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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083945
(43)【公開日】2024-06-24
(54)【発明の名称】ブロワ装置
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/70 20060101AFI20240617BHJP
   F04D 29/44 20060101ALI20240617BHJP
   F04D 29/42 20060101ALI20240617BHJP
   F04D 29/62 20060101ALI20240617BHJP
【FI】
F04D29/70 N
F04D29/44 N
F04D29/42 J
F04D29/62 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022198055
(22)【出願日】2022-12-12
(71)【出願人】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096884
【弁理士】
【氏名又は名称】末成 幹生
(72)【発明者】
【氏名】吉留 聖也
(72)【発明者】
【氏名】坂 吉和
(72)【発明者】
【氏名】小板 明生
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB45
3H130AC13
3H130BA32H
3H130BA42H
3H130CA23
3H130CA29
3H130DD01Z
3H130DF07X
3H130EA02A
3H130EA06A
3H130EB01A
3H130EB02A
3H130EB03A
(57)【要約】
【課題】車両のシート下方に配置されるブロワ装置において、ブロワ装置の上方から侵入する水などの液体に対する被水対策を施す。
【解決手段】ブロワケーシング2と、ブロワケーシング2の内側に収容されたインペラと、ブロワケーシング2の軸方向一方端側に設けられ、インペラを回転させるモータと、モータに電力を供給する複数のコネクタピンを備えたコネクタハウジング94を備えたブロワ装置である。コネクタハウジング94を覆う被水カバーブラケット11がブロワケーシング2の外周面に固定されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロワケーシングと、
前記ブロワケーシングの内側に収容されたインペラと、
前記ブロワケーシングの軸方向一方端側に設けられ、前記インペラを回転させるモータと、
前記モータに電力を供給する複数のコネクタピンを備えたコネクタハウジングと、
を備え、
前記コネクタハウジングを覆う被水カバーブラケットが、前記ブロワケーシングの前記外周面に固定されたブロワ装置。
【請求項2】
前記被水カバーブラケットは、前記コネクタハウジングを覆う被水カバー部と、
前記被水カバー部に連接して前記ブロワケーシングに固定する接続部とを備え、
前記被水カバー部の前記軸方向の高さは前記コネクタハウジングの高さよりも高く、
前記被水カバー部の前記軸方向と直交する方向の幅は、前記コネクタハウジングの幅よりも広い請求項1に記載のブロワ装置。
【請求項3】
前記ブロワケーシングの外周面には前記軸方向に延在する複数の突起部が形成され、
前記突起部の内、選択された前記突起部に固定取付足ブラケットが固定され、
前記被水カバーブラケットの前記接続部は、前記固定取付足ブラケットの固定に選択されなかった前記突起部に固定した請求項2に記載のブロワ装置。
【請求項4】
前記被水カバーブラケットの前記接続部は、前記突起部と摺動可能に嵌合する溝と、複数の貫通孔とを備え、
抜け止めブロックを前記接続部の前記貫通孔に挿入することにより、前記突起部に対する前記被水カバーブラケットの前記軸方向の一方への移動を規制した請求項3に記載のブロワ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はブロワ装置に係り、特に、外部の配線を接続するための電装品に被水対策を施す技術に関する。
【背景技術】
【0002】
遠心ファンを用いたブロワ装置は、家電機器、OA機器、産業機器の冷却、換気、空調や、車両用機器、などに広く用いられている。
【0003】
たとえば、ハイブリッド車や電気自動車などの車両では、走行用の駆動源としてのモータや、各種センサに供給される電力を蓄える電池パックが配置され、電池パックを冷却するための送風機が設けられている。この電池パックを搭載する車両において、電池パックをシート下方のフロアパネルに配置する場合がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1に記載された電池パックを冷却するための送風機としては、一般に、遠心送風機であるブロワ装置が用いられており、モータに電力を供給するための電装品として、コネクタを備えたブロワ装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-062256号公報
【特許文献2】国際公開2020/255564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2に記載されたブロワ装置を、特許文献1に記載されたような電池パックに設け、この電池パックがシート下方のフロアパネルに配置された車両において、車内の人が容器に入った水や飲み物などをシート上にこぼした場合、ブロワ装置の上方から水などの液体が電装品であるコネクタの電極部に付着してモータが故障する虞がある。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、車両のシート下方に配置されるブロワ装置において、ブロワ装置の上方から侵入する水などの液体に対する被水対策を施すことを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ブロワケーシングと、前記ブロワケーシングの内側に収容されたインペラと、前記ブロワケーシングの軸方向一方端側に設けられ、前記インペラを回転させるモータと、前記モータに電力を供給する複数のコネクタピンを備えたコネクタハウジングと、を備え、前記コネクタハウジングを覆う被水カバーブラケットが、前記ブロワケーシングの前記外周面に固定されたブロワ装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、シートから落下する水滴がコネクタハウジングを覆う被水カバーブラケットに落下し、被水カバーブラケットの両端部から落下するので、コネクタハウジングの電極部に水滴が付着してモータが故障するといった不都合を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態のブロワ装置の分解斜視図である。
図2】(A)は実施形態のブロワ装置の側面図、(B)は(A)のB-B線断面拡大図である。
図3】(A)は実施形態のブロワ装置の斜視図、(B)は(A)の矢印Bで示す部分の拡大図である。
図4】(A)は実施形態のブロワ装置から固定取付足ブラケットを取り外した斜視図、(B)は(A)の矢印Bで示す部分の拡大図である。
図5図4の視る角度を変えた斜視図である。
図6】実施形態における突起部と溝との嵌合状態を示す断面図である。
図7】実施形態におけるブロワ下ケーシングを示す斜視図である。
図8】実施形態におけるインペラを示す斜視図である。
図9】実施形態におけるモータを示す斜視図である。
図10】実施形態におけるエンドキャップを示す斜視図である。
図11】実施形態におけるカバーを示す斜視図である。
図12】実施形態における被水カバーブラケットを示す斜視図である。
図13】実施形態における抜け止めブロックを示す斜視図である。
図14図13の視る角度を変えた斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1.ブロワ装置の概略構成
図1は、本実施形態のブロワ装置1の分解斜視図、図2は側面図である。ブロワ装置1は、ブロワケーシング2と、ブロワケーシング2を取り付け対象に固定するための固定部材である複数(この例では2個)の固定取付足ブラケット3を備えている。
【0012】
ブロワケーシング2は、ブロワ上ケーシング4とブロワ下ケーシング5から構成され、吸込口21と排気口22とを有している。ブロワケーシング2の内側には、複数の羽根を備えて空気の吸い込みおよび吹き出しを行うインペラ6が収容されている。
【0013】
ブロワ下ケーシング5の上壁には、インペラ6を回転させるための電動機であるモータ7が固定されている。なお、以下の説明においては、モータ7のシャフト71の方向を軸方向とし、軸方向の内、図1および図3(A)に示した矢印Y方向を上側、その逆方向を下側とする。また、シャフト71と直交する方向を径方向とし、シャフト71の回転方向を周方向とする。
【0014】
モータ7のシャフト71は、モータ7の回転軸であって、インペラ6とモータ7とを連結している軸である。この構造により、シャフト71は、モータ7の回転に合わせて、インペラ6を回転させる。
【0015】
モータ7には回路基板8が近接して配置されている。回路基板8は、モータ7に制御電流を供給し、回路基板8には外部電源から駆動電流が供給される。回路基板8はエンドキャップ9に固定され、エンドキャップ9はモータ7のフレーム72に固定されている。エンドキャップ9には、半円状のカバー10が固定されている。ブロワ下ケーシング5の外周には、被水カバーブラケット11が取り付けられている。
【0016】
2.ブロワケーシングおよび固定取付足ブラケット
ブロワ下ケーシング5の外周部には、図1に示すように、ブロワ上ケーシング4側に突出する複数の係止片51が形成され、係止片51の先端には径方向外側に突出する爪部51aが形成されている。一方、ブロワ上ケーシング4の外周部には、橋のような形状をなす架橋部41が係止片51に対応する位置に形成されている。そして、係止片51を架橋部41に挿入し、爪部51aが架橋部41を通過することにより、係止片51が架橋部41に係合し、ブロワ上ケーシング4とブロワ下ケーシング5が結合される。
【0017】
また、図2(B)に示すように、ブロワ上ケーシング4の縁部には突条42が形成され、ブロワ下ケーシング5の縁部には溝54が形成されている。ブロワ上ケーシング4とブロワ下ケーシング5を結合した状態で溝54に突条42が嵌合して密封され、風が漏れない構造となっている。ブロワ上ケーシング4とブロワ下ケーシング5の外周の一部には、排気口22の一方片と他方片とが形成されており、両者を合わせることで排気口22が形成されている。
【0018】
図3図5に示すように、ブロワ下ケーシング5の外周部分には、軸方向に延在する一対の突起部52が周方向に添って複数対形成されている。突起部52は、図6に示すように、断面略T字状をなしている。以上の構成は樹脂の射出成形により一体に成形されている。また、突起部52は、図7に示すように両端面52a,52bを有している。この突起部52を用いて、固定取付足ブラケット3は、ブロワ下ケーシング5に取り付けられている。
【0019】
固定取付足ブラケット3は、本体部31と、本体部31から延在する固定部32とを備えている。固定部32には、ボルト等の締結部材を挿通するための貫通孔32aが形成されている。また、固定部32には、一対の溝33が形成されている。溝33の断面形状は突起部52の断面形状とほぼ相似形であり、図6に示すように、固定取付足ブラケット3は、径方向および周方向への移動を規制された状態でブロワ下ケーシング5に取り付けられている。
【0020】
図1に示すように、溝33の一方端は開放されているが、他方端は壁34で閉塞されている。図7の右下の位置から溝33に突起部52を嵌合させて軸方向へ摺動させると、壁34が突起部52の端面52aに当接し、固定取付足ブラケット3のそれ以上の軸方向への移動が規制される。逆方向への移動は、後述する抜け止めブロック200を固定取付足ブラケット3に形成した第1貫通孔35および第2貫通孔36に挿入することにより、抜け止めブロック200が突起部52の反対側の端面52bと接触することで規制される。抜け止めブロック200については後に詳述する。なお、第1、第2貫通孔35,36は、後述する被水カバーブラケット11の第1、第2貫通孔116,117と同等に構成されている。
【0021】
3.モータおよびインペラ
図8に示すように、インペラ6は、中央部のハブ61と、ハブ61の外周部に形成された略円板状のフランジ62と、フランジ62の外周面に立設した複数の羽根63と、複数の羽根63を連結する連結リング64とを備えている。そして、モータ7を駆動することによりシャフト71が回転し、シャフト71の回転に伴ってインペラ6が回転する。インペラ6の回転により、吸込口21から吸入した空気は、インペラ6の内側に案内されて複数の羽根63の間からブロワケーシング2内に排出され、ブロワケーシング2内の流路を経て排気口22からブロワケーシング2の外方へ吹き出す。
【0022】
図9に示すように、モータ7のフレーム72には、径方向外側に突出する複数(この例では3個)のフランジ73が形成され、フランジ73には2つの貫通孔73aが形成されている。一方、図7に示すように、ブロワ下ケーシング5の中央部には円形の開口部55が形成され、開口部55の周囲には、軸方向へ突出する円柱状の突起53が形成されている。なお、図7に示す突起53は熱カシメで潰れた状態を示している。この突起53を貫通孔73aに挿入することで、モータ7のフレーム72は、エンドキャップ9と共にブロワ上ケーシング5に固定されている。この固定方法については後述する。
【0023】
4.エンドキャップおよびカバー
図10にエンドキャップ9を示す。エンドキャップ9は、円筒部91と半円状の天板部92と半円状の開口部93とを備えた略円板状をなすもので、円筒部91がブロワ下ケーシング5の開口部55に嵌合している。エンドキャップ9の天板部92には、コネクタハウジング94が樹脂の射出成形にて一体に成形されている。コネクタハウジング94は、複数のコネクタピン95(図4(B))をインサート材にして成形されたもので、コネクタピン95はL字状をなし、その一端部はコネクタハウジング94の内部に突出し、他端部は軸方向に延在して回路基板8の配線パターンに電気的に接続されている。
【0024】
コネクタハウジング94の内部には、外部電源と接続されたコネクタプラグ(図示略)が挿入され、外部電源が回路基板8に供給される。図4(B)に示すように、コネクタハウジング94の内周面には、内側に突出する突起96が形成されている。突起96は、コネクタプラグに形成した凹部と係合し、抜け止めを構成している。コネクタハウジング94には、突起96を形成するための金型の抜け穴97(貫通孔)が形成されている。
【0025】
エンドキャップ9は、円筒部91から径方向外側に延在する複数(この例では3個)のフランジ98を備えている。フランジ98には、2個の貫通孔98aが形成されている。この貫通孔98aと、モータ7のフレーム72のフランジ73に形成した貫通孔73aに、ブロワ下ケーシング5に形成した突起53を挿入し、突起53を熱カシメして潰すことにより、モータ7およびエンドキャップ9がブロワ下ケーシング5に固定される。
【0026】
エンドキャップ9の天板部92と反対側の外周部には、径方向外側に突出する複数(この例では3個)の凸部99が形成され、凸部99には、軸方向に突出する突起99aが形成されている。そして、突起99aを用いてカバー10が固定されている。
【0027】
図11に示すように、カバー10は半円状をなす絶縁性樹脂からなるもので、エンドキャップ9の天板部92の反対側の開口部93を閉塞することにより、モータ7を駆動制御するための電子回路、電子部品等の実装、及び配線パターンが形成された回路基板8を保護している。カバー10は、半円状の天板部101と、天板部101の外周縁部から軸方向へ延在する円筒部102とを備えている。円筒部102には、径方向外側へ突出するフランジ103が形成され、フランジ103には貫通孔103aが形成されている。そして、貫通孔103aにエンドキャップ9の突起99aを貫通させ、突起99aを熱カシメで潰すことにより、カバー10はエンドキャップ9に固定されている。
【0028】
5.被水カバーブラケットおよび抜け止めブロック
図12に被水カバーブラケット11を示す。被水カバーブラケット11は、円弧状の被水カバー部111と、被水カバー部111に連接した接続部112とから構成され、被水カバー部111と接続部112は樹脂の射出成形で一体に成形されている。被水カバー部111の幅(図4(A)における左右方向の寸法)は、コネクタハウジング94の幅よりも広く、被水カバー部111の高さ(図4(A)における上下方向の寸法)はコネクタハウジング94の高さよりも高く設定されている。
【0029】
被水カバー部111の両端部には、矩形状の切欠111aが形成されている。図3(B)に示すように、切欠111aは、ブロワ下ケーシング5の突起53に位置している。接続部112は、側面視が略L字状の形状を有し、被水カバー部111に接合する第1接続部113と、第1接続部113に傾斜して連接する第2接続部114とを有し、第2接続部114には、一対の溝115が形成されている。一対の溝115は、ブロワ下ケーシングの外周面に形成された一対の突起部52と同じ間隔で形成され、固定取付足ブラケット3に形成した溝33(図6参照)と同形同大の断面形状を有している。
【0030】
一対の溝115の一方端側は開いた状態で、他方端側は壁115aによって塞がれている。一対の溝115の先端側には、第1貫通孔116と第2貫通孔117が長手方向に並んで形成されている。これら第1、第2貫通孔116,117を用いて抜け止めブロック200が装着される。
【0031】
図13および図14に抜け止めブロック200を示す。抜け止めブロック200は、樹脂の射出成形で一体に成形され、側面視でH字状をなす本体部201を有している。本体部201の一端部の両側には、その厚さ方向に突出する抜け止め脚部202が形成されている。抜け止め脚部202は、断面が略半円状のもので、その略半円状をなす頂面には突条203が形成されている。また、抜け止め脚部202の突条203と反対側には、段部204が形成されている。本体部201の他端部には、その厚さ方向に向け抜け止め脚部202から離間するように傾斜した係止脚部205を備えている。
【0032】
係止脚部205の先端部には爪部205aが形成されている。なお、図中符号206は凹部であり、凹部206は抜け止めブロック200の樹脂成形の際のヒケ対策であると共に、抜け止めブロック200の軽量化を図ったものである。
【0033】
6.組立方法
被水カバーブラケット11をブロワケーシング2に取り付ける方法について説明する。
被水カバーブラケット11の第2接続部114に形成された一対の溝115に、ブロワ下ケーシング5の外周面に形成された一対の突起部52の内、固定取付足ブラケット3が結合されていない箇所(図7において符号52を付した箇所)を選択し、例えば図中右下の位置から嵌合して摺動させると、突起部52の軸方向の一方の端面52aが、一対の溝115の壁115aに当接して軸方向におけるブロワ上ケーシング4側への移動が規制される。なお、被水カバーブラケット11は、ブロワ下ケーシング5の外周面に形成された一対の突起部52の内、一対の突起部52と結合させても良く、また一対の突起部52の一方側のみと結合させても良い。
【0034】
次に、抜け止めブロック200の抜け止め脚部202と係止脚部205を、被水カバーブラケット11の第2接続部114に形成された第1、第2貫通孔116,117にそれぞれ挿入する。このとき、抜け止め脚部202に形成した突条203が第1貫通孔116と接触し、抜け止め脚部202の頂面の他の部分は第1貫通孔116と接触しないため、挿入の際の抵抗が小さくしかもガタのない状態で挿入される。
【0035】
また、爪部205aが第2貫通孔117の縁部に押されて係止脚部205が弾性変形する。そして、抜け止めブロック200の段部204が第2接続部114に当接し、同時に爪部204aが第2貫通孔117を抜け出て係止脚部205が弾性復帰し、爪部205aが第2貫通孔117の縁部に係合するとともに、抜け止め脚部202が突起部52の軸方向の他方の端面52bに接触する。これにより、被水カバーブラケット11は、軸方向のいずれの方向にも動けない状態となる。
【0036】
なお、固定取付足ブラケット3への抜け止めブロック200の装着も上記と同様にして行う。前述のように、固定取付足ブラケット3の溝33の壁34は突起部52の一方の端面52aと接触しているから、抜け止めブロック200を固定取付足ブラケット3の第1、第2貫通孔35,36に挿入すると、抜け止めブロック200の抜け止め脚部202が他方の端面52bと接触し、固定取付足ブラケット3は軸方向のいずれの方向への移動が規制された状態となる。
【0037】
7.作用および効果
上記の状態で、被水カバーブラケット11の被水カバー部111は、コネクタハウジング94の上側を覆うように配置される。なお、コネクタハウジング94の開口部は、被水カバー部111と反対側を向いている。したがって、シートから流れ落ちた水滴は、被水カバー部111に落下し、被水カバー部111の両端部からフロアに流れ落ちるため、コネクタハウジング94に水滴が落ちることを防止することができる。したがって、コネクタハウジング94のコネクタピン95に水滴が付着してモータが故障するといった不都合を回避することができる。
【0038】
特に、上記実施形態では、被水カバー部111の高さはコネクタハウジング94の高さよりも高く、被水カバー部111の幅は、コネクタハウジング94の幅よりも広いから、上記の効果を確実に得ることができる。
【0039】
また、上記実施形態では、ブロワ下ケーシング5の外周面に軸方向に延在する複数の突起部52を形成し、複数の突起部52の内、選択された突起部52に固定取付足ブラケット3を固定し、被水カバーブラケット11の第2接続部114を固定取付足ブラケット3の固定に選択されなかった突起部52に固定することができるから、突起部52を流用できて取付作業を効率良く行うことができる。
【0040】
また、固定取付足ブラケット3は、突起部52と摺動可能に嵌合する溝33と、複数の貫通孔とを備え、被水カバーブラケット11の第2接続部114は、突起部52と摺動可能に嵌合する溝115と、第1、第2貫通孔116,117とを備え、抜け止めブロック200を固定取付足ブラケット3の貫通孔に挿入することにより、固定取付足ブラケット3の突起部52に対する軸方向の一方への移動を規制し、抜け止めブロック200を第2接続部114の第1、第2貫通孔116,117に挿入することにより、被水カバーブラケット11の突起部52に対する軸方向の一方への移動を規制しているから、共通の抜け止めブロック200によって固定取付足ブラケット3と被水カバーブラケット11の軸方向への一方への移動を規制することができ、抜け止めブロック200の取付作業を効率良く行うことができる。
【0041】
上記実施形態では、被水カバーブラケット11の被水カバー部111に切欠111aを形成しているから、図3(B)に示すように、突起53を熱カシメして大きく潰れても切欠111aに収容され、外観を損なうことがない。
【0042】
8.変更例
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように種々の変更が可能である。
i)円弧状の被水カバー部111の軸方向の少なくとも一方端にフランジを設けることができる。フランジを設けることによって、シートから落下した水滴が被水カバー部111に落下した際、水滴の飛散がフランジで防止され、確実に両端に流れ落ちる。
【0043】
ii)被水カバーブラケット11は、ブロワ下ケーシング5の外周面に形成された一対の突起部52の上に溶着、例えば、レーザー溶着や超音波溶着で固定した構成であってもよい。
iii)上記実施形態では、被水カバーブラケット11にてコネクタハウジング94を覆う構成としているが、コネクタハウジング94に代えて、ワイヤーハーネス引出し口を覆う構成であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、家電機器、OA機器、産業用や車両用機器の送風、換気、冷却等に用いられるブロワ装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0045】
1…ブロワ装置、2…ブロワケーシング、3…固定取付足ブラケット、4…ブロワ上ケーシング、5…ブロワ下ケーシング、6…インペラ、7…モータ、8…回路基板、9…エンドキャップ、10…カバー、11…被水カバーブラケット、21…吸込口、22…排気口、31…本体部、32…固定部、32a…貫通孔、33…溝、34…壁、41…架橋部、42…突条、51…係止片、51a…爪部、52…突起部、52a,52b…端面、53…突起、54…溝、55…開口部、61…ハブ、62…フランジ、63…羽根、64…連結リング、71…シャフト、72…フレーム、73…フランジ、73a…貫通孔、91…円筒部、92…天板部、93…開口部、94…コネクタハウジング、95…コネクタピン、96…突起、97…抜け穴、98…フランジ、98a…貫通孔、99…凸部、99a…突起、111…被水カバー部、112…接続部、111a…切欠、113…第1接続部、114…第2接続部、115…溝、115a…壁、116…第1貫通孔、117…第2貫通孔、200…抜け止めブロック、201…本体部、202…抜け止め脚部、203…突条、204…段部、205…係止脚部、205a…爪部、206…凹部。
図1
図2
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図14