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特開2024-83942三次元レーザースキャナー測量用ターゲット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083942
(43)【公開日】2024-06-24
(54)【発明の名称】三次元レーザースキャナー測量用ターゲット
(51)【国際特許分類】
   G01C 15/06 20060101AFI20240617BHJP
【FI】
G01C15/06 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022198047
(22)【出願日】2022-12-12
(71)【出願人】
【識別番号】000166432
【氏名又は名称】戸田建設株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】514018238
【氏名又は名称】株式会社きんそく
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】市川 政美
(72)【発明者】
【氏名】小林 修
(72)【発明者】
【氏名】山崎 友誉
(72)【発明者】
【氏名】中山 卓人
(72)【発明者】
【氏名】本合 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】田中 宏典
(72)【発明者】
【氏名】中村 太三
(72)【発明者】
【氏名】山田 泰史
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 憲二
(72)【発明者】
【氏名】▲土▼本 裕之
(57)【要約】
【課題】多量の点群データを取得する三次元レーザースキャナーを用いて測量を行っても、測量対象地点のX座標、Y座標、Z座標を正確に計測できる三次元レーザースキャナー測量用ターゲットを提供すること。
【解決手段】第一平面部100と、第二平面部101と、第一平面部100と第二平面部101との交線である第一直線部102と、第三平面部110と、第四平面部111と、第三平面部110と第四平面部111との交線である第二直線部112とを備え、第一直線部102と第二直線部112、或いは、第一直線部102を延長した第一延長線103と第二直線部112を延長した第二延長線113とは交点13を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一平面部と、
第二平面部と、
前記第一平面部と前記第二平面部との交線である第一直線部と、
第三平面部と、
第四平面部と、
前記第三平面部と前記第四平面部との交線である第二直線部と、を備え、
前記第一直線部を延長した第一延長線と、前記第二直線部を延長した第二延長線とは交点を有する
ことを特徴とする三次元レーザースキャナー測量用ターゲット。
【請求項2】
第一平面部と、
第二平面部と、
前記第一平面部と前記第二平面部との交線である第一直線部と、
第三平面部と、
第四平面部と、
前記第三平面部と前記第四平面部との交線である第二直線部と、を備え、
前記第一直線部と、前記第二直線部とは交点を有する
ことを特徴とする三次元レーザースキャナー測量用ターゲット。
【請求項3】
第一平面部、第二平面部、第三平面部及び第四平面部には反射シートが設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の三次元レーザースキャナー測量用ターゲット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、トンネルを構築するシールド掘進機の位置や姿勢などの測量において、三次元レーザースキャナーによって測量するための三次元レーザースキャナー測量用ターゲットに関する。
【背景技術】
【0002】
建設工事には測量が不可欠であり、シールド工法によりトンネルを構築する際においても、所定のトンネル線形に合わせて掘削を行うために、掘削中のシールド掘進機の位置や姿勢を把握しておくことが重要で、測量が行われる。
【0003】
シールド掘進機の位置や姿勢を測量するには、シールドトンネル内にトータルステーションなどの測量装置を設置し、測量装置で後方の基準点を視準して測量装置の位置(機械位置)を把握し、シールド掘進機の所定の測点に設けたターゲットを視準して、シールド掘進機の測量を行うのが一般的である。
【0004】
特許文献1には、既知点に設置したトータルステーションを操作して、シールド掘進機に設けた機器ターゲットと共に基準点に設置した基準ターゲットを視準することで、機器ターゲットの位置を測定する人為測定工程と、シールドトンネル内壁にトータルステーションを設置する盛り替え工程と、人為測定工程で位置を測定した機器ターゲットを視準することで、盛り替えたトータルステーションの位置及び姿勢を測定する位置測定工程と、盛り替えたトータルステーションによって、機器ターゲットを自動追尾機能で視準させ、機器ターゲットの位置を自動で測定する自動測定工程とを備えるシールド測量方法が開示されている。
【0005】
上記特許文献1に記載のようなシールド掘進機測量方法においては、特に自動補正機能や水平維持機能を備えるようなトータルステーションは嵩張り、資機材の搬出入作業などの他作業の邪魔になる恐れがある。
【0006】
また、トータルステーションなどの測量装置を、シールド掘進機に設ける方法もあるが、これについても同様に作業の邪魔になる恐れがある。
特に、小口径のシールド工事では、トータルステーションのような大きな測量装置が設置できるスペースの確保が難しく、仮に設置できたとしても他作業の邪魔になるような恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2018-146386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、比較的小型であって、広範囲の対象に対して高密度の計測を行える三次元レーザースキャナーを適用することに発明者らは着目した。
三次元レーザースキャナーは、トータルステーションのように一つの点を視準するものではなく、計測範囲内の三次元空間に面的に分布する多量の点群データを取得するため、従来の一般的なターゲットを用いることができなかった。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、多量の点群データを取得する三次元レーザースキャナーを用いて測量を行うことができる三次元レーザースキャナー測量用ターゲットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願請求項1に係る発明は、第一平面部と、第二平面部と、前記第一平面部と前記第二平面部との交線である第一直線部と、第三平面部と、第四平面部と、前記第三平面部と前記第四平面部との交線である第二直線部と、を備え、前記第一直線部を延長した第一延長線と、前記第二直線部を延長した第二延長線とは交点を有することを特徴とする三次元レーザースキャナー測量用ターゲットである。
【0011】
本願請求項2に係る発明は、第一平面部と、第二平面部と、前記第一平面部と前記第二平面部との交線である第一直線部と、第三平面部と、第四平面部と、前記第三平面部と前記第四平面部との交線である第二直線部と、を備え、前記第一直線部と、前記第二直線部とは交点を有することを特徴とする三次元レーザースキャナー測量用ターゲットである。
【0012】
本願請求項3に係る発明は、第一平面部、第二平面部、第三平面部及び第四平面部には反射シートが設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の三次元レーザースキャナー測量用ターゲットである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、点群データを取得する三次元レーザースキャナーを用いて測量を行うことができる。
また、本発明によれば、三次元レーザースキャナーを用いて、第一平面部、第二平面部、第三平面部及び第四平面部の点群データを取得することにより、第一平面部と第二平面部とが交差する第一直線部あるいはこれを延長した第一延長線上に位置し、かつ、第三平面部と第四平面部とが交差する第二直線部あるいはこれを延長した第二延長線上に位置する一つの交点のX,Y,Z座標を算出することができ、測量対象物全体から取得した膨大な点群データから三次元モデルを作成する必要がなく、測量対象点である交点のX,Y,Z座標を簡単に、正確に測量できる。
【0014】
加えて、第一平面部、第二平面部、第三平面部及び第四平面部に反射シートを設けると、反射強度が高まるので、確実に点群データを取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1の実施形態に係るトンネル坑内の断面図である。
図2】本発明の第1の実施形態を示す三次元レーザースキャナー測量用ターゲットの斜視図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る第一被照射部(第二被照射部)を示し、図3(a)は平面図、図3(b)は正面図、図3(c)は側面図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係る点群データの概略図である。
図5】本発明の第2の実施形態を示す三次元レーザースキャナー測量用ターゲットの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態につき図面を参照する等して説明する。なお、本発明は、実施形態に限定されないことはいうまでもない。
【0017】
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態を、図1乃至図4を参照して詳細に説明する。
【0018】
第1の実施形態は、シールド工法におけるシールド掘進機の測量に適用したものである。
【0019】
図1は第1の実施形態に係るトンネルの断面図、図2は第1の実施形態を示す三次元レーザースキャナー測量用ターゲットの斜視図、図3は第1の実施形態に係る第一被照射部(第二被照射部)を示す図、図4は第1の実施形態に係る点群データの概略図である。
【0020】
図1に示すように、三次元レーザースキャナー測量用ターゲット1は、三次元レーザースキャナー2で視準することにより、シールド掘進機3の位置及び姿勢を測量するのに用いられる。
本実施形態では、三次元レーザースキャナー2はシールド坑内Aに設置され、三次元レーザースキャナー測量用ターゲット1はシールド掘進機3に取り付けられる。
【0021】
三次元レーザースキャナー2の方位角を含む設置位置は、例えば、シールド坑内の既知点に設置したトータルステーション等の測量機器Bを用いて、基準点C及び三次元レーザースキャナー2を視準することなど適宜方法により取得しておく。
【0022】
三次元レーザースキャナー2は、回転軸を中心として回転可能な三次元レーザースキャナー(例えば、商品名:Velodyne Lidar社VLP-32C)であり、発光部から上下方向の所定角度θ(図1)(同商品では40°)にわたって複数のレーザー(同商品では32ラインで32断面)を照射しながら360度回転することができる。
【0023】
三次元レーザースキャナー2は、シールド坑内Aに回転軸を鉛直方向にして設置され360°の水平回転をしながら、上下方向の所定角度θにレーザーを照射して、反射光を受光部で受光して、照射時から受光時までの時間を測定することにより、発光部から多数の反射点までの距離を求め、その点群データ(例えばX,Y,Z座表)を取得する。
取得される点群データのうちでフィルタリング処理などがされて、三次元レーザースキャナー測量用ターゲット1からの反射光における点群データが測量に用いられる。
【0024】
図2に示すように、三次元レーザースキャナー測量用ターゲット1は、レーザーが照射され点群が検出される第一被照射部10及び第二被照射部11を備える。
【0025】
図3に示すように、第一被照射部10は、断面L字状で長さ200mm~350mm程度のアングル材であり、その外角側の面である第一平面部100及び第二平面部101と、第一平面部100と第二平面部101との出隅状の交線である第一直線部102とを備える。
第一平面部100と第二平面部101とは直角に交差しており、第一平面部100及び第二平面部101には反射シートが接着等により設けられる。
【0026】
第二被照射部11は、断面L字状で長さ200mm~350mm程度のアングル材であり、その外角側の面である第三平面部110及び第四平面部111と、第三平面部110と第四平面部111との出隅状の交線である第二直線部112とを備える。
第三平面部110と第四平面部111とは直角に交差しており、第三平面部110及び第四平面部111には反射シートが接着等により設けられる。
【0027】
第一被照射部10及び第二被照射部11の長さは、測定距離も考慮し、三次元レーザースキャナー2の少なくとも2ラインのレーザーが照射される程度の長さに設定する。
第一被照射部10及び第二被照射部11の幅は、測定距離も考慮し、三次元レーザースキャナー2の1ラインのレーザーにより断面L字状の点群データが取得できる程度の幅に設定する。
【0028】
なお、第一被照射部10及び第二被照射部11は、一枚の板を折り曲げてアングル状に形成しても、2枚の板を溶接等により接合してアングル状にしてもよい。
また、第一平面部100と第二平面部101、第三平面部110と第四平面部111は、直角に交差していなくても良い。
【0029】
第一被照射部10と第二被照射部11とは、第一直線部102を延長した第一延長線103と、第二直線部112を延長した第二延長線113とが交点13を有するように、相対的な角度αの非平行状態で、図示しない固定部材により固定されている。
【0030】
反射シートは、鏡面状になっているものが望ましいが、これに限られず、他の部分より照射されるレーザーの反射率が高いものであれば良い。
【0031】
三次元レーザースキャナー測量用ターゲット1は、第一平面部100、第二平面部101、第三平面部110及び第四平面部111をシールド掘進機3から後方の三次元レーザースキャナー測量用ターゲット1に向けて設置される。
【0032】
三次元レーザースキャナー測量用ターゲット1は、交点13がシールド掘進機3の内部における所定の測点であるシールド測点に合致するように設置される。
シールド測点は、その点のシールド掘進機3における位置が把握できる点である。異なる2点のシールド測点の絶対座標が把握できれば、シールド掘進機3の位置や姿勢を測量することができる。
【0033】
本実施形態では、シールド測点が2か所設けられて、それぞれに三次元レーザースキャナー測量用ターゲット1が設けられる。
【0034】
三次元レーザースキャナー2による測量は次のように行う。
測量には図示しない演算処理部、制御部、表示部を備えたコンピュータシステムが用いられる。
設置位置が取得された三次元レーザースキャナー2により、所定角度θの範囲で360°の水平回転をさせてレーザーパルスを照射して点群データを取得する。
【0035】
点群データのうち、フィルタリング処理などによって、三次元レーザースキャナー測量用ターゲット1の第一被照射部10及び第二被照射部11からの反射光による点群データを取得する。
第一平面部100、第二平面部101、第三平面部110及び第四平面部111には反射シートが貼られているので、他の部分より反射率が高く受光もされやすく識別も行いやすい。フィルタリングの一例としては、点群データから反射強度の強い(例えば所定の反射強度以上)ものを反射シートによる点群データ、すなわち、第一平面部100、第二平面部101、第三平面部110及び第四平面部111の点群データとしてフィルタリングする。反射強度によるフィルタリングをしない場合(反射シートを設けない場合)には、三次元レーザースキャナー測量用ターゲット1の形状を点群データから判別する必要があるが、このフィルタリングによりターゲットの形状の誤検知の防止や解析処理の高速化をすることができる。
【0036】
図4は、取得された第一被照射部10及び第二被照射部11に係る点群データのイメージを示したものである。
三次元レーザースキャナー2のレーザー照射により第一被照射部10及び第二被照射部11には、水平方向に少なくとも2ライン(断面)の点群データ10L1、10L2、11L1、11L2がそれぞれ取得される。
【0037】
2ラインの点群データのうち第一被照射部10の上側の点群データ10L1と第二被照射部11の上側の点群データ11L1は、同じライン(断面)のものである。第一被照射部10の下側の点群データ10L2と第二被照射部11の下側の点群データ11L2は、同じライン(断面)のものである。
【0038】
点群データ10L1のうち、第一平面部100の点群データ100L1と第二平面部101の点群データ101L1とは略V字状に形成される。点群データ10L2のうち、第一平面部100の点群データ100L2と第二平面部101の点群データ101L2とは略V字状に形成される。
【0039】
点群データ11L1のうち、第三平面部110の点群データ110L1と第四平面部111の点群データ111L1とは略V字状に形成される。点群データ11L2のうち、第三平面部110の点群データ110L2と第四平面部111の点群データ111L2とは略V字状に形成される。
【0040】
これらの略V字状を形成する各ラインからV字の頂点データ(10L1a、10L2a、11L1a、11L2a)の座標を算出する。
具体的には以下の方法で行う。
【0041】
点群データ10L1からV字の頂点データ10L1aの算出については、点群データ100L1により近似直線と、点群データ101L1により近似直線とを求めて、これらの近似直線の交点を算出する。この交点をV字の頂点データ10L1aとする。なお、第一平面部100と第二平面部101とは直交するので、両者に係る近似直線も直交することを考慮する補正などを行い、交点を算出するようにしても良い。
同様に、他のV字の頂点データ10L2a、11L1a、11L2aの3点について算出する。
【0042】
第一被照射部10のV字の頂点データ10L1aとV字の頂点データ10L2aとを通る直線と、第二被照射部11のV字の頂点データ11L1aとV字の頂点データ11L2aとを通る直線とを求めて、これらの直線の交点データ13aを算出する。すなわち、V字の頂点データ10L1aとV字の頂点データ10L2aとを通る直線を第一直線部データ102aと第一延長線データ103aとし、V字の頂点データ11L1aとV字の頂点データ11L2aとを通る直線を第二直線部データ112aと第二延長線データ113aとして交点データ13aを算出する。
【0043】
この算出した交点データ13aを、シールド測点である交点13としてシールド測点の位置を求めることができる。
なお、第一被照射部10と第二被照射部11との角度αが既知であれば、これも考慮する補正などを行い、交点データ13aを算出するようにしても良い。
【0044】
このように、第一被照射部10のV字の頂点データ10L1aとV字の頂点データ10L2aとを通る直線と、第二被照射部11のV字の頂点データ11L1aとV字の頂点データ11L2aとを通る直線とを求めて、これらの直線の交点データ13aを算出するので、交点データ13aの三次元座標を求めることができる。
また、仮に、三次元レーザースキャナー2が水平に設置されてなく、すなわち、360°の回転するラインが水平でなくても、第一被照射部10と第二被照射部11とに交差すれば、交点データ13aの三次元座標を求めることができる。さらに、三次元レーザースキャナー測量用ターゲット1が鉛直に設置されていなくても同様に交点データ13aの三次元座標を求めることができる。
【0045】
他方の三次元レーザースキャナー測量用ターゲット1についても同様にして、他方のシールド測点の位置を求めることができる。
これら2点のシールド測点の位置を求めることで、三次元レーザースキャナー2によりシールド掘進機3の測量をすることができる。
【0046】
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態を図5に基づいて説明する。なお、第1の実施形態と同様の部分については説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
【0047】
第2の実施形態では、第一被照射部10の第一直線部102と第二被照射部11の第二直線部112とが延長して交点を備えるものではなく、第一直線部102と第二直線部112とが直接交わり交点13を備える点が異なっている。
【0048】
本実施形態では、交点13をシールド測点に一致するように設置することはできないので、交点13とシールド測点との位置関係を把握しておく必要がある。
【0049】
〔その他の変形例〕
本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。例えば以下のようなものも含まれる。
【0050】
本実施形態では、シールド掘進機に三次元レーザースキャナー測量用ターゲットを取り付け、シールド坑内に三次元レーザースキャナーを設置しているが、シールド坑内に三次元レーザースキャナー測量用ターゲットを取り付け、シールド掘進機に三次元レーザースキャナーを設置してもよい。この場合には、シールド坑内の例えば複数の既知点に交点13を合わせるようにして、三次元レーザースキャナー測量用ターゲットを設けて、シールド掘進機に対して相対位置が把握できるように三次元レーザースキャナーを設置する。
【0051】
本実施形態では、第一被照射部及び第二被照射部の外角側の面を第一平面部、第二平面部、第三平面部及び第四平面部とし、出隅状の直線部を観測用の第一直線部及び第二直線部としてあるが、内角側の面を第一平面部、第二平面部、第三平面部及び第四平面部とし、入隅状の直線部を第一直線部及び第二直線部としても良い。
【0052】
本実施形態では、三次元レーザースキャナー測量用ターゲットをシールド掘進機の2カ所のシールド測点にそれぞれ取り付けてあるが、3か所以上のシールド測点にそれぞれ取り付けるようにして精度を上げるようにしても良い。
【0053】
本実施形態では、三次元レーザースキャナー測量用ターゲット1の交点13をシールド掘進機3のシールド測点に合致するように設置したがこれに限られない。シールド測点と交点との位置関係が把握できれば交点を逃がして設けるようにしても良い。
【0054】
本実施形態では、シールド掘進機の位置及び姿勢の測量に適用しているが、他のトンネル掘進機、或いは、トンネル掘進機以外の構造物等を測量するのに用いることもできる。
【0055】
本実施形態では、第一平面部、第二平面部、第三平面部及び第四平面部に反射シートを設けているが、第一被照射部及び第二被照射部を反射率の高い素材で形成することも可能である。
また、反射シートを設けないようにしても良い。この場合には、反射強度による点群データのフィルタリングを行わず、点群データから三次元レーザースキャナー測量用ターゲットの形状を判別して測量を行う。
【0056】
本実施形態では、第一平面部と第二平面部、第三平面部と第四平面部は90度の角度をもって交差しているが、各面における点群データにより、直線部を算出可能な角度であれば、90度に限定されない。
【0057】
本実施形態では、三次元レーザースキャナー測量用ターゲットの交点13を任意の測点に設けたが、例えば、通常では測定することが難しい測点に交点を一致させるように設けるようにすることができる。例えば、ターゲットを作業の支障になりづらい上部に設置し、下方に向けてシールド掘進機やトンネルの中心線上に交点13を設けるようにすることができる。このようにすれば、シールド測量において管理上必要不可欠なシールド掘進機やトンネルの中心線を測量できることになり、演算などでも無駄のない直接的な測量が可能となる。
【0058】
変形例を含むいずれの実施形態における各技術的事項を他の実施形態に適用して実施例としても良い。
【符号の説明】
【0059】
1 三次元レーザースキャナー測量用ターゲット
10 第一被照射部
100 第一平面部
101 第二平面部
102 第一直線部
103 第一延長線
10L1 第一被照射部上側点群データ
10L2 第一被照射部下側点群データ
10L1a V字の頂点データ
10L2a V字の頂点データ
102a 第一直線部データ
103a 第一延長線データ
11 第二被照射部
110 第三平面部
111 第四平面部
112 第二直線部
113 第二延長線
11L1 第二被照射部上側点群データ
11L2 第二被照射部下側点群データ
11L1a V字の頂点データ
11L2a V字の頂点データ
112a 第二直線部データ
113a 第二延長線データ
13 交点
13a 交点データ
2 三次元レーザースキャナー
3 シールド掘進機
A シールド坑内
B 測量機器
C 基準点
図1
図2
図3
図4
図5