(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084121
(43)【公開日】2024-06-24
(54)【発明の名称】ロールスクリーン装置
(51)【国際特許分類】
E06B 9/42 20060101AFI20240617BHJP
E06B 9/78 20060101ALI20240617BHJP
【FI】
E06B9/42 A
E06B9/42 Z
E06B9/78
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023150106
(22)【出願日】2023-09-15
(31)【優先権主張番号】P 2022198185
(32)【優先日】2022-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】390020101
【氏名又は名称】セイキ住工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119404
【弁理士】
【氏名又は名称】林 直生樹
(72)【発明者】
【氏名】守谷 将人
(72)【発明者】
【氏名】堀内 太一朗
【テーマコード(参考)】
2E042
【Fターム(参考)】
2E042AA06
2E042BA02
2E042CA03
2E042DA01
2E042DB14
(57)【要約】
【課題】窓やドア等の建具に室内側に突き出す取手があったとしても、巻取りボックスをその建具に近接して取り付けることができ、しかも、操作コードの操作性に優れたロールスクリーン装置を得る。
【解決手段】巻取りボックス4、及び、巻取りボックスの長手方向の端部から下方に垂下する縦枠部材5を有する枠体と、巻取りボックス内において軸線L1回りに回動自在に支持された巻取軸3と、巻取軸に対して巻取り及び繰り出し可能なスクリーン2と、スクリーンの側端を上下方向にガイドするガイドレール7と、巻取りボックス内において、巻取軸に連結されたプーリー14に掛け回され、巻取軸を回動させる操作コード15とを有するロールスクリーン装置1において、ガイドレールは、枠体における奥行き方向の室内側の端部に配置され、枠体は、室内側に臨む前面に開口する導出口20を有し、導出口20を通じて操作コード15が枠体から室内側に導出される。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物開口部の上端部に取り付けるための横枠部材としての巻取りボックス、及び、上記巻取りボックスの長手方向の端部から垂下された縦枠部材を有する枠体と、上記巻取りボックス内において軸線回りに回動自在に支持された巻取軸と、一端が巻取軸に固定されると共に、他端が巻取りボックスから外部に導出され、上記巻取軸の回動により該巻取軸に対して巻き取ったり繰り出したりすることが可能なスクリーンと、上記巻取りボックス内において、上記巻取軸に連結されたプーリーに掛け回され、該巻取軸を回動させる操作コードと、を有するロールスクリーン装置であって、
上記縦枠部材は、上記巻取りボックスにおける上記長手方向と直交する奥行き方向の室内側の端部に配置され、
上記枠体は、室内側に臨む前面に開口する導出口を有し、該導出口を通じて上記操作コードが上記枠体から室内側に導出されるように構成されていることを特徴とするロールスクリーン装置。
【請求項2】
上記導出口は、上記巻取りボックスの前面に開口していて、上記操作コードがこの導出口を通じて室内側に導出されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のロールスクリーン装置。
【請求項3】
上記巻取りボックスは、該巻取りボックスの下面における室内側の端部に開口する引出口を有し、上記操作コードが、上記引出口を通じて上記縦枠部材内に引き出され、該縦枠部材の前面に開口する上記導出口を通じて室内側に導出されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のロールスクリーン装置。
【請求項4】
上記縦枠部材の上記導出口から室内側に導出された上記操作コードが、上記導出口よりも下方に開設された導入口を通じて該縦枠部材内に再度導入された状態で、該縦枠部材に対してコード保持部材により操作可能に係止されていることを特徴とする請求項3に記載のロールスクリーン装置。
【請求項5】
上記巻取りボックス内には、巻取軸に連結されたギヤホイールと、該ギヤホイールと噛合されたギヤ部及び上記操作コードが掛け回されたプーリー部を有するギヤプーリーとが設けられていて、上記ギヤプーリーが上記ギヤホイールよりも上記巻取りボックスの前面側に配されていることを特徴とする請求項1に記載のロールスクリーン装置。
【請求項6】
上記ギヤプーリーの軸線が、上記ギヤホイールの軸線に対して水平方向に配されていることを特徴とする請求項5に記載のロールスクリーン装置。
【請求項7】
上記巻取りボックス内には、第1ギヤ部及び第1プーリー部を有し、上記巻取軸に連結された第1ギヤプーリーと、上記第1ギヤ部に噛合された第2ギヤ部及び第2プーリー部を有し上記第1ギヤプーリーよりも上記巻取りボックスの前面側に配された第2ギヤプーリーとが設けられていて、上記第2ギヤプーリ-の第2プーリー部には上記操作コードが掛け回され、上記第1ギヤプーリーの第1プーリ-には、上記巻取りボックスにおける上記縦枠部材よりも室外側の下面から導出された屋外用操作コードが掛け回されていることを特徴とする請求項1に記載のロールスクリーン装置。
【請求項8】
上記第2ギヤプーリーの軸線が、上記第1ギヤホイールの軸線に対して水平方向に配されていることを特徴とする請求項7に記載のロールスクリーン装置。
【請求項9】
上記操作コードは、無端状に連結されたループ形を成していて、該操作コードを構成する2本の紐状部分が上記導出口から室内側に導出されていることを特徴とする請求項1に記載のロールスクリーン装置。
【請求項10】
上記巻取りボックスの下面における前端部には、上記スクリーンを該巻取りボックスの内部に出し入れするためのスクリーン導出口が、該巻取りボックスの長手方向に沿って開設されており、
上記巻取りボックスの内部における上記スクリーン導出口の上方には、上記巻取軸から繰り出された上記スクリーンが掛け回されて該スクリーンを下方へと導く転向部材が、上記長手方向に沿って延びていることを特徴とする請求項1に記載のロールスクリーン装置。
【請求項11】
上記縦枠部材には、上記巻取軸から繰り出されて外部に導出された上記スクリーンの側端を上下方向にガイドするガイドレールが保持されており、該ガイドレールの上端部が、上記巻取りボックスの上記スクリーン導出口を通じて、該巻取りボックスの内部における上記転向部材の真下まで延びていることを特徴とする請求項10に記載のロールスクリーン装置。
【請求項12】
上記2本の紐状部分のうち、上記スクリーンを巻き取る方向に上記巻取軸を回動させる際に操作される一方の紐状部分に、操作する紐状部分であることを示すための識別表示が設けられている、
ことを特徴とする請求項9に記載のロールスクリーン装置。
【請求項13】
上記識別表示は、上記操作コードの色彩と異なる色彩である、
ことを特徴とする請求12に記載のロールスクリーン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作コードを手動操作して巻取軸を回動させることにより、巻取軸に対してスクリーンを巻取ったり繰り出したりすることが可能なロールスクリーン装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
操作コードの手動操作によって巻取軸を回転させることにより、巻取軸に対してスクリーンを巻取ったり繰り出したりすることが可能なロールスクリーン装置は公知である。例えば、特許文献1には、巻取りボックスに支持された巻取軸の一方の端にスプロケット(プーリー)が設けられ、このスプロケットに操作コードを掛け回し、該操作コードを正逆方向に回転させることでスクリーンを繰り出したり巻き取るようにしたロールスクリーン装置が開示されている。ところで、特許文献1に記載のものにおいては、側枠に固定され、スクリーンの左右両端を上下方向に沿ってガイドするガイドレールが、巻取りボックスの下面における室外側に寄った位置に配置されている。そうすることで、室内側にスペースが生まれ、該スペースを活用して操作コードを操作できるようになっている。しかしながら、この種のロールスクリーン装置は、一般的に、建物開口部に装着される窓やドア等の建具よりも室内側に取り付けられるものであるが、該建具が開閉操作用の取手等の室内側への突出物を有していると、ガイドレールに沿って上下動するスクリーンが上記突出物に干渉してしまうため、巻取りボックスを建具に近接して取り付けることが出来なかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の技術的課題は、窓やドア等の建具に室内側に突き出す取手等の突出部があったとしても、巻取りボックスをその建具に近接して取り付けることができ、しかも、操作コードの操作性に優れたロールスクリーン装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は、建物開口部の上端部に取り付けるための横枠部材としての巻取りボックス、及び、上記巻取りボックスの長手方向の端部から垂下された縦枠部材を有する枠体と、上記巻取りボックス内において軸線回りに回動自在に支持された巻取軸と、一端が巻取軸に固定されると共に、他端が巻取りボックスから外部に導出され、上記巻取軸の回動により該巻取軸に対して巻き取ったり繰り出したりすることが可能なスクリーンと、上記巻取りボックス内において、上記巻取軸に連結されたプーリーに掛け回され、該巻取軸を回動させる操作コードと、を有するロールスクリーン装置であって、上記縦枠部材は、上記巻取りボックスにおける上記長手方向と直交する奥行き方向の室内側の端部に配置され、上記枠体は、室内側に臨む前面に開口する導出口を有し、該導出口を通じて上記操作コードが上記枠体から室内側に導出されるように構成されていることを特徴とする。
【0006】
本発明において、上記導出口は、上記巻取りボックスの前面に開口していて、上記操作コードがこの導出口を通じて室内側に導出されるように構成されていても良い。
また、上記巻取りボックスは、該巻取りボックスの下面における室内側の端部に開口する引出口を有し、上記操作コードが、上記引出口を通じて上記縦枠部材内に引き出され、該縦枠部材の前面に開口する上記導出口を通じて室内側に導出されるように構成されていても良い。
この場合、上記縦枠部材の上記導出口から室内側に導出された上記操作コードが、上記導出口よりも下方に開設された導入口を通じて該縦枠部材内に再度導入された状態で、該縦枠部材に対してコード保持部材により操作可能に係止されていると望ましい。
【0007】
本発明において、上記巻取りボックス内には、巻取軸に連結されたギヤホイールと、該ギヤホイールと噛合されたギヤ部及び上記操作コードが掛け回されたプーリー部を有するギヤプーリーとが設けられていて、上記ギヤプーリーが上記ギヤホイールよりも上記巻取りボックスの前面側に配されていても良い。
この場合、上記ギヤプーリーの軸線が、上記ギヤホイールの軸線に対して水平方向に配されていると望ましい。
【0008】
本発明において、上記巻取りボックス内には、第1ギヤ部及び第1プーリー部を有し、上記巻取軸に連結された第1ギヤプーリーと、上記第1ギヤ部に噛合された第2ギヤ部及び第2プーリー部を有し上記第1ギヤプーリーよりも上記巻取りボックスの前面側に配された第2ギヤプーリーとが設けられていて、上記第2ギヤプーリ-の第2プーリー部には上記操作コードが掛け回され、上記第1ギヤプーリーの第1プーリ-には、上記巻取りボックスにおける上記縦枠部材よりも室外側の下面から導出された屋外用操作コードが掛け回されていても良い。
この場合、上記第2ギヤプーリーの軸線が、上記第1ギヤホイールの軸線に対して水平方向に配されていると望ましい。
【0009】
本発明において、上記操作コードは、無端状に連結されたループ形を成していて、該操作コードを構成する2本の紐状部分が上記導出口から室内側に導出されていると望ましい。
また、上記巻取りボックスの下面における前端部には、上記スクリーンを該巻取りボックスの内部に出し入れするためのスクリーン導出口が、該巻取りボックスの長手方向に沿って開設されており、上記巻取りボックスの内部における上記スクリーン導出口の上方には、上記巻取軸から繰り出された上記スクリーンが掛け回されて該スクリーンを下方へと導く転向部材が、上記長手方向に沿って延びていると望ましい
この場合、上記縦枠部材には、上記巻取軸から繰り出されて外部に導出された上記スクリーンの側端を上下方向にガイドするガイドレールが保持されており、該ガイドレールの上端部が、上記巻取りボックスの上記スクリーン導出口を通じて、該巻取りボックスの内部における上記転向部材の真下まで延びているとより望ましい。
【0010】
本発明において、上記2本の紐状部分のうち、上記巻取軸に対して上記スクリーンを巻き取る方向に回動させる一方の紐状部分に、他方の紐状部分と識別するための識別表示が設けられていると望ましい。
この場合、上記識別表示は、上記操作コードの色彩と異なる色彩であると望ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明のロールスクリーン装置は、窓やドア等の建具に室内側に突き出す取手等の突出部があったとしても、巻取りボックスをその建具に近接して取り付けることができ、しかも、操作コードの操作性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明に係るロールスクリーン装置の一実施形態を示す正面図である。
【
図2】上記ロールスクリーン装置の一部を破断して示す正面図である。
【
図5】(a)は、上記巻取りボックスの一端部を示す部分拡大断面図であり、(b)は、(a)におけるI-I断面図である。
【
図6】上記巻取りボックスにおけるエンドキャップ、及び、プーリーボックスの結合状態を示す分解斜視図である。
【
図7】上記ロールスクリーン装置の操作機構、及び、巻取力調節機構を示す分解斜視図である。
【
図8】上記ロールスクリーン装置の側断面図であって、プーリーボックス内の操作機構を模式的に示すものである。
【
図9】上記ロールスクリーン装置の側断面図であって、巻取りボックス内において巻取軸にスクリーンが最も巻き取られた状態を模式的に示すものである。
【
図11】ギヤカバーに巻取力調整機構が収容された状態を示す斜視図である。
【
図12】上記巻取力調節機構における回転子、ブレーキスプリング、付勢力調整片の相互の位置関係を示す要部拡大図である。
【
図13】上記プーリーボックスの外面側を示す斜視図である。
【
図14】上記プーリーボックスの外面側にギヤカバーが取り付けられた状態を示す側面図である。
【
図15】建物開口部の側枠にブラケットが取り付けられた状態を示す正面図である。
【
図18】ブラケットに巻取りボックスを取り付ける途中の状態を模式的に示す拡大側断面図である。
【
図19】ブラケットに巻取りボックスが取り付けられた状態を模式的に示す拡大側断面図である。
【
図21】上記ロールスクリーン装置における操作機構の第1変型例を示すものであって、上記プーリーボックス内の操作機構を模式的に示す側断面図である。
【
図22】第1変形例における上記操作機構の分解斜視図である。
【
図23】上記ロールスクリーン装置における操作機構の第2変型例を示すものであって、上記プーリーボックス内の操作機構を模式的に示す側断面図である。
【
図24】上記ロールスクリーン装置の第3変型例を示すものであって、上記プーリーボックス内の操作機構を模式的に示す側断面図である。
【
図25】上記ロールスクリーン装置の第4変型例を示すものであって、縦枠部材の収容空間から室内側に引き出された操作コードが再び収容空間内に収容されている状態を示す斜視図である。
【
図27】縦枠部材の開口部に導出部材が取り付けられた状態を示す平面図である。
【
図28】室内側に引き出された操作コードを上記収容空間内へと収容するコード保持部材を示す分解斜視図である。
【
図29】上記ロールスクリーン装置の第6変型例を示すものであって、スクリーンが巻取ボックスから繰り出された状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明に係るロールスクリーン装置の実施形態について
図1-
図20を用いて説明する。本実施形態のロールスクリーン装置1は、縦開き式のスクリーン装置であり、建物開口部の上端部に取り付けるための横枠部材としての巻取りボックス4、及び、上記巻取りボックス4の長手方向の左右端部から下方に垂下する縦枠部材5,5を有する枠体100と、上記巻取りボックス4内において水平な軸線L1回りに回転自在に支持された上記巻取軸3と、一端部が巻取軸3に固定されると共に、他端部が巻取りボックス4から外部に導出され、上記巻取軸3の回転により該巻取軸3に対して巻き取ったり繰り出したりすることが可能なスクリーン2とを有している。
【0014】
上記スクリーン2の左右の側縁には、スライドファスナー等の係合子が取り付けられ、該係合子が、縦枠部材5,5に保持されたガイドレール7のスリット7a内に摺動自在に係合されており、開閉時において、スクリーン2が、縦枠部材5,5に沿って上下方向に移動可能に成っている。また、上述のようにスクリーン2の上記一端部(上端部)は巻取軸3に取り付けられている一方で、スクリーン2の上記他端部(下端部)は開閉操作の機能と重錘としての機能とを有する可動桟8が取り付けられている。
【0015】
上記縦枠部材5は、
図4に示すように、上記ガイドレール7を保持する第1枠部5aと、内部に収容空間Sを有する中空の第2枠部5bとを有し、上記第1枠部5aと第2枠部5bとがL字形を成すように結合されている。上記第2枠部5bには、奥行き方向の室内側に開口する上下方向に延びる開口部5cが形成され、開口部5cを通じて室内側の空間と収容空間Sとが連通されている。
【0016】
図5に示すように、上記巻取軸3は、中空の円筒状に形成され上記スクリーン2の一端部が固定された巻取軸本体3aと、巻取軸本体3aの両端部に対して少なくとも軸線L1回りに固定的に取り付けられた巻取キャップ3bとを有している。上記巻取キャップ3bは、先端から上記巻取軸本体3aに対して固定的に嵌合された円形筒状部3cと、該筒状部3cの基端部に連結されて軸線L1方向外側に延び、先端側が径方向外側に張り出した円形のフランジ部3dと、同じく上記円形筒状部3cの基端部に対して、上記フランジ部3dよりも径方向内側において連結され、軸線L1方向外側に向かって延びる細長い角形筒状部3eとを有している。この角形筒状部3eは、横断面の外形が矩形に形成され、その中心に軸線L方向に貫通する支持孔3fが設けられている。そして、上記巻取軸3の両端部には、上記スクリーン2の繰り出しに伴う上記巻取軸3の軸線L1回りの回転により、該スクリーン2を巻き取る方向に上記巻取軸3を回転させる回転付勢力を蓄積する巻取機構が連結されている。
【0017】
上記巻取機構は、上記軸線L1上に配されたコイル状バネから成る巻取りスプリング9と、上記巻取軸本体3a内の軸線L1方向中央部において、該巻取軸本体3aに対して軸線L1回りに固定的に嵌合されたスプリング受け6と、上記巻取軸本体3aの軸線L1方向端部において、先端側が該巻取軸本体3a内から外方に向けて上記巻取キャップ3bの支持孔3fに回動自在に挿通されたスプリング軸10とを有している。そして、上記巻取軸本体3a内において、上記巻取りスプリング9のバネ材の一端部が上記スプリング受け6に固定され、該巻取りスプリング9のバネ材の他端部が上記スプリング軸10の基端側に固定されている。さらに、上記巻取キャップ3bの支持孔3fを通じて上記巻取軸本体3aの外方に導出された上記スプリング軸10の先端部が、後述の巻取力調節機構における回転子52によって支持されている。
【0018】
上記巻取りボックス4は、矩形の断面形状を有して水平方向に延びる中空のボックス本体11と、ボックス本体11の両端に設けられたエンドキャップ12とを有している。
図5、
図6に示すように、上記エンドキャップ12の4つの角部には、ボックス本体11に固定するための固定片12aが設けられ、固定片12aをボックス本体11の端部に差し入れた状態でねじ止めすることでボックス本体11とエンドキャップ12とが固定されている。
【0019】
そして、
図9に示すように、上記ボックス本体11の下面には水平方向に延びるスクリーン導出口13が軸線L1に沿って開設されており、巻取りボックス4に収容されている巻取軸3が軸線L1を中心に回転すると、巻取軸3に巻回されているスクリーン2がスクリーン導出口13から繰り出されたり巻取軸3に巻き取られるようになっている。このとき、上記スクリーン導出口13は、巻取りボックス4の室内側の端部に配されていて、それに合わせて上記縦枠部材5に保持されたガイドレール7が、上記巻取りボックス4の下面における室内側端部に配置されている。
【0020】
また、
図2、
図3、
図9に示すように、上記巻取りボックス4におけるボックス本体11の内部には、該巻取りボックス4の長手方向に沿って延びる転向部材24が設けられている。上記転向部材24は、上記巻取軸3から繰り出されたスクリーン2が掛け回されて該スクリーン2を下方へと導く転向ローラ24a、及び、転向ローラ24aを下から支持して該転向ローラ24aの撓みを防止する支持台24bから成るものであり、上記転向ローラ24aが上記スクリーン導出口13の真上に位置している。上記転向部材24を設けることで、転向ローラ24aを介して下方に転向されたスクリーン2が、スクリーン導出口13の開口縁に摺接することが防止され、しかも、
図9に示すように、上記ガイドレール7を、スクリーン導出口13を通じて巻取りボックス3内部まで延ばすことで、スクリーン2の巻取りボックス4からの導出入がより安定的になるものとなっている。
【0021】
上記巻取りボックス4の両端部(エンドキャップ12の軸線L1方向外側)には、該巻取りボックス4に対してスクリーン2を導出入させるための操作機構が設けられている。上記操作機構は、
図7、
図8に示すように、上記巻取軸3に連結された回転伝達体としてのプーリー14と、該プーリー14に掛け回された無端ループ状で可撓性を有する操作コード15とを有し、これらプーリー14、及び、操作コード15が、後述のプーリーボックス16内に保持されている。プーリーボックス16は、その内面側を閉塞する端板17と共に上記エンドキャップ12に対して共締めされて取り付けられている。上記巻取キャップ3bの角形筒状部3e、及び、その支持孔3f内部に挿通されたスプリング軸10は、上記エンドキャップ12に形成された円筒部12b、及び、上記端板17の板厚方向に貫通する貫通孔17aを通じてプーリーボックス16内まで延設されている。このとき、上記角形筒状部3eは。上記円筒部12bに対して軸線L1回りに回動自在に挿通されている。
【0022】
上記プーリー14は、その中心に横断面矩形に形成された矩形孔14aが形成され、該矩形孔14aに上記角形筒状部3eの先端部が嵌合されることで、巻取軸3とプーリー14とが軸線L1回りに対して一体に連結されている。すなわち、プーリー14が回動する時、上記巻取キャップ3b、上記巻取軸本体3a及び上記スプリング受け6が同時に、上記巻取りボックス4に対して固定的な状態にあるスプリング軸10に対して、軸線L1回りに回動するようになっている。また、該プーリー14は、軸線L1方向両端に配された一対のフランジ部14b,14cと、これらフランジ部14b,14c間に挟まれて、これらフランジ部14b、14cよりも小径に形成された係合ギヤ14dとによって一体に形成されている。そして、この係合ギヤ14dに上記操作コード15が掛け回されている。
【0023】
上記操作コード15は、
図5及び
図7に示すように、略球形状(本実施形態では、長手の断面が楕円形状で短手の断面が円形状)に形成された多数のボール体15a同士を、連結条15bにより相互に等間隔に連結した無端のボールチェーンから成っており、全体として可撓性を有するように構成されている。そして、上記操作コード15を巻取りボックス4から垂下させたときに、上下の折り返しの間に形成される2本の紐状部分の一方を巻取りスプリング9の軸線L1回りの弾性バネ力(すなわち、回転付勢力)に抗して引っ張ると、係合ギヤ14dと操作コード15のボール体15aとの係合により、プーリー14が周方向の一方側に回転し、可動桟8の重さと相俟って、スクリーン2が巻取軸3から繰り出される。その一方で、操作コード15の2本の紐状部材の他方を引っ張ると、同様にしてプーリー14が周方向の他方側に回転し、巻取りスプリング9に蓄積された上記回転付勢力と相俟って、スクリーン2が巻取軸3に巻き取られる。なお、上記ロールスクリーン装置1には、上記スクリーン2を所望の展張状態に保持させる公知のロック手段を付設することもできる。
【0024】
上記プーリーボックス16は、
図5、
図7及び
図8に示すように、平面視矩形の外観を成して板状に形成された基部18と、プーリーボックス16の内面側において、基部18から軸線L1を取り囲むように巻取軸3側に向けて立ち上がる外周壁22によって形成された上記プーリー14の収容部19と、プーリーボックス16の室内側を臨む前面に開口する一対の導出口20と、上記収容部19と一対の導出口20とを連結する一対の連結路21とを有している。そして、上記収容部19内でプーリー14の係合ギヤ14dに掛け回された操作コード15が、上記一対の連結路21を通じて上記一対の導出口20から室内側に導出されている。
【0025】
上記収容部19は、上述のようにプーリー14を回動自在に収容するためのもので、軸線L1を中心として環状に立設された外周壁22と、この外周壁22と同心円状に立設された環状の内周壁23とを有している。上記内周壁23の基部18からの高さは外周壁22の基部18からの高さよりも低くなっている。上記プーリー14における一方側(巻取軸3側)の軸部は、上記端板17の上記貫通孔17aによって回動自在に支持されていて、他方側(プーリーボックス16側)の軸部は、上記内周壁23によって回動自在に支持されている。
【0026】
上記ロールスクリーン装置1によれば、上記縦枠部材5に保持されたガイドレール7が奥行き方向の室内側の端部に配置され、上記巻取りボックス4の室内側に臨む前面に、操作コード15を室内側に導出する導出口20が開口されていることにより、窓やドア等の建具に室内側に突き出す取手があったとしても、巻取りボックス4をその建具に近接して取り付けることができ、しかも、操作コード15の操作性を損なうことがない。
【0027】
上記巻取力調節機構について説明する。
図10-
図12に示すように、上記巻取力調節機構は、上記プーリ―ボックス16の外面側に配設されているもので、上記巻取りボックス4に対して固定的に取り付けられたブレーキ嵌合部50と、第1端部51a及びそれと逆側の第2端部51bを有するバネ材から成るコイルばねで形成されていて、上記ブレーキ嵌合部50に対して周方向に回転不可能な嵌合力で嵌合されたブレーキスプリング51と、ブレーキスプリング51の周方向において、該ブレーキスプリング51を形成するバネ材の第1端部51a又は同バネ材の第2端部51bに対し該ブレーキスプリング51を縮径させる方向に係合する回転子52とを有している。これらブレーキ嵌合部50、ブレーキスプリング51、回転子52、及び後述の外輪部材56は、上記軸線L1上に並んでいる。
【0028】
上記ブレーキ嵌合部50は、円筒状に形成されていて、上記プ-リーボックス16の外面側において、上記巻取力調節機構を外側から覆うためのギヤカバー60に一体に設けられている。
図13に示すように、上記プーリーボックス16の基部18の外面側には、ギヤカバー60を位置決めして固定するためのカバー取付溝16aが設けられていて、該ギヤカバー60がカバー取付溝16aに係合された状態でネジ固定されている。
上記ブレーキスプリング51は、該ブレーキスプリング51が弾性変形していない初期状態において、その内径が上記ブレーキ嵌合部50の外径よりも小さく成っている。そのため、ブレーキスプリング51は、巻き径を拡径させた状態で該ブレーキ嵌合部に外嵌されており、元の径に向けて縮径しようとする弾性復元力によって、上記ブレーキ嵌合部50に対して固定的に設けられている。
【0029】
上記回転子52は、上記軸線L1方向の一端側に配された円形の小径凸部52aと、他端側に配されて小径凸部52aよりも大径の大径凸部52bとを有し、
図5に示すように、上記小径凸部52aが、上記ブレーキ嵌合部50内に挿入されて回動自在に支持され、大径凸部52bが、プーリーボックス16のカバー取付溝16a内に開設された回転子用開口16b内に挿入されて回転自在に支持されている。また、上記大径凸部52bには、上記スプリング軸10の先端の軸端部10aが、軸線L1回りに固定的に嵌合される凹溝52cが開設されている。すなわち、この回転子52は上記スプリング軸10と共に回転するようになっている。
【0030】
また、上記回転子52は、軸線L1方向の中間部における上記大径凸部52bの外周に、周方向に所定角度範囲で延設された凸条部52dを有しており、周方向における上記凸条部52dの両端間に切欠部53が形成されている。そして、該切欠部53の周方向両端、すなわち上記凸条部52dの周方向両端には、互いに対向する第1面53a及び第2面53bが形成されている。これら第1面53aと第2面53bとの間には、上記ブレーキスプリング51の第1端部51aと第2端部51bとが配されている。本実施形態では、上記回転子52は、巻取りスプリング9の回転付勢力により、
図12に示すように、該回転子52の第1面53aが、ブレーキスプリング51の第1端部51aに対して常時係合していて、ブレーキスプリング51の縮径方向、すなわち該ブレーキスプリング51を巻き締める方向に付勢している。
【0031】
さらに、上記巻取力調節機構は、上記ブレーキスプリング51及び回転子52に対して周方向に回転可能に設けられ、該ブレーキスプリング51の周方向において、第1端部51aまたは第2端部51bに選択的に係合させることが可能な付勢力調節片54と、付勢力調節片54を回転させるための操作部55とを有している。上記付勢力調節片54は、上記回転子52の外側に配置され、該回転子52の周囲を取り囲んで上記操作部55に連結された環状の上記外輪部材56の内面に設けられている。上記付勢力調節片54は、上記切欠部53における上記ブレーキスプリング51の第1端部51aと第2端部51bとの間に配置されている。そして、上記操作部55の操作に伴う外輪部材56の回転により、上記第1端部51aまたは第2端部51bに選択的に係合させ、ブレーキスプリング51の拡径方向、すなわち該ブレーキスプリング51を巻きを緩める方向に付勢することができるようになっている。
【0032】
そのような操作により、後に詳述するように、ブレーキ嵌合部50に対するブレーキスプリング51の嵌合力が低減されて、上記ブレーキスプリング51がブレーキ嵌合部50に対して回動することが許容される。そうすると、上記付勢力調節片54と共にブレーキスプリング51が軸線L1回りに回動し、さらに、該付勢力調節片54が、上記ブレーキスプリング51の第1端部51aと共に上記回転子52の第1面53aを軸線L1回りに
図12中のA方向に押圧するか、又は、上記ブレーキスプリング51の第2端部51bと共に上記回転子52の第2面53bをB方向に押圧することで、回転子52及びスプリング軸10の軸線L1回りの回動が許容される。その結果、スクリーン2の繰り出し長さに応じて上記巻取軸3に作用する、巻取りスプリング9によるスクリーン2の巻き取り方向の回転付勢力の大きさを適宜調節することができる。
【0033】
上記外輪部材56は、その外周に複数のギヤ歯が等角度間隔で設けられた駆動ギヤ56aを有している。これに対して、上記操作部55は、上記外輪部材56の駆動ギヤ56aと噛み合って、外輪部材56に軸線L1回りの回転力を伝達する平歯車からなる複数の伝達ギヤ55a,55b,55c,55dを有している。上記伝達ギヤ55a-55dは、互いに回転軸が異なっていて、これらの回転軸は、上記軸線L1に対して平行を成して一直線上に並んでいる。上記伝達ギヤ55a-55dは偶数個配列されていて、本実施形態では計4つ配列されている。上記伝達ギヤ55a-55dの回転軸の一端部は、上記ギヤカバー60に開設された複数の円形孔61に回動自在に支持されていて、他端部は、上記プーリーボックス16のカバー取付溝16a内に開設された複数のギヤ用開口16cに回動自在に支持されている。
【0034】
また、上記伝達ギヤ55a-55dは、回転軸の一端側(ギヤカバー60側)の端面に凹状の外側係合溝57を有し、外側係合溝57にマイナスドライバーの先端を係合させて該伝達ギヤ55a-55dを連動させて回転させることができる。この外側係合溝57は、ギヤカバー60の円形孔61を通じて外部に臨んでいるため、例えば、建物開口部への上記巻取りボックス4の取り付け前に、巻取りボックス4の外側から伝達ギヤ55a-55dを回動させて、上記巻取りスプリング9の回転付勢力を調節することができる。
【0035】
なお、伝達ギヤ55a-55dには、回転軸の他端側(プーリーボックス16側)の端面にもマイナスドライバーが係合可能な内側係合溝58が形成されている。ただし、上記伝達ギヤ55a-55dのうち、外輪部材56から最も離れて連結された伝達ギヤ(「最外伝達ギヤ」と称する)55d以外は、上記プーリーボックス16の内面側がエンドキャップ12によって閉塞されていることに伴い、これらの内側係合溝58については巻取りボックス4の内部側から視認できないように成っている。
【0036】
上記最外伝達ギヤ55dは、上記プーリーボックス16に支持された回転軸59が、上記端板17に開設された開口17b、及び、エンドキャップ12に開設された開口12cを通じて巻取りボックス4のボックス本体11内まで延びていて、上記内側係合溝58が該ボックス本体11内に臨んだ状態と成っている。それにより、例えば、建物開口部に対してロールスクリーン装置1を取り付けた後においても、巻取りボックス4の内側から最外伝達ギヤ55dを回転させて、巻取りスプリング9の回転付勢力を調節することができる。また、最外伝達ギヤ55dは、上記スクリーン2における、巻取軸3に最も巻き取られた最大巻取時の外径よりも、上記軸線L1の半径方向外側に配置されているため、巻取りボックス4の内側から回転操作する際、スクリーン2に干渉しないように成っている。また、上記外輪部材56の駆動ギヤ56aの歯数よりも伝達ギヤ55a-55dの歯数が少なくっていて(すなわち、上記外輪部材56の駆動ギヤ56aの径よりも伝達ギヤ55a-55dの径が小さくなっていて)、それにより、上記伝達ギヤ55a-55dを回転操作する際の操作荷重を軽減している。
【0037】
上記巻取りスプリング9の回転付勢力の調節時においては、上記巻取りボックス4の外側から、伝達ギヤ55a-55dの何れかの外側係合溝57にマイナスドライバーの先端を係合させるか、巻取りボックス4の内側から最外伝達ギヤ55dの内側係合溝58にマイナスドライバーの先端を係合し、伝達ギヤ55a-55dを回転させることで、外輪部材56に対して軸線L1回りの回転力が伝達される。
【0038】
例えば、上記回転付勢力を増大させる場合、上記操作部55を操作して上記外輪部材56を軸線L1回りの一方向(
図12の矢印A方向)に回転させると、付勢力調節片54が、ブレーキスプリング51の第1端部51aに対して係合され、該第1端部51aが、第2端部51bと成す周方向角度を増大させる方向であって、ブレーキスプリング51を巻きを緩めて拡径させる方向に押圧される。そうすると、ブレーキ嵌合部50に対するブレーキスプリング51の嵌合力が低減され、ブレーキスプリング51の軸線L1回りの回動が許容される。そうすると、上記付勢力調節片54が、上記ブレーキスプリング51の第1端部51と回転子52の第1面53aとの双方に係合された状態となる。そして、上記外輪部材56をさらに回動させることで、該外輪部材56と共に回転子52及びそれに連結された上記スプリング軸10が回動し、その結果、巻取りスプリング9が巻き締められてその回転付勢力を増大させることができる。
【0039】
このようにして巻取りスプリング9を適宜の回転付勢力に調節した後に、外側係合溝57又は内側係合溝58からマイナスドライバーを離脱させると、今度は、巻取りスプリング9の巻き戻す方向の回転付勢力によって、上記回転子52の第1面53aが、ブレーキスプリング51の第1端部51aに対して係合され、該第1端部51が、第2端部51bと成す周方向角度を縮小させる方向であって、ブレーキスプリング51を巻き締めて縮径
させる方向に押圧される。そうすると、ブレーキ嵌合部50に対しするブレーキスプリング51の嵌合力が増大されて、該ブレーキスプリング51がブレーキ嵌合部50に対して、軸線L1回りに回転不可能な嵌合力で嵌合された状態となる。その結果、上記回転子52及びそれに接続されたスプリング軸10の回動が阻止されて、該スプリング軸10が巻取りボックス4に対して固定された状態となり、巻取りスプリング9の回転付勢力の調節作業が完了する。
【0040】
一方、回転付勢力を減少させる場合、同様に上記操作部55を操作して上記外輪部材56を軸線L1回りの他方向(
図12の矢印B方向)に回転させると、付勢力調節片54が、ブレーキスプリング51の第2端部51bに対して係合され、該第2端部51bが、第1端部51aと成す周方向角度を増大させる方向であって、ブレーキスプリング51を巻き緩めて拡径させる方向に押圧される。そうすると、ブレーキ嵌合部50に対するブレーキスプリング51の嵌合力が低減され、該ブレーキスプリング51の軸線L1回りの回動が許容される。そうすると、上記付勢力調節片54が、上記ブレーキスプリング51の第2端部51bと回転子52の第2面53bとの双方に係合された状態となる。そして、上記外輪部材56をさらに回転させることで、該外輪部材56と共に回転子52、及びそれに連結された上記スプリング軸10が回動し、その結果、巻取りスプリング9の巻きが緩められてその回転付勢力を減少させることができる。
【0041】
この場合も同様に、外側係合溝57又は内側係合溝58からマイナスドライバーを離脱させると、巻取りスプリング9の巻き戻す方向の回転付勢力によって、上記回転子52の第1面53aが、ブレーキスプリング51の第1端部51aに対して係合され、再びブレーキスプリング51が巻き締められ、該ブレーキスプリング51がブレーキ嵌合部50に対して、軸線L1回りに回転不可能な嵌合力で嵌合された状態となる。その結果、上記回転子52及びそれに接続されたスプリング軸10の回動が阻止されて、該スプリング軸10が巻取りボックス4に対して固定された状態となり、巻取りスプリング9の回転付勢力の調節作業が完了する。
【0042】
なお、上記ロールスクリーン装置1は、左右両側に配された巻取りスプリング9,9の回転付勢力を、左右両側に配された巻取力調節機構によって個別に調節可能となっているが、左右の巻取りスプリング9,9の回転付勢力が異なっていると、巻取軸3にねじれが発生してスクリーン2が該巻取軸3に対して均一に巻き取られないという問題が生じる虞があるため、左右の巻取りスプリング9,9の回転付勢力は同等に調節することが望ましい。
【0043】
次に、本実施形態における建物開口部に対する巻取りボックス4の取付構造について説明する。
図15-
図17に示すように、上記建物開口部は、その上端を規定する上横枠71と、上横枠71の両端から下方に垂下され、幅方向において内面同士が対向する一対の側枠72,72とによって形成されている。建物開口部の上記側枠72,72の上端部の内面には一対のブラケット73,73が取り付けられていて、これらブラケット73,73に巻取りボックス4における上記軸線L1方向の両端部が支持されるように構成されている。
【0044】
上記一対のブラケット73,73は、上記側枠72の内面に固定された固定壁74と、固定壁74から上記建物開口部の内方向に立設されて奥行き方向に延びる下支持壁76と、固定壁74から建物開口部の内方向に立設されて上下方向に延びる後支持壁77とをそれぞれ有している。上記固定壁74は、一方向に長い平面視矩形の板状を成していて、長手を上下方向に沿わせた姿勢で側枠72に対してネジ78で固定されている。この固定壁74の上端は上記上横枠71の内面に突き当てられている。
【0045】
上記下支持壁76は、上記固定壁74の下端縁に設けられていて、固定壁74の幅方向(奥行き方向)の全域に亘っている。また、該下支持壁76の奥行方向の長さは、上記プーリーボックス16の奥行き方向の長さよりも小さく形成されている。一方、上記後支持壁77は、上記固定壁74の奥行き方向の室外側の側端縁に設けられていて、固定壁74の長手方向(上下方向)の全域に亘っている。また、該後支持壁77の上下方向の長さは、上記プーリーボックス16の高さ方向の長さと略同じか、同長さよりも僅かに大きく形成されている。さらに、これら下支持壁76及び後支持壁77の上記立設方向における高さは等しく成っている。また、上記下支持壁76における奥行き方向の室内側には係止孔76aが開設されていて、該係止孔76aと該係止孔76aに係止される巻取りボックス4側に設けられた係止爪80(
図18参照)とにより、該巻取りボックス4の奥行き方向の移動を拘束する係止機構を構成している。
【0046】
上記一対のブラケット73,73には、巻取りボックス4の両端部に配された上記プーリーボックス16が支持されるようになっている。
図13,
図20に示すように、上記プーリーボックス16の下面には、上記係止孔76aに係止される上記係止爪80が設けられ、該係止爪80は、基端部が上記プーリーボックス16の下面に支持され、上下方向に弾性変形可能な板状部81と、板状部81の先端部に設けられ下方に向けて突設された山形状(断面三角形状)の係止部82とを有している。上記板状部81は、上記基端部が上記プーリーボックス16の下面に一体に連結されて支持され、該下面沿ってプーリーボックス16の室内側の端部に向けて延びた片持ちの板バネによって形成されている。上記係止部82は、
図20に示すように、奥行き方向の室外側から室内側に向けて下り勾配に形成された傾斜部82aと、該傾斜部82aの下方の先端から上方に略垂直に延びて上記係止孔76aの開口縁に係止される鈎部82bとを有している。
【0047】
また、
図1、
図18及び
図19に示すように、上記巻取りボックス4のボックス本体11の上面には、一片がボックス本体11に固定され、他片がネジ挿通用の丸穴83a(
図2参照)を有して上方に立ち上がるL形の金具83が設けられていて、巻取りボックス4が一対のブラケット73,73に支持された状態で、上記丸穴83aを介して上記上横枠71の前端部にネジ止めされるように成っている。
【0048】
上記一対のブラケット73,73にロールスクリーン装置1の巻取りボックス4を取り付ける場合には、ブラケット73,73の下支持壁76に、上記巻取りボックス4におけるプーリーボックス16の下端部を支持させて、室外側に向けて巻取りボックス4を押し込む。上記プーリボックス16の後端部(室外側端部)が、上記一対のブラケット73,73の後支持壁77に当接する前において、上記下支持壁76の前端縁に上記係止爪82の傾斜面82aが乗り上がり、上記板状部81が上方へ弾性変形し、上記係止部82の下端(傾斜部82aと鈎部82bとの交線)が上記プーリーボックス16の下面と同じ高さまで上昇する。さらに、巻取りボックス4が押し込まれて上記プーリボックス16の後端部が上記後支持壁77に当接して支持されると、上記該係止爪82の鈎部82bが係止孔76aの開口縁に至り、板状部81が弾性復帰して係止孔76aに係止爪80が係止され、巻取りボックス4の取り付けが完了する。
【0049】
上記取付完了時においては、上記巻取りボックス4の両端部が、上下方向において、上記一対のブラケット73,73の下支持壁76と上記上横枠71との間に挟持されて、該上下方向の動きが拘束され、また、奥行き方向において、上記後支持壁77と上記係止機構とによって該奥行き方向の動きが拘束される。
一方、一対のブラケット73,73から巻取りボックス4を取り外す場合には、ドライバー等の工具を用いて、下支持壁76の下側から上記係止孔76aに係止された係止爪80を上方に押してその係止状態を解除し、巻取りボックス4を室内側に引き出せばよい。このように、上記巻取りボックス4の建物開口部に対する取り付け、または、取り外し作業が簡単に行うことができるように構成されている。
【0050】
図21-
図28は、上記ロールスクリーン装置における操作機構の各種変形例を示すものである。以下の変形例の説明において上記実施形態と重複する内容は説明を省略する。
図21に示す第1変形例のロールスクリーン装置1Aにおいては、上記プーリーボックス16が、軸線L1回りに回転する第1ギヤプーリー25(ギヤホイール)が収容される第1収容部26と、該第1収容部26よりも奥行き方向の室内側(前面側)に形成され、上記第1ギヤプーリー25に噛合する第2ギヤプーリー27(ギヤプーリー)が収容される第2収容部28とを有している。なお、第1ギヤプーリー25の中心には上記実施形態と同様に矩形孔14aが開設されていて(
図22参照)、この矩形孔14aに上記角形筒上部3eの先端部が嵌合されている。なお、本実施形態では、上記第2ギヤプーリー27として、上記第1ギヤプーリー25と同じものを使用しているが、第2ギヤプーリーの矩形孔は使用していない。
【0051】
上記第1収容部26は、軸線L1を中心として環状に立設された外周壁29と、この外周壁29と同じ中心を有して外周壁29の内側に環状に立設された内周壁30とを有している。また、第2収容部28は、第2ギヤプーリー27の回転軸線L2を中心として環状に立設された外周壁31と、この外周壁31と同じ中心を有して外周壁31の内側に環状に立設された内周壁32とを有している。そして、これら第1収容部26及び第2収容部28の外周壁29,31が重なる部分では第1収容部26及び第2収容部28を相互に連通されており、それにより、第1ギヤプーリー25と第2ギヤプーリー27とが互いに噛合されている。
【0052】
上記第1及び第2ギヤプーリー25,27は、軸線L1,L2方向の巻取軸3側に配されたギヤフランジ部25a,27a(ギヤ部)と、該巻取軸3とは逆側のプーリーボックス16側に配された円形フランジ部25b,27bと、これらギヤフランジ部25a,27a及び円形フランジ部25b,27b間に挟まれて、これらフランジ部25a,25b,27a,27bより小径に形成された係合ギヤ25c,27c(プーリー部)とによって一体に形成されている。上記第1及び第2ギヤプーリー25,27のギヤフランジ部25a,27aは、その外周に複数のギヤ歯が等角度間隔で設けられていて、上述のように互いに噛合されている。また、上記第2ギヤプーリー27の係合ギヤ27cには、上記操作コード15が掛け回されている。ただし、本実施形態では、第1ギヤプーリー25の係合ギヤ25cは使用していない。
【0053】
また、本変形例においても、上記実施形態と同様に、第1ギヤプーリー25における一方側(巻取軸3側)の軸部は、上記エンドキャップ12に取り付けられた端板17を貫通する上記貫通孔17aにより回動自在に支持されていて、他方側(プーリーボックス16側)の軸部は、上記内周壁30により回動自在に支持されている。上記第2ギヤプーリー27の一方側の軸部も、上記第1ギヤプーリー25と同様に、上記端板17を貫通して上記貫通孔17aに隣接配置された貫通孔17cに回動自在に支持されていて、他方側の軸部は、上記内周壁32により回動自在に支持されている。なお、本変形例では、上記第2ギヤプーリー27の軸線L2は、上記第1ギヤプーリー25の軸線L1に対し、奥行き方向における室内側に水平に配置されている。
【0054】
さらに、本変形例におけるプーリーボックス16も、該プーリーボックス16の室内側を臨む前面に開口する一対の導出口20と、上記第2収容部28と該一対の導出口20とを連結する一対の連結路21とを有している。そして、上記第2収容部28内で第2ギヤプーリー27の係合ギヤ27cに掛け回された操作コード15が、上記一対の連結路21を通じて上記一対の導出口20から室内側に導出されている。そうすることで、上記操作コード15を操作すると、その操作力が第2ギヤプーリー27から第1ギヤプーリー25へと伝達されることにより、上記巻取軸3が回動されてスクリーン2が巻取りボックス4内に対して導出入されるようになっている。この変形例においては、操作コード15が掛け回された第2ギヤプーリー27が、より室内側に近い位置に配置されているため、操作コード15をよりスムーズに操作することができる。
【0055】
また、上記操作コードは室内側だけではなく室外側にも導出されていてもよい。
図23は、上記操作機構の第2変形例を備えたロールスクリーン装置1Bを示すもので、この変形例においても、上記第1変形例と同様に、上記第2収容部28に、第2ギヤプーリー27が収容されると共に、第1収容部26にも、上記第2ギヤプーリーと同じ第1ギヤプーリー25が収容されている。そして、本変形例においては、上記第1ギヤプーリー25の係合ギヤ25cに、室外側の操作コード15Aが掛け回され、上記第2ギヤプーリー27の係合ギヤ27cにも、上記第1変型例と同様に、室内側の操作コード15が掛け回されている。
【0056】
本変形例におけるプーリーボックス16も、上記第1変形例と同様に、該プーリーボックス16の室内側を臨む前面に開口する一対の導出口20と、上記第2収容部28と該一対の導出口20とを連結する一対の連結路21とを有している。そして、上記第2収容部28内で第2ギヤプーリー27の係合ギヤ27cに掛け回された室内側の操作コード15が、上記一対の連結路21を通じて上記一対の導出口20から室内側に導出されている。そうすることで、上記操作コード15を室内側で操作すると、その操作力が第2ギヤプーリー27から第1ギヤプーリー25へと伝達されることにより、上記巻取軸3が回動されてスクリーン2が巻取りボックス4内に対して導出入されるようになっている。
【0057】
さらに、本変形例におけるプーリーボックス16は、該プーリーボックス16の下面における上記縦枠部材5よりも室外側の位置に開口する一対の外側導出口35と、上記第1収容部26と該一対の外側導出口35とを連結する一対の連結路36とを有している。そして、上記第1ギヤプーリー25の係合ギヤ25cに掛け回された室外側の操作コード15Aが、上記一対の連結路36を通じて上記一対の外側導出口35から室外側に導出されている。そうすることで、室外側に導出された操作コード15Aを室外側で操作すると、上記第1ギヤプーリー25の回動に伴って巻取軸3が回動し、巻取りボックス4内に対してスクリーン2が導出入される。この第2変形例によれば、室内側と室外側との双方に操作コード15,15Aが導出されているため、室内外の何れの側からでも巻取りボックス4内対するスクリーン2の導出入を行うことが可能である。
【0058】
図24は、第3変形例のロールスクリーン装置1Cを示すもので、上記第1及び第2収容部26,28に同じ第1及び第2ギヤプーリー25,27が収容されている点で、第2変形例と共通しているが、この第3変形例では、第2収容部28内の第2ギヤプーリ27の係合ギヤ27cに掛け回された室内側の操作コード15が、上記巻取りボックス4の下面から室内側に導出されている点で上記第2変形例と異なっている。
【0059】
本変形例におけるプーリーボックス16も、該プーリーボックス16の下面における上記縦枠部材5よりも室外側の位置に開口する一対の外側導出口35と、上記第1収容部26と該一対の外側導出口35とを連結する一対の連結路36とを有しているが、それに加えて、該プーリーボックス16の下面における室内側端部に開口する一対の引出口37と、これら一対の引出口37と第2収容部28とを連結する一対の連結路38とを有している。ここで、上記一対の引出口37は、上記縦枠部材5(第2枠部5b)における上記収容空間Sの真上に位置していて、上記室内側の操作コード15が、上記連結路38を通じて上記一対の引出口37から収容空間S内に収容されている。そして、上記縦枠部材5における室内側に開口する上記開口部5cを通じて操作コード15を操作することが可能になっている。すなわち、この例では、上記縦枠部材5の開口部5cが、操作コード15を室内側へと導出させる上記導出口20の役割を担っている。よって、本変形例においては、操作コード15の室内側からの操作を容易にするため、上記開口部5cの開口幅が、上記操作コード15を手で上記収容空間S内から該開口部5cを通じて外部に引き出せる程度に大きいことが望ましい。
【0060】
なお、上記第2及び第3変形例においては、第1ギヤプーリー25及び第2ギヤプーリー27として、同じ構造を有する同径のものを使用しているが、必要に応じて互いに構造や径が異なるものを使用しても良い。例えば、第2ギヤプーリー27においては、中心の矩形孔を省略することが可能であるし、第2変形例では、第1ギヤプーリー25の係合ギヤを25cを省略することも可能である。また、第1ギヤプーリー25及び第2ギヤプーリー27の径を異ならせることにより、室内側の操作コード15の操作力を調整することもできる。
【0061】
さらに、上記第3変形例のように、上記巻取りボックス4内から上記縦枠部材5の収容空間S内に操作コード15を導出させた場合、次のように構成することもできる。
図25-
図28は、第4変形例のロールスクリーン装置1Dを示すものである。なお、この第4変形例においては、上記第3変形例と同様に、操作コードを、室内側及び室外側の双方に導出させることもできるし、上記第3変形例において、室外側の操作コード15Aを省略して、室内側のみに操作コード15を導出させることもできる。そのため、ここでは、巻取りボックス4(プーリーボックス16)内の構成は省略して、主として縦枠部材5に関する構成について説明することとする。
【0062】
この第4変形例では、上記引出口37から上記縦枠部材5の収容空間S内に収容されて、上記縦枠部材5における導出口20としての開口部5cから一旦外部に導出された操作コード15が、該導出口20よりも下方に開設された導入口39としての開口部5cを通じて再び収容空間S内に収容されるように構成されている。具体的には、上記縦枠部材5の第2枠部5bに、操作コード15を収容空間S内から上記導出口20としての開口部5cを通じて室内側に導出させるための導出部材40と、該導出部材40よりも下方において、上記導出部材40により室内側に一旦導出された操作コード15を、上記導入口39としての開口部5cを通じて再び収容空間S内に導入させた状態で、該第2枠部2bに対して操作可能に係止するためのコード保持部材41とが設けられている。
【0063】
上記導出部材40は、上記縦枠部材5の開口部5cの一部を覆って前方の室内側に張り出すように、上下方向に延びる細長い山形状に形成された蓋部40aと、該開口部5c内に押入される一対の脚部40b,40bとを有し、一対の脚部40b,40bの先端部外側には、互いに背向する係止爪40c,40cが形成されている。上記開口部5cに導出部材40を取り付ける場合には、該開口部5cから上記脚部40b,40bを収容空間S内へと押し込む。そうすると、係止爪40cの斜面が開口部5cの先端に当接し、脚部40b,40bが内側に弾性変形し、係止爪40cの斜面が開口部5cを通過すると、脚部40b,40bが弾性復帰し、該係止爪40cが開口部5cに係止され、導出部材40が縦枠部材5に取り付けられる。
【0064】
上記コード保持部材41は、上記収容空間S内に配置され、操作コード15が掛け回されるガイド輪41aと、収容空間S内に配置され、ガイド輪41aを両側から支持する一対の支持板41b,41bと、一対の支持板41b,41b間に掛け渡された上記ガイド輪41aの軸部41cと、上記縦枠部材5の前面側に配されたレバー41dと、一対の支持板41b,41bとレバー41dとの間に設けられ、上記縦枠部材5の開口部5cに係合して、コード保持部材41の上下移動をガイドするガイド溝41eとを有している。
【0065】
上記コード保持部材41は、ネジ孔が形成されたネジ止め部41fと、収容空間S内に配された受け片41gとをネジ42で共締めすることで、縦枠部材5の上下方向の適宜位置で固定され、これらの締結を緩めることで上下方向位置が調整される。この調整にあたっては上記レバー41dを使用することができる。上記コード保持部材41は、操作コード15の操作に伴って上記ガイド輪41aが軸回りに回動することで、室内側に導出された該操作コードが収容空間S内に円滑に戻されるように構成されている。
この第4変形例によれば、例えば、縦枠部材5の上方側において操作コード15を室内側に導出し、下方側においては縦枠部材5の収容空間S内に収容することで、操作コード15を子供の手の届かない位置に配することができる。
【0066】
なお、上記第4変形例においては、上記巻取りボックス4の引出口37から上記縦枠部材5の収容空間S内に収容された一対の操作コード15の双方について、それらの上下方向の中間部分を、上記導出部材40により収容空間S内から上記導出口20としての開口部5cを通じて室内側に一旦導出するようにしているが、必ずしもそれに限定されるものではない。例えば、上記一対の操作コード15のうちの何れか一方のみについて中間部分を上記導出部材40により室内側に一旦導出すると共に、何れか他方を下端部に至るまで収容空間S内に配し、これら一対の操作コード15を相互に繋がった下端部分を上記コード保持部材41に掛け回しても良い。そうすることで、例えば、室内側に導出された一方の操作コード15を上方に引き上げれば上記スクリーン2を巻取軸3から繰り出して展張させ、逆に引き下げれば展張されたスクリーン2を上記巻取軸3に巻き取ことができ、スクリーン2の繰り出しと巻き取りとで操作コード15の操作方向を間違える虞がない。
【0067】
ところで、前述した実施形態では、スクリーン2が巻取軸3から繰り出されて建物開口部を完全に閉じた状態(すなわち、可動框8が建物開口部の最下端に位置している状態)にあるときに、スクリーン2を巻取軸3に巻き取る場合、巻取ボックス4の導出口20から室内側に導出している操作コード15における2本の紐状部分15c、15dのうち、スクリーン2を巻き取る際に操作する紐状部分15cの選択を間違える虞がある。そこで、
図29に示すように、これら紐状部分15c、15dのうち、スクリーン2を巻き取る際に操作される紐状部分15c(一方の紐状部分15c)に、操作する紐状部分であることを示すための識別表示45を設けてもよい。
【0068】
識別表示45は、本実施形態では、紐状部分15cに付された色彩であり、この色彩は、操作コード15の色彩と異なる色彩であることが好ましい。また、識別表示45は、紐状部分15cのいずれかの部分又は全部に設けてもよく、例えば、紐状部分15cの上部若しくは下部、又は紐状部分15cの上端から下端までの領域の全部に設けてもよい。この場合、スクリーン2が巻取軸3に巻き取られて建物開口部が開いた状態において、識別表示45は他方の紐状部分15d側に移動するように設けてもよく、また、スクリーン2の巻取りによって建物開口部が半開きの状態において、識別表示45は少なくとも紐状部分15c側に設けてもよい。このように、スクリーン2を巻取軸3に巻き取る際に操作する紐状部分15cに識別表示45を設けることにより、2本の紐状部分15c、51dのうち、操作する紐状部分15cを容易に選択することができる。
【0069】
さらに、
図26に示すように、前述した第4変形例において、縦枠部材5の開口部5cから外部に導出している2本の紐状部分15c、51dのうちの紐状部分15cに識別表示45を付してもよい。
【0070】
また、前述した実施形態では、操作コード15として、多数のボール体15a同士を連結条15bにより相互に連結した無端のボールチェーンを示したが、これに限るものではない。操作コード15は合成樹脂製又は布製の紐でもよい。
【符号の説明】
【0071】
1,1A,1B,1C,1D ロールスクリーン装置
2 スクリーン
3 巻取軸
4 巻取りボックス
5 縦枠部材
7 ガイドレール
9 巻取りスプリング
15 操作コード
15A 操作コード(屋外用操作コード)
15c 紐状部分(一方の紐状部分)
15d 紐状部分
20 導出口
24 転向部材
25 第1ギヤプーリー(ギヤホイール)
25a ギヤフランジ部(第1ギヤ部)
25c 係合ギヤ(第1プーリー部)
27 第2ギヤプーリー
27a ギヤフランジ部(ギヤ部、第2ギヤ部)
27c 係合ギヤ(プーリー部、第2プーリー部)
39 導入口
45 識別表示
100 枠体
L1,L2 軸線