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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084261
(43)【公開日】2024-06-25
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/13357 20060101AFI20240618BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20240618BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20240618BHJP
【FI】
G02F1/13357
F21S2/00 441
F21Y115:30
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022198433
(22)【出願日】2022-12-13
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】小村 真一
(72)【発明者】
【氏名】雉嶋 裕明
(72)【発明者】
【氏名】廣澤 仁
(72)【発明者】
【氏名】高橋 泰啓
【テーマコード(参考)】
2H391
3K244
【Fターム(参考)】
2H391AA13
2H391AB08
2H391AD02
2H391AD58
3K244AA01
3K244BA03
3K244BA48
3K244CA02
3K244DA02
3K244EA01
3K244EA13
3K244FA01
(57)【要約】
【課題】表示装置において照明装置から出射される光の色の均一化を図ること。
【解決手段】表示装置1は、表示パネル10と、表示パネル10を照明する照明装置20と、を備え、照明装置20は、導光板21と、導光板21の側面21cに向けて赤のレーザ光LRを出射する第1発光体22aと、導光板21の側面21cと第1発光体22aとの間に配置されている位相差板23と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルと、
前記表示パネルを照明する照明装置と、を備え、
前記照明装置は、
導光板と、
前記導光板の側面に向けて赤のレーザ光を出射する発光体と、
前記導光板の側面と前記発光体との間に配置されている位相差板と、を備える、
表示装置。
【請求項2】
前記位相差板は、1/2波長板である、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記位相差板は、前記発光体に配置されている、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記導光板の平面視における前記赤のレーザ光の拡散角は、前記導光板の側面視における前記赤のレーザ光の拡散角より大きい、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記照明装置は、前記導光板の側面に向けて赤と異なる色のレーザ光を出射する第2の発光体をさらに備え、
前記導光板の平面視における前記赤と異なる色のレーザ光の拡散角は、前記導光板の側面視における前記赤と異なる色のレーザ光の拡散角より大きい、
請求項4に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、液晶パネルおよび液晶パネルを照明する照明装置を備える表示装置が開示されている。照明装置は、いわゆるバックライトであり、液晶パネルの背面側に配置されている。照明装置は、導光板および光源を備えている。光源は、導光板の側面に対向する位置に配置され、導光板の側面に向けて光を出射する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-002205号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の表示装置が備える照明装置(照明装置)のように導光板の側面に向けて光を出射する光源(発光体)に、互いに異なる色のレーザ光を出射する複数の発光体を適用する場合がある。この場合、互いに色が異なる複数のレーザ光が導光板内で干渉し、導光板の前面から例えば白の光が液晶パネル(表示パネル)に向けて出射される。
【0005】
しかしながら、導光板の平面視において複数の発光体から出射される光それぞれの拡散角の差が比較的大きい場合、複数の発光体から出射される光が導光板内で十分に干渉せずに、導光板から出射される光の色の差が比較的大きくなる可能性がある。導光板から出射して表示パネルに入射する光の色の差が比較的大きくなると、表示パネルにおいて所望の画像が表示されない可能性がある。
【0006】
本開示は、表示装置において照明装置から出射される光の色の均一化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の表示装置は、表示パネルと、前記表示パネルを照明する照明装置と、を備え、前記照明装置は、導光板と、前記導光板の側面に向けて赤のレーザ光を出射する発光体と、前記導光板の側面と前記発光体との間に配置されている位相差板と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本開示の実施形態に係る表示装置の斜視図である。
図2図2は、表示装置の断面図である。
図3図3は、表示パネルの回路構成を示す図である。
図4図4は、表示パネルの断面図である。
図5図5は、照明装置の平面図である。
図6図6は、第1発光体および第1発光体が出射する赤のレーザ光を示す図である。
図7図7は、第2発光体および第3発光体、ならびに、第2発光体が出射する緑のレーザ光および第3発光体が出射する青のレーザ光を示す図である。
図8図8は、導光板の側面視における赤のレーザ光を示す図である。
図9図9は、導光板の側面視における緑のレーザ光および青のレーザ光を示す図である。
図10図10は、本実施形態の変形例に係る照明装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本開示の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。以下の実施形態に記載した内容により本開示が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0010】
なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、本開示の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本開示の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0011】
図面で示すX方向およびY方向は、互いに直交し、表示装置1に含まれる基板の主面と平行である。X方向の+X側、-X側、Y方向の+Y側、-Y側は、表示装置1の側方に相当する。Z方向は、X方向およびY方向と直交し、表示装置1の厚み方向に相当する。Z方向の+Z側は、表示装置1において画像が表示される前面側に相当し、Z方向の-Z側は、表示装置1の背面側に相当する。なお、X、Y、Zの方向は一例であって、本開示はこれらの方向に限定されない。
【0012】
また、本明細書において、「平面視」はZ方向に沿って+Z側から-Z側に向かって表示装置1を見ることである。また、「側面視」はZ方向と直交する方向(つまりX方向およびY方向と平行な方向)に沿って表示装置1を見ることである。
【0013】
図1は、本開示の実施形態に係る表示装置1の平面図である。図2は、表示装置1の断面図である。表示装置1は、フレキシブル配線基板(不図示)を介して電気的に接続されている外部装置(不図示)から出力される画像信号に基づいて画像を表示する。
【0014】
表示装置1は、例えばユーザの動きなどによって表示を変更する表示システムに用いられている。当該表示システムは、例えば、仮想空間上の3次元のオブジェクト等を示す画像を表示し、ユーザの頭部の向き等に応じて表示を変更することにより、ユーザに仮想現実感を生じさせるVR(Virtual Reality)システムである。画像は、例えば、コンピュータグラフィック映像および360度の実写映像等の画像を含む。
【0015】
表示装置1は、表示パネル10、照明装置20、プリズムシート30、および、拡散シート40を備える。照明装置20、プリズムシート30、拡散シート40、および、表示パネル10は、Z方向に沿って-Z側から+Z側に向けてこの順に並んでいる。
【0016】
表示パネル10は、透過型の液晶ディスプレイである。なお、表示パネル10は、例えば、有機ELディスプレイおよび無機ELディスプレイでもよい。図1に示すように、表示パネル10は、画像が表示される表示領域DAを前面に有する。表示パネル10は、表示領域DAにおいてX方向およびY方向に沿って行列状に配置されている複数の画素Pを有している。
【0017】
複数の画素Pは、それぞれ、第1副画素SP1、第2副画素SP2および第3副画素SP3を有している。第1副画素SP1は赤の副画素である。第2副画素SP2は緑の副画素である。第3副画素SP3は青の副画素である。第1副画素SP1、第2副画素SP2および第3副画素SP3は、X方向に沿ってこの順に並んでいる。第1副画素SP1、第2副画素SP2および第3副画素SP3の配列はいわゆるストライプ配列である。以下、第1副画素SP1、第2副画素SP2および第3副画素SP3を区別せずに説明する場合、単に「副画素SP」と記載する場合がある。なお、副画素SPの配列がストライプ配列に限定されないこと、および、副画素SPの色が上記の色に限定されないことは言うまでもない。
【0018】
図3は、表示パネル10の回路構成を示す図である。表示パネル10は、駆動回路11、ならびに、複数の副画素SPそれぞれが有するスイッチング素子SW、副画素電極PE、共通電極CE、液晶容量LC、および、保持容量CSを備えている。
【0019】
駆動回路11は、表示パネル10を駆動する。駆動回路11は、信号処理回路11a、信号出力回路11b、および、走査回路11cを備えている。
【0020】
信号処理回路11aは、外部装置から送信される画像信号に基づいて、副画素SPの階調を示す副画素信号を信号出力回路11bに出力する。また、信号処理回路11aは、信号出力回路11bの動作と走査回路11cの動作とを同期させるクロック信号を信号出力回路11bおよび走査回路11cに出力する。
【0021】
信号出力回路11bは、副画素信号を副画素SPに出力する。信号出力回路11bと複数の副画素SPとは、Y方向に沿って延びる複数の信号線Lbを介して電気的に接続されている。
【0022】
走査回路11cは、信号出力回路11bによる副画素信号の出力と同期して、複数の副画素SPを走査する。走査回路11cと複数の副画素SPとは、X方向に沿って延びる複数の走査線Lcを介して電気的に接続されている。
【0023】
平面視においてX方向において互いに隣接する2つの信号線LbおよびY方向において互いに隣接する2つの走査線Lcによって区画されている領域が副画素SPに相当する。
【0024】
スイッチング素子SWは、例えば薄膜トランジスタ(TFT)によって構成されている。スイッチング素子SWにおいて、ソース電極と信号線Lbとが電気的に接続され、ゲート電極と走査線Lcとが電気的に接続されている。
【0025】
副画素電極PEは、スイッチング素子SWのドレイン電極に接続されている。共通電極CEは、複数の走査線Lcに対応して複数配置されている。副画素電極PEおよび共通電極CEは、透光性を有する。
【0026】
液晶容量LCは、副画素電極PEと共通電極CEとの間にある後述する液晶層13の液晶材料の容量成分である。保持容量CSは、共通電極CEと同電位の電極と、副画素電極PEと同電位の電極との間に配置されている。
【0027】
図4は、表示パネル10の断面図である。副画素SPは、第1基板12、液晶層13、および、第2基板14をさらに備えている。第1基板12、液晶層13、および、第2基板14は、それぞれ透光性を有し、Z方向に沿って-Z側から+Z側に向けて、この順に配置されている。第1基板12および第2基板14は、平面視矩形状である。
【0028】
第1基板12の+Z側の主面12aには、共通電極CEが配置されている。また、共通電極CEの前面には絶縁層ILが配置され、さらに、副画素電極PE、および、配向膜ALがさらに配置されている。
【0029】
副画素電極PEは、絶縁層ILと配向膜ALとの間に配置されている。このように、共通電極CEと副画素電極PEは、第1基板12に配置されている。つまり、表示パネル10は、横電界方式の液晶ディスプレイである。
【0030】
第2基板14は、第1基板12の前面側に位置する。第2基板14の背面には、カラーフィルタCF、遮光膜SM、および、配向膜ALが配置されている。遮光膜SMおよびカラーフィルタCFは、第2基板14と配向膜ALとの間に配置されている。
【0031】
カラーフィルタCFは、平面視矩形状であり、1つの副画素SPに対して1つ配置されている。カラーフィルタCFは、透光性を有し、透過させる光のスペクトルのピークが予め定めされている。スペクトルのピークはカラーフィルタCFの色に対応する。カラーフィルタCFの色は副画素SPの色と同じである。つまり、赤の第1副画素SP1は赤のカラーフィルタCFを有し、緑の第2副画素SP2は緑のカラーフィルタCFを有し、青の第3副画素SP3は青のカラーフィルタCFを有する。
【0032】
遮光膜SMは、遮光性を有し、X方向およびY方向において互いに隣接する複数の副画素SPの境界と平面視で重なる。すなわち、遮光膜SMは、信号線Lbおよび走査線Lcと平面視で重なる。なお、図4において、信号線Lbおよび走査線Lcの図示は省略されている。信号線Lbおよび走査線Lcは第1基板12の主面12aに配置されている。
【0033】
液晶層13は、複数の液晶分子LMを含んで構成されている。液晶層13は、第1基板12と第2基板14との間にあり、平面視で表示領域DAと重なる。具体的には、液晶層13は、互いに対向する2つの配向膜ALの間にある。液晶分子LMの向きは、互いに対向する2つの配向膜ALによって規制される。
【0034】
また、図4に示すように、表示パネル10は、第1基板12の背面に配置されている第1偏光板15、および、第2基板14の前面に配置されている第2偏光板16をさらに備えている。
【0035】
第1偏光板15は、Z方向と直交する透過軸を有している。第1偏光板15の前面は、表示パネル10の前面に相当する。第2偏光板16は、第1偏光板15の透過軸およびZ方向と直交する透過軸を有している。
【0036】
また、図1に示すように、第1基板12は、平面視で第2基板14から露出する露出部12bを有する。露出部12bは平面視で第2基板14より-Y側にある。また、露出部12bの前面には、駆動回路11を含むICチップTiが配置されている。露出部12bの前面は、第1基板12の主面12aの一部である。なお、図1において第1偏光板15、第2偏光板16および液晶層13の図示は省略されている。
【0037】
図2に示すように、照明装置20は、表示パネル10の背面側に配置されている。照明装置20は、表示パネル10を照明する。照明装置20は、表示パネル10に向けて光(以下、出射光と記載する)を出射する。照明装置20の詳細は後述する。出射光は、プリズムシート30に入射する。
【0038】
プリズムシート30は、照明装置20の出射光の光軸がZ方向に沿う方向に出射光を屈折させる。プリズムシート30は、照明装置20と対向し、Y方向に沿って延びている断面三角形状の複数のプリズム31を有する。なお、複数のプリズム31は、拡散シート40と対向する状態で配置されてもよい。プリズムシート30から出射した出射光は、拡散シート40に入射する。
【0039】
拡散シート40は、出射光を拡散させる。拡散シート40から出射した出射光は、表示パネル10に入射する。拡散シート40によって出射光が拡散されることで表示パネル10の視野角を増大させることができる。
【0040】
出射光は表示パネル10を透過する。表示パネル10において、上記の駆動回路11が画像信号に基づいて副画素信号を副画素SPに出力することで、液晶層13に電界が発生し、液晶分子LMの向きが変化する。これにより、表示パネル10を透過する出射光が変調されることで表示領域DAに画像が表示される。
【0041】
次に、照明装置20の詳細について説明する。
【0042】
図5は、照明装置20の平面図である。図1,2および図5に示すように、照明装置20は、導光板21、複数の第1発光体22a、複数の第2発光体22b、および、複数の第3発光体22cを備えている。以下、第1発光体22a、第2発光体22bおよび第3発光体22cを区別せずに説明するときは、単に「発光体22」と称する場合がある。
【0043】
図2および図5に示すように、導光板21は平面視矩形状である。導光板21は、導光板21の中心を通り、X方向と直交する平面を対称面とする面対称形状である。
【0044】
導光板21の前面21aは、Z方向と直交する平面である。導光板21の前面21aから表示パネル10に向けて出射光が出射される。導光板21の背面21bは、第1傾斜面21b1、第2傾斜面21b2、および、接続面21b3を有する。
【0045】
第1傾斜面21b1は、背面21bの-X側にあり、X方向に沿って+X側に向かうほどZ方向に沿って-Z側に向かう傾斜を有する平面である。第2傾斜面21b2は、背面21bの+X側にあり、X方向に沿って-X側に向かうほどZ方向に沿って-Z側に向かう傾斜を有する平面である。
【0046】
接続面21b3は、背面21bのX方向中央部で第1傾斜面21b1と第2傾斜面21b2とを接続する。つまり、接続面21b3は、第1傾斜面21b1の+X側にあり、第1傾斜面21b1と連続している。また、接続面21b3は、第2傾斜面21b2の-X側にあり、第2傾斜面21b2と連続している。接続面21b3は、前面21aと平行な平面である。
【0047】
導光板21の-X側の第1側面21c1は、X方向と直交する平面であり、第1傾斜面21b1と前面21aとを接続する。導光板21の+X側の第2側面21c2は、X方向と直交する平面であり、第2傾斜面21b2と前面21aとを接続する。以下、第1側面21c1および第2側面21c2を区別せずに説明する場合、単に「側面21c」と記載する場合がある。
【0048】
複数の発光体22は、側面21cに向けて光を出射する。具体的には、図5に示すように、第1発光体22aは赤のレーザ光LRを出射する。第2発光体22bは緑のレーザ光LGを出射する。第3発光体22cは青のレーザ光LBを出射する。なお、第2発光体22bおよび第3発光体22cのレーザ光Lの色が上記の色(緑および青)に限定されないことは言うまでもない。また、発光体22の種類が3つに限定されないことは言うまでもなく、例えば、照明装置20は、赤、緑および青とは異なる色のレーザ光を出射する第4発光体をさらに備えてもよい。
【0049】
以下、赤のレーザ光LR、緑のレーザ光LGおよび青のレーザ光LBを区別せずに説明する場合、単に「レーザ光L」と記載する場合がある。図5には、導光板21の平面視におけるレーザ光Lが示されている。レーザ光Lの光軸は、平面視においてX方向に沿っている。
【0050】
また、複数の発光体22は、導光板21の側面21cに対向する状態で配置されている。複数の発光体22は、Y方向に沿って配置されている。具体的には、Y方向に沿って+Y側から-Y側に向けて並ぶ1つの第1発光体22a、1つの第2発光体22bおよび1つの第3発光体22cが1組の発光体CLを構成し、複数の1組の発光体CLがY方向に沿って並んでいる。
【0051】
図2に一点鎖線の矢印にて示すように、第2側面21c2と対向している発光体22から出射したレーザ光Lは、導光板21に第2側面21c2から入射し、背面21bおよび前面21aで全反射を繰り返した後、前面21aから出射する。一方、第1側面21c1と対向している発光体22から出射したレーザ光L(不図示)は、導光板21に第1側面21c1から入射し、背面21bおよび前面21aで全反射を繰り返した後、前面21aから出射する。
【0052】
つまり、第1傾斜面21b1および第2傾斜面21b2の傾斜角度は、レーザ光Lが前面21aから出射する角度に定められている。また、複数の発光体22のレーザ光Lは導光板21内で全反射を繰り返すことで互いに干渉し、出射光の色が白となる。
【0053】
なお、図2に示す一点鎖線の矢印は、発光体22から出射したレーザ光Lが、導光板21内で反射した後に導光板21から出射され、プリズムシート30で屈折され、拡散シート40で拡散されて表示パネル10の入射する軌跡を示している。当該レーザ光Lの軌跡が図2に一点鎖線にて示されているものに限定されないことは言うまでもない。
【0054】
図6は、第1発光体22aおよび第1発光体22aが出射する赤のレーザ光LRを示す図である。なお、図6に示す第1発光体22aには、後述する位相差板23が配置されていない。
【0055】
図7は、第2発光体22bおよび第3発光体22c、ならびに、第2発光体22bが出射する緑のレーザ光LGおよび第3発光体22cが出射する青のレーザ光LBを示す図である。
【0056】
図6および図7に示すように、発光体22は、レーザ光Lを出射する光源LS、および、光源LSを収納するケーシングCAを備えている。ケーシングCAは、中空の円柱状であり、端面CA1からレーザ光Lが出射する。端面CA1は、導光板21の側面21cと対向している。
【0057】
光源LSは、レーザ光Lを出射する。光源LSは、例えばレーザーダイオード(Lazer Diode)である。第1発光体22aの光源LSは赤のレーザ光LRを出射し、第2発光体22bの光源LSは緑のレーザ光LGを出射し、第3発光体22cの光源LSは青のレーザ光LBを出射する。
【0058】
レーザ光Lの偏光方向は、Y方向に沿う。上記のようにレーザ光Lの光軸A1は、平面視においてX方向に沿う。また、レーザ光Lの光軸A1と直交する平面で切断したときのレーザ光Lの断面形状(図6および図7にハッチングにて示す形状)は、楕円形状である。
【0059】
図6に示す第1発光体22aの赤のレーザ光LRの断面形状CRにおいて、長軸A2はY方向(レーザ光Lの偏光方向)と直交し、短軸A3はY方向に沿っている。
【0060】
一方、図7に示す第2発光体22bの緑のレーザ光LGの断面形状CGにおいて、長軸A2はY方向に沿っており、短軸A3はY方向と直交する。また、緑のレーザ光LGの断面形状CGと同様に、第3発光体22cの青のレーザ光LBの断面形状CBにおいて、長軸A2はY方向に沿っており、短軸A3はY方向と直交する。
【0061】
このように、第1発光体22aの赤のレーザ光LRの長軸A2および短軸A3の関係と、第2発光体22bおよび第3発光体22cのレーザ光Lの長軸A2および短軸A3の関係とは逆である。具体的には、第1発光体22aの赤のレーザ光LRの断面形状CRにおける短軸A3と、第2発光体22bおよび第3発光体22cのレーザ光Lの断面形状CG,CBにおける長軸A2とは、共にY方向に沿っている。これにより、導光板21の平面視において、第2発光体22bおよび第3発光体22cのレーザ光Lの広がり(すなわちY方向の広がり)に対して、第1発光体22aの赤のレーザ光LRの広がりは狭くなる。
【0062】
よって、この場合、第1発光体22aの赤のレーザ光LRは、第2発光体22bおよび第3発光体22cのレーザ光Lに対して拡散していない状態で導光板21内を反射することになる。これにより、複数の発光体22のレーザ光Lは導光板21内で互いに十分に干渉せず、出射光の色の差が比較的大きくなり、所望の画像が表示領域DAに表示されない可能性がある。
【0063】
そこで、図5に示すように、照明装置20は、導光板21の側面21cと第1発光体22aとの間に配置されている位相差板23をさらに備える。位相差板23は、第1発光体22aの端面CA1に配置されている。位相差板23は、1/2波長板である。なお、位相差板23は、第2発光体22bおよび第3発光体22cと導光板21の側面21cとの間に配置されない。図5に示す赤のレーザ光LRは、位相差板23を透過した状態を示している。
【0064】
位相差板23は、第1発光体22aの赤のレーザ光LRの偏光方向を光軸A1回りに90°回転させる。これにより、位相差板23を透過した第1発光体22aの赤のレーザ光LRの断面形状において、第2発光体22bおよび第3発光体22cのレーザ光Lと同様に、楕円形状の長軸A2はY方向に沿っており、楕円形状の短軸A3はY方向と直交する。
【0065】
図8は、導光板21の側面視における赤のレーザ光LRを示す図である。図8は、具体的には、導光板21をY方向に沿って見たときの赤のレーザ光LRを示す。図8に示す第1発光体22aには、位相差板23が配置されている。
【0066】
上記のように、第1発光体22aの端面CA1に位相差板23が配置され、第1発光体22aの赤のレーザ光LRの偏光方向が光軸A1回りに90°回転する。よって、導光板21の平面視における赤のレーザ光LRの第1拡散角θ1(図5参照)は、導光板21の側面視における赤のレーザ光LRの第2拡散角θ2(図8参照)より大きい。
【0067】
図9は、導光板21の側面視における緑のレーザ光LGおよび青のレーザ光LBを示す図である。図9は、具体的には、導光板21をY方向に沿って見たときの緑のレーザ光LGおよび青のレーザ光LBを示す。
【0068】
上記のように、緑のレーザ光LGおよび青のレーザ光LBの断面形状CG,CBにおいて、長軸A2はY方向に沿っており、短軸A3はY方向と直交する。よって、導光板21の平面視における緑のレーザ光LGの第3拡散角θ3(図5参照)は、導光板21の側面視における緑のレーザ光LGの第4拡散角θ4(図9参照)より大きい。また、導光板21の平面視における青のレーザ光LBの第5拡散角θ5(図5参照)は、導光板21の側面視における青のレーザ光LBの第6拡散角θ6(図9参照)より大きい。
【0069】
したがって、導光板21の平面視において、第1発光体22a、第2発光体22bおよび第3発光体22cそれぞれのレーザ光Lの広がりの差は、比較的小さくなる。したがって、複数の発光体22のレーザ光Lは導光板21内で互いに十分に干渉し、出射光の色の均一化を図ることができる。これにより、所望の画像を表示領域DAに表示することができる。
【0070】
なお、図5および図9において、緑のレーザ光LGおよび青のレーザ光LBは同じ線で示されており、図面に示されるレーザ光Lの広がりは同じであるが、緑のレーザ光LGの広がりと青のレーザ光LBの広がりは互いに異なってもよい。つまり、図9に示す緑のレーザ光LGの第4拡散角θ4と青のレーザ光LBの第6拡散角θ6とは互いに異なる大きさでもよい。
【0071】
以上、本開示の好適な実施の形態を説明したが、本開示はこのような実施の形態に限定されるものではない。実施の形態で開示された内容はあくまで一例にすぎず、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。本開示の趣旨を逸脱しない範囲で行われた適宜の変更についても、当然に本開示の技術的範囲に属する。
【0072】
例えば、位相差板23は、導光板21の側面21cに第1発光体22aと対向する位置に配置されてもよい。
【0073】
また、1組の発光体CLは、一体で形成されてもよい。この場合、具体的には、赤のレーザ光LRの光源LS、緑のレーザ光LGの光源LS、および、青のレーザ光LBの光源LSは、1つのケーシングCAに収納される。またこの場合、位相差板23は、赤のレーザ光LRの経路上に配置され、緑のレーザ光LGの経路および青のレーザ光LBの経路から外れた位置にある。
【0074】
図10は、本実施形態の変形例に係る照明装置20の断面図である。本変形例の照明装置20は、第1導光板121および第2導光板221を有する。第1導光板121および第2導光板221は互いに同じ形状であり、例えば直方体状である。第1導光板121の背面121b側に第2導光板221が配置されている。
【0075】
第1導光板121の背面121bは、前面121aと平行な平面である。第1導光板121の背面121bのうちX方向の中央部から-X側の部位には、第2のプリズムシート151が配置されている。第2のプリズムシート151は、第1導光板121と対向し、Y方向に沿って延びる断面三角形状の複数のプリズム151aを有する。
【0076】
また、第1導光板121の+X側の側面121cに対向する位置には、複数の1組の発光体CLがある。発光体22の端面CA1は、第1導光板121の+X側の側面121cに対して傾斜している。発光体22から出射されたレーザ光Lは、第1導光板121の+X側の側面121cから第1導光板121に入射し、第1導光板121の前面121aおよび背面121bで全反射を繰り返す。そして、当該レーザ光Lは、第2のプリズムシート151で反射することで、第1導光板121の前面121aから表示パネル10に向けて出射する。
【0077】
一方、第2導光板221の背面221bは、前面221aと平行な平面である。第2導光板221の背面221bのうちX方向の中央部から+X側の部位には、第3のプリズムシート152が配置されている。第3のプリズムシート152は、第2導光板221と対向し、Y方向に沿って延びる断面三角形状の複数のプリズム152aを有する。
【0078】
また、第2導光板221の-X側の側面221cに対向する位置には、複数の1組の発光体CLがある。発光体22の端面CA1は、第2導光板221の-X側の側面221cに対して傾斜している。発光体22から出射されたレーザ光Lは、第2導光板221の-X側の側面221cから第2導光板221に入射し、第2導光板221の前面221aおよび背面221bで全反射を繰り返す。そして、当該レーザ光Lは、第3のプリズムシート152で反射することで、第2導光板221の前面221aから第1導光板121を介して表示パネル10に向けて出射する。
【0079】
複数の発光体22のレーザ光Lは第1導光板121内および第2導光板221内で全反射を繰り返すことで互いに干渉し、出射光の色が白となる。
【0080】
また、本実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について本明細書の記載から明らかなもの、又は当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本開示によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0081】
1 表示装置
10 表示パネル
20 照明装置
21 導光板
22a 第1発光体(発光体)
22b 第2発光体(第2の発光体)
22c 第3発光体(第2の発光体)
23 位相差板
LB 青のレーザ光(赤と異なる色のレーザ光)
LG 緑のレーザ光(赤と異なる色のレーザ光)
LR 赤のレーザ光
θ1 第1拡散角(導光板の平面視における赤のレーザ光の拡散角)
θ2 第2拡散角(導光板の側面視における赤のレーザ光の拡散角)
θ3 第3拡散角(導光板の平面視における赤と異なる色のレーザ光の拡散角)
θ4 第4拡散角(導光板の側面視における赤と異なる色のレーザ光の拡散角)
θ5 第5拡散角(導光板の平面視における赤と異なる色のレーザ光の拡散角)
θ6 第6拡散角(導光板の側面視における赤と異なる色のレーザ光の拡散角)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10