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特開2024-84212ワイヤハーネスの配索構造及びワイヤハーネス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084212
(43)【公開日】2024-06-25
(54)【発明の名称】ワイヤハーネスの配索構造及びワイヤハーネス
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/30 20060101AFI20240618BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20240618BHJP
   B60N 2/90 20180101ALI20240618BHJP
【FI】
H02G3/30
B60R16/02 620Z
B60N2/90
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022198358
(22)【出願日】2022-12-13
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100117662
【弁理士】
【氏名又は名称】竹下 明男
(74)【代理人】
【識別番号】100103229
【弁理士】
【氏名又は名称】福市 朋弘
(72)【発明者】
【氏名】福嶋 大地
(72)【発明者】
【氏名】山本 泰行
(72)【発明者】
【氏名】各務 凌平
【テーマコード(参考)】
3B087
5G363
【Fターム(参考)】
3B087BD09
5G363AA16
5G363BA02
5G363DA13
5G363DA15
5G363DA16
5G363DC02
(57)【要約】
【課題】板状の配索対象部材の両面にワイヤハーネスを簡易に配索できるようにすることを目的とする。
【解決手段】ワイヤハーネスの配索構造20は、第1面15及び第2面16を含む板状の配索対象部材14に対するワイヤハーネスの配索構造20であって、ベース32と、前記ベース32に配索される配線部材40とを含むワイヤハーネス30と、前記配索対象部材14に前記ベース32を固定する固定部60と、を備える。前記ベース32は、前記第1面15を覆う第1面状部分33と、前記第2面16を覆う第2面状部分34と、前記配索対象部材14の一方側方において前記第1面状部分33と前記第2面状部分34とを互いに曲げ可能に連結する連結部分35とを含み、前記配線部材40は、前記第1面状部分33に保持される第1配線部材41と、前記第2面状部分34に保持される第2配線部材42とを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面及び第2面を含む板状の配索対象部材に対するワイヤハーネスの配索構造であって、
ベースと、前記ベースに配索される配線部材とを含むワイヤハーネスと、
前記配索対象部材に前記ベースを固定する固定部と、
を備え、
前記ベースは、前記第1面を覆う第1面状部分と、前記第2面を覆う第2面状部分と、前記配索対象部材の一方側方において前記第1面状部分と前記第2面状部分とを互いに曲げ可能に連結する連結部分とを含み、
前記配線部材は、前記第1面状部分に保持される第1配線部材と、前記第2面状部分に保持される第2配線部材とを含む、ワイヤハーネスの配索構造。
【請求項2】
請求項1に記載のワイヤハーネスの配索構造であって、
前記第1面状部分と前記第2面状部分との両方は、前記連結部分よりも曲げ困難な剛性を有する、ワイヤハーネスの配索構造。
【請求項3】
請求項2に記載のワイヤハーネスの配索構造であって、
前記ベースは、前記第1面状部分から前記第2面状部分まで一枚の剛性板材であり、
前記連結部分は、前記第1面状部分及び前記第2面状部分よりも曲げ容易なヒンジ形状に形成されている、ワイヤハーネスの配索構造。
【請求項4】
請求項1に記載のワイヤハーネスの配索構造であって、
前記第1面状部分と前記第2面状部分のいずれか一方は、前記連結部分よりも曲げ困難な剛性を有する、ワイヤハーネスの配索構造。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のワイヤハーネスの配索構造であって、
前記固定部は、前記第1面状部分及び前記第2面状部分のそれぞれを前記配索対象部材に固定する、ワイヤハーネスの配索構造。
【請求項6】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のワイヤハーネスの配索構造であって、
前記固定部は、前記連結部分とは反対側において、前記第1面状部分と前記第2面状部分とを固定する、ワイヤハーネスの配索構造。
【請求項7】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のワイヤハーネスの配索構造であって、
前記第1配線部材は、前記ベースを通過するように延び、
前記第2配線部材の端部は、前記ベース上に位置する、ワイヤハーネスの配索構造。
【請求項8】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のワイヤハーネスの配索構造であって、
前記ワイヤハーネスは、幹線部から前記第1配線部材と前記第2配線部材とに分岐する分岐部を有し、
前記ベースと前記分岐部との間隔は、前記第1面状部分上を延びる前記第1配線部材の長さよりも短い、ワイヤハーネスの配索構造。
【請求項9】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のワイヤハーネスの配索構造であって、
前記配索対象部材は、車両の座席の骨格の一部である、ワイヤハーネスの配索構造。
【請求項10】
第1面及び第2面を含む板状の配索対象部材に配索されるワイヤハーネスであって、
前記第1面を覆う第1面状部分と、前記第2面を覆う第2面状部分と、前記第1面状部分と前記第2面状部分とを互いに曲げ可能に連結する連結部分とを含むベースと、
前記第1面状部分に保持される第1配線部材と、前記第2面状部分に保持される第2配線部材とを含む配線部材と、
を備える、ワイヤハーネス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ワイヤハーネスの配索構造及びワイヤハーネスに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、電動シートへのワイヤハーネスの配索方法を開示している。かかる配索方法は、電動シートに搭載される電装品を基板に予め実装し、電装品にワイヤハーネスを電気的に接続すると共にワイヤハーネスを基板に予め配索し、そしてワイヤハーネスが配索された基板を電動シートに装着すること、を特徴としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-18106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
座席の骨格などの板状の配索対象部材の両面にワイヤハーネスを簡易に配索することが望まれている。
【0005】
そこで、板状の配索対象部材の両面にワイヤハーネスを簡易に配索できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のワイヤハーネスの配索構造は、第1面及び第2面を含む板状の配索対象部材に対するワイヤハーネスの配索構造であって、ベースと、前記ベースに配索される配線部材とを含むワイヤハーネスと、前記配索対象部材に前記ベースを固定する固定部と、を備え、前記ベースは、前記第1面を覆う第1面状部分と、前記第2面を覆う第2面状部分と、前記配索対象部材の一方側方において前記第1面状部分と前記第2面状部分とを互いに曲げ可能に連結する連結部分とを含み、前記配線部材は、前記第1面状部分に保持される第1配線部材と、前記第2面状部分に保持される第2配線部材とを含む、ワイヤハーネスの配索構造である。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、板状の配索対象部材の両面にワイヤハーネスを簡易に配索できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は実施形態1にかかるワイヤハーネスの配索構造を示す概略平面図である。
図2図2は実施形態1にかかるワイヤハーネスの配索構造を示す概略斜視図である。
図3図3はワイヤハーネスを配索対象部材に取付ける様子を示す説明図である。
図4図4はワイヤハーネスを配索対象部材に取付ける様子を示す説明図である。
図5図5はワイヤハーネスの変形例を示す側面図である。
図6図6は固定部の第1変形例を示す側面図である。
図7図7は固定部の第2変形例を示す側面図である。
図8図8は固定部の第3変形例を示す側面図である。
図9図9は配線部材の保持部の第1変形例を示す側面図である。
図10図10は配線部材の保持部の第2変形例を示す側面図である。
図11図11は配線部材の保持部の第3変形例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
【0010】
本開示のワイヤハーネスの配索構造は、次の通りである。
【0011】
(1)第1面及び第2面を含む板状の配索対象部材に対するワイヤハーネスの配索構造であって、ベースと、前記ベースに配索される配線部材とを含むワイヤハーネスと、前記配索対象部材に前記ベースを固定する固定部と、を備え、前記ベースは、前記第1面を覆う第1面状部分と、前記第2面を覆う第2面状部分と、前記配索対象部材の一方側方において前記第1面状部分と前記第2面状部分とを互いに曲げ可能に連結する連結部分とを含み、前記配線部材は、前記第1面状部分に保持される第1配線部材と、前記第2面状部分に保持される第2配線部材とを含む、ワイヤハーネスの配索構造である。
【0012】
(1)のワイヤハーネスの配索構造によると、第1配線部材及び第2配線部材が配索されたベースを板状の配索対象部材に取付けることによって、板状の配索対象部材の両面にワイヤハーネスを簡易に配索できる。ベースが連結部分を含むため、第1面状部分と第2面状部分とが曲らないように連結される場合と比べて、第1面状部分への第1配線部材の配索と、第1面状部分への第2配線部材の配索とが容易となる。
【0013】
(2)(1)のワイヤハーネスの配索構造において、前記第1面状部分と前記第2面状部分との両方は、前記連結部分よりも曲げ困難な剛性を有してもよい。これにより、第1面状部分及び第2面状部分の両方が、剛性の高い部材となり、板状の配索対象部材に対して対向配置させることが容易となる。
【0014】
(3)(2)のワイヤハーネスの配索構造において、前記ベースは、前記第1面状部分から前記第2面状部分まで一枚の剛性板材であり、前記連結部分は、前記第1面状部分及び前記第2面状部分よりも曲げ容易なヒンジ形状に形成されていてもよい。これにより、ベースの部品点数の増加を抑制できる。
【0015】
(4)(1)のワイヤハーネスの配索構造において、前記第1面状部分と前記第2面状部分のいずれか一方は、前記連結部分よりも曲げ困難な剛性を有してもよい。これにより、第1面状部分及び第2面状部分のいずれか一方が、剛性の高い部材となり、配索対象部材に対して対向配置させることが容易となる。
【0016】
(5)(1)から(4)のいずれか1つのワイヤハーネスの配索構造において、前記固定部は、前記第1面状部分及び前記第2面状部分のそれぞれを前記配索対象部材に固定してもよい。これにより、第1面状部分及び第2面状部分のそれぞれを配索対象部材にしっかりと固定できる。
【0017】
(6)(1)から(4)のいずれか1つのワイヤハーネスの配索構造において、前記固定部は、前記連結部分とは反対側において、前記第1面状部分と前記第2面状部分とを固定してもよい。これにより、ベースが配索対象部材を囲った状態に維持されることによって、ベースが配索対象部材に固定される。
【0018】
(7)(1)から(6)のいずれか1つのワイヤハーネスの配索構造において、前記第1配線部材は、前記ベースを通過するように延び、前記第2配線部材の端部は、前記ベース上に位置してもよい。これにより、配索対象部材を通過する第1配線部材と、配索対象部材の位置で機器等に接続される第2配線部材とを分けて配索対象部材に配索することが容易となる。
【0019】
(8)(1)から(7)のいずれか1つのワイヤハーネスの配索構造において、前記ワイヤハーネスは、幹線部から前記第1配線部材と前記第2配線部材とに分岐する分岐部を有し、前記ベースと前記分岐部との間隔は、前記第1面状部分上を延びる前記第1配線部材の長さよりも短くてもよい。これにより、第1配線部材と第2配線部材との分岐部をベースの近くに位置決めしやすい。
【0020】
(9)(1)から(8)のいずれか1つのワイヤハーネスの配索構造において、前記配索対象部材は、車両の座席の骨格の一部であってもよい。これにより、車両の座席にワイヤハーネスを簡易に配索することができる。
【0021】
(10)また、本開示のワイヤハーネスは、第1面及び第2面を含む板状の配索対象部材に配索されるワイヤハーネスであって、前記第1面を覆う第1面状部分と、前記第2面を覆う第2面状部分と、前記第1面状部分と前記第2面状部分とを互いに曲げ可能に連結する連結部分とを含むベースと、前記第1面状部分に保持される第1配線部材と、前記第2面状部分に保持される第2配線部材とを含む配線部材と、を備える、ワイヤハーネスである。
【0022】
(10)のワイヤハーネスによると、第1配線部材及び第2配線部材が配索されたベースを板状の配索対象部材に取付けることによって、板状の配索対象部材の両面にワイヤハーネスを簡易に配索できる。ベースが連結部分を含むため、第1面状部分と第2面状部分とが曲らないように連結される場合と比べて、第1面状部分への第1配線部材の配索と、第1面状部分への第2配線部材の配索とが容易となる。
【0023】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示のワイヤハーネスの配索構造の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0024】
[実施形態1]
以下、実施形態1にかかるワイヤハーネスの配索構造について説明する。図1は実施形態1にかかるワイヤハーネスの配索構造20を示す概略平面図である。図2は実施形態1にかかるワイヤハーネスの配索構造20を示す概略斜視図である。図3及び図4はワイヤハーネス30を配索対象部材14に取付ける様子を示す説明図である。なお、図3では第1面状部分33が第2面状部分34よりも先に配索対象部材14に取付けられる場合が想定され、図3には曲げられる前のワイヤハーネス30の正面図が示されている。図4では第2面状部分34が第1面状部分33よりも先に配索対象部材14に取付けられる場合が想定され、図4には曲げられる前のワイヤハーネス30の背面図が示されている。各図に示される前後方向(FRONT,REAR)、左右方向(LEFT,RIGHT)、及び上下方向(UP,LOW)は、車両における前後方向、左右方向、及び上下方向に対応する。
【0025】
ワイヤハーネスの配索構造20は、第1面15及び第2面16を含む板状の配索対象部材14に対して、第1面15及び第2面16の両面に配線部材40を配索するものである。まず、配索対象部材14について、説明する。
【0026】
ここでは配索対象部材14は車両の座席10の骨格11の一部であることが想定されている。座席10は、骨格11とクッション部18とを含む。骨格11は、クッション部18のうち座面となる部分を支持する下部フレーム12と、クッション部18のうち背もたれとなる部分を支持する上部フレーム13と、を含む。下部フレーム12は、フロアに支持される。下部フレーム12は、スライドレールを介してフロアに対してスライド可能に支持されてもよいし、スライド不可に支持されてもよい。例えば、上部フレーム13は、左フレーム部分13L、右フレーム部分13R及び連結フレーム部分14を有する。左フレーム部分13L及び右フレーム部分13Rは、座席10の左右両側において下部フレーム12から背もたれ部分の高さ方向に延びる。連結フレーム部分14は、下部フレーム12に近い位置において左フレーム部分13Lと右フレーム部分13Rとを連結するように左右方向に延びる。ここでは、当該連結フレーム部分14が配索対象部材14である。
【0027】
配索対象部材14は、例えば、矩形状を有する板状の部材である。配索対象部材14の主面は、左右方向と、背もたれ部分の高さ方向とに広がる。背もたれ部分の高さ方向は、座面部分からの背もたれ部分の延在方向である。なお、背もたれ部分は、座面部分に対して回転し得る。背もたれ部分の高さ方向は、上下方向に対して傾斜していてもよい。背もたれ部分の前面及び後面を結ぶ方向が配索対象部材14の厚み方向である。配索対象部材14において、背もたれ部分の前面側に位置する面が第1面15であり、背もたれ部分の後面側に位置する面が第2面16である。配索対象部材14は、長方形状に形成されている。配索対象部材14の長辺は左右方向に延び、短辺は背もたれ部分の高さ方向に延びる。
【0028】
ここでは、配索対象部材14は、金属製の剛性部材である。配索対象部材14は、樹脂製であってもよい。配索対象部材14には第1面15から第2面16に至る貫通孔17が形成されている。第1面15及び第2面16は、貫通孔17が形成された部分を除き平坦な面であってもよい。第1面15及び第2面16には、配索対象部材14の剛性を高めるためなどに凹凸形状部分が設けられていてもよい。凹凸形状部分は、リブであってもよいし、板材が厚み方向に曲げ加工された部分であってもよい。
【0029】
なお、配索対象部材14は、上記したものに限られない。配索対象部材14は、車両に配置されて、両面に配線部材が配索される板状の部材であればよい。また配索対象部材14の一方側方には、後述するベース32の連結部分35を配置可能なスペースがあると良い。
【0030】
ワイヤハーネスの配索構造20は、ワイヤハーネス30と、固定部60とを備える。ワイヤハーネス30は、ベース32と、ベース32に配索される配線部材40とを含む。固定部60は、ワイヤハーネス30を配索対象部材14に固定する。
【0031】
ベース32は、第1面15を覆う第1面状部分33と、第2面16を覆う第2面状部分34と、第1面状部分33と第2面状部分34とを連結する連結部分35とを含む。第1面状部分33は配索対象部材14を向く第1内面33Aと、当該第1内面33Aの反対側の第1外面33Bとを有する。第2面状部分34は配索対象部材14を向く第2内面34Aと、当該第2内面34Aの反対側の第2外面34Bとを有する。第1内面33A及び第2外面34Bは、車両後方を向き、第1外面33B及び第2内面34Aは、車両前方を向く。連結部分35は配索対象部材14の一方側方において第1面状部分33と第2面状部分34とを互いに曲げ可能に連結する。ここでは、第1面状部分33と第2面状部分34との両方は、連結部分35よりも曲げ困難な剛性を有する。
【0032】
ここではベース32は、第1面状部分33から第2面状部分34まで一枚の剛性板材132Aである。第1面状部分33及び第2面状部分34は、剛性板材132Aの剛性により曲げ困難である。連結部分35は、第1面状部分33及び第2面状部分34よりも曲げ容易なヒンジ形状部36を有するように形成されている。ヒンジ形状部36は、剛性板材132Aの剛性を部分的に低下させる。例えば、剛性板材132Aにスリットを入れたり、剛性部材の一部を部分的に切り欠いたりして、形成されてもよい。または剛性板材132Aが予め部分的に薄肉部分を有するように成形され、当該薄肉部分がヒンジ形状部36とされてもよい。
【0033】
ここでは2本のヒンジ形状部36が設けられている。1本のヒンジ形状部36は第1面状部分33に連なり、もう1本のヒンジ形状部36は第2面状部分34に連なる。2本のヒンジ形状部36及びその間の部分が連結部とされる。ヒンジ形状部36は1本であってもよい。この場合、1本のヒンジ形状部36が連結部とされる。ヒンジ形状部36は3本以上であってもよい。
【0034】
ベース32は、樹脂又は金属製である。例えば、ベース32は、プラスチック段ボールのように中空構造を有する板材であってもよいし、中空構造を有しないソリッドな板材であってもよい。
【0035】
配線部材40は、座席10の機器に電力を供給したり、座席10の機器と車体の機器との間で信号を送ったりする。配線部材40は、電線又は光ファイバーケーブルなどの電気又は光を伝送する伝送部材である。配線部材40は、第1面状部分33に保持される第1配線部材41と、第2面状部分34に保持される第2配線部材42とを含む。
【0036】
第1配線部材41及び第2配線部材42のうち座席10側の端部には座席10の機器と接続される座席10側コネクタ等が設けられる。第1配線部材41及び第2配線部材42のうち車体側の端部には車体の機器と接続されるコネクタ等が設けられる。
【0037】
第1配線部材41は、ベース32を通過するように延びる。第1配線部材41は、ベース32の左右方向一方側において第1面状部分33の外から第1面状部分33上に向けて延び、他方側においてベース32の外に延び出る。図1に示すように、第1配線部材41の座席側コネクタである第1コネクタ43はベース32上には位置していない。第1面状部分33上における第1配線部材41の経路及び固定位置は特に限定されるものではなく、適宜設定可能である。第1配線部材41の端部はベース32上に位置してもよい。
【0038】
第2配線部材42の端部は、ベース32上に位置する。第2配線部材42は、ベース32の左右方向一方側において第2面状部分34の外から第2面状部分34上に向けて延びる。図1に示すように、第2配線部材42の座席側コネクタである第2コネクタ44はベース32上に位置する。第2コネクタ44は第2面状部分34に固定されていてもよいし、固定されていなくてもよい。ここでは、第2面状部分34は第1面状部分33よりも左右方向に短い。第2面状部分34のうち後述する分岐部46側とは反対側の左端が第1面状部分33の左端よりも、分岐部46側(右側)に位置する。第2面状部分34上における第2配線部材42の経路及び固定位置は特に限定されるものではなく、適宜設定可能である。第2配線部材42はベース32を通過するように延びていてもよい。
【0039】
ワイヤハーネス30は、幹線部45から第1配線部材41と第2配線部材42とに分岐する分岐部46を有する。幹線部45において、第1配線部材41と第2配線部材42とは外装部材によってまとめられている。例えば、外装部材は、粘着テープ47又は結束バンド50などの結束部材であってもよいし、保護チューブ又はプロテクタなどであってもよいし、シースなどであってもよい。
【0040】
分岐部46は、ベース32の近くに配置されてもよい。例えば、ベース32と分岐部46との間隔は、第1面状部分33上を延びる第1配線部材41の長さよりも短くてもよい。例えば、ベース32と分岐部46との間隔は、第2面状部分34上を延びる第2配線部材42の長さよりも短くてもよい。
【0041】
第1配線部材41は、第1外面33B上には配索されず、第1内面33A上に配索されている。第2配線部材42は、第2内面34A上には配索されず、第2外面34B上に配索されている。従って、ここでは第1配線部材41及び第2配線部材42のいずれか一方がベース32の内面に配索され、他方がベース32の外面に配索されている。第1配線部材41が、第1外面33B上に配索され、第2配線部材42は、第2内面34A上に配索されていてもよい。
【0042】
第1配線部材41及び第2配線部材42の両方がベース32の外面に配置されていてもよい。第1配線部材41及び第2配線部材42の両方がベース32の内面に配置されていてもよい。第1配線部材41は、第1内面33A及び第1外面33Bのいずれに配索されていてもよい。また、第1配線部材41は、第1内面33A及び第1外面33Bの両方に配索されていてもよい。第2配線部材42は、第2内面34A及び第2外面34Bのいずれに配索されていてもよい。また、第2配線部材42は、第2内面34A及び第2外面34Bの両方に配索されていてもよい。
【0043】
ベース32と配線部材40との保持構造は特に限定されるものではなく、適宜設定可能である。ここでは、配線部材40は結束バンド50によってベース32に保持されている。結束バンド50はバンド部51とバンド固定部52とを有する。ベース32には、1つの結束バンド50による保持部に対して一対のバンド挿通孔37が形成されている。一対のバンド挿通孔37の間に配線部材40が配置されている。バンド部51がベース32のうち一対のバンド挿通孔37の間の部分と、配線部材40とを巻いた状態で、バンド固定部52がバンド部51を固定している。なお、バンド固定部52は、ベース32の内面に位置していてもよいし、外面に位置していてもよい。
【0044】
固定部60は、ベース32を配索対象部材14に固定する。固定部60の構成は、ベース32を配索対象部材14に固定可能であれば特に限定されるものではなく、適宜設定可能である。固定部60の数及び位置は特に限定されるものではなく、適宜設定可能である。ここでは、固定部60は、第1面状部分33及び第2面状部分34のそれぞれを配索対象部材14に固定する。ここでは固定部60としてクリップ61が設けられている。クリップ61は、係止部62と柱部63と板部64とを有する。板部64の主面から柱部63が突出している。柱部63の先端から係止部62が板部64側に突出している。板部64がベース32の内面に配置されて、板部64とベース32とに結束バンド50が巻かれてクリップ61がベース32に固定されている。板部64がベース32の内面に接することで、柱部63がベース32の内面の法線方向に突出した状態が得られやすい。
【0045】
ベース32が剛性部材の場合、クリップ61はベース32と一体に成形されていてもよい。この場合、クリップ61の板部64は省略されて、柱部63及び係止部62がベース32から突出するように構成されていてもよい。
【0046】
<効果等>
以上のように構成されたワイヤハーネスの配索構造20によると、第1配線部材41及び第2配線部材42が配索されたベース32を板状の配索対象部材14に取付けることによって、板状の配索対象部材14の両面にワイヤハーネス30を簡易に配索できる。ベース32が連結部分35を含むため、第1面状部分33と第2面状部分34とが曲らないように連結される場合と比べて、第1面状部分33への第1配線部材41の配索と、第1面状部分33への第2配線部材42の配索とが容易となる。
【0047】
配索対象部材14へのワイヤハーネス30の固定手順は特に限定されるものではなく、適宜設定可能である。例えば、図3に示すように、ワイヤハーネス30における第1面状部分33が先に第1面15に固定された後に、第2面状部分34が第2面16に固定されてもよい。また例えば、図4に示すように、ワイヤハーネス30における第2面状部分34が先に第2面16に固定された後に、第1面状部分33が第1面15に固定されてもよい。連結部分35は、一方の面状部分が固定された後に曲げられてもよい。連結部分35が曲がった状態であって第1面状部分33及び第2面状部分34が配索対象部材14と対向した状態で、第1面状部分33及び第2面状部分34が配索対象部材14に固定されてもよい。
【0048】
また、第1面状部分33と前記第2面状部分34との両方は、連結部分35よりも曲げ困難な剛性を有する。これにより、第1面状部分33及び第2面状部分34の両方が、剛性の高い部材となり、板状の配索対象部材14に対して対向配置させることが容易となる。
【0049】
また、ベース32は、第1面状部分33から第2面状部分34まで一枚の剛性板材132Aであり、連結部分35は、第1面状部分33及び第2面状部分34よりも曲げ容易なヒンジ形状部36に形成されている。これにより、ベース32の部品点数の増加を抑制できる。
【0050】
また、固定部60は、第1面状部分33及び第2面状部分34のそれぞれを配索対象部材14に固定する。これにより、第1面状部分33及び第2面状部分34のそれぞれを配索対象部材14にしっかりと固定できる。
【0051】
また、第1配線部材41は、ベース32を通過するように延び、第2配線部材42の端部は、ベース32上に位置する。これにより、配索対象部材14を通過する第1配線部材41と、配索対象部材14の位置で機器等に接続される第2配線部材42とを分けて配索対象部材14に配索することが容易となる。
【0052】
ワイヤハーネス30は、幹線部45から第1配線部材41と第2配線部材42とに分岐する分岐部46を有し、ベース32と分岐部46との間隔は、第1面状部分33上を延びる第1配線部材41の長さよりも短い。これにより、第1配線部材41と第2配線部材42との分岐部46をベース32の近くに位置決めしやすい。
【0053】
また、配索対象部材14は、車両の座席10の骨格11の一部である。これにより、車両の座席10にワイヤハーネス30を簡易に配索することができる。
【0054】
[付記]
図5はワイヤハーネス30の変形例を示す側面図である。
【0055】
図5に示す変形例に係るワイヤハーネス130では、第1面状部分133と第2面状部分134のいずれか一方が、連結部分35よりも曲げ困難な剛性を有している。これにより、第1面状部分133及び第2面状部分134のいずれか一方が、剛性の高い部材となり、配索対象部材14に対して対向配置させることが容易となる。なお、ワイヤハーネス130のように、第1面状部分133及び第2面状部分134のいずれか一方が剛性の高い部材である場合、剛性の高い部材を先に配索対象部材14に固定するとよい。
【0056】
ここではワイヤハーネス130におけるベース132は、剛性板材132Aと柔軟シート132Bとを含む。剛性板材132Aは第1面状部分133と第2面状部分134のいずれか一方にのみ設けられている。図5に示す例では、剛性板材132Aは第1面状部分33にのみ設けられている。剛性板材132Aは第2面状部分34にのみ設けられていてもよい。柔軟シート132Bは第1面状部分133から第2面状部分134まで設けられている。柔軟シート132Bは剛性板材132Aを全面的に覆うように設けられている。柔軟シート132Bは剛性板材132Aのうち連結部分135側の縁部を含む一部のみを覆うように設けられていてもよい。
【0057】
第1面状部分133は、剛性板材132Aと柔軟シート132Bとを含む。剛性板材132Aと柔軟シート132Bとは固定されている。固定態様は特に限定されるものではなく、融着又は接着部などによって貼り付けられていてもよいし、クリップなどによって留められていてもよい。第2面状部分134は、剛性板材132Aを含まず柔軟シート132Bを含んでいる。連結部分135も、剛性板材132Aを含まず柔軟シート132Bを含んでいる。柔軟シート132Bが連結部分135をなしているため、連結部分135は第1面状部分133と第2面状部分134との間のいずれの位置でも曲げ自在とされる。
【0058】
ここでは柔軟シート132Bに第1配線部材41及び第2配線部材42がそれぞれ保持されている。柔軟シート132Bと各配線部材41、42との保持構造は特に限定されるものではなく、適宜設定可能である。例えば、柔軟シート132Bと各配線部材41、42とは融着されていてもよいし、接着剤などによって接着されていてもよい。
【0059】
剛性板材132A及び柔軟シート132Bを含む第1面状部分133において、ここでは柔軟シート132Bの内面に剛性板材132Aが設けられている。剛性板材132Aが第1面状部分133の第1内面133Aをなし、柔軟シート132Bが第1面状部分133の第1外面133Bをなしている。柔軟シート132Bの外面に剛性板材132Aが設けられていてもよい。ここでは柔軟シート132Bの外面に第1配線部材41が設けられている。柔軟シート132Bの内面に第1配線部材41が設けられていてもよい。ここでは柔軟シート132Bが、第1配線部材41と剛性板材132Aとの間に位置する。第1配線部材41が、柔軟シート132Bと剛性板材132Aとの間に位置してもよい。
【0060】
図6は固定部60の第1変形例を示す側面図である。
【0061】
図6に示す第1変形例に係る固定部260は、連結部分35とは反対側において、第1面状部分33と第2面状部分34とを固定している。これにより、ベース32が配索対象部材14を囲った状態に維持されることによって、ベース32が配索対象部材14に固定される。
【0062】
図6に示す例では、ベース232が配索対象部材14の全周を囲っている。具体的には、ベース232は、第1面状部分33と第2面状部分34とのいずれか一方から連結部分35とは反対側に延びる固定片237を有する。固定片237にクリップ61が設けられている。クリップ61が第1面状部分33と第2面状部分34とのいずれか他方に形成された係止孔238に係止している。なお、クリップ61は第1面状部分33と第2面状部分34とのいずれか他方を通過して、配索対象部材14に固定されていてもよい。また、第1面状部分33と第2面状部分34とのいずれか他方に設けられたクリップ61が、固定片237の係止孔に係止するように構成されていてもよい。
【0063】
図7は固定部60の第2変形例を示す側面図である。
【0064】
第2変形例に係る固定部360も、連結部分35とは反対側において、第1面状部分33と第2面状部分34とを固定している。これにより、ベース332が配索対象部材314を囲った状態に維持されることによって、ベース332が配索対象部材314に固定される。
【0065】
図7に示す例では、実施形態1と同様にベース332が配索対象部材314の全周を囲っておらず、一部を囲っている。具体的には、配索対象部材314の貫通孔317は、クリップ61が係止する上記貫通孔17よりも大きく形成され、クリップ61を容易に通せるように形成されている。ベース332において、第1面状部分33と第2面状部分34とのいずれか一方にクリップ61が設けられ、他方に係止孔338が形成されている。係止孔338は貫通孔17よりも小さく形成されている。クリップ61は貫通孔317及び係止孔338を通過し、係止孔338の周縁部に係止している。
【0066】
なお、図6又は図7に示す例のように、クリップ61がベース332に係止する場合、ベース332のうちクリップ61が係止する部分は上記ベース32又は剛性板材132Aのような剛性部材であるよい。
【0067】
図8は固定部60の第3変形例を示す側面図である。
【0068】
第3変形例に係る固定部460は、クリップ61に代えて別の部材を用いてベース32を配索対象部材14に固定している。ここでは、固定部60は、接着部465を有する。接着部465は、第1面状部分33と第1面15との間、及び、第2面状部分34と第2面16との間のそれぞれに設けられている。
【0069】
接着部465は、接着剤である。接着部465は、粘着剤であってもよい。接着剤は、ホットメルト接着剤である。接着剤は、湿気硬化型接着剤などであってもよい。ホットメルト接着剤は、通常、加熱により軟化することによって接着性を発揮する。加熱手段は、電磁誘導加熱であってもよい。この場合、ホットメルト接着剤が金属製の配索対象部材14に接触した状態で、配索対象部材14が電磁誘導加熱され、当該配索対象部材14からの伝熱によってホットメルト接着剤が軟化してもよい。
【0070】
図9は配線部材40の保持部の第1変形例を示す側面図である。
【0071】
第1変形例に係る保持部は、ベース32に収容空間554Sを形成する収容空間形成部554を有する。ここでは保持部が、第1面状部分33に第1配線部材41を保持する構成に適用される例が説明されるが、第2面状部分34に第2配線部材42を保持する構成に適用されてもよい。以下の保持部の第2変形例及び第3変形例についても同様である。ここでは収容空間形成部554は、第1面状部分33に固定される底壁555Aと底壁55Aから突出する一対の側壁555Bと、一対の側壁555Bの先端それぞれから突出する弾性抜止片556とを有する。一対の弾性抜止片556の間は、第1配線部材41を通す開口とされる。弾性抜止片556は第1配線部材41に押されることによって、開口が広がるように弾性変形可能である。第1配線部材41が通過して収容空間554Sに収まることによって、弾性抜止片556が弾性復帰し、第1配線部材41が収容空間554Sに収容された状態に維持される。複数の第1配線部材41は束の状態で収容空間554Sに収容されてもよい。複数の第1配線部材41はまとめられておらず、ばらばらの状態で収容空間554Sに収容されてもよい。以下の収容空間654S、754Sへの複数の第1配線部材41の収容についても同様である。
【0072】
図10は配線部材40の保持部の第2変形例を示す側面図である。
【0073】
第2変形例に係る保持部は、ベース32に収容空間654Sを形成する収容空間形成部654を有する。ここでは収容空間形成部654は、第1面状部分33から突出する側壁655と、側壁655の先端から第1面状部分33に向けて突出する弾性挟持片657とを有する。弾性挟持片657の先端と第1面状部分33との間は、第1配線部材41を通す開口とされる。弾性挟持片657は第1配線部材41に押されることによって、開口が広がるように弾性変形可能である。第1配線部材41が通過して収容空間554Sに収まることによって、弾性挟持片657が弾性復帰し、第1配線部材41を第1面状部分33に向けて押さえつける。これにより、第1配線部材41が収容空間654Sに収容された状態に維持される。
【0074】
図11は配線部材40の保持部の第3変形例を示す側面図である。
【0075】
第3変形例に係る保持部は、ベース732に収容空間754Sを形成する収容空間形成部754を有する。ここでは収容空間754Sは、第1面状部分33に形成された溝である。なお溝がベースに形成されずに、溝を形成する収容空間形成部が第1面状部分33上に設けられてもよい。
【0076】
収容空間形成部754は、溝の底面及び側面をなす壁部755と、溝の上部を覆う蓋758を有する。蓋758は、第1配線部材41が溝に収められた後に、溝の上部を覆った状態に維持される。溝の上部が開口した状態で、上部開口を通じて第1配線部材41が溝内に収まる。第1配線部材41が溝に収まったら、蓋758が閉じられることによって、第1配線部材41が収容空間554Sに収容された状態に維持される。
【0077】
蓋758の一端は、第1面状部分33のうち溝の一方側方部分に固定され、蓋758の他端は、第1面状部分33のうち溝の他方側方部分に固定されている。蓋758と第1面状部分33との固定構造は特に限定されるものではなく、適宜設定可能である。蓋758は、第1面状部分33に融着又は接着されていてもよいし、蓋758と第1面状部分33とに係止構造が設けられてもよい。図11に示す例では、蓋保持部759が設けられている。蓋保持部759において、蓋758の一端が粘着テープによって第1面状部分33に貼り付け固定されている。蓋758の他端が第1面状部分33に固定されていない状態で、蓋保持部759をヒンジとして、蓋758が開閉することができる。
【0078】
なお、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0079】
10 座席
11 骨格
12 下部フレーム
13 上部フレーム
13L 左フレーム部分
13R 右フレーム部分
14、314 配索対象部材(連結フレーム部分)
15 第1面
16 第2面
17、317 貫通孔
18 クッション部
20 配索構造
30、130 ワイヤハーネス
32、132、232、332、732 ベース
33、133 第1面状部分
33A、133A 第1内面
33B、133B 第1外面
34、134 第2面状部分
34A 第2内面
34B 第2外面
35、135 連結部分
36 ヒンジ形状部
37 バンド挿通孔
40 配線部材
41 第1配線部材
42 第2配線部材
43 第1コネクタ
44 第2コネクタ
45 幹線部
46 分岐部
47 粘着テープ
50 結束バンド
51 バンド部
52 バンド固定部
60、260、360、460 固定部
61 クリップ
62 係止部
63 柱部
64 板部
132A 剛性板材
132B 柔軟シート
237 固定片
238、338 係止孔
465 接着部
554、654、754 収容空間形成部
554S、654S、754S 収容空間
555A 底壁
555B、655 側壁
556 弾性抜止片
657 弾性挟持片
755 壁部
758 蓋
759 蓋保持部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11