IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三洲電線株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-撚線導体 図1
  • 特開-撚線導体 図2
  • 特開-撚線導体 図3
  • 特開-撚線導体 図4
  • 特開-撚線導体 図5
  • 特開-撚線導体 図6
  • 特開-撚線導体 図7
  • 特開-撚線導体 図8
  • 特開-撚線導体 図9
  • 特開-撚線導体 図10
  • 特開-撚線導体 図11
  • 特開-撚線導体 図12
  • 特開-撚線導体 図13
  • 特開-撚線導体 図14
  • 特開-撚線導体 図15
  • 特開-撚線導体 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083990
(43)【公開日】2024-06-24
(54)【発明の名称】撚線導体
(51)【国際特許分類】
   H01B 5/08 20060101AFI20240617BHJP
【FI】
H01B5/08
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022198121
(22)【出願日】2022-12-12
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】395005169
【氏名又は名称】三洲電線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101535
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 好道
(74)【代理人】
【識別番号】100161104
【弁理士】
【氏名又は名称】杉山 浩康
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 俊文
【テーマコード(参考)】
5G307
【Fターム(参考)】
5G307EA01
5G307EB06
5G307EF09
5G307EF10
(57)【要約】
【課題】断面形状が真円状に近いとともに、柔軟性を向上させた撚線導体を提供する。
【解決手段】
少なくとも、最外層部10と、最外層部10の径方向内側に設けた第1外層部11を有し、各層部10,11は、複数の太径線2,5と、複数の中径線3,6と、複数の細径線4,7で構成され、各層部10,11を構成する太径線2,5と中径線3,6と細径線4,7は、何れも同じ本数で構成され、各層部10,11において、周方向に太径線2,5を離間して配設し、周方向において最も隣り合う太径線2,2(5,5)間に1本の中径線3,6を配設し、この中径線3,6の内側に1本の細径線4,7を、配設する。太径線2,5の直径d1,d4は、中径線3,6の直径d2,d5細径線4,7の直径d3,d6の和とすることが好ましい。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、最外層部と、該最外層部の径方向内側に設けた第1外層部を有し、
各層部は、複数の太径線と、該太径線より細い複数の中径線と、該中径線より細い複数の細径線で構成され、各層部を構成する太径線と中径線と細径線は、何れも同じ本数で構成され、
各層部において、周方向に太径線を離間して配設し、周方向において最も隣り合う太径線間に1本の中径線を配設し、この中径線の内側に、かつ、この中径線に隣接する太径線間に1本の細径線を、配設したことを特徴とする撚線導体。
【請求項2】
前記第1外層部を構成する太径線は、前記最外層部を構成する太径線、若しくは、前記最外層部を構成する細径線と当接するように配設したことを特徴とする請求項1記載の撚線導体。
【請求項3】
前記第1外層部の内側に第2外層部を設け、
前記第1外層部を構成する太径線は、前記最外層部を構成する太径線と当接するように配設し、
前記第2外層部を構成する太径線は、前記第1外層部を構成する太径線と当接するように配設したことを特徴とする請求項1記載の撚線導体。
【請求項4】
前記第1外層部の内側に第2外層部を設け、
前記第1外層部を構成する太径線は、前記最外層部を構成する細径線と当接するように配設し、
前記第2外層部を構成する太径線は、前記第1外層部を構成する細径線と当接するように配設したことを特徴とする請求項1記載の撚線導体。
【請求項5】
前記第1外層部の内側に第2外層部を設け、
前記第1外層部を構成する太径線は、前記最外層部を構成する太径線と当接するように配設し、
前記第2外層部を構成する太径線は、前記第1外層部を構成する細径線と当接するように配設したことを特徴とする請求項1記載の撚線導体。
【請求項6】
前記第1外層部の内側に第2外層部を設け、
前記第1外層部を構成する太径線は、前記最外層部を構成する細径線と当接するように配設し、
前記第2外層部を構成する太径線は、前記第1外層部を構成する太径線と当接するように配設したことを特徴とする請求項1記載の撚線導体。
【請求項7】
各層部において、太径線の直径を、中径線の直径と、細径線の直径の和と同じにしたことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の撚線導体。
【請求項8】
前記撚線導体の中心から、前記最外層部を構成する中径線の外縁端までの距離と、前記撚線導体の中心から、前記最外層部を構成する太径線の外縁端までの距離が同じであることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の撚線導体。
【請求項9】
各層部を構成する太径線の本数が、3本以上であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の撚線導体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撚線導体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電線市場において、電線及びケーブルの細径化、軽量化の観点から、断面が真円形状となる撚線導体が求められている。撚線導体に用いられる線材として、裸銅線、錫メッキ線、ニッケルメッキ線、銀メッキ線、アルミ線、合金線、リッツ線、無酸素銅線、線形結晶無酸素銅線、単結晶状高純度無酸素銅線などが使用される。
【0003】
撚線導体の外形を、真円状に形成したものとして、図15図16に示すように、外層101を構成する太径線102を、周方向に離間して配設し、周方向に最も隣り合う太径線102,102間に1本の中径線103と、1本の細径線104を配設するとともに、中径線103の内側に細径線104を配設し、外層101の内側に内層106を配設した撚線導体110が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6381569公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1において、内層106として、図15に示すように、1本の中心線111で構成、若しくは、図16に示すように、1本の中心線121と中心線121の外側を覆う複数の内層線122で構成することが提案されている。
【0006】
しかし、撚線導体110の内層106として、図15に示すように、1本の中心線111で構成した場合、外層101を構成する大径線102の数が多くなるほど、太く形成する必要があり、撚線導体110の柔軟性が損なわれるという問題がある。
【0007】
また、撚線導体110の内層106として、図16に示すように、1本の中心線121と中心線121の外側を覆う複数の内層線122で構成した場合、外層101と、内層106の内層線122で、構成配列が異なり、撚線導体110の真円形状の維持や、品質特性の均一化が困難となる恐れがあるという問題点がある。
【0008】
そこで、上記問題点を解消した撚線導体を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の課題を解決するために、本願発明は、少なくとも、最外層部と、該最外層部の径方向内側に設けた第1外層部を有し、
各層部は、複数の太径線と、該太径線より細い複数の中径線と、該中径線より細い複数の細径線で構成され、各層部を構成する太径線と中径線と細径線は、何れも同じ本数で構成され、
各層部において、周方向に太径線を離間して配設し、周方向において最も隣り合う太径線間に1本の中径線を配設し、この中径線の内側に、かつ、この中径線に隣接する太径線間に1本の細径線を、配設したことを特徴とするものである。
【0010】
また、前記第1外層部を構成する太径線は、前記最外層部を構成する太径線、若しくは、前記最外層部を構成する細径線と当接するように配設してもよい。
【0011】
また、前記第1外層部の内側に第2外層部を設け、
前記第1外層部を構成する太径線は、前記最外層部を構成する太径線と当接するように配設し、
前記第2外層部を構成する太径線は、前記第1外層部を構成する太径線と当接するように配設してもよい。
【0012】
また、前記第1外層部の内側に第2外層部を設け、
前記第1外層部を構成する太径線は、前記最外層部を構成する細径線と当接するように配設し、
前記第2外層部を構成する太径線は、前記第1外層部を構成する細径線と当接するように配設してもよい。
【0013】
また、前記第1外層部の内側に第2外層部を設け、
前記第1外層部を構成する太径線は、前記最外層部を構成する太径線と当接するように配設し、
前記第2外層部を構成する太径線は、前記第1外層部を構成する細径線と当接するように配設してもよい。
【0014】
また、前記第1外層部の内側に第2外層部を設け、
前記第1外層部を構成する太径線は、前記最外層部を構成する細径線と当接するように配設し、
前記第2外層部を構成する太径線は、前記第1外層部を構成する太径線と当接するように配設してもよい。
【0015】
また、各層部において、太径線の直径を、中径線の直径と、細径線の直径の和と同じにしてもよい。
【0016】
また、前記撚線導体の中心から、前記最外層部を構成する中径線の外縁端までの距離と、前記撚線導体の中心から、前記最外層部を構成する太径線の外縁端までの距離が同じとしてもよい。
【0017】
また、各層部を構成する太径線の本数が、3本以上とてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本願発明によれば、少なくとも、最外層部と、該最外層部の径方向内側に設けた第1外層部を有し、各層部は、複数の太径線と、太径線より細い複数の中径線と、中径線より細い複数の細径線で構成され、各層部を構成する太径線と中径線と細径線は、何れも同じ本数で構成され、各層部において、周方向に太径線を離間して配設し、周方向において最も隣り合う太径線間に1本の中径線を配設し、この中径線の内側に、かつ、この中径線に隣接する太径線間に1本の細径線を、配設したことにより、従来技術の撚線導体110より内層を細く形成でき、撚線導体110より柔軟性を高くすることができる。
【0019】
また、最外層部と第1外層部の構成配列を同じようにすることができ、撚線導体110と比較して、真円形状の維持や、品質特性の均一化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施例1に係る撚線導体の横断面図。
図2】本発明の実施例3に係る撚線導体の一例を示す横断面図。
図3】本発明の実施例3に係る撚線導体の他例を示す横断面図。
図4】本発明の実施例4に係る撚線導体の一例を示す横断面図。
図5】本発明の実施例4に係る撚線導体の他例を示す横断面図。
図6】本発明の実施例4に係る撚線導体の他例を示す横断面図。
図7】本発明の実施例5に係る撚線導体の一例を示す横断面図。
図8】本発明の実施例5に係る撚線導体の他例を示す横断面図。
図9】本発明の実施例6に係る撚線導体の一例を示す横断面図。
図10】本発明の実施例6に係る撚線導体の他例を示す横断面図。
図11】本発明の実施例7に係る撚線導体の一例を示す横断面図。
図12】本発明の実施例7に係る撚線導体の他例を示す横断面図。
図13】本発明の実施例8に係る撚線導体の一例を示す横断面図。
図14】本発明の実施例8に係る撚線導体の他例を示す横断面図。
図15】従来技術の撚撚線導体の横断面図。
図16】従来技術の撚撚線導体の横断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明を実施するための形態を図に基づいて説明する。
【0022】
[実施例1]
図1は、本発明の実施例1に係る撚線導体1の軸方向と直交する方向に切断した横断面図で、その各素線の断面を示す斜線は、図の煩雑を避けるために省略した。
【0023】
撚線導体1は、最外層太径線2、最外層中径線3、最外層細径線4,第1外層太径線5、第1外層中径線6、第1外層細径線7、中心線8の7種類の素線で構成されている。
【0024】
最外層太径線2、最外層中径線3、最外層細径線4,第1外層太径線5、第1外層中径線6、第1外層細径線7は、夫々、同じ本数である3本で構成されている。
【0025】
各素線2,3,4,5,6,7,8の基となる線材としては、裸銅線、無酸素銅線、線形結晶無酸素銅線、単結晶状高純度無酸素銅線等の銅線、この銅線に、錫、ニッケル、銀等をメッキしたもの、アルミ線、各種合金線、及び、エナメル線、リッツ線、ホルマル線等の絶縁被覆されたもの等を使用することができる。各素線2,3,4,5,6,7,8の素材は、同じ素材を用いてもよいし、異なる素材を用いてもよい。
【0026】
図1に示すように、太径線である3本の最外層太径線2は、撚線導体1の中心Aを中心とする周方向に、相互に離間するように配設されている。
【0027】
撚線導体1の中心Aを中心とする周方向において、隣り合う最外層太径線2,2間に、1本の中径線である最外層中径線3が、最外層太径線2,2に当接するように配設されている。最外層中径線3の直径d2は、最外層太径線2の直径d1より細く形成されている。
【0028】
撚線導体1の中心Aを中心とする周方向において、隣り合う最外層太径線2,2間で、かつ、最外層中径線3における撚線導体1の中心Aとする径方向の内側に、1本の、細径線である最外層細径線4が、隣接する最外層太径線2,2と最外層中径線3に当接するように配設されている。最外層細径線4の直径d3は、最外層中径線3の直径d2より細く形成されている。最外層部10において、最外層太径線2の直径d1が、最外層中径線3の直径d2と、最外層細径線4の直径d3の和となるように素線2,3,4,を構成することが好ましい。
【0029】
3本の最外層太径線2と、3本の最外層中径線3と、3本の最外層細径線4で、最外層部10が構成されている。
【0030】
最外層部10における撚線導体1の中心Aを中心とする径方向内側に、第1外層部11が設けられている。
【0031】
第1外層部11は、3本の太径線である第1外層太径線5と、3本の中径線である第1外層中径線6と、3本の細径線である第1外層細径線7で構成されている。第1外層太径線5の直径d4は、最外層太径線2の直径d1より細く、第1外層中径線6の直径d5は、第1外層太径線5の直径d4より細く、第1外層細径線7の直径d6は、第1外層中径線6の直径d5より細く形成されている。第1外層部11において、第1外層太径線5の直径d4が、第1外層中径線6の直径d5と、第1外層細径線7の直径d6の和となるように、素線5,6,7を構成することが好ましい。
【0032】
最外層太径線2における撚線導体1の中心Aを中心とする径方向内側に、1本の第1外層太径線5が、最外層太径線2に当接するように配設されている。撚線導体1の中心Aと第1外層太径線5の中心を結ぶ線上に、最外層太径線2が位置するように配設されている。なお、線導体1の中心Aと第1外層太径線5の中心を結ぶ線上に、最外層太径線2の中心が、位置することが好ましい。
【0033】
第1外層太径線5は、撚線導体1の中心Aを中心とする周方向において、相互に離間するように配設されている。
【0034】
撚線導体1の中心Aを中心とする周方向において、隣り合う第1外層太径線5,5間に、1本の第1外層中径線6が、第1外層太径線5,5に当接するように配設されている。撚線導体1の中心Aを中心とする周方向において、隣り合う第1外層太径線5,5間で、かつ、第1外層中径線6における撚線導体1の中心Aとする径方向の内側に、1本の第1外層細径線7が、隣接する第1外層太径線5,5と第1外層中径線6に当接するように配設されている。
【0035】
すなわち、最外層細径線4における撚線導体1の中心Aを中心とする径方向内側に、1本の第1外層中径線6が、最外層細径線4に当接するように配設されている。
【0036】
撚線導体1の中心Aと第1外層細径線7の中心を結ぶ線上に、第1外層中径線6と最外層細径線4と最外層中径線3が位置するように配設されている。なお、撚線導体1の中心Aと第1外層細径線7の中心を結ぶ線上に、第1外層中径線6の中心と、最外層細径線4の中心と、最外層中径線3の中心が、位置することが好ましい。
【0037】
第1外層部11における撚線導体1の中心Aを中心とする径方向内側に、内層部12を構成する1本の中心線8が、隣接する第1外層太径線5と第1外層細径線7に当接するように配設されている。
【0038】
本実施例1では、d1=1.449×d2,d3=0.449×d2,d4=0.296×d2,d5=0.203×d2,d6=0.093×d2,d7=0.161×d2の関係が成立する各素線2,3,4,5,6,7,8を用いた。
【0039】
また、撚線導体1の断面形状が、略真円形状、つまり、撚線導体1の中心Aから最外層太径線2の最外縁端Bまでの距離L1と、撚線導体1の中心Aから最外層中径線3の最外縁端Cまでの距離L2が略同一となるように形成されている。
【0040】
本願発明の撚線導体1は、上記の構造を有しているために、次のような作用、効果を奏する。
【0041】
撚線導体1の外形形状を圧縮することなく、略真円形状とし、かつ、素線2,3,4,5,6,7,8が、隣接する略全ての素線2,3,4,5,6,7,8と接触することができる。また、撚線導体1の外形を圧縮することなく略真円形状とすることができる。
【0042】
また、最外層部10と第1外層部11を、同様の配列で構成したことにより、撚線導体1を、中心Aから径方向の外側に向かう直線上に、各素線2,3,4,5,6,7,8を規則的に配列し、各層部の積層密度を高め、各素線2,3,4,5,6,7,8は、のび特性、柔軟性、可とう性等の物理特性を損うことがなく、物理特性を維持することができる。そのため、撚線導体1は、信頼性の高い品質を得ることができ、自動車用電線分野や、音響電線分野等において有効に活用することができる。
【0043】
また、撚線導体1は、中心線8を、従来技術の撚線導体110よりも細く形成でき、この撚線導体110よりも柔軟性を高くすることができる。
【0044】
また、最外層部10と第1外層部11の構成配列を同じようにすることができ、従来技術の撚線導体110と比較して、撚線導体1の真円形状の維持や、品質特性の均一化を図ることができる。
【0045】
[実施例2]
上記実施例1の撚線導体1を構成する素線を、最外層中径線3の直径d2が、最外層太径線2の直径d1より細く、最外層細径線4の直径d3は、最外層中径線3の直径d2より細いとともに、第1外層中径線6の直径d5が、第1外層太径線5の直径d4より細く、第1外層細径線7の直径d6が、第1外層中径線6の直径d5より細いものを用いて各素線2,3,4,5,6,7,8及び撚線導体1を構成すれば、上記実施例1に記載の径を有する素線以外にも任意の素線を用いて撚線導体1を構成することができる。また、撚線導体1において最も外側に位置する層である最外層部10の外側から圧縮ダイス等により、圧縮してもよい。
【0046】
なお、最外層部10において、最外層太径線2の直径d1は、最外層中径線3の直径d2と、最外層細径線4の直径d3の和となるとともに、第1外層部11において、第1外層太径線5の直径d4は、第1外層中径線6の直径d5と、第1外層細径線7の直径d6の和となるように各素線2,3,4,5,6,7を構成することが好ましい。
【0047】
この圧縮により、最外層部10を構成する最外層太径線2と最外層中径線3の外周部は、圧縮変形され、撚線導体の外形形状をより真円形状に近づけることができる。圧縮ダイス等による圧縮は、撚線導体1を製造する際に行っても良いし、撚線導体1を製造した後に行っても良い。なお、圧縮率に関しては、任意に設定する。
【0048】
その他の構造は、上記実施例1と同様であるため説明を省略する。
【0049】
本実施例2においても、上記実施例1と同様の作用効果を発揮することができる。
【0050】
[実施例3]
上記実施例1,2においては、最外層太径線2、最外層中径線3、最外層細径線4,第1外層太径線5、第1外層中径線6、第1外層細径線7を、夫々、同じ本数である3本で構成したが、最外層太径線2、最外層中径線3、最外層細径線4,第1外層太径線5、第1外層中径線6、第1外層細径線7の本数が同じであればよいとともに、本数が3本以上であれば夫々任意の本数に設定することができる。
【0051】
最外層太径線2、最外層中径線3、最外層細径線4,第1外層太径線5、第1外層中径線6、第1外層細径線7は、上記実施例1,2と同様の規則性で配列されている。なお、最外層部10において、最外層太径線2の直径d1は、最外層中径線3の直径d2と、最外層細径線4の直径d3の和となるとともに、第1外層部11において、第1外層太径線5の直径d4は、第1外層中径線6の直径d5と、第1外層細径線7の直径d6の和となるように各素線2,3,4,5,6,7を構成することが好ましい。
【0052】
例えば、図2に示すように、最外層太径線2、最外層中径線3、最外層細径線4,第1外層太径線5、第1外層中径線6、第1外層細径線7を、夫々5本で構成とした撚線導体21の場合には、d1=1.636×d2,d3=0.636×d2,d4=0.656×d2,d5=0.404×d2,d6=0.252×d2,d7=0.869×d2の関係が成立する各素線2,3,4,5,6,7,8の基となる線材を用いることで、非圧縮若しくは低い圧縮率で、撚線導体21の断面形状を略真円形状とするとことができる。
【0053】
例えば、図3に示すように、最外層太径線2、最外層中径線3、最外層細径線4,第1外層太径線5、第1外層中径線6、第1外層細径線7を、夫々6本で構成とした撚線導体22の場合には、d1=1.691×d2,d3=0.691×d2,d4=0.787×d2,d5=0.468×d2,d6=0.319×d2,d7=1.426×d2の関係が成立する各素線2,3,4,5,6,7,8の基となる線材を用いることで、非圧縮若しくは低い圧縮率で、撚線導体22の断面形状を略真円形状とするとことができる。
【0054】
その他の構造は、上記実施例1,2と同様であるため説明を省略する。
【0055】
本実施例3においても、上記実施例1,2と同様の作用効果を発揮することができる。
【0056】
[実施例4]
上記実施例1乃至3においては、最外層太径線2における撚線導体1の中心Aを中心とする径方向内側に、1本の第1外層太径線5を、最外層太径線2に当接するように配設し、最外層細径線4における撚線導体1の中心Aを中心とする径方向内側に、1本の第1外層中径線6を、最外層細径線4に当接するように配設したが、上記実施例1乃至3の撚線導体1,21,22の第1外層部11を周方向に回動させて、図4図6に示すように、最外層太径線2における撚線導体1の中心Aを中心とする径方向内側に、1本の第1外層中径線6を、最外層太径線2に当接するように配設し、最外層細径線4における撚線導体1の中心Aを中心とする径方向内側に、1本の第1外層太径線5を、最外層細径線4に当接するように配設した第1外層部25とした撚線導体27,28,29としてもよい。
【0057】
最外層部10と第1外層部25は、夫々、上記実施例1乃至3における最外層部10と第1外層部11と同様に構成されている。なお、最外層部10において、最外層太径線2の直径d1は、最外層中径線3の直径d2と、最外層細径線4の直径d3の和となるとともに、第1外層部11において、第1外層太径線5の直径d4は、第1外層中径線6の直径d5と、第1外層細径線7の直径d6の和となるように各素線2,3,4,5,6,7を構成することが好ましい。
【0058】
その他の構造は、上記実施例1乃至3と同様であるため説明を省略する。
【0059】
本実施例4においても、上記実施例1乃至3と同様の作用効果を発揮することができる。
【0060】
[実施例5]
本実施例5は、上記実施例1乃至3の撚線導体1,21,22の第1外層部11,25における撚線導体1の中心Aを中心とする径方向内側に、第2外層部30を設けた実施例である。最外層部10と第1外層部11,25は、上記実施例1乃至3の撚線導体1,21,22の最外層部10と第1外層部11,25と同様に構成する。
【0061】
第2外層部30は、太径線である第2外層太径線31と、中径線である第2外層中径線32と、細径線である第2外層細径線33で構成されている。第2外層太径線31、第2外層中径線32、第2外層細径線33の本数は、最外層太径線2、最外層中径線3、最外層細径線4,第1外層太径線5、第1外層中径線6、第1外層細径線7の夫々の本数と、同じ本数で構成されている。
【0062】
第2外層太径線31の直径d8は、第1外層太径線5の直径d4より細く、第2外層中径線32の直径d9は、第2外層太径線31の直径d8より細く、第2外層細径線33の直径d10は、第2外層中径線32の直径d9より細く形成されている。なお、第2外層部30において、第2外層太径線31の直径d8は、第2外層中径線32の直径d9と、第2外層細径線33の直径d10の和となるように各素線31,32,33を構成することが好ましい。
【0063】
第1外層太径線5における撚線導体1の中心Aを中心とする径方向内側に、1本の第2外層太径線31が、第1外層太径線5と当接するように配設されている。撚線導体1の中心Aと第2外層太径線31の中心を結ぶ線上に、最外層太径線2と第1外層太径線5が位置するように配設されている。なお、線導体1の中心Aと第2外層太径線31の中心を結ぶ線上に、最外層太径線2の中心と第1外層太径線5の中心が、位置することが好ましい。
【0064】
第2外層太径線31は、撚線導体1の中心Aを中心とする周方向において、相互に離間するように配設されている。
【0065】
撚線導体1の中心Aを中心とする周方向において、隣り合う第2外層太径線31,31間に、1本の第2外層中径線32が、第2外層太径線31,31に当接するように配設されている。撚線導体1の中心Aを中心とする周方向において、隣り合う第2外層太径線31,31間で、かつ、第2外層中径線32における撚線導体1の中心Aとする径方向の内側に、1本の第2外層細径線33が、隣接する第2外層太径線31,31と第2外層中径線32に当接するように配設されている。
【0066】
すなわち、第1外層細径線7における撚線導体1の中心Aを中心とする径方向内側に、1本の第2外層中径線32が、第1外層細径線7に当接するように配設されている。
【0067】
撚線導体1の中心Aと第2外層細径線33の中心を結ぶ線上に、第2外層中径線32、第1外層中径線6、第1外層細径線7、最外層細径線4、最外層中径線3が位置するように配設されている。なお、撚線導体1の中心Aと第2外層細径線33の中心を結ぶ線上に、第2外層中径線32の中心と、第1外層中径線6の中心と、第1外層細径線7の中心と、最外層細径線4の中心と、最外層中径線3の中心が、位置することが好ましい。
【0068】
第2外層部30における撚線導体1の中心Aを中心とする径方向内側に、内層部35を構成する1本の中心線36が、第2外層太径線31と第2外層細径線33に当接するように配設されている。
【0069】
例えば、図7に示すように、最外層太径線2、最外層中径線3、最外層細径線4,第1外層太径線5、第1外層中径線6、第1外層細径線7、第2外層太径線31、第2外層中径線32、第2外層細径線33を、夫々8本とした撚線導体38の場合には、d1=1.750×d2,d3=0.750×d2,d4=1.00×d2,d5=0.568×d2,d6=0.432×d2,d7=1.557×d2,d8=0.579×d2,d9=0.329×d2,d10=0.250の関係が成立する各素線2,3,4,5,6,7,31,32,33,36の基となる線材を用いることで、非圧縮若しくは低い圧縮率で、撚線導体38の断面形状を略真円形状とするとことができる。
【0070】
例えば、図8に示すように、最外層太径線2、最外層中径線3、最外層細径線4,第1外層太径線5、第1外層中径線6、第1外層細径線7、第2外層太径線31、第2外層中径線32、第2外層細径線33を、夫々10本とした撚線導体39の場合には、d1=1.800×d2,d3=0.800×d2,d4=1.152×d2,d5=0.647×d2,d6=0.505×d2,d7=2.600×d2,d8=0.729×d2,d9=0.411×d2,d10=0.318の関係が成立する各素線2,3,4,5,6,7,31,32,33,36の基となる線材を用いることで、非圧縮若しくは低い圧縮率で、撚線導体39の断面形状を略真円形状とするとことができる。
【0071】
その他の構造は、上記実施例1乃至3と同様であるため説明を省略する。
【0072】
本実施例5においても、上記実施例1乃至3と同様の作用効果を発揮することができる。
【0073】
[実施例6]
上記実施例5における撚線導体38,39において、最外層太径線2における撚線導体1の中心Aを中心とする径方向内側に、1本の第1外層太径線5を、最外層太径線2に当接するように配設し、最外層細径線4における撚線導体1の中心Aを中心とする径方向内側に、1本の第1外層中径線6を、最外層細径線4に当接するように配設した第1外層部11とするとともに、第1外層太径線5における撚線導体1の中心Aを中心とする径方向内側に、1本の第2外層太径線31が、第1外層太径線5に当接するように配設され、第1外層細径線7における撚線導体1の中心Aを中心とする径方向内側に、1本の第2外層中径線32が、第1外層細径線7に当接するように配設した第2外層部30としたが、
上記実施例5の撚線導体38,39の第1外層部11を周方向に回動させて、図9図10に示すように、最外層太径線2における撚線導体1の中心Aを中心とする径方向内側に、1本の第1外層中径線6を、最外層太径線2に当接するように配設し、最外層細径線4における撚線導体1の中心Aを中心とする径方向内側に、1本の第1外層太径線5を、最外層細径線4に当接するように配設したた第1外層部25とするともに、第1外層太径線5における撚線導体1の中心Aを中心とする径方向内側に、1本の第2外層中径線32が、第1外層太径線5に当接するように配設され、第1外層細径線7における撚線導体1の中心Aを中心とする径方向内側に、1本の第2外層太径線31が、第1外層細径線7に当接するように配設した第2外層部40とした撚線導体42,43としてもよい。
【0074】
その他の構造は、上記実施例5と同様であるため説明を省略する。
【0075】
本実施例6においても、上記実施例5と同様の作用効果を発揮することができる。
【0076】
[実施例7]
上記実施例5における撚線導体38,39において、最外層太径線2における撚線導体1の中心Aを中心とする径方向内側に、1本の第1外層太径線5を、最外層太径線2に当接するように配設し、最外層細径線4における撚線導体1の中心Aを中心とする径方向内側に、1本の第1外層中径線6を、最外層細径線4に当接するように配設した第1外層部11とするとともに、第1外層太径線5における撚線導体1の中心Aを中心とする径方向内側に、1本の第2外層太径線31が、第1外層太径線5に当接するように配設され、第1外層細径線7における撚線導体1の中心Aを中心とする径方向内側に、1本の第2外層中径線32が、第1外層細径線7に当接するように配設した第2外層部30としたが、
上記実施例5の撚線導体38,39の第2外層部30を周方向に回動させて、図11図12に示すように、最外層太径線2における撚線導体1の中心Aを中心とする径方向内側に、1本の第1外層太径線5を、最外層太径線2に当接するように配設し、最外層細径線4における撚線導体1の中心Aを中心とする径方向内側に、1本の第1外層中径線6を、最外層細径線4に当接するように配設した第1外層部11とするともに、第1外層太径線5における撚線導体1の中心Aを中心とする径方向内側に、1本の第2外層中径線32が、第1外層太径線5に当接するように配設され、第1外層細径線7における撚線導体1の中心Aを中心とする径方向内側に、1本の第2外層太径線31が、第1外層細径線7に当接するように配設した第2外層部41とした撚線導体45,46としてもよい。
【0077】
その他の構造は、上記実施例5と同様であるため説明を省略する。
【0078】
本実施例6においても、上記実施例5と同様の作用効果を発揮することができる。
【0079】
[実施例8]
上記実施例6における撚線導体42,43において、最外層太径線2における撚線導体1の中心Aを中心とする径方向内側に、1本の第1外層中径線6を、最外層太径線2に当接するように配設し、最外層細径線4における撚線導体1の中心Aを中心とする径方向内側に、1本の第1外層太径線5を、最外層細径線4に当接するように配設したた第1外層部25とするともに、第1外層太径線5における撚線導体1の中心Aを中心とする径方向内側に、1本の第2外層中径線32が、第1外層太径線5に当接するように配設され、第1外層細径線7における撚線導体1の中心Aを中心とする径方向内側に、1本の第2外層太径線31が、第1外層細径線7に当接するように配設した第2外層部40としたが、
上記実施例6の撚線導体42,43の第2外層部40を周方向に回動させて、図13図14に示すように、最外層太径線2における撚線導体1の中心Aを中心とする径方向内側に、1本の第1外層中径線6を、最外層太径線2に当接するように配設し、最外層細径線4における撚線導体1の中心Aを中心とする径方向内側に、1本の第1外層太径線5を、最外層細径線4に当接するように配設したた第1外層部25とするともに、第1外層太径線5における撚線導体1の中心Aを中心とする径方向内側に、1本の第2外層太径線31が、第1外層太径線5に当接するように配設され、第1外層細径線7における撚線導体1の中心Aを中心とする径方向内側に、1本の第2外層中径線32が、第1外層細径線7に当接するように配設した第2外層部44とした撚線導体48,49としてもよい。
【0080】
その他の構造は、上記実施例6と同様であるため説明を省略する。
【0081】
本実施例6においても、上記実施例6と同様の作用効果を発揮することができる。
【0082】
[実施例9]
上記実施例1乃至8においては、内層部12,35として、1本の中心線8,36で構成したが、複数の素線で構成してもよいし、任意の直径からなる複数本の素線や、カーボンファイバー等の任意の素材で構成された線材を配列するようにしてもよい。
【0083】
その他の構造は、上記実施例1乃至8と同様であるため説明を省略する。
【0084】
本実施例9においても、上記実施例1乃至8と同様の作用効果を発揮することができる。
【符号の説明】
【0085】
1,21,22,27,28,29,38,39,42,43,45,46,48,49 撚線導体
2,5,31 太径線
3,6,32 中径線
4,7,33 細径線
10 最外層部
11,25第1外層部
30,40,41,44 第2外層部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2023-02-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、最外層部と、該最外層部の径方向内側に設けた第1外層部を有し、
各層部は、複数の太径線と、該太径線より細い複数の中径線と、該中径線より細い複数の細径線で構成され、各層部を構成する太径線と中径線と細径線は、何れも同じ本数で構成され、
各層部において、周方向に太径線を離間して配設し、周方向において最も隣り合う太径線間に1本の中径線を配設し、この中径線の内側に、かつ、この中径線に隣接する太径線間に1本の細径線を、配設し、
前記撚線導体の中心から、前記最外層部を構成する中径線の外縁端までの距離と、前記撚線導体の中心から、前記最外層部を構成する太径線の外縁端までの距離が同じであることを特徴とする撚線導体。
【請求項2】
前記第1外層部を構成する太径線は、前記最外層部を構成する太径線、若しくは、前記最外層部を構成する細径線と当接するように配設したことを特徴とする請求項1記載の撚線導体。
【請求項3】
前記第1外層部の内側に第2外層部を設け、
前記第1外層部を構成する太径線は、前記最外層部を構成する太径線と当接するように配設し、
前記第2外層部を構成する太径線は、前記第1外層部を構成する太径線と当接するように配設したことを特徴とする請求項1記載の撚線導体。
【請求項4】
前記第1外層部の内側に第2外層部を設け、
前記第1外層部を構成する太径線は、前記最外層部を構成する細径線と当接するように配設し、
前記第2外層部を構成する太径線は、前記第1外層部を構成する細径線と当接するように配設したことを特徴とする請求項1記載の撚線導体。
【請求項5】
前記第1外層部の内側に第2外層部を設け、
前記第1外層部を構成する太径線は、前記最外層部を構成する太径線と当接するように配設し、
前記第2外層部を構成する太径線は、前記第1外層部を構成する細径線と当接するように配設したことを特徴とする請求項1記載の撚線導体。
【請求項6】
前記第1外層部の内側に第2外層部を設け、
前記第1外層部を構成する太径線は、前記最外層部を構成する細径線と当接するように配設し、
前記第2外層部を構成する太径線は、前記第1外層部を構成する太径線と当接するように配設したことを特徴とする請求項1記載の撚線導体。
【請求項7】
各層部において、太径線の直径を、中径線の直径と、細径線の直径の和と同じにしたことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の撚線導体。
【請求項8】
各層部を構成する太径線の本数が、3本以上であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の撚線導体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
前記の課題を解決するために、本願発明は、少なくとも、最外層部と、該最外層部の径方向内側に設けた第1外層部を有し、
各層部は、複数の太径線と、該太径線より細い複数の中径線と、該中径線より細い複数の細径線で構成され、各層部を構成する太径線と中径線と細径線は、何れも同じ本数で構成され、
各層部において、周方向に太径線を離間して配設し、周方向において最も隣り合う太径線間に1本の中径線を配設し、この中径線の内側に、かつ、この中径線に隣接する太径線間に1本の細径線を、配設し、
前記撚線導体の中心から、前記最外層部を構成する中径線の外縁端までの距離と、前記撚線導体の中心から、前記最外層部を構成する太径線の外縁端までの距離が同じであることを特徴とするものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正書】
【提出日】2023-03-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、最外層部と、該最外層部の径方向内側に設けた第1外層部を有する撚線導体であって
各層部は、複数の太径線と、該太径線より細い複数の中径線と、該中径線より細い複数の細径線で構成され、各層部を構成する太径線と中径線と細径線は、何れも同じ本数で構成され、
各層部において、周方向に太径線を離間して配設し、周方向において最も隣り合う太径線間に1本の中径線を配設し、この中径線の内側に、かつ、この中径線に隣接する太径線間に1本の細径線を、配設し、
前記撚線導体の中心から、前記最外層部を構成する中径線の外縁端までの距離と、前記撚線導体の中心から、前記最外層部を構成する太径線の外縁端までの距離が同じであることを特徴とする撚線導体。
【請求項2】
前記第1外層部を構成する太径線は、前記最外層部を構成する太径線、若しくは、前記最外層部を構成する細径線と当接するように配設したことを特徴とする請求項1記載の撚線導体。
【請求項3】
前記第1外層部の内側に第2外層部を設け、
前記第1外層部を構成する太径線は、前記最外層部を構成する太径線と当接するように配設し、
前記第2外層部を構成する太径線は、前記第1外層部を構成する太径線と当接するように配設したことを特徴とする請求項1記載の撚線導体。
【請求項4】
前記第1外層部の内側に第2外層部を設け、
前記第1外層部を構成する太径線は、前記最外層部を構成する細径線と当接するように配設し、
前記第2外層部を構成する太径線は、前記第1外層部を構成する細径線と当接するように配設したことを特徴とする請求項1記載の撚線導体。
【請求項5】
前記第1外層部の内側に第2外層部を設け、
前記第1外層部を構成する太径線は、前記最外層部を構成する太径線と当接するように配設し、
前記第2外層部を構成する太径線は、前記第1外層部を構成する細径線と当接するように配設したことを特徴とする請求項1記載の撚線導体。
【請求項6】
前記第1外層部の内側に第2外層部を設け、
前記第1外層部を構成する太径線は、前記最外層部を構成する細径線と当接するように配設し、
前記第2外層部を構成する太径線は、前記第1外層部を構成する太径線と当接するように配設したことを特徴とする請求項1記載の撚線導体。
【請求項7】
各層部において、太径線の直径を、中径線の直径と、細径線の直径の和と同じにしたことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の撚線導体。
【請求項8】
各層部を構成する太径線の本数が、3本以上であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の撚線導体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
前記の課題を解決するために、本願発明は、少なくとも、最外層部と、該最外層部の径方向内側に設けた第1外層部を有する撚線導体であって
各層部は、複数の太径線と、該太径線より細い複数の中径線と、該中径線より細い複数の細径線で構成され、各層部を構成する太径線と中径線と細径線は、何れも同じ本数で構成され、
各層部において、周方向に太径線を離間して配設し、周方向において最も隣り合う太径線間に1本の中径線を配設し、この中径線の内側に、かつ、この中径線に隣接する太径線間に1本の細径線を、配設し、
前記撚線導体の中心から、前記最外層部を構成する中径線の外縁端までの距離と、前記撚線導体の中心から、前記最外層部を構成する太径線の外縁端までの距離が同じであることを特徴とするものである。