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特開2024-84120貢献度予測のためのシステム、方法、及びコンピュータ可読媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084120
(43)【公開日】2024-06-24
(54)【発明の名称】貢献度予測のためのシステム、方法、及びコンピュータ可読媒体
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/258 20110101AFI20240617BHJP
   H04N 21/254 20110101ALI20240617BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240617BHJP
【FI】
H04N21/258
H04N21/254
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023146541
(22)【出願日】2023-09-08
(62)【分割の表示】P 2022197705の分割
【原出願日】2022-12-12
(71)【出願人】
【識別番号】517287224
【氏名又は名称】17LIVE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126572
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 智史
(72)【発明者】
【氏名】林奇▲い▼
(72)【発明者】
【氏名】徐永吉
【テーマコード(参考)】
5C164
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5C164SC11P
5C164SC31P
5C164YA07
5L049CC12
5L050CC12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】コンテンツプロバイダーにとって、収益貢献度など、より高い貢献度を達成する可能性の高いユーザを特定する方法を提供する。
【解決手段】方法は、第1の配信者に対する視聴者の貢献量が当該第1の配信者の貢献度閾値未満であると判定する工程S1004いいえと、当該第1の配信者に対する当該視聴者のインタラクションパラメータの値を取得する工程S1008と、機械学習モデルによって当該第1の配信者に対する当該視聴者のインタラクションパラメータの値に基づき、当該第1の配信者に対する当該視聴者の貢献度予測を判定する工程S1010と、を含む。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバによって実行される視聴者貢献度予測方法であって、
第1の配信者に対する視聴者の貢献度が、前記第1の配信者の貢献度閾値未満であると判定する工程と、
前記第1の配信者に対する前記視聴者のインタラクションパラメータの値を取得する工程と、
機械学習モデルにより、前記第1の配信者に対する前記視聴者の前記インタラクションパラメータの値に基づき、前記第1の配信者に対する前記視聴者の貢献度予測を判定する工程と、
を含むことを特徴とする、視聴者貢献度予測方法。
【請求項2】
さらに、
前記視聴者の属性を取得する工程と、
前記機械学習モデルにより、前記視聴者の属性に応じて、前記第1の配信者に対する前記視聴者の貢献度予測を判定する工程と、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の視聴者貢献度予測方法。
【請求項3】
さらに、
第2の配信者に対する前記視聴者のインタラクションパラメータの値を取得する工程と、
前記機械学習モデルにより、前記第2の配信者に対する前記視聴者の前記インタラクションパラメータの値に基づき、前記第1の配信者に対する前記視聴者の貢献度予測を判定する工程と、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の視聴者貢献度予測方法。
【請求項4】
さらに、
前記第2の配信者に対する前記視聴者の前記インタラクションパラメータの値に基づき、前記第2の配信者に対する前記視聴者の貢献度増加を判定する工程と、
前記第1の配信者に対する前記視聴者の前記貢献度予測がより大きいと判定する工程と、
を含むことを特徴とする、請求項3に記載の視聴者貢献度予測方法。
【請求項5】
さらに、
前記第1の配信者の属性が、前記第2の配信者の属性と異なると判定する工程を含み、
そのうち、判定された前記視聴者の前記第1の配信者に対する前記貢献度予測が、前記視聴者の前記第2の配信者に対する前記インタラクションパラメータ値と逆相関である、ことを特徴とする、請求項3に記載の視聴者貢献度予測方法。
【請求項6】
前記機械学習モデルが、配信者に対する視聴者のインタラクションパラメータと、配信者に対する視聴者の貢献度の値でトレーニングされている、ことを特徴とする、請求項1に記載の視聴者貢献度予測方法。
【請求項7】
前記貢献度予測が、前記視聴者が将来のある時点で前記第1の配信者の前記貢献度閾値に到達する確率である、ことを特徴とする、請求項1に記載の視聴者貢献度予測方法。
【請求項8】
さらに、
前記第1の配信者のライブストリーミング中に、前記第1の配信者に対する前記視聴者の判定された前記貢献度予測を、前記第1の配信者の端末のディスプレイに表示させる工程を含む、ことを特徴とする、請求項1に記載の視聴者貢献度予測方法。
【請求項9】
視聴者貢献度予測のためのシステムであって、1以上のプロセッサを備え、そのうち、前記1以上のプロセッサが機械可読命令を実行して、
第1の配信者に対する視聴者の貢献度が、前記第1の配信者の貢献度閾値未満であると判定する工程と、
前記第1の配信者に対する前記視聴者のインタラクションパラメータの値を取得する工程と、
機械学習モデルにより、前記第1の配信者に対する前記視聴者の前記インタラクションパラメータの値に基づき、前記第1の配信者に対する前記視聴者の貢献度予測を判定する工程と、
を実行することを特徴とする、視聴者貢献度予測のためのシステム。
【請求項10】
視聴者貢献度予測のためのプログラムを含む非一時的なコンピュータ可読媒体であって、そのうち、前記プログラムが、1以上のコンピュータに、
第1の配信者に対する視聴者の貢献度が、前記第1の配信者の貢献度閾値未満であると判定する工程と、
前記第1の配信者に対する前記視聴者のインタラクションパラメータの値を取得する工程と、
機械学習モデルにより、前記第1の配信者に対する前記視聴者の前記インタラクションパラメータの値に基づき、前記第1の配信者に対する前記視聴者の貢献度予測を判定する工程と、
を実行させることを特徴とする、視聴者貢献度予測のためのプログラムを含む非一時的なコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ライブストリーミングの分野における視聴者貢献度予測に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ライブストリーミングサービスに代表されるように、インターネット上におけるリアルタイムの交流が日常生活に浸透している。さまざまなプラットフォームやプロバイダーがライブストリーミングサービスを提供しており、競争も激しい。コンテンツプロバイダーにとって、収益貢献度など、より高い貢献度を達成する可能性の高いユーザを特定することが重要である。それにより、コンテンツプロバイダーは、潜在性の高いユーザをより重視し、より効率的な方法で収益を向上させることができる。
【0003】
中国特許出願公開第114268841号は、ライブインタラクションのユーザを選択する方法を開示している。
【発明の概要】
【0004】
本発明の一実施態様による方法は、1以上のコンピュータによって実行される視聴者貢献度予測方法であって、第1の配信者に対する視聴者の貢献量が、当該第1の配信者の貢献度閾値未満であると判定する工程と、当該第1の配信者に対する当該視聴者のインタラクションパラメータの値を取得する工程と、機械学習モデルによって当該第1の配信者に対する当該視聴者のインタラクションパラメータの値に基づき、当該第1の配信者に対する当該視聴者の貢献度予測を判定する工程と、を含む。
【0005】
本発明の一実施態様によるシステムは、1以上のプロセッサを含む視聴者貢献度予測のためのシステムであって、当該1以上のコンピュータプロセッサが、機械可読命令を実行して、第1の配信者に対する視聴者の貢献量が、当該第1の配信者の貢献度閾値未満であると判定する工程と、当該第1の配信者に対する当該視聴者のインタラクションパラメータの値を取得する工程と、機械学習モデルによって当該第1の配信者に対する当該視聴者のインタラクションパラメータの値に基づき、当該第1の配信者に対する当該視聴者の貢献度予測を判定する工程と、を実行する。
【0006】
本発明の一実施態様によるコンピュータ可読媒体は、視聴者貢献度予測のためのプログラムを含み、当該プログラムが、1以上のコンピュータに、第1の配信者に対する視聴者の貢献量が当該第1の配信者の貢献度閾値未満であると判定する工程と、当該第1の配信者に対する当該視聴者のインタラクションパラメータの値を取得する工程と、機械学習モデルによって当該第1の配信者に対する当該視聴者のインタラクションパラメータの値に基づき、当該第1の配信者に対する当該視聴者の貢献度予測を判定する工程と、を実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一部の実施態様に基づくライブストリーミングシステム1の構成を示す概略図である。
図2】本発明の一部の実施態様に基づく、図1のユーザ端末30の機能と構成を示すブロック図である。
図3】本発明の一部の実施態様に基づく、図1のサーバの機能と構成を示すブロック図である。
図4図3のストリームDB310の例示的データ構造を示す表である。
図5図3のユーザDB312の例示的データ構造を示す表である。
図6図3の贈り物DB314の例示的データ構造を示す表である。
図7図3の貢献度DB350の例示的データ構造を示す表である。
図8】視聴者と配信者間の例示的な日別貢献度データを示すグラフである。
図9図3のインタラクションパラメータDB352の例示的データ構造を示す表である。
図10】本発明の一部の実施態様に基づく方法を示す例示的なフローチャートである。
図11】本発明の一部の実施態様に基づく機械学習モデル370が貢献度予測を判定または計算する方法の一例である。
図12】本発明の一部の実施態様に基づく機械学習モデル370の例示的なトレーニング及び推論段階を示す概略図である。
図13】本発明の一部の実施態様に基づく配信者のユーザ端末におけるライブストリーミング画面の一例を示す概略図である。
図14】本発明の一部の実施態様に基づく配信者のユーザ端末におけるライブストリーミング画面の一例を示す概略図である。
図15図15(a)、(b)、(c)は、本発明の一部の実施態様に基づく貢献度予測の例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、各図面に示す同一または類似の構成要素、部材、手順または信号には、すべての図面において同様の符号を付し、それによって重複する説明は適宜省略される。また、各図面の説明において重要でない一部部材は省略される。
【0009】
従来、リアルタイムインタラクションプラットフォーム(ライブストリーミングプラットフォームなど)上のコンテンツプロバイダー(配信者、放送者、ストリーマー、ライバー、アンカーなど)は、プラットフォーム(またはコンテンツプロバイダー)に対して高い貢献(収益貢献など)をする可能性が高い視聴者を識別する良いツールを持っていない。配信者は、誰が潜在的な貢献者であるかを知ることができず、したがって、それに応じて行動することができない。
【0010】
本発明は、視聴者を分析し、配信者にとっての貢献者候補を識別するシステムまたは方法を提供する。したがって、配信者は、限られたリソース(時間、意識、またはイベントなど)をより高い潜在性を有する視聴者に向けることができ、より正確かつより効率的な方法で配信者の報酬を増加させることができる。
【0011】
図1は、本発明の一部の実施態様に基づくライブストリーミングシステム1の構成を示す概略図である。当該ライブストリーミングシステム1は、ストリーミングのストリーマー(ライバー、アンカー、配信者とも呼ばれる)LVと視聴者(オーディエンスとも呼ばれる)AU(AU1、AU2...)に、リアルタイムで交流または通信するためのライブストリーミングサービスを提供する。図1に示すように、当該ライブストリーミングシステム1は、サーバ10と、ユーザ端末20と、ユーザ端末30(30a、30b...)を含む。一部の実施態様において、当該ストリーマーと視聴者は、集合的にユーザと呼ばれてもよい。当該サーバ10は、ネットワークNWに接続された、1以上の情報処理装置を含むことができる。当該ユーザ端末20、30は、例えば、スマートフォン、タブレット、ノートPC、レコーダー、携帯ゲーム機、ウェアラブル端末などのモバイル端末装置であってもよいし、デスクトップPCなどの据え置き型装置であってもよい。当該サーバ10、当該ユーザ端末20及び当該ユーザ端末30は、各種有線または無線ネットワークNWを介して相互に通信可能に接続される。
【0012】
当該ライブストリーミングシステム1には、配信者LV、視聴者AU、及び当該サーバ10を管理する管理者(またはアプリプロバイダー、図示せず)が参加する。当該配信者LVは、自身のユーザ端末20でコンテンツを記録し、当該サーバ10に直接または間接的にアップロードすることにより、リアルタイムで当該コンテンツを配信する者である。当該コンテンツの例としては、当該配信者自身の歌、トーク、パフォーマンス、ゲームプレイ、その他あらゆるコンテンツであってもよい。当該管理者は、当該サーバ10上で当該コンテンツをライブストリーミングするためのプラットフォームを提供するとともに、当該配信者LVと当該視聴者AU間のリアルタイムの交流を仲介または管理する。当該視聴者AUは、自分のユーザ端末30で当該プラットフォームにアクセスし、所望のコンテンツを選択して視聴する。当該視聴者AUは、選択したコンテンツのライブストリーミング中に、当該ユーザ端末30を介してコメントや応援、贈り物の送信などの操作を実行する。当該コンテンツを配信している当該配信者LVは、それらのコメント、応援、または贈り物に対して応答してもよい。当該応答が、映像および(または)音声で 当該視聴者AUに送信され、双方向のコミュニケーションが確立される。
【0013】
「ライブストリーミング」という用語は、当該配信者LVのユーザ端末20で記録したコンテンツを、当該視聴者AUのユーザ端末30で実質的にリアルタイムに再生・視聴することを可能にするデータ伝送モードを指しても、そのような伝送モードにより実現されるライブブロードキャストを指してもよい。当該ライブストリーミングは、HTTPライブストリーミング、CMAF(Common Media Application Format)、WebRTC(Web Real―Time Communications)、RTMP(Real―Time Messaging Protocol)、MPEG DASHなどの既存のライブストリーミング技術を利用して実現されてもよい。ライブストリーミングには、当該配信者LVによるコンテンツの記録と同時に、当該視聴者AUが所定の遅延をもって当該コンテンツを視聴でき伝送モードを含む。当該遅延の長さについては、当該配信者LVと当該視聴者AUの交流が成立可能な程度の遅延であってもよい。なお、当該ライブストリーミングは、当該コンテンツの全記録データを一度当該サーバに格納し、その後ユーザの要求に応じて当該サーバから当該ユーザに提供する、いわゆるオンデマンド配信と区別される。
【0014】
ここでいう「映像データ」とは、当該ユーザ端末20または30の撮像機能を用いて生成された画像データ(映像データとも呼ばれる)と、当該ユーザ端末20または30の音声入力機能を用いて生成された音声データとを含むデータを指す。当該映像データは、当該ユーザがコンテンツを視聴できるように、当該ユーザ端末20、30で再生される。一部の実施態様において、当該配信者のユーザ端末における映像データの生成と当該視聴者のユーザ端末における映像データの再生との間に、当該映像データに対して圧縮、展開、符号化、復号化、トランスコーディングなど、その形式、サイズ、またはデータの仕様を変更する処理が行われると想定される。しかし、そのような処理の前後で、当該映像データが表す当該コンテンツ(例えば、映像や音声)は実質的に変化しないため、本明細書においては、そのような処理後の当該映像データを、そのような処理前の当該映像データと同一ものと表現している。すなわち、当該配信者のユーザ端末で映像データが生成された後、当該サーバ10を介して当該視聴者のユーザ端末で再生される場合、当該配信者のユーザ端末で生成された当該映像データ、当該サーバ10を通過する当該映像データ、および当該視聴者のユーザ端末で受信して再生される当該映像データは、いずれも同一の映像データである。
【0015】
図1に示す例において、当該配信者LVは、ライブストリーミングデータを提供する。当該配信者LVのユーザ端末20は、当該配信者LVの映像や音声を記録して当該ストリーミングデータを生成し、生成された当該データは当該ネットワークNWを介して当該サーバ10に送信される。同時に、当該ユーザ端末20は、当該配信者LVの記録された映像VDを当該ユーザ端末20のディスプレイに表示し、当該配信者LVが現在行っているライブストリーミングコンテンツを確認できるようにする。
【0016】
当該プラットフォームに当該配信者LVのライブストリーミングを視聴することを要求した当該視聴者AU1、AU2のそれぞれのユーザ端末30a、30bは、当該ネットワークNWを介して当該ライブストリーミングに関連する映像データ(以下、「ライブストリーミングの映像データ」と呼ばれてもよい)を受信し、受信した当該映像データを再生して当該映像VD1、VD2をディスプレイに表示し、スピーカーから音声を出力する。当該ユーザ端末30a、30bでそれぞれ表示される映像VD1、VD2は、当該配信者LVの当該ユーザ端末20により撮像された映像VDと実質的に同じであり、当該ユーザ端末30a、30bで出力される音声は、当該配信者LVの当該ユーザ端末20で記録された音声と実質的に同じである。
【0017】
当該配信者LVの当該ユーザ端末20での映像・音声の記録と、 当該視聴者AU1、AU2の当該ユーザ端末30a、30bでの映像データの再生は、実質的に同時に行われる。当該視聴者AU1が、当該配信者LVにより提供される当該コンテンツに関するコメントを当該ユーザ端末30aに入力すると、当該サーバ10は当該コメントを配信者LVの当該ユーザ端末30aにリアルタイムで表示するとともに、当該視聴者AU1とAU2の当該ユーザ端末30aと30bにも当該コメントをそれぞれ表示する。当該配信者LVが当該コメントを読み、当該コメントに対応するトークを展開すると、そのトークの映像と音声が、それぞれ当該視聴者AU1、AU2のユーザ端末30a、30bに表示される。このインタラクティブな動作は、当該配信者LVと当該視聴者AU1間で会話が成立していると認識される。これにより、当該ライブストリーミングシステム1では、一方的なコミュニケーションではなく、双方向のコミュニケーションを可能にするライブストリーミングを実現する。
【0018】
図2は、本発明の一部の実施態様に基づく、図1のユーザ端末30の機能と構成を示すブロック図である。当該ユーザ端末20は、当該ユーザ端末30と同じまたは類似した機能と構成を有する。図2の各ブロックと以降のブロック図は、ハードウェアがコンピュータのCPUや機械装置などの要素によって実現されてもよく、ソフトウェアがコンピュータプログラムなどによって実現されてもよい。機能ブロックは、これらの要素間の連携動作により実現されてもよい。したがって、これらの機能ブロックは、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによる多様な形態で実現され得ることが、当業者には理解されよう。
【0019】
当該配信者LV及び当該視聴者AUは、当該ネットワークNWを介してダウンロードサイトからライブストリーミングアプリケーションプログラム(以下、ライブストリーミングアプリケーションという)をダウンロードし、当該ユーザ端末20、30にインストールしてもよい。あるいは、当該ライブストリーミングアプリケーションは、当該ユーザ端末20と30に予めインストールされていてもよい。当該ライブストリーミングアプリケーションが当該ユーザ端末20、30上で実行されると、当該ユーザ端末20、30は、当該ネットワークNWを介して当該サーバ10と通信し、各種機能を実装または実行する。以下、当該ライブストリーミングアプリケーションが実行されるユーザ端末20、30(CPUなどのプロセッサ)によって実装される機能を、当該ユーザ端末20、30の機能として説明する。これらの機能は、実際には、当該ユーザ端末20、30上で当該ライブストリーミングアプリケーションにより実現される。一部の実施態様において、これらの機能は、HTML(HyperText Markup Language)などのプログラミング言語で記述され、当該サーバ10から当該ネットワークNWを介して当該ユーザ端末20、30のウェブブラウザに送信され、当該ウェブブラウザにより実行されるコンピュータプログラムによって実現されてもよい。
【0020】
当該ユーザ端末30は、配信ユニット100と視聴ユニット200を含む。当該配信ユニット100は、当該ユーザ(またはユーザ側)の映像と音声が記録された映像データを生成し、当該映像データを当該サーバ10に提供する。当該視聴ユニット200は、当該サーバ10から映像データを受信し、当該映像データを再生する。当該ユーザは、ライブストリーミングを行う際に、当該配信ユニット100を起動し、当該ユーザが映像を視聴する際に、当該視聴ユニット200を起動する。当該配信ユニット100が起動される当該ユーザ端末は、当該配信者の端末、すなわち、当該映像データを生成する当該ユーザ端末である。当該視聴ユニット200が起動される当該ユーザ端末は、当該視聴者の端末、即ち、当該映像データが再現され、再生される当該ユーザ端末である。
【0021】
当該配信ユニット100は、撮像コントロールユニット102と、オーディオコントロールユニット104と、映像送信ユニット106と、配信者側UIコントロールユニット108を含む。当該撮像コントロールユニット102は、カメラ(図2に表示せず)に接続され、当該カメラで実行される撮像を制御する。当該撮像コントロールユニット102は、当該カメラからの画像データを取得する。当該オーディオコントロールユニット104は、マイク(図2に表示せず)に接続され、当該マイクからの音声入力を制御する。当該オーディオコントロールユニット104は、当該マイクから当該オーディオデータを取得する。当該映像送信ユニット106は、当該撮像コントロールユニット102により取得された当該画像データと、当該オーディオコントロールユニット104により取得された当該オーディオデータを含む映像データを、当該ネットワークNWを介して当該サーバ10に送信する。当該映像データは、当該映像送信ユニット106によりリアルタイムに送信される。すなわち、当該撮像コントロールユニット102と当該オーディオコントロールユニット104による当該映像データの生成と、生成された当該映像データの当該映像送信ユニット106による送信とは、実質的に同時に実行される。当該配信者側UIコントロールユニット108は、当該配信者のUI(ユーザインターフェイス)をコントロールする。当該配信者側UIコントロールユニット108は、ディスプレイ(図2に表示せず)に接続されてもよく、当該映像送信ユニット106により送信される当該映像データを再生することにより、当該ディスプレイに映像を表示する。当該配信者側UIコントロールユニット108は、操作オブジェクトや指示許諾オブジェクトを当該ディスプレイに表示し、当該オブジェクトをタップした当該配信者からの入力を受け付けてもよい。
【0022】
当該視聴ユニット200は、視聴者側UIコントロールユニット202と、重ね合わせ情報生成ユニット204と、入力情報送信ユニット206を含む。当該視聴ユニット200は、当該ネットワークNWを介して当該サーバ10から、配信者、当該ユーザ端末30のユーザである視聴者、及び他の視聴者が参加する、ライブストリーミングに関連する映像データを受信する。当該視聴者側UIコントロールユニット202は、当該視聴者のUIを制御する。当該視聴者側UIコントロールユニット202は、ディスプレイとスピーカー(図2に表示せず)に接続され、受信した映像データを再生して、当該ディスプレイに映像を表示し、当該スピーカーから音声を出力する。当該映像が当該ディスプレイに出力され、当該音声が当該スピーカーから出力されている状態を「映像データが再生されている」状態と呼ぶことができる。当該視聴者側UIコントロールユニット202は、タッチパネル、キーボード、ディスプレイ等の入力手段(図2に表示せず)にも接続され、当該入力手段を介してユーザの入力を取得する。当該重ね合わせ情報生成ユニット204は、当該サーバ10からの映像データから生成された画像上に、所定のフレーム画像を重ねる。当該フレーム画像には、当該ユーザからの入力を受け付けるためのさまざまなユーザインターフェイスオブジェクト(以下、単に「オブジェクト」という)、当該視聴者により入力されたコメント、及び(または)当該サーバ10から取得した情報などが含まれる。当該入力情報送信ユニット206は、当該ネットワークNWを介して、当該視聴者側UIコントロールユニット202により取得された当該ユーザ入力を当該サーバ10に送信する。
【0023】
図3に、本発明の一部の実施態様に基づく、図1のサーバの機能と構成を示すブロック図を示す。当該サーバ10は、配信情報提供ユニット302と、中継ユニット304と、贈り物処理ユニット306と、支払い処理ユニット308と、ストリームDB310と、ユーザDB312と、贈り物DB314と、ユーザ識別ユニット330と、配信時間提案ユニット332と、貢献度DB350と、インタラクションパラメータDB352を含む。当該サーバ10は、機械学習(ML)モデル370と通信する。
【0024】
当該配信者側の当該ユーザ端末20から当該ネットワークNWを介してライブストリーミングの開始通知または要求を受信すると、当該配信情報提供ユニット302は、このライブストリーミングを識別するためのストリームIDと当該ライブストリーミングを行う配信者の配信者IDをストリームDB310に登録する。
【0025】
当該配信情報提供ユニット302が、当該ネットワークNWを介して当該視聴者側の当該ユーザ端末30の当該視聴ユニット200からライブストリームに関する情報の提供要求を受信すると、当該配信情報提供ユニット302は、当該ストリームDB310から現在利用可能なライブストリームを取得または確認し、利用可能なライブストリームのリストを作成する。当該配信情報提供ユニット302は、作成したリストを当該ネットワークNW経由で要求元の当該ユーザ端末30に送信する。要求元の当該ユーザ端末30の当該視聴者側UIコントロールユニット202は、受信したリストに基づいてライブストリーム選択画面を生成し、当該ユーザ端末30のディスプレイ上に表示する。
【0026】
当該ユーザ端末30の当該入力情報送信ユニット206が、当該ライブストリーム選択画面上で当該視聴者の選択結果を受信すると、当該入力情報送信ユニット206は、選択されたライブストリームのストリームIDを含む配信要求を生成し、当該ネットワークNWを介して当該サーバ10に当該要求を送信する。当該配信情報提供ユニット302は、要求元の当該ユーザ端末30に対して、受信した当該配信要求に含まれる当該ストリームIDで指定されるライブストリームの提供を開始する。当該配信情報提供ユニット302は、当該ストリームIDの(または対応する)視聴者IDに、要求元の当該ユーザ端末30の当該視聴者のユーザIDを含めるように当該ストリームDB310を更新する。
【0027】
当該中継ユニット304は、当該配信情報提供ユニット302により開始された当該ライブストリーミングにおいて、配信者側の当該ユーザ端末20から視聴者側の当該ユーザ端末30に当該映像データを中継する。当該中継ユニット304は、当該ライブストリーミング中または当該映像データの再生中に、当該入力情報送信ユニット206から視聴者によるユーザ入力を表す信号を受信する。当該ユーザ入力を表す信号は、当該ユーザ端末30のディスプレイに表示されたオブジェクトを指定するオブジェクト指定信号であってもよい。当該オブジェクト指定信号は、当該視聴者の視聴者ID、当該視聴者が視聴しているライブストリームの配信者の配信者ID、及び当該オブジェクトを特定するオブジェクトIDを含んでもよい。当該オブジェクトが贈り物であるとき、当該オブジェクトIDは贈り物IDである。同様に、当該中継ユニット304は、当該ユーザ端末20の当該配信ユニット100から、当該映像データの再生中(またはライブストリーミング中)に配信者により行われたユーザ入力を表す信号を受信する。当該信号は、オブジェクト指定信号であってもよい。
【0028】
また、当該ユーザ入力を表す信号は、視聴者が当該ユーザ端末30に入力したコメントと当該視聴者の視聴者IDを含むコメント入力信号であってもよい。当該コメント入力信号を受信すると、当該中継ユニット304は、当該コメントと信号に含まれる当該視聴者IDを、当該配信者の当該ユーザ端末20と他の視聴者の当該ユーザ端末30に送信する。これらユーザ端末20、30において、当該視聴者側UIコントロールユニット202と、当該重ね合わせ情報生成ユニット204は、同じく受信した当該視聴者IDと関連付けられたディスプレイ上に受信したコメントを表示する。
【0029】
当該贈り物処理ユニット306は、当該オブジェクト指定信号に含まれる贈り物IDによって特定される贈り物のポイントに基づき、当該配信者のポイントを増加させ、当該ユーザDB312を更新する。具体的には、当該贈り物処理ユニット306は、当該贈り物DB314を参照して、受信した当該オブジェクト指定信号に含まれる当該贈り物IDに対して付与するポイントを特定する。その後、当該贈り物処理ユニット306は、当該ユーザDB312を更新し、当該オブジェクト指定信号に含まれる当該配信者IDの(または当該配信者IDに対応する)ポイントに、特定されたポイントを追加する。
【0030】
当該支払い処理ユニット308は、当該オブジェクト指定信号の受信に応答して、視聴者からの贈り物の代金の支払いを処理する。具体的には、当該支払い処理ユニット308は、当該贈り物DB314を参照して、当該オブジェクト指定信号に含まれる当該贈り物IDにより特定される当該贈り物の価格ポイントを特定する。その後、当該支払い処理ユニット308は、当該ユーザDB312を更新し、当該オブジェクト指定信号に含まれる当該視聴者IDにより特定される当該視聴者のポイントから、特定された当該価格ポイントを差し引く。
【0031】
図4は、図3のストリームDB310の例示的データ構造を示す表である。当該ストリームDB310は、現在行われているライブストリームに関する情報を保持する。当該ストリームDB310は、ストリームID、配信者ID、視聴者IDを、相互に関連付けて格納する。当該ストリームIDは、当該ライブストリーミングシステム1により提供されるライブストリーミングプラットフォームにおけるライブストリームを識別するためのIDである。当該配信者IDは、当該ライブストリームを提供する配信者を識別するためのユーザIDである。当該視聴者IDは、当該ライブストリームの視聴者を識別するためのユーザIDである。一部の実施態様による当該ライブストリーミングシステム1により提供されるライブストリーミングプラットフォームにおいて、ユーザがライブストリームを開始すると、当該ユーザは配信者となり、同じユーザが別のユーザによりブロードキャストされるライブストリームを視聴すると、当該ユーザは視聴者にもなる。したがって、配信者と視聴者の区別は固定されておらず、あるとき配信者IDとして登録されたユーザIDが、別のときに視聴者IDとして登録されることもあり得る。
【0032】
図5は、図3のユーザDB312の例示的データ構造を示す表である。当該ユーザDB312は、ユーザに関する情報を保持する。当該ユーザDB312は、ユーザID、ポイント、1以上の属性(属性1、2、...)を、それぞれ関連付けて格納する。当該ユーザIDは、ユーザを識別する。当該ポイントは、対応する当該ユーザが保持するポイントに相当する。当該ポイントは、当該ライブストリーミングプラットフォーム内で流通する電子的な価値である。一部の実施態様において、配信者がライブストリーム中に視聴者から贈り物を受け取ると、当該配信者のポイントは当該贈り物に対応する価値だけ増加する。当該ポイントは、例えば、当該配信者が当該ライブストリーミングプラットフォームの管理者から受け取る報酬(金銭など)の量を決定するために使用される。一部の実施態様において、当該配信者が視聴者から贈り物を受け取る際に、当該ポイントに代えて、当該贈り物に対応する金額を付与してもよい。
【0033】
属性の例としては、性別、国、フォロー数、フォロワー数、課金額、及び(または)視聴者レベルなどを含んでもよい。当該フォロー数とは、対応するユーザがフォローしている配信者の数である。当該フォロワー数は、対応するユーザをフォローしている視聴者の数である。当該課金額は、対応するユーザがプラットフォームに課金した金額である。当該視聴者レベルは、対応するユーザの課金額とともに上昇してもよい。性別など一部の属性は、当該プラットフォームへの登録時に当該ユーザから入力されてもよい。国などの一部の属性は、検出ユニット(図3に表示せず)により、当該サーバ10の内部または当該サーバ10の外部で検出されてもよい。
【0034】
図6は、図3の贈り物DB314の例示的データ構造を示す表である。当該贈り物DB314は、当該ライブストリーミング中に当該視聴者が利用できる贈り物についての情報を保持する。贈り物は、電子データである。贈り物は、ポイントまたは金銭で購入するか、無償で提供することができてもよい。贈り物は、 視聴者が配信者に贈ることができる。配信者に贈り物を贈ることは、贈り物を使う、贈り物を送る、贈り物を投げるなどとも呼ばれる。贈り物の中には、購入と同時に使用できるものと、購入後、購入した視聴者が後から任意のタイミングで使用できるものとがある。視聴者が配信者に贈り物を贈ると、当該贈り物に対応する量のポイントが当該配信者に付与される。贈り物が使用されると、その使用によって当該贈り物に関連するエフェクトが発生してもよい。例えば、ライブストリーミング画面に当該贈り物に対応したエフェクト(視覚的効果や聴覚的効果など)が表示される。
【0035】
当該贈り物DB314は、贈り物ID、付与ポイント、価格ポイントを、相互に関連付けて格納する。当該贈り物IDは、贈り物を識別するためのものである。当該付与ポイントは、配信者に贈り物が贈られたときに当該配信者に付与されるポイントの量である。当該価格ポイントは、贈り物の使用(購入)に対して支払われるポイントの量である。視聴者は、ライブストリームを視聴しているときに、所望の贈り物の当該価格ポイントを支払うことで、配信者に当該所望の贈り物を贈ることができる。当該価格ポイントの支払いは、適宜の電子決済手段により行うことができる。例えば、視聴者が管理者に当該価格ポイントを支払うことにより、支払いが行われてもよい。あるいは、銀行振り込みやクレジットカードによる支払いが利用されてもよい。当該管理者は、当該付与ポイントと当該価格ポイントとの関係を任意に設定することができる。例えば、付与ポイント=価格ポイントとして設定してもよい。あるいは、当該付与ポイントに1.2などの所定の係数を乗じたポイントを当該価格ポイントとして設定しても、当該付与ポイントに所定の手数料ポイントを加算したポイントを当該価格ポイントとして設定してもよい。
【0036】
当該ユーザ識別ユニット330は、特定の視聴者が特定の配信者に対する上位貢献者候補(または高貢献者候補)であるか否かを識別(または判定あるいは予測)するように構成される。当該ユーザ識別ユニット330は、当該ストリームDB310、当該ユーザDB312、当該贈り物DB314、当該貢献度DB350、当該インタラクションパラメータDB352を参照し、判定または予測に機械学習モデル370を利用してもよい。当該判定または予測の結果は、上位貢献者タグおよび(または)上位貢献者候補タグとして、当該貢献度DB350に格納または登録されてもよい。詳細は後述する。
【0037】
図7は、図3の貢献度DB350の例示的データ構造を示す表である。当該貢献度DB350は、当該配信者ID、当該視聴者ID、過去の貢献度、閾値(または貢献度閾値)、現在の貢献度、上位貢献者タグ、上位貢献者候補タグを、互いに関連付けて保持する。
【0038】
当該過去の貢献度は、所定の期間(例えば、過去1か月間)において、視聴者から配信者への貢献量である。
【0039】
当該閾値または貢献度閾値は、視聴者が配信者にとっての上位貢献者(または高貢献者)であるか否かを判定するために用いられる。当該閾値は、配信者の全視聴者から当該配信者への総貢献度の上位T%(または最初のT%分位数)である。一部の実施態様において、当該閾値は、配信者の全視聴者から当該配信者への総貢献度の最初のY分位数であってもよい。したがって、当該閾値は、各配信者に対して異なる。また、当該閾値は、所定時間毎に更新される。
【0040】
当該現在の貢献度は、現在の計算期間における、視聴者から配信者への貢献状況に基づき、リアルタイムに更新される。
【0041】
当該上位貢献者タグは、視聴者が配信者に対して上位貢献者(または高貢献者、上位支出者)として既に登録されているか否かを示すタグである。当該現在の貢献度が当該貢献度閾値を超えると、対応する視聴者は、対応する配信者の上位貢献者として登録される。例えば、視聴者V2の現在の貢献度[2500ポイント]は、配信者D1の閾値[2400ポイント]を既に超えているため、視聴者V2は配信者D1の上位貢献者として登録される。ただし、視聴者V2は、他の配信者の上位貢献者になっていない可能性がある。当該上位貢献者タグの登録は、当該ユーザ識別ユニット330により行われてもよい。
【0042】
当該上位貢献者候補タグは、ある配信者の上位貢献者にまだなっていない視聴者が、将来のある時点(例えば、半月後や1か月後)でその配信者の上位貢献者になる可能性があるか否かを示すタグである。一部の実施態様において、上位貢献者候補タグは、視聴者からの貢献度が、将来のある時点で配信者に対応する閾値を超えるか否かを示す。タグの判定(または予測)は、当該ユーザ識別ユニット330が当該機械学習モデル370を利用して実行してもよい。上位貢献者候補タグの判定時点において、視聴者が既に配信者の上位貢献者である場合(例えば、配信者D1に対する視聴者V2)、タグにNA(不適用)とマークされてもよい。本実施態様において、上位貢献者候補タグの判定時点で、視聴者V3は配信者D1に対する上位貢献者としてまだ登録されていないが、上位貢献者候補としてタグ付けされている。つまり、当該機械学習モデル370による予測結果に基づいて、将来のある時点で視聴者V3の配信者D1に対する貢献度が配信者D1に対応する貢献度閾値を超える可能性が高い(または確率が確率閾値以上である)ことになる。一部の実施態様において、貢献度の単位はポイントであってもよい。一部の実施態様において、貢献度の単位は任意の金銭的単位または貨幣であってもよい。
【0043】
図8は、視聴者と配信者間の例示的な日別貢献度データを示すグラフである。日別貢献度データは、視聴者が配信者に与えたポイントなどの各日の貢献度を示す。同様の貢献度データは、視聴者と貢献者のペアごとに格納される。当該貢献度データは、当該貢献度DB350の一部として格納されてもよい。
【0044】
図9は、図3のインタラクションパラメータDB352の例示的データ構造を示す表である。当該インタラクションパラメータDB352は、配信者ID、視聴者ID、および1つ以上のインタラクションパラメータ(インタラクションパラメータ1、2、...)を保持する。
【0045】
図9に示す当該インタラクションパラメータは、各配信者/視聴者ペアに関連付けられている。当該インタラクションパラメータの例としては、貢献率、総貢献率、平均コメント数、視聴率、貢献相関係数、コメント相関係数、視聴率相関係数を含んでもよい。
【0046】
当該貢献率は、[一定期間内における視聴者から配信者への貢献]を[当該配信者の貢献度閾値]で割ったものとして定義されてもよい。当該総貢献率は、[一定期間内における視聴者からの全貢献(他の配信者への貢献を含む)]を[当該配信者の貢献度閾値]で割ったものとして定義されてもよい。当該平均コメント数は、[視聴者から配信者への(または配信者のライブストリームにおける)コメント数]を[当該配信者が開始したライブストリーム数]で割ったものとして定義されてもよい。当該視聴率は、[視聴者が配信者のライブストリームを視聴した時間]を[当該配信者のライブストリームの合計時間]で割ったものとして定義されてもよい。
【0047】
当該貢献相関係数は、(視聴者から配信者への)貢献の時間に対する変動傾向を示す。当該貢献相関係数の値は、-1から1の範囲で設定することができる。正の値は、時間と共に貢献が増加することを意味し、負の値は、時間と共に貢献が減少することを意味する。
【0048】
当該コメント相関係数は、(視聴者から配信者への)コメント量の時間に対する変動傾向を示す。当該コメント相関係数の値は、-1から1の範囲で設定することができる。正の値は、時間と共にコメントが増加することを意味し、負の値は、時間と共にコメントが減少することを意味する。
【0049】
当該視聴率相関係数は、視聴率の時間に対する変動傾向を示す。当該視聴率相関係数の値は、-1から1の範囲で設定することができる。正の値は、視聴者が配信者のライブストリームをより多く(またはより多くの割合で)視聴していることを意味し、負の値は、視聴者が配信者のライブストリームをより少なく(またはより少ない割合で)視聴していることを意味する。
【0050】
当該機械学習モデル370は、1つ以上の機械学習モデルを含む機械学習DBであってもよい。一部の実施態様において、当該機械学習モデル370は、当該サーバ10内に実装されてもよい。当該機械学習モデル370は、教師あり学習アルゴリズムまたは勾配ブースティングアルゴリズムなどの機械学習アルゴリズムを含むか、または利用することができる。LightGBM(Light Gradient Boosting Machine)が実装されてもよい。決定木アルゴリズムが実装されてもよい。
【0051】
図10に、本発明の一部の実施態様に基づく方法を示す例示的なフローチャートを示す。
【0052】
工程S1000では、当該サーバ10(または、当該配信情報提供ユニット302など)が、貢献度予測リクエストを受け取る。当該リクエストは、視聴者とおよび配信者と関連付けられており、視聴者ID及び配信者IDを含む。当該リクエストは、配信者(または当該配信者の端末)、またはストリーミングプラットフォームのオペレータからであってもよい。
【0053】
工程S1002では、当該サーバ10が、当該貢献度予測リクエストに含まれる当該視聴者ID及び当該配信者IDに基づいて、当該貢献度予測リクエストに関連付けられた当該視聴者及び当該配信者を判定/特定する。この処理は、例えば、当該ユーザ識別ユニット330によって実行されてもよい。
【0054】
工程S1004では、当該サーバ10が、当該視聴者の(現在の計算セッションにおける)当該配信者への現在の貢献度が、当該配信者の閾値に既に達しているか否かを判定する。「はい」の場合、フローは工程S1006に進む。「いいえ」の場合、フローは工程S1008に進む。当該サーバ10は、当該貢献度DB350を参照することにより、判定を行う。当該判定処理は、例えば、当該ユーザ識別ユニット330によって実行されてもよい。
【0055】
工程S1006では、当該視聴者がリクエスト側で上位貢献者として表示される。例えば、当該貢献度予測リクエストを開始した当該配信者の当該ユーザ端末の画面上に、当該視聴者が上位貢献者として表示される。具体的に、当該サーバ10は、当該視聴者が既に当該配信者の上位貢献者であることを示す工程S1004の結果をリクエスト側に送信し、リクエスト側で当該視聴者を上位貢献者として表示できるようにする。
【0056】
工程S1008では、当該ユーザ識別ユニット330が、ユーザの属性(当該視聴者及び当該配信者の属性、他の視聴者及び他の配信者の属性)について、当該ユーザDB312を参照する。当該ユーザ識別ユニット330が、視聴者及び配信者間の貢献度データについて、当該貢献度DB350を参照する。当該ユーザ識別ユニット330が、インタラクションパラメータ(当該視聴者と当該配信者の間、及び(または)当該視聴者と他の配信者の間など)について、当該インタラクションパラメータDB352を参照する。
【0057】
工程S1010では、当該ユーザ識別ユニット330が、工程S1008で受信したデータまたは情報を当該機械学習モデル370に入力する。当該機械学習モデル370は、上述の入力に基づき、当該配信者に対する当該視聴者の貢献度予測を判定または計算し、貢献度予測結果を当該ユーザ識別ユニット330に送信する。一部の実施態様において、当該貢献度予測結果は、将来のタイミング(例えば、1か月後または0.5か月後)において、当該視聴者の(当該配信者に対する)貢献度(または現在の貢献度)が、当該配信者の当該貢献度閾値を超える可能性の確率(または確率値)であってもよい。その後、当該ユーザ識別ユニット330は、当該確率と確率閾値とを比較することにより、当該配信者に対する当該視聴者の(当該貢献度DB350内における)上位貢献者候補タグの値(またはタイプ/クラス)を決定してもよい。当該確率閾値は、ストリーミングプラットフォームのオペレータによって決定されてもよい。当該確率閾値は、例えば、50%、75%、または90%であってもよい。
【0058】
工程S1012では、リクエスト側において、当該貢献度予測結果が表示される。例えば、貢献度予測リクエストを開始した当該配信者の当該ユーザ端末の画面上に、当該視聴者の視聴者IDとともに、予測された確率値(または、「はい」または「いいえ」で示される上位貢献者候補タグ)が表示されてもよい。具体的には、当該サーバ10が、工程S1010の予測結果をリクエスト側に送信し、リクエスト側で予測結果を表示できるようにする。
【0059】
一部の実施態様において、上述の貢献度予測処理は、リアルタイムで実行される。すなわち、当該サーバ10は、視聴者/配信者のペアに関する貢献度予測リクエストを受信すると(例えば、当該視聴者が当該配信者のチャットルームに参加し、当該配信者が当該視聴者に関する貢献度予測リクエストを開始した場合)、当該ユーザ識別ユニット330が、属性データ、貢献度データ、及びインタラクションパラメータデータについて、当該ユーザDB312、当該貢献度DB350、及び当該インタラクションパラメータDB352にリアルタイムでアクセスする。その後、上述の特徴量データが当該機械学習モデル370に入力され、リアルタイムで予測結果が生成される。当該ストリームDB310、当該ユーザDB312、当該贈り物DB314、当該貢献度DB350、及び(または)当該インタラクションパラメータDB352の更新も、リアルタイムに行われる。当該データベースの更新は、クラウドサービスや、BigQueryサービスなど、当該サーバ10外部のサービスまたはデータベースとの通信によって実現されてもよい。
【0060】
一部の実施態様において、バッチ処理が貢献度予測処理において組み込まれて、または利用されてもよい。例えば、当該ストリームDB310、当該ユーザDB312、当該贈り物DB314、当該貢献度DB350、及び(または)当該インタラクションパラメータDB352の更新は、1日に1回、一定のタイミングで実行される。更新されたデータ(属性データ、貢献度データ、インタラクションパラメータデータなど)は、当該機械学習モデル370により視聴者/配信者ペアごとの貢献度予測結果を生成するめの特徴量として用いられる。その後、当該貢献度予測結果は、例えば、当該貢献度DB350に格納される。その後、視聴者が配信者のチャットルームに参加し、当該配信者が当該視聴者に関する貢献度予測リクエストを開始すると、当該ユーザ識別ユニット330が、当該貢献度DB350内の予測結果(前日に準備または算出されていてもよい)にアクセスし、当該配信者に応答する。一部の実施態様において、バッチ形式の予測プロセスは、予測計算において最新の情報を欠く可能性があるが、データベース更新時間及び(または)機械学習モデル推論時間を節約することができる。一部の実施態様において、当該バッチ形式の予測プロセスは、より迅速に予測結果を提供し、より良いユーザエクスペリエンスにつながる可能性がある。
【0061】
図11は、本発明の一部の実施態様に基づく機械学習モデル370が貢献度予測を判定または計算する方法の一例である。
【0062】
図11に示すように、当該機械学習モデル370に入力される特徴量には、当該視聴者と当該配信者間のインタラクションパラメータ、当該配信者の属性、当該視聴者の属性が含まれる。当該特徴量は、当該ストリームDB310、当該ユーザDB312、当該貢献度DB350及び(または)当該インタラクションパラメータDB352などの各種データベースから取得される。過去X日間の特徴量(または特徴量の値)が当該機械学習モデル370に入力される。目的は、将来のタイミング(例えば、Y日後)において、当該配信者に対する当該視聴者の貢献度が当該配信者の貢献度閾値を超えるか否かを判断することにある。一部の実施態様において、目的は、将来のタイミング(Y日後)において、当該配信者に対する当該視聴者の貢献度が当該配信者の貢献度閾値を超える可能性がどの程度あるかを示す確率を生成することにある。
【0063】
図12は、本発明の一部の実施態様に基づく機械学習モデル370の例示的なトレーニング及び推論段階を示す概略図である。本実施態様において、当該機械学習モデル370は、定期的に(例えば、毎週、毎月、毎年など)、最新の利用可能なデータを使用して再トレーニングされる。例えば、当該機械学習モデル370は、各月の1日に再トレーニングされる。(再)トレーニング段階では、先月に取得されたデータがトレーニングと検証に使用され、2か月前に得られたデータが閾値を計算するために使用される。(再)学習は、手動または自動で行われてもよい。図12に示す例において、トレーニング段階は、過去である6月の期間と7月の期間とを含む。推論段階は、未来である8月の期間を含む。
【0064】
6月の期間(または6月の期間終了時)には、各配信者の6月の期間における総受領貢献度の上位10%(または最初の10%分位数、または貢献度上位10位)を用いて、各配信者の貢献度閾値が算出される。
【0065】
7月の期間において、各視聴者/配信者ペア間の貢献度データ、各視聴者/配信者ペア間のインタラクションパラメータ、各視聴者の属性、及び各配信者の属性が、機械学習モデル370のトレーニングデータとして取得される。当該機械学習モデル370は、トレーニングデータをトレーニングセット及び検証セットとして利用し、貢献度予測を行い、グラウンドトゥルースの貢献度データに基づいて自己学習を行ってもよい。当該貢献度予測は、7月の期間内のタイミングで、配信者に対する視聴者の貢献度が、当該配信者の貢献度閾値(6月の期間のデータから算出)を超える可能性がどの程度あるかを示す確率であってもよい。
【0066】
推論段階である8月の期間には、各配信者の7月の期間における総受領貢献度の上位10%(または最初の10%分位数、または貢献度上位10位)を用いて、各配信者の新しい貢献度閾値が算出される。各視聴者/配信者ペア間の貢献度データ、各視聴者/配信者ペア間のインタラクションパラメータ、各視聴者の属性、及び各配信者の属性が、当該機械学習モデル370に入力される新しい特徴量として取得される。その後、当該機械学習モデル370は、将来のタイミングにおいて、配信者に対する視聴者の貢献度が、当該配信者の新しい貢献度閾値を超える可能性がどの程度あるかという確率を含む推論結果を提供する。
【0067】
一部の実施態様において、過去10日間の特徴量データ(X=10)が、当該機械学習モデル370によって、将来の14日間(または今から14日間、Y=14)における貢献度予測を生成するために使用される。例えば、8月14日に貢献度予測を算出する場合、当該機械学習モデル370に入力される当該特徴量データは、8月5日から8月14日(または8月4日から8月13日)内の貢献度データ、属性データ及びインタラクションパラメータデータを含み、当該機械学習モデル370の出力は、8月27日(または8月28日)の貢献度予測を含む。
【0068】
図13に、本発明の一部の実施態様に基づく配信者のユーザ端末におけるライブストリーミング画面の一例を示す概略図を示す。
【0069】
当該配信者LVは、当該視聴者ID(または視聴者名)V14をタップして、当該貢献度予測をリクエストすることができる。その後、当該機械学習モデル370が算出した当該貢献度予測結果が表示される。本実施態様において、視聴者V14が将来のタイミングで配信者LVの上位貢献者になる(つまり、視聴者V14からの貢献が配信者LVの貢献度閾値を超える)可能性の確率(0.7=70%)として表示される。一部の実施態様において、視聴者V14が配信者LVの上位貢献者になる可能性があるか否かを示す「上位貢献者候補タグ」が表示されてもよい。
【0070】
図14に、本発明の一部の実施態様に基づく配信者のユーザ端末におけるライブストリーミング画面の一例を示す概略図を示す。
【0071】
当該配信者側の装置は、ライブストリーム中、当該配信者からの現在の視聴者リストの表示指示に応答して、当該サーバ10に現在の視聴者リストの取得リクエストを送信する。当該リクエストには、当該ライブストリームのストリームIDが含まれる。当該サーバ10は、当該ストリームDB310を参照することにより、当該リクエストに含まれる当該ストリームIDに対応する視聴者IDのリストを特定する。その後、当該サーバ10は、当該貢献度DB350を参照して、特定したリストの視聴者IDごとに、(それぞれの当該視聴者IDの)当該視聴者が、上位貢献者または上位貢献者候補としてタグ付けされているか、或いはそれらのいずれでもないかを判定する。当該サーバ10は、特定したリストのそれぞれの当該視聴者IDに、判定結果を付加する。当該サーバ10は、特定したリストをリクエスト元の当該配信者の装置に送信する。当該装置は、現在の視聴者リスト領域R1を生成し、ライブストリームルーム画面内に表示する。当該領域には、現在の視聴者リストが表示される。当該領域には、上位貢献者としてタグ付けされた視聴者が一番上に表示され、その下に上位貢献者候補としてタグ付けされた視聴者が表示される。当該上位貢献及び(または)上位貢献者候補は、他者よりも目立つように表示される。これにより、当該配信者は、誰に注目し、誰とよりコミュニケーションをとるべきかを容易に認識することができる。
【0072】
一部の実施態様において、上述したバッチ形式の貢献度予測プロセスが、図14の実施態様における当該貢献度DB350の上位貢献者タグ及び(または)上位貢献者候補タグの判定に利用されてもよい。それにより、現在の視聴者すべてに対してリアルタイムでそれらのタグを判定または計算する場合と比較して、時間を節約することができる。
【0073】
図7図8図9に示すように、当該機械学習モデル370に入力される特徴量は、当該貢献度DB350からの貢献度データと、当該インタラクションパラメータDB352からの当該インタラクションパラメータを含む。当該貢献度データ及び当該インタラクションパラメータは、視聴者/配信者ペアごとに固有である、または関連付けられている。したがって、当該機械学習モデル370によって提供される、一配信者に対する一視聴者の貢献度予測は、当該視聴者と当該配信者間のインタラクションに相関しているだけでなく、当該視聴者と他の配信者間のインタラクションに相関していてもよい。つまり、一配信者に対する一視聴者の貢献度予測は、当該機械学習モデル370によって、当該視聴者と他の配信者間のインタラクションパラメータ及び(または)貢献度データに基づき判定されてもよい。
【0074】
例えば、一部の実施態様において、当該機械学習モデル370は、当該貢献度DB350の貢献度データに基づいて(または、当該インタラクションパラメータDB352中の当該視聴者V1と当該配信者D2間の貢献度相関係数の値に基づいて)、配信者D2に対する視聴者V1の貢献度増加(または貢献度増加傾向)を検出または判定する。当該機械学習モデル370は、予測の時点において当該配信者D1に対する当該視聴者V1の貢献度増加傾向が明らかでなくても、当該配信者D1に対する当該視聴者V1の貢献度予測を大きいと判定してもよい。一部の実施態様において、当該視聴者V1から当該配信者D2への貢献度増加は、当該視聴者V1の貢献能力または貢献意欲の増加を示していてもよい。したがって、当該視聴者V1の貢献度予測値が増加していることを当該配信者D1に対して提示することで、当該配信者D1は、当該視聴者V1により注目したり、交流を増やしたりすることで、当該視聴者V1からより貢献を受ける可能性を高めることができる。
【0075】
一部の実施態様において、当該機械学習モデル370は、当該配信者D1の属性が、配信者D2の属性と異なる、または反対であることを検出または判定する。その場合、当該機械学習モデル370によって判定される、当該配信者D1に対する視聴者の貢献度予測と、当該配信者D2に対する当該視聴者のインタラクションパラメータ値とは、逆相関であってもよい。例えば、当該配信者D1と当該配信者D2の属性が、彼らが通常政治的コンテンツを配信しており、政治的立場が正反対であることを示す場合、視聴者V1が当該配信者D2への関心を高めることは、当該配信者D1への関心が低下することを示す可能性がある。したがって、当該機械学習モデル370は、視聴者V1と配信者D2間のインタラクションパラメータ(貢献度相関係数、コメント相関係数、視聴率相関係数など)が、交流の増加または貢献度の増加を示す場合、視聴者V1の配信者D1に対する貢献度予測値を低く判定してもよい。その後、配信者D1は、予測結果に基づいて、より貢献度の高い他の視聴者により注目したり、交流を増やしたりしてもよい。一部の実施態様において、ユーザの属性は、当該ユーザの政治的立場を含んでいてもよく、これは、検出ユニットにより検出されたユーザの発言やコメントに基づいて、機械学習モデルによって判定されてもよい。
【0076】
図15(a)、15(b)、15(c)は、本発明の一部の実施態様に基づく貢献度予測の例を示すグラフである。X軸は日別貢献度である。Y軸はタイムラインである。貢献度予測は、視聴者が将来のある時点で配信者の上位貢献者になる可能性を確率で示したものである。
【0077】
図15(a)に示す例1において、貢献度予測は、8/28時点で算出された15.9%から、9/2時点で算出された67.1%に上昇した。当該視聴者は、9/2の時点で上位貢献者候補としてタグ付けされてもよい。図に示すように、実際の貢献度はその後上昇し、当該視聴者は9/10時点で上位貢献者となった。
【0078】
図15(b)に示す例2において、貢献度予測は、9/1時点で算出された36.9%から、9/19時点で算出された1.2%に低下した。当該視聴者は、上位貢献者候補としてタグ付けされない。図に示すように、実際の貢献度はその後も低く、当該視聴者は上位貢献者になることはなかった。
【0079】
図15(c)に示す例3において、貢献度予測は、9/5時点で算出された25.3%から、9/20時点で算出された92.5%に上昇した。当該視聴者は、9/20の時点で上位貢献者候補としてタグ付けされてもよい。図に示すように、実際の貢献度はその後少し上昇した。実際には、当該配信者は9/20の予測結果を参考に、よりその視聴者に注目(あるいは交流を深める)ようになり、当該視聴者からの貢献可能性を最大化する、及び(または)実際に当該視聴者を上位貢献者にすることができる。
【0080】
配信者がライブストリームを開始すると、当該配信者をフォローしている視聴者にライブストリームの通知(またはプッシュ通知)が送信される。一部の実施態様において、配信者がライブストリームを開始すると、当該ストリーミングシステムは、(貢献度DB350を参照して)当該配信者の上位貢献者候補を特定し、その上位貢献者にだけ、またはより高い優先度で、通知を送信する。それにより、通知処理に関するリソース(当該サーバ10と通信する通知システムの帯域やCPUの使用率など)が制限されている環境において、通知の効果を最大化することができる。また、バッチ形式の貢献度予測プロセスは、当該貢献度DB350の上位貢献者候補タグの事前更新に活用でき、上位貢献者候補を特定する処理の高速化、及び通知処理の高速化を図ることができる。
【0081】
本発明は、配信者の上位貢献者候補を特定することで、当該配信者がそれらの人々とより交流できるように、または当該配信者がそれらの人々により注力できるようにすることができる。本発明は、配信者にとって既に上位貢献者である、または忠実な貢献者である視聴者を識別し、当該配信者がそれらの人々と現在の交流を維持できるようにすることができる。本発明は、配信者にとって上位貢献者になる可能性が低い視聴者を識別し、当該配信者がより高い貢献の可能性を有する他の視聴者とより多く交流できるようにすることができる。
【0082】
本発明で説明した処理及び手順は、明示的に説明したものに加えて、ソフトウェア、ハードウェア、またはそれらの任意の組み合わせにより実現することができる。例えば、本明細書で説明した処理および手順は、その処理および手順に対応するロジックを集積回路、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、非一時的なコンピュータ可読媒体、磁気ディスクなどの媒体に実装することにより実現することができる。さらに、本明細書に記載された処理および手順は、その処理および手順に対応するコンピュータプログラムとして実現することができ、各種のコンピュータにより実行することができる。
【0083】
さらに、上記実施態様で説明したシステムまたは方法は、固体記憶装置、光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置などの非一時的なコンピュータ可読媒体に格納されたプログラムに統合されてもよい。あるいは、プログラムは、インターネットを介してサーバからダウンロードされ、プロセッサにより実行されるものとしてもよい。
【0084】
以上、本発明の技術的内容及び特徴を説明したが、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の教示及び開示から逸脱することなく、なお多くの変形及び修正を行うことができる。したがって、本発明の範囲は、既に開示された実施態様に限定されず、本発明から逸脱しない別の変形や修正を含む、特許請求の範囲に含まれる範囲である。
【符号の説明】
【0085】
1 通信システム
10 サーバ
20 ユーザ端末
30、30a、30b ユーザ端末
LV 配信者
AU1、AU2 視聴者
VD、VD1、VD2 映像
NW ネットワーク
30 ユーザ端末
100 配信ユニット
102 撮像コントロールユニット
104 オーディオコントロールユニット
106 映像送信ユニット
108 配信者側UIコントロールユニット
200 視聴ユニット
202 視聴者側UIコントロールユニット
204 重ね合わせ情報生成ユニット
206 入力情報送信ユニット
302 配信情報提供ユニット
304 中継ユニット
306 贈り物処理ユニット
308 支払い処理ユニット
310 ストリームDB
312 ユーザDB
314 贈り物DB
330 ユーザ識別ユニット
332 配信時間提案ユニット
350 貢献度DB
352 インタラクションパラメータDB
370 機械学習モデル
S1000、S1002、S1004、S1006、S1008、S1010、S1012 工程
R1 現在の視聴者リスト
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