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特開2024-84209ワイヤハーネスの配索構造及び支持部品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084209
(43)【公開日】2024-06-25
(54)【発明の名称】ワイヤハーネスの配索構造及び支持部品
(51)【国際特許分類】
   H02G 11/00 20060101AFI20240618BHJP
   H02G 3/04 20060101ALI20240618BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
H02G11/00
H02G3/04 081
B60R16/02 620C
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022198353
(22)【出願日】2022-12-13
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100117662
【弁理士】
【氏名又は名称】竹下 明男
(74)【代理人】
【識別番号】100103229
【弁理士】
【氏名又は名称】福市 朋弘
(72)【発明者】
【氏名】福嶋 大地
(72)【発明者】
【氏名】山本 悟司
(72)【発明者】
【氏名】丸山 司羽佐
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 康二
(72)【発明者】
【氏名】小林 良尚
(72)【発明者】
【氏名】宇野 広輝
(72)【発明者】
【氏名】磯田 一真
【テーマコード(参考)】
5G357
5G371
【Fターム(参考)】
5G357DA10
5G357DB03
5G357DC12
5G357DD01
5G357DD05
5G357DD10
5G357DD14
5G357DG04
5G371AA01
5G371BA01
5G371BA07
5G371CA01
5G371CA03
5G371CA07
(57)【要約】
【課題】車体と可動体との遊動区間に外装されるコルゲートチューブにかかるトルクを吸収しつつ、当該コルゲートチューブを支持する部材の配置スペースをなるべく小さくできるようにすることを目的とする。
【解決手段】ワイヤハーネスの配索構造は、配線部材及びコルゲートチューブを含むワイヤハーネスと、車体用支持部品と、可動体用支持部品とを備える。可動体用支持部品は、軸受部を有し、可動体に支持される軸受側プロテクタと、チューブ保持部及び軸部を有する軸側プロテクタとを含む。軸側プロテクタは、コルゲートチューブを中心軸が一致するように保持するチューブ保持部を有する。前記軸受部及び前記軸部は、それぞれが前記中心軸回りの円筒状の周面を有し、前記中心軸回りに回転可能である。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に設けられる機器と、前記車体に対してスライドする可動体に設けられる機器とを接続するワイヤハーネスの配索構造であって、
配線部材と前記配線部材に外装されたコルゲートチューブとを含み、前記車体に支持される車体側区間と、前記可動体に支持される可動体側区間と、前記車体側区間と前記可動体側区間との間の遊動区間とが設けられたワイヤハーネスと、
前記車体側区間における前記コルゲートチューブを前記車体に支持する車体用支持部品と、
前記可動体側区間における前記コルゲートチューブを前記可動体に支持する可動体用支持部品と、
を備え、
前記車体用支持部品及び前記可動体用支持部品の少なくとも一方は、軸部及びチューブ保持部を有する軸側プロテクタと、軸受部を有する軸受側プロテクタとを含み、
前記チューブ保持部は、前記コルゲートチューブを中心軸が一致するように保持し、
それぞれが前記中心軸回りに円筒状の周面を有する前記軸受部及び前記軸部を介して前記軸側プロテクタが前記軸受側プロテクタに前記中心軸回りに回転可能に支持され、
前記軸受側プロテクタが、前記車体又は前記可動体に支持されている、ワイヤハーネスの配索構造。
【請求項2】
請求項1に記載のワイヤハーネスの配索構造であって、
前記チューブ保持部が前記コルゲートチューブを覆っている、ワイヤハーネスの配索構造。
【請求項3】
請求項1に記載のワイヤハーネスの配索構造であって、
前記コルゲートチューブが前記チューブ保持部を覆っている、ワイヤハーネスの配索構造。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のワイヤハーネスの配索構造であって、
前記チューブ保持部は、前記コルゲートチューブの凹凸に応じた凹凸形状を有し、
前記軸部は、前記チューブ保持部よりも前記中心軸の径方向に沿って張出すフランジを有し、
前記軸受部には、前記フランジが嵌る環状凹部が形成されている、ワイヤハーネスの配索構造。
【請求項5】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のワイヤハーネスの配索構造であって、
前記軸受側プロテクタは、前記軸受部に対して前記ワイヤハーネスの延在方向に沿って前記遊動区間とは反対側に連続し、前記ワイヤハーネスを覆う保護部を有する、ワイヤハーネスの配索構造。
【請求項6】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のワイヤハーネスの配索構造であって、
前記軸側プロテクタ及び前記軸受側プロテクタのそれぞれは、軸心方向に沿って分割された形状を有する第1分割部品及び第2分割部品が合体した部品である、ワイヤハーネスの配索構造。
【請求項7】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のワイヤハーネスの配索構造であって、
前記配線部材は、前記コルゲートチューブに対して延在方向に沿って遊動可能に挿通されている、ワイヤハーネスの配索構造。
【請求項8】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のワイヤハーネスの配索構造であって、
前記可動体はスライドドアである、ワイヤハーネスの配索構造。
【請求項9】
請求項8に記載のワイヤハーネスの配索構造であって、
前記可動体用支持部品は、前記軸側プロテクタ及び前記軸受側プロテクタと、ガイド溝が形成されたガイド部品とを含み、
前記軸受側プロテクタは、前記スライドドアの開閉に伴って前記ガイド溝に沿ってスライド可能に前記ガイド部品に支持されるスライダ部を有する、ワイヤハーネスの配索構造。
【請求項10】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のワイヤハーネスの配索構造であって、
前記可動体はシートである、ワイヤハーネスの配索構造。
【請求項11】
配線部材と前記配線部材に外装されたコルゲートチューブとを含み、車体に支持される車体側区間と、前記車体に対してスライドする可動体に支持される可動体側区間と、前記車体側区間と前記可動体側区間との間の遊動区間とが設けられたワイヤハーネスのうち前記車体側区間又は前記可動体側区間を前記車体又は前記可動体に支持する支持部品であって、
軸部及びチューブ保持部を含む軸側プロテクタと、
軸受部を含む軸受側プロテクタと、
を備え、
前記チューブ保持部は、前記コルゲートチューブを中心軸が一致するように保持し、
それぞれが前記中心軸回りに円筒状の周面を有する前記軸受部及び前記軸部を介して前記軸側プロテクタが前記軸受側プロテクタに前記中心軸回りに回転可能に支持され、
前記軸受側プロテクタが、前記車体又は前記可動体に支持される、支持部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ワイヤハーネスの配索構造及び支持部品に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、スライドドアを備えた自動車において、車両本体からスライドドアに配索されたワイヤハーネスのコルゲートチューブを保持するコルゲートチューブ保持具を開示している。当該コルゲートチューブ保持具は、コルゲートチューブに取り付けられる球状部と、球状部を三次元方向に回動可能に収容する収容部を備えている。これにより、当該コルゲートチューブ保持具に保持されるコルゲートチューブの端部が三次元方向に揺動可能とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-100513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ワイヤハーネスのうちスライドドア等の可動体と車体との間の遊動区間にコルゲートチューブが外装された状態で、車体に対して可動体がスライドする際、コルゲートチューブにトルクがかかり得る。コルゲートチューブにかかるトルクを吸収できることが望まれる。
【0005】
また、特許文献1に記載のコルゲートチューブ保持具は、車体に配置される。この際、コルゲートチューブ保持具には、球状部が設けられる分、大きな配置スペースが必要である。コルゲートチューブを支持する部材の配置スペースをなるべく小さくすることが望まれる。
【0006】
そこで、車体と可動体との遊動区間に外装されるコルゲートチューブにかかるトルクを吸収しつつ、当該コルゲートチューブを支持する部材の配置スペースをなるべく小さくできるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のワイヤハーネスの配索構造は、車体に設けられる機器と、前記車体に対してスライドする可動体に設けられる機器とを接続するワイヤハーネスの配索構造であって、配線部材と前記配線部材に外装されたコルゲートチューブとを含み、前記車体に支持される車体側区間と、前記可動体に支持される可動体側区間と、前記車体側区間と前記可動体側区間との間の遊動区間とが設けられたワイヤハーネスと、前記車体側区間における前記コルゲートチューブを前記車体に支持する車体用支持部品と、前記可動体側区間における前記コルゲートチューブを前記可動体に支持する可動体用支持部品と、を備え、前記車体用支持部品及び前記可動体用支持部品の少なくとも一方は、軸部及びチューブ保持部を有する軸側プロテクタと、軸受部を有する軸受側プロテクタとを含み、前記チューブ保持部は、前記コルゲートチューブを中心軸が一致するように保持し、それぞれが前記中心軸回りに円筒状の周面を有する前記軸受部及び前記軸部を介して前記軸側プロテクタが前記軸受側プロテクタに前記中心軸回りに回転可能に支持され、前記軸受側プロテクタが、前記車体又は前記可動体に支持されている、ワイヤハーネスの配索構造である。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、車体と可動体との遊動区間に外装されるコルゲートチューブにかかるトルクを吸収しつつ、当該コルゲートチューブを支持する部材の配置スペースをなるべく小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1はワイヤハーネスの配索構造を示す概略平面図である。
図2図2はワイヤハーネスの配索構造を示す概略斜視図である。
図3図3は第1開状態を示す概略正面図である。
図4図4図3のIV-IV線に沿った断面図である。
図5図5は閉状態を示す概略正面図である。
図6図6は第2開状態を示す概略正面図である。
図7図7はスライダ部の軌跡を示す説明図である。
図8図8は軸側プロテクタ及び軸受側プロテクタの変形例を示す図である。
図9図9はワイヤハーネスの配索構造の変形例を示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
【0011】
本開示のワイヤハーネスの配索構造は、次の通りである。
【0012】
(1)車体に設けられる機器と、前記車体に対してスライドする可動体に設けられる機器とを接続するワイヤハーネスの配索構造であって、配線部材と前記配線部材に外装されたコルゲートチューブとを含み、前記車体に支持される車体側区間と、前記可動体に支持される可動体側区間と、前記車体側区間と前記可動体側区間との間の遊動区間とが設けられたワイヤハーネスと、前記車体側区間における前記コルゲートチューブを前記車体に支持する車体用支持部品と、前記可動体側区間における前記コルゲートチューブを前記可動体に支持する可動体用支持部品と、を備え、前記車体用支持部品及び前記可動体用支持部品の少なくとも一方は、軸部及びチューブ保持部を有する軸側プロテクタと、軸受部を有する軸受側プロテクタとを含み、前記チューブ保持部は、前記コルゲートチューブを中心軸が一致するように保持し、それぞれが前記中心軸回りに円筒状の周面を有する前記軸受部及び前記軸部を介して前記軸側プロテクタが前記軸受側プロテクタに前記中心軸回りに回転可能に支持され、前記軸受側プロテクタが、前記車体又は前記可動体に支持されている、ワイヤハーネスの配索構造である。
【0013】
(1)のワイヤハーネスの配索構造によると、コルゲートチューブに中心軸回りのトルクがかかった際、当該トルクを受けてコルゲートチューブが軸側プロテクタを介して軸受側プロテクタに対して中心軸回りに回転することによって、当該トルクを吸収可能である。また、軸部及び軸受部のそれぞれが円筒状の周面を有するため、球状の部材によって支持する場合と比べて支持部品の構成を簡略化でき、支持部品を小さくできる。
【0014】
(2)(1)のワイヤハーネスの配索構造において、前記チューブ保持部が前記コルゲートチューブを覆っていてもよい。これにより、コルゲートチューブの外周にチューブ保持部を取り付けることができる。
【0015】
(3)(1)のワイヤハーネスの配索構造において、前記コルゲートチューブが前記チューブ保持部を覆っていてもよい。これにより、チューブ保持部の外周にコルゲートチューブを取り付けることができる。
【0016】
(4)(1)から(3)のいずれか1つのワイヤハーネスの配索構造において、前記チューブ保持部は、前記コルゲートチューブの凹凸に応じた凹凸形状を有し、前記軸部は、前記チューブ保持部よりも前記中心軸の径方向に沿って張出すフランジを有し、前記軸受部には、フランジが嵌る環状凹部が形成されていてもよい。これにより、軸側プロテクタ及び軸受側プロテクタを簡易な形状としつつ、軸受側プロテクタに対して軸側プロテクタをスムーズに回転させることができる。
【0017】
(5)(1)から(4)のいずれか1つのワイヤハーネスの配索構造において、前記軸受側プロテクタは、前記軸受部に対して前記ワイヤハーネスの延在方向に沿って前記遊動区間とは反対側に連続し、前記ワイヤハーネスを覆う保護部を有してもよい。これにより、軸受側プロテクタによって、ワイヤハーネスを保護することができる。
【0018】
(6)(1)から(5)のいずれか1つのワイヤハーネスの配索構造において、前記軸側プロテクタ及び前記軸受側プロテクタのそれぞれは、軸心方向に沿って分割された形状を有する第1分割部品及び第2分割部品が合体した部品であってもよい。これにより、ワイヤハーネス及びコルゲートチューブに対する軸側プロテクタ及び軸受側プロテクタの後付けが容易となる。
【0019】
(7)(1)から(6)のいずれか1つのワイヤハーネスの配索構造において、前記配線部材は、前記コルゲートチューブに対して前記配線部材の延在方向に沿って遊動可能に挿通されていてもよい。これにより、コルゲートチューブ及び軸側プロテクタが軸受側プロテクタに対して回転してコルゲートチューブがねじれる際、コルゲートチューブ内部の配線部材はねじれにくい。
【0020】
(8)(1)から(7)のいずれか1つのワイヤハーネスの配索構造において、前記可動体はスライドドアであってもよい。これにより、スライドドアの開閉時にコルゲートチューブにかかるトルクを軸側プロテクタ及び軸受側プロテクタによって吸収することができる。
【0021】
(9)(8)のワイヤハーネスの配索構造において、前記可動体用支持部品は、前記軸側プロテクタ及び前記軸受側プロテクタと、ガイド溝が形成されたガイド部品とを含み、前記軸受側プロテクタは、前記スライドドアの開閉に伴って前記ガイド溝に沿ってスライド可能に前記ガイド部品に支持されるスライダ部を有してもよい。これにより、スライドドアの開閉時に、コルゲートチューブのうち軸側プロテクタに取付けられる部分が軸受側プロテクタ及び軸側プロテクタと共にガイド溝に沿ってスライドする。このように、コルゲートチューブが軸受側プロテクタ及び軸側プロテクタと共にスライドドアに対してスライドしつつ、コルゲートチューブにトルクがかかる場合でも、スライドドアの開閉時にコルゲートチューブにかかるトルクを吸収することができる。
【0022】
(10)(1)から(7)のいずれか1つのワイヤハーネスの配索構造において、前記可動体はシートであってもよい。これにより、シートのスライド時にコルゲートチューブにかかるトルクを軸側プロテクタ及び軸受側プロテクタによって吸収することができる。
【0023】
(11)また、本開示の支持部品は、配線部材と前記配線部材に外装されたコルゲートチューブとを含み、車体に支持される車体側区間と、前記車体に対してスライドする可動体に支持される可動体側区間と、前記車体側区間と前記可動体側区間との間の遊動区間とが設けられたワイヤハーネスのうち前記車体側区間又は前記可動体側区間を前記車体又は前記可動体に支持する支持部品であって、軸部及びチューブ保持部を含む軸側プロテクタと、軸受部を含む軸受側プロテクタと、を備え、前記チューブ保持部は、前記コルゲートチューブを中心軸が一致するように保持し、それぞれが前記中心軸回りに円筒状の周面を有する前記軸受部及び前記軸部を介して前記軸側プロテクタが前記軸受側プロテクタに前記中心軸回りに回転可能に支持され、前記軸受側プロテクタが、前記車体又は前記可動体に支持される、支持部品である。
【0024】
(11)の支持部品によると、コルゲートチューブに中心軸回りのトルクがかかった際、当該トルクを受けてコルゲートチューブが軸側プロテクタを介して軸受側プロテクタに対して中心軸回りに回転することによって、当該トルクを吸収可能である。また、軸部及び軸受部のそれぞれが円筒状の周面を有するため、球状の部材によって支持する場合と比べて支持部品の構成を簡略化でき、支持部品を小さくできる。
【0025】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示のワイヤハーネスの配索構造の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0026】
[実施形態1]
以下、実施形態1にかかるワイヤハーネスの配索構造について説明する。本実施形態では図1は可動体がスライドドアである例を用いて説明する。図1はワイヤハーネスの配索構造20を示す概略平面図である。図1に示される前後方向(FRONT,REAR)及び上下方向(UP,LOW)は、車両における前後方向及び上下方向に対応する。図1に示される内外方向(IN,OUT)は、車両における左右方向のうち車両の側面に対する内外方向に対応する。具体的には、図1では、車両の右側部分が示されており、車両の右側面よりも左側が車内側であり、車両の右側面よりも右側が車外側である。
【0027】
まず、ワイヤハーネスの配索構造20と、当該配索構造20が適用される車体10及びスライドドア12との関係性について説明する。なお、図1において、実線で示されるワイヤハーネスの配索構造20はスライドドア12が開いた状態を示し、二点鎖線はで示されるワイヤハーネスの配索構造20はスライドドア12が閉じた状態を示す。また、図1において、スライドドア12などの一部の部材については、開いた状態及び閉じた状態のいずれについても二点鎖線で示される。
【0028】
車体10において、側面に乗員が乗降するための乗降用開口部11が設けられる。スライドドア12は、車体10にスライド可能に支持される。スライドドア12がスライドすることによって、乗降用開口部11が開閉される。スライドドア12は、スライドドア12の外観をなすドアパネル13と、ドアパネル13の車内側に設けられるドアトリム14とを含む。例えば、スライドドア12を支持する支持アーム15が、車体10に配置される支持レールにスライド可能に支持される。乗降用開口部11の周縁において、ドアパネル13と車体10とに接触するようにウェザーストリップ16が配置される。例えば、ウェザーストリップ16はスライドドア12が閉じた状態でドアトリム14の外周側に環状に配置される。
【0029】
スライドドア12には、例えばパワーウインドウなどのドア側機器が設けられる。当該ドア側機器は、ワイヤハーネス30を介して、車体10に設けられる車体側機器(例えばECUなど)と接続される。ワイヤハーネス30は、車体10とスライドドア12とにわたるように配索される。ワイヤハーネスの配索構造20は、車体側機器とドア側機器とを接続するワイヤハーネス30と、ワイヤハーネス30をスライドドア12に支持するドア用支持部品40と、ワイヤハーネス30を車体10に支持する車体用支持部品70とを備える。
【0030】
ワイヤハーネス30は、ドア側機器と車体側機器との間で電力又は信号を伝送する配線部材31と、配線部材31に外装されたコルゲートチューブ32とを含む。配線部材31は、例えば、電線又は光ファイバケーブルなどである。配線部材31は、1本でもよいし、複数本でもよい。コルゲートチューブ32は、配線部材31を保護したり、複数の配線部材31をまとめたりする。コルゲートチューブ32は、それぞれ断面が円形状の大径筒部及び小径筒部が交互に連続する形状を有する。コルゲートチューブ32の外面及び内面には、大径筒部及び小径筒部に応じた凹凸形状が延在方向に沿って連続している。なお、図1において、コルゲートチューブ32のうち端部は、凹凸形状を有するコルゲートチューブ32の本来の形状に即した形状に記載されているが、コルゲートチューブ32の中間部は、凹凸形状を省略した形状に簡略化されて記載されている。図2以降の各図においても、同様である。
【0031】
ワイヤハーネス30は、車体10に支持される車体側区間33と、ドアに支持されるドア側区間34と、車体側区間33とドア側区間34との間の遊動区間35とを含む。車体側区間33とドア側区間34と遊動区間35とは、ワイヤハーネス30の延在方向に沿って互いに異なる区間である。
【0032】
車体側区間33は、車体用支持部品70によって車体10に支持される。車体側区間33は、スライドドア12の開閉時に、車体10に保持される。車体側区間33は、例えばフロアパネルよりも上方に配置され、フロアカーペット又はフロアマットによって覆われることにより、露出が抑制される。例えば、車体10には、乗降用開口部11の周辺にワイヤハーネス30を導出させる車体側ハーネス用開口部が設けられる。図1に示される車体用支持部品70は、当該車体側ハーネス用開口部の周辺に、車体側区間33のうち遊動区間35に連なる部分を支持する。遊動区間35は、当該車体側ハーネス用開口部を通じて車体10の外部に延び出る。
【0033】
ドア側区間34は、ドア用支持部品40によってスライドドア12に支持される区間である。ドア側区間34は、スライドドア12の開閉時に、スライドドア12に保持されてスライドドア12と共に車体10に対して移動する。ここでは、ドア側区間34の一部は、スライドドア12の開閉時に、ドア用支持部品40によってスライドドア12に対して一定の経路に沿って移動するように支持される。ドア側区間34は、ドアパネル13とドアトリム14との間に配置されることにより、露出が抑制される。ドアトリム14には、ワイヤハーネス30を導出させるドア側ハーネス用開口部が設けられる。ドア側ハーネス用開口部は、例えば、ドアトリム14の下部に設けられる。遊動区間35は、当該ドア側ハーネス用開口部を通じてスライドドア12の外部に延び出る。
【0034】
遊動区間35は、車体10及びスライドドア12に支持されておらず、車体側区間33及びドア側区間34と比べて、車体10及びスライドドア12に対して自由に動くことできる。遊動区間35は、スライドドア12の開閉時に、スライドドア12に引っ張られることによって、車体10及びスライドドア12に対して移動及び姿勢変更する。遊動区間35にコルゲートチューブ32が設けられている。ここでは遊動区間35は、スライドドア12の開閉時に3次元的な動きをすることが想定されており、コルゲートチューブ32は、遊動区間35の3次元的な動きに追従可能である。コルゲートチューブ32の一端は、車体側区間33まで延び、車体用支持部品70によって車体10に支持されている。コルゲートチューブ32の他端は、ドア側区間34まで延び、ドア用支持部品40によってスライドドア12に支持されている。
【0035】
遊動区間35は、露出区間36を有する。露出区間36は、スライドドア12が開いた状態で車体10とスライドドア12との間に露出する区間である。ここでは、遊動区間35に設けられたコルゲートチューブ32が露出する。例えば、露出区間36は、遊動区間35のうち車体側ハーネス用開口部とドア側ハーネス用開口部との間の部分である。
【0036】
露出区間36は、乗降用開口部11のうち車両後方かつ下方の位置など、なるべく乗員の乗降時に干渉しにくい位置に露出する。しかしながら、露出区間36は、乗降用開口部11に露出しているため、乗降用開口部11を通じて乗降する乗員に踏まれる事態を完全になくすことは困難である。また、遊動区間35に設けられているコルゲートチューブ32は曲げ変形容易なため、踏まれ荷重をコルゲートチューブ32だけで支持することは困難である。ここでは、露出区間36に踏まれ荷重がかかった際、露出区間36にかかる張力が大きくなることを抑制している。
【0037】
以下では、スライドドア12が閉じた状態を閉状態とする。スライドドア12が開いた状態であって露出区間36に踏まれ荷重がかかっていない状態を第1開状態とする。第1開状態は、遊動区間35が自然状態となっている状態である。スライドドア12が開いた状態であって露出区間36に踏まれ荷重Fがかかった状態を第2開状態とする。
【0038】
ワイヤハーネスの配索構造20の各部について、より具体的に説明する。図2はワイヤハーネスの配索構造20を示す概略斜視図である。図3は第1開状態を示す概略正面図である。図4図3のIV-IV線に沿った断面図である。図5は閉状態を示す概略正面図である。図6は第2開状態を示す概略正面図である。図7はスライダ部54の軌跡を示す説明図である。
【0039】
ワイヤハーネス30において、配線部材31はコルゲートチューブ32に延在方向に沿って遊動可能に挿通されている。これにより、配線部材31がコルゲートチューブ32にかかる外力の影響を受けにくくなる。具体的には、配線部材31はコルゲートチューブ32の内部を通るだけで、コルゲートチューブ32には固定されない。このため、コルゲートチューブ32がねじれてもワイヤハーネス30にねじれは生じにくい。またコルゲートチューブ32は、中間部が軸方向と交差する方向に押されたときに押された方向に引っ張られるように曲がりつつ凹凸部分の差が小さくなることで、長くなるように伸び変形できる。この際、配線部材31がコルゲートチューブ32に押されたときに、延在方向に沿って遊動することで、配線部材31にかかる張力が大きくなることが抑制される。
【0040】
ドア用支持部品40は、軸側プロテクタ41と、軸受側プロテクタ46と、ガイド部品56と、付勢部64とを備える。
【0041】
軸側プロテクタ41は、筒状本体42と、チューブ保持部43と、軸部44とを含む。軸側プロテクタ41は、樹脂製又は金属製である。軸側プロテクタ41の剛性はコルゲートチューブ32の剛性よりも高い。筒状本体42は、円筒状に形成されている。筒状本体42の軸心方向に沿った一端にチューブ保持部43が設けられ、他端に軸部44が設けられている。
【0042】
チューブ保持部43は、コルゲートチューブ32を保持する。ここではコルゲートチューブ32の端部がチューブ保持部43を覆う。チューブ保持部43は、筒状本体42の外周に張り出す環状凸部を有する。環状凸部がコルゲートチューブ32の大径筒部の内側に嵌ることによって、コルゲートチューブ32がチューブ保持部43に保持される。
【0043】
軸部44は、軸受側プロテクタ46に支持される部分である。軸部44は、フランジ45を有する。フランジ45は、筒状本体42の軸心方向に沿った他端において、筒状本体42の外周に張り出す。フランジ45は、環状凸部よりも筒状本体42の外周に大きく張り出す。
【0044】
軸受側プロテクタ46は、軸受部47と保護部51とスライダ部54とを含む。軸受側プロテクタ46は、樹脂製又は金属製である。軸受側プロテクタ46の剛性はコルゲートチューブ32の剛性よりも高い。
【0045】
軸受部47は、軸部44を回転可能に支持する。軸受部47及び軸部44のそれぞれは中心軸CA回りに円筒状の周面を有する。ここでは軸部44は円筒状の外周面を有し、軸受部47は円筒状の内周面を有する。ここでは軸受部47は、一対の規制壁部48を有する。一対の規制壁部48は、フランジ45に対して中心軸CA方向に沿った両側にそれぞれ位置する。一対の規制壁部48の間が、フランジ45が嵌る環状凹部49とされる。軸側プロテクタ41のうちチューブ保持部43を含む部分は、軸受部47から軸受側プロテクタ46の外部に延び出ている。一対の規制壁部48のうち一方の中心には筒状本体42に応じた挿通孔50が形成されている。一対の規制壁部48のうち他方の中心には配線部材31に応じた挿通孔50が形成されている。
【0046】
コルゲートチューブ32の端部が軸側プロテクタ41を介して軸受側プロテクタ46に中心軸CA回りに回転可能に支持されている。コルゲートチューブ32は軸側プロテクタ41と一体的に軸受側プロテクタ46に対して中心軸CA回りに回転する。この際、コルゲートチューブ32は軸側プロテクタ41に対して中心軸CA回りに全く回転しなくてもよいし、多少回転してもよい。軸側プロテクタ41はコルゲートチューブ32よりも軸受側プロテクタ46に対して回転しやすい。
【0047】
コルゲートチューブ32はトルクによって円形状がくずれうる。これにより、トルクによってコルゲートチューブ32を軸受側プロテクタ46に対して中心軸CA回りに直接的に回転させる場合、スムーズに回転できない恐れがある。ここでは、コルゲートチューブ32に取付けられる軸側プロテクタ41が軸受側プロテクタ46に対して中心軸CA回りに回転するため、コルゲートチューブ32を軸受側プロテクタ46に対して直接的に回転させる場合と比べて、スムーズに回転できる。
【0048】
軸受側プロテクタ46は軸側プロテクタ41を実質的に中心軸CA回りにのみ回転可能に支持するため、球状部を用いる場合と比べて、可動体用支持部品に必要なスペースが大きくなることが抑制される。なお、軸部44と軸受部47との公差、遊びなどにより、軸側プロテクタ41は軸受側プロテクタ46に対して、中心軸CA回り以外に多少回転可能であってもよい。
【0049】
保護部51は軸受部47に連続する。保護部51は、ワイヤハーネス30のうち軸受部47から延び出た部分を覆う。保護部51は、ワイヤハーネス30の周方向に沿った少なくとも一部を覆う保護壁部52を有する。ここでは、保護壁部52はワイヤハーネス30の全周を覆うように、保護部51は筒状に形成されている。保護部51は、円筒状であってもよいし、角筒状であってもよい。保護壁部52は、一対の規制壁部48のうち他方の中心に形成された挿通孔50の周縁から延出する。
【0050】
配線部材31は、軸側プロテクタ41と、軸受側プロテクタ46とを通る。配線部材31は、軸側プロテクタ41及び軸受側プロテクタ46に対しても、延在方向に沿って遊動可能に挿通されていてもよい。これにより、配線部材31が軸側プロテクタ41及び軸受側プロテクタ46にかかる外力の影響を受けにくくなる。
【0051】
スライダ部54はドア側区間34に設けられている。スライダ部54は保護壁部52の外面から突出する。スライダ部54は保護壁部52の外面から柱状に突出する柱状部を有する。柱状部の外面に周溝が形成されている。スライダ部54と保護壁部52とは金型を用いて一体に成形されていてもよいし、保護壁部52とは別に成形されたスライダ部54が保護壁部52に後付けされていてもよい。
【0052】
スライダ部54として第1スライダ部54A及び第2スライダ部54Bが設けられている。第1スライダ部54A及び第2スライダ部54Bの間隔を一定に保つように、第1スライダ部54A及び第2スライダ部54Bはスライダ保持部によって連結されている。ここでは、スライダ保持部とみなすことができる。第1スライダ部54A及び第2スライダ部54Bが保護壁部52の外面においてドア側区間34の延在方向に沿って互いに離れた位置に設けられている。従って、保護壁部52はスライダ保持部とみなすことができる。スライダ保持部としての保護壁部52は、ドア側区間34のうち第1スライダ部54Aが設けられた部分から第2スライダ部54Bが設けられた部分までを覆って保護する。保護壁部52は第1スライダ部54Aが設けられた部分と第2スライダ部54Bが設けられた部分との間で、直線状に延びている。保護部51は第1スライダ部54Aが設けられた部分から第2スライダ部54Bが設けられた部分まで曲がりつつ延びてもよい。
【0053】
ガイド部品56には、スライダ部54をガイドするガイド溝58が形成されている。ガイド部品56はドアパネル13に沿って広がる板状のガイド本体57を有する。ガイド本体57にガイド溝58が形成されている。スライダ部54は、ガイド部品56におけるガイド溝58に沿って移動する。ガイド溝58の内周縁がスライダ部54の周溝に嵌る。ガイド溝58は、開閉用溝59と応力吸収用溝62とを有する。
【0054】
開閉用溝59は第1端部60及び第2端部61を有する。スライダ部54は、第1開状態において開閉用溝59の第1端部60に位置している。開閉用溝59は、第1開状態から閉状態に変わる時に、スライダ部54が開閉用溝59を第1端部60から第2端部61に向けて移動するように設けられている。第1端部60は第2端部61よりも車両前方に位置する。開状態において、第2端部61は第1端部60よりも車体用支持部品70から離れた位置にある。閉状態において、第1端部60は第2端部61よりも車体用支持部品70から離れた位置にある。開閉用溝59において、第2端部61は第1端部60よりも鉛直方向に沿って低い位置にある。
【0055】
応力吸収用溝62は第1端部60から開閉用溝59の延在方向と交差する方向に延びる。応力吸収用溝62は、第1開状態から第2開状態に変わる時に、スライダ部54が応力吸収用溝62に沿って移動するように設けられている。応力吸収用溝62において、第1端部60とは反対側の端部は第1端部60よりも鉛直方向に沿って低い位置にある。応力吸収用溝62は第1端部60から車両の前方かつ下方に延びる。応力吸収用溝62は開閉用溝59よりも短い。
【0056】
ガイド溝58は、第1スライダ部54Aをガイドする第1ガイド溝58Aと、第2スライダ部54Bをガイドする第2ガイド溝58Bとを有する。第1ガイド溝58Aは、開閉用溝59としての第1開閉用溝59Aと、応力吸収用溝62としての第1応力吸収用溝62Aとを有する。第2ガイド溝58Bは、開閉用溝59としての第2開閉用溝59Bと、応力吸収用溝62としての第2応力吸収用溝62Bとを有する。第1ガイド溝58Aは第2ガイド溝58Bよりも上方に位置する。
【0057】
第1開閉用溝59Aは第1端部60A及び第2端部61Aを有する。ここでは第1開閉用溝59Aは直線部のみで構成されている。第1開閉用溝59Aは第1端部60Aから第2端部61Bに向けて車両後方かつ下方に直線状に延びる。第1開閉用溝59Aは、第2開閉用溝59Bよりも短い。
【0058】
第2開閉用溝59Bは第1端部60B及び第2端部61Bを有する。第2開閉用溝59Bは曲線部59B1を含む。第2開閉用溝59Bは曲線部59B1と直線部59B2との組み合わせによって構成されている。第2開閉用溝59Bにおいて第1端部60B側が曲線部59B1であり、第2端部61B側が直線部59B2である。曲線部59B1の一端が第1端部60Bであり、直線部59B2の一端が第2端部61Bであり、曲線部59B1の他端と直線部59B2の他端とが連続している。
【0059】
曲線部59B1は、第1端部60Aを中心とする円弧状に延びる。ここでは曲線部59B1は、四半円弧(四分円の円弧)よりも短い。曲線部59B1は、四半円弧より長くてもよい。直線部59B2は曲線部59B1の他端から曲線部59B1の他端における接線方向に延びる。直線部59B2は曲線部59B1及び第1開閉用溝59Aのそれぞれよりも長い。直線部59B2の延びる方向と、第1開閉用溝59Aの延びる方向とは互いに交差する方向とされる。第1開閉用溝59Aは水平方向に対して直線部59B2よりも大きく傾いている。直線部59B2は第1端部60から車両後方に向けて水平方向と平行に直線状に延びる。曲線部59B1と直線部59B2との連結部分は、第1端部60Aの真下に位置する。曲線部59B1は、曲線部59B1と直線部59B2との連結部分から第1端部60Aよりも車両前方に向けて延びる。直線部59B2は、曲線部59B1と直線部59B2との連結部分から第1端部60Aよりも車両後方に向けて延びる。第1端部60Bは第1端部60Aよりも車両前方に位置し、第2端部61Bは第1端部60Aよりも車両後方に位置する。
【0060】
第1応力吸収用溝62Aと第2応力吸収用溝62Bとが、一の直線に沿って延びるように設けられている。第1応力吸収用溝62Aを仮想的に車両下方に延長した仮想延長線上に、第2応力吸収用溝62Bが位置する。第1応力吸収用溝62Aと第2応力吸収用溝62Bとは同じ長さである。
【0061】
第1スライダ部54A及び第2スライダ部54Bは保護壁部52によって一定の間隔に保持されているため、図7に示すように、第1スライダ部54A及び第2スライダ部54Bは一定の間隔を保って連動する。当該間隔は、第1端部60Aと第1端部60Bとの間隔である。第1開状態において、第1スライダ部54Aは第1端部60Aに位置し、第2スライダ部54Bは第1端部60Bに位置する。第2端部61Aと第2端部61Bとの間隔も、第1端部60Aと第1端部60Bとの間隔と同じである。
【0062】
第1スライダ部54Aの位置と、第2スライダ部54Bの位置とによって、軸受側プロテクタ46の姿勢が決まり、軸受側プロテクタ46の姿勢によって、軸側プロテクタ41及びコルゲートチューブ32の端部の姿勢が決まる。軸受側プロテクタ46は第1スライダ部54Aの位置と第2スライダ部54Bの位置とを結ぶ方向に延びる。軸側プロテクタ41を介して軸受側プロテクタ46に支持されるコルゲートチューブ32の端部は、軸受側プロテクタ46の延びる方向に延びる。
【0063】
付勢部64は、スライダ部54を応力吸収用溝62の延在方向に沿って開閉用溝59に向けて付勢する。ここでは付勢部64は、スライダ部54を開閉用溝59の延在方向に沿って第1端部60に向けて付勢している。付勢部64は、開閉用溝59の延在方向と、応力吸収用溝62の延在方向との間の方向にスライダ部54を付勢している。付勢部64は、例えば、コイルバネ、ぜんまいバネ、又は、定荷重バネなどのバネであってもよい。スライダ部54には付勢部64の一端を支持する付勢部支持部65が設けられる。付勢部64の他端は例えばガイド本体57などに支持される。
【0064】
ここでは付勢部64は、第1スライダ部54Aに連結される。付勢部64は、第1スライダ部54Aを鉛直方向に沿って上方に付勢している。これにより、第1スライダ部54Aは、第1応力吸収用溝62Aの延在方向に沿って第1開閉用溝59Aに向けて付勢されると共に、第1開閉用溝59Aの延在方向に沿って第1端部60に向けて付勢されている。
【0065】
車体用支持部品70は、車体側区間33のうち遊動区間35の隣の位置において車体側区間33を車体10に支持する。車体用支持部品70は、チューブ保持部71を有する。チューブ保持部71はコルゲートチューブ32を延在方向に沿って一定位置に支持する。チューブ保持部71はコルゲートチューブ32を中心軸CA回りに回転可能に支持していてもよいし、回転不能に支持していてもよい。車体用支持部品70は、車体10に一定位置に取付けられている。これにより、コルゲートチューブ32の車体10側端部が車体10に一定位置に保持される。車体用支持部品70は、車体10に回転不能に支持されている。これにより、コルゲートチューブ32の車体10側端部が車体用支持部品70から延び出る向きは、一定の向きに保持される。車体用支持部品70は、コルゲートチューブ32の端部の延び出る向きを変更するための首振り動作を可能にするため、車体10に回転可能に支持されていてもよい。
【0066】
コルゲートチューブ32の一端部及び他端部のそれぞれにおいて、それぞれ数周期分の大径筒部及び小径筒部がチューブ保持部43、71に保持されている。このため、コルゲートチューブ32の一端部及び他端部のそれぞれにおいて、チューブ保持部43、71によってコルゲートチューブ32の曲げが規制される。
【0067】
配線部材31の一端の車体側コネクタ37は、車体側機器に接続されることによって、車体10に位置決め固定される。車体用支持部品70のチューブ保持部71はコルゲートチューブ32を延在方向に沿って位置決め固定する。配線部材31はコルゲートチューブ32に固定されていないため、チューブ保持部71に位置決め固定されない。車体側コネクタ37とチューブ保持部71との間にも、配線部材31を車体10へ位置決め固定する固定部が設けられていてもよい。
【0068】
配線部材31の他端のドア側コネクタ38は、ドア側機器に接続されることによって、スライドドア12に位置決め固定される。配線部材31のうち軸側プロテクタ41及び軸受側プロテクタ46を通る部分は、プロテクタ41、46に対して遊動可能であり、スライドドア12に対して移動するため、スライドドア12に対して位置決め固定はされない。ドア側コネクタ38と軸受側プロテクタ46との間にも、配線部材31をスライドドア12へ位置決め固定する固定部が設けられていてもよい。
【0069】
<スライダ部の動作及び遊動区間の変形について>
スライダ部54の動作及び遊動区間35の変形について、より具体的に説明する。
【0070】
スライドドア12の開閉動作によって第1開状態と閉状態との間で状態変更する際、第1スライダ部54Aは第1開閉用溝59Aに沿って移動し、第2スライダ部54Bは第2開閉用溝59Bに沿って移動する。第2スライダ部54Bが第1端部60Bから第2端部61Bに向けて曲線部59B1を移動するとき、第2スライダ部54Bが直線部59B2に達するまで、第1スライダ部54Aは第1端部60Aにとどまったままとされる。第2スライダ部54Bが直線部59B2を移動するとき、第1スライダ部54Aが第1開閉用溝59Aを移動する。より具体的には、図7において、第2スライダ部54Bが矢符OC2Aの向きに沿って曲線部59B1を移動する際、第1スライダ部54Aは第1端部60Aにとどまって回転する。図7において、第2スライダ部54Bが矢符OC2Bの向きに沿って直線部59B2を移動する際、第1スライダ部54Aは矢符OC1の向きに沿って第1開閉用溝59Aを移動する。この際、回転運動も加わることによって、第1スライダ部54Aが第1開閉用溝59Aに沿って移動する距離が、第2スライダ部54Bが直線部59B2に沿って移動する距離よりも短くなる。
【0071】
第1開状態において、スライドドア12の大部分は乗降用開口部11よりも車両後方に位置し、これに伴い、軸側プロテクタ41は車体用支持部品70よりも車両後方に位置する。このとき軸受側プロテクタ46は、第1端部60A及び第1端部60Bを結ぶ方向に延び、コルゲートチューブ32が軸側プロテクタ41から車両の前方かつ下方に向けて延び出る。
【0072】
閉状態において、スライドドア12は乗降用開口部11を塞いでおり、これに伴い、軸側プロテクタ41は車体用支持部品70よりも車両前方に位置する。このとき軸受側プロテクタ46は、第2端部61A近傍に位置する第1スライダ部54Aと、第2端部61B近傍に位置する第2スライダ部54Bとを結ぶ方向に延び、コルゲートチューブ32が軸側プロテクタ41から車両の後方かつ下方に向けて延び出る。
【0073】
閉状態において、第1スライダ部54A及び第2スライダ部54Bがそれぞれ直線状の溝部に位置する。これにより、閉状態において、第1スライダ部54Aを第1端部60Aに向けて付勢したときに、第1スライダ部54A及び第2スライダ部54Bが第1端部60A及び第1端部60Bに向けて移動しやすい。ここで、閉状態において、遊動区間35にたるみが生じうる。この場合でも、第1スライダ部54A及び第2スライダ部54Bが第1端部60A及び第1端部60Bに向けて移動することによって、遊動区間35が、適度に張力がかかった状態となりやすくなり、遊動区間35にたるみが生じにくい。これにより、閉状態において遊動区間35のうちドアトリム14から外に延び出た部分が、車両の室内空間に露出しにくい。
【0074】
露出区間36に踏まれ荷重Fがかかったり、踏まれ荷重Fが解消されたりして、第1開状態と第2開状態との間で状態変更する際、第1スライダ部54Aは第1応力吸収用溝62Aに沿って移動し、第2スライダ部54Bは第2応力吸収用溝62Bに沿って移動する。第1スライダ部54Aが第1応力吸収用溝62Aに沿って移動する距離と、第2スライダ部54Bが第2応力吸収用溝62Bに沿って移動する距離とは同じである。より具体的には、図7において、第2スライダ部54Bが矢符SL2の向きに沿って第2応力吸収用溝62Bを移動する際、第1スライダ部54Aは矢符SL1の向きに沿って第1応力吸収用溝62Aを移動する。
【0075】
例えば、露出区間36は車両の剛性部品(支持アーム15又は車両のステップ部分など)の上方に位置する。例えば、応力吸収用溝62の長さは、踏まれ荷重Fがかかった露出区間36が、剛性部品まで移動可能に設定されると良い。踏まれ荷重Fがかかった露出区間36が剛性部品に達した後は、剛性部品が露出区間36を下から支持することで、踏まれ荷重Fがワイヤハーネス30の張力として作用しにくくなる。剛性部品があることで、踏まれ荷重Fがかかった露出区間36がステップより下に行くことを抑制する。
【0076】
応力吸収用溝62の長さは、露出区間36に外装されるコルゲートチューブ32の伸び変形も考慮されてもよい。コルゲートチューブ32の伸び変形の分、応力吸収用溝62の長さを短くできる。
【0077】
第2開状態において、第1スライダ部54A及び第2スライダ部54Bがそれぞれ直線状の溝部に位置する。これにより、第2開状態において、踏まれ荷重Fが解消されて第1スライダ部54Aを第1端部60Aに向けて付勢したときに、第1スライダ部54A及び第2スライダ部54Bが第1端部60A及び第1端部60Bに向けて移動しやすい。このため、踏まれ荷重Fが解消されたときに、第1スライダ部54A及び第2スライダ部54Bが付勢部64の付勢力によって第1端部60A及び第1端部60Bに戻りやすい。
【0078】
第1応力吸収用溝62Aの延在方向と鉛直方向とのなす角は、第1開閉用溝59Aの延在方向と鉛直方向とのなす角よりも小さい。このため、第1スライダ部54Aが第1端部60から第1応力吸収用溝62A及び第1開閉用溝59Aに沿って互いに同じ距離移動した場合の付勢部64の付勢力は、第1応力吸収用溝62Aを移動したときの方が大きくなる。
【0079】
配線部材31は、コルゲートチューブ32及びプロテクタ41、46には固定されず、コルゲートチューブ32及びプロテクタ41、46に対して延在方向に沿って遊動可能である。上記状態変更時にコルゲートチューブ32及びプロテクタ41、46がまず姿勢変更をして、配線部材31はコルゲートチューブ32及びプロテクタ41、46に押されてコルゲートチューブ32及びプロテクタ41、46に追従するように姿勢変更する。この際、コルゲートチューブ32及びプロテクタ41、46が配線部材31を押す部分は適宜変わる。この場合でも、コルゲートチューブ32及びプロテクタ41、46に対して配線部材31が延在方向に遊動することによって、配線部材31のうちコルゲートチューブ32及びプロテクタ41、46に押された部分の張力が大きくなりすぎることを抑制できる。
【0080】
<効果等>
以上のように構成されたドア用支持部品40及びこれを備えるワイヤハーネスの配索構造20によると、コルゲートチューブ32に中心軸CA回りのトルクがかかった際、当該トルクを受けてコルゲートチューブ32が軸側プロテクタ41を介して軸受側プロテクタ46に対して中心軸CA回りに回転することによって、当該トルクを吸収可能である。また、軸部44及び軸受部47のそれぞれが円筒状の周面を有するため、球状の部材によって支持する場合と比べてドア用支持部品40の構成を簡略化でき、ドア用支持部品40を小さくできる。また、コルゲートチューブ32にかかるトルクがドア用支持部品40によって吸収されることにより、車体用支持部品70の構成を簡略化でき、車体用支持部品70も小さくできる。
【0081】
また、コルゲートチューブ32が軸側プロテクタ41のチューブ保持部43を覆っている。これにより、チューブ保持部43の外周にコルゲートチューブ32を取り付けることができる。
【0082】
また、チューブ保持部43はコルゲートチューブ32の凹凸に応じた凹凸形状を有し、軸部44はチューブ保持部43よりも中心軸CAの径方向に沿って張出すフランジ45を有し、軸受部47にはフランジ45が嵌る環状凹部49が形成されている。これにより、軸側プロテクタ41及び軸受側プロテクタ46を簡易な形状としつつ、軸受側プロテクタ46に対して軸側プロテクタ41をスムーズに回転させることができる。
【0083】
また、軸受側プロテクタ46は、軸受部47に対してワイヤハーネス30の延在方向に沿って遊動区間35とは反対側に連続し、ワイヤハーネス30(ここではドア側区間34)を覆う保護部51を有する。これにより、軸受側プロテクタ46によって、ワイヤハーネス30のドア側区間34を保護することができる。
【0084】
また、配線部材31は、コルゲートチューブ32に対して延在方向に沿って遊動可能に挿通されている。これにより、コルゲートチューブ32及び軸側プロテクタ41が軸受側プロテクタ46に対して回転してコルゲートチューブ32がねじれる際、コルゲートチューブ32内部の配線部材31はねじれにくい。
【0085】
また、可動体はスライドドア12である。これにより、スライドドア12の開閉時にコルゲートチューブ32にかかるトルクを吸収することができる。
【0086】
また、ドア用支持部品40は、ガイド溝58が形成されたガイド部品56を含み、軸受側プロテクタ46は、スライドドア12の開閉に伴ってガイド溝58に沿ってスライド可能にガイド部品56に支持されるスライダ部54を有する。これにより、スライドドア12の開閉時に、コルゲートチューブ32のうち軸側プロテクタ41に取付けられる部分が軸受側プロテクタ46及び軸側プロテクタ41と共にガイド溝58に沿ってスライドする。このように、コルゲートチューブ32が軸受側プロテクタ46及び軸側プロテクタ41と共にスライドドア12に対してスライドしつつ、コルゲートチューブ32にトルクがかかる場合でも、スライドドア12の開閉時にコルゲートチューブ32にかかるトルクを吸収することができる。
【0087】
[付記]
図8は軸側プロテクタ41及び軸受側プロテクタ46の変形例を示す図である。
【0088】
変形例に係る軸側プロテクタ141は、ワイヤハーネス30が通る部分が軸心方向に沿って分割された形状を有する第1分割部品141X及び第2分割部品141Yが合体した部品である。同様に、変形例に係る軸受側プロテクタ146は、ワイヤハーネス30が通る部分が軸心方向に沿って分割された形状を有する第1分割部品146X及び第2分割部品146Yが合体した部品である。これにより、ワイヤハーネス30及びコルゲートチューブ32に対する軸側プロテクタ141及び軸受側プロテクタ146の後付けが容易となる。第1分割部品141X、146X及び第2分割部品141Y、146Yは半分ずつに分割された形状であってもよいし、それ以外の割合で分割された形状であってもよい。
【0089】
軸受側プロテクタ146の分割部品146X、146Yにおいて、軸受部47となる部分はリブを有する。リブに凹部が形成されている。2つの分割部品146X、146Yのリブ及び凹部が合わさって、上記規制壁部48及び挿通孔50とされる。ここでは、軸受側プロテクタ146の保護部51は、リブのうち凹部周縁ではなく外縁から延びる。軸側プロテクタ141の回転時に配線部材31のうち軸側プロテクタ141から延び出た部分は挿通孔50の周縁部によって保持される。
【0090】
第1分割部品141X、146Xと第2分割部品141Y、146Yとの固定部は、ねじ止めなどである。第1分割部品141X、146Xと第2分割部品141Y、146Yとの固定部は、コルゲートチューブ32のトルクなどがかかっても軸部44及び軸受部47の円筒形状が崩れない剛性を有する。
【0091】
また本変形例では、軸側プロテクタ141のチューブ保持部143がコルゲートチューブ32を覆っている。これにより、コルゲートチューブ32の外周にチューブ保持部143を取り付けることができる。分割部品141X、141Yにおけるチューブ保持部143は、筒状本体42となる部分の内面に張り出す凸部を有する。2つの分割部品141X、141Yの凸部が合わさって環状凸部となり、小径筒部の外側に嵌る。
【0092】
軸受側プロテクタ146において、スライダ部54は、分割されずに、第1分割部品146X及び第2分割部品146Yのいずれか一方に設けられてもよい。分割されたスライダ部54が第1分割部品146X及び第2分割部品146Yのそれぞれに設けられてもよい。
【0093】
図9はワイヤハーネスの配索構造20の変形例を示す概略平面図である。
【0094】
変形例に係るワイヤハーネスの配索構造220において、可動体は乗員が着座するシート17である。シート17は骨格18Aとクッション18Bとを有する。シート17はフロアに敷設されたスライドレール19に対してスライド可能に支持される。シート17のスライド方向は、一般的には、車両前後方向であるが、これ以外の方向であってもよい。車体用支持部品70は、フロアに支持される。ワイヤハーネスの配索構造220において、ワイヤハーネス230は車体側機器とシート側機器とを接続する。ワイヤハーネス230はシート側コネクタ238を有する。ワイヤハーネス230における遊動区間35は、フロアとシート17との間を延びる。
【0095】
本変形例において、可動体用支持部品は、シート用支持部品240である。シート用支持部品240は、上記ドア用支持部品40と同様に上記軸側プロテクタ41と軸受側プロテクタ246とを含む。軸受側プロテクタ246は、例えば、上記軸受側プロテクタ46からスライダ部54が省略される代わりに、シート17に支持される部分を含むように構成されていてもよい。軸受側プロテクタ246は、例えば、シート17の骨格18Aに支持されてもよい。また、シート用支持部品240は、上記ドア用支持部品40におけるガイド部品56及び付勢部64等は含んでいない。シート用支持部品240は、ガイド部品56及び付勢部64等を含んでいてもよい。
【0096】
シート17がスライドレール19に沿って移動する際、遊動区間35が移動及び姿勢変更し、コルゲートチューブ32にトルクがかかり得る。コルゲートチューブ32が軸側プロテクタ41を介して軸受側プロテクタ246に対して中心軸回りに回転することによって、トルクを吸収できる。これにより、シート17のスライド時にコルゲートチューブ32にかかるトルクを吸収することができる。
【0097】
このほか、これまで、可動体側支持部品が軸側プロテクタ及び軸受側プロテクタを含むものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。車体用支持部品が軸側プロテクタ及び軸受側プロテクタを含むように構成されていてもよい。この場合、可動体側支持部品は、軸側プロテクタ及び軸受側プロテクタを含んでもよいし、含んでいなくてもよい。つまり、車体用支持部品と可動体側支持部品とのいずれか一方のみが軸側プロテクタ及び軸受側プロテクタを含むように構成されてもよいし、車体用支持部品と可動体側支持部品と両方が軸側プロテクタ及び軸受側プロテクタを含むように構成されてもよい。
【0098】
また、軸受側プロテクタの軸受部がスライドレールに沿って動くスライダに設けられていてもよい。
【0099】
なお、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0100】
10 車体
11 乗降用開口部
12 スライドドア(可動体)
13 ドアパネル
14 ドアトリム
15 支持アーム
16 ウェザーストリップ
17 シート(可動体)
18A 骨格
18B クッション
19 スライドレール
20、220 配索構造
30、230 ワイヤハーネス
31 配線部材
32 コルゲートチューブ
33 車体側区間
34 ドア側区間(可動体側区間)
35 遊動区間
36 露出区間
37 車体側コネクタ
38 ドア側コネクタ
40 ドア用支持部品(可動体用支持部品)
41、141 軸側プロテクタ
42 筒状本体
43 チューブ保持部
44 軸部
45 フランジ
46、146、246 軸受側プロテクタ
47 軸受部
48 規制壁部
49 環状凹部
50 挿通孔
51 保護部
52 保護壁部
54 スライダ部
54A 第1スライダ部
54B 第2スライダ部
56 ガイド部品
57 ガイド本体
58 ガイド溝
58A 第1ガイド溝
58B 第2ガイド溝
59 開閉用溝
59A 第1開閉用溝
59B 第2開閉用溝
59B1 曲線部
59B2 直線部
60、60A、60B 第1端部
61、61A、61B 第2端部
62 応力吸収用溝
62A 第1応力吸収用溝
62B 第2応力吸収用溝
64 付勢部
65 付勢部支持部
70 車体用支持部品
71 チューブ保持部
141X、146X 第1分割部品
141Y、146Y 第2分割部品
238 シート側コネクタ
240 シート用支持部品(可動体用支持部品)
246 軸受側プロテクタ
F 踏まれ荷重
CA 中心軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9