊技機
41 液晶表示装置(表示手段)
800a サブ制御CPU(変動演出実行手段)
803 VDP(画像処理手段)
P70 背景画像(1の画像)
P71 加工用画像