(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084270
(43)【公開日】2024-06-25
(54)【発明の名称】消火栓装置
(51)【国際特許分類】
A62C 35/20 20060101AFI20240618BHJP
A62C 3/00 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
A62C35/20
A62C3/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022198443
(22)【出願日】2022-12-13
(71)【出願人】
【識別番号】000003403
【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079359
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 進
(74)【代理人】
【識別番号】100228669
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 愛規
(72)【発明者】
【氏名】松熊 秀成
(72)【発明者】
【氏名】梅原 寛
【テーマコード(参考)】
2E189
【Fターム(参考)】
2E189EB01
2E189EB04
(57)【要約】
【課題】設置スペースを拡大したり、装置回りへの接近を制約したりすることなく、給水配管を外部から引き込んで接続することを可能とする。
【解決手段】消火栓装置10は、トンネルの壁面に沿って設けられた監視員通路30の路面上方の所定高さに、例えば、架台28によりトンネル壁面に近接又は当接して設置される。消火栓装置10は、消火栓機器を収納し配置する第1筐体11aと消火器及び電装機器を収納し配置する第2筐体11bを備え、ホース収納部42が第1筐体11a内部の側面側に配置され、バルブ類収納部40が第1筐体11a内部の第2筐体11b側に配置される。監視員通路30の路面上に取り出された給水配管31は、引込み配管32により架台28内の空き領域を縦方向に通してバルブ類収納部40の筐体底部の所定位置の配管通し部から引き込まれた後に、バルブ配管44に接続される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路を有するトンネルの壁面に沿って設けられた監視員通路の路面上方の所定高さに、当該トンネル壁面に近接又は当接して設置された消火栓装置であって、
消火栓機器が収納又は設置された第1筐体と、
前記第1筐体の一側面に隣接して配置され、消火器及び電装機器が収納又は設置された第2筐体と、
前記第1筐体の他側面側の内部に配置され、消火用ホースが収納されたホース収納部と、
前記第1筐体の一側面側の内部に配置され、前記消火用ホースが接続された配管に消火栓弁を含む所定のバルブ類が設置されたバルブ類収納部と、
を備えたことを特徴とする消火栓装置。
【請求項2】
請求項1記載の消火栓装置において、
前記第1筐体底部の所定位置に配管通し部が形成され、
前記監視員通路の路面下から路面上に取り出された給水配管が、前記第1筐体下側の空き領域を縦方向に通過した後に、前記配管通し部から前記第1筐体内に引き込まれて、前記バルブ類収納部の前記配管に接続されたことを特徴とする消火栓装置。
【請求項3】
請求項1記載の消火栓装置において、
前記第1筐体底部の所定位置に配管通し部が形成され、
前記監視員通路の路面下から路面上に取り出された給水配管が、前記第1筐体下側の空き領域又は前記第2筐体下側から前記第1筐体下側の空き領域を横方向に通過した後に、前記配管通し部から前記第1筐体内に引き込まれて、前記バルブ類収納部の前記配管に接続されたことを特徴とする消火栓装置。
【請求項4】
請求項1記載の消火栓装置において、
前記第1筐体は、
筐体前面の扉開口の下側に、下端側を軸に監視員通路の路面に対して垂直回りに回転して、扉面が前記監視員通路の路面に対して垂直な位置となる開放位置まで開放する消火栓扉と、
前記筐体前面の扉開口の上側に、上端側を軸に監視員通路の路面に対して垂直回りに回転して開放する保守扉と、
を備えたことを特徴とする消火栓装置。
【請求項5】
請求項1記載の消火栓装置において、
前記第1筐体は、所定の操作対象が収納又は設置され、
前記所定の操作対象は、法的に規定された道路利用者の立ち面からの適正操作範囲に入る高さに配置されたことを特徴とする消火栓装置。
【請求項6】
請求項5記載の消火栓装置において、
前記所定の操作対象は、消火栓扉の開閉ハンドル、前記消火用ホースに接続された放水ノズル、消火栓弁の開閉操作部、外部から消防隊のホースが接続される給水栓及び消火ポンプ起動スイッチを含むことを特徴とする消火栓装置。
【請求項7】
請求項1記載の消火栓装置において、
前記第2筐体は、所定の操作対象が収納配置され、
前記所定の操作対象は、法的に規定された道路利用者の立ち面からの適正操作範囲に入る高さに配置されたことを特徴とする消火栓装置。
【請求項8】
請求項7記載の消火栓装置において、
前記所定の操作対象は、消火器扉の開閉ハンドル、前記消火器の操作部及び前記電装機器の操作部を含むことを特徴とする消火栓装置。
【請求項9】
請求項5乃至8の何れかに記載の消火栓装置において、
前記適正操作範囲は、道路利用者が立つ監視員通路の路面上方の800mmから1500mmまでの範囲であることを特徴とする消火栓装置。
【請求項10】
請求項1記載の消火栓装置において、
前記第1筐体及び前記第2筐体は、前記監視員通路の路面上に配置された架台により、前記監視員通路の路面上方の所定高さに、前記トンネル壁面に近接又は当接させて設置されたことを特徴とする消火栓装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネル壁面に沿って設けられた監視員通路に露出して設置される消火栓装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高速道路や自動車専用道路等のトンネル内には、トンネル非常用設備として消火栓装置が設置されている。例えば消火栓装置は、前傾式の消火栓扉(前傾扉)を備えた筐体内部の消火栓収納部に、先端に放水ノズルを装着した消火用ホースや消火栓弁を含むバルブ類等が収納され、また、消火器扉を備えた筐体内部の消火器収納部に、2本の消火器が収納されている。また、消火栓装置は、一般的にトンネル長手方向、例えば50メートル間隔で、監視員通路が設けられたトンネル壁面を箱抜きして埋込み設置されている(特許文献1)。
【0003】
しかし、シールド工法等により造られたトンネルにあっては、トンネル躯体の構造上、トンネル壁面を箱抜きして消火栓装置を埋込み設置することがコストや労力の関係から困難であることから、消火栓装置を監視員通路に露出した状態で設置することが要求されている。
【0004】
このため、消火栓装置をトンネル壁面に箱抜きすることなく、監視員通路に露出した状態で設置する構造として、トンネル壁面に架台を設置し、設置された架台に消火栓装置を取付固定する壁掛け構造が提案されており、当該壁掛け構造の架台は、壁面に固定される主支持部と消火栓装置の姿勢を保持する姿勢保持部材等から構成されている(特許文献2)。
【0005】
しかし、壁掛け構造による消火栓装置の設置は、トンネル壁面への消火栓装置の取り付けに工数と時間が掛かる等の課題があることから、設置が容易である監視員通路の路面上に架台を設置し、設置された架台に消火栓装置を取付固定する、いわゆる据置き構造を採用することが考えられている。
【0006】
ところで、特許文献1に示した従来の消火栓装置にあっては、消火用ホースやバルブ類が収納された筐体内部の消火栓収納部の側面外側に給水配管が立ち上げられ、給水配管は筐体側面を通って筐体内に引き込まれ、バルブ類収納部の配管に接続されている。また、特許文献2の壁掛け構造や据置き構造の消火栓装置にあっても、筐体内部の消火栓収納部の側面外側に給水配管が立ち上げられ、給水配管は筐体側面を通って筐体内に引き込まれ、バルブ類収納部の配管に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009-279294号公報
【特許文献2】特開2019-000196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の消火栓収納部の筐体の側面外側に立ち上げられた給水配管が、筐体側面を通って筐体内に引き込まれ、バルブ類収納部の配管に接続される構造、例えば、監視員通路の路面上に露出して設置される壁掛け構造や据置き構造の消火栓装置にあっては、給水配管が消火栓装置の側面外側に大きく露出して目立つこととなり、従来の壁面埋込み構造の消火栓装置では給水配管が露出してない点に比べると、著しく外観を損なって見栄えが悪くなり、また、工事中等の正常な状態ではなく消火栓装置の機能が十分に得られないのではないかとの印象を持たれかねない。
【0009】
また、消火栓装置の側面外側に露出して配置された給水配管は、設置スペースの横幅を広げる結果となり、給水配管の飛出しにより消火栓装置の周囲のアクセスが制約され、点検や避難のために監視員通路が使用される場合に邪魔になるといった問題もある。
【0010】
本発明は、設置スペースを拡大したり、装置回りへの接近を制約したりすることなく、給水配管を外部から引き込んで接続することが可能となる消火栓装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(消火栓装置)
本発明は、道路を有するトンネルの壁面に沿って設けられた監視員通路の路面上方の所定高さに、当該トンネル壁面に近接又は当接して設置された消火栓装置であって、
消火栓機器が収納又は設置された第1筐体と、
第1筐体の一側面に隣接して配置され、消火器及び電装機器が収納又は設置された第2筐体と、
第1筐体の他側面側の内部に配置され、消火用ホースが収納されたホース収納部と、
第1筐体の一側面側の内部に配置され、消火用ホースが接続された配管に消火栓弁を含む所定のバルブ類が設置されたバルブ類収納部と、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
(筐体底部に引き込まれた給水配管)
第1筐体底部の所定位置に配管通し部が形成され、
監視員通路の路面下から路面上に取り出された給水配管が、第1筐体下側の空き領域を縦方向に通過した後に、配管通し部から第1筐体内に引き込まれて、バルブ類収納部の前記配管に接続される。
【0013】
(筐体下側の空き領域を横断して筐体底部に引き込まれた給水配管)
第1筐体底部の所定位置に配管通し部が形成され、
監視員通路の路面下から路面上に取り出された給水配管が、第1筐体下側の空き領域又は第2筐体下側から第1筐体下側の空き領域を横方向に通過した後に、配管通し部から第1筐体内に引き込まれて、バルブ類収納部の前記配管に接続される。
【0014】
(消火栓扉と保守扉)
第1筐体は、
筐体前面の扉開口の下側に、下端側を軸に監視員通路の路面に対して垂直回りに回転して、扉面が前記監視員通路の路面に対して垂直な位置となる開放位置まで開放する消火栓扉と、
筐体前面の扉開口の上側に、上端側を軸に監視員通路の路面に対して垂直回りに回転して開放する保守扉と、
を備える。
【0015】
(第1筐体の操作対象と適正操作範囲)
第1筐体は、所定の操作対象が収納又は設置され、
所定の操作対象は、法的に規定された道路利用者の立ち面からの適正操作範囲に入る高さに配置される。
【0016】
(第1筐体の操作対象の具体例)
第1筐体の所定の操作対象は、消火栓扉の開閉ハンドル、消火用ホースに接続された放水ノズル、消火栓弁の開閉操作部、外部から消防隊のホースが接続される給水栓及び消火ポンプ起動スイッチを含む。
【0017】
(第2筐体の操作対象と適正操作範囲)
第2筐体は、所定の操作対象が収納配置され、
所定の操作対象は、法的に規定された道路利用者の立ち面からの適正操作範囲に入る高さに配置される。
【0018】
(第2筐体の操作対象の具体例)
第2筐体の所定の操作対象は、消火器扉の開閉ハンドル、消火器の操作部(消火器のハンドルレバー)及び電装機器の操作部を含む。
【0019】
(適正操作範囲)
適正操作範囲は、道路利用者が立つ監視員通路の路面上方の800mmから1500mmまでの範囲である。
【0020】
(架台による設置)
第1筐体及び第2筐体は、監視員通路の路面上に配置された架台により、監視員通路の路面上方の所定高さに、トンネル壁面に近接又は当接させて設置される。
【発明の効果】
【0021】
(消火栓装置の効果)
本発明は、道路を有するトンネルの壁面に沿って設けられた監視員通路の路面上方の所定高さに、当該トンネル壁面に近接又は当接して設置された消火栓装置であって、消火栓機器が収納又は設置された第1筐体と、第1筐体の一側面に隣接して配置され、消火器及び電装機器が収納又は設置された第2筐体と、第1筐体の他側面側の内部に配置され、消火用ホースが収納されたホース収納部と、第1筐体の一側面側の内部に配置され、消火用ホースが接続された配管に消火栓弁を含む所定のバルブ類が設置されたバルブ類収納部とを備えたため、バルブ類収納部が従来の消火栓装置のように筐体側面側に配置されずに筐体中央側(第2筐体側)に配置されていることで、バルブ類収納部に対して外部から給水配管を引き込むには、必然的に第1筐体の底部側から行う構造となり、給水配管は筐体底部の目立たない場所から引き込まれ、消火栓装置の見栄えを損なうことがなく、また、消火栓装置の横幅を低減し、装置回りへのアクセスの制約も低減し、点検や避難のために監視員通路が使用される場合にも、邪魔になることが殆どないといえる。
【0022】
また、ホース収納部が第1筐体の側面側(第2筐体から遠い側)に配置されたことで、消火栓を使用した後の復旧作業の一環である、消火用ホースをホース収納部に巻き戻す作業でも、作業者は筐体側面の外側の空きスペースを利用して行うことができ、作業を容易に行うことが可能となる。
【0023】
また、バルブ類収納部が第1筐体の第2筐体に近い側に配置されたことで、バルブ類収納部に配置されているポンプ起動スイッチやポンプ起動連動スイッチと、第2筐体に設置されている端子箱や電装機器との距離が近くなり、両者を接続する内部配線の長さを短くすることが可能となる。
【0024】
(筐体底部に引き込まれた給水配管の効果)
また、第1筐体底部の所定位置に配管通し部が形成され、監視員通路の路面下から路面上に取り出された給水配管が、第1筐体下側の空き領域を縦方向に通過した後に、配管通し部から第1筐体内に引き込まれて、バルブ類収納部の配管に接続されたため、バルブ類収納部の筐体底部の所定位置に形成された配管通し部が、監視員通路から取り出された給水配管の直上に位置した場合には、給水配管を最短距離でバルブ類収納部の配管に接続することができ、給水配管の接続作業が簡単且つ容易に行えることが可能となる。また、給水配管を筐体内に引き込んで接続する配管作業は、筐体下側の開放された空き領域で行われることから、容易且つ効率良くに行うことが可能となる。
【0025】
(筐体下側の空き領域を横断して筐体底部に引き込まれた給水配管の効果)
また、第1筐体底部の所定位置に配管通し部が形成され、監視員通路の路面下から路面上に取り出された給水配管が、第1筐体下側の空き領域又は第2筐体下側から第1筐体下側の空き領域を横方向に通過した後に、配管通し部から第1筐体内に引き込まれて、バルブ類収納部の前記配管に接続されるため、バルブ類収納部の筐体底部の所定位置に形成された配管通し部が、監視員通路から取り出された給水配管の直上に位置しなかった場合には、給水配管を筐体下側の空き領域を横方向に通した後に、筐体底部の配管通し部から筐体内に引き込むことで、給水配管の監視路面上の取り出し位置と筐体底部の引き込み位置が異なっていても、給水配管を筐体下側の空き領域内で横方向に通すことで、位置を合わせてバルブ類収納部の配管に接続することができ、給水配管の接続作業が簡単且つ容易に行えることが可能となる。また、給水配管を筐体内に引き込んで接続する配管作業は、筐体下側の開放された空き領域で行われることから、容易且つ効率良く行うことが可能となる。
【0026】
(消火栓扉と保守扉の効果)
また、第1筐体は、筐体前面の扉開口の下側に、下端側を軸に監視員通路の路面に対して垂直回りに回転して、扉面が前記監視員通路の路面に対して垂直な位置となる開放位置まで開放する消火栓扉と、筐体前面の扉開口の上側に、上端側を軸に監視員通路の路面に対して垂直回りに回転して開放する保守扉とを備えたため、道路利用者が消火栓扉を開くと、筐体の内部下側に配置されたホース収納部の前側の見やすい位置に消火栓弁開閉操作部、例えば、消火栓弁開閉レバーが配置されており、放水ノズルを取出して消火用ホースを引き出す場合に、迷うことなく消火栓弁開閉レバーを開操作して放水ノズルから放水しながらの消火用ホースの引き出し作業が可能となる。また、ホース収納部の上側に配置されているバルブ類収納部に設けられた消火栓弁などの管理者による点検や修理などが、保守扉を開くことで、適切且つ容易に行うことが可能となる。
【0027】
(消火栓機器を収納配置した第1筐体の操作対象と適正操作範囲の効果)
また、第1筐体は、所定の操作対象が収納又は設置され、所定の操作対象は、法的に規定された道路利用者の立ち面からの適正操作範囲に入る高さに配置されたため、道路利用者が監視員通路の路面に立って消火栓装置を使用する場合の消火用ホースを引き出す作業や、使用後に復旧作業員が消火用ホースを巻き戻す操作において、高すぎたり低くすぎたりすることなく、無理のない姿勢で適切に操作することが可能となる。
【0028】
(第1筐体の操作対象と適正保護範囲の効果)
また、第1筐体の所定の操作対象は、消火栓扉の開閉ハンドル、消火用ホースに接続された放水ノズル、消火栓弁の開閉操作部、外部から消防隊のホースが接続される給水栓及び消火ポンプ起動スイッチを含み、これらの操作対対象は、適正操作範囲に入るように配置されたため、監視員通路の路面に立った道路利用者は、高すぎたり低すぎたりすることなく、無理のない姿勢で消火栓扉の開閉ハンドル、放水ノズル、消火栓弁開閉操作部を適切に操作することが可能となり、また、消防隊員にあっても、給水栓へのホースの接続と開栓及び消火ポンプ起動スイッチを適切に操作することが可能となる。
【0029】
(消火器及び電装機器を収納配置した第2筐体の操作対象と適正操作範囲の効果)
また、第2筐体は、所定の操作対象が収納配置され、所定の操作対象は、法的に規定された道路利用者の立ち面からの適正操作範囲に入る高さに配置され、第2筐体の所定の操作対象は、消火器扉の開閉ハンドル、消火器の操作部(消火器のレバーハンドル)及び電装機器の操作部を含むため、第2筐体に収納配置された消火器及び電装機器についても、道路利用者が消火器を取出す際に握るレバーハンドル、電装機器として設けられた発信機が適正操作範囲にあることで、道路利用者が監視員通路の路面に立って消火器を取り出す場合に、高すぎたり低すぎたりすることがなく、無理のない姿勢で消火器を落下させることなく安全に取り出すことが可能となり、また、発信機を操作する場合にも高すぎたり低くすぎたりすることがなく、適切に操作することが可能となる。
【0030】
(適正操作範囲の効果)
また、適正操作範囲は、道路利用者が立つ監視員通路の路面上方の800mmから1500mmまでの範囲であるため、高すぎたり低くすぎたりすることなく、道路利用者が無理のない姿勢で適切に操作対象を簡単且つ確実に操作をすることが可能となる。
【0031】
(架台による設置の効果)
また、第1筐体及び第2筐体は、監視員通路の路面上に配置された架台により、監視員通路の路面上方の所定高さに、トンネル壁面に近接又は当接させて設置されたため、給水配管が引き込まれる筐体下側は架台の内部領域となり、給水配管の配置に十分な広い空き領域が確保されることで、給水配管を引き込んで接続する配管作業を容易に行うことが可能となる。また、給水配管が通っている架台は、前面側にカバーを設けることで、給水配管を簡単に隠して見栄えの改善が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】監視員通路の路面上に設置された消火栓装置の実施形態を、正面から示した説明図である。
【
図2】
図1の消火栓装置を左側面から示した説明図である。
【
図3】
図1の消火栓装置における消火栓収納部の内部構造を、筐体前面を開放して正面から示した説明図である。
【
図4】
図1の消火栓装置の消火栓機器が配置された内部構造を右側面から見た断面で示した説明図である。
【
図5】
図1の消火栓装置を、消火栓扉を開いた状態で正面から示した説明図である。
【
図6】消火栓扉開閉機構の第1実施形態を消火栓装置の右側面から見た断面で示した説明図である。
【
図7】消火栓扉を90°開放した状態の回転式扉開閉機構を示した説明図である。
【
図8】消火栓扉を180°開放した状態の回転式扉開閉機構を示した説明図である。
【
図9】消火栓扉開閉機構の第2実施形態を消火栓装置の右側面から見た断面で示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下に、本発明に係る消火栓装置の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の実施形態により、本発明が限定されるものではない。
【0034】
[実施形態の基本的な概念]
まず、実施形態の基本的概念について説明する。実施形態は、概略的に、トンネル壁面に沿って設けられた監視員通路上に露出して設置される消火栓装置に関するものである。
【0035】
ここで、「消火栓装置」とは、消火対象領域となる高速道路や自動車専用道路のトンネル内等に設置される非常用設備の一種であり、消火用ホース等の消火栓機器、赤色表示灯や発信機等の電装機器、端子箱及び消火器等が設置又は収納されたものであり、消火栓装置が設置された消火栓設備を含む概念である。
【0036】
また、実施形態の消火栓装置は、トンネル壁面に沿って設けられた監視員通路の路面上方の所定の高さに、当該トンネル壁面に近接又は当接するように設置されたものであり、監視員通路に消火栓装置が露出した状態で設置する「壁掛け構造」や「据置き構造」により設置された消火栓装置を含むものである。
【0037】
ここで、背景技術でも説明した通り、「壁掛け構造」とは、トンネル壁面に架台を設置し、設置された架台に消火栓装置を取付固定する等により消火栓装置をトンネル壁面に対して壁掛けするように設置可能とする構造である。また、「据置き構造」とは、監視員通路の路面上に架台を設置し、設置された架台に消火栓装置を取付固定する等により消火栓装置を監視員通路の路面上に設置可能とする構造である。
【0038】
また、「架台」とは、柱と梁などによって物を支える構造を指すものであり、支持台、土台、基台、台座、ベースなどの概念を含むものである。また、「トンネル壁面に近接又は当接させて設置」とは、トンネル壁面に近接して設置、一部をトンネル壁面に当接して設置、又は一部をトンネル壁面に固定して設置することを含むものである。
【0039】
そして、実施形態の消火栓装置は、消火栓機器が収納又は設置された第1筐体と、第1筐体の一側面に隣接して配置され、消火器及び電装機器が収納又は設置された第2筐体と、第1筐体の他側面側の内部に配置され、消火用ホースが収納されたホース収納部と、第1筐体の一側面側の内部に配置され、消火用ホースが接続された配管に消火栓弁を含む所定のバルブ類が配置されたバルブ類収納部とを備えものである。
【0040】
このように実施形態は、バルブ類収納部が従来の消火栓装置のように筐体側面側に配置されずに筐体中央側(第2筐体側)に配置されていることで、バルブ類収納部に対する外部からの給水配管の接続は、必然的に第1筐体の底部側から引き込まれた給水配管を接続する構造となり、給水配管は筐体底部の目立たない場所から引き込まれ、消火栓装置の見栄えを損なうことがなく、また、消火栓装置の横幅を低減し、装置回りへのアクセスの制約も低減し、点検や避難のために監視員通路が使用される場合にも、邪魔になることが殆どないといえる。
【0041】
また、ホース収納部が第1筐体の側面側(第2筐体から遠い側)に配置されたことで、消火栓を使用した後の復旧作業の一環である、消火用ホースをホース収納部に巻き戻す作業でも、作業者は筐体側面の外側の空きスペースを利用して行うことができ、作業を容易にすることが可能となる。
【0042】
さらに、バルブ類収納部が第1筐体の第2筐体に近い側に配置されたことで、バルブ類収納部に配置されているポンプ起動スイッチやポンプ起動連動スイッチと、第2筐体に設置されている端子箱や電装機器との距離が近くなり、両者を接続する内部配線の長さを短くすることが可能となる。
【0043】
また、第1筐体のバルブ類収納部に外部から給水配管を接続する構造は任意であるが、例えば、第1筐体底部の所定位置に配管通し部が形成され、監視員通路の路面下から路面上に取り出された給水配管が、第1筐体下側の空き領域を縦方向に通過した後に、配管通し部から第1筐体内に引き込まれて、バルブ類収納部の配管に接続される。
【0044】
このため、バルブ類収納部の筐体底部の所定位置に形成された配管通し部が、監視員通路から取り出された給水配管の直上に位置している場合には、給水配管を最短距離でバルブ類収納部の配管に接続することができ、給水配管の接続作業が簡単且つ容易に行えることが可能となる。また、給水配管を筐体内に引き込んで接続する配管作業は、筐体下側の開放された空き領域で行われることから、容易且つ効率よく行えることが可能となる。
【0045】
また、監視員通路の路面下から路面上に取り出された給水配管は、第1筐体下側の空き領域又は第2筐体下側から第1筐体下側の空き領域を横方向に通過した後に、配管通し部から第1筐体内に引き込まれて、バルブ類収納部の配管に接続されるものである。この配管接続構造は、バルブ類収納部の筐体底部の所定位置に形成された配管通し部が、監視員通路から路面上に取出された給水配管の直上に位置しなかった場合であり、給水配管を筐体下側の空き領域を横方向に通した後に、筐体底部の配管通し部から筐体内に引き込んで接続するものである。このため、給水配管の監視路面上の取り出し位置と筐体底部の配管通し部の位置が異なっていても、筐体下側の空き領域内で横方向に給水配管を通すことで、位置を合わせてバルブ類収納部の配管に接続することができる。また、給水配管を筐体下側の空き領域を横方向に通した後に筐体内に引き込んで接続する配管作業は、筐体下側の開放された空き領域で行われることから、容易且つ効率よく行うことが可能となる。
【0046】
第1筐体の前面の扉開口には「消火栓扉」と「保守扉」が設けられている。「消火栓扉」と「保守扉」の開閉構造は任意であるが、例えば、「消火栓扉」は、筐体前面の扉開口の下側に、下端側を軸に監視員通路の路面に対して垂直回り(下向き)に回転して、扉面が監視員通路の路面に対して垂直な位置となる開放位置まで開放する構造となっている。このため、道路利用者が消火栓扉を開くと、開放した消火栓扉の内側の見やすい位置に消火栓弁開閉操作部、例えば、消火栓弁開閉レバーが配置され、また、放水用ノズルが保持されており、放水用ノズルを取出して消火用ホースを引き出す場合に、迷うことなく消火栓弁開閉レバーを開操作して放水用ノズルから放水しながらの消火用ホースを引き出す作業が可能となる。
【0047】
また、「保守扉」は、例えば、筐体前面の扉開口の上側に、上端側を軸に監視員通路の路面に対して垂直回り(上向き)に回転して開放する構造とする。このため、ホース収納部の上側に配置されているバルブ類収納部に設けられた消火栓弁などの管理者による点検や修理などが、保守扉を開くことで、適切且つ容易に行うことが可能となる。
【0048】
また、「第1筐体」には、所定の操作対象が収納又は設置され、所定の操作対象は、法的に規定された道路利用者の立ち面からの適正操作範囲に入る高さに配置されるものである。
【0049】
ここで、「法的に規定された適正操作範囲」とは、道路利用者が立つ監視員通路の路面上方の800mmから1500mmまでの範囲であり、高すぎたり低くすぎたりすることなく、道路利用者が無理のない姿勢で適切に操作対象を簡単且つ確実に操作をすることを可能とするものである。
【0050】
このため、道路利用者が監視員通路の路面に立って消火栓装置を使用する場合の消火用ホースを引き出す作業や、使用後に復旧作業員が消火用ホースを巻き戻す操作において、高すぎたり低くすぎたりすることなく、無理のない姿勢で適切に操作することが可能となる。
【0051】
ここで、「第1筐体の所定の操作対象」とは、消火栓扉の開閉ハンドル、消火用ホースに接続された放水用ノズル、消火栓弁の開閉操作部、外部から消防隊のホースが接続される給水栓及び消火ポンプ起動スイッチを含むものであり、これらの操作対対象が、適正操作範囲に入るように配置されたため、監視員通路の路面に立った道路利用者は、高すぎたり低すぎたりすることなく、無理のない姿勢で消火栓扉の開閉ハンドル、放水用ノズル、消火栓弁開閉操作部を適切に操作することが可能となり、また、消防隊員にあっても、給水栓へのホースの接続と開栓及び消火ポンプ起動スイッチを適切に操作することを可能とするものである。
【0052】
また、「第2筐体」には、所定の操作対象が収納配置され、所定の操作対象は、法的に規定された道路利用者の立ち面からの適正操作範囲に入る高さに配置されるものである。
【0053】
ここで、「第2筐体の所定の操作対象」とは、消火器扉の開閉ハンドル、消火器の操作部(消火器のレバーハンドル)及び電装機器の操作部を含むものである。
【0054】
このため、第2筐体に収納又は設置された消火器及び電装機器についても、道路利用者が消火器を取出す際に握るレバーハンドル、電装機器として設けられた発信機が適正操作範囲にあることで、道路利用者が監視員通路の路面に立って消火器を取り出す場合に、高すぎたり低すぎたりすることがなく、無理のない姿勢で消火器を落下させることなく安全に取り出すことを可能とし、また、発信機を操作する場合にも高すぎたり低くすぎたりすることがなく、適切に操作することが可能となる。
【0055】
以下、具体的な実施形態を説明する。以下に示す具体的な実施形態では、消火栓装置が架台により監視員通路の路面上方の所定高さに露出して配置される「据置き構造」とした場合について説明する。
【0056】
[実施形態の具体的内容]
消火栓装置の実施形態について説明する。その内容については以下のように分けて説明する。
a.消火栓装置の概要
b.消火栓装置の設置
c.消火栓装置の薄型化
d.消火栓装置の内部構造
d1.バルブ類収納部
d2.ホース収納部
e.消火栓装置の設置高さ
f.消火栓扉の扉開閉機構
f1.消火栓扉開閉機構の第1実施形態
f2.消火栓扉開閉機構の第2実施形態
g.本発明の変形例
【0057】
[a.消火栓装置の概要]
消火栓装置の概要について説明する。当該説明にあっては、監視員通路の路面上に設置された消火栓装置の実施形態を、正面(前面)から示した
図1を参照する。
【0058】
ここで、
図1の説明では、X-Y-Z方向が互いに直交する方向であり、具体的には、消火栓装置10の前面を正面に見て、X方向を左右方向とし、Y方向を上下方向とし、Z方向を前後方向とする。また、X方向における+X側を右側、-X側を左側とし、Y方向における+Y側を上側、-Y側を下側とし、Z方向における+Z側を前側、-Z側を後側とする。この点は本発明の実施形態となる
図2~
図9においても同様となる。
【0059】
図1に示すように、消火栓装置10は、監視員通路30の路面上に設置された架台28上に設置され、消火栓装置10の筐体は、第1筐体11a及び第2筐体11bに分割されている。
【0060】
第1筐体11aの前面には化粧枠13aが装着されている。化粧枠13aの扉開口15の下側には、扉開閉ハンドル1210の操作でロックが解除された場合に、ヒンジ12aにより下端を軸として、監視員通路30の路面に対し垂直となる位置に垂直回り(下向き)に開く消火栓扉12が配置されている。
【0061】
化粧枠13aの扉開口15の上側には、ヒンジ14aにより上端を軸として上向きに開く保守扉14が配置されている。上向きに開いた保守扉14は、扉内側に配置されたステー(支持棒)により開放状態が保持される。
【0062】
第1筐体11aの内部となる消火栓収納部には、後述するように、右側面側に消火用ホースを収納するためのホース収納部が配置され、筐体中央となる左側に消火栓弁等のバルブ類を収納するためのバルブ類収納部が配置されている。
【0063】
第2筐体11bの前面には、化粧枠13bが装着されている。化粧枠13bの右側の扉開口にはヒンジ18aにより右向きに横開きする電装扉18が配置され、その左側にはヒンジ20aにより左向きに横開きして、内部の端子箱26a,26bへのアクセスを可能とする補助扉20が配置されている。
【0064】
本実施形態にあっては、補助扉20が配置された分、電装機器の収納スペースが拡大され、従来、消火器収納部の内部後面に配置されていた端子箱26a,26bを補助扉20の内部後面に配置することが可能となっている。
【0065】
電装扉18には、電装機器として、例えば赤色表示灯22、発信機24及び応答ランプ25が設けられ、扉内側には電話ジャックが設けられている。赤色表示灯22は常時点灯し、消火栓装置10の設置場所が遠方から確認できるようになっている。また、発信機24は、例えば火災等の発生時に押されてスイッチがオンすると発信信号を送信し、これを受信した電気室等に設置された防災受信盤から火災警報が出力され、防災受信盤からの応答信号を受信した消火栓装置10は、赤色表示灯22を点滅させると共に、応答ランプ25を点灯させる。
【0066】
補助扉20に相対した第2筐体11b内の後面には、高圧用の端子箱26aと低圧用の端子箱26bが上下方向に並べて配置されている。高圧用の端子箱26aは、内蔵した端子台を使用して、消火栓装置10の外部から引き込まれた強電用ケーブルと赤色表示灯22を接続する。低圧用の端子箱26bは、内蔵した端子台を使用して、消火栓装置10の外部から引き込まれた弱電用ケーブルと発信機24、応答ランプ25及び電話ジャック等を接続する。
【0067】
また、第2筐体11bに装着された化粧枠13bの左側扉開口には、ヒンジ16aにより左向きに横開きする消火器扉16が配置され、扉内部となる消火器収納部には、2本の消火器が収納されている。また、消火器扉16には覗き窓17が設けられ、外部から消火器の有無が確認可能となっている。
【0068】
第1筐体11aと第2筐体11bを連結固定して構成された消火栓装置10は、トンネル壁面に沿った監視員通路30の所定高さに、架台28により取付け固定されている。また、監視員通路30の路面上のトンネル壁面に近い所定位置には下側から給水配管31が取り出されており、本実施形態は、監視員通路30上に取り出された給水配管31の直上となる消火栓装置10の筐体底部、具体的には、第1筐体11aの左側に配置されたバルブ類収納部の筐体底部の所定位置に形成された配管引き込み用の開口、例えば、配管通し部が位置していることから、給水配管31に続いて縦方向に接続された引込配管32が、筐体底部の配管通し部を通って筐体内に引込まれ、バルブ類収納部の配管に接続されている。
【0069】
また、監視員通路30に対する給水配管31の取り出し位置は任意であり、架台28に取付け固定された消火栓装置10の、バルブ類収納部の筐体底部に形成された配管通し部が直上の位置とならない場合、例えば、架台28の右端側に給水配管3110が取り出されたような場合がある。このような場合、給水配管3110は、架台28内の空き領域を横方向に通るように配置された引込配管3210に接続される。その後、引込配管3210に続いて縦方向に接続された引込配管32が、バルブ類収納部の底部の配管通し部を通って筐体内に引込まれ、バルブ類収納部の配管に接続される。
【0070】
このように本実施形態にあっては、給水配管31の監視員通路30からの取り出しと、引込配管32の消火栓装置10への接続は、筐体下側の架台28の内部となる空き領域を使用して行われることとなり、筐体下側の架台28内は外側に露出していない場所であることから、引込配管32の配置により消火栓装置10の見栄えを損なうことがなく、また、従来のように筐体側面に引込み配管が配置された場合に比べ、消火栓装置10の配置スペースの横幅が低減すると共に装置回りの制約も低減し、点検や避難のために監視員通路30が使用される場合にも、邪魔になることが殆どない。また、引込配管32を給水配管31に接続する、又は引込配管32を、引込配管3210を経由して給水配管3110に接続する配管作業も、前面側に開放された架台28内の空き領域で行われることから、容易に効率良く作業を進めることが可能となる。
【0071】
[b.消火栓装置の設置]
次に、監視員通路に対する消火栓装置の設置について説明する。当該説明にあっては、及び
図1の消火栓装置を左側面から示した
図2を参照する。
【0072】
図2に示すように、シールド工法により構築された円筒状(円形断面)のトンネル躯体の下部には、道路35がトンネル長手方向(左右方向)に構築され、道路35に沿ったトンネル壁面34の下側に、道路35に対し所定高さの監視員通路30が構築されている。監視員通路30の内部はダクトとなっており、給水本管36やケーブルが敷設され、給水本管36から分岐した給水配管31が監視員通路30の路面上に取り出される。給水配管31に接続された引込配管32が架台28内を縦方向に通って直上に位置する筐体底部の配管通し部を介して筐体内に引き込まれている。
【0073】
シールド工法によるトンネル壁面34は、消火栓装置10を設置するための箱抜きが困難であることから、監視員通路30の路面上にトンネル壁面34に近接させて架台28を設置し、連結された第1筐体11a及び第2筐体11bを架台28上に取付固定することで、消火栓装置10を設置している。また、消火栓装置10の上部は筐体支持部材41によりトンネル壁面34に固定され、前方へ倒れないようになっている。
【0074】
ここで、監視員通路30の路面から消火栓装置10に配置された発信機24や放水ノズル等を含む全ての操作対象までの高さが、法的に定められた適正操作範囲に入るように、架台28の高さが設定される。監視員通路30の路面を道路利用者の立ち位置とした場合、公知のように、法的に定められた適正操作範囲は、路面からの下限高さH1が800mm、上限高さH2が1500mmであり、このため、適正操作範囲の縦幅Hwは700mmとなっている。
【0075】
本実施形態にあっては、消火栓装置10に収納又は設置されている操作対象の全てが適正操作範囲の縦幅Hw(=700mm)に入るようにするため、架台28による消火栓装置10の設置高さ、即ち、監視員通路30の路面から消火栓装置10の底面(筐体底面)までの高さH1が設定されている。高さH1は任意であるが、例えば、適正操作範囲の下限値H1と同じ800mmとなっている。
【0076】
また、本実施形態の架台28は、側面形状を底辺に対し上辺が長い逆台形とし、トンネル壁面34の湾曲形状に沿って後側が斜め下向きの傾斜面となっている。
【0077】
[c.消火栓装置の薄型化]
次に、消火栓装置の薄型化について説明する。
図2に示すように、架台28により監視員通路30の路面上の所定高さに設置された消火栓装置10の、トンネル壁面34からの突出(出っ張り)による監視員通路30の通路幅の制約を低減するため、消火栓装置10を可能な限り薄型化している。
【0078】
消火栓装置10に収納される機器の中で前後方向のサイズが最大となるのは、第2筐体11bに収納される消火器であり、消火栓装置10の厚さ(前後方向の幅)は、消火器が収納できるサイズまで薄型化が可能であるから、消火栓装置10の幅は第2筐体11bに収納される消火器の外径に対応した所定の幅に設定される。
【0079】
消火器の外径は160~180mm程度であり、収納された消火器が第2筐体11bに接触しないように隙間を確保すると、消火栓装置10の最小幅は、例えば250mm以下となり、消火栓装置10の幅は、例えば250mmに設定される。これに対し、トンネル躯体の壁面を箱抜きして埋込設置する従来の消火栓装置10の幅は300mm以上であることから、本実施形態の消火栓装置10は、幅を従来装置より低減し、消火栓装置10を薄型化することができる。
【0080】
また、消火栓装置10の第1筐体11aは、従来の消火栓装置と同じ所定長の消火用ホース、例えば30mの保形ホースを内巻き状態で収納するために、第1筐体11aの横幅(左右方向の幅)を従来の消火栓装置よりも拡大することで、従来と同じ所定長の保形ホースの内巻き状態での収納が可能となっている。
【0081】
また、従来の消火栓装置では、消火器が収納される消火器収納部の後側の筐体後面に端子箱26a,26bが配置されていたが、消火栓装置10の薄型化に伴い端子箱26a,26bを消火器収納部の後側の筐体後面には配置できなくなるため、第2筐体11bで電装機器が設けられる部分の横幅(左右方向の幅)が、電装機器と端子箱を配置可能とする横幅に拡大されている。
【0082】
[d.消火栓装置の内部構造]
次に、消火栓装置の内部構造について説明する。当該説明にあっては、
図1の消火栓装置における消火栓収納部の内部構造を、筐体前面を開放して正面から示した
図3、
図1の消火栓装置の消火栓機器を配置した内部構造を右側面から見た断面で示した
図4、及び、
図1の消火栓装置を、消火栓扉を開いた状態で正面から示した
図5を参照する。なお、
図4は、
図5の切断線a-aの断面を示す。
【0083】
消火栓収納部となる第1筐体11aの内部は、左側のバルブ類収納部40と右側のホース収納部42とに分けられている。
【0084】
(d1.バルブ類収納部)
バルブ類収納部40について、より詳細に説明する。監視員通路30の路面上に取り出された給水配管31の上側に引込み配管32が接続され、引込み配管32は、架台28の内部を縦方向に通って、バルブ類収納部40の筐体底部に形成された配管通し部から筐体内に引き込まれ、配管接手38によりバルブ配管44に接続されている。ここで、配管接手38の構造、種類は任意であるが、例えば、公知のユニオン接手が使用される。また、バルブ配管44は、配管支持部46により第1筐体11a内の第2筐体11b側の側面に取付け固定されている。
【0085】
バルブ配管44は、第1筐体11a内を縦方向に立ち上がった後に横方向に屈曲し、分岐配管47を介して消防隊が使用する給水栓48が接続されている。分岐配管47からは下方にバルブ配管が接続され、バルブ配管には消火栓弁50と自動調圧弁52が順番に接続されている。
【0086】
消火栓弁50には連動ボックス72が設けられ、
図5に開放状態で示す消火栓扉12の裏面側に配置された操作ボックス68との間でワイヤー77が連結されており、操作ボックス68の消火栓弁開閉レバー70の開閉操作に伴う回転を、ワイヤー77を介して連動ボックス72に伝達して消火栓弁50を開閉する、公知のワイヤーリンク機構が構成されている。
【0087】
自動調圧弁52は、消火用ホース60へ供給する消火用水の圧力を、所定圧力を保つように調整する。自動調圧弁52に続く配管は、横方向に屈曲してホース接続配管54に接続され、先端に消火用ホース60の根本側が接続されている。また、自動調圧弁52に続く配管の下端となる位置には、自動排水弁55が取り付けられ、ホース接続配管54は、配管支持部56により筐体底部に取付け固定されている。
【0088】
自動排水弁55は、消火栓弁50が閉鎖して圧力が加わっていない状態で開放しており、消火栓弁50の二次側となる配管及び消火用ホース60内に残留している消火用水の水抜きを可能とする。自動排水弁55は、消火栓弁50の開放による消火用水の供給で圧力を受けると閉鎖する。
【0089】
(d2.ホース収納部)
ホース収納部42について、より詳細に説明する。ホース収納部42は、バルブ類収納部40との境界に縦方向に配置された仕切り板43と、バルブ類収納部40の上部に横方向に配置された仕切り板45とにより、前面に開口した箱形領域が形成されている。
【0090】
ホース収納部42の前面開口には、円筒形又は円柱形のフレーム部材58が縦横に間隔を空けて設けられることで、消火用ホース60の前側を支持する格子が配置され、前面開口の中央部にフレーム部材58で矩形に仕切られたホース取出口62が形成されている。
【0091】
ホース収納部42の内部には、消火用ホース60が縦回り(垂直回り)に内巻きされて収納されている。ここで、ホース収納部42の縦幅及び横幅は任意であるが、例えば、縦幅を900mm、横幅を800mmとすると、消火用ホース60の1ターン当りの長さは概ね3.1m程度であり、消火用ホース60の長さを、例えば30mとすると、9~10ターン程度の内巻きにより収納が可能となる。
【0092】
ホース取出口62から引き出された消火用ホース60は、
図5に示すように、消火栓扉12の裏面に設置されたホースガイド63を通った位置に放水用ノズル64が装着されている。放水用ノズル64は、消火栓扉12の裏面に固定されたノズルホルダー66に着脱自在に保持されている。
【0093】
また、消火栓扉12の裏面には、バルブ類収納部40に配置された消火全弁50を遠隔操作するための操作ボックス68が配置され、操作ボックス68には、上下回りに回動操作される消火栓弁開閉レバー70が設けられている。消火栓弁開閉レバー70は、
図5に示す位置が閉位置であり、下側に回動した位置が開位置となる。操作ボックス68の右側の扉裏面には、
図4に示すように、ホースガード74が設置され、ホース収納部42から引き出された消火用ホース60が操作ボックス68に接触して擦れることで損耗することを防いでいる。
【0094】
操作ボックス68の内部には、消火ポンプ起動連動スイッチ78が設けられている。消火ポンプ起動連動スイッチ78は、消火栓弁開閉レバー70が開位置に操作された場合にオンし、防災受信盤へポンプ起動信号を送信して消火ポンプ設備を起動させる。
【0095】
また、バルブ類収納部40に配置された給水栓48の右下側には、ポンプ起動スイッチ75が設けられている。ポンプ起動スイッチ75は、消防隊員が給水栓48にホースを連結して消火を行う際に、押込み操作でオンし、防災受信盤へポンプ起動信号を送信して消火ポンプ設備を起動させる。
【0096】
[e.消火栓装置の設置高さ]
消火栓装置の監視員通路に対する設置高さについて、より詳細に説明する。
図5に示すように、消火栓装置10は、監視員通路30の路面からの高さが、適正操作範囲の下限高さH1に一致する800mmの高さとなるように、架台28により監視員通路30上に設置されている。即ち、消火栓装置10を設置する架台28の高さは、適正操作範囲の下限高さH1に一致する800mmの高さとなっている。
【0097】
このように、架台28を介して監視員通路30の路面上方の高さ800mmに設置された消火栓装置10は、第1筐体11a及び第2筐体11bの底面が、適正操作範囲の下限高さH1の800mmで、給水栓48等の操作位置が適正操作範囲の上限高さH2の1500mm以下となり、適正操作範囲Hwとなる700mmの範囲が消火栓装置10の縦幅に含まれている。
【0098】
ここで、消火栓装置10に設けられている操作対象となる操作機器や操作部の全てが、下限高さH1を800mm、上限高さH2を1500mmとする適正操作範囲Hw(縦幅700mmの範囲)に含まれる必要がある。
【0099】
消火栓収納部となる第1筐体11aの操作対象としては、ホース収納部42側については、消火栓扉12の扉開閉ハンドル1210(
図1参照)及び内巻きされた消火用ホース60が該当し、バルブ類収納部40については、放水用ノズル64、消火栓弁開閉レバー70、ポンプ起動スイッチ75及び給水栓48(操作ハンドルとホース接続口)が該当する。
【0100】
また、第2筐体11bの操作対象としては、電装扉18の発信機24と電話ジャック、消火器扉16の扉開閉ハンドル1610、及び、消火器76の上部の操作部となるハンドルレバーが該当する。
【0101】
本実施形態の消火栓装置10にあっては、前述した操作対象の全てが、下限高さH1を800mm、上限高さH2を1500mmとする適正操作範囲Hw(縦幅700mmの範囲)に含まれており、監視員通路30の路面に立った道路利用者、消防隊員及び復旧作業員にとって、操作対象となる操作機器や操作部が高すぎたり低すぎたりすることのない操作し易い位置(高さ)とすることができる。
【0102】
[f.消火栓扉の扉開閉機構]
次に消火栓扉の扉開閉機構について説明する。消火栓扉の扉開閉機構は第1実施形と第2実施形態があり、それぞれに分けて説明する。
【0103】
(f1.消火栓扉開閉機構の第1実施形態)
消火栓扉開閉機構の第1実施形態について説明する。当該説明にあっては、消火栓扉が閉鎖した状態(閉鎖位置)の消火栓扉開閉機構の第1実施形態を消火栓装置の右側面から見た断面で示した
図6、消火栓扉が90°開放した状態の回転式扉開閉機構を示した
図7、及び、消火栓扉が180°開放した状態(開放位置)の回転式扉開閉機構を示した
図8を参照する。
【0104】
図6~
図8に示すように、扉開閉機構80は、消火栓扉12に設けられ、消火栓扉12を垂直回り(上下回り)に180°回動させて開閉させるものであれば任意であるが、例えばスライド穴90が形成された基台82、第1リンク84、第2リンク86及びスライド軸部92が一端に設けられたガイドリンク88で構成される。また、緩衝装置として、扉開閉機構80に対してダンパー94が設けられている。
【0105】
基台82は、化粧枠13aに形成された扉開口15の下部内側に位置するように化粧枠13aに固定され、上部に第1リンク84の一端を軸部83で軸支している。第1リンク84の他端には第2リンク86の一端が軸部85で軸支され、第2リンク86の他端は軸部87により消火栓扉12の下部内側に軸支されている。ここで、第1リンク84と第2リンク86は、扉開閉機構80の主要部となる2節リンクを構成している。尚、第1リンク84は軸部83に設けられた巻きばね等により、
図6~
図8のように右側面から見て右回りに付勢されている。
【0106】
基台82の側面には、前方に向けて斜め上向きにスライド穴90が形成され、スライド穴90には、ガイドリンク88の一端に設けられたスライド軸部92が摺動自在に配置され、ガイドリンク88の他端は、軸部89により消火栓扉12の下端部内側(軸部87よりも下側)に軸支されている。ガイドリンク88は、第1リンク84と第2リンク86で構成される2節リンクの動きを規制して、スライド穴90の長さで定まる所定範囲で消火栓扉12を回動させる動きを、回動の中心となって作り出すものである。
【0107】
ダンパー94は、シリンダ側となる一端が固定部95によりホース収納部42のフレーム部材58等に固定され、ロッド側となる他端が軸部93により第1リンク84の中間に軸支され、消火栓扉12の開放に伴う移動速度を抑えて消火栓扉12を滑らかに開放位置まで移動させて消火栓扉12が開放位置で停止する際の衝撃を抑える。
【0108】
道路利用者が消火栓扉12を開放するために扉開閉ハンドル1210を手前に引いてロックを外すと、
図7に示すように、扉開閉機構80の第1リンク84と第2リンク86により消火栓扉12は前方に付勢されるが、このとき消火栓扉12の下端部はガイドリンク88により前方への移動が規制されるため、消火栓扉12は下端部を中心に下向きに回転する。
【0109】
そして、下向きに回転する消火栓扉12は、扉開口15の下側の化粧枠13bの前面に当接する位置に向けて180°回転して化粧枠13aの前面に当接する位置(開放位置)で停止することで、消火栓扉12により閉鎖されていた扉開口15の下側を全開し、開放位置にある消火栓扉12は、
図8に示すように、扉開口15の下端より下側の第1筐体11aの前面及び架台28の前面に相対し、監視員通路30の路面に対して垂直な位置となる。
【0110】
このため、消火栓扉12の開放位置で監視員通路30の路面上(消火栓装置から前方)への突出量は消火栓扉12の厚み(前後方向の幅)に過ぎず、実質的に突出量はないことから、開放した消火栓扉12により監視員通路30の通行が妨げられることはない。
【0111】
(f2.消火栓扉開閉機構の第2実施形態)
次に、消火栓扉開閉機構の第2実施形態について説明する。当該説明にあっては、消火栓扉開閉機構の第2実施形態を消火栓装置の右側面から見た断面で示した
図9を参照する。尚、
図9(A)は消火栓扉が閉鎖した状態(閉鎖位置)を示し、
図9(B)は消火栓扉が180°開放した状態(開放位置)を示す。
【0112】
図9に示すように、本実施形態では、消火栓扉12の閉鎖位置と開放位置に対応した筐体前面に、消火栓扉12の縦幅、横幅及び厚みに対応した窪みとなる扉収納凹部1510が形成されている。
【0113】
本実施形態の扉開閉機構80の扉回転軸96は、扉開口15の下端部(閉鎖位置にある消火栓扉12の下端部)に対応した扉収納凹部1510の内側面に設けられ、閉鎖位置にある消火栓扉12の下端部を回動自在に軸支するものである。また、ダンパー94は、シリンダ側となる一端が固定部95によりホース収納部42のフレーム部材58等に固定され、ロッド側となる他端が軸部93により消火栓扉12の下端部内側に設けられたダンパー取付部98に軸支されている。また、ダンパー取付部98は、消火栓扉12を滑らかに180°回転させて開放させるために、後側(筐体内部側)が前側よりも上方(消火栓扉12の閉鎖時)に位置するように所定の角度で傾けて設けられ、消火栓扉12の開放に際しダンパー94により下向きの力が働くようになっている。
【0114】
道路利用者が消火栓扉12を開放するために扉開閉ハンドル1210を手前に引いてロックを外すと、
図9(B)に示すように、消火栓扉12は、扉回転軸96を中心に下向きに180°回転して扉収納凹部1510の開放位置に対応した下側に収納され、扉開口15の下端より下側の第1筐体11aの前面及び架台28の前面に相対し、監視員通路30の路面に対して垂直又は略垂直な位置となる。
【0115】
本実施形態の扉開閉機構80は、
図6乃至
図8のリンク構造に対して極めて簡単な構造であり、消火栓扉12の閉鎖位置と開放位置に対応して第1筐体11aの前面に形成される扉収納凹部1510が必要となるが、消火栓装置全体として見れば構造が簡単でありコストも低減可能である。
【0116】
[g.本発明の変形例]
本発明による消火栓装置の変形例について説明する。本発明の消火栓装置は、上記の実施形態以外に、以下の変形を含むものである。
【0117】
(ノズルホルダー)
上記の実施形態は、放水ノズルを着脱自在に保持するノズルホルダーは、消火栓扉の裏面側に配置されているが、これに限定されず、例えば、ホース収納部の前面に配置されたフレーム部材に固定されてもよい。
【0118】
(消火栓弁開閉操作部)
上記の実施形態は、消火栓弁開閉操作部を構成する消火栓弁開閉レバーを備えた操作ボックスは、消火栓扉の裏面側に配置されているが、これに限定されず、例えば、ホース収納部の前面に配置されたフレーム部材に固定されてもよい。
【0119】
(壁掛け構造により設置された消火栓装置)
上記の実施形態は、監視員通路の路面上に架台を設置し、設置された架台に消火栓装置を取付固定する据置き構造により設置された消火栓装置を例にとるものであったが、これに限定されず、トンネル壁面に架台を設置し、設置された架台に消火栓装置を取付固定する壁掛け構造により設置された消火栓装置についても、同様に適用される。
【0120】
(消火栓装置の筐体)
上記の実施形態は、第2筐体に電装機器と消火器が配置され収納されているが、これに限定されず、第2筐体を電装機器を収納する筐体と消火器を収納する筐体に分割してもよい。即ち、消火栓機器を収納する第1筐体、電装機器を収納する第2筐体、消火器を収納する第3筐体に分割してもよい。
【0121】
(その他)
また、本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、さらに上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【符号の説明】
【0122】
10:消火栓装置
11a:第1筐体
11b:第2筐体
12:消火栓扉
1210,1610:扉開閉ハンドル
13a,13b:化粧枠
14:保守扉
15:扉開口
1510:扉収納凹部
16:消火器扉
17:覗き窓
18:電装扉
20:補助扉
22:赤色表示灯
24:発信機
25:応答ランプ
26a,26b:端子箱
28:架台
30:監視員通路
31,3110:給水配管
32,3210:引込み配管
34:トンネル壁面
35:道路
36:給水本管
38:配管接手
40:バルブ類収納部
42:ホース収納部
43,45:仕切り板
44:バルブ配管
46,56:配管支持部
48:給水栓
50:消火栓弁
52:自動調圧弁
54:ホース接続配管
55:自動排水弁
58:フレーム部材
60:消火用ホース
62;ホース取出口
63:ホースガイド
64:放水用ノズル
66:ノズルホルダー
68:操作ボックス
70:消火栓弁開閉レバー
72:連動ボックス
74:ホースガード
75:ポンプ起動スイッチ
76:消火器
78:ポンプ起動連動スイッチ
80:扉開閉機構
82:基台
83,85,87,89,93:軸部
84:第1リンク
86:第2リンク
88:ガイドリンク
90:スライド穴
92:スライド軸部
94:ダンパー
95:固定部
96:扉回転軸
98:ダンパー取付部