(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084268
(43)【公開日】2024-06-25
(54)【発明の名称】投射装置およびプロジェクター
(51)【国際特許分類】
G03B 21/14 20060101AFI20240618BHJP
H04N 5/74 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
G03B21/14 Z
G03B21/14 E
H04N5/74 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022198441
(22)【出願日】2022-12-13
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】岩下 直樹
(72)【発明者】
【氏名】橋本 義則
(72)【発明者】
【氏名】上間 喬斗
【テーマコード(参考)】
2K203
5C058
【Fターム(参考)】
2K203FA62
2K203FB04
2K203GC12
2K203KA07
2K203KA18
2K203KA36
2K203KA56
2K203KA73
2K203MA32
2K203MA40
5C058AA18
5C058BA35
5C058EA02
5C058EA54
(57)【要約】
【課題】カメラを着脱可能であってカメラ装着時の外観の美観に優れた投射装置およびプロジェクターを提供する。
【解決手段】本発明の投射装置は、カメラ本体を有するカメラユニットと、第1壁部と前記第1壁部に交差する第2壁部とを有する筐体と、前記第1壁部側に配置された前記カメラユニットの取付部を固定するカメラ固定部と、少なくとも前記取付部を覆うカバー部材と、を有するプロジェクターと、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラ本体を有するカメラユニットと、
第1壁部と前記第1壁部に交差する第2壁部とを有する筐体と、前記第1壁部側に配置された前記カメラユニットの取付部を固定するカメラ固定部と、少なくとも前記取付部を覆うカバー部材と、を有するプロジェクターと、
を備える、
ことを特徴とする投射装置。
【請求項2】
前記カメラユニットは、前記カメラ本体を保持するカメラ保持部材をさらに有し、
前記カメラ保持部材は、前記取付部と、前記カメラ本体を保持する保持部と、前記取付部から前記保持部まで延在する延在部と、を含み、
前記延在部は、前記筐体の前記第1壁部に沿って配置され、
前記カメラ本体は、前記第1壁部と対向しない位置に配置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の投射装置。
【請求項3】
前記カメラ本体は、前記筐体の前記第2壁部に対向する位置に配置される、
ことを特徴とする請求項2に記載の投射装置。
【請求項4】
前記筐体は、前記第2壁部に設けられ、前記第1壁部と反対側かつ前記第2壁部に対して斜め方向に画像光を投射する投射口をさらに有し、
前記カメラ本体は、前記投射口から射出される前記画像光の光路に重ならないように配置され、
前記カメラ本体は、被投射面上に投射された前記画像光を受光する受光部を含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の投射装置。
【請求項5】
前記カメラ本体の少なくとも一部は、前記第1壁部の面法線に沿う方向において、前記第2壁部の前記第1壁部との接続端部と前記投射口との間に配置される、
ことを特徴とする請求項4に記載の投射装置。
【請求項6】
前記プロジェクターは、前記投射口から前記画像光を投射させる投射光学装置をさらに有し、
前記投射光学装置の一部が、前記投射口よりも前記第1壁部側に配置されており、
前記投射光学装置の前記一部は、前記第1壁部の内面に対向する対向面と、前記対向面に対して傾斜し前記対向面から離間するにつれて前記第1壁部の内面から遠ざかる傾斜面と、を有し、
前記カメラ保持部材の前記取付部は、前記面法線に沿う方向において、前記第1壁部の内面と前記投射光学装置の前記傾斜面との間に配置され、
前記カメラ保持部材の前記延在部は、前記面法線に沿う方向において、前記投射光学装置の前記対向面と重なる位置に配置される、
ことを特徴とする請求項5に記載の投射装置。
【請求項7】
前記カメラ固定部は、前記第1壁部における前記筐体の内側に窪む凹部に設けられている、
ことを特徴とする請求項6に記載の投射装置。
【請求項8】
前記カバー部材は単一の部材で構成され、前記カメラ保持部材および前記カメラ本体を覆う、
ことを特徴とする請求項2から請求項7のうちのいずれか一項に記載の投射装置。
【請求項9】
前記カバー部材は、前記カメラユニットの前記延在部を露出させる切欠きを有する第1カバーと、前記カメラユニットの前記延在部および前記カメラ本体を覆う第2カバーと、で構成される、
ことを特徴とする請求項2から請求項7のうちのいずれか一項に記載の投射装置。
【請求項10】
前記プロジェクターは、前記筐体の内側に固定された板金部材をさらに備え、
前記カメラ固定部は、前記板金部材で構成されている、
ことを特徴とする請求項1から請求項7のうちのいずれか一項に記載の投射装置。
【請求項11】
前記カメラ本体と前記プロジェクターの端子部とを接続する信号ケーブルをさらに備え、
前記カバー部材は、前記信号ケーブルを覆う、
ことを特徴とする請求項1から請求項7のうちのいずれか一項に記載の投射装置。
【請求項12】
前記筐体は、前記第1壁部および前記第2壁部に交差する第3壁部と、前記第3壁部に対向する第4壁部と、をさらに有し、
前記カバー部材は、前記第1壁部と、前記第1壁部の一端から前記第3壁部に至る部分と、前記第1壁部の他端から前記第4壁部に至る部分と、を覆う、
ことを特徴とする請求項1から請求項7のうちのいずれか一項に記載の投射装置。
【請求項13】
第1壁部を含む筐体と、
前記筐体の前記第1壁部側に設けられ、カメラユニットの取付部を固定するカメラ固定部と、
前記第1壁部のうち前記カメラ固定部を含む部分を覆うカバー部材と、を備える、
ことを特徴とするプロジェクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投射装置およびプロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プロジェクターの投射方法として、下記特許文献1に開示されるように、複数のプロジェクターを用いてスクリーン上の1つの投射画像を形成する投射方法が知られている。このように複数のプロジェクターで1つの画像を投射する場合、各プロジェクターから投射される画像の位置を合わせる必要がある。
下記特許文献2には、各プロジェクターの投射画像の位置合わせを行うために、位置情報を検出するカメラをプロジェクターに搭載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-069829号公報
【特許文献2】特開2021-140166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のようにプロジェクターにカメラを搭載した場合、カメラを搭載するためのスペースが必要となることでプロジェクターの小型化を阻害する要因の一つとなる。
また、ユーザーによってはマルチ投射機能を必要としない場合も考えられるため、カメラを着脱自在とした小型のプロジェクターも要望されている。さらに、単にカメラを着脱可能なだけではなくカメラ装着時における外観の美観にも配慮した新たな技術が要求されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明の1つの態様によれば、カメラ本体を有するカメラユニットと、第1壁部と前記第1壁部に交差する第2壁部とを有する筐体と、前記第1壁部側に配置された前記カメラユニットの取付部を固定するカメラ固定部と、少なくとも前記取付部を覆うカバー部材と、を有するプロジェクターと、を備える、投射装置が提供される。
【0006】
また、本発明の別の態様によれば、第1壁部を含む筐体と、前記筐体の前記第1壁部側に設けられ、カメラユニットの取付部を固定するカメラ固定部と、前記第1壁部のうち前記カメラ固定部を含む部分を覆うカバー部材と、を備える、プロジェクターが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】筐体の天板における要部構成を示す図である。
【
図3】カメラ固定部およびカメラユニットの構成を示す斜視図である。
【
図4】カメラユニットと投射口との位置関係を示す側断面図である。
【
図5】投射光学装置と筐体との位置関係を示す要部断面図である。
【
図6A】プロジェクターにカメラユニットを装着する工程の説明図である。
【
図6B】プロジェクターにカメラユニットを装着する工程の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
【0009】
図1は本実施形態の投射装置の概略構成を示す斜視図である。
図1に示すように、本実施形態の投射装置100は、プロジェクター1と、カメラユニット50と、を備える。プロジェクター1は、筐体2と、カバー部材6と、カメラ固定部9と、インターフェース部10と、インターフェースカバー11と、を有する。
【0010】
本実施形態のプロジェクター1は、外装をなす筐体2の天板22に設けられた投射口3から被投射面であるスクリーンSCRに対して比較的近い位置から画像光Lを拡大して投射する単焦点方式のプロジェクターである。
【0011】
図1および以下に示す図面においてXYZ座標系を用いて各部材の配置関係を説明する。各図面において、X軸はプロジェクターからスクリーンに向けて投射される画像光Lの光軸に沿う軸である。Y軸はX軸に直交し、スクリーンの横幅に沿う軸である。Z軸はX軸およびY軸に直交する軸である。
【0012】
本実施形態では、例えば、Z軸に沿う方向をプロジェクター1における「上下方向Z」、+Zを「上側」、-Zを「下側」と称す。また、X軸に沿う方向をプロジェクター1における「前後方向X」、プロジェクター1においてカバー部材6が設けられる-X側を「前側」、プロジェクター1から画像光Lが投射される+X側を「後側」と称す。また、Y軸に沿う方向をプロジェクター1における「左右方向Y」、プロジェクター1からスクリーンに向けて+Yを「右側」、プロジェクター1からスクリーンに向けて-Yを「左側」と称する。
なお、前後方向X、左右方向Yおよび上下方向Zとは、単にプロジェクター1の各構成部材の配置関係を説明するための名称であって、プロジェクター1における実際の設置姿勢や方向を規定するものではない。
【0013】
筐体2は、プロジェクター1の外装筐体の一部をなす。筐体2は、前側板21と、天板22と、左側板23と、右側板24と、後側板25と、底板26と、を有し、略箱型の形状をなす。筐体2において、前側板21は前後方向Xの前側(-X)に位置する板材であり、天板22は上下方向Zの上側(+Z)に位置する板材であり、左側板23は左右方向Yの左側(-Y)に位置する板材であり、右側板24は左右方向Yの右側(+Y)に位置する板材であり、後側板25は前後方向Xの後側(+X)に位置する板材であり、底板26は上下方向Zの下側(-Z)に位置する板材である。
【0014】
前側板21および後側板25はYZ面と平行に配置され、互いが対向するように配置される。天板22および底板26はXY面と平行に配置され、互いが対向するように配置される。左側板23および右側板24はXZ面と平行に配置され、互いが対向するように配置される。
前側板21、左側板23および右側板24と天板22とは互いに交差、具体的には直交するように配置されている。前側板21、左側板23および右側板24と底板26とは互いに交差、具体的には直交するように配置されている。
本実施形態の筐体2において、前側板21は「第1壁部」に相当し、天板22は「第2壁部」に相当し、左側板23は「第3壁部」に相当し、右側板24は「第4壁部」に相当する。
【0015】
カバー部材6は筐体2に対して着脱可能に設けられる。筐体2にはカバー部材6を着脱可能に保持するカバー保持部13が設けられている。カバー保持部13は、カバー部材6を保持するための部位であり、例えば、ゴム製のブッシュ部材で構成される。
【0016】
カメラユニット50は、カメラ本体55と、カメラ本体55を保持するカメラ保持部材52と、を有する。カメラユニット50は、カメラ保持部材52の取付部520がカメラ固定部9に固定されることで、筐体2の前側板21側に配置される。なお、カメラ固定部9の詳細な構成については後述する。
【0017】
カバー部材6は、カメラ保持部材52の取付部520を少なくとも覆う。本実施形態のカバー部材6は、第1カバー61と第2カバー62とで構成される。第1カバー61および第2カバー62は、例えば、樹脂材料からなる基材と基材の一方面側を覆う布製の被覆材とで構成される。なお、第1カバー61および第2カバー62の構成は限定されず、樹脂材料のみで構成されてもよい。
【0018】
カバー部材6の第1カバー61は複数のピン部材60を有し、複数のピン部材60を各々が対応する筐体2のカバー保持部13に突き刺すことで、筐体2に着脱可能に取り付けられる。第1カバー61は、前側板21と、前側板21の左右方向Yの一端である左端210から左側板23に至る部分と、前側板21の他端である右端211から右側板24に至る部分と、を覆う。
【0019】
このように本実施形態のカバー部材6は、前側板21と左側板23とを接続する左角部と、前側板21と右側板24とを接続する右角部と、を覆うように、筐体2に設けられる。このようにカバー部材6の第1カバー61が前側板21から左側板23または右側板24へと至るように形成されるため、前後方向Xの前側(-X)からプロジェクター1を視認した場合でもカバー部材6の切れ目が視認され難くなる。よって、カバー部材6の装着時におけるプロジェクター1の美観をより高めることができる。
【0020】
第1カバー61は、カメラユニット50のカメラ保持部材52を露出させる切欠き61aを有する。このため、第1カバー61はカメラ保持部材52と干渉することなく、カメラユニット50を取り付けた筐体2に取り付け可能となる。
【0021】
第2カバー62は、第1カバー61の切欠き61aから露出するカメラ保持部材52およびカメラ本体55を覆う。第2カバー62は、カメラユニット50のカメラ保持部材52に引っ掛けられることで、筐体2に対して着脱可能に取り付けられる。このような第1カバー61とは別体の第2カバー62によりカメラ保持部材52およびカメラ本体55を適切に覆われるため、カメラユニット50の装着時におけるプロジェクター1の外観の美観をより高めることができる。
【0022】
インターフェース部10は、右側板24に設けられている。インターフェース部10は、複数の端子部10aを備えている。複数の端子部10aとしては、例えば、HDMI(登録商標)端子、USB-B端子、USB-A端子およびLAN端子の他に、D-SUB端子、RCA端子、S端子等を例示できる。
【0023】
インターフェースカバー11は、右側板24に設けられたインターフェース部10を覆うカバーである。インターフェースカバー11は右側板24に対して着脱自在とされる。
【0024】
本実施形態のプロジェクター1は、カメラユニット50のカメラ本体55とインターフェース部10の端子部10aとを接続する信号ケーブル12をさらに備えている。
信号ケーブル12は、カメラ本体55と別体、つまりカメラ本体55の端子部に接続される構成でも良いし、カメラ本体55と一体、つまりカメラ本体55から直接引き出される構成でも良い。
カメラユニット50のカメラ本体55とプロジェクター1とは信号ケーブル12を介して電気的に接続される。本実施形態の場合、信号ケーブル12として、例えば、HDMI(登録商標)ケーブルを用いた。カメラユニット50は、スクリーンSCR上に投射される画像光Lを撮像し、その撮像信号をプロジェクター1に送信する。プロジェクター1はカメラユニット50から送信される撮像信号に基づいてスクリーンSCR上における画像光Lの位置情報を取得する。なお、カメラユニット50は信号ケーブル12を介してインターフェース部10から給電された電力で駆動しても良いし、搭載したバッテリーで駆動する構成を採用してもよい。
【0025】
カメラ本体55から延びる信号ケーブル12は前側板21に設けられたケーブル保持溝28に沿って引き回される。ケーブル保持溝28は第1保持溝28aと第2保持溝28bとを含む。第1保持溝28aは凹部21cの左側(-Y)に配置された略L字状の溝である。第2保持溝28bは凹部21cの中央部の下側(-Z)から右側(+Y)に延びる略直線状の溝である。カメラ本体55から延びる信号ケーブル12は第1保持溝28a内を引き回されて右側(+Y)に引き出された後、凹部21cを通って第2保持溝28bを経由して右側板24側へと引き回される。信号ケーブル12は右側板24の下側(-Z)を引き回され、インターフェース部10の端子部10aに接続される。本実施形態の場合、信号ケーブル12は、インターフェースカバー11および右側板24間における後側(+X)の隙間からインターフェース部10内に引き込まれる。なお、右側板24の前側(-X)に形成した切欠きから信号ケーブル12をインターフェース部10内に引き込んでもよい。
【0026】
カバー部材6の第1カバー61は、筐体2に取り付けられた状態で、信号ケーブル12を覆う。このようにカバー部材6が信号ケーブル12を覆うことでカメラユニット50の装着時に信号ケーブル12が外部に露出することによる外観の美観の低下を抑制できる。よって、カバー部材6は、カメラユニット50の装着時におけるプロジェクター1の外観の美観を向上させることができる。
【0027】
図2は筐体2の天板22における要部構成を示す図である。
図2に示すように、投射口3は、天板22の表面22aに対して窪む凹部22a1に設けられている。投射口3は、前側板21と反対の後側(+X)かつ天板22に対して斜め上方向に画像光Lを投射する。投射口3は天板22に形成した開口を覆うガラスなどの透光性部材で構成される。
【0028】
本実施形態のプロジェクター1は、投射口3の周囲に配置された、物体検出センサー30と、人感センサー31と、リモコン受光部32と、を備えている。
物体検出センサー30は、投射口3における前側(-X)かつ上側(+Z)に配置されている。物体検出センサー30は、投射口3の中央部、具体的には投射口3から投射される画像光Lの光軸上に配置されるのが望ましい。
物体検出センサー30は、投射口3上に位置する埃やゴミなどの異物を検出する。プロジェクター1は、物体検出センサー30により投射口3上の異物が検出されると、画像光Lの投射を停止する。この構成によれば、投射口3上に位置する異物によってスクリーンSCRに投射される画像光Lに異物の影が映り込むことで画像の品位を低下させるといった不具合を抑制できる。
【0029】
人感センサー31は、投射口3における後側(+X)に配置されている。人感センサー31は、物体検出センサー30と同様、投射口3から投射される画像光Lの光軸上に配置するのが望ましい。
人感センサー31は、投射口3の周辺領域のうち投射口3から射出された画像光Lを遮る範囲に存在する人や物を検出する。プロジェクター1は、人感センサー31により投射口3の周囲に存在する人や物を検出した場合、画像光Lの投射を停止する。
プロジェクター1は、物体検出センサー30により異物が検出された場合や人感センサー31により人や物が検出された場合、例えば、アラーム音やLEDランプを点灯させることでユーザーに通知してもよい。
【0030】
なお、投射口3に対する物体検出センサー30および人感センサー31の位置は上記レイアウトに限定されることはなく、物体検出センサー30および人感センサー31の位置を入れ替えてもよい。
【0031】
リモコン受光部32は、物体検出センサー30における右側(+Y)に位置している。
リモコン受光部32は、プロジェクター1に対して所定の操作を行うリモートコントローラーから射出された光を受光するセンサーである。なお、リモコン受光部32は、物体検出センサー30における左側(-Y)に位置してもよい。
【0032】
図3はカメラ固定部9およびカメラユニット50の構成を示す斜視図である。
図3ではカメラユニット50をカメラ固定部9から取り外した状態を示している。
図3に示すように、カメラユニット50のカメラ本体55は、画像光Lを受光する受光部51を有する。受光部51は、第1受光部51aと、第2受光部51bと、を含む。
第1受光部51aは、CCDセンサーやCMOSセンサー等のイメージセンサーである撮像素子と望遠レンズとを含む。第1受光部51aはスクリーンSCR上に投射される画像光Lを拡大して撮像可能である。
第2受光部51bは、CCDセンサーやCMOSセンサー等のイメージセンサーである撮像素子と広角レンズとを含む。第2受光部51bはスクリーンSCR上に投射される画像光Lおよび画像光Lの周辺領域を広く撮像可能である。
このようにカメラユニット50は、第1受光部51aおよび第2受光部51bを含む受光部51を備えることで、スクリーンSCR上における画像光Lの位置情報を精度良く検出することができる。
【0033】
カメラ保持部材52は金属板を折り曲げ成型することで構成される。
カメラ保持部材52は、取付部520と、保持部521と、延在部522と、を有する。取付部520は、カメラ保持部材52をプロジェクター1のカメラ固定部9に固定するための部位である。カメラ保持部材52の取付部520は、ねじ部材90を介してカメラ固定部9に固定される。
【0034】
カメラ固定部9は、前側板21の左右方向Yの中央から+Y側に位置している。カメラ固定部9は、ねじ部材90を固定するためのねじ固定部91と、カメラユニット50を位置決めするための位置決め部92と、を有する。ねじ固定部91は3つのねじ穴91aで構成される。位置決め部92は上下方向Zに沿って並ぶ一対のピン92aで構成される。
【0035】
本実施形態の場合、カメラ固定部9は、筐体2の内側に取り付けられた板金部材20で構成されている。板金部材20は略L字状に折り曲げられた金属プレートで構成されている。板金部材20で構成されたカメラ固定部9は所望の強度を有するため、カメラユニット50を強固に固定することでガタツキのない安定した状態で保持することができる。
【0036】
前側板21のうちカメラ固定部9をなす板金部材20の一部に対向する部分には開口121が形成されている。このようにしてカメラ固定部9は、開口121を介して前側板21の表面側に露出している。
本実施形態の場合、筐体2は、化粧カバー27によって開口121を覆っている。化粧カバー27は開口121を覆うことでカメラユニット50を取り外した際、筐体2の内部が露出することによる見栄えの低下や筐体2の内部への埃や異物の侵入を抑制する。化粧カバー27には、カメラ固定部9のねじ固定部91および位置決め部92を挿通させる貫通孔27aが設けられている。
【0037】
カメラ保持部材52の取付部520には、ねじ部材90を挿通させるための3つのねじ孔520aと、カメラ固定部9の位置決め部92を構成する一対のピン92aを挿通させるための一対のピン孔520bと、が設けられている。なお、2つのピン孔520bの一方を長孔で形成することで、一対のピン92a間の寸法ばらつきによらず、取付部520とカメラ固定部9との位置決め時の作業性を向上させることができる。
【0038】
延在部522は、取付部520から保持部521まで延在する部位である。すなわち、取付部520と保持部521とは延在部522により連結される。
延在部522は、取付部520の左側(-Y)の端部から前側(-X)に延びる第1部分522aと、第1部分522aから左側(-Y)に延びる第2部分522bと、カバー固定部523と、カバー位置決め部524と、を含む。
【0039】
カバー固定部523は、延在部522の第2部分522bに設けられる。具体的にカバー固定部523は、カバー部材6のうちの第2カバー62を固定するための部位である。カバー固定部523は複数の爪部523aを有する。第2カバー62は、
図1に示したように、カバー固定部523の爪部523aに引っ掛けられることで固定される突起部62aが設けられている。
【0040】
カバー位置決め部524は、延在部522の第2部分522bに設けられる。具体的にカバー位置決め部524は、左右方向Yに並ぶ一対のピン孔524aで構成される。一対のピン孔524aには、
図1に示した第2カバー62に形成した一対の位置決めピン62bが挿入される。なお、2つのピン孔524aの一方を長孔で形成することで、一対の位置決めピン62b間の寸法ばらつきによらず、第2カバー62とカメラ保持部材52の延在部522との位置決め時の作業性を向上させることができる。
【0041】
保持部521は、カメラ本体55を保持する部位である。保持部521は、延在部522の第2部分522bの上側(+Z)から前側(+X)に向けて斜めに延びるように形成される。保持部521は、カメラ本体55を例えばねじ固定により保持する。
【0042】
続いて、カメラユニット50の装着時におけるカメラユニット50と投射口3との位置関係について説明する。
図4はカメラユニット50と投射口3との位置関係を示す側断面図である。
図4はカメラユニット50を取り付けた状態のプロジェクター1におけるXZ面に沿う断面図である。なお、
図4ではカメラユニット50を見易くするため、カバー部材6の第2カバー62の図示を省略している。
【0043】
図4に示すように、カメラユニット50の取付部520をカメラ固定部9に固定した状態で、カメラ保持部材52の延在部522は筐体2の前側板21に沿って配置される。具体的に延在部522は筐体2の前側板21の表面21aとの間に隙間を設けて配置されている。カメラ本体55を保持する保持部521は、筐体2の前側板21の上側(+Z)に位置する延在部522から後側(+X)かつ上側(+Z)、すなわち、斜め上方に向かって延びる。このため、カメラ本体55は、前側板21の面法線の方向から見て、筐体2の前側板21と対向しない位置に配置される。本実施形態の場合、カメラ本体55は、天板22の面法線の方向から見て、筐体2の天板22に対向する位置に配置されている。このようにカメラ本体55が天板22に重なる位置に配置されることで、天板22の面法線方向である上下方向Zから平面視した際のプロジェクター1のサイズを小型化できる。
【0044】
天板22は、前後方向Xにおいて前側板21と接続される接続端部220を有する。天板22の接続端部220は、略矩形状の天板22の外周縁部の前後方向Xの前側(-X)
に位置し左右方向Yに延びる部分であり、前側板21の上側(+Z)に接続される。
図4において、前後方向Xの天板22の接続端部220と投射口3との間の領域を「第1領域AH」と示す。
【0045】
カメラ本体55は、投射口3から射出される画像光Lの光路に重ならないように配置される。カメラ本体55の少なくとも一部は、前側板21の面法線に沿う前後方向Xにおいて、天板22の前側板21との接続端部220と投射口3との間に配置される。
【0046】
本実施形態のプロジェクター1では、前後方向Xにおいて、カメラ本体55の全体が第1領域AHに収まるように、配置されている。つまり、カメラ本体55の全体が天板22の接続端部220と投射口3との間に配置されている。このように第1領域AHにカメラ本体55の全体が収まるように配置することで、カメラ本体55が投射口3における画像光Lの射出側に突出することがない。
【0047】
さらに本実施形態のプロジェクター1において、カメラ本体55は物体検出センサー30あるいは人感センサー31の検出範囲に重ならない位置に配置されている。
このような構成に基づき、本実施形態のプロジェクター1は、カメラ本体55が投射口3から射出された画像光Lの光路を遮る、あるいは、カメラ本体55が物体検出センサー30および人感センサー31の検出精度を低下させる、といった不具合の発生を抑制できる。
【0048】
なお、カメラ本体55を配置する位置は上記に限られない。例えば、カメラ本体55の全体が第1領域AHに収まる必要はなく、カメラ本体55の一部が第1領域Aの外側にはみ出してもよい。カメラ本体55が投射口3から射出される画像光Lの光路に重ならなければ、カメラ本体55の一部が第1領域AHからはみ出して投射口3側に配置されていてもよい。
【0049】
例えば、物体検出センサー30の位置を投射口3の後側(+X)に移動させた場合、すなわち、人感センサー31の近くに物体検出センサー30を移動させた場合において、物体検出センサー30あるいは人感センサー31の検出範囲を遮らなければ、カメラ本体55の一部が第1領域AHからはみ出して投射口3に重なる位置に配置されていてもよい。
【0050】
また、カメラ本体55の一部が第1領域AHよりも前側(-X)、つまり前側板21の表面21aよりも外側に突出してもよい。なお、カメラ本体55が前側板21の表面21aよりも外側に突出させる場合、カメラ保持部材52の延在部522の表面と面一となるようにカメラ本体55を配置することでプロジェクター1の前後方向Xの寸法の大型化を抑制できる。
【0051】
このような構成に基づき、本実施形態のプロジェクター1は、カメラ固定部9に固定したカメラユニット50の受光部51を投射口3からの画像光Lの投射方向に正対させることができる。筐体2の前側板21の表面側に配置したカメラユニット50は、スクリーンSCR上に投射される画像光Lを撮像し、その撮像信号をプロジェクター1に送信する。
【0052】
これにより、本実施形態のプロジェクター1は、カメラユニット50から送信される撮像信号に基づいてスクリーンSCR上における画像光Lの位置情報を取得することができる。よって、プロジェクター1はスクリーンSCR上の画像光Lの投射位置を簡便かつ精度良く調整することができる。したがって、複数のプロジェクターを用いてスクリーン上に1つの画像を投射する投射方法に用いるプロジェクターとして、本実施形態のプロジェクター1は好適である。
【0053】
本実施形態のプロジェクター1は、投射口3を介して画像光Lを投射する投射光学装置8を備えている。投射光学装置8は、複数のレンズからなる投射光学系から射出された画像光Lを反射する反射投影ミラー8aを有する。投射光学装置8の反射投影ミラー8aは、画像光Lを反射しつつ広角化する非球面ミラーで構成される。反射投影ミラー8aは、回転対称でない自由曲面形状に形成された反射面を有する。反射投影ミラー8aは、その反射面が後側(+X)かつ上側(+Z)を向くように配置される。このような構成に基づき、投射光学装置8は、後側(+X)かつ上側(+Z)に画像光Lを反射することで投射口3を介してスクリーンSCR上に投影する。
【0054】
本実施形態のプロジェクター1において、投射光学装置8は筐体2の内部空間のうち大きなスペースを占めている。投射光学装置8の一部は前側板21に近接する位置に配置されている。
【0055】
図5は投射光学装置8と筐体2との位置関係を示す要部断面図である。
図5に示すように、本実施形態において、投射光学装置8の一部である外装ケースの前側部分81は投射口3よりも前側板21側に配置されている。
【0056】
投射光学装置8の前側部分81は、対向面81aと傾斜面81bとを有する。対向面81aは前側板21の内面21bに対向する面である。傾斜面81bは対向面81aに対して傾斜する面であり、対向面81aから離間するにつれて前側板21の内面21bから遠ざかる。
【0057】
投射光学装置8の前側部分81における対向面81aは前側板21の内面21bに最も近接している。このため、前側板21は、投射光学装置8の対向面81aと重なる領域に、カメラユニット50を固定するためのカメラ固定部9を設けることはスペースの制約上で難しい。
【0058】
これに対して、本実施形態のプロジェクター1では、カメラ保持部材52の取付部520を、前後方向Xにおいて、前側板21の内面21bと投射光学装置8の傾斜面81bとの間に配置している。具体的にカメラ固定部9が、前側板21における筐体2の内側に窪む凹部21cに設けられている。
【0059】
本実施形態のプロジェクター1では、前後方向Xにおいて、カメラ固定部9と投射光学装置8の対向面81aとが重ならない。このため、前側板21の内面21b側にカメラ固定部9の設置スペースを設ける必要が無いので、前側板21の内面21bと投射光学装置8とを近づけることができる。また、カメラ固定部9は筐体2の内側に窪む凹部21cに設けられるため、前側板21の表面21aからカメラ固定部9が突出することがない。
よって、本実施形態のプロジェクター1によれば、カメラ固定部9を工夫することで、カメラユニット50を着脱可能な筐体2における前後方向Xの寸法を小型化することができる。
【0060】
また、本実施形態のプロジェクター1では、カメラ保持部材52の延在部522を、前後方向Xにおいて、投射光学装置8の対向面81aと重なる位置に配置している。カメラ保持部材52の延在部522は、前側板21の表面21aとの間に隙間を介して配置されている。カメラ保持部材52は、カメラ固定部9に固定された取付部520から延びる延在部522を備えることで、カメラ本体55を保持する保持部521を所望の位置に配置できる。
【0061】
このように本実施形態のプロジェクター1は、カメラユニット50の取付部520をカメラ固定部9に固定することで、カメラ本体55を投射口3に対して所定の位置に配置できる。つまり、カメラ本体55は、投射口3から射出される画像光Lを遮ることがなく、物体検出センサー30あるいは人感センサー31の検出範囲に入り込むことがなく、スクリーンSCR上に投射された画像光Lを精度良く検出できる。
【0062】
続いて、プロジェクター1にカメラユニット50を装着する工程について
図6Aおよび
図6Bを参照して説明する。
本実施形態のプロジェクター1は、カメラユニット50を取り付けない状態において、
図6Aに示すように、筐体2の前側板21を化粧カバー63で覆っている。化粧カバー63は第1カバー61から切欠き61aを省略した形状のカバーである。このため、化粧カバー63はカメラユニット50を固定するカメラ固定部9を覆うため、カメラユニット50の非装着時におけるプロジェクター1の外観の美観を高めている。
【0063】
カメラユニット50を取り付ける際、はじめに化粧カバー63を取り外すことで筐体2の前側板21に設けられたカメラ固定部9を露出させる。続いて、カメラユニット50のカメラ保持部材52の取付部520をカメラ固定部9にねじ部材90で固定する。このとき、カメラ固定部9の位置決め部92のピン92aを取付部520のピン孔520bに挿入することでカメラ固定部9とカメラ保持部材52とを簡便に位置決めすることができる。
【0064】
カメラユニット50を取り付ける際、カメラユニット50のカメラ本体55から延びる信号ケーブル12を前側板21に設けられたケーブル保持溝28を経由してインターフェース部10内に引き込み、インターフェース部10の端子部10aに接続する。その後、インターフェース部10を覆うようにインターフェースカバー11を筐体2の右側板24に取り付ける。
【0065】
続いて、
図6Bに示すように、第1カバー61を筐体2に取り付ける。このとき、第1カバー61の切欠き61aからカメラユニット50のカメラ保持部材52の一部が露出される。続いて、第2カバー62を切欠き61aから露出するカメラ保持部材52の延在部522に設けられたカバー固定部523に固定する。このとき、第2カバー62の位置決めピン62bをカバー固定部523のピン孔524aに挿入することで延在部522と第2カバー62とを簡便に位置決めする。
このようにして本実施形態のプロジェクター1におけるカメラユニット50の取付作業が完了する。
【0066】
なお、カメラユニット50を取り外す場合、第2カバー62および第1カバー61の順に取り外した後、ねじ部材90を取り除くことで、カメラ保持部材52の取付部520をカメラ固定部9から着脱する。最後に、カメラユニット50を筐体2から取り外した後、化粧カバー63を筐体2に取り付ける。
【0067】
以上のように本実施形態の投射装置100は、カメラ本体55を有するカメラユニット50と、前側板21と前側板21に交差する天板22とを有する筐体2と、前側板21に配置されたカメラユニット50の取付部520を固定するカメラ固定部9と、少なくとも取付部520を覆うカバー部材6と、を有するプロジェクターと、を備える。
【0068】
本実施形態の投射装置100によれば、カメラユニット50をカメラ固定部9に固定することで、画像光Lの位置情報を取得する機能をプロジェクター1に容易に付加することができる。また、プロジェクター1内にカメラユニットを内蔵しないため、カメラ内蔵型の構成を採用する場合に比べてプロジェクター1の小型化を図ることができる。また、プロジェクター1のカメラユニット50を固定するカメラ固定部9はカバー部材6で覆うため、カメラユニット50の装着時における外観の美観を向上させることができる。
【0069】
また、本実施形態のプロジェクター1は、カメラユニット50をカメラ固定部9に固定することで、画像光Lの位置情報を取得する機能を容易に付加することができる。また、本実施形態のプロジェクター1は、カメラユニット50を内蔵しないことで小型化を図ることができる。また、本実施形態のプロジェクター1は、カメラユニット50を固定するカメラ固定部9がカバー部材6で覆うことで、カメラユニット50の装着時における外観の美観を高めることができる。
【0070】
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
その他、光源装置を構成する各種構成要素の数、配置、形状および材料等の具体的な構成は、上記実施形態に限らず、適宜変更が可能である。
【0071】
例えば、上記実施形態のカバー部材6は第1カバー61と第2カバー62とで構成される場合を例に挙げたが、カバー部材の構成はこれに限られない。カバー部材は単一の部材で構成され、カメラ保持部材52とカメラ本体55を覆う構成を採用してもよい。この構成によれば、カメラユニット50におけるカメラ保持部材52およびカメラ本体55が単一部材で構成されたカバー部材で覆われるため、外観の美観をより高めることができる。
また、カメラ固定部9は、筐体2の内側に取り付けられた板金部材20で構成したが、剛性のある前側板21で構成してもよい。また、カメラ固定部9は、筐体2の内側に配置され、投射光学装置8を保持する金属製のフレームで構成してもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、投射口3から後側(+X)に向けて画像光Lを投射するプロジェクター1を例に挙げたが、本発明のプロジェクターはこれに限られない。例えば、本発明は筐体2の前側(-X)に向けて画像光Lを投射するプロジェクターにも適用可能である。この場合において、カメラユニット50のカメラ本体55は天板22上ではなく、前側板21よりも前側(-X)に突出する位置に配置されてもよい。
【0073】
また、上記実施形態ではカメラユニット50のカメラ本体55とインターフェース部10とが信号ケーブル12で接続する場合を例に挙げたが、カメラ本体55とインターフェース部10とを無線通信で接続してもよい。
【0074】
本実施形態のプロジェクター1の使用時の姿勢は特に限定されない。例えば、本実施形態のプロジェクター1は、底板26をテーブルなどの載置面に載置する平置き状態、つまり天板22が上側を向いた状態で使用されても良いし、底板26を天井に吊すことで天板22が下側を向く天吊り状態で使用されても良い。
【0075】
以下、本開示のまとめを付記する。
(付記1)
カメラ本体を有するカメラユニットと、
第1壁部と前記第1壁部に交差する第2壁部とを有する筐体と、前記第1壁部側に配置された前記カメラユニットの取付部を固定するカメラ固定部と、少なくとも前記取付部を覆うカバー部材と、を有するプロジェクターと、
を備える、
ことを特徴とする投射装置。
【0076】
この構成の投射装置によれば、カメラユニットをカメラ固定部に固定することで、画像の位置情報を取得する機能をプロジェクターに容易に付加することができる。また、プロジェクター内にカメラユニットが内蔵されないため、プロジェクターの小型化を図ることができる。また、プロジェクターのカメラユニットを固定するカメラ固定部はカバー部材で覆われるため、カメラユニットの装着時における外観の美観を向上させることができる。
【0077】
(付記2)
前記カメラユニットは、前記カメラ本体を保持するカメラ保持部材をさらに有し、
前記カメラ保持部材は、前記取付部と、前記カメラ本体を保持する保持部と、前記取付部から前記保持部まで延在する延在部と、を含み、
前記延在部は、前記筐体の前記第1壁部に沿って配置され、
前記カメラ本体は、前記第1壁部と対向しない位置に配置される、
ことを特徴とする付記1に記載の投射装置。
【0078】
この構成によれば、カメラ保持部材の延在部によって、プロジェクターのカメラ固定部に対して適切な位置にカメラ本体を配置することができる。
【0079】
(付記3)
前記カメラ本体は、前記筐体の前記第2壁部に対向する位置に配置される、
ことを特徴とする付記2に記載の投射装置。
【0080】
この構成によれば、カメラ本体が第2壁部に重なる位置に配置されるため、第2壁部の面法線方向から平面視した際のプロジェクターのサイズを小型化できる。
【0081】
(付記4)
前記筐体は、前記第2壁部に設けられ、前記第1壁部と反対側かつ前記第2壁部に対して斜め方向に画像光を投射する投射口をさらに有し、
前記カメラ本体は、前記投射口から射出される前記画像光の光路に重ならないように配置され、
前記カメラ本体は、被投射面上に投射された前記画像光を受光する受光部を含む、
ことを特徴とする付記3に記載の投射装置。
【0082】
この構成によれば、カメラ本体は第2壁部上において投射口から射出された画像光の妨げにならず、画像光を受光することができる。
【0083】
(付記5)
前記カメラ本体の少なくとも一部は、前記第1壁部の面法線に沿う方向において、前記第2壁部の前記第1壁部との接続端部と前記投射口との間に配置される、
ことを特徴とする付記4に記載の投射装置。
【0084】
この構成によれば、第2壁部上において投射口から射出された画像光の妨げない位置にカメラ本体を適切に配置できる。
【0085】
(付記6)
前記プロジェクターは、前記投射口から前記画像光を投射させる投射光学装置をさらに有し、
前記投射光学装置の一部が、前記投射口よりも前記第1壁部側に配置されており、
前記投射光学装置の前記一部は、前記第1壁部の内面に対向する対向面と、前記対向面に対して傾斜し前記対向面から離間するにつれて前記第1壁部の内面から遠ざかる傾斜面と、を有し、
前記カメラ保持部材の前記取付部は、前記面法線に沿う方向において、前記第1壁部の内面と前記投射光学装置の前記傾斜面との間に配置され、
前記カメラ保持部材の前記延在部は、前記面法線に沿う方向において、前記投射光学装置の前記対向面と重なる位置に配置される、
ことを特徴とする付記5に記載の投射装置。
【0086】
この構成によれば、カメラユニットの取付部を固定するカメラ固定部が投射光学装置から外れた位置に配置されるため、投射光学装置を第1壁部の内面により接近して配置することができる。よって、プロジェクターをより小型化できる。
【0087】
(付記7)
前記カメラ固定部は、前記第1壁部における前記筐体の内側に窪む凹部に設けられている、
ことを特徴とする付記6に記載の投射装置。
【0088】
この構成によれば、カメラ固定部が筐体の内側に窪む凹部に設けられるため、カメラ固定部が第1壁部の表面から突出することを抑制できる。よって、カメラユニットを着脱可能とする構造を有する小型のプロジェクターを実現できる。
【0089】
(付記8)
前記カバー部材は単一の部材で構成され、前記カメラ保持部材および前記カメラ本体を覆う、
ことを特徴とする付記2から付記7のうちのいずれか一つに記載の投射装置。
【0090】
この構成によれば、カメラユニットにおけるカメラ保持部材およびカメラ本体が単一部材で構成されたカバー部材で覆われるため、外観の美観をより高めることができる。
【0091】
(付記9)
前記カバー部材は、前記カメラユニットの前記延在部を露出させる切欠きを有する第1カバーと、前記カメラユニットの前記延在部および前記カメラ本体を覆う第2カバーと、で構成される、
ことを特徴とする付記2から付記7のうちのいずれか一つに記載の投射装置。
【0092】
この構成によれば、第1カバーはカメラ保持部材と干渉することなく、カメラユニットを固定した筐体に取り付け可能となる。また、第1カバーとは別体の第2カバーによりカメラ保持部材およびカメラ本体が適切に覆われるため、カメラユニットの装着時におけるプロジェクターの外観の美観をより高めることができる。
【0093】
(付記10)
前記プロジェクターは、前記筐体の内側に固定された板金部材をさらに備え、
前記カメラ固定部は、前記板金部材で構成されている、
ことを特徴とする付記1から付記9のうちのいずれか一つに記載の投射装置。
【0094】
この構成によれば、板金部材で構成されたカメラ固定部は所望の強度を有するため、カメラユニットを強固に固定することでガタツキのない安定した状態で保持することができる。できる。
【0095】
(付記11)
前記カメラ本体と前記プロジェクターの端子部とを接続する信号ケーブルをさらに備え、
前記カバー部材は、前記信号ケーブルを覆う、
ことを特徴とする付記1から付記10のうちのいずれか一つに記載の投射装置。
【0096】
この構成によれば、信号ケーブルをカバー部材で覆うため、信号ケーブルが露出することによる見栄えの低下を抑制できる。
【0097】
(付記12)
前記筐体は、前記第1壁部および前記第2壁部に交差する第3壁部と、前記第3壁部に対向する第4壁部と、をさらに有し、
前記カバー部材は、前記第1壁部と、前記第1壁部の一端から前記第3壁部に至る部分と、前記第1壁部の他端から前記第4壁部に至る部分と、を覆う、
ことを特徴とする付記1から付記11のうちのいずれか一つに記載の投射装置。
【0098】
この構成によれば、第1壁部と第3壁部とを接続する部分と第1壁部と第4壁部とを接続する部分とを覆うようにカバー部材が設けられる。これにより、カバー部材が第1側板から第3側板または第4側板へと至るように形成されるため、第1側板の面法線方向からプロジェクターを視認した場合でもカバー部材の切れ目が視認され難くなる。よって、カバー部材の装着時におけるプロジェクターの美観をより高めることができる。
【0099】
(付記13)
第1壁部を含む筐体と、
前記筐体の前記第1壁部側に設けられ、カメラユニットの取付部を固定するカメラ固定部と、
前記第1壁部のうち前記カメラ固定部を含む部分を覆うカバー部材と、を備える、
ことを特徴とするプロジェクター。
【0100】
この構成のプロジェクターによれば、カメラユニットをカメラ固定部に固定することで、画像の位置情報を取得する機能を容易に付加することができる。また、カメラユニットを内蔵しないことで小型化のプロジェクターを提供できる。また、カメラユニットを固定するカメラ固定部はカバー部材で覆われるため、カメラユニットの装着時における外観の美観を向上させたプロジェクターを提供できる。
【符号の説明】
【0101】
1…プロジェクター、2…筐体、3…投射口、6…カバー部材、8…投射光学装置、9…カメラ固定部、10a…端子部、12…信号ケーブル、20…板金部材、21…前壁部(第1壁部)、22…天板(第2壁部)、23…左側板(第3壁部)、24…右側板(第4壁部)、21b…内面、21c…凹部、51…受光部、50…カメラユニット、52…カメラ保持部材、55…カメラ本体、61…第1カバー、61a…切欠き、62…第2カバー、81a…対向面、81b…傾斜面、100…投射装置、220…接続端部、520…取付部、521…保持部、522…延在部、L…画像光。