(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084288
(43)【公開日】2024-06-25
(54)【発明の名称】アセスメント業務支援装置およびその制御方法ならびにプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/22 20240101AFI20240618BHJP
【FI】
G06Q50/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022198472
(22)【出願日】2022-12-13
(71)【出願人】
【識別番号】302064762
【氏名又は名称】株式会社日本総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110001830
【氏名又は名称】弁理士法人東京UIT国際特許
(72)【発明者】
【氏名】辻本 まりえ
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA11
(57)【要約】
【課題】アセスメント(モニタリング)業務のときに,効率よく情報を収集できるようにする。
【解決手段】アセスメント業務支援装置は,話題が共通する複数のアセスメント項目を話題ごとにグルーピングした話題グルーピングDB30を備えている。要介護者に行うべき支援が,複数の支援内容項目の中から選択される。選択された複数の支援内容項目のそれぞれに関連付けられている複数のアセスメント項目に,上記話題グルーピングDB30に記憶されている話題が共通する複数のアセスメント項目が含まれているかどうかが判断される。話題が共通する複数のアセスメント項目が含まれていると判断された場合に,それらが表示装置の表示画面にまとめて表示される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
要介護者に対して必要性が想定される複数の支援内容項目と,上記複数の支援内容項目のそれぞれについて必要とされる複数のアセスメント項目とが互いに関連付けられて記憶された基本ケア・データベース,
上記基本ケア・データベースに記憶された複数のアセスメント項目のうち,話題が共通する複数のアセスメント項目を,話題ごとにグルーピングした話題グルーピング・データベース,
要介護者に行うべき支援を,上記基本ケア・データベースに記憶されている複数の支援内容項目の中から選択する支援内容選択手段,
上記支援内容選択手段によって選択された複数の支援内容項目のそれぞれに関連付けられている複数のアセスメント項目に,上記話題グルーピング・データベースに記憶されている話題が共通する複数のアセスメント項目が含まれているかどうかを判断する判断手段,ならびに
上記判断手段によって話題が共通する複数のアセスメント項目が含まれていると判断された場合に,それらをまとめて表示する表示手段を備えている,
アセスメント業務支援装置。
【請求項2】
上記話題グルーピング・データベースが上記話題ごとにその内容を表す話題名データを含み,
上記表示手段は,
話題が共通する複数のアセスメント項目に並べて上記話題名データに基づく話題名を表示する,
請求項1に記載のアセスメント業務支援装置。
【請求項3】
基本ケア・データベースに,要介護者に対して必要性が想定される複数の支援内容項目と,上記複数の支援内容項目のそれぞれについて必要とされる複数のアセスメント項目とを互いに関連付けて記憶しておき,
話題グルーピング・データベースに,上記基本ケア・データベースに記憶された複数のアセスメント項目のうち,話題が共通する複数のアセスメント項目を,話題ごとにグルーピングして記憶しておき,
支援内容選択手段によって,要介護者に行うべき支援の選択を,上記基本ケア・データベースに記憶されている複数の支援内容項目の中から受付け,
選択された複数の支援内容項目のそれぞれに関連付けられている複数のアセスメント項目に,上記話題グルーピング・データベースに記憶されている話題が共通する複数のアセスメント項目が含まれているかどうかを判断し,
話題が共通する複数のアセスメント項目が含まれていると判断された場合に,それらをまとめて表示装置に表示する,
アセスメント業務支援装置の制御方法。
【請求項4】
要介護者に対して必要性が想定される複数の支援内容項目と,上記複数の支援内容項目のそれぞれについて必要とされる複数のアセスメント項目とが互いに関連付けられて記憶された基本ケア・データベース,および上記基本ケア・データベースに記憶された複数のアセスメント項目のうち,話題が共通する複数のアセスメント項目を,話題ごとにグルーピングした話題グルーピング・データベースに接続されたコンピュータ装置を,
要介護者に行うべき支援内容を,上記基本ケア・データベースに記憶されている複数の支援内容項目の中から選択する支援内容選択手段,
上記支援内容選択手段によって選択された複数の支援内容項目のそれぞれに関連付けられている複数のアセスメント項目のうち,上記話題グルーピング・データベースに記憶されている話題が共通する複数のアセスメント項目が含まれているかどうかを判断する判断手段,ならびに,
上記判断手段によって話題が共通する複数のアセスメント項目が含まれていると判断された場合に,それらをまとめて表示する表示手段,
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はアセスメント業務支援装置およびその制御方法ならびにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ケアマネージャーは,要介護者(要支援者)の相談や心身の状況に応じて要介護者が適切な介護サービス(訪問介護,デイサービスなど)を受けられるようケアプラン(介護サービス等の提供についての計画)の作成や市町村・サービス事業者・施設等との連絡調整を行う。ケアマネージャーの業務は一般には以下の(1)~(6)の工程に組み込まれる。
【0003】
(1)アセスメント
要介護者の置かれている状況の把握,生活上の支障・要望などに関する情報の収集,心身機能の低下の背景・要因の分析,解決すべき生活課題(ニーズ)と可能性の把握が行われる。
(2)ケアプラン原案の作成
総合的な援助方針,目標(達成時期等)の設定,目標達成のために必要なサービス種別,回数等の設定など,ケアプランの原案作成が行われる。
(3)サービス担当者会議等
ケアプラン原案に関してサービス提供事業者を含めて専門的な視点で検討調整が行われる。また,多職種間で認識が共有され,要介護者への説明・同意を経てケアプランが決定される。
(4)介護サービスの提供
決定したケアプランにしたがって,食事介助,入浴介助等の具体的な介護サービスが要介護者に対してサービス提供事業者によって行われる。
(5)給付管理
介護保険サービスの利用によって発生する介護給付費の管理が行われる。
(6)モニタリング(再アセスメント)
介護サービスの提供によって要介護者が自立した生活が送れているのか,短期目標をクリアできているのか等がチェックされる。
【0004】
上記(6)モニタリング(再アセスメント)を終え,短期目標が達成されていれば新たな短期目標が設定されて,新たな短期目標を達成するためのケアプランが新たに作成される。短期目標が達成されていなければ,短期目標が現状と合っているのか,問題点はないのか等が調査され,ケアプランの継続または変更が決定される。上記(2)ケアプラン原案の作成に戻ることになる。
【0005】
(1)アセスメントまたは(6)モニタリングにおいて,ケアマネージャーは,一般に要介護者の自宅等を訪問し,本人やその家族に会い,話を聞き,ケアプランの作成または変更に必要な情報の収集等を行う。しかしながら,ケアプランの作成または変更に必要な情報等を,要介護者を訪問している短時間のうちに過不足なく収集するのは簡単ではない。
【0006】
特許文献1は,地域包括支援センター,介護事業者,被介護者の家族等,介護に関連するあらゆる団体又は人が介護情報を共有すると共に,この共有された介護情報に基づいて適切な介護サービスを支援する介護支援システム及び介護支援プログラムを提供する。しかしながら,ケアマネージャーによるアセスメント業務(モニタリング業務)を支援するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明は,アセスメント(モニタリング)業務のときに,効率よく情報を収集できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明によるアセスメント業務支援装置は,要介護者に対して必要性が想定される複数の支援内容項目と,上記複数の支援内容項目のそれぞれについて必要とされる複数のアセスメント項目とが互いに関連付けられて記憶された基本ケア・データベース,上記基本ケア・データベースに記憶された複数のアセスメント項目のうち,話題が共通する複数のアセスメント項目を,話題ごとにグルーピングした話題グルーピング・データベース,要介護者に行うべき支援を,上記基本ケア・データベースに記憶されている複数の支援内容項目の中から選択する支援内容選択手段,上記支援内容選択手段によって選択された複数の支援内容項目のそれぞれに関連付けられている複数のアセスメント項目に,上記話題グルーピング・データベースに記憶されている話題が共通する複数のアセスメント項目が含まれているかどうかを判断する判断手段,ならびに上記判断手段によって話題が共通する複数のアセスメント項目が含まれていると判断された場合に,それらをまとめて表示する表示手段を備えている。
【0010】
基本ケア・データベースに記憶されている複数の支援内容項目は,ここでは,要介護者の生活の継続を支援する基盤となる支援内容であって,典型的には高齢者の機能と生理を踏まえた支援内容である。そして,支援内容ごとに,その必要性や妥当性を判断するために確認すべき複数のアセスメント項目が関連付けられている。一例をあげると,支援内容項目には「疾患管理の理解の支援」,「併存疾患の把握の支援」,「口腔内の異常の早期発見と歯科受診機会の確保」,「転倒・骨折のリスクや経緯の確認」,「望む生活・暮らしの意向の把握」,「一週間の生活リズムとその変化を把握することの支援」,「食事及び栄養の状態の確認」,「水分摂取状況の把握の支援」,「コミュニケーション状況の把握の支援」,「家庭や地域での活動と参加の状況及びその環境の把握の支援」,「口腔内及び摂食嚥下機能のリスクの予測」などが含まれる。そして,たとえば,上記複数の支援内容項目のうちの一つである「疾患管理の理解の支援」に関連付けられたアセスメント項目(評価ないし確認をすべき項目)としては,「疾患に対する本人・家族等の理解度」,「生活習慣病の管理・指導に対する本人・家族等の理解度」,「医師及び専門職からの指導内容に対する本人・家族等の理解度」,「服薬の必要性及び薬の管理方法に対する本人・家族等の理解度,」,「処方薬の内容(有無、処方薬の種類)及びそれらの服用状況(正しい量・頻度で服用ができているか、飲み残しの有無など)」,「本人の日次(24時間)の生活リズム・過ごし方」,「日常的な食事の摂取の状況(食事回数、食事量、食べ残しの有無、間食の有無など)」,「日常的な水分摂取の状況(水分摂取量、水分摂取のタイミング、発汗などに関係する活動量、不足する水分量など)」,「かかりつけ薬局・かかりつけ薬剤師の状況(有無、連絡頻度、連絡先、関わり方など)の把握」,「連携方法の確認・薬の管理状況(薬の保管場所、保管方法など)」,「疾患とその治療に関する医師からの指示・指導の有無、指導の内容(疾患の基本的な内容、治療方針、日常生活での留意事項、日常生活での制限の有無、日常生活で管理すべき事項の説明、判断の目安に関する説明など)」などが含まれる。
【0011】
複数の支援内容項目はそれぞれ複数のアセスメント項目に関連付けられており,同一のまたは類似するアセスメント項目が,複数の支援内容項目に共通することがある。話題グルーピング・データベースに,上記基本ケア・データベースに記憶された複数のアセスメント項目のうち,話題が共通する複数のアセスメント項目が,話題ごとにグルーピングされている。
【0012】
この発明によると,選択された支援内容項目(一般には3つから5つ程度である)のそれぞれに関連付けられている複数のアセスメント項目の中に,話題が共通する複数のアセスメント項目が含まれている場合に,上述の話題グルーピング・データベースに基づいて,それらがまとめて(ひとまとまりに,たとえば上下に並べられて)表示される。たとえば,選択された支援内容項目のそれぞれに関連付けられている複数のアセスメント項目の中に,「水分摂取の状況」を要介護者に対して確認する内容の複数のアセスメント項目が含まれている場合,そのような複数のアセスメント項目がひとまとまりにされて表示される。要介護者に対する聞き取り調査等するときに,短い時間で効率よく情報を収集することができる。
【0013】
一実施態様では,上記話題グルーピング・データベースが上記話題ごとにその内容を表す話題名データを含み,上記表示手段は,話題が共通する複数のアセスメント項目に並べて上記話題名データに基づく話題名を表示する。話題の内容を確認することができる。
【0014】
この発明は,アセスメント業務支援装置を制御する方法およびコンピュータ装置をアセスメント業務支援装置として動作させるためのプログラムも提供する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】アセスメント(モニタリング)業務支援装置のハードウエア構成を示すブロック図である。
【
図5】アセスメント業務支援装置の処理を示すフローチャートである。
【
図6】要介護高齢者および想定される支援内容の選択画面を示す。
【実施例0016】
図1はアセスメント(モニタリング)業務支援装置のハードウエア構成を示すブロック図である。
【0017】
アセスメント業務支援装置はコンピュータシステムであり,その全体的な動作を統括的に制御する中央演算処理装置(CPU)1を備えている。CPU1には,ワークエリア,バッファエリアなどを提供するメモリ2,入力装置(キーボードなど)3,表示装置(液晶ディスプレイなど)4,各種プログラムおよびデータを記憶する記憶装置(ハードディスクなど)5,およびネットワーク(インターネットなど)を通じてデータを送受信する通信装置6が接続されている。記憶装置5にコンピュータシステムをアセスメント業務支援装置として機能させるためのプログラムをインストールし,これを実行することによってコンピュータシステムがアセスメント業務支援装置として動作する。
【0018】
記憶装置5には,アセスメント業務支援装置における処理に用いられる複数のデータベース(DB),ここでは基本ケア・データベース10,要介護高齢者データベース20および話題グルーピング・データベース30が記憶されている。これらのデータベース10~30の詳細は後述する。
【0019】
アセスメント業務支援装置は,サーバ/クライアント型のシステム構成とすることもできる。この場合には,ネットワーク(インターネットなど)を通じて互いに接続されるサーバおよびクライアントが用いられてアセスメント業務支援装置が実現される。一般的には,クライアントにおいてデータが入力され,入力されたデータに基づく各種処理がサーバにおいて行われ,サーバにおける処理結果がクライアントに送信されることによって,クライアントにおいて処理結果が表示される。
【0020】
図2は基本ケア・データベース10の詳細を示している。
【0021】
基本ケア・データベース10には,「想定される支援内容項目」および「主なアセスメント項目」が記憶される。
【0022】
「想定される支援内容項目」は,介護保険の基本的な理念である尊厳の保持と自立支援を踏まえ,現在の生活をできるだけ継続できるようにするために想定される支援内容を体系化したものであり,44個に分類されている。そして,44個の「想定される支援内容項目」のそれぞれについて,その必要性や具体化を検討するための複数の主なアセスメント(モニタリング)項目(評価項目)が関連付けられている。
【0023】
一例をあげると,想定される支援内容項目「1.疾患管理の理解の支援」は,疾病や心身状態の理解のために行われるものであり,この支援の必要性や具体化を検討するためのより具体的な評価内容(指標)が「主なアセスメント項目」に複数列挙されている。想定される支援内容項目「1.疾患管理の理解の支援」については,主なアセスメント項目として,「疾患に対する本人・家族等の理解度」,「生活習慣病の管理・指導に対する本人・家族等の理解度」,「医師及び専門職からの指導内容に対する本人・家族等の理解度」,「服薬の必要性及び薬の管理方法に対する本人・家族等の理解度,」,「処方薬の内容(有無、処方薬の種類)及びそれらの服用状況(正しい量・頻度で服用ができているか、飲み残しの有無など)」,「本人の日次(24時間)の生活リズム・過ごし方」,「日常的な食事の摂取の状況(食事回数、食事量、食べ残しの有無、間食の有無など)」,「日常的な水分摂取の状況(水分摂取量、水分摂取のタイミング、発汗などに関係する活動量、不足する水分量など)」,「かかりつけ薬局・かかりつけ薬剤師の状況(有無、連絡頻度、連絡先、関わり方など)の把握」,「連携方法の確認・薬の管理状況(薬の保管場所、保管方法など)」,「疾患とその治療に関する医師からの指示・指導の有無、指導の内容(疾患の基本的な内容、治療方針、日常生活での留意事項、日常生活での制限の有無、日常生活で管理すべき事項の説明、判断の目安に関する説明など)」などが関連付けられてあらかじめ記憶されている。他の想定される支援内容項目についても,同様に,複数の主なアセスメント項目が関連付けられてあらかじめ記憶されている。
【0024】
図3は,要介護高齢者データベース20に記憶される一の高齢者(たとえば氏名「日本太郎」)についてのデータファイル21を示している。要介護高齢者データベース20には,
図3に示すようなデータファイル21が,複数の高齢者のそれぞれについて複数記憶される。
【0025】
要介護高齢者データベース20に記憶されるデータファイル21は,上述した基本ケア・データベース10(
図2参照)と同じデータ項目を含み,これに加えて,主なアセスメント項目のそれぞれについての「情報収集日付」をデータ項目として含む。アセスメント項目ごとに要介護者自身,その家族等からの聞き取り調査が行われ,そのアセスメント項目についての情報を入手できた場合に,その確認のためにデータファイル21に情報収集日付が入力(記憶)される。
【0026】
要介護高齢者データベース20のデータファイル21には,44個の「想定される支援内容項目」のすべてを記憶させておく必要は必ずしもなく,対象とされる要介護者にとって必要とされる支援内容項目(44個の想定される支援内容項目のうちのいくつかのみ)を記憶させてもよい。
【0027】
図4は話題グルーピング・データベース30の一例を示している。
【0028】
上述したように基本ケア・データベース10(要介護高齢者データベース20のデータファイル21)における複数の支援内容項目のそれぞれには複数の主なアセスメント項目が関連付けられている。ここで,同一のまたは類似する(話題が共通する)主なアセスメント項目が複数の支援内容項目に共通することがある。話題グルーピング・データベース30には,上記基本ケア・データベース10(要介護高齢者データベース20のデータファイル21)に記憶された複数の主なアセスメント項目のうち,話題(話の主題となる事柄)が共通する複数の主なアセスメント項目が,話題ごとにグルーピングされて記憶されている。
【0029】
話題グルーピング・データベース30には,「話題(カテゴリ)名」および「主なアセスメント項目」が記憶される。
【0030】
「話題(カテゴリ)名」は,同一のまたは類似する(話題が共通する)主なアセスメント項目を包括的に表すもので,要介護者や家族等に対してアセスメント項目に関する情報を聞き出すときの話題を簡潔に表すものである。
【0031】
たとえば,
図4では,「水分摂取の状況」が話題(カテゴリ)名の一つとされており,この話題に対して「・居室等の環境で,失われる水分量の予測」(想定される支援内容項目「20.フレイル予防のために必要な食事と栄養の確保の支援」についての主なアセスメント項目の一つ)(
図2参照),「・水分の摂取に関する失敗のエピソード」(想定される支援内容項目「8.水分摂取状況の把握の支援」についての主なアセスメント項目の一つ)(
図2参照),「・日常的な水分摂取の状況(水分摂取量,水分摂取のタイミング,発汗などに関係する活動量,不足する水分量など)」(想定される支援内容項目「1.疾患管理の理解の支援」についての主なアセスメント項目の一つ)(
図2において図示略)の3つの主なアセスメント項目が関連づけられている。後述するように,これらの話題が共通する主なアセスメント項目は,アセスメント時に,ケアマネージャーが見る表示装置の表示画面上に一まとまりに表示される。これによって,たとえば要介護者やその家族等に対する聞き取り調査のときに,短い時間で効率よく複数の情報を収集することができる。
【0032】
図5はアセスメント業務支援装置の処理を示すフローチャートである。
図6,
図7はアセスメント業務支援装置の表示装置4の表示画面例である。
【0033】
ケアマネージャーがアセスメント業務支援装置を起動する(プログラムを起動する)と,表示装置4に「要介護高齢者」および「想定される支援内容」の選択画面51(
図6)が表示される。
【0034】
図6を参照して,要介護高齢者および想定される支援内容の選択画面51は,要介護高齢者選択欄51Aおよび想定される支援内容選択欄51Bを含む。要介護高齢者選択欄51Aには要介護高齢者DB20に記憶されている複数のデータファイル21に基づいて複数の高齢者の氏名を表示させることができる。アセスメントを行なおうとしている要介護高齢者の氏名が受け付けられる(要介護高齢者選択欄51Aに氏名が入力される)(ステップ41)。
【0035】
想定される支援内容選択欄51Bには,同じく要介護高齢者DB20に基づいて(基本ケアDB10を用いてもよい)。44個の想定される支援内容が選択可能に表示される。アセスメントを行なおうとしている想定される支援内容が,典型的には44個のうちの3~5個程度の想定される支援内容が,選択される(支援内容選択欄51Bに支援内容が入力される)(ステップ42)。
【0036】
氏名が受け付けられた要介護高齢者のデータファイル21に基づいて,選択された支援内容に関連付けられている複数の「主なアセスメント項目」のうち「情報収集日付」が未登録(空欄)のアセスメント項目が抽出される(ステップ43)。
【0037】
抽出されたアセスメント項目に,話題グルーピングDB30に記憶されている話題が共通する複数のアセスメント項目が含まれているかどうかが判断される(ステップ44)。
【0038】
抽出されたアセスメント項目に話題グルーピングDB30(
図4)に記憶されている話題が共通する複数のアセスメント項目が含まれていなければ(ステップ44でNO),抽出されたアセスメント項目が表示画面上に列挙されて表示される(ステップ46)。
【0039】
抽出されたアセスメント項目に話題グルーピングDB30に記憶されている話題が共通する複数のアセスメント項目が含まれていれば(ステップ44でYES),それらが一まとまりにされて表示画面上に表示される(ステップ45)。
【0040】
図7は,抽出されたアセスメント項目に,話題グルーピングDB30に記憶されている話題が共通する複数のアセスメント項目が含まれている場合の表示画面例(アセスメント支援画面52)を示している。
【0041】
抽出されたアセスメント項目に話題グルーピングDB30に記憶されている話題が共通する複数のアセスメント項目が含まれている場合,それらを一まとまりに(互いに近い位置に)表示する欄52Aが,アセスメント支援画面52に設けられる。すなわち,話題が共通する複数の主なアセスメント項目が,アセスメント時にケアマネージャーが参照する表示装置の表示画面上に一まとまりに表示される。これによって,たとえば要介護者やその家族等に対する聞き取り調査のときに,短い時間で効率よく複数の情報を収集することができる。
【0042】
一まとまりに表示される話題が共通するアセスメント項目以外のアセスメント項目は,たとえば,一まとまりに表示する欄52Aの下側の欄52Bに列挙表示される(ステップ46)。
【0043】
アセスメント支援画面52を用いて情報収集が行われた場合には,ケアマネージャーは情報収集を行った旨をアセスメント項目ごとに入力する。要介護高齢者DB20の対象の要介護者のデータファイル21に,そのアセスメント項目について情報収集日が記憶されることになる。