(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084225
(43)【公開日】2024-06-25
(54)【発明の名称】訪問者対応システム
(51)【国際特許分類】
H04M 11/00 20060101AFI20240618BHJP
H04M 9/00 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
H04M11/00 302
H04M9/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022198384
(22)【出願日】2022-12-13
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岸本 源太
【テーマコード(参考)】
5K038
5K201
【Fターム(参考)】
5K038AA06
5K038BB02
5K038FF01
5K038FF11
5K038GG03
5K038GG05
5K201AA07
5K201BA19
5K201BC08
5K201BC29
5K201CA01
5K201CA04
5K201EC06
5K201EC10
5K201ED01
5K201ED05
5K201ED09
(57)【要約】
【課題】本発明は、被保護者が居住する建造物がどの地域でも、訪問者対応可能者の不在時に訪問者の来訪があった場合に、訪問者の画像・音声データを訪問者対応可能者のアクセス可能なサーバーに、スマートメーターを経由して送信し、訪問者に対応できるようにすることを課題とする。
【解決手段】訪問者対応システム1は、ドアホンの子機4とスマートメーター5が送受信可能に接続され、呼出ボタン43の押下による呼出信号、画像・音声データが、ドアホンの子機4からスマートメーター5、事業者の通信回線L2の順でサーバー6に送られて記録される。サーバー6を、通信回線L4を通じて所定の携帯端末7と接続可能として、所定の携帯端末7で、サーバー6から送られてくる画像・音声データを見つつドアホンの子機4を介して通話でき、所定の携帯端末7で後からサーバー6にアクセスしてサーバー6で記録された画像・音声データを確認可能にする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の建造物の玄関に設置された子機を備え、前記子機は呼出ボタンとカメラと音声入出力部と通信部とを有するドアホンと、
前記所定の建造物で使用された電気、ガス又は水の使用量を計測する計量部、及び前記計量部で計測した前記使用量を電気、ガス又は水の事業者に前記事業者の通信回線を介して計測結果データとして送信する通信部を有するスマートメーターと、
所定のデータを記録することができる記録部と通信部とを有し、前記通信部で前記事業者の通信回線と接続されると共に所定の携帯端末と通信回線を介して接続され、前記事業者により管理されているサーバーと、
で少なくとも構成され、
前記ドアホンの子機と前記スマートメーターとが所定のデータや所定の信号を相互に送受信することが可能なように接続された訪問者対応システムであって、
前記呼出ボタンが押下されることにより生成された呼出信号が、前記ドアホンの子機から前記スマートメーターに送信され、更に前記事業者の通信回線を介して前記サーバーに転送され、
且つ、前記カメラで撮られた画像データと前記音声入力部で入力された音声データとのいずれか一方又は双方が、前記ドアホンの子機から前記スマートメーターに送信され、更に前記事業者の通信回線を介して前記サーバーに転送され、
前記サーバーの記録部で前記画像データと前記音声データとのいずれか一方又は双方が記録されることを特徴とする訪問者対応システム。
【請求項2】
前記サーバーの前記所定の携帯端末と接続される通信回線は、前記事業者の通信回線とは異なる第2の通信回線となっており、
前記サーバーは、前記呼出信号を前記所定の携帯端末に転送すると共に、前記所定の携帯端末から応答信号を受けた後に、前記画像データと前記音声データとのいずれか一方又は双方を前記所定の携帯端末に転送し、
前記所定の携帯端末からの音声データと各種信号とのいずれか一方又は双方を受信して、前記ドアホンの子機に転送することを特徴とする請求項1に記載の訪問者対応システム。
【請求項3】
前記サーバーは、前記所定の携帯端末から前記第2の通信回線を介して前記記録部へのアクセスがされて呼び出しを受けることにより、前記記録部に記録された前記画像データと前記音声データとのいずれか一方又は双方を前記所定の携帯端末に前記第2の通信回線を介して転送することを特徴とする請求項2に記載の訪問者対応システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の建造物に来訪した訪問者に対し、訪問者対応可能者が前記所定の建造物に不在でも、来訪時に又はその後に対応することを可能にするための訪問者対応システムに関する。
【背景技術】
【0002】
子供や老人、病人その他の被保護を要する者(以下、被保護者)が生活または滞在する所定の建造物に、被保護者の親権者や管理者、看護者等の訪問者対応可能者が不在のときに、訪問者が来訪する場合がある。この場合、訪問者が不審者等であり、被保護者に危害を与えるおそれがあるので、誰が訪問者でも被保護者が対応しないことが望まれる。もっとも、訪問者が郵便物や宅配物の配達員である場合には、対応者がいないと、不在票を残して郵便物や宅配物を持ち帰ることがあり、その場合には、再配達のための手続きを後からしなければならない等の不便性も生ずる。
【0003】
このため、例えば特許文献1に示されるように、訪問者が所定の建造物のインターホンの呼出ボタンを押下した時に、訪問者対応可能者がインターネット等の一般的なネットワークを介して遠隔の携帯端末により訪問者の画像を見ながら通話を可能とすることで、訪問者対応可能者が所定の建造物に不在でも訪問者に対応可能とするシステムが開示されている。
【0004】
さらに、特許文献2では、所定の建造物への人の来訪というイベントが発生すると、来訪のイベント情報とインターホンのカメラで撮影された画像とがサーバーに送られて格納され、訪問者対応可能者はサーバーからインターホンのカメラで撮影された画像を携帯端末で受信して見ることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009-225221号公報
【特許文献2】国際公開第2016/143018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
もっとも、特許文献1では、ドアインターホン装置と携帯端末とがインターネットを介して接続するようになっていることから、山間地等のインターネット環境が十分に整備されていない地域では、インターネットを前提とした特許文献1の発明を利用することが容易ではない。また、ドアインターホン装置をインターネットに接続するためには、例えば無線LAN装置(WIFI装置)のルーター等の所定の接続機器を準備する必要がある。
【0007】
特許文献2は、インターホン装置がゲートウェイ機器を介してコンピュータネットワークと接続されているが、ゲートウェイ機器とコンピュータネットワークとの接続の仕組みについて具体的には示されておらず、被保護者が滞在又は居住する建造物がある地域(山間地等)によっては、来訪のイベント情報とインターホンのカメラで撮影された画像とをコンピュータネットワークを介してサーバーに送れず、このためサーバーによるデータの格納もできないおそれがある。
【0008】
本発明は、上記課題を鑑みたもので、被保護者が滞在又は居住する所定の建造物がどの地域にあっても、訪問者対応可能者の不在時に訪問者の来訪があった場合に、訪問者の来訪に関する情報が、訪問者対応可能者のアクセスが可能なサーバーまで所定の事業者の通信回線により送られることが可能な訪問者対応システムを提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を達成するために、本発明の訪問者対応システムは、所定の建造物の玄関に設置された子機を備え、前記子機は呼出ボタンとカメラと音声入出力部と通信部とを有するドアホンと、前記所定の建造物で使用された電気、ガス又は水の使用量を計測する計量部、及び前記計量部で計測した前記使用量を電気、ガス又は水の事業者に前記事業者の通信回線を介して計測結果データとして送信する通信部を有するスマートメーターと、所定のデータを記録することができる記録部と通信部とを有し、前記通信部で前記事業者の通信回線と接続されると共に所定の携帯端末と通信回線を介して接続され、前記事業者により管理されているサーバーと、で少なくとも構成され、前記ドアホンの子機と前記スマートメーターとが所定のデータや所定の信号を相互に送受信することが可能なように接続された訪問者対応システムであって、前記呼出ボタンが押下されることにより生成された呼出信号が、前記ドアホンの子機から前記スマートメーターに送信され、更に前記事業者の通信回線を介して前記サーバーに転送され、且つ、前記カメラで撮られた画像データと前記音声入力部で入力された音声データとのいずれか一方又は双方が、前記ドアホンの子機から前記スマートメーターに送信され、更に前記事業者の通信回線を介して前記サーバーに転送され、前記サーバーの記録部で前記画像データと前記音声データとのいずれか一方又は双方が記録されることを特徴としている(請求項1)。計測結果データが送られるサーバーと、呼出信号、画像データ、音声データが送られるサーバーとは、同一のサーバーであっても、異なるサーバーであってもよい。所定の携帯端末は、訪問者対応可能者が携帯するものであり、例えばスマートフォンが該当する。
【0010】
このように、ドアホンの子機の呼出ボタンが押されることで生成された呼出信号や、ドアホンの子機のカメラで撮影された画像データや、ドアホンの子機の音声出入力部から入力された音声データは、スマートメーターに送信されることとしたので、スマートメーターと電気、ガス又は水の事業者が管理するサーバーとを接続する前記事業者の通信回線を利用することが可能となる。これに伴い、スマートメーターは、電気、ガス、水が供給される家屋等の所定の建造物において普及しており、所定の建造物がどの地域にあっても高い割合で設置されていることから、電気、ガス又は水の事業者の通信回線ドアホンの子機と他の機器とをインターネット等の一般的な通信回線を介して接続するためのルーター等の接続機器が不要となる。そして、電気、ガス又は水の事業者の通信回線は、その公益性等から信頼性の高いものとなっているので、呼出信号、画像データ、音声データを、電気、ガス又は水の事業者の管理するサーバーまでより確実に送ることが可能である。
【0011】
さらに、本発明の訪問者対応システムでは、前記サーバーの前記所定の携帯端末と接続される通信回線は、前記事業者の通信回線とは異なる第2の通信回線となっており、前記サーバーは、前記呼出信号を前記所定の携帯端末に転送すると共に、前記所定の携帯端末から応答信号を受けた後に、前記画像データと前記音声データとのいずれか一方又は双方を前記所定の携帯端末に転送し、前記所定の携帯端末からの音声データと各種信号とのいずれか一方又は双方を受信して、前記ドアホンの子機に転送することを特徴としている(請求項2)。第2の通信回線は、インターネット回線等の一般な通信ネットワークであってもよい。ここでの所定の携帯端末は、サーバーとでデータの送受信が可能なように登録されたものが該当する。
【0012】
これにより、訪問者対応可能者は、所定の携帯端末で、サーバーから送られてくる画像・音声データを見つつドアホンの子機を介して通話をすることができる。
【0013】
そして、本発明の訪問者対応システムでは、前記サーバーは、前記所定の携帯端末から前記第2の通信回線を介して前記記録部へのアクセスがされて呼び出しを受けることにより、前記記録部に記録された前記画像データと前記音声データとのいずれか一方又は双方を前記所定の携帯端末に前記第2の通信回線を介して転送することを特徴としている(請求項3)。ここでの所定の携帯端末は、さらにサーバーの記録部にアクセスすることも可能なように登録されたものが該当する。
【0014】
これにより、訪問者対応可能者は、訪問者の来訪時に訪問者に対応することができなかった場合でも、所定の携帯端末により第2の通信回線を介してサーバーの記録部へアクセスし、サーバーで記録された画像・音声データを見ることができる。
【発明の効果】
【0015】
以上に述べたように、本発明の訪問者対応システムによれば、訪問者が来訪時にドアホンの子機の呼出ボタンを押下することで、呼出信号や、ドアホンの子機のカメラで撮影された画像データや、ドアホンの子機の音声出入力部から入力された音声データは、スマートメーターから信頼性の高い電気、ガス又は水の事業者の通信回線を介して電気、ガス又は水の事業者の管理するサーバーまで送られるので、呼出信号、画像データ、音声データを、電気、ガス又は水の事業者の管理するサーバーまでより確実に送ることが可能である。しかも、スマートメーターは電気、ガス、水を利用する家屋等の所定の建造物では普及しているため、所定の建造物がどの地域にあっても高い割合で設置されている。このため、ドアホンの子機と他の機器とをインターネット等の一般的な通信回線を介して接続するためのルーター等の機器を不要することができるので、コストの抑制も図ることが可能である。
【0016】
そして、訪問者対応可能者は、所定の携帯端末で、サーバーから送られてくる訪問者についての画像・音声データを見つつドアホンの子機を介して通話をすることができる。また、訪問者対応可能者は、訪問者の来訪時に所定の携帯端末から応答信号を発することができなかった場合でも、所定の携帯端末により第2の通信回線を介してサーバーの記録部へアクセスし、サーバーで記録された画像・音声データを見ることができる。よって、訪問者対応可能者は、所定の建造物への訪問者に対し、来訪時には所定の建造物に不在であっても、訪問者に対応することができ、また、後から訪問者に対応することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の訪問者対応システムの構成の概略を示した説明図である。
【
図2】前記訪問者対応システムで用いられるドアホンの子機の一例についてその構成の概略を示した説明図である。
【
図3】前記訪問者対応システムで用いられるスマートメーターの一例についてその構成の概略を示した説明図である。
【
図4】前記訪問者対応システムで用いられるサーバーの一例についてその構成の概略を示した説明図である。
【
図5】前記訪問者対応システムのスマートメーターとサーバーとの間の通信回線の一例としてマルチホップ通信形式が用いられた通信回線を概略的に示した説明図である。
【
図6】前記訪問者対応システムのスマートメーターとサーバーとの間の通信回線の一例として携帯通信形式が用いられた通信回線を概略的に示した説明図である。
【
図7】前記訪問者対応システムのドアホンの子機の呼出信号が押下されてから、サーバーでのドアホンの子機からの画像・音声データの記録が終了するまでの流れの一例を示したフローチャートである。
【
図8】前記訪問者対応システムのサーバーに記録された画像・音声データを登録された携帯端末からアクセスして入手するための流れの一例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
図1において、本発明が適用された訪問者対応システム1の一例について、その構成の概略が示されている。訪問者対応システム1は、ドアホン2と、スマートメーター5と、サーバー6と、所定の携帯端末7とを少なくとも用いることで構成されている。
【0020】
ドアホン2は、インターホンとも称されるもので、
図1に示されるように、所定の建造物Hの家屋内に配置された親機3と、所定の建造物Hの家屋外となる玄関に設置された子機4とを有し、親機3と子機4とは配線や無線による通信回線L1を介して接続されている。なお、所定の建造物Hは、被保護者が生活の本拠とする住居や、被保護者が一時的に滞在する児童預かり施設、病院、老人ホームなどが該当しうる。
【0021】
ドアホンの子機4は、訪問者対応システム1で用いられるにあたり、
図1及び
図2に示されるように、訪問者を静止画像、動画などの画像として撮影することが可能なカメラ41と、訪問者の音声や屋外音を入力し、訪問者に向けて音声を出力することが可能な音声出入力部42と、訪問者などの人が押下することが可能な呼出ボタン43とを有し、呼出ボタン43が押下されると、この実施形態では、制御部44によりカメラ41、音声出入力部42や下記する通信部45が作動するようになっている。更に、呼出ボタン43が押下されると、呼出ボタン43の押下により生成された呼出信号や、カメラ41で撮影された画像データや、音声出入力部42から入力された音声データが、通信部45の作動により、親機3に送られるのみならず、本発明ではスマートメーター5にも送られるように制御されている。なお、カメラ41は、360度カメラとなっており、遠隔からの操作によりいろいろな方向を向くことが可能である。
【0022】
スマートメーター5は、この実施形態では、
図3に示されるように、所定の建造物Hで使用された電気、ガス又は水の使用量(以下、使用量と称する。)を計測する計量部51と、使用量の計量結果を表示する表示部52と、使用量の計量結果を記録する記録部53と、これらの計量部51、表示部52、記録部53を制御する制御部54と有するものであると共に、訪問者対応システム1で用いられるにあたり、通信部55を有したものとなっている。通信部55は、下記する特殊な通信回線L2により計量部51で計量された使用量を計測結果データとして電気、ガス又は水の事業者(以下、事業者と称する。)に送信することが可能であるのみならず、ドアホンの子機4との間で無線や配線による通信回線L3を介して接続することで、後述するように、所定のデータや所定の信号を相互に送受信することも可能としている。なお、スマートメーター5は、特に電力量計としての使用が想定されている。
【0023】
サーバー6は、訪問者対応システム1で用いられるにあたり、この実施形態では、
図4に示されるように、制御部61と、通信部62と、記録部63とを少なくとも有して構成されているものであり、事業者が管理している。サーバー6は、通信部62で、ドアホンの子機4とは通信回線L2、L3を介して接続することが可能であり、下記する所定の携帯端末7とは第2の通信回線L4を介して接続することが可能である。また、サーバー6は、記録部63で、ドアホンの子機4から送られてきた訪問者の画像・音声データを適宜記録し、記録された訪問者の画像・音声データを所定の携帯端末7に転送することが可能となっている。そして、サーバー6は、制御部61で、前記した通信部62、記録部63の動作を制御することができ、更には、各種判定をしたり、登録された携帯端末から受信した音声データや信号をドアホンの子機4に転送したり、更にはドアホンの子機4に対し各部(41、42、43、44)の終了信号を発したりすることもできる。サーバー6は、下記する通信回線L2によりスマートメーター5と接続するものであれば、計測結果データを受信するサーバーと同じであっても、計測結果データを受信するサーバーとは別のものであってもよい。
【0024】
スマートメーター5とサーバー6とを接続する通信回線L2は、事業者が管理、あるいは、保有する通信回線(以下、事業者の通信回線と称する)L2であり、スマートメーター5の設置密度に応じて、例えば、
図5で示すマルチホップ通信形式(MH通信形式とも称する。以下、同じ。)を用いた事業者の通信回線L2や、
図6で示す携帯通信形式(1N通信形式とも称する。以下、同じ。)を用いた事業者の通信回線L2が適宜採択される。
【0025】
図5では、事業者の通信回線L2は、マルチホップ通信形式の一例として、サーバー6とコンセントレータ9との間の通信回線L2a、コンセントレータ9と家屋K1、K2のスマートメーター5とが通信部55(
図3に表示)により直接に通信可能な通信域L2b、及び家屋K1からK8のスマートメーター5が通信部55(
図3に表示)により隣接するスマートメーター5と無線で適宜に接続することで形成される通信域L2cを有している。
【0026】
これにより、例えば家屋K5が所定の建造物Hの場合には、
図5(a)に示されるように、呼出信号、画像・音声データは、家屋K5のスマートメーター5から、例えば家屋K2のスマートメーター5に達し、家屋K2のスマートメーター5からコンセントレータ9を介してサーバー6に送られる。また、例えば家屋K8が所定の建造物Hの場合には、
図5(a)に示されるように、家屋K8のスマートメーター5から、例えば家屋K7のスマートメーター5、家屋K3のスマートメーター5、家屋K1のスマートメーター5の順に経て、家屋K1のスマートメーター5からコンセントレータ9を介してサーバー6に送られる。
【0027】
そして、
図5(b)に示されるように、所定の建造物Hである家屋K5のスマートメーター5から家屋K2のスマートメーター5に呼出信号、画像・音声データがトラブル等で直接に送れない場合には、すぐに、家屋K5のスマートメーター5から家屋K4のスマートメーター5、家屋K1のスマートメーター5の順に経て、家屋K1のスマートメーター5からコンセントレータ9を介してサーバー6に送られるという新たなルートが構築される。また、
図5(b)に示されるように、所定の建造物Hである家屋K8のスマートメーター5から家屋K7のスマートメーター5に呼出信号、画像・音声データを送ることができても、家屋K7のスマートメーター5から家屋K3のスマートメーター5へはトラブル等で直接に送れない場合には、すぐに、家屋K7のスマートメーター5から家屋K6のスマートメーター5、家屋K3のスマートメーター5、家屋K1のスマートメーター5の順に経て、家屋K1のスマートメーター5からコンセントレータ9を介してサーバー6に送られるという新たなルートが構築される。
【0028】
図6では、事業者の通信回線L2は、携帯通信形式の一例として、サーバー6と事業者の管理する無線基地局10との通信回線L2d及び、事業者の管理する無線基地局10(10a、10b)と家屋K9、K10、K11のスマートメーター5とが、スマートメーター5の通信部55(
図3に表示)により無線で適宜に接続することで形成される通信域L2eを有している。
【0029】
これにより、例えば家屋K9が所定の建造物Hの場合には、
図6(a)に示されるように、呼出信号、画像・音声データは、家屋K9のスマートメーター5から無線基地局10aに送られた後、無線基地局10aからサーバー6に送られる。そして、
図6(b)に示されるように、呼出信号、画像・音声データが、所定の建造物Hたる家屋K9のスマートメーター5から無線基地局10aにトラブル等で送ることができない場合には、すぐに呼出信号、画像・音声データは、家屋K9のスマートメーター5から無線基地局10bに送られた後、無線基地局10bからサーバー6に送られるというルート構築される。
【0030】
よって、スマートメーター5を利用することは、上記のような事業者の通信回線L2を用いることになるので、所定の建造物Hのドアホンの子機4のカメラ41で撮影された画像データや音声出入力部42から入力された音声データは、インターネット等の一般的な通信回線に比較して、より確実にサーバー6の記録部63まで送られて記録される。
【0031】
所定の携帯端末7は、訪問者対応可能者が携帯するものであり、例えばスマートフォンやタブレット等の、通話(音声データの送信)、遠隔操作、通信切等の各種信号の送信、画像データの受信、音声データの受信、その他の通信機能、画面での画像の表示、スピーカー等での音声の出力等が可能なものである。そして、所定の携帯端末7は、サーバー6との間でデータの送受信をしたり、サーバー6の記録部63にアクセスしたりすることが可能なように登録されたものとなっている。以下より登録携帯端末7と称する。
【0032】
登録携帯端末7とサーバー6とは、
図1に示されるように、第2の通信回線L4により接続可能となっている。第2の通信回線L4は、インターネット等の一般的なネットワーク状の通信回線でもよいし、専用の通信回線を設けてもよい。
【0033】
このような訪問者対応システム1による、ドアホンの子機の呼出信号が押下されてから、サーバーでのドアホンの子機からの画像・音声データの記録が終了するまでの流れの一例について、
図7のフローチャートを用いて説明する。
【0034】
ステップ100として、訪問者がドアホンの子機4の呼出ボタン43の押下を行うと、ステップ101に示されるように、ドアホンの子機4のカメラ41、音声出入力部42、通信部45等の各部が作動して、ステップ102に示されるように、ドアホンの子機4からサーバー6へ、スマートメーター5を介して呼出信号・訪問者の画像・映像データを送信する。
【0035】
ドアホンの子機4から呼出信号・訪問者の画像・映像データを受信したサーバー6は、ステップ103に示されるように、訪問者の画像・映像データを記録することを開始し、ステップ112やステップ117に進むまで、訪問者の画像・映像データの記録を続ける。また、ステップ104に示されるように、サーバー6から登録携帯端末7へ呼出信号を送信する。なお、
図7では、ステップ103からステップ104の順として示されているが、ステップ103とステップ104とが同時に進んでも、状況によって、ステップ104の方がステップ103よりも先となってもよい。
【0036】
次に、ステップ105で、サーバー6と登録携帯端末7との通信回線L4を開いた状態にし、ステップ106で、登録携帯端末7から応答信号有りか否かについて、サーバー6が判定し、登録携帯端末7から応答信号有りと判定した場合には、ステップ107に進む。応答信号は、登録携帯端末を操作して発する信号や、訪問者対応可能者の応対の声等が該当する。
【0037】
ステップ107では、サーバー6から登録携帯端末7へ訪問者の画像・音声データを転送し、且つ、ステップ108では、登録携帯端末から音声データ・各種信号をサーバー6が受信してドアホンの子機4に転送する。ステップ108の音声データは、訪問者対応可能者の登録携帯端末に向けて発する声等である。各種信号は、例えばドアホンの子機4のカメラ41の向きを変えるための制御信号等である。なお、
図7では、ステップ107からステップ108の順として示されているが、ステップ107とステップ108とが同時に進んでも、状況によって、ステップ108の方がステップ107よりも先となってもよい。
【0038】
このようなステップ107、108があることで、訪問者対応可能者は、ドアホンの子機の前にいる訪問者に対して、所定の建造物Hに不在であっても、訪問者の画像や音声を確認しながら通話して対応することが可能となる。
【0039】
そして、ステップ107、108の後に、又は、ステップ107、108を進行させながら、サーバー6は、ステップ109で、登録携帯端末7から通信切信号有りか否かについて判定する。登録携帯端末7から通信切信号なしと判定されると、ステップ107、108のいずれよりも前に戻り、サーバー6から登録携帯端末7への訪問者の画像・音声データの転送や、登録携帯端末からの音声データ・各種信号のサーバー6からドアホンの子機4への転送が行われ続ける。登録携帯端末7から通信切信号有りと判定されると、ステップ110に進み、サーバー6が登録携帯端末7との通信回線L4を切り、更に、ステップ111で、サーバー6がドアホンの子機4に自動切信号を送信してドアホンの子機4の各部(カメラ41、音声出入力部42等)を終了した後、ステップ112でサーバー6が訪問者の画像・音声データの記録を終了させる。
【0040】
登録携帯端末7から応答信号なしと判定した場合には、ステップ106からステップ113に進み、更に、応答信号なしと判定してから所定のt1時間が経過したか否かを判定し、所定のt1時間が経過したらステップ114に進んで、サーバー6が登録携帯端末7との通信回線L4を切る。所定のt1時間とは、例えば10秒である。
【0041】
通信回線L4が切られたらステップ115に進み、サーバー6は、ドアホンの子機4の呼出ボタンの押下から所定のt2時間が経過したか否かを判定し、所定のt2時間が経過したら、ステップ116で、サーバー6がドアホンの子機4に自動切信号を送信してドアホンの子機4の各部(カメラ41、音声出入力部42等)を終了した後、ステップ117でサーバー6が訪問者の画像・音声データの記録を終了させる。所定のt2時間とは、例えば60秒である。これにより、登録携帯端末7からの応答信号がない場合でも、t2時間(例えば60秒)は訪問者の画像・音声データがサーバー6に記録された状態となる。
【0042】
一方で、サーバー6からの呼出信号の登録携帯端末7への送信に対して応答することができなかった訪問者対応可能者は、
図8に示されるように、登録携帯端末7から通信回線L4を介して、ステップ200に示されるように、サーバー6へのログインを行い、ステップ201に示されるように、サーバー6の記録部62に記録された画像・音声データについて、当該データのIDの検索及び該当したデータの呼び出しを行なうことで、ステップ202のサーバー6から登録携帯端末7への画像・音声データの転送を行う。そして、ステップ203において、登録携帯端末7の画面やスピーカー等により、受信した画像・音声データの確認後、サーバー6からログアウトすることができる。
【0043】
これにより、訪問者対応可能者は、登録携帯端末7の画面で見る画像データや登録携帯端末7のスピーカーから出力される音声データ等により、訪問者を確認することが可能であるので、当該訪問者に対し改めて電話を掛けたり、電子メールを送信したり等の対応をすることが可能である。また、訪問者対応可能者が訪問者に対し訪問時に対応した後でも、ステップ200からステップ203を経ることで改めて訪問者を確認するために、受信した画像・音声データを登録携帯端末7で視聴することも可能である。
【0044】
しかも、訪問者の画像・音声データは、事業者の管理するサーバー6の記録部62に記録されるので、大容量の記録部62を提供することができ、数多くあるいは大容量の訪問者の画像・音声データの送信があっても、オーバーフローすることなく、長期間にわたって保存することが可能である。
【符号の説明】
【0045】
1 訪問者対応システム
2 ドアホン
4 ドアホンの子機
41 カメラ
42 音声出入力部
43 呼出ボタン
45 通信部
5 スマートメーター
51 計量部
55 通信部
6 サーバー
61 通信部
62 記録部
7 所定の携帯端末
H 所定の建造物
L2 スマートメーターとサーバーとの間の事業者の通信回線
L3 ドアホンの子機とスマートメーターとの間の通信回線
L4 サーバーと登録携帯端末との間の第2の通信回線