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特開2024-84003売上単価算出装置、売上単価算出方法、及び売上単価算出プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084003
(43)【公開日】2024-06-24
(54)【発明の名称】売上単価算出装置、売上単価算出方法、及び売上単価算出プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0283 20230101AFI20240617BHJP
【FI】
G06Q30/0283
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022198145
(22)【出願日】2022-12-12
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 慎
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB04
5L049BB04
(57)【要約】
【課題】得意先との商品単価決定時に為替リスク対策として仕入時レートのレンジ毎に売上掛率を取決めし、それを事前に設定しておくことで、得意先への売上単価を効率よく算出することができる売上単価算出装置等を提供することを課題とする。
【解決手段】本実施形態では、(1)単価マスタを参照して、所定の得意先と所定の納入先と所定の商品とに紐づく商品単価を取得し、(2)仕入先と商品と所定の通貨単位で示された境界額と売上掛率とを含む売上掛率マスタを参照して、所定の仕入先と、所定の商品と、所定の通貨単位とは異なる商品の仕入時の通貨単位から所定の通貨単位への換算の際に用いる所定の仕入時レート以下であって当該レートに最も近い境界額と、紐づく売上掛率を取得し、(3)取得された商品単価と取得された売上掛率を掛けて、商品の売上単価を算出する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
得意先を識別する得意先識別情報と、納入先を識別する納入先識別情報と、商品を識別する商品識別情報と、所定の通貨単位で示された商品単価と、を含む単価データを参照して、所定の前記得意先識別情報と所定の前記納入先識別情報と所定の前記商品識別情報とに紐づく前記商品単価を取得する商品単価取得部と、
仕入先を識別する仕入先識別情報と、前記商品識別情報と、前記所定の前記通貨単位で示された境界額と、売上掛率と、を含む売上掛率データを参照して、所定の前記仕入先識別情報と、前記所定の前記商品識別情報と、前記所定の前記通貨単位とは異なる前記商品の仕入時の通貨単位から前記所定の前記通貨単位への換算の際に用いる所定の仕入時レート以下であって当該レートに最も近い前記境界額と、に紐づく前記売上掛率を取得する売上掛率取得部と、
前記商品単価取得部で取得された前記商品単価と前記売上掛率取得部で取得された前記売上掛率を掛けて、前記商品の売上単価を算出する売上単価算出部と、
を備えること、
を特徴とする売上単価算出装置。
【請求項2】
前記仕入先識別情報と前記仕入時の前記通貨単位とを含む通貨単位データを参照して、前記所定の前記仕入先識別情報に紐づく前記仕入時の前記通貨単位を取得する通貨単位取得部と、
改定日と通貨単位と前記仕入時レートとを含むレートデータを参照して、前記通貨単位取得部で取得された前記仕入時の前記通貨単位と、所定の仕入予定日または仕入日以前であり且つ最新の前記改定日と、に紐づく前記仕入時レートを取得するレート取得部と、
をさらに備え、
前記所定の前記仕入時レートは、前記レート取得部で取得されたものであること、
を特徴とする請求項1に記載の売上単価算出装置。
【請求項3】
前記単価データに相当するものとして、得意先別納入先別仕入先別商品別に前記商品単価を管理する第一単価データと、得意先別納入先別商品別に前記商品単価を管理する第二単価データと、が存在し、
前記商品単価取得部は、前記第一単価データを優先して参照し、前記第一単価データから前記商品単価を取得することができなかったときは前記第二単価データを参照すること、
を特徴とする請求項1または2に記載の売上単価算出装置。
【請求項4】
前記商品は化学品であり、前記所定の前記通貨単位は日本円であり、前記仕入時の前記通貨単位は日本円以外のものであること、
を特徴とする請求項3に記載の売上単価算出装置。
【請求項5】
商品単価取得部が、得意先を識別する得意先識別情報と、納入先を識別する納入先識別情報と、商品を識別する商品識別情報と、所定の通貨単位で示された商品単価と、を含む単価データを参照して、所定の前記得意先識別情報と所定の前記納入先識別情報と所定の前記商品識別情報とに紐づく前記商品単価を取得するステップ、
売上掛率取得部が、仕入先を識別する仕入先識別情報と、前記商品識別情報と、前記所定の前記通貨単位で示された境界額と、売上掛率と、を含む売上掛率データを参照して、所定の前記仕入先識別情報と、前記所定の前記商品識別情報と、前記所定の前記通貨単位とは異なる前記商品の仕入時の通貨単位から前記所定の前記通貨単位への換算の際に用いる所定の仕入時レート以下であって当該レートに最も近い前記境界額と、紐づく前記売上掛率を取得するステップ、
売上単価算出部が、前記取得された前記商品単価と前記取得された前記売上掛率を掛けて、前記商品の売上単価を算出するステップ、
を含むこと、
を特徴とする売上単価算出方法。
【請求項6】
情報処理装置を、
得意先を識別する得意先識別情報と、納入先を識別する納入先識別情報と、商品を識別する商品識別情報と、所定の通貨単位で示された商品単価と、を含む単価データを参照して、所定の前記得意先識別情報と所定の前記納入先識別情報と所定の前記商品識別情報とに紐づく前記商品単価を取得する商品単価取得手段、
仕入先を識別する仕入先識別情報と、前記商品識別情報と、前記所定の前記通貨単位で示された境界額と、売上掛率と、を含む売上掛率データを参照して、所定の前記仕入先識別情報と、前記所定の前記商品識別情報と、前記所定の前記通貨単位とは異なる前記商品の仕入時の通貨単位から前記所定の前記通貨単位への換算の際に用いる所定の仕入時レート以下であって当該レートに最も近い前記境界額と、紐づく前記売上掛率を取得する売上掛率取得手段、
前記商品単価取得手段で取得された前記商品単価と前記売上掛率取得手段で取得された前記売上掛率を掛けて、前記商品の売上単価を算出する売上単価算出手段、
として機能させるための売上単価算出プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、売上単価算出装置、売上単価算出方法、及び売上単価算出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、毎日相場単価が変動する商品に関して、各得意先の商品毎の売上単価を算出する場合に、オペレータの作業負担を低減して簡単な方法で算出する単価管理装置等が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-68042号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、例えば直送の多い商社において、国外の仕入先から商品を輸入している場合に、仕入価格が相場レートに応じて変動するため、国内の得意先と適正な売上単価を取決めるのに時間がかかっていた。一方、為替予約を行う事で為替リスクを軽減する事はできるが、得意先によっては納入日基準の相場レートを採用する可能性があったり、得意先が為替予約を受注時点から残高管理している可能性があったりすることを考慮すると、必ずしも全ての取引で為替予約を行うことができるとは限らない。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、得意先との商品単価決定時に為替リスク対策として仕入時レートのレンジ毎に売上掛率を取決めし、それを事前に設定しておくことで、得意先への売上単価を効率よく算出することができる、売上単価算出装置、売上単価算出方法、及び売上単価算出プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、売上単価算出装置は、得意先を識別する得意先識別情報と、納入先を識別する納入先識別情報と、商品を識別する商品識別情報と、所定の通貨単位で示された商品単価と、を含む単価データを参照して、所定の前記得意先識別情報と所定の前記納入先識別情報と所定の前記商品識別情報とに紐づく前記商品単価を取得する商品単価取得部と、仕入先を識別する仕入先識別情報と、前記商品識別情報と、前記所定の前記通貨単位で示された境界額と、売上掛率と、を含む売上掛率データを参照して、所定の前記仕入先識別情報と、前記所定の前記商品識別情報と、前記所定の前記通貨単位とは異なる前記商品の仕入時の通貨単位から前記所定の前記通貨単位への換算の際に用いる所定の仕入時レート以下であって当該レートに最も近い前記境界額と、に紐づく前記売上掛率を取得する売上掛率取得部と、前記商品単価取得部で取得された前記商品単価と前記売上掛率取得部で取得された前記売上掛率を掛けて、前記商品の売上単価を算出する売上単価算出部と、を備えること、を特徴とする。
【0007】
なお、本発明に係る売上単価算出装置は、前記仕入先識別情報と前記仕入時の前記通貨単位とを含む通貨単位データを参照して、前記所定の前記仕入先識別情報に紐づく前記仕入時の前記通貨単位を取得する通貨単位取得部と、改定日と通貨単位と前記仕入時レートとを含むレートデータを参照して、前記通貨単位取得部で取得された前記仕入時の前記通貨単位と、所定の仕入予定日または仕入日以前であり且つ最新の前記改定日と、に紐づく前記仕入時レートを取得するレート取得部と、をさらに備えてもよく、前記所定の前記仕入時レートは、前記レート取得部で取得されたものであってもよい。
【0008】
また、本発明に係る売上単価算出装置において、前記単価データに相当するものとして、得意先別納入先別仕入先別商品別に前記商品単価を管理する第一単価データと、得意先別納入先別商品別に前記商品単価を管理する第二単価データと、が存在してもよく、前記商品単価取得部は、前記第一単価データを優先して参照し、前記第一単価データから前記商品単価を取得することができなかったときは前記第二単価データを参照してもよい。
【0009】
また、本発明に係る売上単価算出装置において、前記商品は化学品であってもよく、前記所定の前記通貨単位は日本円であってもよく、前記仕入時の前記通貨単位は日本円以外のものであってもよい。
【0010】
また、本発明に係る売上単価算出方法は、商品単価取得部が、得意先を識別する得意先識別情報と、納入先を識別する納入先識別情報と、商品を識別する商品識別情報と、所定の通貨単位で示された商品単価と、を含む単価データを参照して、所定の前記得意先識別情報と所定の前記納入先識別情報と所定の前記商品識別情報とに紐づく前記商品単価を取得するステップ、売上掛率取得部が、仕入先を識別する仕入先識別情報と、前記商品識別情報と、前記所定の前記通貨単位で示された境界額と、売上掛率と、を含む売上掛率データを参照して、所定の前記仕入先識別情報と、前記所定の前記商品識別情報と、前記所定の前記通貨単位とは異なる前記商品の仕入時の通貨単位から前記所定の前記通貨単位への換算の際に用いる所定の仕入時レート以下であって当該レートに最も近い前記境界額と、紐づく前記売上掛率を取得するステップ、売上単価算出部が、前記取得された前記商品単価と前記取得された前記売上掛率を掛けて、前記商品の売上単価を算出するステップ、を含むこと、を特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る売上単価算出プログラムは、情報処理装置を、得意先を識別する得意先識別情報と、納入先を識別する納入先識別情報と、商品を識別する商品識別情報と、所定の通貨単位で示された商品単価と、を含む単価データを参照して、所定の前記得意先識別情報と所定の前記納入先識別情報と所定の前記商品識別情報とに紐づく前記商品単価を取得する商品単価取得手段、仕入先を識別する仕入先識別情報と、前記商品識別情報と、前記所定の前記通貨単位で示された境界額と、売上掛率と、を含む売上掛率データを参照して、所定の前記仕入先識別情報と、前記所定の前記商品識別情報と、前記所定の前記通貨単位とは異なる前記商品の仕入時の通貨単位から前記所定の前記通貨単位への換算の際に用いる所定の仕入時レート以下であって当該レートに最も近い前記境界額と、紐づく前記売上掛率を取得する売上掛率取得手段、前記商品単価取得手段で取得された前記商品単価と前記売上掛率取得手段で取得された前記売上掛率を掛けて、前記商品の売上単価を算出する売上単価算出手段、として機能させるためのである。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、得意先との商品単価決定時に為替リスク対策として仕入時レートのレンジ毎に売上掛率を取決めし、それを事前に設定しておくことで、得意先への売上単価を効率よく算出することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本実施形態に係る業務支援装置の構成の一例を示す図である。
図2図2は、本実施形態かかる処理の流れの概要を示す図である。
図3図3は、本実施形態かかる処理の前提となる各種マスタの一例を示す図である。
図4図4は、受注入力の局面における受注入力画面MA、受注入力明細画面MBおよび受注データ106hの一例を示す図である。
図5図5は、売上入力の局面における売上入力画面MC、売上入力明細画面MDおよび売上データ106jの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係る売上単価算出装置、売上単価算出方法、および売上単価算出プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0015】
[1.構成]
本実施形態に係る業務支援装置100(本発明の売上単価算出装置を含む)の構成の一例について、図1等を参照して説明する。図1は、業務支援装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0016】
業務支援装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータを基に構築したものである。なお、業務支援装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型業務支援装置を基に構築したものに限らず、市販のノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォンまたはタブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型業務支援装置を基に構築したものであってもよい。
【0017】
業務支援装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。業務支援装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0018】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、業務支援装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、業務支援装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、記憶部106に格納されるデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0019】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0020】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラム(売上単価算出プログラムを含む)が記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0021】
記憶部106は、仕入先マスタ106a(本発明の通貨単位データを含む)、得意先マスタ106b、基準レートマスタ106c(本発明のレートデータを含む)、仕入先商品通貨レート別売上掛率マスタ106d(本発明の売上掛率データを含む)、得意先納入先仕入先別商品単価マスタ106e(本発明の単価データに包含され、本発明の第一単価データを含む)、得意先納入先別商品単価マスタ106f(本発明の単価データに包含され、本発明の第二単価データを含む)、発注データ106g(データ構造は例示せず)、受注データ106h、仕入データ106i(データ構造は例示せず)、および売上データ106j等を格納する。
【0022】
図3には、仕入先マスタ106aに格納される情報の一例が示されている。仕入先マスタ106aは、仕入先(主に日本以外の国の仕入先を想定)と、仕入先との取引の基準通貨(基準通貨単位)を管理するためのものである。仕入先マスタ106aは、図3で示すように、仕入先に割り当てられた仕入先識別情報(例えば仕入先コードなど)および基準通貨識別情報(例えば基準通貨コードなど)等を格納する。
【0023】
図3には、得意先マスタ106bに格納される情報の一例が示されている。得意先マスタ106bは、得意先(主に日本の得意先を想定)と、得意先との取引の基準通貨(基準通貨単位)を管理するためのものである。得意先マスタ106bは、図3で示すように、得意先に割り当てられた得意先識別情報(例えば得意先コードなど)および基準通貨識別情報(例えば基準通貨コードなど)等を格納する。
【0024】
図3には、基準レートマスタ106cに格納される情報の一例が示されている。基準レートマスタ106cは、通貨コードごとにレート(通貨レート)を管理するためのものである。基準レートマスタ106cは、図3で示すように、改定日、通貨識別情報(例えば通貨コードなど)、およびレート等を格納する。
【0025】
図3には、仕入先商品通貨レート別売上掛率マスタ106dに格納される情報の一例が示されている。仕入先商品通貨レート別売上掛率マスタ106dは、図3で示すように、仕入先識別情報、適用開始日と適用終了日、商品に割り当てられた商品識別情報(例えば商品コードなど)、仕入先からの仕入時の通貨識別情報、得意先への売上時の通貨識別情報、売上時の通貨識別情報で示された境界額、および売上掛率等を格納する。
【0026】
図3には、得意先納入先仕入先別商品単価マスタ106eに格納される情報の一例が示されている。得意先納入先仕入先別商品単価マスタ106eは、図3で示すように、得意先識別情報、納入先に割り当てられた納入先識別情報(例えば納入先コードなど)、仕入先識別情報、適用開始日と適用終了日、商品識別情報、所定の単位で示された数量、および商品単価等を格納する。
【0027】
図3には、得意先納入先別商品単価マスタ106fに格納される情報の一例が示されている。得意先納入先別商品単価マスタ106fは、図3で示すように、得意先識別情報、納入先識別情報、適用開始日と適用終了日、商品識別情報、所定の単位で示された数量、および商品単価等を格納する。
【0028】
発注データ106gは、仕入先への商品の発注に関する情報を管理するためのものである。
【0029】
図4には、受注データ106hに格納される情報の一例が示されている。受注データ106hは、得意先からの商品の受注に関する情報を管理するためのものである。受注データ106hは、図4で示すように、受注ごとに割り当てられた受注識別情報(例えば受注番号など)、行番号、受注区分(例えば直送受注など)、事業所に割り当てられた事業所識別情報(例えば事業所コードなど)、受注日、担当者に割り当てられた担当者識別情報(例えば担当者コードなど)、得意先識別情報、納入先識別情報、仕入先識別情報、商品識別情報(例えは商品識別コード、商品名など)、数量、売上単価、金額、取得単価、および売上掛率等の情報を格納する。ここで、「直送受注」という受注区分は、仕入先から仕入れた商品(主に輸入商品を想定)を、得意先が指定した納入先へ自社を経由せずに直接送ることを前提とする受注であることを意味する。
【0030】
仕入データ106iは、仕入先からの商品の仕入に関する情報を管理するためのものである。
【0031】
図5には、売上データ106jに格納される情報の一例が示されている。売上データ106jは、得意先への商品の売上に関する情報を管理するためのものである。売上データ106jは、図5で示すように、売上ごとに割り当てられた売上識別情報(例えば売上番号など)、行番号、売上区分(例えば直送売上など)、事業所識別情報、売上日、担当者識別情報、得意先識別情報、納入先識別情報、仕入先識別情報、商品識別情報、数量、売上単価、金額、取得単価、および掛率等を格納する。ここで、「直送売上」という売上区分は、仕入先から仕入れた商品(主に輸入商品を想定)を、得意先が指定した納入先へ自社を経由せずに直接送ることを前提とする売上であることを意味する。
【0032】
図1に戻り、制御部102は、業務支援装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の業務支援を実行する。
【0033】
制御部102は、機能概念的に、受注入力部102a、売上入力部102b、および売上単価算出部102cなどを備える。受注入力部102a及び売上入力部102bは、本発明の通貨単位取得部とレート取得部を含み、売上単価算出部102cは、本発明の商品単価取得部、売上掛率取得部、および売上単価算出部を含む。
【0034】
受注入力部102aは、以下の(11)から(15)の処理を実行する(図4参照)。
(11)受注入力画面MAの領域MA1に、受注に関する基本的な情報をオペレータに設定させる。
(12)得意先マスタ106bを参照して、領域MA1に設定された得意先識別情報に紐づく基準通貨コードを取得し、当該取得した基準通貨コードを、領域MA1内に設けられている、売上時通貨を表示させるための売上時通貨表示領域に表示させる。
(13)基準レートマスタ106cを参照して、(12)で取得した基準通貨コードと、領域MA1に設定された売上予定日以前であり且つ最新の改定日と、に紐づくレートを取得し、当該取得したレートを、領域MA1内に設けられている、売上時レートを表示させるための売上時レート表示領域に表示させる。
(14)仕入先マスタ106aを参照して、領域MA1に設定された仕入先識別情報に紐づく基準通貨コードを取得し(本発明の通貨単位取得部が行う処理に相当)、当該取得した基準通貨コードを、領域MA1内に設けられている、仕入時通貨を表示させるための仕入時通貨表示領域に表示させる。
(15)基準レートマスタ106cを参照して、(14)で取得した基準通貨コードと、領域MA1に設定された仕入予定日以前であり且つ最新の改定日と、に紐づくレートを取得し(本発明のレート取得部が行う処理に相当)、当該取得したレートを、領域MA1内に設けられている、仕入時レートを表示させるための仕入時レート表示領域に表示させる。
【0035】
受注入力部102aは、以下の(21)から(26)の処理を実行する(図4参照)。
(21)受注入力画面MAの領域MA2の初期状態である領域MA21においてオペレータの操作を受けると、受注入力明細画面MBをモニタ114に表示させる。
(22)受注入力明細画面MBに、受注入力画面MAの領域MA1に設定されている仕入先識別情報を表示する。
(23)受注入力明細画面MBに、受注に関する詳細な情報(受注区分、商品、数量および明細摘要)をオペレータに設定させる。
(24)受注入力明細画面MBに数量が設定されると売上単価算出部102cを起動させ、売上単価算出部102cにおいて取得した情報(商品単価および売上掛率)および売上単価算出部102cで算出した売上単価を受注入力明細画面MBに表示する。
(25)受注入力明細画面MBに設定されている数量と売上単価を掛けて売上金額を算出し、算出した売上金額を受注入力明細画面MBに表示する。
(26)受注入力明細画面MBに設定されている情報の一部を受注入力画面MAの領域MA2に反映する。
【0036】
受注入力部102aは、受注入力画面MAに設けられている、受注確定をオペレータに指示させるための領域(図示せず)が指示されると、受注入力画面MAと受注入力明細画面MBに設定されている情報を基に受注データ106hを生成する(図4参照)。
【0037】
ここで、受注入力画面MAと受注入力明細画面MBについて、図4を参照して説明する。受注入力画面MAは、大別して、受注に関する基本的な情報を入力するための領域MA1と、受注の明細情報を表示するための領域MA2と、で構成されている。
【0038】
領域MA1は、取引担当した事業所の事業所識別情報、受注日、売上予定日、仕入予定日、得意先識別情報、担当者識別情報、納入先識別情報および仕入先識別情報を入力する領域、ならびに、売上時通貨、売上時レート、仕入時通貨および仕入時レートを表示する領域を含む。
【0039】
領域MA1に表示される売上時通貨は、入力した得意先識別情報に紐づく得意先マスタ106bから取得したものであり、領域MA1に表示される売上時レートは、入力した売上予定日と表示された売上時通貨に紐づく基準レートマスタ106cから取得したものである。領域MA1に表示される仕入時通貨は、入力した仕入先識別情報に紐づく仕入先マスタ106aから取得したものであり、領域MA1に表示される仕入時レートは、入力した仕入予定日と表示された仕入時通貨に紐づく基準レートマスタ106cから取得したものである。
【0040】
領域MA2の初期状態は、図4の領域MA21で示されているように行番号のみ表示されている状態である。オペレータが領域MA21内の明細を選択(例えばダブルクリックなど)することにより、行番号と仕入先識別情報が初期表示された受注入力明細画面MBが表示される。オペレータが受注入力明細画面MBに受注の明細情報を入力した後、図4の領域MA2のように受注区分、商品情報、数量情報、商品単価、および明細摘要が表示される。
【0041】
受注入力明細画面MBにおいて商品識別情報と数量情報が入力されると、売上単価算出部102cが起動される。受注入力明細画面MBには、売上単価算出部102cが取得した商品単価が取得単価欄に、売上単価算出部102cが取得した売上掛率が取得掛率欄に、売上単価算出部102cが算出した売上単価が単価欄にそれぞれ表示され、さらに、受注入力部102aが算出した売上金額が金額欄に表示される。
【0042】
図1に戻り、売上入力部102bは、以下の(31)から(35)の処理を実行する(図5参照)。
(31)売上入力画面MCの領域MC1に、受注識別情報および売上に関する基本的な情報をオペレータに設定させる。
(32)得意先マスタ106bを参照して、領域MC1に設定された得意先識別情報に紐づく基準通貨コードを取得し、当該取得した基準通貨コードを、領域MC1内に設けられている、売上時通貨を表示させるための売上時通貨表示領域に表示させる。
(33)基準レートマスタ106cを参照して、(32)で取得した基準通貨コードと、領域MC1に設定された売上日以前であり且つ最新の改定日と、に紐づくレートを取得し、当該取得したレートを、領域MC1内に設けられている、売上時レートを表示させるための売上時レート表示領域に表示させる。
(34)仕入先マスタ106aを参照して、領域MC1に設定された仕入先識別情報に紐づく基準通貨コードを取得し(本発明の通貨単位取得部が行う処理に相当)、当該取得した基準通貨コードを、領域MC1内に設けられている、仕入時通貨を表示させるための仕入時通貨表示領域に表示させる。
(35)基準レートマスタ106cを参照して、(34)で取得した基準通貨コードと、領域MC1に設定された仕入日以前であり且つ最新の改定日と、に紐づくレートを取得し(本発明のレート取得部が行う処理に相当)、当該取得したレートを、領域MC1内に設けられている、仕入時レートを表示させるための仕入時レート表示領域に表示させる。
【0043】
売上入力部102bは、以下の(41)から(46)の処理を実行する(図5参照)。
(41)売上入力画面MCの領域MC2の初期状態である領域MC21においてオペレータの操作を受けると、売上入力明細画面MDをモニタ114に表示させる。
(42)売上入力明細画面MDに、売上入力画面MCの領域MC1に設定されている仕入先識別情報を表示する。
(43)売上入力明細画面MDに、売上に関する詳細な情報(売上区分、商品、数量および明細摘要)をオペレータに設定させる。
(44)売上入力明細画面MDに数量が設定されると売上単価算出部102cを起動させ、売上単価算出部102cにおいて取得した情報(商品単価および売上掛率)および売上単価算出部102cで算出した売上単価を売上入力明細画面MDに表示する。
(45)売上入力明細画面MDに設定されている数量と売上単価を掛けて売上金額を算出し、算出した売上金額を売上入力明細画面MDに表示する。
(46)売上入力明細画面MDに設定されている情報の一部を売上入力画面MCの領域MC2に反映する。
【0044】
売上入力部102bは、売上入力画面MCに設けられている、売上確定をオペレータに指示させるための領域(図示せず)が指示されると、売上入力画面MCと売上入力明細画面MDに設定されている情報を基に売上データ106jを生成する(図5参照)。
【0045】
ここで、売上入力画面MCと売上入力明細画面MDについて、図5を参照して説明する。売上入力画面MCは、大別して、売上に関する基本的な情報を入力するための領域MC1と、売上の明細情報を表示するための領域MC2と、で構成されている。
【0046】
領域MC1は、受注識別情報、事業所識別情報、売上日、仕入日、得意先識別情報、担当者識別情報、納入先識別情報および仕入先識別情報を入力する領域、ならびに、売上時通貨、売上時レート、仕入時通貨および仕入時レートを表示する領域を含む。
【0047】
領域MC1に表示される売上時通貨は、入力した得意先識別情報に紐づく得意先マスタ106bから取得したものであり、領域MCに表示される売上時レートは、入力した売上日と表示された売上時通貨に紐づく基準レートマスタ106cから取得したものである。領域MC1に表示される仕入時通貨は、入力した仕入先識別情報に紐づく仕入先マスタ106aから取得したものであり、領域MC1に表示される仕入時レートは、入力した仕入日と表示された仕入時通貨に紐づく基準レートマスタ106cから取得したものである。
【0048】
領域MC2の初期状態は、図5の領域MC21で示されているように行番号のみ表示されている状態である。オペレータが領域MC1内の明細を選択(例えばダブルクリックなど)することにより、行番号と仕入先識別情報が初期表示された売上入力明細画面MDが表示される。オペレータが売上入力明細画面MDに売上の明細情報を入力した後、図5の領域MC2のように売上区分、商品情報、数量情報、商品単価、および明細摘要が表示される。
【0049】
売上入力明細画面MDにおいて商品識別情報と数量情報を入力されると、売上単価算出部102cが起動される。売上入力明細画面MDには、売上単価算出部102cが取得した商品単価が取得単価欄に、売上単価算出部102cが取得した売上掛率を取得掛率欄に、売上単価算出部102cが算出した売上単価が単価欄にそれぞれ表示され、さらに、売上入力部102bが算出した売上金額が金額欄に表示される。
【0050】
図1に戻り、売上単価算出部102cは、受注入力部102aにより起動されると(図4の受注入力明細画面MBに商品識別情報と数量が設定されると)、得意先納入先仕入先別商品単価マスタ106eまたは得意先納入先別商品単価マスタ106fを参照して、受注入力画面MAの領域MA1に設定されている得意先識別情報と納入先識別情報と受注入力明細画面MBに設定されている商品識別情報とに紐づく商品単価を取得する(本発明の商品単価取得部が行う処理に相当)。なお、売上単価算出部102cは、キー情報の多い得意先納入先仕入先別商品単価マスタ106eを優先して参照して、受注入力画面MAの領域MA1に設定されている得意先識別情報と納入先識別情報と仕入先識別情報と受注入力明細画面MBに設定されている商品識別情報とに紐づく商品単価を取得し、商品単価を取得することができなかったときは、得意先納入先別商品単価マスタ106fを参照して、受注入力画面MAの領域MA1に設定されている得意先識別情報と納入先識別情報と受注入力明細画面MBに設定されている商品識別情報とに紐づく商品単価を取得してもよい。
【0051】
売上単価算出部102cは、受注入力部102aにより起動されると(図4の受注入力明細画面MBに商品識別情報と数量が設定されると)、仕入先商品通貨レート別売上掛率マスタ106dを参照して、受注入力画面MAの領域MA1に設定されている仕入先識別情報と、受注入力明細画面MBに設定されている商品識別情報と、(15)で取得したレート(仕入時レート)以下であって当該レートに最も近い境界額と、に紐づく売上掛率を取得する(本発明の売上掛率取得部が行う処理に相当)。
【0052】
売上単価算出部102cは、取得した商品単価と取得した売上掛率を掛けて、受注入力明細画面MBに設定されている商品識別情報で特定される商品の売上単価を算出する(本発明の売上単価算出部が行う処理に相当)。
【0053】
売上単価算出部102cは、売上入力部102bにより起動されると(図5の売上入力明細画面MDに商品識別情報と数量が設定されると)、得意先納入先仕入先別商品単価マスタ106eまたは得意先納入先別商品単価マスタ106fを参照して、売上入力画面MCの領域MC1に設定されている得意先識別情報と納入先識別情報と売上入力明細画面MDに設定されている商品識別情報とに紐づく商品単価を取得する(本発明の商品単価取得部が行う処理に相当)。なお、売上単価算出部102cは、キー情報の多い得意先納入先仕入先別商品単価マスタ106eを優先して参照して、売上入力画面MCの領域MC1に設定されている得意先識別情報と納入先識別情報と仕入先識別情報と売上入力明細画面MDに設定されている商品識別情報とに紐づく商品単価を取得し、商品単価を取得することができなかったときは、得意先納入先別商品単価マスタ106fを参照して、売上入力画面MCの領域MC1に設定されている得意先識別情報と納入先識別情報と売上入力明細画面MDに設定されている商品識別情報とに紐づく商品単価を取得してもよい。
【0054】
売上単価算出部102cは、売上入力部102bにより起動されると(図5の売上入力明細画面MDに商品識別情報と数量が設定されると)、仕入先商品通貨レート別売上掛率マスタ106dを参照して、売上入力画面MCの領域MC1に設定されている仕入先識別情報と、売上入力明細画面MDに設定されている商品識別情報と、(35)で取得したレート(仕入時レート)以下であって当該レートに最も近い境界額と、に紐づく売上掛率を取得する(本発明の売上掛率取得部が行う処理に相当)。
【0055】
売上単価算出部102cは、取得した商品単価と取得した売上掛率を掛けて、売上入力明細画面MDに設定されている商品識別情報で特定される商品の売上単価を算出する(本発明の売上単価算出部が行う処理に相当)。
【0056】
図2に示すように、受注入力で発注データから受注データを発生させてもよく、その際、仕入先商品通貨レート別売上掛率マスタ106dが売上単価の算出に使用されてもよい。同様に、売上入力で仕入データから売上データを発生させてもよく、その際、仕入先商品通貨レート別売上掛率マスタが売上単価の算出に使用されてもよい。
【0057】
[2.処理の具体例]
上述のように構成された業務支援装置100が実行する処理の具体例を、業務支援装置100を用いて行われる業務の流れの一例に沿って、図4等を参照して詳細に説明する。
【0058】
[業務その1:2022年7月10日の受注情報を入力する(図4参照)]
まず、オペレータは、予めモニタ114に表示されている図4の受注入力画面MAの領域MA1に、事業所コード「T100」、受注日「2022/7/10」、得意先コード「TK001」、担当者コード「TAN001」、納入先コード「NOU01」、仕入先コード「SR001」、売上予定日「2022/7/14」および仕入予定日「2022/7/14」を入力する。
【0059】
すると、受注入力部102aは、得意先マスタ106bを参照して、入力された得意先コード「TK001」に紐づく基準通貨コード「JPY」を取得するとともに、領域MA1の売上時通貨欄に「JPY」と表示させる。次に、受注入力部102aは、売上時通貨欄に表示された「JPY」と売上予定日「2022/7/14」を基に、基準レートマスタ106cを参照し、通貨コード「JPY」と、売上予定日「2022/7/14」以前であり且つ最新の(最も大きい)改定日「1900/1/1」と、に紐づくレート「1」を取得するとともに、領域MA1の売上時レート欄に「1」と表示させる。
【0060】
さらに、受注入力部102aは、仕入先マスタ106aを参照して、入力された仕入先コード「SR001」に紐づく基準通貨コード「USD」を取得するとともに、領域MA1の仕入時通貨欄に「USD」と表示させる。次に、受注入力部102aは、仕入時通貨欄に表示された「USD」と仕入予定日「2022/7/14」を基に、基準レートマスタ106cを参照し、通貨コード「USD」と、仕入予定日「2022/7/14」以前であり且つ最新の(最も大きい)改定日「2022/7/14」と、に紐づくレート「127.5」を取得するとともに、領域MA1の仕入時レート欄に「127.5」と表示させる。
【0061】
つぎに、オペレータが領域MA21内でダブルクリックすると、受注入力部102aは、領域MA21の行番号「1」と受注入力画面MAで入力された仕入先コード「SR001」が初期表示されている受注入力明細画面MBをモニタ114に表示させる。オペレータは、受注入力明細画面MBに、受注区分コード「40」、商品コード「SH01」、数量「2」、明細摘要「新規取引の受注:基本数量」を順に入力する。
【0062】
すると、受注入力部102aは、受注区分マスタ(図示せず)を参照して、受注区分コード「40」に紐づく「直送受注」を、商品マスタ(図示せず)を参照して、商品コード「SH01」に紐づく「アンモニア」を取得するとともに、受注入力明細画面MBに表示させる。
【0063】
一方、数量が入力されたタイミングで、受注入力部102aは、売上単価算出部102cを起動させる。
【0064】
そして、売上単価算出部102cは、キー情報の多い得意先納入先仕入先別商品単価マスタ106eを優先して参照して、入力された得意先コード「TK001」と、入力された納入先コード「NOU01」と、入力された仕入先コード「SR001」と、入力された商品コード「SH01」と、入力された受注日「2022/7/10」以前の適用開始日「2022/5/1」と、入力された受注日「2022/7/10」以後の適用終了日「2022/12/31」と、に紐づく商品単価を取得する。この場合、得意先納入先仕入先別商品単価マスタ106eから商品単価「1,000」が取得される。
【0065】
また、売上単価算出部102cは、仕入先商品通貨レート別売上掛率マスタ106dを参照して、入力された仕入先コード「SR001」と、入力された売上予定日「2022/7/14」以前の適用開始日と、入力された売上予定日「2022/7/14」以後の適用終了日と、入力された商品コード「SH01」と、受注入力画面MAに表示された仕入時通貨「USD」と、受注入力画面MAに表示された売上時通貨「JPY」と、受注入力画面MAに表示された仕入時レート「127.5」以下であって当該レートに最も近い境界値「120」と、に紐づく売上掛率「1.2」を取得する。
【0066】
そして、売上単価算出部102cは、取得した商品単価「1,000」と取得した売上掛率「1.2」を掛けて売上単価「1,200」を算出する。
【0067】
つぎに、受注入力部102aは、売上単価算出部102cが取得した商品単価「1,000」、売上単価算出部102cが取得した売上掛率「1.2」、および売上単価算出部102cが算出した売上単価「1,200」を、受注入力明細画面MBの該当する欄に表示させる。
【0068】
つぎに、受注入力部102aは、受注入力明細画面MBに表示された売上単価「1,200」に、入力された数量「2」を掛けて売上金額「2,400」を算出するとともに、受注入力明細画面MBの金額欄に「2,400」と表示させる。
【0069】
さらに、受注入力部102aは、受注区分「直送受注」、商品「SH01(アンモニア)」、数量「2」ケース、単価「¥1,200」および明細摘要「新規取引の受注:基本数量」を受注入力画面MAの領域MA2に表示させる。
【0070】
そして、受注入力画面MAに設けられている、受注確定を指示させるための領域(図示せず)がオペレータに指示されると、受注入力部102aは、採番した受注番号「JJ001」、領域MA2の行番号「1」、受注区分「直送受注」、事業所コード「T100」、受注日「2022/7/10」、担当者コード「TAN001」、得意先コード「TK001」、納入先コード「NOU01」、仕入先コード「SR001」、商品コード「SH01(アンモニア)」、数量「2」、売上単価「¥1,200」、売上金額「¥2,400」、商品単価「¥1,000」、および売上掛率「1.2」を含む受注レコードを生成し受注データ106hに格納する。
【0071】
なお、図4の領域MA2の行番号2と図4の受注データ106hの行番号2で示されている商品コード「SH02(硝酸)」については、得意先と売上掛率の取決めがされていないため、仕入先商品通貨レート別売上掛率マスタ106dに情報が設定されていないので、図4の受注データ106hの行番号2のカラム名「掛率」は「-」で表示され、売上単価と商品単価(取得単価)は同じ金額となり、商品単価は、より安価な単価を含む単価マスタから取得される。
【0072】
[業務その2:2022年7月24日の売上情報を入力する(図5参照)]
まず、オペレータは、予めモニタ114に表示されている図5の売上入力画面MCの領域MC1に、受注番号「JJ001」、事業所コード「T100」、売上日「2022/7/24」、得意先コード「TK001」、担当者コード「TAN001」、納入先コード「NOU01」、仕入先コード「SR001」および仕入日「2022/7/21」を入力する。
【0073】
すると、売上入力部102bは、得意先マスタ106bを参照して、入力された得意先コード「TK001」に紐づく基準通貨コード「JPY」を取得するとともに、領域MC1の売上時通貨欄に「JPY」と表示させる。次に、売上入力部102bは、売上時通貨欄に表示された「JPY」と売上日「2022/7/24」を基に、基準レートマスタ106cを参照し、通貨コード「JPY」と、売上日「2022/7/24」以前であり且つ最新の(最も大きい)改定日「1900/1/1」と、に紐づくレート「1」を取得するとともに、領域MC1の売上時レート欄に「1」と表示させる。
【0074】
さらに、売上入力部102bは、仕入先マスタ106aを参照して、入力された仕入先コード「SR001」に紐づく基準通貨コード「USD」を取得するとともに、領域MC1の仕入時通貨欄に「USD」と表示させる。次に、売上入力部102bは、仕入時通貨欄に表示された「USD」と仕入日「2022/7/21」を基に、基準レートマスタ106cを参照し、通貨コード「USD」と、仕入日「2022/7/21」以前であり且つ最新の(最も大きい)改定日「2022/7/21」と、に紐づくレート「133.5」を取得するとともに、領域MC1の仕入時レート欄に「133.5」と表示させる。
【0075】
つぎに、オペレータが領域MC21内でダブルクリックすると、売上入力部102bは、領域MC21の行番号「1」と売上入力画面MCで入力された仕入先コード「SR001」が初期表示されている売上入力明細画面MDをモニタ114に表示させる。オペレータは、売上入力明細画面MDに、売上区分コード「40」、商品コード「SH01」、数量「2」、明細摘要「新規取引の売上:基本数量」を順に入力する。
【0076】
すると、売上入力部102bは、売上区分マスタ(図示せず)を参照して、売上区分コード「40」に紐づく「直送売上」を、商品マスタ(図示せず)を参照して、商品コード「SH01」に紐づく「アンモニア」を取得するとともに、売上入力明細画面MDに表示させる。
【0077】
一方、数量が入力されたタイミングで、売上入力部102bは、売上単価算出部102cを起動させる。
【0078】
そして、売上単価算出部102cは、キー情報の多い得意先納入先仕入先別商品単価マスタ106eを優先して参照して、入力された得意先コード「TK001」と、入力された納入先コード「NOU01」と、入力された仕入先コード「SR001」と、入力された商品コード「SH01」と、入力された売上日「2022/7/24」以前の適用開始日「2022/5/1」と、入力された売上日「2022/7/24」以後の適用終了日「2022/12/31」と、に紐づく商品単価を取得する。この場合、得意先納入先仕入先別商品単価マスタ106eから商品単価「1,000」が取得される。
【0079】
また、売上単価算出部102cは、仕入先商品通貨レート別売上掛率マスタ106dを参照して、入力された仕入先コード「SR001」、入力された売上日「2022/7/24」以前の適用開始日と、入力された売上日「2022/7/24」以後の適用終了日と、入力された商品コード「SH01」と、売上入力画面MCに表示された仕入時通貨「USD」と、売上入力画面MCに表示された売上時通貨「JPY」と、売上入力画面MCに表示された仕入時レート「133.5」以下であって当該レートに最も近い境界値「130」と、に紐づく売上掛率「1.3」を取得する。
【0080】
そして、売上単価算出部102cは、取得した商品単価「1,000」と取得した売上掛率「1.3」を掛けて売上単価「1,300」を算出する。
【0081】
つぎに、売上入力部102bは、売上単価算出部102cが取得した商品単価「1,000」、売上単価算出部102cが取得した売上掛率「1.3」、および売上単価算出部102cが算出した売上単価「1,300」を、売上入力明細画面MDの該当する欄に表示させる。
【0082】
つぎに、売上入力部102bは、売上入力明細画面MDに表示された売上単価「1,300」円に、入力された数量「2」を掛けて売上金額「2,600」を算出するとともに、売上入力明細画面MDの金額欄に「2,600」と表示させる。
【0083】
さらに、売上入力部102bは、売上区分「直送売上」、商品「SH01(アンモニア)」、数量「2」ケース、単価「¥1,300」および明細摘要「新規取引の受注:基本数量」を売上入力画面MCの領域MC2に表示させる。
【0084】
そして、売上入力画面MCに設けられている、売上確定を指示させるための領域(図示せず)がオペレータに指示されると、売上入力部102bは、採番した売上番号「UU001」、領域MC2の行番号「1」、売上区分「直送売上」、事業所コード「T100」、売上日「2022/7/24」、担当者コード「TAN001」、得意先コード「TK001」、納入先コード「NOU01」、仕入先コード「SR001」、商品コード「SH01(アンモニア)」、数量「2」、売上単価「¥1,300」、売上金額「¥2,600」、商品単価「¥1,000」、および売上掛率「1.3」を含む売上レコードを生成し売上データ106jに格納する。
【0085】
なお、図5の領域MC2の行番号2と図5の売上データ106jの行番号2で示されている商品コード「SH02(硝酸)」については、得意先と売上掛率の取決めがされていないため、仕入先商品通貨レート別売上掛率マスタ106dに情報が設定されていないので、図5の売上データ106jの行番号2のカラム名「掛率」は「-」で表示され、売上単価と取得単価は同じ金額となり、商品単価は、より安価な単価を含む単価マスタから取得される。
【0086】
以上、本実施形態によれば、得意先との商品単価決定時に為替リスク対策として仕入時レートのレンジ毎に売上掛率を取決めし、それを事前にマスタ設定しておくことで、得意先への売上単価を効率よく算出することができ、さらに、同じ取引における原価率のブレを予防できるので相場に応じた粗利減を防ぐこともできる。
【0087】
[3.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8および9に貢献することが可能となる。
【0088】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13および15に貢献することが可能となる。
【0089】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0090】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0091】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0092】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0093】
また、業務支援装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0094】
例えば、業務支援装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて業務支援装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0095】
また、このコンピュータプログラムは、業務支援装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0096】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0097】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0098】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0099】
また、業務支援装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、業務支援装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0100】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明は、外貨により仕入れた商品を国内で取引する場合などにおいて有用である。
【符号の説明】
【0102】
100 業務支援装置
102 制御部
102a 受注入力部
102b 売上入力部
102c 売上単価算出部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 仕入先マスタ
106b 得意先マスタ
106c 基準レートマスタ
106d 仕入先商品通貨レート別売上掛率マスタ
106e 得意先納入先仕入先別商品単価マスタ
106f 得意先納入先別商品単価マスタ
106g 発注データ
106h 受注データ
106i 仕入データ
106j 売上データ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5