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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008425
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】RFIDタグ
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/077 20060101AFI20240112BHJP
   H01Q 7/00 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
G06K19/077 280
H01Q7/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022110295
(22)【出願日】2022-07-08
(71)【出願人】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 卓朗
(72)【発明者】
【氏名】菅 エリナ
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 翼
(57)【要約】
【課題】通信性能の低下を抑制できるRFIDタグを提供する。
【解決手段】RFIDタグ1は、識別情報が記録されるICチップ21と、当該RFIDタグ1の短手方向に延在し、長手方向の両端に対向して配置される一対の短辺部221A、221Bを有する環状に形成され、ICチップ21に接続されるループ状導体22と、一対の短辺部221A、221Bから長手方向の両側に延在し、矩形状に形成される一対の矩形状導体23A、23Bと、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDタグであって、
識別情報が記録されるICチップと、
当該RFIDタグの短手方向に延在し、長手方向の両端に対向して配置される一対の対辺部を有する環状に形成され、前記ICチップに接続されるループ状導体と、
前記一対の対辺部から前記長手方向の両側に延在し、矩形状に形成される一対の矩形状導体と、
を備えるRFIDタグ。
【請求項2】
前記一対の矩形状導体のそれぞれにおいて、前記短手方向の両端の少なくとも一方から前記ループ状導体より前記短手方向の外側へ突出する突出部が設けられ、
前記突出部から前記長手方向の中央側へ前記長手方向に沿って突出して設けられ、短冊状に形成される短冊部を備える、
請求項1に記載のRFIDタグ。
【請求項3】
前記ループ状導体は、前記長手方向に延在し、前記短手方向の両端に対向して配置される一対の第2対辺部を有し、
前記短冊部は、前記一対の第2対辺部の一方側において、前記一対の矩形状導体の前記突出部から突出して設けられる一対の短冊部を含む、
請求項2に記載のRFIDタグ。
【請求項4】
前記短冊部は、前記一対の第2対辺部の他方側において、前記一対の矩形状導体の前記突出部から突出して設けられる他の一対の短冊部を含む、
請求項3に記載のRFIDタグ。
【請求項5】
前記短冊部は、前記短手方向から視たときに前記ループ状導体の前記ICチップが設置される部分と重畳しないよう形成される、
請求項2~4のいずれか一項に記載のRFIDタグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、RFIDタグに関する。
【背景技術】
【0002】
管理対象の物品にRFID(Radio Frequency Identificadon)タグを貼付し、当該物品に関する情報についてタグとの間で読み書きを行うことにより高精度かつ簡易に物品の管理を行う手法が知られている。
【0003】
例えば特許文献1には、製本時に表紙などにRFIDタグを貼付して本の管理に利用する構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-326474
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、一般に本は多数の紙を綴じて作製される。また、書店での販売時や保管時、図書館での保管時などに、多数の本を平積みする場合が多い。このため、例えば表紙や裏表紙などの表紙部分や、表紙部分に近い見返しや扉などにRFIDタグが貼付されている場合には、平積みされている各本のRFIDタグが上下の本に挟持される配置となり得る。このような配置状態では、各本に貼付されるRFIDタグ同士が近接することの影響や、本を形成する多数の紙に含まれる水分などの影響によってRFIDタグの通信距離が低下し、RFIDタグの読取精度が悪化する場合がある。なお、本棚に複数の本を密接させて並べる場合も同様の問題が生じ得る。
【0006】
本開示は、通信性能の低下を抑制できるRFIDタグを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態の一観点に係るRFIDタグは、識別情報が記録されるICチップと、当該RFIDタグの短手方向に延在し、長手方向の両端に対向して配置される一対の対辺部を有する環状に形成され、前記ICチップに接続されるループ状導体と、前記一対の対辺部から前記長手方向の両側に延在し、矩形状に形成される一対の矩形状導体と、を備える。
【0008】
この態様によれば、ループ状導体及び矩形状導体を備える導体パターンを形成することによって、通信性能の低下を抑制することできる。
【0009】
本発明の実施形態の他の観点に係るRFIDタグでは、前記一対の矩形状導体のそれぞれにおいて、前記短手方向の両端の少なくとも一方から前記ループ状導体より前記短手方向の外側へ突出する突出部が設けられ、前記突出部から前記長手方向の中央側へ前記長手方向に沿って突出して設けられ、短冊状に形成される短冊部を備える構成でもよい。
【0010】
この態様によれば、突出部と短冊部を備える導体パターンを形成することによって、通信性能の低下をさらに抑制することできる。
【0011】
本発明の実施形態の他の観点に係るRFIDタグでは、前記ループ状導体は、前記長手方向に延在し、前記短手方向の両端に対向して配置される一対の第2対辺部を有し、前記短冊部は、前記一対の第2対辺部の一方側において、前記一対の矩形状導体の前記突出部から突出して設けられる一対の短冊部を含む構成でもよい。
【0012】
この態様によれば、一対の短冊部を備える導体パターンを形成することによって、通信性能の低下をさらに抑制することできる。
【0013】
本発明の実施形態の他の観点に係るRFIDタグでは、前記短冊部は、前記一対の第2対辺部の他方側において、前記一対の矩形状導体の前記突出部から突出して設けられる他の一対の短冊部を含む構成でもよい。
【0014】
この態様によれば、二対の短冊部を備える導体パターンを形成することによって、通信性能の低下をさらに抑制することできる。
【0015】
本発明の実施形態の他の観点に係るRFIDタグでは、前記短冊部は、前記短手方向から視たときに前記ループ状導体の前記ICチップが設置される部分と重畳しないよう形成される構成でもよい。
【0016】
この態様によれば、このように短冊部を形成することによって、通信性能の低下をさらに抑制することできる。
【発明の効果】
【0017】
本開示によれば、通信性能の低下を抑制できるRFIDタグを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態に係るRFIDタグの積層断面図
図2図1に示すRFIDタグを上方から視た平面図
図3図2に示すインレイの導体パターンの各部寸法の一例を示す図
図4】実施形態に係るRFIDタグを貼付対象物としての本への貼付する構成の一例を示す図
図5】貼付対象物としての複数の本に貼付されるRFIDタグからの情報読取手法の一例を示す図
図6】第1変形例に係るRFIDタグの平面図
図7】第2変形例に係るRFIDタグの平面図
図8】第3変形例に係るRFIDタグの平面図
図9】実施例1に係る第1試験の測定環境の模式図
図10図9に示す測定環境の平面図
図11】実施例2に係る第1試験の測定環境の模式図
図12】実施例3に係る第1試験の測定環境の模式図
図13】比較例1~3で用いられるRFIDタグの導体パターンを示す平面図
図14】比較例4の周波数特性を示す図
図15】実施例4の周波数特性を示す図
図16】比較例5の読取可能タグ数の推移を示す図
図17】実施例5の読取可能タグ数の推移を示す図
図18】実施例6の周波数特性を示す図
図19】実施例7の周波数特性を示す図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照しながら実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0020】
なお、以下の説明において、X方向、Y方向、Z方向は互いに垂直な方向である。Z方向はインレイ2などのRFIDタグ1の各構成要素の長手方向である。Y方向は、インレイ2などのRFIDタグ1の各要素の短手方向である。Z方向は、インレイ2などのRFIDタグの各構成要素の積層方向である。また、以下では説明の便宜上、Z軸の正方向側を表側や上側、Z軸の負方向側を裏側や下側とも表現する場合がある。
【0021】
<RFIDタグ1の構造>
図1は、実施形態に係るRFIDタグ1の積層断面図である。図2は、図1に示すRFIDタグ1を上方から視た平面図である。図2では、図1中のインレイ2に関する要素のみに絞って図示されている。RFIDタグ1は、貼付対象物に貼付される略平面状の装置である。図1図2に示すように、RFIDタグ1は、インレイ2を内蔵している。
【0022】
貼付対象物は、例えば図4などを参照して後述するように、書籍や雑誌などの本30を含む。また、貼付対象物は、本30に限られず、主に保管時に垂直方向や水平方向に積層配置される物品や、本30と同様に大量の紙を積層して形成される物品や、本30と同様に紙など水分を含む素材で形成される物品でもよい。このような物品としては、例えばトレーディングカードなどのカード類や、クリアファイルやノートなどの文房具類、菓子などの食品類、新聞、チケット、切符などが挙げられる。
【0023】
本実施形態のRFIDタグ1は、可撓性を有しており、被着体の表面が湾曲していても貼り付け可能であるのが好ましい。湾曲状に曲げられて状態においても、良好な通信性能を発揮でき、曲面を有する物品の識別にも本実施形態のRFIDタグ1を使用することができ、用途の多様化を図ることができる。
【0024】
インレイ2は、RFIDタグ1の機能に関する要素を含む部分であり、図2に示すように、識別情報が記録されるICチップ21と、ICチップ21に接続されるループ状導体22と、一対の矩形状導体23A、23Bとを有する。なお、以下の説明では一対の矩形状導体23A、23Bを纏めて「矩形状導体23」とも表記する場合があり、図1ではそのように標記されている。
【0025】
インレイ2は、例えばポリエチレンテレフタラート、ポリプロピレン等の合成樹脂製フィルムなどの基材24上に、アルミシートをドライラミネートで貼り付けたループ状導体22と矩形状導体23が形成され、規定の位置にICチップ21が実装されている。
【0026】
ICチップ21は内部容量を有し、矩形状導体23が有するインダクタンスとICチップ21の内部容量とにより、整合回路が構成される。
【0027】
ループ状導体22は、Z方向から平面視した形状が、1ターン以下のループ状(環状)の導電性配線パターンである。ループ状導体22は、少なくとも、RFIDタグ1の短手方向(Y方向)に延在し、長手方向(X方向)の両端に対向して配置される一対の対辺部を有する環状に形成される構成であればよい。本実施形態では、ループ状導体22は、図2に示すように、一対の短辺部221A、221Bと、一対の長辺部222A、222Bと、を有する長方形状の環状に形成されている。そして、本実施形態では、一対の短辺部221A、221Bが上記の「一対の対辺部」として機能する。
【0028】
また、本実施形態では、一対の長辺部222A、222Bは、長手方向(X方向)に延在し、短手方向(Y方向)の両端に対向して配置される「一対の第2対辺部」として機能する。一対の短辺部221A、221Bは、一方の短辺部221AがX負方向側(図2の左側)、他方の短辺部221BがX正方向側(図2の右側)に配置される。一対の長辺部222A、222Bは、一方の長辺部222AがY正方向側(図2の上側)、他方の長辺部222BがY負方向側(図2の下側)に配置される。
【0029】
ループ状導体22は、ICチップ21及び矩形状導体23と電気的に接続される。ICチップ21に記録された識別情報をRFIDリーダ40(図5など参照)で読み出す場合、UHF帯の電波、例えば920MHz付近の電波をインレイ2の矩形状導体23が受信すると、共振作用によりループ状導体22に電流が流れる。これにより、ICチップ21を動作する起電力が発生する。ICチップ21が動作すると、ICチップ21に記録された識別情報は、ICチップ21によって符号化され、符号化されたデータは、920MHz付近の電波を搬送波として、RFIDリーダ40等の通信装置に無線伝送される。この信号を受信したRFIDリーダ40は、信号を複合化して外部機器に転送する。このように本実施形態のRFIDタグ1は、識別情報の保持や送信のための電力源(バッテリ)を持たない受動型の電波式の無線タグである。従って、バッテリを持つ能動型の無線タグと比べて、バッテリを持たない分、小型化と低価格化を実現できる。
【0030】
ループ状導体22は、例えば図2に示すようにインレイ2の略中央部に配置される。ICチップ21は、ループ状導体22の上方に重畳配置されて、ループ状導体22に電気的に接続される。本実施形態では、ループ状導体22のうち、一方の長辺部222AのX方向の略中央の位置にICチップ21との接続位置が設けられている。
【0031】
一対の矩形状導体23A、23Bは、ループ状導体22の一対の短辺部221A、221Bからタグの長手方向(X方向)の両側に延在し、矩形状に形成される。なお本実施形態で用いる「矩形状」とは、略矩形状を含み、隣接する2辺の長さが若干異なる場合、あるいは隣接する角が正確な直角でない場合等を含む。
【0032】
また、一対の矩形状導体23A、23Bのそれぞれにおいて、タグの短手方向(Y方向)の両端のループ状導体22より短手方向の外側へ突出する一対の突出部231が設けられる。一方の矩形状導体23Aは一対の突出部231A、231Bを有し、一方の突出部231AがY正方向側に突出し、他方の突出部231BがY負方向側に突出して形成されている。他方の矩形状導体23Bは一対の突出部231C、231Dを有し、一方の突出部231CがY正方向側に突出し、他方の突出部231DがY負方向側に突出して形成されている。図2の例では、各突出部231のX方向の外縁端は、矩形状導体23のX方向の外縁端と同一位置となるように配置されている。なお、図2では、説明の便宜上、一方の矩形状導体23Aのうち一対の突出部231A、231Bの部分のY方向中心側(第2の仮想線VS側)の境界線と、他方の矩形状導体23Bのうち一対の突出部231C、231Dの部分のY方向中心側の境界線と点線で図示しているが、実際には各突出部231A~231Dは矩形状導体23A、23Bと一体的に形成されるものである。
【0033】
さらに、一対の矩形状導体23A、23Bは、突出部231からタグの長手方向(X方向)の中央側へ長手方向に沿って突出して設けられ、短冊状に形成される短冊部232を備える。一方の矩形状導体23Aでは、一対の突出部231A、231BからX正方向側にX方向に沿って突出するように短冊部232A、232Bがそれぞれ形成されている。他方の矩形状導体23Bでは、一対の突出部231C、231DからX負方向側にX方向に沿って突出するように短冊部232C、232Dがそれぞれ形成されている。図2の例では、各短冊部232のY方向の外縁端は、突出部231のY方向の外縁端と同一位置となるように配置されている。なお、図2では、説明の便宜上、一方の矩形状導体23Aのうち一対の短冊部232A、232Bの部分のX負方向側の基端部と各突出部231A、231Bとの境界線と、他方の矩形状導体23Bのうち一対の短冊部232C、232Dの部分のX正方向側の基端部と各突出部231C、231Dとの境界線とを点線で図示しているが、実際には各短冊部232A~232Dは矩形状導体23A、23Bと一体的に形成されるものである。
【0034】
言い換えると、短冊部232は、ループ状導体22の一対の長辺部222A、222Bのうち一方側の長辺部222Aにおいて、一対の矩形状導体23A、23Bの突出部231A、231Cから突出して設けられる一対の短冊部232A、232Cを含む。同様に、他方側の長辺部222Bにおいて、一対の矩形状導体23A、23Bの突出部231B、231Dから突出して設けられる一対の短冊部232B、232Dを含む。
【0035】
図2に示すように、各短冊部232は、タグの短手方向(Y方向)から視たときに、ループ状導体22のICチップ21が設置される部分と重畳しないよう形成されるのが好ましい。これにより、ICチップ21のY方向外側に導体パターンが介在しないので、ICチップ21の特にY方向の無線伝送性能を向上できると考えられ、貼付対象物に含まれる水分の影響や、複数の貼付対象物にそれぞれ貼付されるRFIDタグ同士が近接することの影響などによる通信性能の低下をさらに抑制できる。
【0036】
また、各短冊部232の幅(Y方向の寸法)は、各突出部231の矩形状導体23からのY方向への突出量よりも小さく形成される。これにより、各短冊部232と矩形状導体23やループ状導体22との間には隙間が形成されている。
【0037】
一対の矩形状導体23A、23Bは、無線通信用電波の周波数(例えばUHF帯の周波数)に対して、ICチップ21との間で共振特性を示すように構成されるダイポールアンテナとして機能する。ダイポールアンテナとしての矩形状導体23A、23Bは、全体でλ/2付近(λは通信波長)に相当する電気長を有する。一対の矩形状導体23A、23Bは、例えば920MHz付近(例えば、860MHz~960MHz、より好ましくは、915MHz~935MHz)の周波数の電波に対して、ICチップ21とのインピーダンス共役整合を実現する構造を有する。
【0038】
ループ状導体22及び矩形状導体23を含むインレイ2の導電性の配線パターンは、銅箔やアルミ箔のプレス加工やエッチング加工、めっきによって形成する方法、金属ペーストのシルクスクリーン印刷、金属線などの既存の方法によって形成できるが、ここではアルミのエッチングにより形成した。
【0039】
図2に示すように、ループ状導体22及び矩形状導体23を含むインレイ2の導電性の配線パターンは、平面視においてRFIDタグ1の長手方向の略中心(図2中のICチップ21が配置される位置)を通る第1の仮想線VLに対して、線対称に形成されるのが好ましい。第1の仮想線VLは、XY平面に平行で、かつ、Y方向に伸びる線である。第1の仮想線VLは、RFIDタグ1をX方向の領域に略二等分する線でもある。図2では、第1の仮想線VLをY方向に沿って延在する一点鎖線で示す。
【0040】
同様に、図2に示すように、ループ状導体22及び矩形状導体23を含むインレイ2の導電性の配線パターンは、平面視においてRFIDタグ1の短手方向の略中心を通る第2の仮想線VSに対して、線対称に形成されるのが好ましい。第2の仮想線VSは、XY平面に平行で、かつ、X方向に伸びる線である。第2の仮想線VSは、RFIDタグ1をY方向の領域に略二等分する線でもある。図2では、第2の仮想線VSをX方向に沿って延在する一点鎖線で示す。
【0041】
つまり、本実施形態では、ループ状導体22及び矩形状導体23を含むインレイ2の導電性の配線パターンは、X方向かつY方向の両方向に対して線対称となるように形成されている。
【0042】
また、図2に示すように、一対の矩形状導体23A、23Bは、一対の短辺部221A、221Bの延在方向(Y方向)に亘る全域からX方向に突出するよう形成されるのが好ましい。つまり、図2中の左側の短辺部221Aと矩形状導体23Aとが一体的に形成され、図2中の右側の短辺部221Bと矩形状導体23Bとが一体的に形成されるのが好ましい。
【0043】
なお、図2では、説明の便宜上、一方の矩形状導体23Aと一方の短辺部221Aとの境界線と、他方の矩形状導体23Bと他方の短辺部221Bとの境界線とが点線で図示しているが、実際には一対の矩形状導体23A、23Bはループ状導体22と一体的に形成されるものである。つまり、図2に点線で図示されている、一対の矩形状導体23A、23Bと一対の短辺部221A、221Bとの境界線や、一対の矩形状導体23A、23Bと4つの突出部231A~231Dとの境界線や、4つの突出部231A~231Dと4つの短冊部232A~232Dとの境界線は、実際にはインレイ2の導体パターン上には形成されない。
【0044】
また、一対の矩形状導体23A、23Bは、一対の短辺部221A、221BからX方向に突出するよう形成されればよく、一対の短辺部221A、221Bの延在方向(Y方向)の一部分のみからX方向に突出するよう形成される構成でもよい。
【0045】
図3は、図2に示すインレイ2の導体パターンの各部寸法の一例を示す図である。図3に示す寸法例では、上述のループ状導体22や矩形状導体23の形状に関する条件がすべて満たされている。
【0046】
本実施形態に係るRFIDタグ1は、上述したように図2に示す導電パターンで形成されるループ状導体22及び矩形状導体23を備える構成により、貼付対象物に含まれる水分の影響や、複数の貼付対象物にそれぞれ貼付されるRFIDタグ同士が近接することの影響などによる通信性能の低下を抑制することが可能となる。
【0047】
なお、本実施形態では説明の便宜上、ループ状導体22と矩形状導体23とを別要素とし、図2では点線により区分して図示している。しかしながら本実施形態では、上述のようにループ状導体22と矩形状導体23とは実際には一体的に形成されるものであって、図2に点線で示すループ状導体22と矩形状導体23との区分位置は一例に過ぎない。つまり本実施形態では、矩形状導体23だけでなく、ループ状導体22の少なくとも一部もアンテナ部として機能する場合も生じ得る。同様に、矩形状導体23の少なくとも一部もループ状導体として機能する場合も生じ得る。
【0048】
図1に示すように、本実施形態のRFIDタグ1では、インレイ2の上方にさらにラベル紙(フィルム系タック紙)3が配置される。ラベル紙3は、Z軸の正方向側の表面に印刷可能である。ラベル紙3の素材は適宜選択可能であり、印刷可能であれば例えば樹脂材料など紙以外の材料を適用してもよい。
【0049】
また、ラベル紙3は、X方向の寸法がインレイ2より大きく形成されており、その中央部分にインレイ2が配置され、X方向の両側にはインレイ2と重畳しない余剰部分が設けられる。この余剰部分のZ軸の負方向側の裏面には、貼付対象物との接触面(図1では下方の面)に粘着性を有する粘着部4が設けられる。このように、インレイ2と粘着部4とは、平面視において重畳しないように配置されている。図1の例では、インレイ2を基準として、X軸の正方向側と負方向側に一対の粘着部4A、4Bが配置されている。
【0050】
粘着部4は、貼付対象物と接触してその粘着力によって貼付対象物に粘着し、これによりRFIDタグ1の全体が貼付対象物に貼付される。
【0051】
粘着部4は、例えば粘着タイプのホットメルトによって形成されるのが好ましい。ホットメルトは、常温では固体であるが加熱溶融することにより液状化して被着体に塗布し、冷却固化によって接合を形成する熱可塑性接着剤であり、粘着タイプのホットメルトとは冷却固化後でも露出面に粘着力を有する性質のものである。また、粘着部4は、生物由来の資源(バイオマス)や生分解性の材料を使用して形成されるのが好ましい。粘着部4のバイオマスの含有率は、例えば25%である。
【0052】
また、ラベル紙3のZ軸の負方向側の裏面には接合部5が積層されている。接合部5は、インレイ2の上面と、粘着部4の上面とに接合され、これによりインレイ2及び粘着部4がラベル紙3により被覆される。また、接合部5は、積層時には、インレイ2とその上方のラベル紙3とによって形成される隙間に進入して、この隙間を埋めることができる。
【0053】
接合部5は、例えば非粘着タイプのホットメルトによって形成されるのが好ましい。非粘着タイプのホットメルトとは、冷却固化後には露出面に粘着力を有しない性質のものである。接合部5も、粘着部4と同様に、生物由来の資源(バイオマス)や生分解性の材料を使用して形成されるのが好ましい。
【0054】
また、使用前のRFIDタグ1には、粘着部4より下方に剥離紙6が配置される。剥離紙6は、例えばラベル紙3と同一以上の大きさで形成され、ラベル紙3と剥離紙6とが、粘着部4によって密着される。これにより、ラベル紙3のX方向の両側の一対の粘着部4A、4Bが貼付対象物への貼付に用いられる前に外部に露出することを防止でき、粘着力を保持できる。RFIDタグ1の使用時には、剥離紙6がRFIDタグ1から剥がされて、これにより露出したラベル紙3の粘着部4A、4BによってRFIDタグ1が貼付対象物に貼付される。
【0055】
また、剥離紙6は、図1に例示するものよりも大きく形成され、一枚の剥離紙6の上に複数個のRFIDタグ1が配置される構成でもよい。これにより、製造効率や搬送効率を向上できる。
【0056】
なお、本実施形態のRFIDタグ1のZ方向の厚さ(剥離紙6を除く)は、80μm~260μmであり、好ましくは150~230μmである。また、粘着部4のZ方向の厚さは10μm~30μm程度が好ましい。
【0057】
本実施形態のRFIDタグ1では、上述のように平面視においてインレイ2と粘着部4とが重畳しないように配置されており、図1図2の例では、インレイ2を基準として、X軸の正方向側と負方向側に一対の粘着部4A、4Bが配置される構成をとる。この構成により、インレイ2自体は貼付対象物には直接貼付されず、粘着部4を介して貼付対象物に間接的に貼付される。
【0058】
なお、RFIDタグ101の積層構造は図1に示すものに限られない。例えば、ラベル紙3が、インレイ2と同じ大きさで形成される構成でもよい。この場合、ラベル紙3の外縁部分が貼付対象物には接触できないので、貼付対象物と対向するインレイ2の基材24の下面の全体に粘着部4が設けられ、インレイ2は貼付対象物に直接貼付される。また、図1に示す構成において、一対の粘着部4A、4Bの間にも粘着部を連続的に設け、一層の粘着層とする構成としてもよい。この場合、インレイ2も貼付対象物に直接貼付される。
【0059】
また、RFIDタグ1は、インレイ2の貼付対象物側(図1の下方側)に、磁性シート、スペーサ層、誘電層などの要素がさらに積層される構成でもよい。磁性シートは、磁性材料を含有するシート材であり、ICチップ21の読取に用いられる周波数帯(例えばUHF帯)の電波に対して優れた磁気シールド特性を有するものを用いるのが好ましい。スペーサ層は、インレイ2を、貼付対象物からその厚み分だけ離間させた状態で配置させる要素であり、例えば厚紙や合成樹脂等の繊維からなる織布や不織布、セラミックガラス等の無機材料のシートなどの絶縁体で形成されるのが好ましい。誘電層は、比誘電率が1.2~3.0程度の絶縁体材料で形成されるのが好ましく、これによりRFIDタグ1の通信距離を増やすことができる。
【0060】
<RFIDタグ1の適用例>
図4は、実施形態に係るRFIDタグ1を貼付対象物としての本30への貼付する構成の一例を示す図である。図4に示すように、貼付対象物が本30である場合には、RFIDタグ1は例えば裏表紙31の裏面31Aに貼付することができる。また、貼付対象物が本30である場合には、RFIDタグ1のICチップ21には、例えばこのタグが貼付されている本30に関する各種書誌情報などを記録することができる。
【0061】
また、貼付対象物が本30である場合には、RFIDタグ1の貼付位置は図4の例に限られず、例えば裏表紙31の表面31B、表紙32の裏面32Aや裏面32B、背表紙33、見返し34、扉35などの他の位置でもよい。RFIDタグ1からの情報の読み取りを精度良く行うためには、RFIDリーダ40(図5参照)などの読取装置との間の遮蔽物ができるだけ少なくなるように、RFIDタグ1の貼付位置はできるだけ本30の外面に近い部分であるのが好ましい。
【0062】
図5は、貼付対象物としての複数の本30-1~30-5に貼付されるRFIDタグ1-1~1-5からの情報読取手法の一例を示す図である。図5に示すように、複数の本30-1~30-5にそれぞれRFIDタグ1-1~1-5が貼付されており、これらの複数の本30-1~30-5が上下方向に積載されている平積み状態である場合を考える。
【0063】
この場合、利用者は、例えば図5に示すRFIDリーダ40のような小型、軽量で可搬型の読取装置を用いて、平積みされている本30-1~30-5に接近した上でRFIDリーダ40を操作する。これにより、各本30-1~30-5に貼付されている各RFIDタグ1-1~1-5から、各RFIDタグ1-1~1-5に記録されている各本30-1~30-5に関する情報ID1~ID5を纏めて読み取ることができる。
【0064】
なお、読取装置を据付型として、読取装置の読取可能範囲に平積みの本30-1~30-5を載置して、各RFIDタグ1-1~1-5から情報ID1~ID5を読み取る構成としてもよい。また、本棚に複数の本30-1~30-5を密接させて並べる場合、つまり水平方向に複数の本を積層する場合でも、上述した手法で同様に各RFIDタグ1-1~1-5から情報ID1~ID5を纏めて読み取ることができる。
【0065】
なお、本30は多数の紙を綴じて作製される。また、書店での販売時や保管時、図書館での保管時などに、図5に示すように多数の本30-1~30-5を平積みする場合が多い。このため、例えば表紙32や裏表紙31などの表紙部分や、表紙部分に近い見返し34や扉35などにRFIDタグ1が貼付されている場合には、平積みされている各本30-1~30-5のRFIDタグ1-1~1-5が上下の本に挟持される配置となり得る。このため従来は、各本30-1~30―5に貼付されるRFIDタグ同士が近接することの影響や、各本30-1~30―5を形成する多数の紙に含まれる水分などの影響によって、RFIDタグの通信距離が低下し、RFIDタグの読取精度が悪化する場合が生じ得る。なお、本棚に複数の本30を密接させて並べる場合も同様の問題が生じ得る。
【0066】
一方、上述したように、本実施形態のRFIDタグ1は、図2に示す導電パターンで形成されるループ状導体22及び矩形状導体23を備える構成により、貼付対象物(例えば本30)に含まれる水分の影響や、複数の貼付対象物(例えば本30-1~30-5)にそれぞれ貼付されるRFIDタグ1-1~1-5同士が近接することの影響などによる通信性能の低下を抑制することが可能となる。したがって、特に本30のような多数の紙を積層して作成される貼付対象物に本実施形態のRFIDタグ1を適用すれば、通信性能の低下を抑制できる効果をより顕著に発揮できる。さらに、複数の本30-1~30-5を積層した状態でも、同様の効果を得られるので、精度良く各タグ1-1~1-5から情報ID1~ID5を読み取ることが可能となる。
【0067】
<変形例>
図6は、第1変形例に係るRFIDタグ1Aの平面図である。図7は、第2変形例に係るRFIDタグ1Bの平面図である。図8は、第3変形例に係るRFIDタグ1Cの平面図である。図6図8は、図2に対応するものであり、図2と同様に、各RFIDタグ1A~1Cのインレイ2に関する要素のみに絞って図示されている。
【0068】
上記実施形態では、インレイ2の導体パターンに4つの短冊部232A、232B、232C、232Dを設ける構成を例示したが、短冊部232の少なくとも一部を設けない構成でもよい。
【0069】
例えば図6に示す第1変形例のRFIDタグ1Aのように、短冊部232は、ループ状導体22の一対の長辺部222A、222Bのうち一方側の長辺部222Aにおいて、一対の矩形状導体23A、23Bの突出部231A、231Cから突出して設けられる一対の短冊部232A、232Cのみを含み、他の短冊部232B、232Dを設けない構成としてもよい。言い換えると、インレイ2の導体パターンは、一対の矩形状導体23A、23Bが4つの短冊部232A~232Dのうち2つの短冊部232B、232Dを備えない構成でもよい。
【0070】
また、図7に示す第2変形例のRFIDタグ1Bのように、短冊部232は、ループ状導体22の一対の長辺部222A、222Bのうち他方側の長辺部222Bにおいて、一対の矩形状導体23A、23Bの突出部231B、231Dから突出して設けられる一対の短冊部232B、232Dのみを含み、他の短冊部232A、232Cを設けない構成としてもよい。言い換えると、インレイ2の導体パターンは、一対の矩形状導体23A、23Bが4つの短冊部232A~232Dのうち2つの短冊部232A、232Cを備えない構成でもよい。
【0071】
また、第1変形例、第2変形例と同様に2つの短冊部のみを備える構成であるが、第1変形例、第2変形例とは異なりY正方向側の1つの短冊部とY負方向側の1つの短冊部とを備える構成でもよい。例えば、図面左上の短冊部232Aと右下の短冊部232Dとを備える構成、図面左下の短冊部232Bと右上の短冊部232Cとを備える構成、図面左上の短冊部232Aと左下の短冊部232Bとを備える構成、図面右上の短冊部232Cと右下の短冊部232Dとを備える構成でもよい。また、短冊部232A~232Dのうちいずれか1つを設けずに残りの3つの短冊部を備える構成でもよいし、短冊部232A~232Dのうちいずれか1つのみを備える構成でもよい。
【0072】
なお、短冊部が設けられない突出部のうち少なくとも一部が設けられない構成でもよい。例えば図6に示す第1変形例では、インレイ2の導体パターンは、短冊部232B、232Dが設けられない2つの突出部231B、231Dのうち少なくとも一方が設けられない構成でもよい。同様に、図7に示す第1変形例では、インレイ2の導体パターンは、短冊部232A、232Cが設けられない2つの突出部231A、231Cうち少なくとも一方が設けられない構成でもよい。
【0073】
さらに、図8に示す第3変形例のRFIDタグ1Cのように、4つの短冊部232A、232B、232C、232Dのすべてを設けない構成としてもよい。また、この場合、4つの突出部231A、231B、231C、231Dの少なくとも一部を設けない構成でもよい。言い換えると、インレイ2の導体パターンは、一対の矩形状導体23A、23Bが4つの短冊部232A~232Dを備えない構成でもよく、一対の矩形状導体23A、23Bが4つの突出部231A~231Dの少なくとも一部を備えない構成でもよい。
【0074】
例えば、図8に示す導体パターンにおいて、図2に点線で図示される4つの突出部231A、231B、231C、231Dの部分が無い構成でもよい。この場合、一対の矩形状導体23A、23Bの形状は、短辺の長さがループ状導体22の短辺部221A、221Bの長さと同一であり、かつ、長辺のY方向の位置がループ状導体22の長辺部222A、222Bの外縁と同一となる長方形状となる。
【0075】
これらの変形例に係るRFIDタグ1A、1B、1Cも、実施形態のRFIDタグ1と同様に、図6図7図8などに示す導電パターンで形成されるループ状導体22及び矩形状導体23を備える構成により、貼付対象物に含まれる水分の影響や、複数の貼付対象物にそれぞれ貼付されるRFIDタグ同士が近接することの影響などによる通信性能の低下を抑制することできる。
【実施例0076】
次に、本発明の実施例について具体的に説明する。
【0077】
<第1試験の設定>
下記のように実施例1~3、比較例1~3を設定し、インレイ2の導体パターンに応じたRFIDタグの性能品質への影響を検証する第1試験を行った。
【0078】
<実施例1>
図1図2に示したRFIDタグ1を図3に示す各部寸法で作成した。作成したRFIDタグ1は、コート紙四六判110kgの用紙(108.00mm×151.00mm)に貼付した。貼付位置は、用紙の長手方向を上下方向とする場合の平面視における右下部分に、タグ1の長辺と短辺とがそれぞれ用紙の外縁部から13.00mmの距離をとる位置とした。
【0079】
貼付対象物の本30として、新書判(幅113×高さ176mm)の漫画単行本を選択した。RFIDタグ1が貼付された用紙は、単行本の裏表紙31と最終ページの間に、タグを貼付した面が最終ページ側に向くよう挿入して、裏表紙31の裏面31Aに貼付した状態と同様とした。
【0080】
このようなRFIDタグ1が貼付された本30を用いて、TIPP(Tagged-Item Performance Protocol) Tagged Item Gradingと呼ばれるRFIDタグの性能品質を計測、評価するためのガイドライン(https://www.gs1.org/sites/default/files/docs/epc/Tagged_Item_Test_Methodology.pdf)に基づき、RFIDタグ1の読取性能の試験を行った。このガイドラインはGS1という国際機関により規格化されたものである。
【0081】
図9は、実施例1に係る第1試験の測定環境の模式図である。図9に示すように電波暗室50内に第1アンテナ51、第2アンテナ52、第3アンテナ53、及び第4アンテナ54の4つのRFIDアンテナを設置した。図9に示す測定環境は、上記のガイドラインの規定に戻づくものである。電波暗室50にはC50を適用した。第1~第4アンテナ51~54を含む測定器には、Voyantic社製のTagformance Proを用いた。
【0082】
以降の説明では、互いに直交するX1方向、Y1方向、Z1方向を設定する。Z1方向は、電波暗室50の鉛直方向である。X1方向及びY1方向は、電波暗室50の水平方向であり、それぞれ載置台55の0度、270度の方向(図10参照)である。また、以下では説明の便宜上、Z1軸の正方向側を上側、Z軸の負方向側を下側とも表現する場合がある。
【0083】
図9に示すように、第1アンテナ51、第2アンテナ52、第3アンテナ53、第4アンテナ54は、電波暗室50内の所定の一点に対して対向するよう配置され、図9に点線で示すように、所定点への対向方向が水平方向からそれぞれ0度、30度、60度、90度の角度を取る位置に配置されている。また、第1~第4アンテナ51~54は、同一のX1Z1平面上に沿って配置される。
【0084】
RFIDタグ1が貼付されている本30は一冊を用意し、電波暗室50内の載置台55の上面に載置した。本30は、表紙32が上側となり、裏表紙31が下側となるように、つまりRFIDタグ1が本30の下端側に配置されるように載置した。したがって、本30は、積載数が1冊分の平積み状態とし、RFIDタグ1の上方に本30の一冊分のページが積載される状態となるようにした。図9に点線で示すように、RFIDタグ1が上記の第1~第4アンテナ51~54の対向方向が交差する所定点に配置されるように、載置台55の高さを調整した。第1~第4アンテナ51~54は、所定点のRFIDタグ1との距離がすべて1mとなるように設置した。
【0085】
図10は、図9に示す測定環境の平面図である。図10では、図示の便宜上、第1~第4アンテナ51~54のうち水平方向に配置される第1アンテナ51のみを図示しているが、他の第2、第3、第4アンテナ52、53、54と、RFIDタグ1や本30の向きとの関係も同様である。図10に示すように、本30の背表紙33が第1~第4アンテナ51~54と正対する向きに載置台55上に載置されている状態を0度方向とし、上述のRFIDタグ1が配置される所定点を中心として、図10の時計回り方向に背表紙33の向きが回転するごとに角度が増えるように設定されている。載置台55は、上位の所定点を通るZ方向に沿った回転軸まわりに回転可能であり、載置台55に載置されている本30は載置台55を回転させることによって背表紙33の向きが変更できるように構成されている。
【0086】
このような条件下で、本30の背表紙33の方向を0度方向、30度方向、60度方向、120度方向、150度方向、180度方向、210度方向、240度方向、300度方向、330度方向の10方向とした場合に、第1~第4アンテナ51~54の感度(RFIDタグ1から情報を読み出すための平均出力)を計測した。また、0度方向、180度方向の2方向の場合に、第1~第4アンテナ51~54のバックスキャッタ(RFIDタグ1からの応答波強度)を計測した。
【0087】
上記の各計測値を用いて、TIPPで設定されているグレードの条件を満たすか否かを判定した。グレードは、RFIDタグ1の読取性能の品質に関する評価基準であり、複数種類が設定されている。各グレードでは、上記の各測定値ごとに基準値が設定されている。基準値はグレードごとに異なる値が設定されている。すべての測定値が基準値を超えた場合に、該当のグレードの条件を満たすと評価できる。本実施例1のように本30を一冊平積みする場合に条件を満たすことができるグレードを調査した。
【0088】
<実施例2>
図11は、実施例2に係る第1試験の測定環境の模式図である。図11に示すように、実施例2は、本の平積みの積層数が2冊である点以外は、実施例1と同様の条件で計測を行った。試験環境の平面図は図10に示した実施例1のものと同様である。
【0089】
積層数が2冊の場合、上側にRFIDタグ1が貼付されている本30-1が積まれ、かつ、裏表紙31が下側になるように載置した。つまり、RFIDタグ1の上方に該当本30-1の一冊分のページが積層され、RFIDタグ1の下方に下側の本30-2の一冊分のページが積層される状態とした。また、図11に点線で示すように、上側の本30-1に貼付されたRFIDタグ1が、上記の第1~第4アンテナ51~54の対向方向が交差する所定点に配置されるように、載置台55の高さを調整した。
【0090】
実施例1と同様の計測を行って取得した各計測値を用いて、本実施例2のように本30を二冊平積みする場合に条件を満たすことができるグレードを調査した。
【0091】
<実施例3>
図12は、実施例3に係る第1試験の測定環境の模式図である。図12に示すように、実施例3は、本の平積みの積層数が11冊である点以外は、実施例1と同様の条件で計測を行った。試験環境の平面図は図10に示した実施例1のものと同様である。
【0092】
積層数が11冊の場合、積層方向中央に配置される本、すなわち上から6冊目かつ下から6冊目に積まれる本30-6にRFIDタグ1付きの本が配置され、かつ、裏表紙31が下側になるように載置した。つまり、RFIDタグ1の上方に該当本30-6を含む六冊の本30-1~30-6の六冊分のページが積層され、RFIDタグ1の下方に該当本より下側の五冊の本30-7~30-11の五冊分のページが積層される状態とした。また、図12に点線で示すように、積層方向中央の本30-6に貼付されたRFIDタグ1が、上記の第1~第4アンテナ51~54の対向方向が交差する所定点に配置されるように、載置台55の高さを調整した。
【0093】
実施例1と同様の計測を行って取得した各計測値を用いて、本実施例3のように本30を11冊平積みする場合に条件を満たすことができるグレードを調査した。
【0094】
<比較例1>
図13は、比較例1~3で用いられるRFIDタグ101の導体パターンを示す平面図である。図13は、図2に対応するものであり、図2と同様に、RFIDタグ101のインレイに関する要素のみに絞って図示されている。比較例1は、本30に貼付するタグを図13に示す既存の導体パターンを有するRFIDタグ101を用いた点以外は、実施例1と同様の条件で計測を行った。
【0095】
図13に示すように、比較例1~3に係るRFIDタグ101は、インレイにICチップ121と、ループ状導体122と、アンテナ部123とを有する。インレイは、例えばポリエチレンテレフタラート、ポリプロピレン等の合成樹脂製フィルムなどの基材上に、アルミシートをドライラミネートで貼り付けたループ状導体122とアンテナ部123が形成され、規定の位置にICチップ121が実装されている。
【0096】
ICチップ121は図1図2などに示した実施形態のICチップ21と同様であるので説明を省略する。ループ状導体122の形状や機能も実施形態のループ状導体22と同様であり、RFIDタグ101の短手方向に延在する一対の短辺部1221A、1221Bと、長手方向に延在する一対の長辺部1222A、1222Bとを有する。ループ状導体122は、ICチップ121及びアンテナ部123と電気的に接続される。
【0097】
アンテナ部123は、例えば920MHz付近(例えば、860MHz~960MHz、より好ましくは、915MHz~935MHz)の周波数の電波に対して、ICチップ121とのインピーダンス共役整合を実現する構造を有する。アンテナ部123は、ICチップ121とのインピーダンス共役整合を実現する構造として、2つの導体部(導体部123A及び導体部123B)を備える。導体部123A及び導体部123Bは、ループ状導体122に接続されると共に、ループ状導体122から互いに離れる方向(図13の例ではX軸の正方向側と負方向側)に伸びる導電性の配線パターンである。導電性の配線パターンは、銅箔やアルミ箔のプレス加工やエッチング加工、めっきによって形成する方法、金属ペーストのシルクスクリーン印刷、金属線などの既存の方法によって形成できるが、ここではアルミのエッチングにより形成した。
【0098】
導体部123A及び導体部123Bは、ICチップ121の略中心を通る仮想線(図2の第1の仮想線VLに相当)に対して、線対称に形成される。仮想線は、XY平面に平行で、かつ、Y方向に伸びる線である。仮想線は、RFIDタグ101をX方向の領域に略二等分する線でもある。
【0099】
図13に示すように、比較例1~3に係るRFIDタグ101は、アンテナ部123の一対の導体部123A、123Bが、ループ状導体122のY正方向側の一方の長辺部1222Bに共に接続される点や、導体部123A、123Bの形状が上記実施形態の矩形状導体23のような単なる矩形状ではなく、つづら折り状に延在する配線を含むなどより複雑な形状である点や、導体パターンが、平面視においてRFIDタグ101の短手方向(Y方向)の略中心を通り、かつ長手方向(X方向)に延在する第2の仮想線VS(図2参照)に対して、線対称に形成されない点で、上記実施形態のRFIDタグ1と異なる。
【0100】
実施例1と同様の計測を行って取得した各計測値を用いて、TIPPで設定されているグレードの条件を満たすか否かを判定した。本比較例1は、実施例1と同様に本30を一冊平積みする試験環境であるので、実施例1と同様に本30を一冊平積みする場合に条件を満たすことができるグレードを調査した。
【0101】
<比較例2>
比較例2は、本30に貼付するタグを図13に示す既存の導体パターンを有するRFIDタグ101を用いた点以外は、実施例2と同様の条件で計測を行った。
【0102】
実施例2と同様の計測を行って取得した各計測値を用いて、TIPPで設定されているグレードの条件を満たすか否かを判定した。本比較例2は、実施例2と同様に本30を二冊平積みする試験環境であるので、実施例2と同様に本30を二冊平積みする場合に条件を満たすことができるグレードを調査した。
【0103】
<比較例3>
比較例3は、本30に貼付するタグを図13に示す既存の導体パターンを有するRFIDタグ101を用いた点以外は、実施例3と同様の条件で計測を行った。
【0104】
実施例3と同様の計測を行って取得した各計測値を用いて、TIPPで設定されているグレードの条件を満たすか否かを判定した。本比較例3は、実施例3と同様に本30を11冊平積みする試験環境であるので、実施例3と同様に本30を11冊平積みする場合に条件を満たすことができるグレードを調査した。
【0105】
<第1試験の結果>
上記の第1試験の結果、比較例1及び実施例1では共に、TIPPで設定されるグレードS25Aの条件を満たすことが確認できた。また、比較例2及び実施例2では共に、TIPPで設定されるグレードM25C、M30Eの条件を満たすことが確認できた。
【0106】
比較例3では、TIPPで設定されるグレードM25C、M30Eの条件を満たすことができなかった。M25Cでは24個の計測値のうち11個が基準値をクリアできなかった。M30Eでは24個の計測値のうち21個が基準値をクリアできなかった。
【0107】
一方、実施例3でも、TIPPで設定されるグレードM25C、M30Eの条件を満たすことができなかった。しかし、M25Cでは24個の計測値のうち基準値をクリアできなかった計測値は1個に減少した。M30Eでは24個の計測値のうち基準値をクリアできなかった計測値は10個に減少した。つまり、本30を11冊平積みする試験条件において、実施例3は比較例3に対して通信性能が改善していることが確認できた。
【0108】
このように、第1実験の結果より、RFIDタグが本30に貼付される状態でも、図13に示す比較例のRFIDタグ101の既存の導体パターンと比較して、本実施形態のRFIDタグ1の導体パターンが、貼付対象物の本30のページに含まれる水分の影響を受けにくく、通信性能の低下を抑制できていることが示された。
【0109】
<第2試験の設定>
下記のように実施例4~7、比較例4~5を設定し、インレイ2の導体パターンに応じたRFIDタグの通信性能への影響を検証する第2試験を行った。
【0110】
<実施例4>
図9を参照して説明した試験環境において、4つのRFIDアンテナのうち水平方向に配置される第1アンテナ51のみを用いてRFIDタグ1から情報の読取試験を行った。載置台55に載置される本30の方向は上述の0度方向とし、背表紙33を第1アンテナ51と正対させた。
【0111】
このような条件下で、RFIDタグ1の周波数特性を計測した。計測時の無線通信用電波の測定周波数帯は800~1000MHzとし、EIRP(Equivalent Isotropically Radiated Power:等価等方輻射電力)は3.28Wとした。周波数測定の計測は、本30の積層冊数が1冊、2冊、11冊の場合、すなわち図9図11図12に示す試験環境でそれぞれ行った。また、参考として、RFIDタグ1を本30に貼付せずに、RFIDタグ1のみを載置台55上に載置した状態でも計測を行った。また、実施例4では、実施例1~3とは異なり、載置台55上のRFIDタグ1の載置位置からの第1アンテナ51の距離を変更可能とした。
【0112】
<実施例5>
実施例4と同様の試験環境において、載置台55に載置する本30の積層冊数を11冊とし、11冊のすべてにRFIDタグ1を貼付した本を用いた。そして、11冊の本にそれぞれ貼付される11個のRFIDタグ1のうち読取可能なタグの個数を計測した。計測時の電波強度は0~27(dBm)とし、載置台55上のRFIDタグ1の載置位置からの第1アンテナ51までの距離は0.5mとした。
【0113】
<比較例4>
比較例4は、本30に貼付するタグを図13に示す既存の導体パターンを有するRFIDタグ101を用いた点以外は、実施例4と同様の条件で計測を行った。
【0114】
<比較例5>
比較例5は、本30に貼付するタグを図13に示す既存の導体パターンを有するRFIDタグ101を用いた点以外は、実施例5と同様の条件で計測を行った。
【0115】
<実施例6>
実施例6は、本30に貼付するタグを図7に示す第2変形例の導体パターン、すなわち4個の短冊部のうち一対の短冊部232A、232Cを設けないパターン、を有するRFIDタグ1Bを用いた点以外は、実施例4と同様の条件で計測を行った。
【0116】
<実施例7>
実施例7は、本30に貼付するタグを図8に示す第3変形例の導体パターン、すなわち4個の短冊部232A~232Dを設けないパターン、を有するRFIDタグ1Cを用いた点以外は、実施例4と同様の条件で計測を行った。
【0117】
<第2試験の結果>
図14は、比較例4の周波数特性を示す図である。図の横軸は無線通信用電波の周波数(MHz)を表し、縦軸はRFIDタグ101から第1アンテナ51までの通信可能距離を表す。また、図中の一点鎖線のグラフAはRFIDタグ101単体の場合の特性を示し、点線のグラフBは本30の積層冊数が1冊の場合の特性を示し、実線のグラフCは本30の積層冊数が2冊の場合の特性を示し、太い実線のグラフDは本30の積層冊数が11冊の場合の特性を示す。
【0118】
図14には、UHF帯に含まれる所定の周波数920MHzの箇所を太い点線で示している。図14に示すように、比較例4では、周波数920MHzのとき通信可能距離は、タグ単体の場合は約20.0m、1冊の場合は約12.0m、2冊積層の場合は約10.0m、11冊積層の場合は約2.0mであった。
【0119】
図15は、実施例4の周波数特性を示す図である。図の横軸は無線通信用電波の周波数(MHz)を表し、縦軸はRFIDタグ1から第1アンテナ51までの通信可能距離を表す。図15の各グラフの概要は図14と同様である。
【0120】
図15に示すように、実施例4では、周波数920MHzのとき通信可能距離は、タグ単体の場合は約18.5m、1冊の場合は約12.5m、2冊積層の場合は約13.0m、11冊積層の場合は約4.5mであった。
【0121】
図14図15に示した試験結果より、本実施形態のRFIDタグ1のインレイ2の導電パターンを用いることにより、従来のRFIDタグ101と比較して通信可能距離を増やすことができ、特にUHF帯の通信可能距離を増やすことができることが示された。
【0122】
図16は、比較例5の読取可能タグ数の推移を示す図である。図の横軸は無線通信用電波の電波強度(dBm)を表し、縦軸は第1アンテナ51が情報を読み取ることができたRFIDタグ101の個数を表す。図16に示すように、比較例5では、電波強度が22dBm以上の場合に11個のすべてのRFIDタグ101を読み取ることができた。
【0123】
図17は、実施例5の読取可能タグ数の推移を示す図である。図の横軸は無線通信用電波の電波強度(dBm)を表し、縦軸は第1アンテナ51が情報を読み取ることができたRFIDタグ1の個数を表す。図17に示すように、実施例5では、電波強度が13dBm以上の場合に11個のすべてのRFIDタグ1を読み取ることができた。
【0124】
図16図17に示した試験結果より、本実施形態のRFIDタグ1のインレイ2の導電パターンを用いることにより、従来のRFIDタグ101と比較して、平積みされた複数の本30のそれぞれに貼付されたRFIDタグ1のすべてを読み取ることができる電波強度を低減できることが示された。すなわち、より低い電波強度でタグ読取が可能となるので、RFIDタグ1の周囲に積層される、貼付対象物である本30の紙に含まれる水分による通信性能への影響や、複数の貼付対象物である本30が積層された場合に各貼付対象物にそれぞれ貼付されるRFIDタグ同士が近接することによる通信性能への影響を低減できることが示された。
【0125】
図18は、実施例6の周波数特性を示す図である。図18の概要は図15と同様である。図18に示すように、実施例6では、周波数920MHzのとき通信可能距離は、タグ単体の場合は約16.0m、1冊の場合は約11.0m、2冊積層の場合は約8.5mであった。また、図18には図示していないが、11冊積層の場合は約2.0mであった。
【0126】
図19は、実施例7の周波数特性を示す図である。図19の概要は図15と同様である。図19に示すように、実施例7では、周波数920MHzのとき通信可能距離は、タグ単体の場合は約16.0m、1冊の場合は約11.5m、2冊積層の場合は約9.0mであった。また、図19には図示していないが、11冊積層の場合は約2.0mであった。
【0127】
図18図19に示した試験結果より、図6図7に例示した第1変形例、第2変形例のRFIDタグ1A、1Bのように、本実施形態のインレイ2の導電パターンの二対の短冊部のうち一対の短冊部を設けない構成や、図8に例示した第3変形例のRFIDタグ1Cのように、本実施形態のインレイ2の導電パターンの4つの短冊部を設けない構成によっても、従来のRFIDタグ101と同様の通信可能距離を担保でき、通信性能は悪化しないことが示された。
【0128】
このように、第2実験の結果より、RFIDタグが本30に貼付される状態でも、図13に示す比較例のRFIDタグ101の既存の導体パターンと比較して、本実施形態のRFIDタグ1の導体パターンは通信可能距離を増加でき、また、タグ読取に必要な電波強度を低減できるので、貼付対象物の本30のページに含まれる水分の影響や、複数の貼付対象物の本30にそれぞれ貼付されるRFIDタグ同士が近接することの影響などを受けにくく、通信性能の低下を抑制できていることが示された。
【0129】
以上、具体例を参照しつつ本実施形態について説明した。しかし、本開示はこれらの具体例に限定されるものではない。これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、条件、形状などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
【符号の説明】
【0130】
1、1A、1B、1C RFIDタグ
21 ICチップ
22 ループ状導体
221A、221B 短辺部(一対の対辺部)
222A、222B 長辺部(一対の第2対辺部)
23A、23B 一対の矩形状導体
231A、231B、231C、231D 突出部
232A、232B、232C、232D 短冊部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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