特開 2024-8423 仮設足場用朝顔装置

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024008423

(43)【公開日】2024-01-19

(54)【発明の名称】仮設足場用朝顔装置

(51)【国際特許分類】

   E04G 5/00 20060101AFI20240112BHJP

   E04G 21/32 20060101ALI20240112BHJP

【ＦＩ】

E04G5/00 301C

E04G21/32 A

【審査請求】有

【請求項の数】5

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2022110288

(22)【出願日】2022-07-08

(11)【特許番号】

(45)【特許公報発行日】2022-09-13

(71)【出願人】

【識別番号】517357468

【氏名又は名称】株式会社エムティオー近畿

(74)【代理人】

【識別番号】100106091

【弁理士】

【氏名又は名称】松村 直都

(74)【代理人】

【氏名又は名称】渡邉 彰

(74)【代理人】

【識別番号】100199369

【弁理士】

【氏名又は名称】玉井 尚之

(72)【発明者】

【氏名】宮本 隆司

(72)【発明者】

【氏名】芥川 真大

(57)【要約】

【課題】部品の種類を減少させるとともに部品の構成を比較的簡単にし、さらに組み立て作業が容易になる仮設足場用朝顔装置を提供する。
【解決手段】仮設用朝顔装置のコーナー朝顔ユニットの第２板支持部材８が直線朝顔ユニットの第１板支持部材と同一構成である。第２板支持部材８の主材81および副材82が、それぞれ一端部において同一構成のコーナーフレーム７を介してコーナー支柱S21に取り付けられている。両コーナーフレーム７が、コーナー支柱S21をクランプするクランプ金具と、コーナー支柱S21の中心軸線の周りに所定角度間隔で配置された円筒部75とを備えている。主材用コーナーフレーム７の円筒部75にクランプ金具811を介して主材81が着脱自在に取り付けられ、副材用コーナーフレーム7の円筒部75にクランプ金具821を介して副材82が着脱自在に取り付けられている。
【選択図】図５

【特許請求の範囲】

【請求項1】

複数の直線部分を有するとともに隣り合う直線部分どうしが一定の角度をなして連なっており、直線部分の張り出し側端部に、複数の支柱が当該直線部分の長手方向に間隔をおいて立設されて支柱列を構成しており、互いに一定の角度をなして連なった２つの直線部分の前記支柱列が１つのコーナー支柱を共有している仮設足場において、前記支柱を利用して着脱自在に取り付けられる仮設足場用朝顔装置であって、
仮設足場の直線部分に配置される直線朝顔ユニットおよび仮設足場の隣り合う直線部分間のコーナー部分に配置されるコーナー朝顔ユニットを備えており、
直線朝顔ユニットが、仮設足場の直線部分の前記支柱列の各支柱に取り付けられた複数の第１板支持部材と、隣り合う第１板支持部材間に仮設足場の張り出し方向に並んで配置された複数の第１パネルと、直線朝顔ユニットにおけるコーナー朝顔ユニット側の端部の第１板支持部材の外側に仮設足場の張り出し方向に並んで配置された複数の第２パネルとを備えており、
コーナー朝顔ユニットが、コーナー支柱にコーナー支柱の中心軸線の周りに所定角度間隔で取り付けられてコーナー支柱から放射状に延びる複数の第２板支持部材と、隣り合う第２板支持部材どうしの間に配置された複数のコーナーパネルと、コーナー支柱に着脱自在に取り付けられて直線朝顔ユニットの第２パネルの端部を受けて傾斜方向下方への移動を阻止する板受け部材とを備えており、
直線朝顔ユニットの第１板支持部材およびコーナー朝顔ユニットの第２板支持部材が、仮設足場から張り出す方向に向かって上方に傾斜した棒状の主材および主材を傾斜状態で保持する棒状の副材からなり、
第１板支持部材の主材が、一端部において仮設足場の直線部分の各支柱に水平回転軸線の周りに回転自在となるように取り付けられるとともに、他端部に向かって上方に傾斜しており、同じく副材が、一端部において主材の一端部が取り付けられた支柱に水平回転軸線の周りに回転自在となるように取り付けられるとともに、他端部が主材の他端部寄りの部分に水平回転軸線の周りに回転自在となるように取り付けられており、
第２板支持部材の主材が、一端部において主材用コーナーフレームを介してコーナー支柱に水平回転軸線の周りに回転自在となるように取り付けられるとともに、他端部に向かって上方に傾斜しており、同じく副材が、一端部において副材用コーナーフレームを介してコーナー支柱に水平回転軸線の周りに回転自在となるように取り付けられており、
主材用コーナーフレームと副材用コーナーフレームとが同一構成であって、コーナー支柱をクランプするクランプ金具と、コーナー支柱の中心軸線の周りに所定角度間隔で配置された第２板支持部材と同数の鉛直状円筒部とを備えており、主材用コーナーフレームの円筒部に第１取付部を介して主材が着脱自在に取り付けられ、副材用コーナーフレームの円筒部に第２取付部を介して副材が着脱自在に取り付けられ、第１取付部および第２取付部が同一構成となっている仮設足場用朝顔装置。

【請求項2】

第１取付部および第２取付部が、主材および副材に設けられて円筒部をクランプするクランプ金具からなる請求項１記載の仮設足場用朝顔装置。

【請求項3】

第１取付部および第２取付部が、主材用コーナーフレームおよび副材用コーナーフレームの円筒部に設けられた平面より見てコ字形のソケット金具と、主材および副材に設けられてソケット金具に挿入されるインサート金具とを備えている請求項１記載の仮設足場用朝顔装置。

【請求項4】

主材用コーナーフレームおよび副材用コーナーフレームが、上下方向に間隔をおいて配置された上フレーム部材、中間フレーム部材および下フレーム部材を備えており、上下両フレーム部材が、両端の円筒部どうしを連結する第１連結板および隣接する円筒部どうしを連結する第２連結板を有し、中間フレーム部材が隣接する円筒部どうしを連結する連結板を有しており、両コーナーフレームの円筒部が丸パイプから形成され、両コーナーフレームの上下両フレーム部材の第１連結板および第２連結板、ならびに中間フレーム部材の連結板が金属板から形成されている請求項１記載の仮設足場用朝顔装置。

【請求項5】

直線朝顔ユニットの第２パネルの端部を受ける板受け部材が、主材用コーナーフレームの上フレーム部材と下フレーム部材との間の高さ位置に配置されており、板受け部材が、平面から見て略Ｌ字形のベース部材と、ベース部材に固定されかつコーナー支柱をクランプするクランプ金具と、ベース部材に固定されてコーナー朝顔ユニットの両端の第２板支持部材の主材と同方向に傾斜状に突出しかつ直線朝顔ユニットの第２パネルの端部に設けられたフックが係合する係合部と、係合部に設けられて第２パネルのフックの係合部からの脱落を防止する脱落防止部とを備えている請求項４記載の仮設足場用朝顔装置。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

この発明は、仮設足場に張り出し状に設置して、仮設足場からの資材や工具等の落下による事故を防止するために用いられる仮設足場用朝顔装置に関する。

【背景技術】

【0002】

仮設足場用朝顔装置として、たとえば、下記の特許文献１に記載されているものが知られている。特許文献１記載の仮設足場用朝顔装置は、複数の直線部分を有するとともに隣り合う直線部分どうしが一定の角度をなして連なっており、直線部分の張り出し側端部に、複数の支柱が当該直線部分の長手方向に間隔をおいて立設されて支柱列を構成しており、互いに一定の角度をなして連なった２つの直線部分の前記支柱列が１つのコーナー支柱を共有している仮設足場において、前記支柱を利用して着脱自在に取り付けられる仮設足場用朝顔装置であって、仮設足場の直線部分に配置される直線朝顔ユニットおよび仮設足場の隣り合う直線部分間のコーナー部分に配置されるコーナー朝顔ユニットを備えており、直線朝顔ユニットが、仮設足場の直線部分の前記支柱列の各支柱に取り付けられた複数の第１板支持部材と、隣り合う第１板支持部材間に仮設足場の張り出し方向に並んで配置された複数の第１パネルとを備えており、コーナー朝顔ユニットが、コーナー支柱にコーナー支柱の中心軸線から放射状に延びるように取り付けられた１つの第２板支持部材と、コーナー部を挟む直線朝顔ユニットのコーナー部側の端部に配置された２つの第１板支持部材と第２板支持部材との間に配置された２枚の三角形パネルとを備えており、直線朝顔ユニットの第１板支持部材が、第１パネルの１辺を保持する主材と、一端部が主材に枢着されて主材の長手方向と直交する水平軸線の周りに回転自在である副材とよりなり、第１板支持部材の主材の一端部が仮設足場の直線部分の各支柱に水平回転軸線の周りに回転自在となるように支持部材接続部を介して取り付けられて他端部に向かって仮設足場から張り出す方向に向かって上方に傾斜しており、同じく副材の主材への連結端部とは反対側の端部が、主材の一端部が取り付けられた支柱に水平回転軸線の周りに回転自在となるように支持部材接続部を介して取り付けられて主材を傾斜状態に保持しており、コーナー朝顔ユニットの第２板支持部材が、２つの三角形パネルの近接した１つの辺を連結する主材と、一端部が主材に枢着されて主材の長手方向と直交する水平軸線の周りに回転自在である副材とよりなり、第２板支持部材の主材の一端部が三方支持部材接続部を介してコーナー支柱に水平回転軸線の周りに回転自在となるように着脱自在に取り付けられて他端部に向かって斜め上方に傾斜しており、同じく副材の主材への連結端部とは反対側の端部が三方支持部材接続部を介してコーナー支柱に水平回転軸線の周りに回転自在となるように着脱自在に取り付けられて主材を傾斜状態に保持しており、三方支持部材接続部が、上下方向に間隔をおいて配置された２つのＬ形当接板と、両当接板に溶接されかつコーナー支柱の中心軸線から放射状に延びる３枚のプレートと、一方の当接板とともにコーナー支柱を挟着する挟着プレートとからなり、３枚のプレートのうち両側の２枚のプレートは互いに９０度隔てて配置されるとともに中央のプレートが両側のプレートからそれぞれ４５度隔てて配置されており、主材をコーナー支柱に連結する三方支持部材接続部の両側のプレートに直線朝顔ユニットのコーナー部側の端部に配置された２つの第１板支持部材の主材がボルトとナットとにより取り付けられ、同じく中央のプレートに主材に設けられてプレートを挟む１対の挟着片がボルトとナットとにより取り付けられ、副材をコーナー支柱に連結する三方支持部材接続部の両側のプレートに直線朝顔ユニットのコーナー部側の端部に配置された２つの第１板支持部材の副材がボルトとナットとにより取り付けられ、同じく中央のプレートに副材に設けられてプレートを挟む１対の挟着片がボルトとナットとにより取り付けられている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特開２００４－９２１５８号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

しかしながら、特許文献１記載の仮設足場用朝顔装置によれば、コーナー朝顔ユニットの第２板支持部材の構成を直線朝顔ユニットの第１板支持部材とは変える必要があり、部品の種類が増加するという問題があった。また、三方支持部材接続部の構成が比較的複雑になるという問題があった。さらに、三方支持部材接続部への第１板支持部材の主材および副材、ならびに第２板支持部材の主材および副材の取付作業が比較的煩雑になり、その結果仮設足場用朝顔装置の組み立て作業が比較的煩雑になるという問題があった。

【0005】

この発明の目的は、上記問題を解決し、用いる部品の種類を減少させることができるとともに用いる部品の構成が比較的簡単になり、さらに組み立て作業が容易になる仮設足場用朝顔装置を提供することにある。

【課題を解決するための手段】

【0006】

本発明は、上記目的を達成するために以下の態様からなる。

【0007】

1)複数の直線部分を有するとともに隣り合う直線部分どうしが一定の角度をなして連なっており、直線部分の張り出し側端部に、複数の支柱が当該直線部分の長手方向に間隔をおいて立設されて支柱列を構成しており、互いに一定の角度をなして連なった２つの直線部分の前記支柱列が１つのコーナー支柱を共有している仮設足場において、前記支柱を利用して着脱自在に取り付けられる仮設足場用朝顔装置であって、
仮設足場の直線部分に配置される直線朝顔ユニットおよび仮設足場の隣り合う直線部分間のコーナー部分に配置されるコーナー朝顔ユニットを備えており、
直線朝顔ユニットが、仮設足場の直線部分の前記支柱列の各支柱に取り付けられた複数の第１板支持部材と、隣り合う第１板支持部材間に仮設足場の張り出し方向に並んで配置された複数の第１パネルと、直線朝顔ユニットにおけるコーナー朝顔ユニット側の端部の第１板支持部材の外側に仮設足場の張り出し方向に並んで配置された複数の第２パネルとを備えており、
コーナー朝顔ユニットが、コーナー支柱にコーナー支柱の中心軸線の周りに所定角度間隔で取り付けられてコーナー支柱から放射状に延びる複数の第２板支持部材と、隣り合う第２板支持部材どうしの間に配置された複数のコーナーパネルと、コーナー支柱に着脱自在に取り付けられて直線朝顔ユニットの第２パネルの端部を受けて傾斜方向下方への移動を阻止する板受け部材とを備えており、
直線朝顔ユニットの第１板支持部材およびコーナー朝顔ユニットの第２板支持部材が、仮設足場から張り出す方向に向かって上方に傾斜した棒状の主材および主材を傾斜状態で保持する棒状の副材からなり、
第１板支持部材の主材が、一端部において仮設足場の直線部分の各支柱に水平回転軸線の周りに回転自在となるように取り付けられるとともに、他端部に向かって上方に傾斜しており、同じく副材が、一端部において主材の一端部が取り付けられた支柱に水平回転軸線の周りに回転自在となるように取り付けられるとともに、他端部が主材の他端部寄りの部分に水平回転軸線の周りに回転自在となるように取り付けられており、
第２板支持部材の主材が、一端部において主材用コーナーフレームを介してコーナー支柱に水平回転軸線の周りに回転自在となるように取り付けられるとともに、他端部に向かって上方に傾斜しており、同じく副材が、一端部において副材用コーナーフレームを介してコーナー支柱に水平回転軸線の周りに回転自在となるように取り付けられており、
主材用コーナーフレームと副材用コーナーフレームとが同一構成であって、コーナー支柱をクランプするクランプ金具と、コーナー支柱の中心軸線の周りに所定角度間隔で配置された第２板支持部材と同数の鉛直状円筒部とを備えており、主材用コーナーフレームの円筒部に第１取付部を介して主材が着脱自在に取り付けられ、副材用コーナーフレームの円筒部に第２取付部を介して副材が着脱自在に取り付けられ、第１取付部および第２取付部が同一構成となっている仮設足場用朝顔装置。

【0008】

2)第１取付部および第２取付部が、主材および副材に設けられて円筒部をクランプするクランプ金具からなる上記1)記載の仮設足場用朝顔装置。

【0009】

3)第１取付部および第２取付部が、主材用コーナーフレームおよび副材用コーナーフレームの円筒部に設けられた平面より見てコ字形のソケット金具と、主材および副材に設けられてソケット金具に挿入されるインサート金具とを備えている上記1)記載の仮設足場用朝顔装置。

【0010】

4)主材用コーナーフレームおよび副材用コーナーフレームが、上下方向に間隔をおいて配置された上フレーム部材、中間フレーム部材および下フレーム部材を備えており、上下両フレーム部材が、隣接する円筒部どうしを連結する第１連結板および両端の円筒部どうしを連結する第２連結板を有し、中間フレーム部材が隣接する円筒部どうしを連結する連結板を有しており、両コーナーフレームの円筒部が丸パイプから形成され、両コーナーフレームの上下両フレーム部材の第１連結板および第２連結板、ならびに中間フレーム部材の連結板が金属板から形成されている上記1)記載の仮設足場用朝顔装置。

【0011】

5)直線朝顔ユニットの第２パネルの端部を受ける板受け部材が、主材用コーナーフレームの上フレーム部材と下フレーム部材との間の高さ位置に配置されており、板受け部材が、平面から見て略Ｌ字形のベース部材と、ベース部材に固定されかつコーナー支柱をクランプするクランプ金具と、ベース部材に固定されてコーナー朝顔ユニットの両端の第２板支持部材の主材と同方向に傾斜状に突出しかつ直線朝顔ユニットの第２パネルの端部に設けられたフックが係合する係合部と、係合部に設けられて第２パネルのフックの係合部からの脱落を防止する脱落防止部とを備えている上記4)記載の仮設足場用朝顔装置。

【発明の効果】

【0012】

上記1)～5)の仮設足場用朝顔装置によれば、直線朝顔ユニットの第１板支持部材とコーナー朝顔ユニットの第２板支持部材とを同一構成にすることができるから、使用する部品の種類を減少させることができる。

【0013】

また、主材用コーナーフレームと副材用コーナーフレームとが同一構成であって、コーナー支柱をクランプするクランプ金具と、コーナー支柱の中心軸線の周りに所定角度間隔で配置された第２板支持部材と同数の鉛直状円筒部とを備えており、主材用コーナーフレームの円筒部に第１取付部を介して主材が着脱自在に取り付けられ、副材用コーナーフレームの円筒部に第２取付部を介して副材が着脱自在に取り付けられ、第１取付部および第２取付部が同一構成となっているので、第１取付部および第２取付部として、主材および副材に設けられて円筒部をクランプする既存のクランプ金具からなる仮設足場用の既存のものや、円筒部に設けられかつ平面より見てコ字形のソケット金具と、主材および副材に設けられて円筒部のソケット金具に挿入されるインサート金具とを備えた仮設足場用の既存のものを用いることが可能になり、主材用コーナーフレームの円筒部への主材の取付作業および副材用コーナーフレームの円筒部への副材の取付作業が比較的簡単になり、ひいては仮設足場用朝顔装置の組み立て作業が比較的簡単になる。

【0014】

さらに、コーナー支柱に着脱自在に取り付けられて直線朝顔ユニットの第２パネルの端部を受けて傾斜方向下方への移動を阻止する板受け部材を備えているので、たとえば第２パネルのコーナー側端部に既存のフックを取り付けるとともに、当該フックをコーナー朝顔ユニットの第２板支持部材の主材に係合させるだけで第２パネルを簡単に配置することができる。

【0015】

上記4)の仮設足場用朝顔装置によれば、丸パイプを所要の長さに切断することによって両コーナーフレームの円筒部を形成し、板を所要の大きさに切断するとともに、必要に応じて曲げ加工などの簡単な加工を施すことによって上下両フレーム部材の第１連結板および第２連結板と中間フレーム部材の連結板を形成することができるので、両コーナーフレームを比較的簡単に製作することができる。

【0016】

上記5)の仮設足場用朝顔装置によれば、板受け部材の構成が比較的簡単になる。また、板受け部材をコーナー支柱に取り付けた後に、板受け部材を目印としてコーナー朝顔の主材用コーナーフレームをコーナー支柱に取り付けることができる。

【図面の簡単な説明】

【0017】

【図1】この発明の仮設足場用朝顔装置の一部分を示す平面図である。

【図2】図１のＡ部拡大図である。

【図3】図２の部分拡大図である。

【図4】直線朝顔ユニットの第１板支持部材を示す図１のＢ－Ｂ線断面図である。

【図5】コーナー朝顔ユニットの第２板支持部材を示す図１のＣ－Ｃ線断面図である。

【図6】コーナー朝顔ユニットのコーナーフレームを示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図である。

【図7】コーナー朝顔ユニットの板受け部材を示し、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は背面図である。

【図8】コーナー朝顔ユニットのコーナーフレームの変形例を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図である。

【図9】直線朝顔ユニットの第２板支持部材の変形例を示す図５相当の図である。

【発明を実施するための形態】

【0018】

以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。

【0019】

図１はこの発明による仮設足場用朝顔装置の構成を示し、図２および図３は図１の要部の構成を示す。また、図４は直線朝顔ユニットの第１板支持部材を示し、図５はコーナー朝顔ユニットの第２板支持部材を示し、図６はコーナー朝顔ユニットのコーナーフレームを示し、図７はコーナー朝顔ユニットの板受け部材を示す。

【0020】

図１～図３において、仮設足場用朝顔装置(1)は、仮設足場(S)に張り出し状に着脱自在に設置されるものである。仮設足場(S)は、複数の直線部分(S1)を有するとともに隣り合う直線部分(S1)どうしが一定の角度、この実施形態では直角をなして連なったものであり、直線部分(S1)の建物側端部および張り出し側端部に、それぞれ複数の支柱(S2)が直線部分(S1)の長手方向に間隔をおいて立設されて建物側支柱列(S3)および張り出し側支柱列(S4)が構成され、２つの直線部分(S1)の張り出し側支柱列(S4)が１つのコーナー支柱(S21)を共有している。

【0021】

仮設足場(S)の建物側支柱列(S3)と張り出し側支柱列(S4)との間には、複数の踏板(S5)が長手方向を両支柱列(S3)(S4)の支柱(S2)(S21)の並び方向に向けて配置されており、踏板(S5)の長手方向両端部に設けられたフック（図示略）が、建物側支柱列(S3)の支柱(S2)と張り出し側支柱列(S4)の支柱(S2)(S21)との間に渡し止められた横桟(S6)に係合させられている。

【0022】

仮設足場用朝顔装置(1)は、張り出し側支柱列(S4)の支柱(S2)(S21)を利用して、仮設足場(S)に着脱自在に張り出し状に設置されている。仮設足場用朝顔装置(1)は、仮設足場(S)の直線部分(S1)に配置される直線朝顔ユニット(2)および仮設足場(S)の隣り合う直線部分(S1)間のコーナー部分に配置されるコーナー朝顔ユニット(3)を備えている。

【0023】

直線朝顔ユニット(2)は、仮設足場(S)の直線部分(S1)の張り出し側支柱列(S4)の各支柱(S2)に取り付けられた複数の第１板支持部材(4)と、長手方向を張り出し側支柱列(S4)の支柱(S2)の並び方向に向けた状態で隣り合う第１板支持部材(4)間に仮設足場(S)の張り出し方向に並んで配置された複数の第１パネル(5)と、直線朝顔ユニット(2)におけるコーナー朝顔ユニット(3)側の端部の第１板支持部材(4)の外側に仮設足場(S)の張り出し方向に並んで配置された複数の第２パネル(6)とを備えている。

【0024】

図４を参照すると、第１板支持部材(4)は下支持型であって、一端部が仮設足場(S)の直線部分(S1)の張り出し側支柱列(S4)の支柱(S2)に取り付けられるとともに、他端部に向かって上方に傾斜した棒状の金属製主材(41)と、一端部が主材(41)が取り付けられた支柱(S2)に取り付けられるとともに、他端部が主材(41)の他端部近傍に枢着されて主材(41)を傾斜状態に保持する棒状の金属製副材(42)とよりなる。主材(41)および副材(42)の一端部は、支柱(S2)に対して張り出し側支柱列(S4)における支柱(S2)の並び方向に延びる水平回転軸線の周りに回転自在であり、副材(42)の他端部は、主材(41)に対して張り出し側支柱列(S4)における支柱(S2)の並び方向に延びる水平回転軸線の周りに回転自在である。

【0025】

第１パネル(5)は、長手方向両端部に設けられたフック（図示略）が第１板支持部材(4)の主材(41)に係合させられている。第２パネル(6)は第１板支持部材(4)側の端部に設けられたフック（図示略）が第１板支持部材(4)の主材(41)に係合させられ、コーナー朝顔ユニット(3)側の端部に設けられたフック(61)が後述する板受け部材(10)の係合部(103)に係合させられている。

【0026】

図２および図５を参照すると、コーナー朝顔ユニット(3)は、コーナー支柱(S21)に、上下方向に間隔をおいて配置された２つのコーナーフレーム(7)を介してコーナー支柱(S21)の中心軸線の周りに所定角度間隔で着脱自在に取り付けられ、かつコーナー支柱(S21)から放射状に延びる複数、この実施形態では３つの第２板支持部材(8)と、隣り合う第２板支持部材(8)どうしの間に配置された複数のコーナーパネル(9)と、コーナー支柱(S21)に着脱自在に取り付けられて直線朝顔ユニット(2)の第２パネル(6)のコーナー朝顔ユニット(3)側の端部を受けて傾斜方向下方への移動を阻止する板受け部材(10)とを備えている。ここで、上コーナーフレーム(7)が主材用コーナーフレームであり、下コーナーフレーム(7)が副材用コーナーフレームである。

【0027】

上下両コーナーフレーム(7)は同一構成であり、図３および図６を参照すると、上下方向に間隔をおいて配置された上フレーム部材(71)、中間フレーム部材(72)および下フレーム部材(73)と、上フレーム部材(71)および下フレーム部材(73)に固定されかつコーナー支柱(S21)をクランプするクランプ金具(74)と、コーナー支柱(S21)の中心軸線の周りに所定角度間隔をおいて配置され、かつ上フレーム部材(71)、中間フレーム部材(72)および下フレーム部材(73)に跨がって固定された第２板支持部材(8)と同数の鉛直状円筒部(75)とを備えている。

【0028】

上下両フレーム部材(71)(73)は、隣接する円筒部(75)どうしを連結する第１連結板(76)および両端の円筒部(75)どうしを連結する第２連結板(77)を有し、中間フレーム部材(72)が隣接する円筒部(75)どうしを連結する連結板(78)を有している。上下両フレーム部材(71)(73)の第２連結板(77)は長手方向の両側部分(771)が長手方向の中間部分(772)に対して鈍角をなすように曲げられており、中間部分(772)にクランプ金具(74)が固定されている。両コーナーフレーム(7)の円筒部(75)は丸パイプを所定の長さに切断することにより形成され、上下両フレーム部材(71)(73)の第１連結板(76)および中間フレーム部材(72)の連結板(78)が幅方向を上下方向に向けた帯状板を所定の長さに切断することにより形成され、上下両フレーム部材(71)(73)の第２連結板(77)が幅方向を上下方向に向けた帯状板を所定の長さに切断するとともに両側部分(771)を中間部分(772)に対して曲げることにより形成されている。上下両コーナーフレーム(7)は、クランプ金具(74)によりコーナー支柱(S21)をクランプすることによってコーナー支柱(S21)に着脱自在に取り付けられている。

【0029】

第２板支持部材(8)は下支持型であって、直線朝顔ユニット(2)の第１板支持部材(4)と同一構成であり、図５を参照すると、一端部が上コーナーフレーム(7)の円筒部(75)に取り付けられるとともに、他端部に向かって上方に傾斜した棒状の金属製主材(81)と、一端部が下コーナーフレーム(7)における主材(81)が取り付けられた上コーナーフレーム(7)の円筒部(75)の真下に位置する円筒部(75)に取り付けられるとともに、他端部が主材(81)の他端部近傍に枢着されて主材(81)を傾斜状態に保持する棒状の金属製副材(82)とよりなる。主材(81)および副材(82)の一端部は、円筒部(75)に対して円筒部(75)および主材(81)の長手方向に垂直な水平回転軸線の周りに回転自在であり、副材(82)の他端部は、前記水平回転軸線と平行な水平回転軸線の周りに回転自在である。

【0030】

図３を参照すると、第２板支持部材(8)の主材(81)の一端部、すなわち傾斜方向下端部には主材用クランプ金具(811)が取り付けられている。主材用クランプ金具(811)は短円筒状部材(812)の一端部に固定されており、短円筒状部材(812)の他端部が主材(81)の傾斜下端部に固定されたコ字形金具(813)内に配置されてボルト(814)およびナット(815)により主材(81)の長手方向と直角をなす方向に延びる水平回転軸線の周りに回転自在に支持されている。図５を参照すると、副材(82)の傾斜方向下端部には副材用クランプ金具(821)が取り付けられている。副材用クランプ金具(821)にはコ字形金具(822)が固定されており、副材(82)の傾斜下端部がコ字形金具(822)内に配置されてピン（図示略）により主材(81)の回転中心軸線と平行に延びる水平回転軸線の周りに回転自在に支持されている。

【0031】

主材(81)の一端部は、主材用クランプ金具(811)により上側コーナーフレーム(7)の各円筒部(75)をクランプすることによって上側コーナーフレーム(7)に着脱自在に取り付けられている。副材(82)の一端部は、副材用クランプ金具(821)により下側コーナーフレーム(7)の各円筒部(75)をクランプすることによって下側コーナーフレーム(7)に着脱自在に取り付けられている。したがって、主材用クランプ金具(811)が主材(81)を上コーナーフレーム(70)に着脱自在に取り付ける第１取付部であり、副材用クランプ金具(821)が副材(82)を下コーナーフレーム(70)に着脱自在に取り付ける第２取付部である。

【0032】

図１～図３を参照すると、コーナーパネル(9)は平面から見て等脚台形状であり、互いに平行な１対の辺のうち短辺がコーナー支柱(S21)側に位置するとともに長辺がこれと反対側に位置するように隣り合う第２板支持部材(8)の主材(81)どうしの間に配置されており、他の２つの辺に設けられたフック(91)が主材(81)に係合させられている。

【0033】

図３および図７を参照すると、直線朝顔ユニット(2)の第２パネル(6)の端部を受ける板受け部材(10)は、平面から見て略Ｌ字形のベース部材(101)と、ベース部材(101)に固定されかつコーナー支柱(S21)をクランプするクランプ金具(102)と、ベース部材(101)に固定されて直線朝顔ユニット(2)の第１板支持部材(4)の主材(41)と同方向に突出しかつ直線朝顔ユニット(2)の第２パネル(6)の端部に設けられたフック(61)が係合する傾斜状の係合部(103)と、係合部(103)の先端部に設けられてフック(61)が係合部(103)の先端から誤って脱落することを防止する脱落防止部(104)とよりなる。そして、第２パネル(6)のコーナー側端部に設けられたフック(61)が第２板支持部材(8)の主材(81)に係合させられるとともに、傾斜方向下端の第２パネル(6)の下端のフック(61)が係合部(103)に係合することによって、第２パネル(6)のコーナー側端部が第２板支持部材(8)および板受け部材(10)に取り付けられている。

【0034】

図８はコーナーフレームの変形例を示す。

【0035】

図８に示すコーナーフレーム(700)の円筒部(75)の長手方向の中間部にソケット金具(701)が固定されている。その他の構成は図５に示すコーナーフレーム(7)と同一であり、同一部分には同一符号を付す。

【0036】

図８に示すコーナーフレーム(700)は、クランプ金具(74)を利用して上下方向に間隔をおいてコーナー支柱(S21)に取り付けられ、コーナー支柱(S21)の中心軸線の周りに所定角度間隔で着脱自在に配置され、かつコーナー支柱(S21)から放射状に延びる３つの第２板支持部材(80)が、上下のコーナーフレーム(70)を介してコーナー支柱(S2)に取り付けられる。

【0037】

図示は省略したが、上側コーナーフレーム(700)のソケット金具(701)に第２板支持部材(8)の主材(81)の傾斜下端部に設けられたインサート金具が挿入されるとともに、下側コーナーフレーム(700)のソケット金具(701)に第２板支持部材(8)の副材(82)の傾斜下端部に設けられたインサート金具が挿入されることによって、第２板支持部材(8)が上下両コーナーフレーム(700)に着脱自在に取り付けられるようになっている。したがって、上コーナーフレーム(700)のソケット金具(701)と主材(81)のインサート金具とにより、主材(81)を上コーナーフレーム(700)に着脱自在に取り付ける第１取付部が構成され、下コーナーフレーム(700)のソケット金具(701)と副材(82)のインサート金具とにより、副材(82)を下コーナーフレーム(700)に着脱自在に取り付ける第２取付部が構成されている。

【0038】

図９はコーナー朝顔ユニットの第２板支持部材の変形例を示す。

【0039】

図９に示す第２板支持部材(800)は、図８に示すコーナーフレーム(700)を介してコーナー支柱(S21)に取り付けられるものである。コーナーフレーム(700)は、クランプ金具(74)によりコーナー支柱(S21)をクランプすることによってコーナー支柱(S21)に上下方向に間隔をおいて着脱自在に取り付けられている。

【0040】

第２板支持部材(800)は上吊持型であって、一端部が下コーナーフレーム(700)の円筒部(75)に取り付けられるとともに、他端部に向かって上方に傾斜した棒状の金属製主材(801)と、一端部が上コーナーフレーム(700)における主材(801)が取り付けられた円筒部(75)の真上に位置する円筒部(75)に取り付けられるとともに、他端部が主材(801)の他端部近傍に枢着されて主材(801)を傾斜状態に吊持する棒状の金属製副材(802)とよりなる。

【0041】

主材(801)および副材(802)の一端部は、円筒部(75)に対して円筒部(75)と主材(801)および副材(802)の長手方向に垂直な水平回転軸線の周りに回転自在であり、副材(802)の他端部は、前記水平回転軸線と平行な水平回転軸線の周りに回転自在である。

【0042】

主材(801)および副材(802)の一端部には、それぞれインサート金具(803)(804)が設けられており、これらのインサート金具(803))(804)がコーナーフレーム(700)のソケット金具(701)に挿入されることによって、主材(801)および副材(802)の一端部コーナーフレーム(700)に着脱自在に取り付けられている。したがって、上コーナーフレーム(700)のソケット金具(701)と主材(801)のインサート金具(803)とにより、主材(801)を上コーナーフレーム(700)に着脱自在に取り付ける第１取付部が構成され、下コーナーフレーム(700)のソケット金具(701)と副材(802)のインサート金具(804)とにより、副材(802)を下コーナーフレーム(700)に着脱自在に取り付ける第２取付部が構成されている。

【産業上の利用可能性】

【0043】

この発明による仮設足場用朝顔装置は、仮設足場に張り出し状に設置して、仮設足場からの資材や工具等の落下による事故を防止する朝顔装置として好適に用いられる。

【符号の説明】

【0044】

(1)：仮設足場用朝顔装置、(2)：直線朝顔ユニット、(3)：コーナー朝顔ユニット、(4)：第１板支持部材、(41)：主材、(42)：副材、(5)：第１パネル、(6)：第２パネル、(61)：フック、(7)：コーナーフレーム（主材用コーナーフレームおよび副材用コーナーフレーム）、(71)：上フレーム部材、(72)：中間フレーム部材、(73)：下フレーム部材、(74)：クランプ金具、(75)：円筒部、(76)：第１連結板、(77)：第２連結板、(78)：連結板、(700)：コーナーフレーム（主材用コーナーフレームおよび副材用コーナーフレーム）、(701)：ソケット金具、(8)：第２板支持部材、(81)：主材、(811)：主材用クランプ金具（第１取付部）、(82)：副材、(821)：副材用クランプ金具（第２取付部）、(800)：第２板支持部材、(801)：主材、(802)：副材、(803)(804)：インサート金具、(9)：コーナーパネル、(10)：板受け部材、(S)：仮設足場、(S1)：直線部分、(S2)：支柱、(S4)：張り出し側支柱列、(S21)：コーナー支柱。

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】