(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084185
(43)【公開日】2024-06-25
(54)【発明の名称】自動運転車両の制御システム
(51)【国際特許分類】
B60W 30/10 20060101AFI20240618BHJP
B60W 40/06 20120101ALI20240618BHJP
B65F 3/00 20060101ALI20240618BHJP
B60P 3/00 20060101ALN20240618BHJP
【FI】
B60W30/10
B60W40/06
B65F3/00 A
B60P3/00 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022198318
(22)【出願日】2022-12-13
(71)【出願人】
【識別番号】521537852
【氏名又は名称】ダイムラー トラック エージー
(74)【代理人】
【識別番号】100176946
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 智恵
(74)【代理人】
【識別番号】110003649
【氏名又は名称】弁理士法人真田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 広充
【テーマコード(参考)】
3D241
3E024
【Fターム(参考)】
3D241BA11
3D241BA31
3D241CA18
3D241DC41Z
3E024AA01
3E024BA01
3E024HB01
3E024HC01
3E024HE01
(57)【要約】
【課題】自動運転が可能な車両において、オペレータなど周囲の人が車両の停止位置を直観的に把握できるようにする。
【解決手段】自動走行が可能な車両1の制御システムであって、車両1よりも走行方向前方に停止位置を設定する停止位置設定部12と、停止位置設定部12により設定された停止位置まで車両1を自動走行させる走行制御部13と、走行制御部13によって車両1を前記停止位置まで自動走行させている間、車両1から路面上へ向けて照射された光線により停止位置を示す投影要素を投影する投影部60と、を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動走行が可能な車両の制御システムであって、
前記車両よりも走行方向前方に停止位置を設定する停止位置設定部と、
前記停止位置設定部により設定された前記停止位置まで前記車両を自動走行させる走行制御部と、
前記走行制御部によって前記車両を前記停止位置まで自動走行させている間、前記車両から路面上へ向けて照射された光線により前記停止位置を示す投影要素を投影する投影部と、を備えた
ことを特徴とする自動運転車両の制御システム。
【請求項2】
前記車両を自動走行させる走行経路であって前記走行経路上に停留ポイントが予め設定された通常ルートと、前記停留ポイントの手前から前記停止位置まで前記車両を自動走行させる停車ルートとを設定する走行ルート設定部を備え、
前記走行制御部は、前記通常ルートに沿って前記車両を自動走行させるとともに、前記停留ポイントの前記手前から前記停止位置まで前記停車ルートに沿って前記車両を自動走行させ、
前記投影部は、前記車両が前記停留ポイントの前記手前に到達したときに、前記投影要素を投影する
ことを特徴とする請求項1に記載の自動運転車両の制御システム。
【請求項3】
前記走行制御部は、前記停留ポイントの前記手前で前記車両を一時停止させた後に前記車両を前記停車ルートに沿って自動走行させ、
前記投影部は、前記停留ポイントの前記手前で前記車両が一時停止したときに、前記投影要素を投影する
ことを特徴とする請求項2に記載の自動運転車両の制御システム。
【請求項4】
前記投影部は、上方から視て前記車両と略同じ大きさの範囲に前記投影要素を投影する
ことを特徴とする請求項1に記載の自動運転車両の制御システム。
【請求項5】
前記投影部は、前記車両のフロントバンパーに設置された前方投影機を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の自動運転車両の制御システム。
【請求項6】
前記投影部は、前記車両のリアバンパーに設置され後方投影機を含み、前記走行制御部により前記停止位置で前記車両を停車させた後、前記車両後方の路面上に前記投影要素を投影することを特徴とする、請求項1に記載の自動運転車両の制御システム。
【請求項7】
前記車両は、オペレータが作業を行うための作業部を有するものである
ことを特徴とする請求項1に記載の自動運転車両の制御システム。
【請求項8】
前記車両は、前記作業部としての車両後部に塵芥投入口を有する塵芥車であることを特徴とする、請求項7に記載の自動運転車両の制御システム。
【請求項9】
前記車両の周囲を撮像するカメラを更に備え、
前記停止位置設定部は、前記カメラで撮像された画像情報に基づき前記停止位置を設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の自動運転車両の制御システム。
【請求項10】
前記車両の周囲を撮像するカメラを更に備え、
前記停止位置設定部は、前記カメラによって前記車両の前記走行方向前方に存在するゴミ集積所に集積されたゴミを検出したときに、検出された前記ゴミの位置を基準に前記停止位置を設定する
ことを特徴とする請求項8に記載の自動運転車両の制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は、自動走行が可能な自動運転車両の制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オペレータが作業を行う作業部を装備した特装車両の一つとして、作業部としての塵芥投入口を装備した塵芥車(ゴミ収集車)が知られている。塵芥車では、オペレータが塵芥投入口に塵芥を投入する作業が行われる。これに対し、下記特許文献1には、塵芥投入口の近傍に人物(オペレータ)がいないことを条件として、収容箱に塵芥を押し込む可動装置の作動速度を高める技術が開示されている。これによれば、安全性を確保しつつ作業効率が向上するとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、上記のような作業部を有する車両を自動運転により無人走行させることが検討及び試験されている。このような無人自動走行が実現されれば、オペレータが車両の運転と作業部に対する作業とのために乗降を繰り返す必要がなくなるため、作業効率が向上すると期待されている。
上記のような作業部を有する車両をスマートフォンやタブレット端末等の携帯端末を使用した自動運転により無人走行させる場合、走行中に予め設定された停車場所に自動停車してオペレータが作業した後に次の停車場所へ走行することが考えられる。また、塵芥車においては、車両に搭載されたカメラやセンサでゴミ集積場所を検出した場合に、検出結果に応じた停止位置に停車することが考えられる。
【0005】
しかし、無人走行中の車両が自動的に次の停止位置を決定する場合、車両側とオペレータとの間でコミュニケーションがとりにくい。そのため、運転者が携帯端末を用いた手動運転操作により次の停止位置を決定する場合に比べて、次に停車する正確な位置をオペレータが直感的には把握しにくいことがある。
本件は、上記のような課題に鑑み創案されたものであり、自動運転が可能な車両において、オペレータなど周囲の人が車両の停止位置を直観的に把握できるようにすることを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本件は上記の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様又は適用例として実現できる。
【0007】
(1)本適用例に係る自動走行が可能な車両の制御システムは、前記車両よりも走行方向前方に停止位置を設定する停止位置設定部と、前記停止位置設定部により設定された前記停止位置まで前記車両を自動走行させる走行制御部と、前記走行制御部によって前記車両を前記停止位置まで自動走行させている間、前記車両から路面上へ向けて照射された光線により前記停止位置を示す投影要素を投影する投影部と、を備えている。
本件によれば、車両よりも走行方向前方に停止位置を設定し、停止位置まで車両を自動走行させている間、車両から路面上へ向けて照射された光線により停止位置を示す投影要素が投影される。これにより、車両の車外にいるオペレータや周囲の人に対して、車両が停止位置で停止する前に予め車両の停止位置を視覚的に周知することができる。そのため、オペレータ等は、車両が停止位置で停止する前に、車両の停止位置を直観的に把握することができる。
【0008】
(2)本適用例に係る自動走行が可能な車両の制御システムは、前記車両を自動走行させる走行経路であって前記走行経路上に停留ポイントが予め設定された通常ルートと、前記停留ポイントの手前から前記停止位置まで前記車両を自動走行させる停車ルートとを設定する走行ルート設定部を備え、前記走行制御部は、前記通常ルートに沿って前記車両を自動走行させるとともに、前記停留ポイントの前記手前から前記停止位置まで前記停車ルートに沿って前記車両を自動走行させ、前記投影部は、前記車両が前記停留ポイントの前記手前に到達したときに、前記投影要素を投影してもよい。これにより、車両が停留ポイントの手前に到達したときに投影要素が投影されるので、車両が停留ポイントに到着する前に、車両の停止位置を把握することができる。
【0009】
(3)本適用例に係る自動運転車両の制御システムは、前記走行制御部が前記停留ポイントの前記手前で前記車両を一時停止させた後に前記車両を前記停車ルートに沿って自動走行させ、前記投影部が前記停留ポイントの前記手前で前記車両が一時停止したときに、前記投影要素を投影してもよい。
これにより、停留ポイントの手前で車両が一時停止したときに、投影要素が投影される。そのため、オペレータは、時間的な余裕をもって車両の停止位置を確認することができ、車両の停止位置をより把握しやすい。
【0010】
(4)本適用例に係る自動運転車両の制御システムは、前記投影部が上方から視て前記車両と略同じ大きさの範囲に前記投影要素を投影してもよい。この場合、オペレータ等は、車両が実際に停車する範囲を確認及び把握しやすい。
(5)本適用例に係る自動運転車両の制御システムは、前記投影部が前記車両のフロントバンパーに設置された前方投影機を含んでいてもよい。前方投影機により車両の前方や車両の前端部直下に投影要素を投影しやすい。
【0011】
(6)本適用例に係る自動運転車両の制御システムは、前記投影部が、前記車両のリアバンパーに設置され後方投影機を含み、前記走行制御部により前記停止位置で前記車両を停車させた後、前記車両後方の路面上に前記投影要素を投影してもよい。
この場合、停止位置で車両を停車させた後に、車両後方の路面上に投影要素が投影される。そのため、車両の停車後に車両の後方に存在するオペレータは、車両の停止位置を確認及び把握しやすい。また、後方投影機が車両のリアバンパーに設置されているので、車両後端部の直下に投影要素を投影しやすい。
【0012】
(7)本適用例に係る自動運転車両の制御システムの搭載された前記車両は、オペレータが作業を行うための作業部を有するものであってよい。
(8)具体的に言えば、前記車両は、前記作業部としての車両後部に塵芥投入口を有する塵芥車であってよい。
かかる車両において、車両を停車させる前に投影要素を路面上に投影し、停止位置を把握できるようにすることで、オペレータは停車時に作業部に対する作業を円滑に実施できる。よって、作業効率を高めることができる。例えば車両が塵芥車である場合、ゴミ収集作業効率を高めることができる。
【0013】
(9)本適用例に係る自動運転車両の制御システムは、前記車両の周囲を撮像するカメラを更に備え、前記停止位置設定部は、前記カメラで撮像された画像情報に基づき前記停止位置を設定してもよい。そのため、車両の周囲の状況に基づき適切な停止位置を設定することができる。
(10)前記車両が前記作業部としての車両後部に塵芥投入口を有する塵芥車である場合、前記車両の周囲を撮像するカメラを更に備え、前記停止位置設定部は、前記カメラによって前記車両の前記走行方向前方に存在するゴミ集積所に集積されたゴミを検出したときに、検出された前記ゴミの位置を基準に前記停止位置を設定してもよい。この場合、ゴミ集積所における実際のゴミの位置に基づき、オペレータにとってゴミ収集作業を実施しやすい適切な停止位置を設定することができる。
【発明の効果】
【0014】
本件によれば、自動運転が可能な車両において、オペレータなど周囲の人が車両の停止位置を直観的に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】適用例に係る制御システムを搭載した自動運転車両の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図1の自動運転車両の一例であって、塵芥車の概略側面図である。
【
図3】自動運転車両の制御システムにおける無人走行(自動運転制御)の説明図である。
【
図4】(a)~(c)は自動運転車両の制御システムにおける投影制御の説明図である。
【
図5】
図1の自動運転車両の制御システムにおける投影制御及び自動走行制御の例を説明するフローチャート図である。
【
図6】
図1の自動運転車両の制御システムにおけるゴミ検知処理の例を説明するフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面を参照して、本件の実施形態について説明する。以下の実施形態はあくまでも例示に過ぎず、この実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。下記の実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。また、必要に応じて取捨選択でき、あるいは適宜組み合わせられる。
【0017】
本適用例に係る自動運転車両の制御システムは、自動走行中の自動運転車両が停車する場合に停止位置よりも手前側で停止位置を周囲(例えば車外のオペレータ)に提示するものである。
本適用例に係る車両は、自動運転可能な車両(トラック,バス,自動車)等である。なお、ここでいう自動運転可能な車両とは、運転者が運転席に乗り込んで手動により運転操作するものではなく、自動で走行可能な機能を持った車両である。自動運転可能な車両は、自動運転制御中では、車載制御装置が加速制御と操舵制御と制動制御とを行い、運転者の手動運転操作に代わって車両を走行させる。
以下の説明では車両1の前進方向を前方(図中「FR」)とし、この反対方向を後方(「RR」)とする。また、車両1の前方を向いた状態を基準にして左右方向と上下方向とを定める。図中「LH」は左,「RH」は右,「UP」は上,「DW」は下を示す。
【0018】
[1.構成]
図1は、本適用例に係る制御システム(自動運転車両の制御システム)を備えた自動運転車両1(「車両1」とも言う)の構成を示すブロック図である。
図2は車両1を側面から見た模式図である。
車両1は、運転者の手動運転操作によらず自動で走行可能な機能(自動運転機能)を備えるとともに、オペレータ(作業者)が作業を行う作業部3を有する。本明細書では、自動運転による車両1の走行を「自動走行」と称する。オペレータは車両1の搭乗者であり作業部3で作業を行う人員である。
本適用例では、
図2に示すように、車両1が作業部3として塵芥投入口3Aを有する塵芥車である場合を例に挙げる。
【0019】
車両1の制御システムには、作業部3のほか、車両1を制御する制御装置10と、カメラ20と、各種センサ21と、アクセル装置(図中「ACC」)30と、ブレーキ装置(図中「BRK」)40と、ステアリング装置(図中「STR」)50と、投影システム(投影部)60と、通信装置70とが設けられる。制御装置10は、例えばマイクロプロセッサやROM、RAM等を集積したLSIデバイスや組み込み電子デバイスとして構成された電子制御装置(ECU)である。制御装置10は、ROM、RAM等のメモリ装置に記憶されたソフトウェアプログラムを実行することにより、自動走行制御や、後述する照射制御を実施する。なお、制御装置10は、車両1が備える各種装置を統括制御するための電子制御装置(VCU)の一部として構成されてもよいし、VCUとは別の電子制御装置により構成されてもよい。
【0020】
カメラ20は、車両1の周囲を静止画や動画で撮影する撮像装置(イメージセンサ)であり、カメラ20で撮影された画像を解析することで、車両1の周囲の状況を精度よく把握可能である。
カメラ20は、例えば、車両1の四隅、すなわち、前端部右側、前端部左側、後端部右側及び後端部左側のそれぞれに配置される。
図2では四隅のカメラ20のうち前端部左側のカメラ20FLと後端部右側のカメラ20RLとを図示して、他を省略している。
図2に示すように、カメラ20は、車両1において上下方向の略中央に配置されている。カメラ20を車両1の四隅且つ上下方向の略中央に配置することで、車両1の近傍を含めた周囲を精度よく把握し得る。
【0021】
また、車両1には、カメラ20のほか、各種センサ21が設けられている。各種センサ21には、車両1の自動走行制御に用いる情報を取得するためのセンサとして、レーダー,GNSS,車速センサ,加速度センサ,アクセル開度センサ,ブレーキセンサ,ステアリング角センサなどが含まれている。
カメラ20で撮像された情報(画像データ)や、各種センサ21で検出された情報(検出信号)は、制御装置10に入力される。
【0022】
通信装置70は、車両1の外部の機器と無線で通信するための電子制御装置である。本実施形態の通信装置70の通信対象には、オペレータの所持する携帯端末4が含まれている。携帯端末4は、携帯式通信端末装置であり、例えば携帯電話(スマートフォン)やタブレット端末などである。通信装置70は、携帯端末4から受信した情報を制御装置10に入力するとともに、制御装置10から受信した情報を携帯端末4に送信する。
【0023】
アクセル装置30,ブレーキ装置40及びステアリング装置50は、車両1が自動走行する際に制御装置10により制御される装置である。制御装置10は、例えば、自動運転モードが設定された場合に、車両1の目標出力(目標トルク),目標車速,目標舵角などを算出して、アクセル装置30,ブレーキ装置40及びステアリング装置50をそれぞれ制御して、車両1の自動走行(無人走行)を実施する。なお、これらの装置30,40,50の説明は省略する。
【0024】
投影システム60は、車両1から路面上に向かって照射された光線により、車両1の停止位置(
図3及び
図4中符号82)を示す投影要素(
図4中符号7)を投影するためのシステムであり、投影機61と投影制御部62とを含む。
投影機61は、車両1から路面上に向けて、投影要素(
図4中符号7)をなす光線を照射する装置である。投影機61としては、LED照明器,プロジェクターなど周知の光源体を利用することができる。
図2に示すように、投影機61には、車両1のフロントバンパー5に設けられた前方投影機61Fと、車両1のリアバンパー6に設けられた後方投影機61Rとが含まれている。
【0025】
投影制御部62は、投影機61を制御して、車両1の停止位置(
図3及び4中符号82)を示す投影要素(
図4中符号7)を路面上に投影させる。投影制御部62は、例えば、電子制御装置のハードウェア資源を用いて実行されるソフトウェアとして設けられる。なお、
図1では、投影制御部62が上記の制御装置10とは別に設けられているが、投影制御部62が制御装置10に設けられてもよい。
【0026】
[2.制御]
車両1は、少なくとも車両1よりも走行方向前方に設定された停止位置(
図3及び4中符号82)まで自動走行しているときに、路面上に投影要素(
図4中符号7)を投影し続ける投影制御を実施する。これにより、車両1のオペレータに対して、車両1の停止位置(
図3及び4中符号82)を、実際に停車するよりも前に予め周知する。
図1に示すように、投影制御を実施するための機能要素として、制御装置10内には走行ルート設定部11と、停止位置設定部12と、走行制御部13とが設けられている。制御装置10内の機能要素11~13は、制御装置10の機能を便宜的に分類して示したものであり、例えば、制御装置10のハードウェア資源を用いて実行されるソフトウェアとして設けられている。また、投影システム60内には、投影制御を実施するための機能要素として、上記の投影制御部62が設けられている。
【0027】
制御装置10の入力側には、カメラ20,各種センサ21が接続されている。また、制御装置10の出力側には、アクセル装置30,ブレーキ装置40,ステアリング装置50及投影システム60が接続されている。通信装置70は、制御装置10の入力側及び出力側に接続されている。
以下、
図3及び
図4(a)~(c)を適宜参照しながら投影制御について説明する。これらの図では、道路8に沿って自動走行中の車両1を道路8の路肩に設置されたゴミ集積所9近傍の停止位置82に停車させる場合を示している。なお、
図3及び
図4(a)~(c)において符号2の円形は車両1の塵芥投入口3A(作業部3)に対して作業を実施するオペレータを示し、符号9Aの楕円形はゴミ集積所9に集積されたゴミを示す。
【0028】
走行ルート設定部11は、道路8に沿って車両1を自動走行させる通常ルート80と、通常ルート80から分岐して停止位置82まで車両1を自動走行させる停車ルート81とを設定する。
通常ルート80は、或る出発地点から或る目的地点へ至る走行経路ある。
図3において通常ルート80を黒塗り矢印で示す。通常ルート80上には、1以上の停留ポイントが予め設定されている。停留ポイントは、通常ルート80上の停車予定箇所として事前に定義されたポイント(地理的位置)である。
【0029】
車両1が塵芥車である場合の通常ルート80としては、ゴミ処理場から出発して複数のゴミ集積所9を巡回してゴミ処理場へ戻る巡回経路を例に挙げることができる。この場合、巡回経路上に存在する複数のゴミ集積所9が、通常ルート80上の停留ポイントとして設定される。かかる通常ルート80と通常ルート80上のゴミ集積所(停留ポイント)9との情報は、図示しないGNSSの地図情報に基づき設定可能である。
【0030】
停車ルート81は、ゴミ集積所(停留ポイント)9の手前から後述する停止位置82まで車両1を自動走行させるためのルートであり、通常ルート80から停止位置82へ向かって分岐する走行経路である。
図3及び
図4(a)~(c)において停車ルート81を白塗り矢印で示す。
通常ルート80から停車ルート81へ分岐する切り替えポイント81Aは、ゴミ集積所9に対して所定距離Xだけ手前側の位置に設定されている。切り替えポイント81Aは、図示しないGNSSの地図情報に基づき設定可能である。なお、
図3中切り替えポイント81Aに到達した車両1を破線で示す。
【0031】
停止位置設定部12は、車両1よりも走行方向前方に停止位置82として設定する。
停止位置82は、ゴミ集積所9近傍で車両1を停車させ、オペレータ2がゴミ収集作業を実施するための停車位置である。そのため、停止位置設定部12は、カメラ20から入力された画像情報に基づいて、車両1の走行方向前方に存在するゴミ集積所9のゴミ9Aを検出し、検出したゴミ9Aの位置を基準にして停止位置82を設定する。具体的に言えば、車両1の後端部すなわち塵芥投入口3A(作業部3)が、ゴミ9Aにおける車両1の走行方向に沿って略中央位置9Bに位置するように、停止位置82が設定されている。
【0032】
停止位置82の形状及び大きさは、車両1の形状及び大きさを考慮して設定されている。具体的に言えば、停止位置82は、上方から視て車両1と略同じ大きさをなすエリア、言い換えれば、少なくとも上方から視て車両1の全長(車長方向長さ全体)及び全幅(車幅方向全体)に重複するエリアに設定されている。例えば
図3では、停止位置82は、上方から視て車両1の外周を囲む矩形枠状のエリアとして設定されている。
【0033】
停止位置設定部12は、車両1の自動走行中、カメラ20から画像情報を常時取得する。そのため、車両1の自動走行中、停止位置設定部12は、カメラ20から取得した画像情報に基づき常時ゴミを検出し、検出結果に基づき常時停止位置82を設定(更新)できる。そのため、地図情報に基づき予め設定されたゴミ集積所(停留ポイント)9の情報に対し、実際のゴミの位置に基づきオペレータがゴミ収集作業を実施しやすい停止位置をリアルタイムで設定されたものと言える。
なお、画像情報に基づいてゴミを検出する技術には、例えばAIを用いた画像認識技術など周知の技術が適用されてよい。
【0034】
走行制御部13は、カメラ20や各種センサ21からの情報に基づき、走行ルート設定部11により設定された通常ルート80及び停車ルート81に沿う自動走行制御を実施する。
本実施形態の走行制御部13で実施される自動走行制御には、通常モードと、一時停止モードと、停車モードとの三つのモードが含まれている。通常モードは、通常ルート80に沿って車両1を自動走行させるモードである。一時停止モードは、切り替えポイント81Aで車両1を一時停止させるモードである。停車モードは、切り替えポイント81Aから停止位置82まで停車ルート81に沿って車両1を自動走行させるとともに、停止位置82で車両1を停止させるモードである。なお、各モードにおけるアクセル装置30,ブレーキ装置40及びステアリング装置50の具体的な制御には、周知の自動運転技術が適用される。また、
図3及び
図4の停車ルート81は、図面上は簡略のため直線上に描かれているが、実際には車両1が滑らかな動きをするように曲線上の動きをする。
【0035】
投影制御部62は、上記の通り、投影機61を制御して、停止位置82を示す投影要素7を路面上に投影させる。
投影要素7は、投影機61から路面上に照射された光線により、停止位置設定部12で設定された停止位置82の路面上の位置(範囲)をオペレータ2が視認できるように提示するものである。すなわち、投影要素7は、停止位置設定部12で設定された停止位置82に少なくとも部分的に重複して投影される。
例えば
図3では、停止位置82として設定された矩形枠状の範囲の輪郭に沿って、矩形枠状の投影要素7が投影された場合を例に挙げている。なお、
図3中、停止位置82に停車した車両1を破線で示している。
【0036】
投影制御部62は、少なくとも車両1が切り替えポイント81Aから停止位置82へ自動走行している間、投影要素7を投影させる。
具体的には、投影制御部62は、
図4(a)に示すように、走行制御部13により切り替えポイント81Aで車両1を一時停止させたとき(一時停止モード)に、前方投影機61Fを制御して投影要素7を投影させる。
【0037】
また、投影制御部62は、
図4(b)に示すように、走行制御部13により停車ルート81に沿って車両1を停止位置82まで自動走行させている間、前方投影機61Fを制御して投影要素7を投影させる。
更に、投影制御部62は、
図4(c)に示すように、走行制御部13により停止位置82で車両1を停車させた後、前方投影機61F及び後方投影機61Rを制御して投影要素7を投影させる。停止位置82で車両1を停車させた状態では、車両1は上方から見て停止位置82に重複して存在している。そのため、前方投影機61Fで投影要素7の前側部分7Fを投影し、後方投影機61Rで投影要素7の後側部分7Rを投影する。前側部分7Fは車両1前方(詳しくは車両1前端部直下)の路面上に投影され、後側部分7Rは、車両1後方(詳しくは車両1後端部直下)の路面上に投影される。
【0038】
すなわち、投影制御部62は、車両1が切り替えポイント81Aで一時停止した後、停車ルート81に沿って停止位置82まで自動走行して、停止位置82で停車するまでの間、投影機61を制御して投影要素7を路面上に投影させる。ここで、上記のように停止位置設定部12は、常時、カメラ20から取得した画像情報に基づき停止位置82を更新している。そのため、投影制御部62では、車両1の走行の進行につれて常時更新された停止位置82に、投影要素7を投影することができる。
【0039】
図5は、制御システムが実施する自動走行制御及び投影制御の例を説明するフローチャートである。また、
図6は、制御システムが実施するゴミ検知処理の例を説明するフローチャートである。
図5及び
図6のフローチャートは、車両1が自動走行を開始したときに開始し、車両1が停止位置82で停止したときに終了するものとする。すなわち、
図5及び
図6のフローチャートは並行して実施される。
【0040】
先ず、
図6を参照してゴミ検知処理の例を説明する。
図6のゴミ検知処理は、上記のように車両1が自動走行を開始したときに開始し、車両1が自動走行する間、繰り返し実行され、車両1が停止位置82で停止したときに終了する処理である。
図6のステップS10において、停止位置設定部12は、カメラ20から入力された画像情報に基づいて、車両1の走行方向前方に存在するゴミ集積所9のゴミ9Aを検出したか否かを判断する。ゴミ9Aが検出されない場合(ステップS10のNo)、停止位置設定部12はステップS10の判断を繰り返す。
【0041】
ゴミ9Aが検出された場合(ステップS10のYes)、ステップS11において停止位置設定部12が停止位置82を設定するとともに、走行ルート設定部11が所定の切り替えポイント81Aから設定した停止位置82までの停車ルート81を設定する(ゴミ回収シナリオ作成)。
停止位置設定部12は、車両1が停止位置82で停車するまで(ステップS12のYesになるまで)、ステップS10からステップS12の処理を繰り返す。これにより、車両1を自動走行させている間は、ゴミ検知処理が常時実行される。
【0042】
次に、
図5を参照して自動走行制御及び投影制御の例を説明する。
ステップS1において、走行制御部13は、走行ルート設定部11により設定された通常ルート80に沿って車両1を自動走行させる。
ステップS2において、走行ルート設定部11からの信号を受けて走行制御部13は、通常ルート80に沿って走行中の車両1が切り替えポイント81Aに到達したか否かを判断する。車両1が切り替えポイント81Aに到達するまでは(ステップS2のNo)、走行制御部13は、通常ルート80に沿って車両1を自動走行させつつステップS2を繰り返す。
車両1が切り替えポイント81Aに到達したとき(ステップS2のYes)、ステップS3において、
図4(a)に示すように、走行制御部13が車両1を切り替えポイント81Aで一時停止させるとともに、投影制御部62が前方投影機61Fを制御して投影要素7を路面上に投影させる。
【0043】
ステップS4において、オペレータ2が停止位置を確認したか否かが判断される。具体的に言えば、制御装置10は、通信装置70を介してオペレータ2(
図3及び
図4参照)の携帯端末4に車両1の停止位置を確認するように促す要求を送信する。オペレータ2(
図3及び
図4参照)の携帯端末4には、例えば停止位置を確認した旨を返信するための手段として、ボタン画像が表示される。オペレータ2(
図3及び
図4参照)は、路面上に投影された投影要素7を視認すると、自身の所持する携帯端末4から車両1へ、停止位置を確認した旨を返信する。
オペレータ2の携帯端末4から確認の返信を受け取るまでは(ステップS4のNo)、制御装置10はステップS4を繰り返す。すなわち、車両1を切り替えポイント81Aで一時停止させたまま待機する。
【0044】
オペレータ2の携帯端末4から確認の返信を受け取ったとき(ステップS4のYes)、ステップS5において、
図4(b)に示すように、走行制御部13が停車ルート81に沿って車両1を自動走行させるとともに、投影制御部62が前方投影機61Fを制御して投影要素7を路面上に投影させる。
【0045】
ステップS6において、走行制御部13は、停止位置82まで車両1を自動走行させて車両1を停車する。このとき、投影制御部62は、
図4(c)に示すように、後方投影機61Rを制御して投影要素7の後側部分7Rを路面上に投影させるとともに、前方投影機61Fを制御して投影要素7の前側部分7Fを路面上に投影させる。そして、
図5の処理を終了する。
車両1が停車している間、オペレータ2はゴミ収集作業を実施する。そして、ゴミ収集作業を終えると、車両1は次の停止位置82へ向かって、通常ルート80の自動走行を再開する。すなわち、制御システムは
図5及び
図6の処理を実行する。
【0046】
[3.作用効果]
以上説明した本実施形態は以下のような作用効果を奏する。
本適用例に係る自動運転車両の制御システムでは、車両1よりも走行方向前方に停止位置82を設定し、停止位置82まで車両1を自動走行させて停止位置82で停止させる間、路面上へ停止位置82を示す投影要素7を投影する。
これにより、例えば
図4(a)~(c)に示すように、車両1の車外にいるオペレータ2に対して、車両1が停止位置82で停止する前に予め車両1の停止位置を視覚的に周知することができる。そのため、オペレータ2は、車両1が停止位置82で停止する前に、車両1の停止位置82を直観的に把握することができる。
【0047】
本適用例に係る自動運転車両の制御システムでは、通常ルート80上に予め設定されたゴミ集積所9(停留ポイント)の手前に車両1が到達したときに、投影要素7が路面上に投影される。そのため、オペレータ2は、車両1がゴミ集積所9に到着する前に、車両1の停止位置82を把握することができる。
本適用例に係る自動運転車両の制御システムでは、ゴミ集積所9の手前で車両1が一時停止したときに、投影要素7が投影される。そのため、オペレータ2は、時間的な余裕をもって車両1の停止位置82を確認することができ、車両1の停止位置82をより把握しやすい。
【0048】
本適用例に係る自動運転車両の制御システムでは、投影システム(投影部)60により、上方から視て車両1と略同じ大きさの範囲に投影要素7が路面上に投影される。そのため、オペレータ2は、車両1が実際に停車する範囲を確認及び把握しやすい。
本適用例に係る自動運転車両の制御システムにおいて投影システム60が車両1のフロントバンパー5に設置された前方投影機61Fを含むので、車両1の前方や車両1の前端部直下に、投影要素7,7Fを投影しやすい。
【0049】
本適用例に係る自動運転車両の制御システムでは、投影システム60が車両1のリアバンパー6に設置された後方投影機61Rを含み、停止位置82で車両1を停車させた後に、車両1後方の路面上に投影要素7Rが投影される。そのため、車両1の停車後に車両1の後方に存在するオペレータ2は、車両1の停止位置82を確認及び把握しやすい。また、後方投影機61Rが車両1のリアバンパー6に設置されているので、車両1後端部の直下に投影要素7,7Rを投影しやすい。
【0050】
本適用例に係る自動運転車両の制御システムでは、車両1が作業部3を有するものである。
従来の自動運転車両では、車両側とオペレータとの間でコミュニケーションがとりにくい。そのため、運転者が携帯端末4を使用した手動運転操作で次の停止位置を決定するだけの技術では、次に停車する正確な位置をオペレータが直感的には把握しにくいことがある。次の停止位置を把握しにくいと、作業部に対する作業を円滑に実施できない。よって、車両の自動運転においては、作業効率を高めるうえで改善の余地があった。
これに対して、本適用例に係る自動運転車両の制御システムでは、車両1を停車させる前に投影要素7を路面上に投影し、停止位置82を把握できるようにすることで、オペレータ2は停車時に作業部3に対する作業を円滑に実施できる。よって、作業効率を高めることができる。
例えば車両1が作業部3として車両1後部に塵芥投入口3Aを有する塵芥車である場合、ゴミ収集作業効率を高めることができる。
【0051】
本適用例に係る自動運転車両の制御システムでは、車両1の周囲を撮像するカメラ20を更に備え、カメラ20で撮像された画像情報に基づき停止位置82が設定される。そのため、車両1の周囲の状況に基づき適切な停止位置82を設定することができる。
例えば、車両1が作業部3として車両1後部に塵芥投入口3Aを有する塵芥車である場合、カメラ20で撮像された画像情報に基づき車両1の走行方向前方に存在するゴミ集積所9に集積されたゴミ9Aを検出したときに、検出されたゴミ9Aの位置を基準に停止位置82が設定される。そのため、実際のゴミ9Aの位置に基づき、オペレータ2にとってゴミ収集作業を実施しやすい適切な停止位置82を設定することができる。
[4.その他]
【0052】
上述した実施形態では、通常ルート80から停車ルート81へ分岐する切り替えポイント81Aが、ゴミ集積所9に対して所定距離Xだけ手前側の位置に設定された場合を例に挙げたが、切り替えポイント81Aはこれに限定されない。例えば、切り替えポイント81Aは、上述した
図6のステップS11(ゴミ回収シナリオ作成)において、車両1の現在位置と車速とゴミ集積所9の位置とに基づいて、ゴミ集積所9へ到達するまで所定時間前の位置に設定されてもよい。この場合、上述した
図5のステップS2において、走行制御部13は、上述した
図6のステップS11(ゴミ回収シナリオ作成)からの信号を受けて、通常ルート80に沿って走行中の車両1が切り替えポイント81Aに到達したか否かを判断する。
また、切り替えポイント81Aは、ゴミ集積所9の地図上の位置(停留ポイント)に基づき予め設定されたものに限らず、カメラ20で検知されたゴミの位置に対して所定距離Xだけ手前側の位置(あるいは所定時間前の位置)に設定されてもよい。
【0053】
停止位置82は、検出されたゴミ9Aの中央位置9Bを基準に設定されたものに限らず、検出されたゴミ9Aの走行方向に沿う下流端位置、或いは、上流端位置を基準に設定されたものであってもよい。また、停止位置82は、検出されたゴミ9Aの位置に基づき設定されたものに限らず、ゴミ集積所9の地図上の位置(停留ポイント)に基づき設定されたものであってもよい。さらには、カメラ20から取得した画像情報に基づき、制御装置10がAI学習により画像認識したゴミをゴミ9Aと判断してもよい。
【0054】
投影要素7の形状は、上記の矩形枠状(線状)に限らず、停止位置82の設定された範囲に面状に投影されたものや、矩形枠の一部だけ投影する形状など、その他の適宜の形状であってもよい。
車両1は、塵芥車に限らず、その他の作業部3を備えた車両、作業部3を有さないトラック、バス或いは普通自動車など、どのような車種であってもよい。
【0055】
[5.付記]
上記の変形例を含む実施形態に関し、以下の付記を開示する。
(付記1)
自動走行が可能な車両の制御システムであって、
前記車両よりも走行方向前方に停止位置を設定する停止位置設定部と、
前記停止位置設定部により設定された前記停止位置まで前記車両を自動走行させる走行制御部と、
前記走行制御部によって前記車両を前記停止位置まで自動走行させている間、前記車両から路面上へ向けて照射された光線により前記停止位置を示す投影要素を投影する投影部と、を備えた
ことを特徴とする自動運転車両の制御システム。
(付記2)
前記車両を自動走行させる走行経路であって前記走行経路上に停留ポイントが予め設定された通常ルートと、前記停留ポイントの手前から前記停止位置まで前記車両を自動走行させる停車ルートとを設定する走行ルート設定部を備え、
前記走行制御部は、前記通常ルートに沿って前記車両を自動走行させるとともに、前記停留ポイントの前記手前から前記停止位置まで前記停車ルートに沿って前記車両を自動走行させ、
前記投影部は、前記車両が前記停留ポイントの前記手前に到達したときに、前記投影要素を投影する
ことを特徴とする付記1に記載の自動運転車両の制御システム。
(付記3)
前記走行制御部は、前記停留ポイントの前記手前で前記車両を一時停止させた後に前記車両を前記停車ルートに沿って自動走行させ、
前記投影部は、前記停留ポイントの前記手前で前記車両が一時停止したときに、前記投影要素を投影する
ことを特徴とする付記2に記載の自動運転車両の制御システム。
(付記4)
前記投影部は、上方から視て前記車両と略同じ大きさの範囲に前記投影要素を投影する
ことを特徴とする付記1~3の何れか1つに記載の自動運転車両の制御システム。
(付記5)
前記投影部は、前記車両のフロントバンパーに設置された前方投影機を含む
ことを特徴とする付記1~4の何れか1つに記載の自動運転車両の制御システム。
(付記6)
前記投影部は、前記車両のリアバンパーに設置され後方投影機を含み、前記走行制御部により前記停止位置で前記車両を停車させた後、前記車両後方の路面上に前記投影要素を投影することを特徴とする付記1~5の何れか1つに記載の自動運転車両の制御システム。
(付記7)
前記車両は、オペレータが作業を行うための作業部を有するものである
ことを特徴とする付記1~6の何れか1つに記載の自動運転車両の制御システム。
(付記8)
前記車両は、前記作業部としての車両後部に塵芥投入口を有する塵芥車であることを特徴とする付記7に記載の自動運転車両の制御システム。
(付記9)
前記車両の周囲を撮像するカメラを更に備え、
前記停止位置設定部は、前記カメラで撮像された画像情報に基づき前記停止位置を設定する
ことを特徴とする付記1~8の何れか1つに記載の自動運転車両の制御システム。
(付記10)
前記車両の周囲を撮像するカメラを更に備え、
前記停止位置設定部は、前記カメラによって前記車両の前記走行方向前方に存在するゴミ集積所に集積されたゴミを検出したときに、検出された前記ゴミの位置を基準に前記停止位置を設定する
ことを特徴とする付記8に記載の自動運転車両の制御システム。
【符号の説明】
【0056】
1 自動運転車両
2 オペレータ
3 作業部
3A 塵芥投入口
4 携帯端末
5 フロントバンパー
6 リアバンパー
7 投影要素
7F 前側部分(投影要素)
7R 後側部分(投影要素)
8 道路
9 ゴミ集積所(停留ポイント)
9A ゴミ
9B 中央位置
10 制御装置
11 走行ルート設定部
12 停止位置設定部
13 走行制御部
20 カメラ
21 各種センサ
30 アクセル装置
40 ブレーキ装置
50 ステアリング装置
60 投影システム(投影部)
61 投影機
61F 前方投影機
61R 後方投影機
62 投影制御部
70 通信装置
80 通常ルート
81 停車ルート
81A 切り替えポイント
82 停止位置