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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084207
(43)【公開日】2024-06-25
(54)【発明の名称】荷台雨除け装置
(51)【国際特許分類】
   B60J 7/00 20060101AFI20240618BHJP
   A47H 5/03 20060101ALI20240618BHJP
   E06B 7/28 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
B60J7/00 A
B60J7/00 B
A47H5/03
E06B7/28 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022198351
(22)【出願日】2022-12-13
(71)【出願人】
【識別番号】522484124
【氏名又は名称】大野 文則
(74)【代理人】
【識別番号】100140866
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 武史
(72)【発明者】
【氏名】大野 文則
【テーマコード(参考)】
2E182
【Fターム(参考)】
2E182AA06
2E182EF25
2E182EF30
2E182EG01
(57)【要約】
【課題】荷台の扉を90度まで開かなくても、荷下ろしの作業性を低下することなく、扉を開いたことにより形成される間口より広い範囲の雨除けが可能となる荷台雨除け装置を提供すること。
【解決手段】荷台雨除け装置1は、車両100に配置される箱形状の荷台105に設けられ、荷台105の内部を開放する第1扉111の上に配置され、第1扉111の開放に伴い荷台105の端部から水平方向に突出した突出状態となり、第1扉111の閉鎖に伴い突出状態から収容状態へと変移する第1庇部10Aと、荷台105に固定され、第1庇部10Aを支持する支持部20と、を備え、第1庇部10Aは、収容状態及び突出状態において、第1扉111の幅方向において、第1扉111の先端から突出した位置まで延びていることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に配置される箱形状の荷台に設けられる荷台雨除け装置であって、
前記荷台の内部を開放する扉の上に配置され、前記扉の開放に伴い前記荷台の端部から水平方向に突出した突出状態となり、前記扉の閉鎖に伴い前記突出状態から収容状態へと変移する庇部と、
前記荷台に固定され、前記庇部を支持する支持部と、を備え、
前記庇部は、前記収容状態及び前記突出状態において、前記扉の幅方向において、前記扉の先端から突出した位置まで延びていることを特徴とする荷台雨除け装置。
【請求項2】
前記扉は、第1扉と第2扉からなる両開きであり、
前記庇部は、前記第1扉の開放時に前記突出状態となる第1庇部を有し、
前記第1庇部は、前記突出状態において、上面視で、前記第1扉の吊り元側が中心となる円弧形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の荷台雨除け装置。
【請求項3】
前記庇部は、前記第2扉の開放時に突出状態となる第2庇部を更に有し、
前記第2庇部は、前記突出状態において、上面視で、前記第2扉の吊り元側が中心となる円弧形状に形成されている部分を有することを特徴とする請求項2に記載の荷台雨除け装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷台雨除け装置に関し、詳しくは、車両の後部に配置される箱形状の荷台に設けられる荷台雨除け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、荷台の開閉扉を閉じた状態から90度開くと、紐体が吊環部によりフック部を介して棒体が開閉扉側に引き寄せられ、持ち上げられることにより、棒体に取り付けられた雨除けシートが共に吊り上げられるトラック開閉扉用雨除け装置が提案されている(特許文献1)。
このトラック開閉扉用雨除け装置によれば、開閉扉の間に雨除けシートを配置し、商品等が濡れることを防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-90244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のトラック開閉扉用雨除け装置は、荷台の開閉扉を90度まで開かないと、開閉扉と荷台の間口との間に雨除けシートが配置されているため、間口から荷物を下ろしづらいという問題がある。
【0005】
本発明は、荷台の扉を90度まで開かなくても、荷下ろしの作業性を低下することなく、扉を開いたことにより形成される間口より広い範囲の雨除けが可能となる荷台雨除け装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) 車両に配置される箱形状の荷台に設けられる荷台雨除け装置であって、
前記荷台の内部を開放する扉の上に配置され、前記扉の開放に伴い前記荷台の端部から水平方向に突出した突出状態となり、前記扉の閉鎖に伴い前記突出状態から収容状態へと変移する庇部と、
前記荷台に固定され、前記庇部を支持する支持部と、を備え、
前記庇部は、前記収容状態及び前記突出状態において、前記扉の幅方向において、前記扉の先端から突出した位置まで延びていることを特徴とする荷台雨除け装置。
【0007】
(1)の発明によれば、荷台雨除け装置は、車両に配置される箱形状の荷台に設けられ、庇部と、支持部と、を備える。
庇部は、荷台の内部を開放する扉の上に配置され、扉の開放に伴い荷台の端部から水平方向に突出した突出状態となり、扉の閉鎖に伴い突出状態から収容状態へと変移する
支持部は、荷台に固定され、庇部を支持する。
そして、庇部は、収容状態及び突出状態において、扉の幅方向において、扉の先端から突出した位置まで延びている。
【0008】
これにより、庇部は、収容状態及び突出状態において、扉の幅方向において、扉の先端から突出した位置まで延びているので、扉の開き始めから、扉により開放される間口を全開した状態(扉を閉じた状態から90度以上開いた状態)まで、常に扉の先端から突出した位置まで雨除けを形成することができる。
ここで、例えば、雨天の中、荷台に積まれた荷物の一部のみを取り出す場合、荷台内部への雨の吹き込みを避けるため、扉を必要最低限だけ開ける場合がある。このように、扉を全開せずに、必要最低限だけ開けて荷下ろしする場合、例えば、特許文献1のトラック開閉扉用雨除け装置では、扉と荷台内部との間に雨除けシートが配置されているので、荷下ろしが困難になる。
【0009】
また、雨天で風が強い場合、雨は斜め上から降る。このようなときに、荷台の扉を必要最低限だけ開けた場合、扉により開放された間口において、荷台内部に最も雨が吹き込む方向は、扉の幅方向からである。
【0010】
(1)の発明によれば、庇部が、このような扉の幅方向において、扉の先端から突出した位置まで延びているので、斜め上から降る雨を効果的に遮ることが可能となる。
【0011】
したがって、荷台の扉を90度まで開かなくても、荷下ろしの作業性を低下することなく、扉を開いたことにより形成される間口より広い範囲の雨除けが可能となる荷台雨除け装置を提供できる。
【0012】
(2) 前記扉は、第1扉と第2扉からなる両開きであり、
前記庇部は、前記第1扉の開放時に前記突出状態となる第1庇部を有し、
前記第1庇部は、前記突出状態において、上面視で、前記第1扉の吊り元側が中心となる円弧形状に形成されていることを特徴とする(1)に記載の荷台雨除け装置。
【0013】
ここで、庇部を扉の先端から突出させ、安全性を考慮し、かつ、庇部の上面視の面積を最大にするには、庇部の先端を、車両(荷台)の側面ギリギリまで延ばすことが望ましい。
また、両開きの扉は、吊り元を中心に回動することで、荷台の間口を開閉する。このような扉の開放に伴い、庇部を収容状態から突出状態に変移させる場合、扉が回動する力で庇部を突出状態に変移させることとなる。この場合、庇部の扉と係合した部分も、扉の回動に伴い回動することとなる。このように庇部が動作する場合、庇部が、上面視で、四角形状に形成され、その先端までの幅が車両(荷台)の側面ギリギリまで延びていると、扉の回動に伴い回動したときに、庇部の外縁が、車両(荷台)の側面から突出することとなる。
【0014】
(2)の発明によれば、車両の荷台の扉が、第1扉と第2扉からなる両開きの場合、第1扉の開放時に突出状態となる第1庇部が、突出状態において、上面視で、第1扉の吊り元側が中心となる円弧形状に形成されている。
【0015】
これにより、第1扉の回動に伴い回動したときに、第1庇部の外縁が、車両(荷台)の側面から突出することなく、庇部の幅を、車両(荷台)の側面ギリギリまで延ばし、雨を遮る範囲を最大限広くすることが可能となる。
【0016】
(3) 前記庇部は、前記第2扉の開放時に前記突出状態となる第2庇部を更に有し、
前記第2庇部は、前記突出状態において、上面視で、前記第2扉の吊り元側が中心となる円弧形状に形成されている部分を有することを特徴とする(2)に記載の荷台雨除け装置。
【0017】
ここで、第1扉の開放時に突出状態となる第1庇部を円弧形状に形成した場合、第1庇部は、先端側において、第2扉側の上方を覆うことができない。
【0018】
(3)の発明によれば、第2扉の開放時に突出状態となる第2庇部が、突出状態において、上面視で、第2扉の吊り元側が中心となる円弧形状に形成されている部分を有する。
【0019】
これにより、第2扉の回動に伴い回動したときに、第2庇部の外縁が、車両(荷台)の側面から突出することなく、庇部の幅を、車両(荷台)の側面ギリギリまで延ばし、雨を遮る範囲を最大限広くすることが可能となる。
よって、第1扉側の上方を第1庇部で覆うとともに、第2扉側の上方を第2庇部で覆うので、第1扉及び第2扉の両方を開放した場合に、雨を遮る範囲を最大限広くすることが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、荷台の扉を90度まで開かなくても、荷下ろしの作業性を低下することなく、扉を開いたことにより形成される間口より広い範囲の雨除けが可能となる荷台雨除け装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態に係る荷台雨除け装置の第1突出状態を説明する図である。
図2】本発明の実施形態に係る荷台雨除け装置の第2突出状態を説明する図である。
図3】本発明の実施形態に係る荷台雨除け装置の収容状態を説明する図である。
図4】本発明の実施形態に係る荷台雨除け装置の収容状態の平面図である。
図5】本発明の実施形態に係る荷台雨除け装置の第1突出状態の平面図である。
図6】本発明の実施形態に係る荷台雨除け装置の第2突出状態の平面図である。
図7】本発明の実施形態に係るガイドの断面図である。
図8】本発明の実施形態に係る荷台雨除け装置の作用効果を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の説明において、同一の構成には、同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
図1は、本発明の実施形態に係る荷台雨除け装置の第1突出状態を説明する図である。
図2は、本発明の実施形態に係る荷台雨除け装置の第2突出状態を説明する図である。
図3は、本発明の実施形態に係る荷台雨除け装置の収容状態を説明する図である。
図4は、本発明の実施形態に係る荷台雨除け装置の収容状態の平面図である。
図5は、本発明の実施形態に係る荷台雨除け装置の第1突出状態の平面図である。
図6は、本発明の実施形態に係る荷台雨除け装置の第2突出状態の平面図である。
【0023】
荷台雨除け装置1は、車両100の後部に配置される箱形状の荷台105に設けられ、庇部10と、庇部10を支持する支持部20と、庇部10と車両100の第1扉111又は第2扉112とを接続又は解除する接続部30と、を備える。荷台雨除け装置1は、車両100の荷台105に設けられた扉の開閉に伴い、突出状態から収容状態又は収容状態から突出状態に変移する。
【0024】
具体的には、荷台雨除け装置1は、例えば、車両100の開き扉である第1扉111及び第2扉112が閉じた状態では、図3に示す収容状態である。
そして、例えば、作業者が荷下ろしをするために、第1扉111を開くと、荷台雨除け装置1は、図1に示す第1突出状態となる。
また、作業者が図1に示す状態から、第2扉112を開くと、荷台雨除け装置1は、図1に示す第2突出状態となる。
【0025】
なお、本実施形態において、第1扉111及び第2扉112は、荷台105の後部に設けられた例で説明しているが、これに限らず、荷台105の側面に設けられていてもよい。
【0026】
以下、荷台雨除け装置1の構成について、詳細に説明する。
庇部10は、第1扉111の開放時に突出状態となる第1庇部10Aと、第2扉112の開放時に突出状態となる第2庇部10Bと、を備える。なお、荷台雨除け装置1は、第1庇部10Aのみで構成してもよい。
【0027】
第1庇部10A及び第2庇部10Bは、それぞれ、支持部20に支持され、ガイド11と、庇12と、を備える。
ガイド11は、軸形状の部材で形成され、第1扉111や第2扉112の上に配置され、第1扉111や第2扉112の幅方向に、長手方向が向くように配置されている。
【0028】
ガイド11は、基端側が、第1扉111又は第2扉112の吊り元上方において、支持部20に回動自在に接続され、先端側が、第1扉111又は第2扉112の幅方向の先端側から突出した位置まで延びており、第1扉111又は第2扉112の回動方向と同じ方向に回動する。ガイド11は、接続部30を介して、第1扉111又は第2扉112に接続又は解除される。ガイド11は、例えば、庇部10の平面視での面積を最大にする場合、車両100の荷台105の横幅と略同一の長さで形成するのが望ましい。
【0029】
図2及び図6に示すように、庇12は、先端側側縁(第1扉111又は第2扉112の幅方向に沿って延びる側縁)が、ガイド11に固定され、図3に示す収容状態及び突出状態(図1に示す第1突出状態、図2に示す第2突出状態)において、第1扉111又は第2扉112の幅方向において、第1扉111又は第2扉112の先端から突出した位置まで延びている。
庇12には、第1庇部10Aの第1庇12Aと、第2庇部10Bの第2庇12Bと、が含まれる。
【0030】
第1庇12Aは、上面視で、第1扉111の吊り元側が中心となる円弧形状に形成されている。第1庇12Aは、上面視で、任意の中心角の円弧形状に形成してもよいが、最大に突出させた状態で、中心角が90度以上の円弧形状になることが望ましい。
【0031】
また、第1庇12Aは、図に示す例では、複数(例えば、3つ)のパーツに分割し、図3図4に示す収容状態では、これらの複数のパーツが重なった状態で収容され、ガイド11の回動に伴い、1つずつ引き出され、引き出されたパーツが次のパーツを、順次引き出す。
このように、第1庇12Aを複数のパーツで構成することで、第1庇12Aの収容スペースをコンパクトにすることが可能となる。なお、第1庇12Aは、図に示す態様に限らず、1枚で形成してもよいし、蛇腹形状に形成してもよい。
【0032】
また、第1庇12Aの中心角を、90度前後の所定角度(例えば、80度~100度)とすることで、第1扉111の回動範囲が閉じた状態から90度前後に規制される。これにより、第1扉111が、強風に煽られて予想外に全開きになることを防ぎ、脇を走る車又は人に当たる危険性を回避できる。また、車両100の停車位置が坂道であった場合等の第1扉111の開閉時の状態によっても、第1扉111が予想外に全開きになる危険性があるが、荷台雨除け装置1が第1扉111の回動範囲を規制する機能を発揮することで、このような危険を回避することが可能となる。
【0033】
なお、第1庇12Aは、突出状態における中心角を270度に形成することで、第1扉111を荷台105の側面に面する位置まで開くと、荷台105の側面側にも、雨除けを形成することが可能となる。これにより、例えば、引っ越しのように、荷台105の側面側に、降ろした荷物を仮置きする場合、雨が降ってきても、仮置きした荷物に雨除けを配置することが可能となる。
【0034】
第2庇12Bは、第1庇12Aの下に配置されている。第2庇12Bは、図6に示すように、上面視で、第2扉112の吊り元側が中心となる円弧形状に形成された円弧部分12Baと、円弧部分12Baの先端から、ガイド11の基端側に延びる直線部分12Bbを、を有する。第2庇12Bは、第1扉111及び第2扉112を双方閉じた状態から90度まで開いた場合に、第1庇12Aでは覆えない第2扉112の先端側を補うものであり、第1庇12Aと重なる部分を省略した形状となっている。
【0035】
このように、第2庇12Bにおいて、第1扉111及び第2扉112を双方90度まで開いた場合に、第1庇12Aと重なる部分を省略することで、荷台雨除け装置1の軽量化が可能になるとともに、コストを抑えることが可能となる。
【0036】
図1から図3に示すように、支持部20は、車両100の荷台105の後方側天井に固定され、後方側の面が開放された箱形状に形成されている。支持部20は、収容状態において、第1庇12Aを収容する第1収容部21と、第1収容部21の下に配置され、第2庇12Bを収容する第2収容部22と、を備える。
【0037】
第1収容部21は、左側後端において、第1庇部10Aのガイド11の基端が、水平方向(上面視で左回転する方向)に回動自在に接続されている。
第2収容部22は、右側後端において、第2庇部10Bのガイド11の基端が、水平方向(上面視で右回転する方向)に回動自在に接続されている。
【0038】
図6に示すように、接続部30は、第1扉111及び第2扉112にそれぞれ設けられ、上下方向に延びる軸部材31と、第1扉111又は第2扉112に固定され、軸部材31を第1扉111又は第2扉112にスライド移動可能に支持する受け部材32と、を備える。
【0039】
軸部材31は、上端側がガイド11と係合又は解除可能に形成されている。第1庇部10A及び第2庇部10Bは、軸部材31がガイド11と係合されている状態においては、第1扉111又は第2扉112の回動と連動して、突出状態や収容状態に変移し、軸部材31がガイド11と係合が解除されている状態においては、第1扉111又は第2扉112の回動と連動しない。すなわち、例えば、第1扉111に設けられた接続部30の軸部材31と第1庇部10Aのガイド11とが係合した状態では、第1扉111を開くことで、第1庇部10Aが、図3に示す収容状態から、図1に示す第1突出状態となる。
【0040】
受け部材32は、例えば、軸部材31が上下方向に挿通するスライド孔と、軸部材31に設けられ、軸部材31と直交する方向に延びる止め部が係合する溝部と、を有する。溝部は、上段と下段に設けられ、上段の溝部と止め部が係合した状態では軸部材31がガイド11と係合され、下段の溝部と止め部が係合した状態では軸部材31とガイド11との係合が解除されている。
【0041】
次に、ガイド11と軸部材31とについて、詳細に説明する。
図7は、本発明の実施形態に係るガイドの断面図である。
ガイド11は、中空で、断面形状が矩形状の軸形状の本体11aと、本体11aの下面側に形成され、本体11aの延びる方向に延びる溝11bと、本体11aの内部に配置され、本体11a内部においてスライド移動可能に配置されたベアリング11cとを備える。
【0042】
また、ガイド11には、巻き取ったシートを引き出すことが可能なロールスクリーンや、別体のシートを取り付けることが可能な金具を設けてもよい。これにより、第1庇部10Aや第2庇部10Bに加え、より広い範囲に雨除けを形成するこが可能となる。
【0043】
図2に示すように、本体11aの側面には、庇12の先端側側縁(第1扉111又は第2扉112の幅方向に沿って延びる側縁)が接続されている。
【0044】
図7に戻って、溝11bには、接続部30の軸部材31の上端側が、下方から本体11a内に挿通する。
【0045】
ベアリング11cは、接続部30の軸部材31の上端と解除可能に係合する。例えば、ベアリング11cは、中心部分に螺子山が形成された孔が形成され、接続部30の軸部材31の上端側側面に形成された螺子山と螺合することで、軸部材31と係合する。
【0046】
ここで、第1扉111又は第2扉112は、強度を保つため又は保冷維持(保冷車の場合)のために、扉自体が重たく頑丈に形成されていることから、開閉行為が重くなるという問題がある。また、扉自体が重たいため、第1扉111又は第2扉112を荷台105に支持するためのヒンジに負担がかかるという問題もある。
【0047】
荷台雨除け装置1の構成によれば、接続部30の軸部材は、下端側は第1扉111又は第2扉112に接続されている。そして、上記のように、ベアリング11cと接続部30の軸部材の上端側を係合させることで、第1扉111又は第2扉112の重量の一部を、ガイド11に負担させることが可能となる。
これにより、第1扉111又は第2扉112の開閉行為が軽くなる。また、第1扉111又は第2扉112を荷台105に支持するためのヒンジの負担を軽減できるので、ヒンジの摩耗を軽減し長持ちさせることが可能となる。
【0048】
次に、荷台雨除け装置1の動作について説明する。
図3に示す状態は、荷台雨除け装置1が収容状態であり、ガイド11と軸部材31が係合し、第1扉111が第1庇部10Aと連結されており、第2扉112が第2庇部10Bと連結されている。
【0049】
図3に示す状態から、作業者(例えば、荷台105から荷下ろしする者等)は、第1扉111を開く。これにより、第1扉111の回動に伴い、軸部材31を介して第1扉111に連結された第1庇部10Aのガイド11が、第1扉111の吊り元側を中心に回動する。そして、ガイド11に固定された第1庇12Aが、支持部20の内部から引き出され、第1庇部10Aが突出状態となり、図1に示す第1突出状態となる。
【0050】
また、図1に示す状態から、作業者は、第2扉112を開く。これにより、第2扉112の回動に伴い、軸部材31を介して第2扉112に連結された第2庇部10Bのガイド11が、第2扉112の吊り元側を中心に回動する。そして、ガイド11に固定された第2庇12Bが、支持部20の内部から引き出され、第2庇部10Bが突出状態となり、図2に示す第2突出状態となる。
【0051】
このように、本実施形態の荷台雨除け装置1によれば、第1庇部10Aや第2庇部10Bは、収容状態及び突出状態において、第1扉111や第2扉112の幅方向において、第1扉111や第2扉112の先端から突出した位置まで延びているので、第1扉111や第2扉112の開き始めから、第1扉111や第2扉112により開放される間口を全開した状態(扉を90度以上開いた状態)まで、常に第1扉111や第2扉112の先端から突出した位置まで雨除けを形成することができる。
【0052】
図8は、第1扉111を少しだけ開いた場合の荷台雨除け装置1の状態を示す図である。図8に示すように、荷台雨除け装置1は、第1扉111を少しだけ開いた場合でも、第1庇部10Aが、第1扉111や第2扉112の先端から突出した位置まで延びている。
したがって、荷台の扉を90度まで開かなくても、荷下ろしの作業性を低下することなく、扉を開いたことにより形成される間口より広い範囲の雨除けが可能となる。
【0053】
また、荷台雨除け装置1によれば、車両100の荷台105の扉が、第1扉111と第2扉112からなる両開きの場合、第1扉111の開放時に突出状態となる第1庇部10Aが、突出状態において、上面視で、第1扉111の吊り元側が中心となる円弧形状に形成されている。
【0054】
これにより、第1扉111の回動に伴い回動したときに、第1庇部10Aの外縁が、車両100(荷台105)の側面から突出することなく、第1庇部10Aの幅を、車両100(荷台105)の側面ギリギリまで延ばし、雨を遮る範囲を最大限広くすることが可能となる。
【0055】
また、荷台雨除け装置1によれば、第2扉112の開放時に突出状態となる第2庇部10Bが、突出状態において、上面視で、第2扉112の吊り元側が中心となる円弧形状に形成されている部分を有する。
【0056】
これにより、第2扉112の回動に伴い回動したときに、第2庇部10Bの外縁が、車両100(荷台105)の側面から突出することなく、第2庇部10Bの幅を、車両(荷台)の側面ギリギリまで延ばし、雨を遮る範囲を最大限広くすることが可能となる。
よって、第1扉111側の上方を第1庇部10Aで覆うとともに、第2扉112側の上方を第2庇部10Bで覆うので、第1扉111及び第2扉112の両方を開放した場合に、雨を遮る範囲を最大限広くすることが可能となる。
【0057】
なお、本発明は実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0058】
1 荷台雨除け装置1
10 庇部
10A 第1庇部
10B 第2庇部
11 ガイド
11a 本体
11b 溝
11c ベアリング
12 庇
12A 第1庇
12B 第2庇
12Ba 円弧部分
12Bb 直線部分
20 支持部
21 第1収容部
22 第2収容部
30 接続部
31 軸部材
32 受け部材
100 車両
105 荷台
111 第1扉
112 第2扉



図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8