(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000840
(43)【公開日】2024-01-09
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/46 20060101AFI20231226BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20231226BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20231226BHJP
H01L 33/48 20100101ALI20231226BHJP
【FI】
G09F9/46 Z
G09F9/33
G09F9/30 317
H01L33/48
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022099786
(22)【出願日】2022-06-21
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】池田 雅延
【テーマコード(参考)】
5C094
5F142
【Fターム(参考)】
5C094AA05
5C094AA10
5C094BA03
5C094BA07
5C094BA23
5C094CA20
5C094DA03
5C094DA12
5C094ED14
5C094FA02
5F142BA32
5F142CB14
5F142CB23
5F142CF13
5F142CG03
5F142DB24
5F142GA02
(57)【要約】
【課題】輝度及び精細度が高い表示装置を提供すること。
【解決手段】表示装置であって、第1の面及び前記第1の面と反対側の第2の面を含み、前記第2の面に第1の画素に含まれる第1のLEDチップ、第1のFPC及び前記第1のLEDチップと前記第1のFPCとに接続された第1の配線が配置された第1の基板と、第3の面及び前記第3の面と反対側の第4の面を含み、前記第4の面に第2の画素に含まれる第2のLEDチップ、第2のFPC及び前記第2のLEDチップと前記第2のFPCとに接続された第2の配線を含む第2の基板と、を含み、前記第2の面は前記第3の面に対向し、前記第2の配線は前記第1の配線に重畳し、平面視において、前記第2のLEDチップと前記第1のLEDチップとは、並んで配置される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面及び前記第1の面と反対側の第2の面を含み、前記第2の面に第1の画素に含まれる第1のLEDチップ、第1のFPC及び前記第1のLEDチップと前記第1のFPCとに接続された第1の配線が配置された第1の基板と、
第3の面及び前記第3の面と反対側の第4の面を含み、前記第4の面に第2の画素に含まれる第2のLEDチップ、第2のFPC及び前記第2のLEDチップと前記第2のFPCとに接続された第2の配線を含む第2の基板と、
を含み、
前記第2の面は前記第3の面に対向し、
前記第2の配線は前記第1の配線に重畳し、
平面視において、前記第2のLEDチップと前記第1のLEDチップとは並んで配置される、
表示装置。
【請求項2】
前記第1のFPCは前記第2の面側の端部に配置され、
前記第2のFPCは、前記第1のFPCと反対側の前記第4の面側の端部に配置される、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1のLEDチップの大きさは、前記第2のLEDチップの大きさより大きい、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示装置は、第1の放熱層、第2の放熱層、及び第3の放熱層をさらに含み、
前記第1の放熱層は前記第1の面側に配置され、
前記第2の放熱層は、前記第1のLEDチップに重畳する第1の開口部を含み、前記第2の面側に配置され、
前記第3の放熱層は、前記第1のLEDチップ及び前記第1の開口部に重畳する第2の開口部を含み、前記第3の面側に配置される、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1の放熱層、前記第2の放熱層、及び前記第3の放熱層のそれぞれの反射率は、可視光の波長の範囲で10%以下である、
請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第3の放熱層は前記第1のFPC及び前記第2のFPCに重畳し、
前記第3の放熱層の第1の方向の長さは、前記第1の放熱層の前記第1の方向の長さ及び前記第2の放熱層の前記第1の方向の長さより長い、
請求項4に記載の表示装置。
【請求項7】
前記表示装置は、筐体を含み、
前記筐体は、
前記第1の基板及び前記第2の基板を囲うように配置され、
前記第1の放熱層、前記第2の放熱層、及び前記第3の放熱層に接続される、
請求項4に記載の表示装置。
【請求項8】
前記表示装置は、円偏光板、及び前記円偏光板に配置される導電膜をさらに含み、
前記円偏光板は、前記第4の面側に配置され、
前記導電膜は、前記円偏光板と前記第4の面との間に配置される、
請求項5に記載の表示装置。
【請求項9】
前記表示装置は、第4の放熱層をさらに含み、
前記第4の放熱層は、前記第2のLEDチップに重畳する第3の開口部、及び、前記第1のLEDチップ、前記第1の開口部、及び前記第2の開口部に重畳する第4の開口部を含み、前記第4の面側に配置されると共に前記筐体に接続され、
前記第4の放熱層の反射率は、可視光領域の波長の範囲で10%以下である、
請求項7に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1の開口部の大きさ及び前記第2の開口部の大きさは、前記第4の開口部の大きさより大きい、
請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第3の放熱層は、前記第2の開口部を除き、前記第3の面の全面に重畳するように配置される、
請求項7に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第3の放熱層は、平面視において、第1の方向に平行な複数の第1の溝を含む、
請求項7に記載の表示装置。
【請求項13】
前記第3の放熱層は、平面視において、第1の方向に交差する第2の方向に平行な複数の第2の溝を含む、
請求項7に記載の表示装置。
【請求項14】
前記第3の放熱層は、平面視において、第1の方向と前記第1の方向に交差する第2の方向との両方に交差する方向に平行な複数の第3の溝を含む、
請求項7に記載の表示装置。
【請求項15】
前記表示装置は、第3の基板を含み、
前記第3の基板は、前記第2の放熱層と前記第3の放熱層との間に配置され、前記第2の放熱層と前記第3の放熱層に接する、
請求項7に記載の表示装置。
【請求項16】
前記表示装置は、前記第1のLEDチップを駆動する第1の駆動回路と、前記第2のLEDチップを駆動する第2の駆動回路と、前記第1の駆動回路及び前記第2の駆動回路を制御し、前記第1の配線及び前記第2の配線にそれぞれ異なる映像信号を供給する制御装置を含む、
請求項9に記載の表示装置。
【請求項17】
前記表示装置は、前記表示装置を視認可能なユーザーと前記表示装置との距離を測定可能な距離測定装置と、前記距離測定装置によって測定された前記距離に応じて、前記第1の基板と前記第2の基板との間の長さを調整可能な距離変更装置と、をさらに含む、
請求項16に記載の表示装置。
【請求項18】
前記表示装置は、第3のLEDチップ、第4のLEDチップ、第5のLEDチップ、第6のLEDチップ、前記第3のLEDチップ及び前記第1のFPCに接続された第3の配線、前記第4のLEDチップ及び前記第1のFPCに接続された第4の配線、前記第5のLEDチップ及び前記第2のFPCに接続された第5の配線、及び、前記第6のLEDチップ及び前記第2のFPCに接続された第6の配線、とを、さらに含み、
前記第3のLEDチップ、前記第4のLEDチップ、前記第3の配線、及び前記第4の配線は前記第2の面に配置され、
前記第5のLEDチップ、前記第6のLEDチップ、前記第5の配線、及び前記第6の配線は前記第4の面に配置され、
前記第1の画素は、前記第1のLEDチップ、前記第3のLEDチップ、及び前記第4のLEDチップを含み、
前記第2の画素は、前記第2のLEDチップ、前記第5のLEDチップ、及び前記第6のLEDチップを含む、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項19】
前記第1のLEDチップ、前記第3のLEDチップ、及び前記第4のLEDチップの配列、並びに、前記第2のLEDチップ、前記第5のLEDチップ、及び前記第6のLEDチップの配列は、ストライプ配列、モザイク配列、又は、デルタ配列である、
請求項18に記載の表示装置。
【請求項20】
前記表示装置は、複数の前記第1の画素と、複数の前記第2の画素とを含み、
前記複数の前記第1の画素は、第1の方向及び前記第1の方向に交差する第2の方向に配置され、
前記複数の前記第2の画素は、前記第1の方向及び前記第2の方向に配置され、
前記複数の前記第1の画素のピッチは、前記複数の前記第2の画素のピッチと同じである、
請求項18に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数の画素のそれぞれが発光素子を含む表示装置が注目されている。発光素子は、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)、微小な発光ダイオード(マイクロLED)、有機エレクトロルミネッセンス(Electro Luminescence:EL)素子等である。発光素子を含む表示装置は、発光素子に流す電流によって、発光素子の発光強度又は輝度を制御し、画像(映像)を表示することができる。
【0003】
例えば、特許文献1及び2は、画素にマイクロLEDを用いた表示装置(以下において、LED表示装置と記す)を開示している。また、特許文献3は、互いに対向する隣接側端部を近接させて2枚が隣接方向に沿って隣接した状態で配置されると共に、電源接続用のハーネスが接続されるコネクタを隣接側端部に配置したLED基板を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2021/111783号
【特許文献2】国際公開第2020/017303号
【特許文献3】特開2013-30433号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
LED表示装置では、例えば、輝度を高くすると共に精細度を高くすることが求められている。例えば、LED表示装置で輝度を高くするためには、LEDに流す電流を高く(大きく)する必要がある。また、例えば、LED表示装置で精細度を高くするためには、LEDを配置する密度を予め高くする必要がある。しかしながら、LEDに流れる電流が高くなると、非発光性の再結合反応の増加によりLEDが発熱し、LEDの発光効率が低下する。LEDを配置する密度を高くした上で、各LEDに流れる電流が高くなると、温度上昇によるLEDの発光効率の低下はより顕著になる。LEDの発光効率が低下した結果、LED表示装置の輝度は電流を流した分の向上が困難になる問題が発生する。
【0006】
このような課題に鑑み、本発明の一実施形態は、輝度及び精細度が高い表示装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態は、表示装置であって、第1の面及び前記第1の面と反対側の第2の面を含み、前記第2の面に第1の画素に含まれる第1のLEDチップ、第1のFPC及び前記第1のLEDチップと前記第1のFPCとに接続された第1の配線が配置された第1の基板と、第3の面及び前記第3の面と反対側の第4の面を含み、前記第4の面に第2の画素に含まれる第2のLEDチップ、第2のFPC及び前記第2のLEDチップと前記第2のFPCとに接続された第2の配線を含む第2の基板と、を含み、前記第2の面は前記第3の面に対向し、前記第2の配線は前記第1の配線に重畳し、平面視において、前記第2のLEDチップと前記第1のLEDチップとは並んで配置される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る表示装置の構成を示す模式的な平面図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る表示装置の構成を示す模式的な斜視図である。
【
図3】
図2に示される表示装置のA1-A2線の切断面を示す断面図、及び観測者を模式的に示す図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る第1の表示パネル及び制御装置の構成を示す模式的な平面図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係る第1の表示パネル及び制御装置の構成を示す模式的な平面図である。
【
図6】本発明の第1実施形態に係る第1の表示パネルに含まれる複数の画素及び配線の構成を示す模式的な平面図である。
【
図7】本発明の第1実施形態に係る第2の表示パネル及び制御装置の構成を示す模式的な平面図である。
【
図8】本発明の第1実施形態に係る第2の表示パネル及び制御装置の構成を示す模式的な平面図である。
【
図9】本発明の第1実施形態に係る第2の表示パネルに含まれる複数の画素及び配線の構成を示す模式的な平面図である。
【
図10】本発明の第1実施形態に係る表示装置に含まれる複数の画素及び配線の構成を示す模式的な平面図である。
【
図11】
図10に示される複数の画素及び配線の一部を拡大した図である。
【
図12】
図11に示されるB1-B2線の切断面を示す断面図である。
【
図13】本発明の第1実施形態に係る表示装置において、制御装置が機能ブロックで示された図である。
【
図14】本発明の第1実施形態に係る表示装置の表示方法を説明するためのフローチャートである。
【
図15】本発明の第1実施形態に係る表示装置の表示方法を説明するためのタイミングチャートである。
【
図16】本発明の第1実施形態に係る第2の表示パネルに含まれる低反射放熱層の変形例を示す図である。
【
図17】本発明の第1実施形態に係る第2の表示パネルに含まれる低反射放熱層の変形例を示す図である。
【
図18】本発明の第1実施形態に係る第2の表示パネルに含まれる低反射放熱層の変形例を示す図である。
【
図19】(A)、(B)及び(C)は、本発明の第1実施形態に係る画素の配置を示す図である。
【
図20】本発明の第2実施形態に係る表示装置において、制御装置が機能ブロックで示された図である。
【
図21】本発明の第2実施形態に係る表示装置の表示方法を説明するためのフローチャートである。
【
図22】本発明の第3実施形態に係る表示装置の構成を示す模式的な斜視図である。
【
図23】本発明の第4実施形態に係る表示装置の構成を示す模式的な斜視図である。
【
図24】本発明の第5実施形態に係る表示装置の構成を示す模式的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の各実施形態を、図面等を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0010】
図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の構成等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
【0011】
本願の明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号(又は数字の後にa、b、A,Bなどを付した符号)を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。なお、各要素に対する「第1」、「第2」と付記された文字は、各要素を区別するために用いられる便宜的な標識であり、特段の説明がない限りそれ以上の意味を有さない。
【0012】
本願の明細書において、ある部材又は領域が他の部材又は領域の「上に(又は下に)」ある場合は、特段の限定がない限り、他の部材又は領域の直上(又は直下)にある場合、及び他の部材又は領域の上方(又は下方)にある場合を含む。すなわち、ある部材又は領域と、他の部材又は領域の上方(又は下方)と間に、別の構成要素が含まれている場合も含む。
【0013】
本願の明細書において「αはA、B又はCを含む」、「αはA,B及びCのいずれかを含む」、「αはA,B及びCからなる群から選択される一つを含む」、といった表現は、特に明示が無い限り、αはA~Cの複数の組み合わせを含む場合を排除しない。さらに、これらの表現は、αが他の要素を含む場合も排除しない。
【0014】
本願の明細書において、X方向はY方向に交差し、Z方向はX方向及びY方向(XY平面)に交差する。X方向は第1の方向と呼ばれ、Y方向は第2の方向と呼ばれ、Z方向は第3の方向と呼ばれる。
【0015】
本願の明細書において、同一及び一致という表記を用いている場合、同一及び一致には、設計の範囲での誤差が含まれている場合を含んでいてもよい。
【0016】
本願の明細書において、第1の表示パネルでは、第2の面に絶縁層、半導体層及び導電層の各層、或いは、トランジスタ及び発光素子等の各素子が設けられ、第2の表示パネルでは、第4の面に絶縁層、半導体層及び導電層の各層、或いは、トランジスタ及び発光素子等の各素子が設けられる。以下の説明では、特に断りのない限り、第1の表示パネルの断面視においては、第2の面に対して発光素子が配置される側を「上」又は「上面」といい、その逆を「下」又は「下面」として説明し、第2の表示パネルの断面視においては、第4の面に対して発光素子が配置される側を「上」又は「上面」といい、その逆を「下」又は「下面」として説明する。また、第1の表示パネルの「上」に第2の表示パネルが配置される。
【0017】
本願の明細書及び特許請求の範囲において、実施形態の1つである表示装置は、一例として、発光素子にLEDを用いる表示装置である。
【0018】
<第1実施形態>
<1.表示装置10の全体構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係る表示装置10の構成を示す模式的な平面図であり、
図2は、表示装置10の構成を示す模式的な斜視図である。
図3は、
図2に示される表示装置10のA1-A2線の切断面を示す断面図、及び観測者を模式的に示す図である。
【0019】
図1、
図2、又は
図3に示されるように、表示装置10は、第1の表示パネル100、第1のドライバIC106、第2の表示パネル200、第2のドライバIC206、制御装置300、及び筐体400を含む。
【0020】
第1の表示パネル100の上に、第2の表示パネル200が配置される。すなわち、Z方向に、第1の表示パネル100及び第2の表示パネル200が配置される。Z方向において、第1の表示パネル100と第2の表示パネル200との間の距離は、距離H1である。また、観測者30と表示装置10との間の距離は、距離H2である。
【0021】
第1の表示パネル100のX方向の辺の長さは、長さS1であり、Y方向の辺の長さは、長さL1である。第2の表示パネル200のX方向の辺の長さは、長さS2であり、Y方向の辺の長さは、長さL2である。長さS1は長さS2と同一であり、長さL1は長さL2より短い。すなわち、第2の表示パネル200の外径寸法は、第1の表示パネル100の外形寸法より大きい。なお、第2の表示パネル200の外径寸法は、第1の表示パネル100の外形寸法と同一であってもよい。
【0022】
第1の表示パネル100は、複数の画素PIX1(
図4参照)を含む表示部104を含み、第1のドライバIC106に電気的に接続されている。また、第1の表示パネル100は、第1の面112及び第1の面112と反対側の第2の面114を含む基板110と、第1の面112に配置された低反射放熱層120と、第2の面114に配置されたアレイ層130と、アレイ層130の上に配置された絶縁層140及びFPC150を含む。すなわち、第1の表示パネル100では、低反射放熱層120、基板110、アレイ層130、及び絶縁層140が、この順番で、Z方向に積層されている。また、FPC150は、第1の表示パネル100の第2の面114側の端部に配置される。低反射放熱層120は第1の放熱層と呼ばれ、絶縁層140は第2の放熱層と呼ばれる場合がある。
【0023】
第2の表示パネル200は、複数の画素PIX2(
図7参照)を含む表示部204を含み、第2のドライバIC206に電気的に接続されている。また、第2の表示パネル200は、第1の面212及び第1の面212と反対側の第2の面214を含む基板210と、第1の面212に配置された低反射放熱層220と、第2の面214に配置されたアレイ層230と、アレイ層230の上に配置された絶縁層240及びFPC250を含む。すなわち、第2の表示パネル200では、低反射放熱層220、基板210、アレイ層230、及び絶縁層240が、この順番で、Z方向に積層される。また、FPC250は、第2の表示パネル200の第2の面214側の端部に配置される。第1の面212は第3の面と呼ばれ、第2の面214は第4の面と呼ばれ、低反射放熱層220は第3の放熱層と呼ばれ、絶縁層240は第4の放熱層と呼ばれる場合がある。
【0024】
制御装置300は、表示パネル制御回路310及び表示選択回路330を含む。詳細は後述されるが、画素PIX1及び画素PIX2は発光素子を含む。制御装置300は、第1のドライバIC106、第2のドライバIC206、走査信号線駆動回路108、及び走査信号線駆動回路208などに、信号及び電源電圧を供給し、第1の表示パネル100及び第2の表示パネル200に映像を表示することを制御する。
【0025】
筐体400は、側壁410を含む。側壁410には、低反射放熱層120及び低反射放熱層220が接続される。図示は省略されるが低反射放熱層120及び低反射放熱層220は、例えば、金属製のクリップ、配線及びはんだなどを用いて、側壁410に接続される。表示装置10の説明を簡略化するため、図示は省略されるが、筐体400は、側壁410が設けられている辺以外の3辺に設けられる側壁を含み、低反射放熱層120及び低反射放熱層220の4辺を囲うように構成される。側壁410が設けられている辺以外の3辺に設けられる側壁は、側壁410と同様の構成及び機能を有し、低反射放熱層120及び低反射放熱層220に接続される。
【0026】
表示装置10では、第1の表示パネル100及び第2の表示パネル200の表示に伴い発生する熱を、低反射放熱層120及び低反射放熱層220を経由して筐体400に逃がすことができる。すなわち、表示装置10は、熱を逃がす構成(放熱可能な構成)を有する。また、表示装置10は、放熱可能な構成を有することによって、第1の表示パネル100及び第2の表示パネル200の表示に伴い発生する熱に伴う各発光素子の発光効率の低下を抑制することができる。さらに、表示装置10は、放熱可能な構成を有することによって、各発光素子に従来よりたくさんの電流を流すことが可能となり、発光素子の輝度を高く設定することが可能である。
【0027】
また、表示装置10では、FPC250は、Y方向に対して、FPC150と反対側に配置される。FPC250は、FPC150に重畳していない。FPC250とFPC150とが互いに重畳する場合と比較して、FPC250とFPC150とが互いに重畳しないことによって、第1の表示パネル100及び第2の表示パネル200の表示に伴い発生する熱が、FPC近傍に集中することを抑制できる。
【0028】
低反射放熱層220はFPC150及びFPC250に重畳する。また、低反射放熱層220のX方向の長さは、低反射放熱層120のX方向の長さ及び絶縁層140のX方向の長さより長い。すなわち、上述のとおり、表示装置10では、第2の表示パネル200の外径寸法は、第1の表示パネル100の外形寸法より大きい。その結果、第2の表示パネル200は、FPC150に重畳し、FPC150を隠すことができる。
【0029】
<2.第1の表示パネル100及び制御装置300の構成>
図4及び
図5は、第1の表示パネル100及び制御装置300の構成を示す模式的な平面図である。
図6は第1の表示パネル100に含まれる複数の画素PIX1及び配線(映像信号線186a~186f)の構成を示す模式的な平面図である。
図1~
図3と同一、又は類似する構成については、ここでの説明を省略する。
【0030】
はじめに、
図4を用いて、第1の表示パネル100及び制御装置300のブロック構成について説明する。
図4に示されるように、第1の表示パネル100は、表示部104、及び周辺部116に大別される。第1の表示パネル100は、基板110、第1のドライバIC106、走査信号線駆動回路108、FPC(Flexible Printed Circuit)150、複数の画素PIX1、配線124、及び配線126を含む。
【0031】
上述のとおり、表示部104は、複数の画素PIX1を含む。周辺部116は、第1のドライバIC106、走査信号線駆動回路108、端子部111、FPC150、及び複数の配線124を含む。表示部104及び周辺部116は、複数の配線126を含む。端子部111は、複数の端子115、及び複数の端子118を含む。走査信号線駆動回路108、複数の端子115、複数の端子118、及び複数の画素PIX1は、基板110の第2の面114(
図2参照)に配置される。第1のドライバIC106は、FPC150の上面に配置される。
【0032】
複数の画素PIX1は、X方向及びY方向にマトリクス状に配列される。複数の画素PIX1のそれぞれは、複数のサブ画素160R、160G、160Bを含む。例えば、サブ画素160Rは赤色に発光する発光素子RLED1を有し、サブ画素160Gは緑色に発光する発光素子GLED1を有し、サブ画素160Bは青色に発光する発光素子BLED1を有する。表示装置10では、発光素子RLED1、GLED1、BLED1のそれぞれがLEDチップと呼ばれることがある。
【0033】
複数の配線124は、表示部104と複数の端子115との間に配置される。複数の配線126は、走査信号線駆動回路108と複数の端子118との間に配置される。また、表示装置10では、配線132が、表示部104及び走査信号線駆動回路108を囲うように配置されてもよい。
【0034】
第1のドライバIC106は第2の面114(
図2及び
図3参照)に配置されてもよく、第1のドライバIC106に含まれる駆動回路の一部又は全部が第2の面114に直接形成されてもよい。また、走査信号線駆動回路108に含まれる駆動回路の一部又は全部が基板110とは異なる回路基板の上に形成され、当該回路基板がFPC150の上面に配置されてもよい。
【0035】
複数の配線124は、複数のサブ画素160R、160G、160Bと電気的に接続される。また、複数の配線124は複数の端子115と1対1で電気的に接続される。複数の配線126は、走査信号線駆動回路108と電気的に接続される。また、複数の配線126は、複数の端子118と1対1で電気的に接続される。第1のドライバIC106は、複数の端子115と電気的に接続される。端子部111(複数の端子115及び複数の端子118)は、FPC150と電気的に接続されると共に制御装置300と電気的に接続される。配線132は、例えば、複数の端子118と電気的に接続される。
【0036】
走査信号線駆動回路108及び第1のドライバIC106は、制御装置300に電気的に接続される。走査信号線駆動回路108及び第1のドライバIC106は、制御装置300から供給される信号及び電源電圧を用いて、各画素PIX1が有するトランジスタ(
図5参照)を駆動させ、例えば、発光素子RLED1を発光または非発光させる。その結果、第1の表示パネル100は、表示部104に画像(映像)を表示することができる。
【0037】
続いて、
図5を用いて、第1の表示パネル100及び制御装置300の電気的な接続について詳細に説明する。
図5に示されるように、第1のドライバIC106は、映像信号線186a~186cに電気的に接続される。映像信号線186a~186cは、例えば、配線124(
図4参照)である。映像信号線186a~186cにはそれぞれ、映像信号SL1(1)~SL1(3)が供給される。例えば、第1のドライバIC106は、表示部104内のm列目に位置する複数の画素PIX1に、共通に、映像信号SL1(m)を供給する。映像信号SL1(m)に供給される電圧は電圧Vsig1(m)、又は電圧Vsig1(n)と呼ばれる。電圧Vsig1(m)、及び電圧Vsig1(n)は、表示部104で表示される画像(映像)に基づき決定される。数値mは3以上の任意の整数であり、数値nは1以上の任意の整数である。
【0038】
走査信号線駆動回路108は、走査信号線184a~184cに電気的に接続される。走査信号線184a~184cにはそれぞれ、走査信号SG1(1)~SG1(n)が供給される。例えば、走査信号線駆動回路108は、表示部104内のn行目に位置する複数の画素PIX1に、共通に、走査信号SG1(n)を供給する。
【0039】
制御装置300及び複数の画素PIX1は、リセット信号線VL1、基準電位線PVSS、及び、駆動電源線PVDDに電気的に接続される。駆動電源線PVDD、基準電位線PVSS、駆動電源線PVDDは、例えば、配線132(
図4参照)である。リセット信号VL1は電圧VRを供給する。基準電位線PVSSは基準電位VSSを供給する。駆動電源線PVDDは駆動電圧VDDHを供給する。制御装置300は、表示部104内の複数の画素PIX1に、共通に、電圧VR、基準電位VSS、及び駆動電圧VDDHを供給する。
【0040】
表示装置10では、一例として、電圧VRは、基準電位VSS及び駆動電圧VDDHより小さい。また、表示装置10では、一例として、電圧VRは固定電圧であるが、電圧VRは時間経過とともに変化してもよい。電圧VRはリセット電圧又は初期化電圧と呼ばれることがある。
【0041】
<3.画素回路の構成>
続いて、
図5を用いて、画素回路の構成を説明する。サブ画素160R、サブ画素160G、サブ画素160Bは、それぞれ画素回路を含む。サブ画素160R、サブ画素160G、及びサブ画素160Bにおいて、発光素子及び映像信号SL1(n)以外の構成は同様である。以下の説明においては、主に、サブ画素160Rの画素回路の構成を説明し、サブ画素160G、及びサブ画素160Bの画素回路の構成の説明は省略される。
【0042】
サブ画素160Rは、少なくとも、駆動トランジスタDRT、選択トランジスタSST、容量素子SC、及び発光素子RLED1を含む。駆動トランジスタDRT、及び選択トランジスタSSTは、第1電極(ゲート電極)と、第2電極及び第3電極からなる一対の電極(ソース電極、ドレイン電極)を有する。容量素子SCは、一対の電極を有する。
【0043】
選択トランジスタSSTのゲート電極は、走査信号線184aと電気的に接続される。選択トランジスタSSTのソース電極は、映像信号線186aに電気的に接続される。選択トランジスタSSTのドレイン電極は、駆動トランジスタDRTのゲート電極、及び容量素子SCの第1電極と電気的に接続される。駆動トランジスタDRTのドレイン電極は、駆動電源線PVDDと電気的に接続される。駆動トランジスタDRTのソース電極は、発光素子RLED1の第1電極と電気的に接続される。容量素子SCの第2電極は、リセット信号線VL1と電気的に接続される。発光素子RLED1の第2電極は、基準電圧線PVSSと電気的に接続される。基準電圧線PVSSは、例えば、カソード電極に電気的に接続される。
【0044】
選択トランジスタSSTは、駆動トランジスタDRTに映像信号SL1(m)を供給する機能を有する。駆動トランジスタDRTは、入力された映像信号SL1(m)を用いて、発光素子RLED1に電流を流し、発光素子RLED1を発光させる機能を有する。容量素子SCは、駆動トランジスタDRTの閾値電圧に相当する電荷(第1の電荷)を保持する機能を有する。また、容量素子SCは、サブ画素160Rが発光するために駆動トランジスタDRTのゲート電極に入力される映像信号SL1(m)(電圧Vsig1(m))に相当する電荷(第2の電荷)を保持する機能を有する。発光素子RLED1は、ダイオード特性を有する。
【0045】
<4.画素回路の駆動の一例>
続いて、画素回路の駆動の一例を説明する。走査信号線駆動回路108は、複数の走査信号線を制御する。走査信号線駆動回路108は、例えば、走査信号線184aを選択し、走査信号線184aに走査信号SG1(1)を供給する。第1のドライバIC106は、複数の映像信号線を制御する。例えば、第1のドライバIC106は、映像信号線186aに映像信号SL1(1)を供給する。制御装置300は、駆動電源線PVDDに駆動電圧VDDHを供給し、基準電位線PVSSに基準電圧VSSを供給し、リセット信号VL1に電圧VRを供給する。
【0046】
走査信号SG1(1)に供給される信号がLレベルのとき、選択トランジスタSSTは、非導通状態となる。走査信号SG1(1)に供給される信号がHレベルのとき、選択トランジスタSSTは、導通状態となる。
【0047】
走査信号SG1(1)にHレベルの信号が供給され、選択トランジスタSSTが導通状態になると、映像信号SL1(1)の電圧Vsig1(1)に基づいて、容量素子SCに電荷(第2の電荷)が蓄積(保持)される。駆動トランジスタDRTのゲート電極とドレイン電極との間の電圧(GD間電圧)は、容量素子CSに蓄積(保持)された電荷量(第2の電荷量)に応じて決定される。
【0048】
GD間電圧が決定されると、GD間電圧に応じた電流が、駆動電源線PVDDから基準電位線PVSSに流れる。すなわち、GD間電圧に応じた電流が、駆動トランジスタDRTに流れる。駆動トランジスタDRTのGD間電圧に応じた電流が、発光素子RLED1にも流れる。その結果、発光素子RLED1は、この電流に応じた輝度で発光する。
【0049】
走査信号SG1(1)にLレベルの信号が供給されると、選択トランジスタSSTは非導通状態になる。選択トランジスタSSTが非導通状態になっても、容量素子CSは電荷(第2の電荷)を保持しているため、駆動トランジスタDRTのGD間電圧に応じた電流が、駆動電源線PVDDから基準電位線PVSSに流れる。すなわち、駆動トランジスタDRTのGD間電圧に応じた電流が、発光素子RLED1に供給される。
【0050】
なお、第1の表示パネル100では、導通状態とは、トランジスタのソース電極とドレイン電極とが導通し、トランジスタがオン(ON)の状態を示すものとし、非導通状態とは、トランジスタのソース電極とドレイン電極とが非導通となり、トランジスタがオフ(OFF)の状態を示すものとする。各トランジスタにおいて、ソース電極とドレイン電極とは、各電極に供給される電圧又は電位に応じて、入れ替わる場合がある。また、トランジスタがオフの状態であっても、リーク電流などのように、わずかに電流が流れることは、当業者であれば容易に理解できることである。
【0051】
また、
図5に示される各トランジスタは、チャネル領域にシリコンやゲルマニウムなどの14族元素、或いは半導体特性を示す酸化物を有することができる。例えば、各トランジスタのチャネル領域は、低温ポリシリコン(LTPS)を有する。第1の表示パネル100では、各トランジスタは、薄膜トランジスタ(TFT)を用いて形成され、nチャネル型の電界効果トランジスタを有する。各トランジスタはnチャネル型の電界効果トランジスタとpチャネル型の電界効果トランジスタとを有してもよく、pチャネル型の電界効果トランジスタのみを有してもよい。第1の表示パネル100は、用途や仕様に応じて、適宜、トランジスタの構成、保持容量の接続、電源電圧などを適合させるとよい。
【0052】
<5.画素PIX1の構成例>
続いて、画素PIX1の平面視での構成例を説明する。
図6は、第1の表示パネル100に含まれる複数の画素PIX1及び配線の構成を示す模式的な平面図である。
図6では、表示部104に配列された複数の画素PIX1のうち、2行2列の4個の画素PIX1を拡大して示している。具体的には、
図6に示すように、画素PIX1(1、1)、及び画素PIX1(2、1)はX方向に配列される。画素PIX1(1、2)、及び画素PIX1(2、2)は、X方向に配列される。また、画素PIX1(1、1)、及び画素PIX1(1、2)は、第Y方向に配列される。画素PIX1(2、1)、及び画素PIX1(2、2)は、第Y方向に配列される。なお、各画素を区別して説明する必要がない場合には、単に画素PIX1と表す。
【0053】
複数の画素PIX1は、それぞれ、発光素子RLED1(サブ画素160R)、発光素子GLED1(サブ画素160G)、及び発光素子BLED1(サブ画素160B)を含む。画素PIX1(1、1)、及び画素PIX1(2、1)は、走査信号線184aに電気的に接続され、走査信号SG1(1)が画素PIX1(1、1)、及び画素PIX1(2、1)に供給される。画素PIX1(1、2)、及び画素PIX1(2、2)は、走査信号線184bに電気的に接続され、走査信号SG1(2)が画素PIX1(1、2)、及び画素PIX1(2、2)に供給される。画素PIX1(1、1)、及び画素PIX1(1、2)は、映像信号線186a、186b、186cに電気的に接続され、映像信号SL1(1)、SL1(2)、SL1(3)が画素PIX1(1、1)、及び画素PIX1(1、2)に供給される。画素PIX1(2、1)、及び画素PIX1(2、2)は、映像信号線186d、186e、186fに電気的に接続され、映像信号SL1(4)、SL1(5)、SL1(6)が画素PIX1(2、1)、及び画素PIX1(2、2)に供給される。
【0054】
第1の表示パネル100では、X方向に隣接する2つの画素PIX1で、複数の発光素子、及び複数の映像信号線186a~186f(信号線群SL1G)がまとめられると共に、近接して配置される。互いに隣接する一方の画素PIX1と、互いに他方の画素PIX1とは、Y方向に平行な仮想線を対称軸として、反転するような位置関係で配置される。または、画素PIX1(1、1)、画素PIX1(2、1)、画素PIX1(1、2)、及び画素PIX1(2、2)は、点Qに対して点対称になるように配置される。具体的には、画素PIX1(1、1)、画素PIX1(2、1)、画素PIX1(1、2)、及び画素PIX1(2、2)を、点Qを中心に180度回転させたとき、画素PIX1(1、1)は画素PIX1(2、2)に重なり、画素PIX1(2、1)は画素PIX1(1、2)に重なるように配置される。
【0055】
X方向に隣り合う2つの画素PIX1(例えば、画素PIX1(2、2)と画素PIX1(3、2)(図示は省略))は、X方向に隣り合う2つの信号線群SL1Gと、Y方向に隣り合う2つの走査信号線184bと走査信号線184c(図示は省略)で囲まれた領域である。ここで、画素PIX1(2、2)と画素PIX1(3、2)のX方向での配置ピッチPPX+PPXは、画素PIX1(2、1)と画素PIX1(2、2)のX方向での配置ピッチPPX+PPXと同じであり、X方向に隣り合う信号線群SL1Gの配置ピッチPPX+PPXと同じである。なお、表示装置10において、配置ピッチは画素ピッチと呼ばれることがある。
【0056】
画素PIX1のY方向での配置ピッチPPYは、Y方向に隣り合う走査信号線184bと走査信号線184cの配置ピッチ、Y方向に隣り合う走査信号線184aと走査信号線184bの配置ピッチと同じである。
【0057】
続いて、X方向に隣接する画素PIX1(1、1)と画素PIX1(2、1)に着目して、各画素PIX1の構成を説明する。なお、以下の説明では、X方向の一方(
図6右方向)を+X方向と表し、X方向の他方(
図6左方向)を-X方向と表す場合がある。同様に、Y方向の一方(
図6上方向)を+Y方向と表し、Y方向の他方(
図5下方向)を-Y方向と表す場合がある。
【0058】
信号線群SL1Gは、X方向に隣り合う複数の映像信号線186a~186fを含む。具体的には、信号線群SL1Gは、X方向に隣り合い、まとまって配置された
図5左側の画素PIX1(1、1)(第1画素)に接続された3本の映像信号線186a~186c、及び
図5右側の画素PIX1(2、1)(第2画素)に接続された3本の映像信号線186d~186fによって形成される。信号線群SL1Gは、X方向で、映像信号線186c(映像信号SL1(3))、映像信号線186b(映像信号SL1(2))、映像信号線186a(映像信号SL1(1))、映像信号線186f(映像信号SL1(6))、映像信号線186e(映像信号SL1(5))、映像信号線186d(映像信号SL1(4))の順に配置される。なお、映像信号線の配置は、
図6で示された配置に限定されるものではなく、仕様、用途に合わせて、適宜変更してもよい。
【0059】
複数の画素PIX1のそれぞれにおいて、発光素子RLED1、発光素子GLED1及び発光素子BLED1は、X方向に隣り合って配置され、映像信号線群SL1Gと走査信号線184aとの交差部近傍に設けられる。具体的には、X方向で、信号線群SL1Gは、画素PIX1(1、1)に含まれる発光素子RLED1、発光素子GLED1及び発光素子BLED1と、画素PIX1(2、1)に含まれる発光素子RLED1、発光素子GLED1及び発光素子BLED1との間に設けられる。また、Y方向で、映像信号線群SL1Gと交差する走査信号線184aは、画素PIX1(1、1)に含まれる発光素子RLED1、発光素子GLED1及び発光素子BLED1と、画素PIX1(2、1)に含まれる発光素子RLED1、発光素子GLED1及び発光素子BLED1との間に設けられる。
【0060】
画素PIX1(1、1)に含まれる発光素子RLED1、発光素子GLED1及び発光素子BLED1は、この順でX方向に配列される。発光素子RLED1、発光素子GLED1及び発光素子BLED1は、映像信号線群SL1GとX方向(-X方向)に隣り合って配置される。また、画素PIX1(1、1)に含まれる発光素子RLED1、発光素子GLED1及び発光素子BLED1は、映像信号線群SL1Gと交差する走査信号線184aの-Y方向で、X方向に隣り合って配置される。
【0061】
画素PIX1(2、1)に含まれる発光素子RLED1、発光素子GLED1及び発光素子BLED1は、この順でX方向に配列され、発光素子RLED1、発光素子GLED1及び発光素子BLED1は、映像信号線群SL1GとX方向(+X方向)に隣り合って配置される。また、画素PIX1(2、1)に含まれる発光素子RLED1、発光素子GLED1及び発光素子BLED1は、映像信号線群SL1Gと交差する走査信号線184aの+Y方向で、X方向に隣り合って配置される。
【0062】
画素PIX1(1、1)に含まれる発光素子RLED1、発光素子GLED1及び発光素子BLED1と、画素PIX1(2、1)に含まれる発光素子RLED1、発光素子GLED1及び発光素子BLED1とは、X方向で同様に配置される。なお、
図6に示された発光素子RLED1、発光素子GLED1及び発光素子BLED1の配置(X方向の配置の順番)は一例であって、発光素子RLED1、発光素子GLED1及び発光素子BLED1の配置は
図6に示された配置に限定されるものではない。発光素子RLED1、発光素子GLED1及び発光素子BLED1の配置は、画素PIX1ごとに異なっていてもよい。
【0063】
画素PIX1に含まれるサブ画素160R、サブ画素160G、及びサブ画素160Bは、それぞれ、選択トランジスタSSTを形成する半導体層171、及びコンタクトホール172を介して、対応する映像信号線186a~186fに電気的に接続される。また、画素PIX1に含まれる各発光素子は、それぞれ、コンタクトホール134を介して駆動電源線PVDDに電気的に接続され、コンタクトホール138を介して基準電位線PVSSに電気的に接続される。駆動電源線PVDD及び基準電位線PVSSは、走査信号線184aと重なって設けられ、X方向に延在する。なお、
図6では、図面を見やすくするために、駆動電源線PVDD及び基準電位線PVSSを破線で表している。
【0064】
画素PIX1に含まれる発光素子RLED1、発光素子GLED1及び発光素子BLED1は、それぞれ、第5導電層194(例えば、接合電極194a(
図12参照))に電気的に接続される。第5導電層194は、コンタクトホール136を介して、第4導電層192に電気的に接続される。なお、詳細は後述されるが、第4導電層192は、複数の導電層及びコンタクトホールを介して、駆動トランジスタDRTのドレイン電極に電気的に接続される。
【0065】
<6.第2の表示パネル200及び制御装置300の構成>
図7及び
図8は、第2の表示パネル200及び制御装置300の構成を示す模式的な平面図である。
図9は第2の表示パネル200に含まれる複数の画素PIX2及び配線(映像信号線286a~286f)の構成を示す模式的な平面図である。
図1~
図6と同一、又は類似する構成については、ここでの説明を省略する。
【0066】
はじめに、
図7を用いて、第2の表示パネル200及び制御装置300のブロック構成について説明する。
図7に示されるように、第2の表示パネル200は、表示部204、及び周辺部216に大別される。第2の表示パネル200は、基板210、第2のドライバIC206、走査信号線駆動回路208、FPC(Flexible Printed Circuit)250、複数の画素PIX2、配線224、及び配線226を含む。
【0067】
上述のとおり、表示部204は、複数の画素PIX2を含む。周辺部216は、第2のドライバIC206、走査信号線駆動回路208、端子部209、FPC250、及び複数の配線224を含む。表示部204及び周辺部216は、複数の配線226を含む。端子部209は、複数の端子215、及び複数の端子218を含む。走査信号線駆動回路208、複数の端子215、複数の端子218、及び複数の画素PIX2は、基板210の第2の面214(
図2参照)に配置される。第2のドライバIC206は、FPC250の上面に配置される。
【0068】
複数の画素PIX2は、X方向及びY方向にマトリクス状に配列される。複数の画素PIX2のそれぞれは、複数のサブ画素260R、260G、260Bを含む。例えば、サブ画素260Rは赤色に発光する発光素子RLED2を有し、サブ画素260Gは緑色に発光する発光素子GLED2を有し、サブ画素260Bは青色に発光する発光素子BLED2を有する。表示装置10では、発光素子RLED2、GLED2、BLED2のそれぞれがLEDチップと呼ばれることがある。
【0069】
走査信号線駆動回路208及び第2のドライバIC206は、制御装置300に電気的に接続される。走査信号線駆動回路208及び第2のドライバIC206は、制御装置300から供給される信号及び電源電圧を用いて、各画素PIX2が有するトランジスタ(
図5参照)を駆動させ、例えば、発光素子RLED2を発光または非発光させる。その結果、第2の表示パネル200は、表示部204に画像(映像)を表示することができる。
【0070】
第2の表示パネル200の表示部204、周辺部216、第1の面212及び第2の面214を含む基板210、第2のドライバIC206、走査信号線駆動回路208、端子部209、FPC250、画素PIX2、配線224、配線226、端子215、端子218、サブ画素260R、サブ画素260G、サブ画素260B、発光素子RLED2、発光素子GLED2、及び発光素子BLED2の構成及び機能は、それぞれ、
図4~
図6を用いて説明した第1の表示パネル100の表示部104、周辺部116、第1の面112及び第2の面114を含む基板110、第1のドライバIC106、走査信号線駆動回路108、端子部111、FPC150、画素PIX1、配線124、配線126、端子115、端子118、サブ画素160R、サブ画素160G、サブ画素160B、発光素子RLED1、発光素子GLED1、及び発光素子BLED1の構成及び機能と同様であるから、ここでの詳細な説明は省略される。
【0071】
また、第2の表示パネル200の映像信号線286a~286f(映像信号SL2(1)~SL2(6)、SL2(m))、走査信号線284a~284c(走査信号SG2(1)~SG2(3)、SG2(n))、画素PIX2の画素回路、画素回路の駆動の一例、画素PIX2の構成例(映像信号線群SL2G、半導体層271、コンタクトホール272、コンタクトホール234、コンタクトホール238、第5導電層294、コンタクトホール236、第4導電層292など)は、それぞれ、
図5及び
図6を用いて説明した第1の表示パネル100の映像信号線186a~186f(映像信号SL1(1)~SL1(6)、SL1(m))、走査信号線184a~184c(走査信号SG1(1)~SG1(3)、SG1(n))、画素PIX1の画素回路、画素回路の駆動の一例、画素PIX1の構成例(映像信号線群SL1G、半導体層171、コンタクトホール172、コンタクトホール134、コンタクトホール138、第5導電層194、コンタクトホール136、第4導電層192)の構成及び機能と同様であるから、ここでの詳細な説明は省略される。
【0072】
<7.表示装置10の構成例>
図10は、表示装置10に含まれる複数の画素PIX1、画素PIX2、配線(映像信号線186a~186f、映像信号線286a~286f、走査信号線184a~184b、走査信号線284a~284b)などの構成を示す模式的な平面図である。また、
図10では、図面を見やすくするために、表示装置10に含まれる複数の画素PIX1、画素PIX2、配線(映像信号線186a~186f、映像信号線286a~286f、走査信号線184a~184b、走査信号線284a~284bなど)以外の部分を省略し、表示部104及び表示部204の一部を拡大した図である。
図11は、
図10に示される複数の画素PIX1、画素PIX2及び配線の一部を拡大した図である。
図12は、
図11に示されるB1-B2線の切断面を示す断面図である。
図1~
図9と同一、又は類似する構成については、ここでの説明を省略する。
【0073】
はじめに、
図10又は
図11を用いて、表示装置10の平面視の構成例を説明する。表示装置10の平面視では、第1の表示パネル100の画素PIX1と第2の表示パネル200の画素PIX2とが、Y方向に交互に配置される。具体的には、X方向に配置される画素PIX1(1、1)及び画素PIX1(2、1)、X方向に配置される画素PIX2(1、1)及び画素PIX2(2、1)、X方向に配置される画素PIX1(1、2)及び画素PIX1(2、2)、X方向に配置される画素PIX2(1、2)及び画素PIX2(2、2)が、Y方向にこの順番で配置される。
【0074】
第1の表示パネル100の走査信号線と第2の表示パネル200の走査信号線とが、Y方向に交互に配置される。具体的には、表示装置10の平面視では、走査信号線184a、走査信号線284a、走査信号線184b、走査信号線284bが、Y方向にこの順番で配置される。
【0075】
第1の表示パネル100の映像信号線186a~186fと第2の表示パネル200の映像信号線286a~286fとが重畳する。すなわち、映像信号線群SL1Gと映像信号線群SL2Gとが重畳する。映像信号線群具体的には、映像信号線186aが映像信号線286aと重畳し、映像信号線186bが映像信号線286bと重畳し、映像信号線186cが映像信号線286cと重畳し、映像信号線186dが映像信号線286dと重畳し、映像信号線186eが映像信号線286eと重畳し、映像信号線186fが映像信号線286fと重畳する。
【0076】
表示装置10では、画素PIX2と画素PIX2とが重畳することなくずれて配置され、第1の表示パネル100及び第2の表示パネル200の映像信号線が互いに重畳するように配置されることによって、画素PIX1及び画素PIX2に含まれる発光素子の発光経路を確保することができる。また、表示装置10では、第2の表示パネル200又は第1の表示パネル100の何れか一方を含む場合と比較して、発光素子の密度が高く、表示装置の精細度が高い。
【0077】
なお、詳細は後述されるが、画素PIX2の発光素子RLED2、発光素子GLED2、発光素子BLED2、第1の表示パネル100に含まれる絶縁層140、第2の表示パネル200に含まれる低反射放熱層220及び絶縁層240が重畳する部分は、絶縁層140、低反射放熱層220及び絶縁層240に開口部が設けられている。その結果、画素PIX2の発光素子RLED2、発光素子GLED2、及び発光素子BLED2は、観測者30(
図3)側に、光を放出することができる。
【0078】
続いて、
図12を用いて、表示装置10の切断面を説明する。なお、上述のとおり、
図12は、
図11に示されるB1-B2線の切断面を示す断面図であるが、
図12では、
図10及び
図11で省略されていた部分も含む切断面の概略図である。上述のとおり、表示装置10において、第2の表示パネル200は第1の表示パネル100の上に重畳する。
【0079】
はじめに、第1の表示パネル100の断面構造を説明する。低反射放熱層120が基板110の第1の面112に配置される。低反射放熱層120の熱伝導率は高く、低反射放熱層120の反射率は可視光の波長の範囲で10%以下である。低反射放熱層120は、例えば、反射防止膜、回折率が高い膜であってよく、カーボンなどを含む黒色の樹脂膜であってもよい。
【0080】
低反射放熱層120は、放熱層及び低反射層の2層構造であってもよい。また、低反射放熱層120は、熱伝導率が高く、反射率が低い基板(低反射放熱基板)であってもよい。低反射放熱層120が低反射放熱基板の場合、低反射放熱基板は基板110とは異なる基板であり、低反射放熱基板は例えば導電性接着剤などの粘性物質を用いて、基板110に貼り付けられる。
【0081】
半導体層171が、基板110の第2の面114に、任意の構成である下地層141を介して、配置される。半導体層171は、半導体膜171a、半導体膜171bを含む。ゲート配線層184が絶縁層142の上に配置される。すなわち、絶縁層142が半導体層171の上に配置され、ゲート配線層184と半導体層171の間に配置される。ゲート配線層184は走査信号線184a及びゲート電極184dを含む。絶縁層143がゲート配線層184の上に配置される。第1導電層186が、絶縁層143の上に配置される。第1導電層186は、映像信号線186a~186f、ソース電極186g、及びドレイン電極186hを含む。
【0082】
選択トランジスタSST及び駆動トランジスタDRTが、第2の面114上に設けられる。選択トランジスタSSTは、半導体膜171a、絶縁層142の一部、走査信号線184aの一部、及び映像信号線186bの一部を含む。絶縁層142の一部は選択トランジスタSSTのゲート絶縁膜として機能し、走査信号線184aの一部は選択トランジスタSSTのゲート電極として機能し、映像信号線186bの一部は選択トランジスタSSTのソース電極として機能する。駆動トランジスタDRTは、半導体膜171b、絶縁層142の一部、ゲート電極184d、ソース電極186g、及びドレイン電極186hを含む。絶縁層142の一部は駆動トランジスタDRTのゲート絶縁膜として機能する。
【0083】
走査信号線184aの一部(選択トランジスタSSTのゲート電極)は半導体膜171aに重畳し、ゲート電極184dは半導体膜171bに重畳する。半導体膜がゲート電極に重なる領域が各トランジスタのチャネル領域である。各半導体膜はチャネル領域を挟むようにソース領域及びドレイン領域を有してもよい。ソース領域又はドレイン領域はソース電極又はドレイン電極を形成してよい。ソース電極又はドレイン電極は、半導体層171に不純物を注入することによって形成されてよい。
【0084】
映像信号線186bは、絶縁層143及び絶縁層142の一部を露出したコンタクトホール172を介して、半導体膜171aと電気的に接続される。ソース電極186g、及びドレイン電極186hは、絶縁層143及び絶縁層142の一部を露出したコンタクトホール128a、及びコンタクトホール128bを介して、半導体膜171bと電気的に接続される。なお、図示は省略するが、走査信号線184a、又はゲート電極184dは、絶縁層143の一部を露出したコンタクトホールを介して、第1導電層186に含まれる電極又は配線と電気的に接続される。
【0085】
絶縁層144、第2導電層188、絶縁層145、及び第3導電層190は、この順に、第1導電層186上に設けられる。絶縁層144は、第1導電層186の一部を露出するコンタクトホール134、及びコンタクトホール132aを含む。第2導電層188は、駆動電源線PVDD、及び電極188aを含む。絶縁層145は、第1導電層186の一部を露出するコンタクトホール132bを含む。第3導電層190は、電極190aを含む。駆動電源線PVDDはコンタクトホール134を介してソース電極186gに電気的に接続される。第3導電層190は、コンタクトホール132b及びコンタクトホール132aを介して、ドレイン電極186hと電気的に接続される。なお、電極188a又は電極190aは配線であってもよい。
【0086】
絶縁層146は、絶縁層145、及び第3導電層190上に設けられる。第4導電層192及び第5導電層194は、この順に、絶縁層146上に設けられる。絶縁層146は、第3導電層190の一部を露出するコンタクトホール136を含む。第4導電層192は、基準電位線PVSS、及び電極192aを含む。第5導電層194は、接合電極194a、及び接合電極194bを含む。電極192aは、コンタクトホール136を介して電極190aと電気的に接続される。接合電極194aが基準電位線PVSSに電気的に接続され、接合電極194bが電極192aに電気的に接続される。なお、電極192a、接合電極194a、又は接合電極194bは配線であってもよい。
【0087】
発光素子GLED1が接合電極194bに電気的に接続される。第1の表示パネル100では、接合電極194bはアノード電極である。
【0088】
絶縁層147は、発光素子GLED1、絶縁層146、第4導電層192及び第5導電層194の上に、発光素子GLED1が絶縁層147内に埋設されるように配置される。第6導電層196は、絶縁層147上に配置される。絶縁層147は、第5導電層194の一部が露出されたコンタクトホール138を含む。第6導電層196は、電極196aを含む。電極196aはコンタクトホール138を介して接合電極194aと電気的に接続される。電極196aは、接合電極194aを介して、基準電位線PVSSに電気的に接続される。第1の表示パネル100では、電極196aはカソード電極である。
【0089】
絶縁層148は、低反射放熱層として機能する絶縁層140と絶縁層147との間に配置され、絶縁層147に接すると共に、第6導電層196を覆う。
【0090】
絶縁層140が、絶縁層147の上に配置される。絶縁層140は、例えば、配線、又は電極などを覆い隠す機能を有する。絶縁層140は、発光素子が発する光を観測者側に通るように、開口部149を含む。例えば、開口部149の径は長さW1であり、発光素子GLED1の幅は幅LW1である。第1の表示パネル100では、長さW1は幅LW1より小さく、発光素子GLED1が発する光の一部を遮り、光量を絞ることができる。なお、絶縁層140は、低反射放熱層120と同様の材料を用いて形成され、同様の構成及び機能を有してもよい。すなわち、絶縁層140は、放熱層(第3の放熱層)であってよい。
【0091】
ゲート配線層184、及び第1導電層186の材料として、例えば、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、またはタングステン(W)などの金属、又はこれらの合金を用いることができる。また、ゲート配線層184、及び第1導電層186は、単層又は積層とすることができる。
【0092】
第2導電層188の材料として、例えば、インジウム・スズ酸化物(ITO)またはインジウム・亜鉛酸化物(IZO)などの透明導電材料を用いることができる。
【0093】
第3導電層190は、第1導電層186と第4導電層192とを接続するための配線層として機能することができる。第3導電層190の材料は、例えば、ゲート配線層184、及び第1導電層186と同様の材料を用いることができる。また、第3導電層190は、ゲート配線層184、又は第1導電層186と同様に、単層又は積層とすることができる。
【0094】
第4導電層192は、発光素子を実装するための電極パッドとして機能することができる。また、第4導電層192は、発光素子が出射する光を反射する反射層として機能することができる。第4導電層192の材料は、例えば、ゲート配線層184、及び第1導電層186と同様の材料を用いることができる。また、第4導電層192は、ゲート配線層184、又は第1導電層186と同様に、単層又は積層とすることができる。
【0095】
第5導電層194は、発光素子を接合するための接合層として機能することができる。第5導電層194の材料として、例えば、錫、銀ペースト、ハンダ、または異方性導電膜(ACF)を用いることができる。
【0096】
第6導電層196は、例えば、発光素子BLED2のカソード電極、又は、カソード電極を引き回すための配線層として機能することができる。また、第6導電層196は、発光素子が出射した光を透過する透過層として機能することができる。第6導電層196の材料として、例えば、インジウム・スズ酸化物(ITO)またはインジウム・亜鉛酸化物(IZO)などの透明導電材料を用いることができる。
【0097】
絶縁層142は、半導体層171とゲート配線層184とを離隔し、半導体層171とゲート配線層184とがショートしないようにすることができる。絶縁層142の材料として、例えば、酸化シリコン(SiOx)、酸化窒化シリコン(SiOxNy)、窒化シリコン(SiNx)、又は窒化酸化シリコン(SiNxOy)などの無機絶縁材料を用いることができる。ここで、SiOxNyは、酸素(O)よりも少ない量の窒素(N)を含有するシリコン化合物である。SiNxOyは、窒素よりも少ない量の酸素を含有するシリコン化合物である。
【0098】
絶縁層143はトランジスタやその他の半導体素子に起因する凹凸の上に配置され、平坦な表面を形成する機能を有する。絶縁層143の材料として、膜表面の平坦性に優れるアクリル、ポリイミド等から選ばれた有機化合物材料を用いることができる。
【0099】
絶縁層145は、第2導電層188と第3導電層190とを離隔し、第2導電層188と第3導電層190とがショートしないようにすることができる。絶縁層145の材料として、例えば、酸化シリコン(SiOx)、酸化窒化シリコン(SiOxNy)、窒化シリコン(SiNx)、窒化酸化シリコン(SiNxOy)、酸化アルミニウム(AlOx)、酸化窒化アルミニウム(AlOxNy)、窒化酸化アルミニウム(AlNxOy)、又は窒化アルミニウム(AlNx)などの無機絶縁材料を用いることができる。ここで、AlOxNyは、酸素(O)よりも少ない量の窒素(N)を含有するアルミニウム化合物である。AlNxOyは、窒素よりも少ない量の酸素を含有するアルミニウム化合物である。また、絶縁層145は、無機絶縁材料だけでなく、有機絶縁材料を用いることもできる。有機絶縁材料として、例えば、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、またはシロキサン樹脂などを用いることができる。絶縁層145は、無機絶縁層材料および有機絶縁材料が各々単独で用いられてもよく、これらが積層されてもよい。
【0100】
絶縁層144、絶縁層146及び絶縁層148は、それぞれの下方に位置する層の凹凸の上に配置され、平坦な表面を形成する機能を有する。また、絶縁層144は、映像信号線186a~186fを互いに離隔すると共に、映像信号線186a~186fを他の導電層から離隔する機能を有する。絶縁層144、絶縁層146及び絶縁層148の材料として、例えば、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、またはシロキサン樹脂などの有機樹脂を用いることができる。絶縁層144、絶縁層146又は絶縁層148は、有機樹脂が単独で用いられてもよく、積層されていてもよい。また、絶縁層148は、絶縁層140を絶縁層147及び第6導電層196に接着するための絶縁性接着剤であっても良い。さらには、低反射放熱層120と同様に、絶縁層140及び絶縁層148は放熱層及び低反射層の2層構造とすることもできる。
【0101】
絶縁層147は、第6導電層を形成するにあたり、第6導電層の下層の発光素子などの段差を低減し、平坦な表面を形成する機能を有する。絶縁層147の材料として、例えば、感光性アクリルまたは感光性ポリイミドなどの感光性有機材料を用いることができる。
【0102】
次に、第2の表示パネル200の断面構造を説明する。第2の表示パネル200の断面構造の説明では、第1の表示パネル100の断面構造と同一、又は類似する構成及び機能の説明は省略され、主に、第1の表示パネル100の断面構造と異なる点が説明される。
【0103】
第2の表示パネル200では、基板210、下地層241、半導体層271、ゲート配線層284、絶縁層243、第1導電層286、絶縁層244、第2導電層288、絶縁層245、第3導電層290、絶縁層246、第4導電層292、第5導電層294、絶縁層247が、この順に積層される。
【0104】
第2の表示パネル200の第1の面212及び第2の面214を含む基板210、半導体層271、下地層241、半導体膜271a、半導体膜271b、ゲート配線層284、絶縁層242、走査信号線284a、ゲート電極284d、絶縁層243、第1導電層286、映像信号線286a~286f、ソース電極286g、ドレイン電極286h、選択トランジスタSST及び駆動トランジスタDRTの構成、絶縁層244、第2導電層288、絶縁層245、第3導電層290、コンタクトホール234、コンタクトホール232a、駆動電源線PVDD、電極288a、コンタクトホール232b、電極290a、コンタクトホール172、絶縁層246、第4導電層292、第5導電層294、コンタクトホール236、基準電位線PVSS、電極292a、電極294a、電極294b、絶縁層247、及びコンタクトホール238などの構成及び機能は、それぞれ、
図12を用いて説明した第1の表示パネル100の第1の面112及び第2の面114を含む基板110、半導体層171、下地層141、半導体膜171a、半導体膜171b、ゲート配線層184、絶縁層142、走査信号線184a、ゲート電極184d、絶縁層143、第1導電層186、映像信号線186a~186f、ソース電極186g、ドレイン電極186h、選択トランジスタSST及び駆動トランジスタDRTの構成、絶縁層144、第2導電層188、絶縁層145、第3導電層190、コンタクトホール134、コンタクトホール132a、駆動電源線PVDD、電極188a、コンタクトホール132b、電極190a、コンタクトホール172、絶縁層146、第4導電層192、第5導電層194、コンタクトホール136、基準電位線PVSS、電極192a、接合電極194a、接合電極194b、絶縁層147、及びコンタクトホール138などの構成及び機能と同様であるから、ここでの詳細な説明は省略される。
【0105】
第2の表示パネル200では、低反射放熱層220が基板210の第1の面212に配置され、発光素子GLED2が電極294bに電気的に接続され、絶縁層240が絶縁層247の上に配置される。電極294bはアノード電極である。
【0106】
低反射放熱層220は、開口部211を含む。開口部211は、第1の表示パネル100の開口部149及び発光素子GLED1と重畳するように、低反射放熱層220に設けられる。開口部211の径は長さW2である。長さW2は、長さW1及び幅LW1より小さく、発光素子GLED1が発する光の一部を遮り、光量を絞ることができる。表示装置10では、低反射放熱層220は、開口部211を除き、第1の面212の全面に重畳するように配置される。低反射放熱層220の上記以外の構成及び機能は、低反射放熱層120と同様であるから、ここでの詳細な説明は省略される。
【0107】
絶縁層240は、例えば、配線、又は電極などを覆い隠す機能を有する。また、絶縁層240は、発光素子GLED1が発する光又は発光素子が発する光を観測者側に通るように、開口部249bを含み、発光素子GLED2が発する光を観測者側に通るように、開口部249aを含む。
【0108】
開口部249bは、第1の表示パネル100の開口部149及び発光素子GLED1、並びに、開口部211と重畳するように、絶縁層240に設けられる。開口部249aは、発光素子GLED2と重畳するように、絶縁層240に設けられる。
【0109】
例えば、開口部249bの径は長さW3であり、開口部249aの径は長さW4であり、発光素子GLED2の幅は幅LW2である。第2の表示パネル200では、長さW3は幅LW1、長さW1、及び長さW2より小さく、発光素子GLED1が発する光の一部を遮り、光量を絞ることができる。また、長さW4は幅LW2より小さく、発光素子GLED2が発する光の一部を遮り、光量を絞ることができる。絶縁層240の上記以外の構成及び機能は、低反射放熱層120と同様の構成及び機能であってよい。すなわち、絶縁層240は、放熱層(第4の放熱層)であってよく、低反射放熱層であってもよい。
【0110】
表示装置10では、第1の表示パネル100と観測者30との間の距離は、第2の表示パネル200と観測者30との間の距離よりも長い。表示装置10では、第1の表示パネル100に配置される発光素子のサイズ(例えば、発光素子RLED1の幅LW1)は、第2の表示パネル200に配置される発光素子のサイズ(例えば、発光素子RLED2の幅LW2)より小さい。一般的に、発光素子のサイズが大きいと、発光効率が良い。よって、観測者30との距離が遠い位置の発光素子のサイズを大きくすることによって、観測者30と発光素子との距離に依存することなく、発光素子から同等の光が観測者30に届くようにすることができる。
【0111】
絶縁層248は、絶縁層240と絶縁層247の間に配置される。絶縁層248は絶縁層148と同様の構成及び機能を有するため、絶縁層248の詳細な記載は省略するが、絶縁層248は絶縁層240を絶縁層247及び第6導電層296に接着するための絶縁性接着剤であっても良い。
【0112】
<8.表示装置10の表示方法の一例>
図13は、表示装置10において、制御装置300が機能ブロックで示された図である。
図14は、表示装置10の表示方法を説明するためのフローチャートである。
図15は、表示装置10の表示方法を説明するためのタイミングチャートである。
図1~
図12と同一、又は類似する構成については、ここでの説明を省略する。
【0113】
表示装置10は、一例として、2つの表示パネル(第1の表示パネル100及び第2の表示パネル200)を含む。表示装置10は、2つの表示パネルを含むことによって、映像信号が対応する解像度に応じて、第1の表示パネル100のみを使用すること、第1の表示パネル100及び第2の表示パネル200を使用することを選択することができる。すなわち、表示装置10は、映像信号の解像度に応じて、表示装置10の解像度を変更することが可能である。
【0114】
なお、表示装置10は、3つ以上の表示パネルを含んでもよい。表示装置10が3つ以上の表示パネルを含む場合、映像信号が対応する解像度に応じて、表示装置10はさらに高精細な表示が可能となる。
【0115】
図13~
図15を用いて、表示装置10の解像度を変更するための表示方法(解像度変更表示方法)の一例を説明する。
【0116】
はじめに、
図13を用いて、表示装置10の機能ブロック構成を説明する。「2.第1の表示パネル100及び制御装置300の構成」、又は「6.第2の表示パネル200及び制御装置300の構成」などで説明したとおり、制御装置300は、第1のドライバIC106及び第2のドライバIC206に電気的に接続される。また、第1のドライバIC106は第1の表示パネル100に電気的に接続され、第2のドライバIC206は第2の表示パネル200に電気的に接続される。
【0117】
図13に示されるように、制御装置300は、表示選択回路330(
図1)、解像度比較判定回路320、及び表示パネル制御回路310を含む。表示パネル制御回路310は、例えば、映像信号送信回路312、映像信号分配回路314、及び制御信号送信回路316を含む。
【0118】
表示選択回路330は、表示装置10の表示方法を選択する機能を有する。例えば、表示装置10が複数の表示方法を備えている場合、ユーザーは入力機能(図示は省略)によって複数の表示方法から解像度変更表示方法を選択することができる。表示選択回路330は、入力機能から送信された入力信号MODEに基づいて、解像度変更表示方法(MODE1)を選択し、表示装置10は解像度変更表示方法を開始することができる。
【0119】
解像度比較判定回路320は、解像度を比較し、判定する機能を有する。具体的には、解像度比較判定回路320は、第2の表示パネル200が表示可能な解像度と、映像信号が対応する解像度とを比較する。また、解像度比較判定回路320は、比較した結果(比較結果)を生成し、第1制御信号を映像信号送信回路312に送信する。第1制御信号は比較結果のデータを含む。詳細は後述されるが、第2の表示パネル200が表示可能な解像度が、映像信号が対応する解像度より小さい場合、解像度比較判定回路320は第1比較結果を生成する。第2の表示パネル200が表示可能な解像度が、映像信号が対応する解像度以上の場合、解像度比較判定回路320は第2比較結果を生成する。
【0120】
映像信号送信回路312は、映像信号の送信先を決定する機能を有する。具体的には、映像信号送信回路312は、第1制御信号に応じて、映像信号を第2の表示パネル200に送信するか、映像信号を第1の表示パネル100及び第2の表示パネル200に送信するかを決定し、第2制御信号及び映像信号を、映像信号分配回路314又は制御信号送信回路316に送信する。第2制御信号は、映像信号の送信先のデータを含む。詳細は後述されるが、第1制御信号が第2比較結果のデータを含む場合、映像信号送信回路312は、映像信号の送信先を第2の表示パネル200に決定し、第2制御信号及び映像信号を、制御信号送信回路316に送信する。第1制御信号が第1比較結果のデータを含む場合、映像信号送信回路312は、映像信号の送信先を、第1の表示パネル100及び第2の表示パネル200に決定し、第2制御信号及び映像信号を、映像信号分配回路314に送信する。
【0121】
制御信号送信回路316は、第2制御信号及び映像信号に基づき、第1のドライバIC106及び第2のドライバIC206を制御するための信号を生成し送信する機能を有する。具体的には、映像信号送信回路312が映像信号の送信先を第2の表示パネル200に決定した場合、制御信号送信回路316は、第2制御信号及び映像信号に基づき、第2の表示パネル200と第1の表示パネル100とを同期させ、第2の表示パネル200に映像信号を供給すると共に第1の表示パネル100を駆動しないための第3制御信号を生成し、映像信号及び第3制御信号を第2のドライバIC206及び第1のドライバIC106に送信する。また、映像信号送信回路312が映像信号の送信先を第1の表示パネル100及び第2の表示パネル200に決定した場合、制御信号送信回路316は、第2制御信号及び映像信号に基づき、第2の表示パネル200と第1の表示パネル100とを同期させる同期信号を生成し、同期信号を映像信号分配回路314に送信する。
【0122】
映像信号分配回路314は、第2制御信号、映像信号、及び同期信号に基づき、映像信号を、第1の表示パネル100に表示するための第1映像信号及び第2の表示パネル200に表示するための第2映像信号に分配する機能を有する。また、映像信号分配回路314は、第1映像信号、第2映像信号及び同期信号に基づき、第2のドライバIC206及び第1のドライバIC106を制御するための信号を生成し、送信する機能を有する。具体的には、映像信号送信回路312が映像信号の送信先を第1の表示パネル100及び第2の表示パネル200に決定した場合、映像信号分配回路314は、現時点の第1の表示パネルと第2の表示パネル200との間の距離(距離H1)で、映像信号が対応する解像度に応じて、映像信号を第1映像信号及び第2映像信号に分配する。例えば、複数の映像信号のうち、走査信号線184aに接続された画素PIX1に対応する映像信号は、第1映像信号(映像信号SL1(1))として第1の表示パネル100に分配され、走査信号線284aに接続された画素PIX2に対応する映像信号は、第2映像信号(映像信号SL2(1))として第2の表示パネル200に分配される。また、映像信号分配回路314は、第1映像信号及び第2映像信号に基づき、第1の表示パネル100及び第2の表示パネル200に第1映像信号及び第2映像信号を供給するための同期信号以外の第4制御信号を生成する。さらに、映像信号分配回路314は、第1映像信号、第2映像信号、及び同期信号を含む第4制御信号を第2のドライバIC206及び第1のドライバIC106に送信する。
【0123】
第3制御信号及び第4制御信号は、第1の表示パネル100及び第2の表示パネル200のそれぞれの駆動を同期させる信号(同期信号)を含む。同期信号は、例えば、走査信号線に平行な方向(X方向)の駆動を制御する水平同期信号、映像信号線と平行な方向(Y方向)の駆動を制御する垂直同期信号を含む。また、第3制御信号は、第2の表示パネル200及び第1の表示パネル100の駆動タイミングを同期させ、第2の表示パネル200に映像信号を供給すると共に第1の表示パネル100を駆動しないための第1同期信号及び第3同期信号を含む。第4制御信号は、第2の表示パネル200及び第1の表示パネル100の駆動タイミングを同期させ、第2の表示パネル200に第2映像信号を供給すると共に第1の表示パネル100に第1映像信号を供給するための第1同期信号、及び第2同期信号を含む。
【0124】
続いて、
図14を用いて、解像度変更表示方法のフローを説明する。
【0125】
例えば、入力信号MODEに基づいて、表示装置10の解像度変更表示方法(MODE1)が選択される。表示装置10は解像度変更表示をするための駆動を開始する。
【0126】
ステップ10(S10)では、表示装置10は、解像度比較判定回路320を用いて、解像度を比較及び判定する。例えば、第2の表示パネル200が表示可能な解像度が、映像信号が対応する解像度以上のとき、表示装置10は、ステップ12(S12)を実行する。第2の表示パネル200が表示可能な解像度が、映像信号が対応する解像度より小さいとき、表示装置10は、ステップ22(S22)を実行する。
【0127】
ステップ12(S12)では、解像度比較判定回路320は第2比較結果を生成し、第2比較結果を含む第1制御信号を映像信号送信回路312に送信する。
【0128】
ステップ14(S14)では、映像信号送信回路312は、第2比較結果を含む第1制御信号に基づき、映像信号の送信先を第2の表示パネル200に決定する。また、映像信号送信回路312は、第2制御信号及び映像信号を、制御信号送信回路316に送信する。第2制御信号は、映像信号の送信先が第2の表示パネル200であるデータを含む。
【0129】
ステップ16(S16)では、制御信号送信回路316は、第2制御信号及び映像信号に基づき、第3制御信号を生成する。上述のとおり、第3制御信号は、水平同期信号、垂直同期信号、第1同期信号及び第3同期信号を含む。制御信号送信回路316は、第3制御信号を第1のドライバIC106及び第2のドライバIC206に送信し、映像信号を第2のドライバIC206に送信する。
【0130】
ステップ22(S22)では、解像度比較判定回路320は第2比較結果を生成し、第2比較結果を含む第1制御信号を映像信号送信回路312に送信する。
【0131】
ステップ24(S24)では、映像信号送信回路312は、第1比較結果を含む第1の制御信号に基づき、映像信号の送信先を第1の表示パネル100及び第2の表示パネル200に決定する。また、映像信号送信回路312は、第2制御信号及び映像信号を、映像信号分配回路314に送信する。第2制御信号は、映像信号の送信先が第1の表示パネル100及び第2の表示パネル200であるデータを含む。
【0132】
ステップ26(S26)では、制御信号送信回路316は、第2制御信号及び映像信号に基づき、同期信号を生成し、同期信号を映像信号分配回路314に送信する。映像信号分配回路314は、同期信号、第2制御信号及び映像信号に基づき、現時点の第1の表示パネルと第2の表示パネル200との間の距離(距離H1)で、映像信号が対応する解像度に応じて、映像信号を第1映像信号及び第2映像信号に分配する。
【0133】
ステップ28(S28)では、映像信号分配回路314は、第1映像信号及び第2映像信号に基づき、同期信号以外の第4制御信号を生成する。映像信号分配回路314は、同期信号を含む第4制御信号及び第1映像信号を第1のドライバIC106に送信し、同期信号を含む第4制御信号及び第2映像信号を第2のドライバIC206に送信する。
【0134】
ステップ16(S16)及びステップ28(S28)に続くステップ60(S60)では、第1のドライバIC106及び第2のドライバIC206が受信した信号に基づき、第1のドライバIC106及び第2のドライバIC206が第1の表示パネル100及び第2の表示パネル200を制御し、第1の表示パネル100又は第2の表示パネル200が映像を表示する。
【0135】
続いて、
図15を用いて、解像度変更表示方法のタイミングチャートを説明する。表示装置10の解像度変更表示方法では、表示方式選択期間と表示期間を含む。表示装置10の解像度変更表示方法の例では、1フレームの映像が6行の走査信号線に対応する映像信号から構成される。
【0136】
表示方式選択期間では、入力信号MODEのパルスに基づいて、解像度変更表示方法(MODE1)が選択される。表示装置10は解像度変更表示をするための駆動を開始する。入力信号MODEのパルスに基づいて、第1制御信号のパルスが生成される。第1制御信号のパルスに基づいて、第2制御信号のパルスが生成される。
【0137】
表示装置10は第1の表示パネル100が表示可能な解像度、第2の表示パネル200が表示可能な解像度、及び映像信号が対応する解像度を把握している。また、表示装置10では、パルスとは、例えば、LレベルからHレベルに変化するパルスである。
【0138】
表示期間では、第1制御信号が第2比較結果(第2の表示パネル200が表示可能な解像度が、映像信号が対応する解像度以上)を含む場合、第2の表示パネル200に映像が表示され、第1の表示パネル100には映像が表示されない。
【0139】
第1制御信号が第2比較結果を含む場合、第2制御信号のパルスに基づいて、第3制御信号(垂直同期信号、水平同期信号、第1同期信号及び第3同期信号)が生成される。第1同期信号が第2の表示パネル200に送信され、第3同期信号(常にLレベルの信号)が第1の表示パネル100に送信される。第3同期信号は、常にLレベルであり第1の表示パネル100は駆動されることがなく、第1の表示パネル100には映像が表示されない。
【0140】
第1同期信号のパルスに基づき、第1の表示パネル100が表示可能となると共に、垂直同期信号の初めのパルス、及び水平同期信号の初めのパルスに基づき、1フレーム目の映像信号の1行目(走査信号SG2(1))に対応する映像信号SL2(n)が第2の表示パネル200に送信され、表示される。同様にして、1フレーム目の映像信号の2行目~6行目に対応する映像信号SL2(n)が第2の表示パネル200に送信され、1フレーム目の映像が表示される。2フレーム目の以降のタイミングチャートは、1フレーム目と同様であり、ここでの説明は省略される。
【0141】
以上説明したように、第2の表示パネル200が表示可能な解像度が、映像信号が対応する解像度以上の場合、第2の表示パネル200が映像を表示し、第1の表示パネル100が映像を表示しない。すなわち、表示装置10では、第2の表示パネル200が表示可能な解像度と映像信号が対応する解像度に応じて、観測者30(
図3参照)に近い第2の表示パネル200のみ用いて、映像を表示することができる。
【0142】
また、表示期間では、第1制御信号が第1比較結果(第2の表示パネル200が表示可能な解像度が、映像信号が対応する解像度より小さい)を含む場合、現時点の第1の表示パネルと第2の表示パネル200との間の距離(距離H1)で、映像信号が対応する解像度に応じて、第2の表示パネル200及び第1の表示パネル100の両方に映像が表示される。
【0143】
第1制御信号が第1比較結果を含む場合、第2制御信号のパルスに基づいて、第4制御信号(垂直同期信号、水平同期信号、第1同期信号及び第2同期信号)が生成される。表示装置10では、第1の表示パネル100の走査信号線SG1(n)と、第2の表示パネル200の走査信号線SG2(n)とがY方向に交互に配置されているため、映像信号は、例えば、垂直同期信号、水平同期信号、及び映像信号に基づき、行毎に分配される。
【0144】
例えば、垂直同期信号の初めのパルス、水平同期信号の初めのパルス、3番目のパルス、及び5番目のパルスに基づき、1フレーム目の映像信号の1行目(走査信号SG1(1))、3行目(走査信号SG1(2))、及び5行目(走査信号SG1(3))のそれぞれに対応する映像信号SL1(n)が、第1映像信号に分配される。また、例えば、垂直同期信号の初めのパルス、水平同期信号の2番目のパルス、4番目のパルス、及6番目のパルスに基づき、1フレーム目の映像信号の2行目(走査信号SG2(1))、4行目(走査信号SG2(2))、及び6行目(走査信号SG2(3))のそれぞれに対応する映像信号SL2(n)が、第2映像信号に分配される。
【0145】
第1同期信号及び第1の映像信号が第1の表示パネル100に送信され、第2同期信号及び第2の映像信号が第2の表示パネル200に送信される。第1同期信号のパルスに基づき、第1の表示パネル100が表示可能となり、第1の表示パネル100は第1の映像信号に基づく映像を表示することができる。また、第2同期信号のパルスに基づき、第2の表示パネル200が表示可能となり、第2の表示パネル200は第2の映像信号に基づく映像を表示することができる。2フレーム目の以降のタイミングチャートは、1フレーム目と同様であり、ここでの説明は省略される。
【0146】
以上説明したように、第2の表示パネル200が表示可能な解像度が、映像信号が対応する解像度より小さい場合、現時点の第1の表示パネルと第2の表示パネル200との間の距離(距離H1)で、映像信号が対応する解像度に応じて、第2の表示パネル200及び第1の表示パネル100の両方が映像を表示することができる。すなわち、表示装置10では、第2の表示パネル200が表示可能な解像度と映像信号が対応する解像度に応じて、第2の表示パネル200及び第1の表示パネル100の両方に画像(映像)を表示することによって、発光素子の密度が高く、高精細な画像を実現可能である。
【0147】
また、以上説明したように、表示装置10では、第2の表示パネル200が表示可能な解像度と映像信号が対応する解像度に応じて、第2の表示パネル200のみに画像(映像)を表示すること、又は、第2の表示パネル200及び第1の表示パネル100に画像(映像)を表示することを選択することができる。すなわち、表示装置10では、第2の表示パネル200が表示可能な解像度と映像信号が対応する解像度に応じて、画像を表示するパネルの数を変えることができる。その結果、表示装置10では、第2の表示パネル200が表示可能な解像度と映像信号が対応する解像度に応じて、表示装置の発光素子の密度、及び表示装置の精細度を変更することができる。
【0148】
<9.低反射放熱層220の変形例>
低反射放熱層220の変形例を説明する。
図16、
図17、及び
図18は、第2の表示パネル200に含まれる低反射放熱層220の変形例を示す図である。
図1~
図15と同一、又は類似する構成については、ここでの説明を省略する。
【0149】
図16に示される低反射放熱層220では、低反射放熱層220a、低反射放熱層220b、及び低反射放熱層220cが走査信号線284a、走査信号線284b、走査信号線近傍の発光素子及び映像信号線286a~286fに重畳すると共にX方向に延在するように第1の面212(
図2参照)に配置され、低反射放熱層220aと低反射放熱層220bの間、及び低反射放熱層220bと低反射放熱層220cの間に、低反射放熱層220が第1の面212のX方向に配置されていない複数のスリット417を含む。なお、低反射放熱層220a、低反射放熱層220b、及び低反射放熱層220cは開口部211の周辺を囲っている。
【0150】
図17に示される低反射放熱層220では、低反射放熱層220d、及び低反射放熱層220eがY方向に延在するように第1の面212に配置され、低反射放熱層220dと低反射放熱層220eの間に、低反射放熱層220が配置されていないスリット417bを含む。なお、低反射放熱層220d、及び低反射放熱層220eは開口部211の周辺を囲っている。
【0151】
図18に示される低反射放熱層220では、低反射放熱層220f、低反射放熱層220g、及び低反射放熱層220hが走査信号線284a、走査信号線284b、走査信号線近傍の発光素子及び映像信号線286a~286fに重畳すると共にX方向及びY方向交差する斜め方向に延在するように第1の面212に配置され、低反射放熱層220fと低反射放熱層220gの間、及び低反射放熱層220gと低反射放熱層220hの間に、低反射放熱層220が配置されていない複数のスリット417cを含む。なお、低反射放熱層220f、低反射放熱層220g、及び低反射放熱層220hは開口部211の周辺を囲っている。
【0152】
図16~
図18に示されるように、低反射放熱層220にスリットが含まれる場合であっても、低反射放熱層220は筐体に接続されるため、第1の表示パネル100及び第2の表示パネル200の表示に伴い発生する熱を、低反射放熱層220を経由して筐体400に逃がすことができる。なお、スリットは溝と呼ばれる場合がある。
【0153】
<10.画素PIX1及び画素PIX2の配置の変形例>
画素PIX1の配置の変形例を説明する。
図19(A)、
図19(B)及び
図19(C)は、画素PIX1の配置の変形例を示す図である。
図1~
図18と同一、又は類似する構成については、ここでの説明を省略する。
【0154】
図19(A)は、画素PIX1がX方向及びY方向にマトリクス状に配置される共に、サブ画素160R、サブ画素160G、及びサブ画素160Bが、それぞれY方向に配置される画素配列を示す。
図19(A)は、所謂、ストライプ配列などと呼ばれる画素配列である。
【0155】
図19(B)は、画素PIX1がX方向及びY方向にマトリクス状に配置される共に、サブ画素160R、サブ画素160G、及びサブ画素160Bが、それぞれX方向にサブ画素一つずらして、X方向及びY方向に交差する斜め方向に配置される画素配列を示す。
図19(B)は、所謂、モザイク配列などと呼ばれる画素配列である。
【0156】
図19(B)は、画素PIX1がX方向及びY方向にマトリクス状に配置される共に、サブ画素160R、サブ画素160G、及びサブ画素160Bが、それぞれX方向にサブ画素一つずらして、X方向及びY方向に交差する斜め方向に配置される画素配列を示す。
図19(B)は、所謂、モザイク配列などと呼ばれる画素配列である。
【0157】
図19(C)は、サブ画素160R、サブ画素160G、及びサブ画素160Bが逆三角形を構成するように配置された画素PIX1Cと、サブ画素160R、サブ画素160G、及びサブ画素160Bが三角形を構成するように配置された画素PIX1Dとが、画素PIX1がX方向及びY方向に交互に配置される画素配列を示す。
図19(C)は、所謂、デルタ配列などと呼ばれる画素配列である。
【0158】
画素PIX2は、
図19(A)~
図19(C)を用いて説明された配列と同様に配置されてよい。
【0159】
以上説明したとおり、画素PIX1及び画素PIX2は、様々な配列が可能である。
【0160】
<第2実施形態>
第2実施形態では、第1実施形態とは異なる表示装置11の表示方法を説明する。
図20は、本発明の第2実施形態に係る表示装置11の表示方法において、制御装置301が機能ブロックで示された図である。
図21は、表示装置11の表示方法を説明するためのフローチャートである。表示装置11の説明では、表示装置10と同様の説明は省略される場合がある。
【0161】
はじめに、
図21を用いて、表示装置11の機能ブロック構成を説明する。
図21に示されるように、制御装置301は、表示選択回路330、距離測定装置340、表示パネル間距離変更装置350、及び表示パネル制御回路310を含む。表示パネル制御回路310は、制御信号送信回路317及び映像信号分配回路315を含む。
【0162】
表示選択回路330は、表示装置10と同様に表示装置11の表示方法を選択する機能を有する。例えば、表示装置11が複数の表示方法を備えている場合、ユーザーは入力機能(図示は省略)によって複数の表示方法から、立体表示方法と通常表示方法を選択することができる。表示選択回路330は、入力機能から送信された入力信号MODEに基づいて、立体表示方法(MODE2)又は通常表示方法(MODE3)を選択し、表示装置11は立体表示方法又は通常表示方法を開始することができる。また、表示選択回路330は、立体表示方法のデータを含む入力信号MODE2を距離測定装置340に送信し、通常表示方法のデータを含む入力信号MODE3を制御信号送信回路317及び映像信号分配回路315に送信する機能を有する。
【0163】
距離測定装置340は、観測者30と表示装置11との間の距離を測定可能な機能を有する。具体的には、距離測定装置340は、観測者30と表示装置11との間の距離を測定可能な距離センサを含む。距離測定装置340は、観測者30と表示装置11との間の距離を測定した結果(距離H3)を生成し、距離測定信号を表示パネル間距離変更装置350に送信する。距離測定信号は距離H3のデータを含む。
【0164】
表示パネル間距離変更装置350は、第1の表示パネル100と第2の表示パネル200との間の距離を変更する機能を有する。具体的には、表示パネル間距離変更装置350は、距離測定信号に応じて、距離変更信号を生成する。また、表示パネル間距離変更装置350は、距離変更信号に基づいて、第1の表示パネル100と第2の表示パネル200との間の距離H1を距離H4に変更する。さらに、表示パネル間距離変更装置350は、距離変更信号を制御信号送信回路317及び映像信号分配回路315に送信する。距離変更信号は距離H4のデータを含む。
【0165】
制御信号送信回路317は、入力信号MODE3、又は、距離変更信号に基づき、第1のドライバIC106及び第2のドライバIC206を制御するための信号を生成し送信する機能を有する。具体的には、制御信号送信回路317は、入力信号MODE3、又は、距離変更信号を受信すると、第2の表示パネル200と第1の表示パネル100とを同期させる同期信号を生成し、映像信号及び同期信号を映像信号分配回路315に送信する。
【0166】
映像信号分配回路315は、距離変更信号、映像信号及び同期信号、又は、入力信号MODE3、映像信号及び同期信号に基づき、映像信号を、第1の表示パネル100に表示するための第1映像信号及び第2の表示パネル200に表示するための第2映像信号に分配する機能を有する。また、映像信号分配回路315は、距離変更信号、映像信号及び同期信号、又は、入力信号MODE3、映像信号及び同期信号に基づき、第2のドライバIC206及び第1のドライバIC106を制御するための信号を生成し、送信する機能を有する。
【0167】
具体的には、映像信号分配回路315は、距離変更信号、映像信号及び同期信号を受信すると、測定された第1の表示パネルと第2の表示パネル200との間の距離(距離H4)で、映像信号が対応する解像度に応じて、映像信号を第1映像信号及び第2映像信号に分配すると共に、第1の表示パネル100及び第2の表示パネル200に第1映像信号及び第2映像信号を供給するための同期信号以外の第5制御信号を生成する。さらに、映像信号分配回路315は、第1映像信号、第2映像信号、及び同期信号を含む第5制御信号を第2のドライバIC206及び第1のドライバIC106に送信する。
【0168】
また、映像信号分配回路315は、入力信号MODE3、映像信号及び同期信号を受信すると、現時点の第1の表示パネルと第2の表示パネル200との間の距離(距離H1)で、映像信号が対応する解像度に応じて、映像信号を第1映像信号及び第2映像信号に分配すると共に、第1の表示パネル100及び第2の表示パネル200に第1映像信号及び第2映像信号を供給するための同期信号以外の第6制御信号を生成する。さらに、映像信号分配回路315は、第1映像信号、第2映像信号、及び同期信号を含む第6制御信号を第2のドライバIC206及び第1のドライバIC106に送信する。
【0169】
第5制御信号及び第6制御信号は、第1の表示パネル100及び第2の表示パネル200のそれぞれの駆動を同期させる信号(同期信号)を含む。また、第5制御信号及び第6制御信号は、第2の表示パネル200及び第1の表示パネル100の駆動タイミングを同期させ、第2の表示パネル200に第2映像信号を供給すると共に第1の表示パネル100に第1映像信号を供給するための第1同期信号、及び第2同期信号を含む。
【0170】
なお、同期信号、第1同期信号、及び第2同期信号は、第1実施形態に係る制御装置300と同様の機能及び構成を有する信号である。
【0171】
続いて、
図21を用いて、立体表示方法及び通常表示方法のフローを説明する。
【0172】
例えば、入力信号MODEに基づいて、表示装置11の立体表示方法(MODE2)又は通常表示方法(MODE3)が選択される。
【0173】
ステップ30(S10)では、表示装置11は、表示選択回路330を用いて、表示方法を選択する。入力信号MODEが立体表示方法(MODE2)のデータを含む入力信号MODE2の場合、表示装置10は、立体表示方法(MODE2)(ステップ30(S10)においてYES)を選択し、ステップ32(S32)を実行する。入力信号MODEが通常表示方法(MODE3)のデータを含む入力信号MODE3の場合、表示装置10は、通常表示方法(MODE3)(ステップ30(S10)においてNO)を選択し、ステップ42(S42)を実行する。
【0174】
ステップ32(S32)では、距離測定装置340は、観測者30と表示装置11との間の距離を測定し、測定結果(距離H3)を生成する。また、距離測定装置340は、距離H3のデータを含む距離測定信号を表示パネル間距離変更装置350に送信する。
【0175】
ステップ34(S14)では、表示パネル間距離変更装置350は、距離測定信号に応じて、第1の表示パネル100と第2の表示パネル200との間の距離H1を距離H4に変更する。さらに、表示パネル間距離変更装置350は、距離H4のデータを含む
距離変更信号を制御信号送信回路317及び映像信号分配回路315に送信する。
【0176】
ステップ36(S36)では、制御信号送信回路317は、距離変更信号に基づき、同期信号を生成する。制御信号送信回路317は、映像信号及び同期信号を映像信号分配回路315に送信する。
【0177】
ステップ38(S38)では、映像信号分配回路315は、距離変更信号、映像信号、及び同期信号に基づき、測定された第1の表示パネルと第2の表示パネル200との間の距離(距離H4)で、映像信号が対応する解像度に応じて、映像信号を第1映像信号及び第2映像信号に分配すると共に、同期信号以外の第5制御信号を生成する。また、映像信号分配回路315は、第1映像信号、第2映像信号、及び同期信号を含む第5制御信号を第2のドライバIC206及び第1のドライバIC106に送信する。
【0178】
ステップ40(S40)では、制御信号送信回路317は、通常表示方法(MODE3)のデータを含む入力信号MODE3に基づき、同期信号を生成する。制御信号送信回路317は、映像信号及び同期信号を映像信号分配回路315に送信する。
【0179】
ステップ42(S42)では、映像信号分配回路315は、入力信号MODE3、映像信号、及び同期信号に基づき、現時点での第1の表示パネルと第2の表示パネル200との間の距離(距離H1)で、映像信号が対応する解像度に応じて、映像信号を第1映像信号及び第2映像信号に分配すると共に、同期信号以外の第5制御信号を生成する。また、映像信号分配回路315は、第1映像信号、第2映像信号、及び同期信号を含む第5制御信号を第2のドライバIC206及び第1のドライバIC106に送信する。
【0180】
ステップ38(S38)及びステップ42(S42)に続くステップ50(S60)では、第1のドライバIC106及び第2のドライバIC206が受信した信号に基づき、第1のドライバIC106及び第2のドライバIC206が第1の表示パネル100及び第2の表示パネル200を制御し、第1の表示パネル100及び第2の表示パネル200が映像を表示する。
【0181】
以上説明したように、立体表示方法(MODE2)では、測定された第1の表示パネルと第2の表示パネル200との間の距離(距離H4)で、映像信号が対応する解像度に応じて、第1のドライバIC106、第2のドライバIC206、第1の表示パネル100及び第2の表示パネル200を制御することができる。その結果、第1の表示パネル100及び第2の表示パネル200は、測定された第1の表示パネルと第2の表示パネル200との間の距離(距離H4)に応じた立体感のある映像を表示することができる。
【0182】
また、通常表示方法(MODE3)では、現時点での第1の表示パネルと第2の表示パネル200との間の距離(距離H1)で、映像信号が対応する解像度に応じて、第1のドライバIC106、第2のドライバIC206、第1の表示パネル100及び第2の表示パネル200を制御することができる。その結果、第1の表示パネル100及び第2の表示パネル200は、現時点での第1の表示パネルと第2の表示パネル200との間の距離(距離H1)に応じた解像度に適応した映像を表示することができる。
【0183】
<第3実施形態>
第3実施形態では、第1実施形態とは異なる表示装置12の構成を説明する。
図22は、本発明の第3実施形態に係る表示装置12の構成を示す模式的な斜視図である。表示装置12の説明では、表示装置10と同様の説明は省略される場合がある。
【0184】
表示装置12は、表示装置10と比較して、絶縁層240及び絶縁層248を含まず、導電性接着剤412及び円偏光板414を含む。絶縁層248を導電性接着剤412に、絶縁層240を円偏光板414に置き換え、表示装置12では、それ以外の構成及び機能等は、表示装置10と同様であるから、表示装置10と同様の構成及び機能等の説明は省略される。
【0185】
導電性接着剤412がアレイ層230の上に配置される。円偏光板414が導電性接着剤412の上に配置され、アレイ層230に接着される。
【0186】
表示装置12では、導電性接着剤412を用いることによって、表示装置12内へのESDの侵入を抑制できる。その結果、表示装置12では、ESDに伴う表示装置12内の各素子又は配線等の破損を抑制することができる。
【0187】
また、表示装置12では、円偏光板414が観測者30側に設けられる。その結果、観測者30側への過度な反射を抑制することができる。
【0188】
<第4実施形態>
第4実施形態では、第1実施形態とは異なる表示装置13の構成を説明する。
図23は、本発明の第4実施形態に係る表示装置13の構成を示す模式的な斜視図である。表示装置13の説明では、表示装置10と同様の説明は省略される場合がある。
【0189】
表示装置13は、表示装置10と比較して、低反射放熱層220を含まず、絶縁層416を含む。表示装置13では、それ以外の構成及び機能等は、表示装置10と同様であるから、表示装置10と同様の構成及び機能等の説明は省略される。
【0190】
絶縁層416が基板210の第1の面212に配置される。絶縁層416は、反射率が低く、熱伝導率が高い材料を用いて形成される。例えば、絶縁層416の材料は、アルミナ(Al2O3)を用いて形成されてよい。また、絶縁層416は基板210とは異なる基板であってよい。例えば、絶縁層416は、アルミナ(Al2O3)シートであってよく、窒化アルミニウム(AlN)の表面に反射率の低い材料を備えた部材であってもよい。絶縁層416は基板210とは異なる基板の場合、当該基板は、基板210に接着剤などを用いて貼り合わされてよい。
【0191】
表示装置13では、絶縁層416を用いることによって、熱を逃がす構成(放熱可能な構成)を有する。その結果、表示装置13は、第1の表示パネル100及び第2の表示パネル200の表示に伴い発生する熱に伴う各発光素子の発光効率の低下を抑制することができる。さらに、表示装置10は、各発光素子に流す電流量を従来より増やすことが可能となり、発光素子の輝度を高く設定することが可能である。
【0192】
<第5実施形態>
第5実施形態では、第1実施形態とは異なる表示装置14の構成を説明する。
図24は、本発明の第5実施形態に係る表示装置14の構成を示す模式的な斜視図である。表示装置14の説明では、表示装置10と同様の説明は省略される場合がある。
【0193】
表示装置14は、表示装置10と比較して、第1の表示パネル100と第2の表示パネル200との間に、高熱伝導基板500を含む。表示装置14では、それ以外の構成及び機能等は、表示装置10と同様であるから、表示装置10と同様の構成及び機能等の説明は省略される。
【0194】
高熱伝導基板500が、絶縁層140と低反射放熱層220との間に配置される。また、高熱伝導基板500は、筐体400の側壁410に接続される。高熱伝導基板500は、反射率が低く、熱伝導率が高い材料を用いて形成される。例えば、高熱伝導基板500は、アルミナ(Al2O3)を用いて形成された基板であってよく、窒化アルミニウム(AlN)を用いて形成された基板であってもよい。
【0195】
表示装置13では、高熱伝導基板500を用いることによって、熱を逃がす構成(放熱可能な構成)を有する。その結果、表示装置13は、第1の表示パネル100及び第2の表示パネル200の表示に伴い発生する熱に伴う各発光素子の発光効率の低下を抑制することができる。さらに、表示装置10は、各発光素子に流す電流量を従来より増やすことが可能となり、発光素子の輝度を高く設定することが可能である。
【0196】
本発明の実施形態として上述した各実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。また、各実施形態の表示装置を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0197】
上述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、又は、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0198】
10:表示装置、11:表示装置、12:表示装置、13:表示装置、14:表示装置、30:観測者、100:第1の表示パネル、104:表示部、106:第1のドライバIC、108:走査信号線駆動回路、110:基板、111:端子部、112:第1の面、114:第2の面、115:端子、116:周辺部、118:端子、120:低反射放熱層、124:配線、126:配線、128a:コンタクトホール、128b:コンタクトホール、130:アレイ層、132:配線、132a:コンタクトホール、132b:コンタクトホール、134:コンタクトホール、136:コンタクトホール、138:コンタクトホール、140:絶縁層、141:下地層、142:絶縁層、143:絶縁層、144:絶縁層、145:絶縁層、146:絶縁層、147:絶縁層、149:開口部、160B:サブ画素、160G:サブ画素、160R:サブ画素、171:半導体層、171a:半導体膜、171b:半導体膜、172:コンタクトホール、184:ゲート配線層、184a:走査信号線、184b:走査信号線、184c:走査信号線、184d:ゲート電極、186:第1導電層、186a:映像信号線、186b:映像信号線、186c:映像信号線、186d:映像信号線、186e:映像信号線、186f:映像信号線、186g:ソース電極、186h:ドレイン電極、188:第2導電層、188a:電極、190:第3導電層、190a:電極、192:第4導電層、192a:電極、194:第5導電層、194a:接合電極、194b:接合電極、196:第6導電層、196a:電極、200:第2の表示パネル、204:表示部、206:第2のドライバIC、208:走査信号線駆動回路、209:端子部、210:基板、211:開口部、212:第1の面、214:第2の面、215:端子、216:周辺部、218:端子、220:低反射放熱層、220a:低反射放熱層、220b:低反射放熱層、220c:低反射放熱層、220d:低反射放熱層、220e:低反射放熱層、220f:低反射放熱層、220g:低反射放熱層、220h:低反射放熱層、224:配線、226:配線、230:アレイ層、232a:コンタクトホール、232b:コンタクトホール、234:コンタクトホール、236:コンタクトホール、238:コンタクトホール、240:絶縁層、241:下地層、242:絶縁層、243:絶縁層、244:絶縁層、245:絶縁層、246:絶縁層、247:絶縁層、249a:開口部、249b:開口部、260B:サブ画素、260G:サブ画素、260R:サブ画素、271:半導体層、271a:半導体膜、271b:半導体膜、272:コンタクトホール、284:ゲート配線層、284a:走査信号線、284b:走査信号線、284c:走査信号線、284d:ゲート電極、286:第1導電層、286a:映像信号線、286b:映像信号線、286c:映像信号線、286d:映像信号線、286e:映像信号線、286f:映像信号線、286g:ソース電極、286h:ドレイン電極、288:第2導電層、288a:電極、290:第3導電層、290a:電極、292:第4導電層、292a:電極、294:第5導電層、294a:電極、294b:電極、300:制御装置、301:制御装置、310:表示パネル制御回路、312:映像信号送信回路、314:映像信号分配回路、315:映像信号分配回路、316:制御信号送信回路、317:制御信号送信回路、320:解像度比較判定回路、330:表示選択回路、340:距離測定装置、350:表示パネル間距離変更装置、400:筐体、410:側壁、412:導電性接着剤、414:円偏光板、416:絶縁層、417:スリット、417b:スリット、417c:スリット、500:高熱伝導基板、BLED1:発光素子、BLED2:発光素子、GLED1:発光素子、GLED2:発光素子、RLED1:発光素子、RLED2:発光素子