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特開2024-83943内視鏡リプロセス支援システム、内視鏡リプロセス支援方法、および内視鏡リプロセス支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083943
(43)【公開日】2024-06-24
(54)【発明の名称】内視鏡リプロセス支援システム、内視鏡リプロセス支援方法、および内視鏡リプロセス支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/12 20060101AFI20240617BHJP
【FI】
A61B1/12 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022198048
(22)【出願日】2022-12-12
(71)【出願人】
【識別番号】304050923
【氏名又は名称】オリンパスメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100109047
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 雄祐
(74)【代理人】
【識別番号】100109081
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 友由
(72)【発明者】
【氏名】田原 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】松下 健一郎
(72)【発明者】
【氏名】大越 泰
(72)【発明者】
【氏名】工藤 亮太
(72)【発明者】
【氏名】町屋 守
(72)【発明者】
【氏名】山添 地恵
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161GG04
4C161GG10
4C161JJ08
4C161JJ11
4C161JJ18
4C161WW04
(57)【要約】
【課題】リプロセス作業者の負担を軽減する技術を提供する。
【解決手段】内視鏡リプロセス支援システムは、撮影部と、撮影部が内視鏡を撮影した画像と、内視鏡のマニュアル洗浄による洗浄箇所に関する洗浄箇所情報とに基づいて、内視鏡のうちの洗浄箇所を示す情報を所定の表示部に表示させる表示制御部66と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影部と、
前記撮影部が内視鏡を撮影した画像と、前記内視鏡のマニュアル洗浄による洗浄箇所に関する洗浄箇所情報とに基づいて、前記内視鏡のうちの前記洗浄箇所を示す情報を所定の表示部に表示させる表示制御部と、
を備える内視鏡リプロセス支援システム。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記撮影部が前記内視鏡を撮影した前記画像を表示させるとともに、当該画像に重ねて前記洗浄箇所を示す情報を表示させる請求項1に記載の内視鏡リプロセス支援システム。
【請求項3】
前記表示部は、透過型表示部であり、
前記撮影部は、前記表示部を透過して目視される前記内視鏡の洗浄箇所を示す情報を前記表示部に表示させる請求項1に記載の内視鏡リプロセス支援システム。
【請求項4】
前記洗浄箇所情報は、前記洗浄箇所の3次元モデルであり、
前記撮影部が前記内視鏡を撮影した前記画像と、前記洗浄箇所の3次元モデルとのパターンマッチングにより、前記撮影部が前記内視鏡を撮影した前記画像における前記洗浄箇所を特定する請求項1に記載の内視鏡リプロセス支援システム。
【請求項5】
前記内視鏡の洗浄箇所にあらかじめ付加された特徴点を用いて、前記撮影部が前記内視鏡を撮影した前記画像から洗浄箇所を特定する請求項1に記載の内視鏡リプロセス支援システム。
【請求項6】
前表示制御部は、前記内視鏡を合致させるべきガイドを表示させ、
前記ガイドに前記内視鏡が合致したら、前記洗浄箇所情報に基づく前記洗浄箇所の特定を実施する洗浄箇所特定部を備える請求項1に記載の内視鏡リプロセス支援システム。
【請求項7】
前記洗浄箇所は、ブラッシングを要する箇所である請求項1に記載の内視鏡リプロセス支援システム。
【請求項8】
前記撮影部は、十二指腸内視鏡の先端部を撮影し、
前記表示制御部は、前記十二指腸内視鏡の先端部のうちの前記洗浄箇所を示す情報を表示させる請求項7に記載の内視鏡リプロセス支援システム。
【請求項9】
前記表示制御部は、前記洗浄箇所に対する洗浄の進み具合に応じて前記洗浄箇所を示す情報の表示態様を変化させる請求項1に記載の内視鏡リプロセス支援システム。
【請求項10】
前記表示制御部は、前記撮影部が前記内視鏡を撮影した画像における前記洗浄箇所を洗浄するための洗浄器具を、透過表示させる請求項2に記載の内視鏡リプロセス支援システム。
【請求項11】
前記表示制御部は、前記内視鏡が前記内視鏡に対するリプロセス作業を撮影した映像と、リプロセスの一連の工程を示す情報とに基づいて特定された現在の工程の作業手順を表示させる請求項1に記載の内視鏡リプロセス支援システム。
【請求項12】
前記表示制御部は、前記内視鏡が前記内視鏡のリプロセスに使用する薬剤の容器に付された薬剤の種別情報を撮影した映像に基づいて特定された薬剤の使用条件を表示させる請求項1に記載の内視鏡リプロセス支援システム。
【請求項13】
前記表示制御部は、前記撮影部が前記内視鏡を撮影した画像から検出される前記内視鏡の傷を強調する情報を表示させる請求項2または3に記載の内視鏡リプロセス支援システム。
【請求項14】
前記表示制御部は、前記撮影部が水に浸された前記内視鏡を撮影した画像から検出される気泡を強調する情報を表示させる請求項2または3に記載の内視鏡リプロセス支援システム。
【請求項15】
リプロセスを実施中の複数の内視鏡のそれぞれについて、内視鏡を識別する識別情報と、実施中のリプロセスの工程と、を関連づけて記憶する内視鏡情報記憶部をさらに備え、
前記表示制御部は、前記複数の内視鏡のうち、前記撮影部が撮影している内視鏡についての作業手順であって、内視鏡情報記憶部を参照して特定される工程についての作業手順を表示させる請求項1に記載の内視鏡リプロセス支援システム。
【請求項16】
リプロセス作業を行うユーザに関するユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶部をさらに備え、
前記表示制御部は、前記ユーザ情報に応じたマニュアル情報を表示させて前記ユーザに提供する請求項1に記載の内視鏡リプロセス支援システム。
【請求項17】
内視鏡を撮影することと、
前記内視鏡を撮影した画像と、前記内視鏡のマニュアル洗浄による洗浄箇所に関する洗浄箇所情報とに基づいて、前記内視鏡のうちの前記洗浄箇所を示す情報を所定の表示部に表示させることと、
を備える内視鏡リプロセス支援方法。
【請求項18】
内視鏡を撮影した画像と、前記内視鏡のマニュアル洗浄による洗浄箇所に関する洗浄箇所情報とに基づいて、前記内視鏡のうちの前記洗浄箇所を示す情報を所定の表示部に表示させる処理をコンピュータに実行させる内視鏡リプロセス支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡のリプロセスを支援する内視鏡リプロセス支援システム、内視鏡リプロセス支援方法、および内視鏡リプロセス支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、内視鏡をリプロセスにおける洗浄、消毒の手順を、タブレット端末などの装置の表示部に工程ごとに表示するシステムを開示する。このシステムによれば、洗浄者が作業手順を容易に確認できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開WO2019/087599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1によれば、内視鏡のリプロセスの工程ごとに、内視鏡のマニュアル洗浄(手洗浄)の手順を静止画/動画で示したコンテンツが表示されるが、それでもマニュアル洗浄すべき洗浄箇所の把握は容易ではなく、したがってマニュアル洗浄はリプロセス作業者の負担が大きい。
【0005】
本発明はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、リプロセス作業者の負担を軽減する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の内視鏡リプロセス支援システムは、撮影部と、撮影部が内視鏡を撮影した画像と、内視鏡のマニュアル洗浄による洗浄箇所に関する洗浄箇所情報とに基づいて、内視鏡のうちの洗浄箇所を示す情報を所定の表示部に表示させる表示制御部と、を備える。
【0007】
本発明の別の態様は、内視鏡リプロセス支援方法である。この方法は、内視鏡を撮影することと、内視鏡を撮影した画像と、内視鏡のマニュアル洗浄による洗浄箇所に関する洗浄箇所情報とに基づいて、内視鏡のうちの洗浄箇所を示す情報を所定の表示部に表示させることと、を備える。
【0008】
本発明のさらに別の態様は、内視鏡リプロセス支援プログラムである。このプログラムは、内視鏡を撮影した画像と、前記内視鏡のマニュアル洗浄による洗浄箇所に関する洗浄箇所情報とに基づいて、前記内視鏡のうちの前記洗浄箇所を示す情報を所定の表示部に表示させる処理をコンピュータに実行させる。
【0009】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、リプロセス作業者の負担を軽減する技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態に係る医療業務支援システムの構成を示す図である。
図2図1の内視鏡業務支援装置が業務支援する内視鏡のリプロセスの一連の工程を示すフロー図である。
図3図2のマニュアル洗浄工程に含まれる一連の工程を示す図である。
図4図1の医療業務支援装置の機能および構成を示すブロック図である。
図5図1の表示部を通してユーザの視界に入る景色を示す図である。
図6図1の表示部を通してユーザの視界に入る景色を示す図である。
図7図1の情報処理装置が、内視鏡画像が表示されているモニタを撮影して内視鏡業務支援装置に送信した様子を示す図である。
図8】変形例に係る内視鏡の先端部を示す図である。
図9図1の表示装置を通してユーザの視界に入る景色を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、実施の形態に係る内視鏡業務支援システム(内視鏡リプロセス支援システム)1の構成を示す図である。内視鏡業務支援システム1は、内視鏡業務を支援するためのシステムである。
【0013】
内視鏡業務支援システム1は、内視鏡4、内視鏡処理装置5、シンク6、洗浄消毒装置7、内視鏡業務支援装置10、情報処理装置12、撮影部14、表示装置16、を備える。内視鏡処理装置5、洗浄消毒装置7、内視鏡業務支援装置10はLANなどのネットワーク2によって相互接続される。
【0014】
図1に示す例では、検査室に内視鏡処理装置5が配置され、洗浄消毒室にシンク6および洗浄消毒装置7が配置される。
【0015】
内視鏡処理装置5には内視鏡4が接続される。内視鏡4は、検査において患者の体内に挿入され体内を撮影する。内視鏡処理装置5は、内視鏡4により撮影された画像を取得し、撮影画像を例えば画像サーバに送信する。検査終了後、内視鏡4には「リプロセス」を施す必要がある。リプロセスは、検査で使用された内視鏡をもう一度使用できる状態すなわち清潔な状態に戻すための一連の作業をいう。詳しくは後述するが、リプロセスの一連の作業には、例えば、内視鏡の洗浄および消毒が含まれる。
【0016】
内視鏡業務支援装置10は、内視鏡業務支援システム1全体を統括的に制御する。内視鏡業務支援装置10は例えばサーバで構成される。内視鏡業務支援装置10は、情報処理装置12からの操作にしたがい、内視鏡業務に関連する各種のアプリケーションプログラムを実行し、情報処理装置12のユーザが行う業務を支援する。
【0017】
内視鏡業務支援装置10は、内視鏡のリプロセスの実施を支援する「リプロセス支援機能」と、内視鏡の使用前の準備を支援する「使用前準備支援機能」と、内視鏡業務に関するトラブルや不明点の解決を支援する「トラブルシューティング支援機能」と、内視鏡業務に関する電子の取扱説明書の提供を支援する「取扱説明提供機能」と、内視鏡業務に関する学習用のコンテンツの提供を支援する「学習用コンテンツ提供機能」と、を実現する。
【0018】
情報処理装置12および表示装置16は、内視鏡業務支援装置10による業務支援を受けるための装置である。情報処理装置12は、技師、看護師、医師などの医療従事者(以下、ユーザともいう)が使用する携帯可能な端末装置であり、例えばスマートフォンやタブレット端末である。情報処理装置12はアクセスポイント3を介してネットワーク2に接続できる。情報処理装置12は、特に限定されないが、図示しない撮影部を備えてもよい。図1では、情報処理装置12は洗浄消毒室に持ち込まれている。なお、変形例として、情報処理装置12は、プロセッサやPCなどの据え置きの装置であってもよい。この場合、情報処理装置12は、さらに検査室にも配置されてもよい。
【0019】
撮影部14および表示装置16は、内視鏡のリプロセスを実施する際に使用される。図1では、撮影部14および表示装置16は、洗浄消毒室に持ち込まれている。撮影部14は現実空間の風景を撮影する。撮影部14は特に、内視鏡4を含む現実空間の風景を撮影する。言い換えると、撮影部14は、内視鏡4に対してリプロセスを施している現実空間の風景を撮影する。撮影部14は、例えばRGBカメラである。撮影部14は、表示装置16に固定されている。なお変形例として、撮影部14は、洗浄消毒室の壁や天井、シンク6、その他に固定されていてもよい。
【0020】
本実施の形態の表示装置16は、装着型の表示装置である。ユーザが表示装置16を装着した状態において、撮影部14はユーザの顔が向いている方を撮影するように表示装置16に固定されている。表示装置16は、図1に示す例では眼鏡型であるが、ヘルメット型などの他の構造が採用されてもよい。表示装置16は、情報処理装置12と、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信で接続されてもよいし、有線接続されてもよいし、ネットワーク2を介して接続されてもよい。表示装置16は、情報処理装置12を介して内視鏡業務支援装置10から提供されるリプロセスの実施を支援する様々な情報を、拡張現実(AR:Augmented Reality)技術を利用して表示部16aに表示する。
【0021】
表示装置16は、光学透過型(Optical See-Through)ディスプレイとして構成されてもよい。この場合、表示装置16は、ハーフミラーなどの透過型の表示部16aに図やテキスト等の画像を表示することで、表示部16aを透過して視界に入る(目視される)現実空間の風景(例えば内視鏡4を含む風景)に画像を重畳表示する。
【0022】
表示装置16は、ビデオ透過型(Video See-Through)ディスプレイとして構成されてもよい。この場合、表示装置16は、非透過型の表示部16aに、撮影部14により撮影された現実空間の撮影画像(例えば内視鏡4を含む風景を撮影した撮影画像)を表示しつつ、当該現実空間の撮像画像に図やテキスト等の画像を重畳表示する。
【0023】
表示装置16は、プロジェクション型の表示装置として構成されてもよい。この場合、表示部16aは、ユーザの網膜に直接的に画像を投影するLED光源等として実現される。
【0024】
図2は、図1の内視鏡業務支援装置10が業務支援する内視鏡のリプロセスの一連の工程(大工程)を示すフロー図である。リプロセスを行うユーザ(以下、リプロセス作業者という)は、情報処理装置12を携帯あるいは側に置き、表示装置16を装着し、撮影部14によりリプロセス対象の内視鏡4を撮影し、表示装置16の表示部16aに表示される種々の情報であって内視鏡業務支援装置10から提供されるリプロセスの実施を支援する様々な情報を見ながら、図2の各工程の作業を実施する。
【0025】
プレ洗浄(ベッドサイド洗浄)工程S10では、検査室のベッドサイドで内視鏡4を洗浄する。例えば、リプロセス作業者は、プレ洗浄として、内視鏡4の外表面の拭き取りと、吸引・鉗子チャンネルの吸引洗浄を行う。リプロセス作業者は、プレ洗浄した内視鏡4を専用容器に入れて、周囲に触れないように洗浄消毒室に運びこむ。
【0026】
漏水テスト工程S12では、内視鏡4に穴があいているか否かを確認する。リプロセス作業者は、シンク6に溜めた水に内視鏡4を沈めて水漏れ箇所(例えば連続して気泡が発生している箇所)があるか否かを確認する。水漏れしている箇所がある場合にはその箇所に穴があいているため、リプロセスを中止して修理を手配する。
【0027】
マニュアル洗浄工程S14では、シンク6で内視鏡4をマニュアル洗浄する。例えば、リプロセス作業者は、マニュアル洗浄として、送気・送水ボタン、吸引ボタン、鉗子栓などを取り外し、流水で内視鏡4の外表面を洗浄した後、専用の洗浄器具(例えばチャンネル洗浄ブラシ)を用いて、吸引・鉗子チャンネルを洗浄する。また取り外した送気・送水ボタン、吸引ボタン、鉗子栓を洗浄器具を用いて洗浄する。
【0028】
マニュアル消毒工程S16では、シンク6で内視鏡4をマニュアル消毒する。例えば、リプロセス作業者は、マニュアル消毒として、シンク6に溜めた消毒液に内視鏡4の全体を浸し、さらに各管路に消毒液を送り込む。
【0029】
すすぎ工程S18では、流水で、またはシンク6に溜めた水の中で、内視鏡4の全体をすすぐ。
【0030】
自動洗浄消毒工程S20は、マニュアル消毒工程S16およびすすぎ工程S18に代えて実施されうる。自動洗浄消毒工程S20では、洗浄消毒装置7に内視鏡4をセットし、内視鏡4を機械洗浄および消毒する。
【0031】
滅菌工程S22は、自動洗浄消毒工程S20と同様に、マニュアル消毒工程S16およびすすぎ工程S18に代えて実施されうる。滅菌工程S22では、所定のガスや高圧蒸気により、内視鏡4を滅菌する。
【0032】
以上がリプロセスの一連の工程である。リプロセスが施された内視鏡4は、保管庫で保管される。
【0033】
なお、図2の一連の工程は一例であり、例えば内視鏡の機種ごとで異なりうる。例えば、洗浄消毒装置7で洗浄消毒できない内視鏡機種のリプロセスの一連の工程には、洗浄消毒装置7による自動洗浄消毒工程S20は含まれない。
【0034】
図3は、図2のマニュアル洗浄工程S14に含まれる一連の工程(小工程)を示す図である。マニュアル洗浄工程S14は、複数の小工程を含む。図2の他の大工程も同様に、複数の小工程を含みうる。内視鏡の各機種は独自の構造を有するため、マニュアル洗浄工程S14に含まれる一連の小工程は内視鏡の機種ごとで異なりうる。また、各小工程における作業手順は、内視鏡の機種ごとで異なりうる。
【0035】
図4は、図1の内視鏡業務支援装置10の機能および構成を示すブロック図である。ここに示す各ブロックは、ハードウエア的には、コンピュータのCPU(central processing unit)をはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウエア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウエア、ソフトウエアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、本明細書に触れた当業者には理解されるところである。
【0036】
内視鏡業務支援装置10は、通信部20、データ処理部22および記憶部24と、を含む。通信部20は、種々の通信プロトコルにしたがって情報処理装置12との通信処理を実行する。データ処理部22は、通信部20によって取得されたデータや記憶部24に記憶されたデータをもとにして各種のデータ処理を実行する。記憶部24は、あらかじめ用意された各種のデータや、通信部20やデータ処理部22から受け取ったデータを記憶する。
【0037】
データ処理部22は、ユーザ認証部30、内視鏡情報取得部32、工程特定部34、進行状況特定部36、作業手順特定部38、洗浄器具特定部40、洗浄箇所特定部42、使用条件特定部43、回数カウント部44、時間カウント部46、作業判定部48、保存部50、分析部52、外観検査部53、組み合わせ判定部54、第1検索部56、第2検索部58、取扱説明提供部60、評価部62、アクセス解析部64および表示制御部66を含む。
【0038】
記憶部24は、ユーザ情報記憶部70、内視鏡情報記憶部72、洗浄箇所情報記憶部74、工程情報記憶部76、洗浄器具情報記憶部78、手順記憶部80、作業履歴記憶部82、処置具情報記憶部84、を含む。
【0039】
データ処理部22および記憶部24の構成要素は、本実施の形態において注目する構成要素のみを示している。
【0040】
<リプロセス支援機能>
リプロセス支援機能は、主に、ユーザ情報記憶部70、内視鏡情報記憶部72、洗浄箇所情報記憶部74、工程情報記憶部76、洗浄器具情報記憶部78、手順記憶部80、作業履歴記憶部82、ユーザ認証部30、内視鏡情報取得部32、工程特定部34、進行状況特定部36、作業手順特定部38、洗浄器具特定部40、洗浄箇所特定部42、回数カウント部44、時間カウント部46、作業判定部48、保存部50、分析部52、外観検査部53および表示制御部66によって実現される。
【0041】
ユーザ情報記憶部70は、ユーザに関する各種情報を記憶する。例えばユーザ情報記憶部70は、ユーザIDと、パスワードと、ユーザの職種(例えば、技師、看護師、医師、代理店など)と、を関連づけて記憶する。
【0042】
内視鏡情報記憶部72は、リプロセス対象の内視鏡に関する情報を記憶する。詳しくは内視鏡情報記憶部72は、内視鏡を一意に識別するための内視鏡識別情報と、リプロセスにおける現在の工程と、洗浄回数と、消毒時間と、を関連づけて記憶する。内視鏡識別情報は、例えば、型番およびシリアル番号を含む。
【0043】
洗浄箇所情報記憶部74は、内視鏡の機種ごとに、マニュアル洗浄工程S14において洗浄器具によりマニュアル洗浄すべき洗浄箇所に関する情報である洗浄箇所情報を記憶する。洗浄箇所情報は、ここでは洗浄箇所の3Dモデルである。
【0044】
工程情報記憶部76は、内視鏡の機種ごとに、リプロセスの一連の大工程を示す情報(すなわち図2に示す情報)および一連の大工程のそれぞれに含まれる一連の小工程を示す情報(すなわち図3に示す情報)を記憶する。
【0045】
洗浄器具情報記憶部78は、内視鏡の機種ごとに、マニュアル洗浄に使用する洗浄器具(例えばブラシ)に関する情報である洗浄器具情報を記憶している。洗浄器具情報は、例えば、洗浄器具の種別情報と、その洗浄器具の写真やイラストなどの画像と、を含む。
【0046】
手順記憶部80は、内視鏡の機種ごとに、各工程(小工程)における内視鏡のリプロセスの作業手順を記憶する。
【0047】
作業履歴記憶部82は、リプロセス作業者ごとの所定の作業履歴を記憶する。詳しくは、作業履歴記憶部82は、リプロセス作業者のユーザIDと、リプロセス対象の内視鏡4の内視鏡識別情報(例えば型番およびシリアル番号)と、作業履歴を保存する工程を示す情報(例えば工程の名前)と、撮影部14がその工程における作業の様子を撮影した映像と、を関連づけて記憶する。
【0048】
ユーザ認証部30は、情報処理装置12からユーザ認証の要求を受け付け、所定のユーザ認証処理を実行する。例えばユーザ認証部30は、ユーザIDおよびパスワードの入力フィールドを含むログイン画面を情報処理装置12に提供し、ユーザがログイン画面に入力したユーザIDおよびパスワードを情報処理装置12から取得し、ユーザが入力したユーザID・パスワードと、ユーザ情報記憶部70に記憶されるユーザID・パスワードを照合し、これらが整合する場合にユーザ認証に成功したと判定してもよい。
【0049】
なお、ユーザ認証処理は情報処理装置12で実行され、ユーザ認証部30は情報処理装置12から認証結果のみを受け付けてもよい。この場合、情報処理装置12は、パスワードによるユーザ認証に限らず、顔認証や指紋認証などの生体認証によるユーザ認証を実行してもよい。
【0050】
内視鏡情報取得部32は、内視鏡4から内視鏡識別情報を取得する。内視鏡情報取得部32は、撮影部14が内視鏡4の銘板を撮影した映像から、内視鏡識別情報または内視鏡識別情報をQRコード(登録商標)などの二次元コード化したものを読み取ることにより、内視鏡識別情報を取得してもよい。また、内視鏡4に無線タグ(たとえばICタグ)が内蔵され、無線タグに内視鏡識別情報が記憶されていてもよい。この場合、内視鏡情報取得部32は、無線タグリーダが無線タグから読み取った内視鏡識別情報を取得してもよい。また、ユーザが内視鏡識別情報を発話し、情報処理装置12のマイクで受信した発話音声が内視鏡業務支援装置10に入力されてもよい。この場合、内視鏡情報取得部32は、発話音声を解析して内視鏡識別情報を取得してもよい。内視鏡情報取得部32は、取得した内視鏡識別情報を内視鏡情報記憶部72に記憶させる。
【0051】
工程特定部34は、リプロセスの開始時に、内視鏡に対して実施されるリプロセスの工程を特定する。工程特定部34は、内視鏡識別情報から内視鏡機種を特定する。工程特定部34は、特定した内視鏡機種に応じたリプロセスの工程を、工程情報記憶部76に記録された複数の工程情報の中から特定する。
【0052】
表示制御部66は、図2のリプロセスの一連の大工程を、所定のタイミングで表示装置16に表示させてもよい。たとえば表示制御部66は、リプロセスの開始時に表示させてもよい。これにより、リプロセス作業者はリプロセスの流れを把握できる。
【0053】
表示制御部66は、図3に示すような大工程に含まれる一連の小工程を、所定のタイミングで表示装置16に表示させてもよい。たとえば表示制御部66は、大工程の開始時に、その大工程に含まれる一連の小工程を表示させてもよい。この場合、一連の小工程を当該大工程の開始時に所定の時間の間だけ表示してもよい。表示制御部66は、一連の小工程を常に表示してもよい。この場合、表示制御部66は、実施中の小工程をその他の小工程と区別できる態様(たとえば異なる色)で表示してもよい。表示制御部66は、一連の小工程を、次の小工程に進むたびに所定の時間の間だけ表示してもよい。この場合、表示制御部66は、当該次の小工程をその他の小工程と区別できる態様で表示してもよい。
【0054】
進行状況特定部36は、内視鏡4に対して実施中のリプロセスの工程を特定する。進行状況特定部36は、リプロセスの間中(図2の開始から終了までの間中)ずっと、所定の周期で、内視鏡4に対して実施中の工程を特定する。進行状況特定部36による実施中の工程の特定手段については特に限定しないが、実施の形態では、撮影部14が撮影する映像から実施中の工程を出力するように機械学習された学習済みモデルを用いて特定する。学習済みモデルは、公知の任意の機械学習方法を用いて構成されればよい。進行状況特定部36は、特定した工程を、内視鏡情報記憶部72に記憶させる。
【0055】
作業手順特定部38は、次の小工程に遷移したタイミングで、具体的には工程特定部34により特定される小工程が次の小工程に変わったタイミングで、内視鏡識別情報が示す内視鏡機種および当該次の小工程に応じた作業手順を、手順記憶部80に記憶された複数の作業手順の中から特定する。表示制御部66は、作業手順特定部38が特定した作業手順を表示装置16の表示部16aに表示させる。表示制御部66は、次の小工程に遷移し、作業手順特定部38により次の工程の作業手順が特定されると当該次の工程の作業手順を表示させる。つまり、リプロセス作業者による作業の進み具合に併せて作業手順が表示される。これにより、作業漏れを抑止できる。また、紙媒体の作業手順を見ながら作業する場合は、首を例えば左右に振って内視鏡4と紙媒体の作業手順書とを見比べながら作業をする必要があるため作業効率が落ちるが、本実施の形態では表示装置16の表示部16aに作業手順が表示されるため、首を振る必要がなく、効率良く作業できる。
【0056】
また、紙媒体の作業手順を見ながら作業する場合は、リプロセス作業者の両手が塞がっていてはページをめくれないため、手が空いてから、あるいは敢えて手を空けてからページをめくる必要があるため作業効率が落ちる。またページをめくる際には、洗浄で使用する液体で濡れた手で触れたり、汚染物や汚物が付着した手で触れたりしないように注意して作業手順を扱う必要があるため作業効率が落ちる。これに対し、本実施の形態ではリプロセス作業者による作業の進み具合に併せて表示装置16の表示部16aに作業手順が表示されるため、紙媒体の作業手順を見る場合のような問題が生じることはなく、効率よく作業できる。
【0057】
図5は、表示部16aを通してユーザの視界に入る景色を示す図である。図5に示す例では、表示部16aの隅に、マニュアル洗浄工程S14における「チャンネルをブラッシングする」工程の作業手順が表示されている。作業手順は、図5に示す例のようにイラストのみで構成されてもよいし、文字のみで構成されてもよいし、イラストと文字の併用で構成されてもよい。また作業手順は動画で構成されてもよい。また、作業手順に音声ガイダンスが付加されてもよい。
【0058】
表示制御部66は、作業が適切に実施されないことが多い工程、言い換えるとやり直しを指示されることが多い工程の作業手順が強調されるように、そうではない工程の作業手順とは異なる態様で表示してもよい。例えば、やり直しが多い工程の作業手順を、大きく表示してもよいし、異なる色で表示してもよいし、点滅表示してもよい。なお、やり直しが多い工程は、詳しくは後述するように、分析部52による分析により特定されればよい。なお、リプロセス作業者ごとにやり直しが多い工程が特定されてもよいし、すべてのリプロセス作業者に共通してやり直しが多い工程が特定されてもよい。
【0059】
洗浄器具特定部40は、マニュアル洗浄工程S14における洗浄器具を必要とする工程において、内視鏡の機種に応じた洗浄器具を、洗浄器具情報記憶部78に記憶された複数の洗浄器具情報の中から特定する。例えば洗浄器具特定部40は、マニュアル洗浄工程S14の「チャンネルをブラッシングする」工程において、内視鏡の機種に応じたブラシを特定する。表示制御部66は、特定された洗浄器具情報を、表示装置16の表示部16aに表示させる。
【0060】
図6は、表示部16aを通してユーザの視界に入る景色を示す図である。図6に示す例では、表示部16aの隅に、洗浄器具情報、具体的には洗浄器具の種別情報および画像が表示されている。
【0061】
図4に戻り、洗浄箇所特定部42は、マニュアル洗浄工程S14における洗浄器具によるマニュアル洗浄を必要とする工程において、洗浄器具によりマニュアル洗浄すべき洗浄箇所を特定する。例えば洗浄箇所特定部42は、マニュアル洗浄工程S14における「チャンネルをブラッシングする」工程において、ブラシによりマニュアル洗浄すべき洗浄箇所を特定する。
【0062】
具体的に洗浄箇所特定部42は、撮影部14が撮影する内視鏡4の映像において、内視鏡4の機種に応じた洗浄箇所情報を、洗浄箇所情報記憶部74に記憶される複数の洗浄箇所情報の中から特定する。洗浄箇所特定部42は、特定した洗浄箇所情報に基づいて、撮影部14が撮影する内視鏡4の映像における洗浄箇所を特定する。洗浄箇所情報の態様と、洗浄箇所特定部42による洗浄箇所の特定手段については特に限定されないが、一実施例としては、洗浄箇所情報は洗浄箇所の3Dモデルであり、洗浄箇所特定部42は、洗浄箇所の3次元モデルに基づく公知のパターンマッチング手法により、具体的には洗浄箇所の3次元モデルを拡大、縮小、回転したものと撮影部14が撮影する内視鏡4の映像とのパターンマッチング(すなわち比較)することにより、撮影部14が撮影する内視鏡4の映像における洗浄箇所を特定する。表示制御部66は、洗浄箇所特定部42が特定する洗浄箇所を示す情報を、拡張現実技術を利用して表示する。
【0063】
図5、6を参照する。図5、6に示す例では、内視鏡4は十二指腸内視鏡であり、表示部16aには撮影部14により撮影された当該十二指腸内視鏡の先端部が表示されている。例えば表示装置16が光学透過型ディスプレイとして構成される場合、表示制御部66は、表示部16aを透過して目視される内視鏡4に重なるように洗浄箇所を示す情報を表示部16aに表示させる。また例えば表示装置16がビデオ透過型ディスプレイとして構成される場合、表示制御部66は、表示部16aに、撮影部14が内視鏡4を撮影している映像を表示しつつ、当該映像に重なるように洗浄箇所を示す情報を表示させる。これらの場合、洗浄箇所を示す情報は、内視鏡4のうちの洗浄箇所の全体(のみ)に重なる図形であってもよいし、あるいは洗浄箇所の全体(のみ)を囲む図形であってもよい。いずれにせよ、洗浄箇所を示す情報が表示されることで、洗浄箇所を容易に把握できるため、作業手順書と見比べて洗浄箇所を特定する場合と比べて、リプロセス作業者の負担が軽減される。
【0064】
また表示制御部66は、洗浄箇所に対する洗浄の進み具合に応じて、洗浄箇所を示す情報の表示態様を変化させてもよい。例えば、洗浄箇所をブラシでブラッシングする場合において、表示制御部66は、ブラッシングの実施回数の増加に応じて洗浄箇所を示す図形の色を変化させてもよい。また例えば表示制御部66は、ブラッシングの実施回数の増加に応じて洗浄箇所を示す図形の透明度を高くしてもよい。なお、ブラッシングの実施回数は、詳しくは後述するように、回数カウント部44によりカウントされればよい。
【0065】
また表示装置16がビデオ透過型ディスプレイとして構成される場合、表示制御部66は、公知の拡張現実技術を用いて、洗浄箇所を示す図形や内視鏡(モデル)が洗浄器具の背後にあるように見えるように洗浄器具を透過表示、すなわち半透明に加工して表示させてもよい。
【0066】
図4に戻り、使用条件特定部43は、図2のマニュアル消毒工程における所定の小工程において、撮影部14が撮影する消毒液(薬剤)の原液の容器から、消毒液の種別ごとに定められた、十分な消毒効果を得るための消毒液の推奨の使用条件を特定する。使用条件は、例えば、消毒液の濃度、温度および時間(接触時間、浸漬時間)を含む。例えば容器に貼られたラベルに使用条件が印刷されていてもよい。この場合、使用条件特定部43は、撮影部14がラベルを撮影した映像から消毒液の推奨の使用条件を特定してもよい。また例えば、記憶部24が、消毒液の種別情報ごとに、推奨の使用条件を記憶してもよい。この場合、使用条件特定部43は、撮影部14が消毒液の容器を撮影した映像から容器に付された消毒液の種別情報を特定し、特定した消毒液種別に応じた使用条件を、記憶部24に記憶された複数の使用条件から特定してもよい。消毒液の種別情報は、消毒液の種別を一意に識別できる情報であり、例えば、消毒液の種別名であってもよいし、消毒液の種別コードであってもよい。消毒液の種別情報は、例えば、二次元コード化されてもよい。消毒液の種別情報は、例えば、消毒液の容器に貼られたラベルに印刷されていてもよいし、容器に直接印刷されてもよい。つまり消毒液の種別情報は、直接、容器に付されてもよいし、ラベルを介して容器に付されてもよい。表示制御部66は、使用条件特定部43が特定する消毒液の推奨の使用条件を、拡張現実技術を利用して表示する。これによりリプロセス作業者は、消毒液の推奨の使用条件を容易に把握できる。
【0067】
回数カウント部44は、所定の工程において繰り返し実施される所定の作業、特に実施すべき回数が定められている作業について、撮影部14が撮影する映像を解析することにより、その作業が実施された回数をカウントする。回数カウント部44は、例えば、マニュアル洗浄工程S14における「チャンネルをブラッシングする」工程において、ブラッシングが実施された回数をカウントしてもよい。
【0068】
表示制御部66は、カウントされた回数に基づく情報を表示装置16に表示させる。例えば表示制御部66は、図5、6に示す例のように実施されるべき残り回数を表示させてもよいし、それまでに実施された回数を、実施されるべき総回数とともに表示させてもよい。
【0069】
回数カウント部44は、リプロセス作業者が顔を動かすなどして撮影部14の画角からカウント対象の作業をしている様子が外れた場合、撮影部14の画角に作業をしている様子が戻るまで作業の実施回数のカウントを中断してもよい。表示制御部66は、作業の実施回数のカウントを中断している間はカウントされた回数に基づく情報の表示を消してもよい。回数カウント部44は、作業している様子が画角から外れている間の作業の実施回数を、それまでの作業から計算される1回の作業に要する時間(平均時間、最長時間など)から推測してカウントしてもよい。
【0070】
時間カウント部46は、所定の工程における所定の作業、特に時間が定められている作業について、撮影部14が撮影する映像を解析することにより、その作業に掛けている時間をカウントする。時間カウント部46は、例えば、マニュアル消毒工程において内視鏡4を洗浄液に浸している時間をカウントしてもよい。時間カウント部46は、撮影部14の画角から内視鏡4を消毒液に浸している様子が外れた場合も消毒時間のカウントを継続すればよい。
【0071】
表示制御部66は、カウントされた時間に基づく情報を表示装置16に表示させる。例えば表示制御部66は、作業の残り時間に関する情報を表示装置16に表示させてもよいし、カウントされた時間を、作業に掛けられるべき総時間とともに表示させてもよい。
【0072】
図4に戻り、作業判定部48は、各工程において、作業が適切に実施されたか否か、言い換えると作業手順に定められた通りに作業が実施されたか否かを判定する。作業判定部48は、各工程の作業が終了すると、具体的には工程特定部34により特定される小工程が次の小工程に変わると、作業が終了した工程について判定する。作業判定部48による判定手段は、公知の技術を用いて構成されればよく、特に限定されないが、一実施例としては、撮影部14が撮影していた映像から作業が適切に実施されたか否かの判定結果を出力するように機械学習された学習済みモデルを用いて特定する。作業判定部48により作業が適切に実施されていないと判定された場合、表示制御部66は表示装置16に、その旨および/または作業のやり直しの指示を表示させる。
【0073】
保存部50は、リプロセス作業者ごとに、所定の工程の作業履歴を保存する、すなわち作業履歴を作業履歴記憶部82に記憶させる。詳しくは、保存部50は、リプロセス作業者のユーザIDと、リプロセス対象の内視鏡4の内視鏡識別情報と、作業履歴を保存する工程を示す情報と、撮影部14がその工程における作業の様子を撮影した映像と、を対応づけて作業履歴記憶部82に記憶させる。
【0074】
例えば保存部50は、リプロセス作業者による目視等での「確認」を実施する工程について、言い換えるとリプロセス作業者による「確認」をもって次の工程に遷移する工程について、その工程の作業履歴を保存する。保存部50は、一例としては、使用後の洗浄器具に目視できるゴミが付着している否かを「確認」する工程の作業履歴を保存する。具体的に保存部50は、リプロセス作業者のユーザIDと、「確認」を実施した工程と、撮影部14が撮影した映像、すなわちユーザが目視等での「確認」を実施したことを示す映像と、を関連づけて作業履歴記憶部82に記憶させる。
【0075】
また保存部50は、作業判定部48によって或る工程の作業が適切に実施されていないと判定され、リプロセス作業者に対してその工程の作業のやり直しが指示された場合、その工程の作業履歴を保存する。やり直しが指示された作業はトラブルに繋がるおそれがあるため、どの作業がどのように適切でなかったかの記録を残しておくためである。具体的に保存部50は、リプロセス作業者のユーザIDと、やり直しが指示された工程と、撮影部14が撮影した映像、すなわち作業が適切に実施されなかった様子を撮影した映像と、を関連づけて作業履歴記憶部82に記憶させる。
【0076】
なお保存部50は、すべての工程の作業履歴を保存してもよい。
【0077】
分析部52は、適宜のタイミングで作業履歴を分析する。分析部52は、所定の周期(例えば1週間、または1ヶ月)で作業履歴を分析してもよい。例えば分析部52は、やり直しの多い工程を分析してもよい。分析部52は、リプロセス作業者ごとにやり直しの多い工程を分析してもよいし、すべてのリプロセス作業者に共通してやり直しの多い工程を分析してもよい。これにより、やり直しの多い工程を手順にしたがって特に慎重に実施するように注意することが可能となる。
【0078】
また例えば分析部52は、ユーザごとに、単位期間(例えば1週間、または1ヶ月)において、作業判定部48によってやり直しを指示された回数(以下、やり直し回数という)を分析してもよい。これにより、リプロセス作業者の管理者は、各リプロセス作業者の習熟度を把握できる。
【0079】
外観検査部53は、その存在の有無をリプロセス作業者が目視で確認する必要がある対象(以下、確認対象)について、その確認を支援する。目視確認が必要な対象は、例えば、内視鏡4の表面上の傷や穴すなわち貫通している傷などの欠陥箇所、漏水テストで内視鏡4を液体に浸したときに発生しうる気泡、マニュアル洗浄で使用した洗浄器具に付着した汚れ、である。
【0080】
外観検査部53は、特に限定されないが、公知の画像解析技術を用いて確認対象を検出すればよい。確認対象が検出された場合、表示制御部66は、拡張現実技術を利用して、確認対象を強調表示する情報を表示装置16の表示部16aに表示させる。例えば表示装置16が光学透過型ディスプレイとして構成される場合、表示制御部66は、表示部16aを透過してリプロセス作業者の視界に入る確認対象を強調する情報を表示部16aに表示させる。また例えば表示装置16がビデオ透過型ディスプレイとして構成される場合、表示制御部66は、表示部16aに、撮影部14が撮影する内視鏡4の映像を表示しつつ、当該映像に確認対象を強調する情報を表示させる。確認対象を強調する情報は、確認対象の境界に沿って延びる線であってもよいし、確認対象を囲む円や多角形であってもよいし、確認対象を指し示す矢印であってもよい。また、確認対象が気泡の場合、液体中を上昇する気泡とともに、確認対象を強調する情報を移動させてもよい。
【0081】
<使用前準備支援機能>
使用前準備支援機能は、主に、ユーザ情報記憶部70、処置具情報記憶部84、ユーザ認証部30、組み合わせ判定部54および表示制御部66によって実現される。
【0082】
処置具情報記憶部84は、処置具の種別ごとに、少なくとも1つの適切な内視鏡機種を記憶する。
【0083】
ユーザは、例えば、情報処理装置12の撮影部によって処置具を撮影する。なお、撮影部14によって処置具を撮影してもよい。情報処理装置12は、処置具を撮影した画像を、内視鏡業務支援装置10に送信する。同様にユーザは、内視鏡4を撮影し、内視鏡4を撮影した画像を内視鏡業務支援装置10に送信する。
【0084】
内視鏡業務支援装置10の組み合わせ判定部54は、処置具と内視鏡との組み合わせが適切か否かを判定する。組み合わせ判定部54は、情報処理装置12が送信した処置具および内視鏡の画像を受け付けると、それらの画像からそれらの種別を特定する。組み合わせ判定部54は、種別が特定された処置具および内視鏡について、処置具情報記憶部84を参照することにより、それらの組み合わせが適切であるか否かを判定する。
【0085】
表示制御部66は、組み合わせが適切か否かの判定結果を情報処理装置12に表示させてユーザに通知する。なお、撮影部14により処置具を撮影する場合、表示制御部66は判定結果を表示部16aに表示させてもよい。
【0086】
<トラブルシューティング支援機能>
トラブルシューティング支援機能は、主に、ユーザ情報記憶部70、ユーザ認証部30、第1検索部56、第2検索部58、および表示制御部66によって実現される。
【0087】
まず、キーワード検索について説明する。表示制御部66は、内視鏡業務に関して知りたいことをキーワードで検索するキーワード検索要求を情報処理装置12から受け付けると、所定のキーワード入力画面を情報処理装置12に送信して表示させる。ユーザは、キーワード入力画面に、キーワードを入力する。情報処理装置12は、入力されたキーワード(以下、入力キーワード)を内視鏡業務支援装置10に送信する。
【0088】
内視鏡業務支援装置10の第1検索部56は、入力キーワードを受け付けると、あいまい検索などの公知の検索技術を用いて、入力キーワードに関する情報を検索する。第1検索部56は、例えば、入力キーワードに関する情報に加えて、機械学習によって予め生成された学習済みモデルが出力する当該入力キーワードに関連(例えば類似)する関連キーワードに関する情報を検索してもよい。学習済みモデルが出力する関連キーワードに関する情報も検索されることで、必要な情報を探すのが容易となる。
【0089】
検索される情報は、取扱説明書に載っている情報および/または取扱説明書に載っていない補助情報(追加情報)であってもよい。検索される情報は、Q&A形式の情報であってもよい。第1検索部56は、検索した情報の見出しをリスト表示する。ユーザは、リスト表示された見出しの中から役立ちそうな情報を選択する。第1検索部56は、リストの中から選択された情報の詳細を表示する。
【0090】
続いて、カメラ検索機能について説明する。ユーザは、不明な表示を情報処理装置12の撮影部によって撮影する。なお、変形例として情報処理装置12が据え置きされるプロセッサやPCである場合、不明な表示を、例えば表示装置16に固定された撮影部14によって撮影してもよい。不明な表示は、例えば、検査やリプロセスなどにおいて使用する各種の医療機器の画面中の表示、それら各種の医療機器に貼られた銘板やラベル中の表示、マニュアルなどの紙面中の表示である。不明な表示は、たとえば、不明なアイコン、アラート、エラーコード、内視鏡画像の異変(色味)である。
【0091】
情報処理装置12は、撮影した画像を内視鏡業務支援装置10に送信する。内視鏡業務支援装置10は、画像に写る不明な表示についての説明および/または対処方法などを情報処理装置12に送信して表示させる。なお、不明な表示を表示装置16に固定された撮影部14によって撮影した場合、不明な表示についての説明および/または対処方法などを表示装置16に表示させてもよい。不明な表示がアイコン、アラートまたはエラーコードである場合、情報処理装置12の第2検索部58は、それぞれについての情報を記録した記録部から説明、対処方法を取得する。表示制御部66は、それらを情報処理装置12に送信して表示させる。不明な表示が内視鏡画像である場合、第2検索部58は、例えば、機械学習された学習済みモデルを用いて、内視鏡画像について説明、対処方法を取得する。表示制御部66は、それらを情報処理装置12に送信して表示させる。これらの場合、ユーザ自身で容易にトラブルに対処できる。また、エラーコードしか表示されない場合にエラーについての説明や対処方法を把握できる。
【0092】
図7は、情報処理装置12が、通常とは異なる色、具体的には青みがかった色の内視鏡画像が表示されているモニタを撮影して内視鏡業務支援装置10に送信した様子を示す図である。図7の例では、映像ケーブルが断線している可能性がある旨の解析結果を提供している。
【0093】
なお、音声での指示により、カメラ検索機能が起動してもよい。また、不明な表示は、撮影部14で撮影され、情報処理装置12を介して、内視鏡業務支援装置10に送信されてもよい。この場合、手が塞がっているなどのために情報処理装置12を直接操作できないとき、たとえばリプロセスにおける手作業洗浄または消毒を行っているときにも不明な表示を調べることができる。
【0094】
<取扱説明提供機能>
電子の取扱説明書の提供を支援する取扱説明提供機能は、主に、ユーザ情報記憶部70、ユーザ認証部30、取扱説明提供部60、評価部62、アクセス解析部64によって実現される。
【0095】
取扱説明提供部60は、情報処理装置12を介したユーザからの要求に応じて、電子の取扱説明書を情報処理装置12に送信して表示させる。紙の取扱説明書は、一般に分厚くて重いので扱いづらく、汚れやすく、また内容の修正や追加があった場合にユーザの手元にある発行済みの取扱説明書を含むすべての取扱説明書に反映するのが困難、などの問題があるところ、電子の取扱説明書ではそのような問題が生じない。取扱説明提供部60は、動画の取扱説明を情報処理装置12に送信して表示させてもよい。動画で説明することで、文章やイラストでは説明が難しい複雑な作業をわかりやすく説明でき、説明を理解できないという事態が生じるのを避けられる。
【0096】
取扱説明提供部60は、情報処理装置12のユーザ、言い換えると情報処理装置12を介してユーザ認証処理を実行したユーザに対して、ユーザ情報記憶部70を参照して特定される当該ユーザのユーザ情報に応じた取扱説明書を情報処理装置12に送信して当該ユーザに提供してもよい。取扱説明提供部60は、例えば、ユーザごと(例えば熟練度ごと)、またはユーザの職種(例えば、技師、看護師、代理店など)ごとで異なる取扱説明書を情報処理装置12に送信して表示させてもよい。例えば、技師にはより詳細な取扱説明書を提供し、看護師には簡易版の取扱説明書を提供してもよい。また、取扱説明書は、施設ごとで異なっていてもよい。ユーザもしくはその職種または施設に応じた取扱説明書を表示することで、より容易に、必要な情報を探し出すことができる。
【0097】
評価部62は、取扱説明書がユーザの困りごとの解決に役立っているか否かを評価する。評価部62は、たとえば取扱説明書にアクセスしたユーザの行動履歴を分析することにより、一例としては、類似するキーワードや類似する事項の検索し直しをしているか否かに基づいて取扱説明書が解決に役立っているか否かを評価してもよい。また、評価部62は、提供された取扱説明が役に立ったか否かのアンケートに対する回答からに基づいて取扱説明が役に立ったか否かを評価してもよい。評価結果は、取扱説明の内容改善に利用される。
【0098】
アクセス解析部64は、取扱説明ごとのアクセス回数を解析する。解析結果からユーザが知りたがっている情報を把握できる。ユーザが知りたがっている情報をブラッシュアップすることで、知りたい情報が載っていないという事態が生じるのを避けられる。
【0099】
<学習用コンテンツ提供機能>
学習用のコンテンツの提供を支援する学習用コンテンツ提供機能は、主に、学習用コンテンツ提供部65によって実現される。
【0100】
学習用コンテンツ提供部65は、情報処理装置12を介したユーザからの要求に応じて、内視鏡業務に関する学習用のコンテンツを情報処理装置12に送信して表示させる。学習用のコンテンツは、例えば内視鏡業務で使用する機器の使い方のコンテンツを含んでいてもよい。学習用のコンテンツは動画であってもよい。動画のコンテンツによれば、例えば文章やイラストでは説明が難しい内容(例えば複雑な作業)をわかりやすく説明でき、説明を理解できないという事態が生じるのを避けられる。
【0101】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0102】
(変形例1)
実施の形態とは異なり、情報処理装置12が、図4の内視鏡業務支援装置10の機能ブロックの少なくとも一部を備えてもよい。
【0103】
(変形例2)
実施の形態では特に言及しなかったが、複数の内視鏡4のリプロセスを同時並行で実施してもよい。内視鏡情報記憶部72には、同時並行でリプロセスを実施している複数の内視鏡4に関する情報が記憶される。表示制御部66は、撮影部14が内視鏡4_i(i=1,2,・・・)を撮影しているときは内視鏡4_iの現在の工程の作業手順を表示する。例えば、内視鏡4_1を消毒液に浸している間に、内視鏡4_2を洗浄器具で洗浄(ブラッシング)することが考えられる。この場合、表示制御部66は、撮影部14が内視鏡4_1を撮影しているときには内視鏡4_1の現在の工程の作業手順を表示部16aに表示させたり、内視鏡4_1の消毒に関する情報を表示部16aに表示させたりし、撮影部14が内視鏡4_2を撮影しているときには内視鏡4_2の現在の工程の作業手順を表示させたり、内視鏡4_2の洗浄に関する情報を表示部16aに表示させたりする。内視鏡4_iに関する情報は、内視鏡情報記憶部72から取得すればよい。
【0104】
(変形例3)
実施の形態では、表示装置16が装着型の表示装置である場合について説明したが、これには限定されず、表示装置16は、据え置き型、壁掛け型または携帯型の表示装置であってもよいし、スマートフォンまたはタブレット端末などの表示部を有する端末装置であってもよい。これらの場合、表示装置16は、ビデオ透過型ディスプレイとして構成されればよい。
【0105】
例えば表示装置16がタブレットなどの撮影部を備える携帯型の端末装置である場合、マニュアル洗浄工程S14における「チャンネルをブラッシングする」工程において表示制御部66は、当該表示装置16の表示部16aに「内視鏡の先端部を撮影してください」とのメッセージを表示してもよい。そして表示制御部66は、表示装置(端末装置)16の撮影部によって内視鏡4の先端部が撮影されたら、表示部16aに表示される内視鏡4の先端部の映像に重なるように洗浄箇所を示す情報を表示させてもよい。この場合、情報処理装置12が端末装置としての表示装置16を兼ねてもよい。
【0106】
また例えば表示装置16が据え置き型または壁掛け型の表示装置であり、さらに撮影部14が洗浄消毒室の壁や天井、シンク6、その他に固定される撮影部である場合、マニュアル洗浄工程S14における「チャンネルをブラッシングする」工程において表示制御部66は、撮影部14が撮影する内視鏡4の先端部の映像を表示装置16の表示部16aに表示しつつ、当該映像に重なるように洗浄箇所を示す情報を表示させてもよい。
【0107】
(変形例4)
実施の形態では、リプロセスの一連の工程、各工程における作業手順、および洗浄箇所が内視鏡4の機種ごとに異なりうる場合について説明したが、変形例として、これらのうちの少なくとも1つは、内視鏡4の機種と、洗浄消毒装置7を含む施設のリプロセス設備の情報との組み合わせごとに異なりうる。この場合、適宜のタイミングに、内視鏡識別情報を取得し、リプロセス設備の情報と対応づけて内視鏡情報記憶部72に記憶させておけばよい。
【0108】
(変形例5)
変形例として、内視鏡4の先端部に手作業洗浄箇所を特定するための複数のパターンを設け、撮影部14が撮影する内視鏡の先端部の画像から、複数のパターンを読み込むことにより洗浄箇所を特定してもよい。図8は、変形例に係る内視鏡4の先端部を示す図である。複数のパターン90は、図8に示す例のように洗浄箇所を環囲するように設けられてもよい。複数のパターン90は、パターン90が付される箇所ごとで異なっていてもよい。これにより、パターン90が付された箇所を特定できる。例えば、内視鏡4の表側と裏側とでパターン90が異なっていてもよい。これにより、内視鏡の表裏の別がわかる。複数のパターン90はそれぞれQRコード(登録商標)などの二次元コードであってもよい。この場合、パターン90に、パターン90が付された箇所についての情報、表側か裏側かの情報を持たせることができる。
【0109】
(変形例6)
図9は、図1の表示装置を通してユーザの視界に入る景色を示す図である。変形例として、表示制御部66は、マニュアル洗浄工程S14における洗浄器具によるマニュアル洗浄を必要とする工程において、表示部16aにガイド92を表示するとともに、内視鏡4の先端部の輪郭をガイド92に合致させるよう指示を表示する。洗浄箇所特定部42は、画像解析によってガイド92と内視鏡4の先端部の輪郭とが合致したことを特定すると、実施の形態において説明したように、洗浄箇所情報に基づいて洗浄箇所を特定する。この場合、洗浄箇所情報に基づく洗浄箇所の特定が高速になり、また、より確実に洗浄箇所を特定できる。
【符号の説明】
【0110】
10 内視鏡業務支援装置、 14 撮影部、 16 表示装置、 16a 表示部、 42 洗浄箇所特定部、 66 表示制御部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9