(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084165
(43)【公開日】2024-06-25
(54)【発明の名称】広告出力方法、広告出力プログラム及び広告出力システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0251 20230101AFI20240618BHJP
【FI】
G06Q30/0251
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022198278
(22)【出願日】2022-12-13
(71)【出願人】
【識別番号】522483998
【氏名又は名称】株式会社BACKS
(74)【代理人】
【識別番号】230116539
【弁護士】
【氏名又は名称】恩田 俊明
(72)【発明者】
【氏名】西村 啓成
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB08
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】従来の広告配信に関する技術は、人流データというある一定の傾向を示す情報への依存が高いゆえ、特にイレギュラーな状況の変化に応じた柔軟な対応が難しくなっており、機動的な広告出力も難しかった。
【課題を解決するための手段】一又は複数の領域における人流に関する情報である人流情報を取得する人流情報取得ステップと、取得した人流情報と外部情報とを用いて、広告と移動体を含む広告媒体のなかからそれぞれ一又は複数を選択する媒体選択ステップと、前記選択された広告媒体にて前記選択された広告を出力可能とするための広告出力ステップと、をコンピュータにて実行する広告出力方法などを提案する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一又は複数の領域における人流に関する情報である人流情報を取得する人流情報取得ステップと、
取得した人流情報と外部情報とを用いて、広告と移動体を含む広告媒体のなかからそれぞれ一又は複数を選択する媒体選択ステップと、
前記選択された広告媒体にて前記選択された広告を出力可能とするための広告出力ステップと、
をコンピュータにて実行する広告出力方法。
【請求項2】
媒体選択ステップは、
外部情報として、日時、天候、イベント、交通状態その他所定の位置と紐付けられる情報を用いることを特徴とする請求項1に記載の広告出力方法。
【請求項3】
前記広告媒体が移動体である場合の当該広告媒体の位置情報を所定タイミングで取得する位置情報取得ステップをさらに有し、
媒体選択ステップは、
前記取得した位置情報にも基づいて広告媒体を選択する位置依存選択サブステップをさらに有する請求項1に記載の広告出力方法。
【請求項4】
前記広告媒体が移動体である場合の当該広告媒体の位置情報を所定タイミングで取得する位置情報取得ステップをさらに有し、
広告出力ステップにて出力先とされた広告媒体と関連付けられる移動体に対し、移動経路に関する情報である移動経路情報を出力するための移動経路情報出力ステップをさらに有する請求項1に記載の広告出力方法。
【請求項5】
前記領域における任意タイミングの人流を予測した結果に関する情報である人流予測情報を取得する予測取得ステップをさらに有し、
媒体選択ステップは、
前記取得した人流予測情報をも用いて一又は複数の広告媒体を選択する予測利用サブステップをさらに有する請求項1に記載の広告出力方法。
【請求項6】
一又は複数の領域における人流に関する情報である人流情報を取得する人流情報取得ステップと、
取得した人流情報と外部情報とを用いて、広告と移動体を含む広告媒体のなかからそれぞれ一又は複数を選択する媒体選択ステップと、
前記選択された広告媒体にて前記選択された広告を出力可能とするための広告出力ステップと、
をコンピュータにて実行可能とするための広告出力プログラム。
【請求項7】
一又は複数の領域における人流に関する情報である人流情報を取得する人流情報取得部と、
取得した人流情報と外部情報とを用いて、広告と移動体を含む広告媒体のなかからそれぞれ一又は複数を選択する媒体選択部と、
前記選択された広告媒体にて前記選択された広告を出力可能とするための広告出力部と、を有する広告出力システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋外で多様な手段にて展開される広告媒体への広告の出力方法などに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、屋外広告の効力最大化を追求するための各種の技術が知られている。例えば特許文献1には、あるエリアの通行人の人流データに応じた広告を出力するための仕組みが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ただ、このような従来技術は、人流データというある一定の傾向を示す情報への依存が高いゆえ、特に流動的な状況変化への柔軟な対応が難しくなっていた。具体的に言えば、広告媒体が多様化し、トラック広告のような移動体を媒体とした広告が出現する現状では、単に定位置のデータを取得するよりも、好適な広告出稿の参考データの取得及び活用が渇望されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上のような課題を解決すべく、本発明は、一又は複数の領域における人流に関する情報である人流情報を取得する人流情報取得ステップと、取得した人流情報と外部情報とを用いて、広告と移動体を含む広告媒体のなかからそれぞれ一又は複数を選択する媒体選択ステップと、前記選択された広告媒体にて前記選択された広告を出力可能とするための広告出力ステップと、をコンピュータにて実行する広告出力方法などを提案する。
【0006】
また上記発明に関連して、媒体選択ステップが、外部情報として、日時や天候、イベント、交通状態その他所定の位置と紐付けられる情報を用いることを特徴とする広告出力方法なども提案する。
【0007】
また上記各発明に関連して、前記広告媒体が移動体である場合の当該広告媒体の位置情報を所定タイミングで取得する位置情報取得ステップをさらに有し、媒体選択ステップが、前記取得した位置情報にも基づいて広告媒体を選択する位置依存選択サブステップをさらに有する広告出力方法などを提案する。
【0008】
また上記各発明に関連して、前記広告媒体が移動体である場合の当該広告媒体の位置情報を所定タイミングで取得する位置情報取得ステップをさらに有し、広告出力ステップにて出力先とされた広告媒体と関連付けられる移動体に対し、移動経路に関する情報である移動経路情報を出力するための移動経路情報出力ステップをさらに有する広告出力方法などを提案する。
【0009】
また上記各発明に関連して、前記領域における任意タイミングの人流を予測した結果に関する情報である人流予測情報を取得する予測取得ステップをさらに有し、媒体選択ステップが、前記取得した人流予測情報をも用いて一又は複数の広告媒体を選択する予測利用サブステップをさらに有する広告出力方法なども提案する。
【0010】
さらに、上記各方法に関連したプログラムやシステムなどに関する発明も提案する。
【発明の効果】
【0011】
主に以上のような構成をとる本発明によって、位置を含めた種々の状況の変化に応じた柔軟な広告出力が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】実施形態1のシステムの機能ブロックの一例を示す図
【
図3】実施形態1のシステムの機能的な各構成をまとめて一のハードウェアとして実現した際の構成の一例を示す概略図
【
図4】実施形態1のシステムにおける処理の流れの一例を示す図
【
図5】実施形態2のシステムの機能ブロックの一例を示す図
【
図6】実施形態2のシステムにおける処理の流れの一例を示す図
【
図7】実施形態3のシステムの機能ブロックの一例を示す図
【
図8】実施形態3のシステムにおける処理の流れの一例を示す図
【
図9】実施形態4のシステムの機能ブロックの一例を示す図
【
図10】実施形態3のシステムにおける処理の流れの一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
まず
図1を示す。
図1は本発明の概要を示す図である。同図に示されているように、本発 明は、屋内外に設けられた複数の広告媒体0101、0102とネットワークを介して連携された一又は複数のサーバ等のコンピュータ0111を用いて実現され、当該コンピュータは、所定領域の人流情報を取得するための各種センサや携帯端末0122などともネットワークを介した情報の送受信を行う。
【0014】
次に、本発明を実現する各種コンピュータと接続される各種端末については、その種別を特に限定することはなく、例えばスマートフォン0122やタブレット、スマートウォッチ、スマートグラスなどが考えられる。さらには、これらの携帯端末と上記コンピュータとの通信を介在するために屋外の様々な位置に配置されるビーコン0121などもここでいう端末に含められる。
【0015】
つぎに、携帯端末とともに情報の送受信対象となる各種センサについても種々のものが考えられ、例えば、人感センサや振動センサ、温度センサ、圧力センサ、距離センサその他人流を把握するために有用な情報を取得可能なセンサであれば特に限定はされない。さらに、これらのセンサを複数組み合わせることももちろん可能であるし、それらのセンサを組み込んだデバイスが当該センサとともに人流情報を生成する処理を行うような構成も考えられる。
【0016】
以下、本発明の各実施形態について図面とともに説明する。まず実施形態と請求項の相互の関係は、以下のとおりである。まず、実施形態1は主に請求項1、2、6、7などに対応する。実施形態2は主に請求項3などに対応する。実施形態3は主に請求項4などに対応する。実施形態4は主に請求項5などに対応する。ただし、各実施形態にて説明する技術的特徴は、他の実施形態にて説明する技術的特徴と組み合わせて用いられることも可能である。
【0017】
なお、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではなく、技術常識に従って特許請求の範囲の各請求項に記載の技術的思想を有し、その要旨を逸脱しない範囲内において、様々な態様で実施し得る。
【0018】
<<実施形態1>>
<概要>
図2は、本実施形態の広告出力システムの機能ブロックの一例を示す図である。同図において示されているように、本実施形態の「広告出力システム」0200は、「人流情報取得部」0201と、「媒体選択部」0202と、「広告出力部」0203と、を有する。
【0019】
なお、以下で詳しく説明する広告出力システムは、その機能の一又は複数の機能を複数の装置にて実現するようにも構成され得るものであって、その機能ブロックは、いずれもハードウェア又はソフトウェアとして実現され得る。コンピュータを用いるものを例にすれば、CPUやメインメモリ、GPU、TPU、画像メモリ、バス、二次記憶装置(ハードディスクや不揮発性メモリ)、タッチパネル、タッチパネルをタッチするための電子ペンなどの各種入力デバイス、スピーカ、サイネージやディスプレイ、ディフューザ、バイブレータ(振動モータ)その他各種出力デバイス、その他の外部周辺装置などのハードウェア構成部、またその外部周辺装置用のインタフェース、通信用インタフェース、それらのハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他のアプリケーションプログラムなどが挙げられる。
【0020】
そしてメインメモリ上に展開したプログラムに従った演算処理によって、入力デバイスやその他インタフェースなどから入力されメモリやハードウェア上に保持されているデータなどが加工、蓄積されたり、前記各ハードウェアやソフトウェアを制御するための命令が作成されたりする。ここで、上記プログラムは、モジュール化された複数のプログラムとして実現されてもよいし、2以上の分散管理されたプログラムをクラウドコンピューティングその他の方法により組み合わせて一のプログラムとして実現されても良い。
【0021】
<機能的構成>
「人流情報取得部」0201は、一又は複数の領域における人流に関する情報である人流情報を取得するように構成されている。ここでいう人流情報は所定領域に存在すると識別されるヒトに関する情報であり、ヒトの動きといった定量的な情報のほか、当該ヒトの属性といった定性的な情報をも含む。例えば、所定領域内を通行するヒトの数や通行速度、通行頻度(所定単位時間あたりの通行数にどの程度の偏りがあるか)、同行人数、体温、滞留時間などの情報のほか、当該ヒトの年齢、性別、職業などの情報も人流情報に含まれ得る。これらの情報を幅広く取得可能に構成することにより、広告媒体の選択肢を多様化させ効率的な広告配信を可能とする。
【0022】
なお、人流情報取得の具体的な方法としては、例えば、所定領域に存在するヒトが保有する携帯端末と直接又は間接的に情報の送受信を行うことにより、当該端末に登録されていたり、予め提供可能と設定されていたりするヒトに関する情報を当該所定領域に存在するヒトに関する情報と識別して取得するような構成が考えられる。当該構成を採用すれば、ヒトが携帯端末を通じて人流情報として提供可能な情報をコントロールすることが可能となるため、個人情報その他プライバシーに配慮した人流情報の取得ないし利用が可能になる。
【0023】
本発明においては、このように、携帯端末を保有するヒトの属性に着目した人流情報を取得することを特徴の一つとすることが考えられる。乳幼児のように当該個人として独立して携帯端末を持たないようなヒトについても、上記構成以外の構成により人流を把握することも可能であるし、そのような構成をことさらに排除するものではない。ただ、それらの乳幼児には独立した購買力が乏しい以上、それらのヒトに向けた広告を配信することが必須とまではいえないためである。
【0024】
ここまでは携帯端末を用いた人流情報取得の一態様について説明をしたが、それ以外にも例えば、所定領域内を通過するヒトを撮影対象としたカメラや各種センサ(人感センサ、温度センサ、レーザセンサ)などを用いて当該領域内のヒトの流れを計測するような構成があってもよい。特にレーザセンサなどのセンサを用いるのであれば、ヒトのプライバシーに最大限配慮することが可能である。
【0025】
なお、ここまで述べてきた各種の情報取得態様は、それら単独で用いられる場合のほか、複数の態様を組み合わせて各種情報を取得し、それらの情報をまとめて人流情報として取得する構成があってもよい。当該構成を採用することにより、プライバシーなどに配慮しつつ、利用可能な情報について臨機応変に対応可能とすることで、多様な人流情報を取得し、好適な広告配信に活かすことができるようになる。
【0026】
「媒体選択部」0202は、取得した人流情報と外部情報とを用いて、広告と移動体を含む広告媒体のなかからそれぞれ一又は複数を選択するように構成されている。媒体選択部においては、選択対象となる媒体が予め選択可能な構成とされている必要がある。具体的には、サーバ内にて一又は複数の広告媒体に関する情報を記憶しておくか、外部サーバに格納されるそれらの情報をネットワークを介して選択可能となるようなネットワークが構築されている必要がある。具体的には、広告媒体を運営する広告代理店などの事業者が管理するサーバがここでいう外部サーバに該当しうるといえ、それらの広告媒体は、個々を識別する識別子が割り振られるなどの方法によって媒体選択部における選択対象となりうる。
【0027】
ここで選択対象となる広告媒体は、移動体か据置かにより大別され、移動体である場合には、媒体の大きさや仕様、移動体の種類(トラック、バス、電車、タクシー)、出力可能な広告種別、移動可能なエリアなどが紐づけられている。また、据置である場合には、媒体の設置位置や大きさ、仕様、出力可能な広告種別などが紐づけられている。媒体選択部においては、これら広告媒体と紐づけられている情報との関連性を判断要素として広告媒体を選択する。
【0028】
さらには、上記人流情報取得の際に情報の送受信を行った携帯端末を広告媒体として選択可能とする構成も考えられる。すなわち、所定領域内に存在するヒトが携帯するスマートフォンやタブレット等に対して、適宜の広告を出力可能とする構成である。当該構成を採用すれば、携帯端末頻度の多い利用者に対してタイミングを逸することなく好適な広告出力が可能になる。
【0029】
以上で述べた広告媒体の選択処理についてもう少し具体的に説明する。人流情報を取得した場合、当該人流情報と親和性のあると判断可能な広告媒体を選択することが考えられる。例えば、所定領域の人流情報に基づき、当該領域内の道路に滞留するヒトが多いと分析可能な場合には、当該道路付近に移動可能な移動体たる広告媒体を選択する処理を行うことが考えられる。当該構成を採用することにより、当該道路付近に据置型の広告媒体が存在しない場合でも、移動体たる広告媒体を通じた消費者に対する広告訴求が可能となる。
【0030】
他にも、所定速度以上で複数のヒトが移動していると判断される場合には、ヒトが滞留する領域を電車車両内と判断し、当該車両内に設置される広告媒体を選択するようなことも考えられるし、同一の移動体に複数の広告媒体を備えているような場合(例えば、トラックの側面とルーフ部分とにそれぞれ広告媒体を備えているような場合)には、当該移動体の通行する道路事情に応じて好適と判断される広告媒体を選択するといったことも考えられる。このように、広告媒体として移動体をも選択可能な構成を採用することにより、機動的な広告出力を可能とするのみならず、据置型媒体のような設置コストの低減ないし抑制を図ることも可能となる。
【0031】
以上で述べたほか、例えば、人の流れの方向性等に関する人流情報を取得することにより、複数の領域を選択し、それらの領域ごとに同一又は異なる内容の広告を出力するような構成も考えられる。このような構成を採用すれば、例えば、複数のシリーズものの動画広告を、ヒトの移動スピードに応じて異なる位置の広告媒体に出力するようにして、ヒトが広告に没入できるような制御を行うことも可能となる。
【0032】
以上で説明したのは移動体を用いる例であるが、据置型の広告媒体の場合にも、例えば、取得した人流情報から、所定領域のうち一定方向へのヒトの流れが多く、反対方向へのヒトの流れはわずかであるといった分析が可能な場合には、当該一定方向へ移動するヒトに視認可能に設置された媒体のみを選択し、反対方向に向けて設置されている媒体は選択対象に含めないようなことが考えられる。このような構成を採用して出力対象の媒体を限定可能とすることにより、広告出力の訴求性を高めるとともに、実効性の低い媒体の稼働コストを抑制することができる。
【0033】
なお本発明では、媒体選択に際し人流情報とともに外部情報を用いることを技術的特徴として備えている。これは、人流情報のみでは有意な分析は困難となり、最適な広告表示ができるとは限らないためである。具体的には、たとえ所定領域内に関する人流情報として成人男性が多いという分析が可能であっても、その程度の分析結果からは好適な表示対象となる広告や媒体を選択することは困難であり、結果としてランダムな広告表示処理を行わざるを得ない。人流情報に加え、当該領域における外部要因としての情報たる外部情報の存在をも踏まえた分析を行うことで、より好適な広告出力ひいては訴求力向上を図ることが可能となる。
【0034】
取得対象となる外部情報には種々のものが考えられ、例えば日時や天候、イベント、交通状態その他所定の位置ないし領域と紐付けられる情報であることが考えられる。外部情報は各種のセンサから取得される場合もあれば、外部サーバ等から取得する場合もあり得る。天候であれば所定領域に関する現在又は将来の天気や気温、湿度、雨量等の天候情報を発信している外部サーバと情報を送受信することにより、それらの天候情報を外部情報として取得することが考えられる。交通情報についても同様に、当該領域の道路の渋滞や通行止め等に関する情報や電車等の交通機関の運行に関する情報などをそれぞれ外部情報として取得することが考えられる。イベントについては、当該領域内やその付近で開催されるイベント(スポーツやコンサート等のエンターテインメント系のイベント、花火大会等の祭事、物産展等の催事イベントなどが考えられるがこれらに限られない)に関する情報を、当該イベント開催日時などの情報とともに取得しておき、カレンダー等の日時と紐づけて記録可能な形式にて取得しておくことが考えられる。
【0035】
なお、同一領域における外部情報は、所定のタイミングで更新可能に取得されることが望ましい。天候や交通状態はリアルタイムで変化しうるもので、それらの変化に応じて好適に出力されるべき広告内容や広告媒体も変化しうるためである。具体的には、ゲリラ豪雨等急な降雨等の天候変化が生じた場合には、雨宿りが可能な施設軒下にて視認可能な広告媒体を選択するなどの処理が考えられる。当該構成を採用すれば、最新の外部情報に応じた広告媒体の選択が可能になる。
【0036】
ここまでは、広告媒体選択についての処理について説明したが、媒体選択部においては、出力対象となる広告をも選択する。広告もまた、人流情報と外部情報の両方を用いて選択され得る。具体的には、特定のアーティストのコンサート会場近辺の領域では、当該アーティストの新曲やグッズに関する広告を出力するよう選択したり、同一電車内でも、スーツを着た男性が多いと判断される車両内領域では、居酒屋その他の飲食店に関する広告を出力するように選択することが考えられ、女性の乗車割合が相対的に高いと識別される車両内領域では、コスメに関する広告を出力するように選択することなどが考えられる。
【0037】
なお、媒体選択部における各種の処理は、取得する人流情報と外部情報とを予め定められたルールを用いて分析して行うことが考えられるほか、それらのルールを用いずに過去の出力の事実や出力結果の訴求に対応した重み付け等を踏まえた学習済みモデルを用いて機械的になされることも考えられる。他にも様々な方法が考えられるところ、いずれの方法を用いてもよいし、また、複数の方法を組み合わせて採用してもよく、なにをもって好適な媒体選択(媒体にとどまらず広告の選択も含まれる)と判断するかは設計事項といえる。
【0038】
「広告出力部」0203は、前記選択された広告媒体にて前記選択された広告を出力可能とするように構成されている。出力対象の広告は、予め本実施形態の広告出力システムにて保持されている場合もあれば、選択に応じて外部サーバから取得し出力する場合もある。また、既に選択対象となる広告媒体にダウンロードされていたり、別途格納されていたりする広告を出力制御する場合もここでいう「広告を出力可能とする」処理に含まれる。
【0039】
具体的には、広告が動画データにて構成されている場合には、当該動画データを広告媒体たるディスプレイやスピーカ等のデバイスを通じて出力することが考えられるし、広告が香料等の香りを生じさせる物質を出力するように構成されている場合には、ディフューザのように香りを発するデバイスをもって構成されている広告媒体において、当該香りを生じさせることが考えられる。また、振動モータを起動して振動を生じさせる内容の広告が選択された場合には、当該デバイスを有する広告媒体において振動を発生させるような構成が可能となる。このように、視覚聴覚にとどまらずヒトの五感に直接作用する各種の効果を実現可能な各種の媒体を広告出力対象として選択可能とすることにより、多様な広告訴求を実現することが可能となる。
【0040】
<具体的な構成>
ここで
図3を示す。同図は本実施形態の広告出力システムの機能的な各構成をまとめて一のハードウェアとして実現した際の構成の一例を示す概略図である。各装置はいずれも、それぞれ各種演算処理を実行するための「CPU」0301と、「記憶装置(記憶媒体)」0302と、「メインメモリ」0303と、「入出力インタフェース」0304、「ネットワークインタフェース」0305と、を備え、入出力インタフェースを介して、例えば「各種センサ」0306などの外部周辺装置と情報の送受信を行う。
【0041】
また、本実施形態の広告出力システムは、ネットワークインタフェースを介して複数の「携帯端末」0307や「広告媒体」0308、あるいは外部にて各種処理を行う「外部サーバ」などの外部装置と情報の送受信を行いうる。このネットワークインタフェースの具体的な態様は有線、無線を問わず、また通信の方法も、両端末間で直接、間接なされるかを問わない。よって特定の外部装置ないし同装置の利用者と紐づけられた第三者の管理するサーバとの間で情報の送受信を行ういわゆるクラウドコンピューティングの形式を採用することも可能である。
【0042】
記憶装置には以下で説明するような各種プログラムが格納されており、CPUはこれら各種プログラムをメインメモリのワーク領域内に読み出して展開、実行する。なお、これらの構成は、「システムバス」0399などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う(以上の構成の基本的な構成は、以下で説明する他の装置のいずれについても同様である。
【0043】
(人流情報取得部の具体的な構成)
人流情報取得部は、コンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、具体的には、CPUが記憶装置から「人流情報取得プログラム」0310をメインメモリに読み出して実行し、所定の携帯端末やセンサ、デバイス等を通じて、一又は複数の領域における人流に関する情報である人流情報を取得してメインメモリの所定のアドレスに格納する。
【0044】
(媒体選択部の具体的な構成)
媒体選択部は、コンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、具体的には、人流情報取得プログラムの実行により取得した人流情報と、外部サーバやセンサ等を通じて取得した外部情報とを読み出すとともに、CPUが記憶装置から「媒体選択プログラム」0320をメインメモリに読み出して実行し、予め取得可能に紐づけられる広告と移動体を含む広告媒体のなかからそれぞれ一又は複数を選択する処理をおこなう。
【0045】
(広告出力部の具体的な構成)
広告出力部は、コンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、具体的には、CPUが記憶装置から「広告出力プログラム」0330をメインメモリに読み出して実行し、前記媒体選択プログラムの実行により選択された広告媒体にて前記選択された広告を出力可能とするための種々の処理をおこなう。
【0046】
<処理の流れ>
図4は、本実施形態の広告出力システムにおける処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS0401では、人流情報の取得が可能かどうかを判断し、ここででの判断結果が取得可能との内容である場合には、ステップS0402として、当該判断に応じて人流情報を取得する(人流情報取得ステップ)。取得可能との内容ではない場合には、以後の処理を行わない。
【0047】
その後ステップS0403では、人流情報取得ステップにて取得した人流情報と外部情報とを用いて、広告と移動体を含む広告媒体とのなかから一又は複数を選択する処理を行う(媒体選択ステップ)。なお、この場合において外部情報は予め保持しているものを用いてもよいし、本ステップにおける処理に先立ち、外部サーバ等から取得のための処理を別途実行してもよい。そしてステップS0404では、前記媒体選択ステップにて選択された広告媒体にて前記選択された広告を出力可能とするための処理を行う(広告出力ステップ)。
【0048】
<効果>
以上の構成を採用する広告出力システムを利用することにより、位置を含めた種々の状況の変化に応じた柔軟な広告出力が可能となる。
【0049】
<<実施形態2>>
<概要>
本実施形態の広告出力システムは、基本的には実施形態1に記載の広告出力システムの技術的特徴と同様であるが、前記広告媒体が移動体である場合に当該広告媒体の位置情報を所定タイミングで取得し、媒体選択の際に前記取得した位置情報にも基づいて広告媒体を選択する点において更なる特徴を有している。
【0050】
<機能的構成>
図5は、本実施形態の広告出力システムの機能ブロックの一例を示す図である。同図において示されているように、本実施形態の「広告出力システム」0500は、「人流情報取得部」0501と、「媒体選択部」0502と、「広告出力部」0503と、「位置情報取得部」0504と、を有し、媒体選択部は「位置依存選択手段」0512をさらに有する。基本的な構成は、実施形態1の
図2を用いて説明した広告出力システムと共通するため、以下では相違点である「位置情報取得部」0504と「位置依存選択手段」0512の機能について説明する。
【0051】
「位置情報取得部」0504は、前記広告媒体が移動体である場合の当該広告媒体の位置情報を所定タイミングで取得するように構成されている。広告媒体が据置型である場合は、予め所定の位置情報が既に紐づけられるところ、移動体である場合は、媒体選択の時点あるいは広告出力の時点における当該移動体の位置が変化しうる。そのため、当該各時点における移動体の位置を正確に把握することにより、好適な広告出力先としての選択可能性を高めることができる。
【0052】
具体的には、移動体の位置が把握可能なGPSその他の位置情報計測手段を用いて、より近接した日時における移動体の位置情報を把握可能とすることが望ましい。ただし、それらの手段を用いず、例えば、予め移動体ごとに移動計画等のスケジュールの提出を受け、当該スケジュール内容に応じて当該移動体の位置情報を推定するような処理があってもよい。
【0053】
上述したように、位置情報取得のタイミングとしては、媒体選択時あるいは広告出力時であることが考えられるが、特に媒体選択部における処理に先立って位置情報の取得がなされることが望ましい。例えば、媒体選択時に取得した位置情報に応じて好適な広告出力先として所定の移動体を選択したのち、広告出力時に先立って再度当該移動体の位置情報を取得しなおして、前記媒体選択時の判断に誤りがないかを判定可能とするような構成も考えられる。当該構成を採用すれば、媒体選択時以降の交通情報の変化等で、選択された移動体が真に好適な広告出力を実現し難くなったような事態が生じても柔軟に対応することができるようになる。
【0054】
「位置依存選択手段」0512は、媒体選択部において、前記取得した位置情報にも基づいて広告媒体を選択するように構成されている。具体的には、人流情報取得の対象となった所定の領域に最も近接する位置に存在する移動体であったり、最も短時間で到達可能な位置に存在する移動体、以後所定の領域に到達することが予定される電車やバス等の公共交通機関などの移動体を選択するような処理がここでいう「位置情報にも基づいて広告媒体を選択する」処理に含まれ得る。
【0055】
なお、本実施形態のように位置情報を用いて移動体を含む媒体を選択するような場合には、当該選択された広告媒体に広告を出力するタイミングもまた調整可能とすることが望ましい。すなわち、広告媒体選択のタイミングで広告を出力するような処理を行うのではなく、当該移動体たる広告媒体が所定領域に到着したタイミング、あるいは所定領域到着間際となったタイミングなど、当該移動体の移動状態に対応した広告出力のタイミングを設定可能とすることが望ましい。例えば、大型店舗の周辺道路上を走行可能なトラックを広告媒体として選択し、当該トラックが上記店舗の半径2Km以内を走行している間に、当該店舗におけるタイムセールに関する広告を出力可能とするような構成が考えられる。当該構成を採用すれば、移動体という広告媒体の特徴を活かしたアグレッシブな広告出力が可能となる。
【0056】
<具体的な構成>
本実施形態の広告出力システムを構成する各装置のハードウェア構成は、基本的には、
図3を用いて説明した実施形態1の広告出力システムにおけるハードウェア構成と同様である。そこで以下については、これまで説明していない「位置情報取得部」と「位置依存選択手段」の具体的な処理について説明する。
【0057】
(位置情報取得部の具体的な構成)
位置情報取得部は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、CPUが記憶装置から「位置情報取得プログラム」をメインメモリに読み出して実行し、前記広告媒体が移動体である場合の当該広告媒体の位置情報を所定タイミングで取得し、メインメモリの所定のアドレスに格納する。
【0058】
(位置依存選択手段の具体的な構成)
位置依存選択手段は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、媒体選択プログラムの実行に際し、CPUが記憶装置から「位置依存選択サブプログラム」をメインメモリに読み出して実行し、前記取得した位置情報にも基づいて広告媒体を選択する処理を行う。
【0059】
<処理の流れ>
図6は、本実施形態の広告出力システムにおける処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS0601では、人流情報の取得が可能かどうかを判断し、ここででの判断結果が取得可能との内容である場合には、ステップS0602として、当該判断に応じて人流情報を取得する(人流情報取得ステップ)。取得可能との内容ではない場合には、以後の処理を行わない。
【0060】
その後ステップS0603では、人流情報取得ステップにて取得した人流情報と外部情報とを用いて、広告と移動体を含む広告媒体とのなかから一又は複数を選択する処理を行う(媒体選択ステップ)。このときステップS0604にて、媒体選択ステップにおいて広告媒体として移動体が選択されたかどうかを判断し、されているとの判断結果である場合には、ステップS0605の処理として、当該移動体の位置情報を取得する(位置情報取得ステップ)。移動体が選択されていないとの判断結果である場合には、位置情報を用いずにステップS0606の処理を行う。
【0061】
ちなみに、ステップS0605の位置情報取得ステップを、ステップS0603の媒体選択ステップに先立ち処理してもよい。この場合には、いったん所定領域近傍に位置すると認められる移動体の位置情報を位置情報取得ステップにて取得し、媒体選択ステップにおいて、当該位置情報をも用いて広告媒体を選択する(位置依存選択サブステップ)。
【0062】
そしてステップS0606では、前記媒体選択ステップにて選択された広告媒体にて前記選択された広告を出力可能とするための処理を行う(広告出力ステップ)。この場合、公告出力のタイミングを制御する処理がここでいう「選択された広告を出力可能とするための処理」に含まれることは上述の通りである。
【0063】
<効果>
本実施形態の広告出力システムを用いることにより、実施形態1の広告出力システムを用いる場合に比べて、よりダイナミックな広告出力が可能となる。
【0064】
<<実施形態3>>
<概要>
本実施形態の広告出力システムは、基本的には実施形態1に記載の広告出力システムの技術的特徴と同様であるが、前記広告媒体が移動体である場合の当該広告媒体の位置情報を所定タイミングで取得するとともに、広告出力に際して出力先とされた広告媒体と関連付けられる移動体に対し、移動経路に関する情報である移動経路情報を出力する点を更なる特徴として備えている。
【0065】
<機能的構成>
図7は、本実施形態の広告出力システムの機能ブロックの一例を示す図である。同図において示されているように、本実施形態の「広告出力システム」0700は、「人流情報取得部」0701と、「媒体選択部」0702と、「広告出力部」0703と、「位置情報取得部」0704と、「移動経路情報出力部」0705をさらに有する。基本的な構成は、実施形態1の
図2を用いて説明した広告出力システムと共通するとともに、位置情報取得部は実施形態2における同機能の説明と基本的に同様なので、以下では相違点である「移動経路情報出力部」0705の機能について説明する。
【0066】
「移動経路情報出力部」0705は、広告出力部において出力先とされた広告媒体と関連付けられる移動体に対し、移動経路に関する情報である移動経路情報を出力するための構成を有している。具体的には、移動体たる広告媒体の所在位置と所定領域との間を結ぶ交通経路のうち、好適な経路に関する情報を出力することが考えられる。好適な経路としては種々の観点からの判断が可能であり、例えば、最も短時間で所定領域に到着する経路のほか、人流が多い経路を通って所定領域に到着する経路などが出力対象の移動経路情報として選択される可能性もある。人流が多い経路を通る場合には、当該移動中に所定の広告出力を行うことにより、より多くのヒトに対し広告訴求が可能となるためである。
【0067】
移動経路情報の生成は、道路交通に関する関係機関が発信する所定領域内外の交通事情を示す情報を外部サーバ等から取得してなされることが考えられる。そして、移動経路情報は移動体のドライバー等当該移動体の移動主体が管理する端末(スマートフォンやカーナビゲーションシステム等)に対して出力することが考えられ、予め移動体と関連付けてその出力先が登録されていることにより、スムーズに移動体において、出力された移動経路情報を取得することができるようになる。
【0068】
<具体的な構成>
本実施形態の広告出力システムを構成する各装置のハードウェア構成は、基本的には、
図3を用いて説明した実施形態1の広告出力システムにおけるハードウェア構成と同様である。そこで以下については、これまで説明していない「移動経路情報出力部」の具体的な処理について説明する。
【0069】
(移動経路情報出力部の具体的な構成)
移動経路情報出力部は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、CPUが記憶装置から「移動経路情報出力プログラム」をメインメモリに読み出して実行し、広告出力プログラムの実行により出力先とされた広告媒体と関連付けられる移動体の管理する端末に対し、移動経路に関する情報である移動経路情報を出力するための処理を行う。
【0070】
<処理の流れ>
図8は、本実施形態の広告出力システムにおける処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS0801では、人流情報の取得が可能かどうかを判断し、ここででの判断結果が取得可能との内容である場合には、ステップS0802として、当該判断に応じて人流情報を取得する(人流情報取得ステップ)。取得可能との内容ではない場合には、以後の処理を行わない。
【0071】
その後ステップS0803では、人流情報取得ステップにて取得した人流情報と外部情報とを用いて、広告と移動体を含む広告媒体とのなかから一又は複数を選択する処理を行う(媒体選択ステップ)。このときステップS0804にて、前記広告媒体として移動体が選択されたかどうかを判断し、されているとの判断結果である場合には、ステップS0805の処理として、当該移動体の位置情報を取得する(位置情報取得ステップ)。移動体が選択されていないとの判断結果である場合には、位置情報を用いずにステップS0807の処理を行う。
【0072】
その後ステップS0806では、広告出力ステップにて出力先とされた広告媒体と関連付けられる移動体に対し、移動経路に関する情報である移動経路情報を出力するための処理を行い(移動経路情報取得ステップ)、その後ステップS0807では、前記媒体選択ステップにて選択された広告媒体にて前記選択された広告を出力可能とするための処理を行う(広告出力ステップ)。
【0073】
<効果>
本実施形態の広告出力システムを用いることにより、実施形態1の広告出力システムを用いる場合に比べて、多様な広告を出力可能な移動体がもつ広告媒体としての価値をより向上させることができる。
【0074】
<<実施形態4>>
<概要>
本実施形態の広告出力システムは、基本的には実施形態1に記載の広告出力システムの技術的特徴と同様であるが、所定領域における任意タイミングの人流を予測した結果に関する情報である人流予測情報を取得し、媒体選択に際して、前記取得した人流予測情報をも用いて一又は複数の広告媒体を選択する点を更なる特徴として備えている。
【0075】
<機能的構成>
図9は、本実施形態の広告出力システムの機能ブロックの一例を示す図である。同図において示されているように、本実施形態の「広告出力システム」0900は、「人流情報取得部」0901と、「媒体選択部」0902と、「広告出力部」0903と、「予測取得部」0904と、を有し、媒体選択部は「予測利用手段」0912をさらに有する。基本的な構成は、実施形態1の
図2を用いて説明した広告出力システムと共通するので、以下では相違点である「予測取得部」0904及び「予測利用手段」0912の機能について説明する。
【0076】
「予測取得部」0904は、前記一又は複数の領域における任意タイミングの人流を予測した結果に関する情報である人流予測情報を取得するように構成されている。人流情報取得部にて取得する人流情報が過去又は現在の人流に関する情報であるのに対し、予測取得部においては、将来の人流に関する情報を予測する。具体的には、過去と現在の所定タイミングの人流の変化に応じ、将来の人流を予測するような処理が考えられるが、他にも例えば、外部情報を用いて現在の人流が将来どのように変化するかを予測するような処理が考えられる。例えば、所定領域内に存在するテーマパークの開園時刻や閉園時刻に関する情報を外部情報として取得し、当該時刻の前後でテーマパーク周辺の人流がどのように変動するかを予測する、といった処理が行われたりすることが考えられる。
【0077】
「予測利用手段」0912は、媒体選択部において、前記取得した人流予測情報をも用いて一又は複数の広告媒体を選択するように構成されている。上述した例を用いれば、テーマパークの閉園時刻以降は、所定時間にわたり当該テーマパークから最寄駅までの人流が密度を増すことを内容とする人流予測情報を取得することが考えられ、当該人流予測情報を用いることで、テーマパーク閉園時刻(例えば20時)以降に、同出入口から最寄駅までの間に配置される据置型広告媒体を選択したり、夕飯を食べるための飲食店の広告を選択したりすることが考えられる。当該構成を採用することにより、予め所定タイミングで出力すべき広告や出力対象となる広告媒体を選択ないし指定しておくことができるようになるため、予め移動体を所定領域内まで移動させておき周辺での渋滞等に巻き込まれないようにすることが可能となる。
【0078】
<具体的な構成>
本実施形態の広告出力システムを構成する各装置のハードウェア構成は、基本的には、
図3を用いて説明した実施形態1の広告出力システムにおけるハードウェア構成と同様である。そこで以下については、これまで説明していない「予測取得部」「予測利用手段」の具体的な処理について説明する。
【0079】
(予測取得部の具体的な構成)
予測取得部は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、CPUが記憶装置から「予測取得プログラム」をメインメモリに読み出して実行し、前記一又は複数の領域における任意タイミングの人流を予測した結果に関する情報である人流予測情報を取得し、メインメモリの所定のアドレスに格納する。
【0080】
(予測利用手段の具体的な構成)
予測利用手段は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、媒体選択プログラムの実行に際し、CPUが記憶装置から「予測利用サブプログラム」をメインメモリに読み出して実行し、前記取得した人流予測情報をも用いて一又は複数の広告媒体を選択する処理を行う。
【0081】
<処理の流れ>
図10は、本実施形態の広告出力システムにおける処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS1001では、人流情報の取得が可能かどうかを判断し、ここででの判断結果が取得可能との内容である場合には、ステップS1002として、当該判断に応じて人流情報を取得する(人流情報取得ステップ)。取得可能との内容ではない場合には、以後の処理を行わない。
【0082】
その後ステップS1003では、前記領域における任意タイミングの人流を予測した結果に関する情報である人流予測情報を取得する(予測取得ステップ)。その後ステップS1004では、人流情報取得ステップにて取得した人流情報と外部情報に加え、人流予測情報をも用いて、広告と移動体を含む広告媒体とのなかから一又は複数を選択する処理を行う(予測利用媒体選択ステップ)。
【0083】
その後ステップS1005では、予測利用媒体選択ステップにて選択された広告媒体にて前記選択された広告を出力可能とするための処理を行う(広告出力ステップ)。
【0084】
<効果>
本実施形態の広告出力システムを用いることにより、実施形態1の広告出力システムを用いる場合に比べて、ダイナミックな広告出力を、経時的な要素も含めて精度高く提供することができる。
【符号の説明】
【0085】
0200・・・広告出力システム、0201・・・人流情報取得部、0202・・・媒体選択部、0203・・・広告出力部