(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084330
(43)【公開日】2024-06-25
(54)【発明の名称】半導体装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 29/78 20060101AFI20240618BHJP
H01L 29/06 20060101ALI20240618BHJP
H01L 29/47 20060101ALI20240618BHJP
H01L 29/41 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
H01L29/78 654C
H01L29/78 652K
H01L29/06 301F
H01L29/06 301V
H01L29/48 M
H01L29/44 Y
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022198536
(22)【出願日】2022-12-13
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】馬場 祥太郎
(72)【発明者】
【氏名】井口 智明
(72)【発明者】
【氏名】清水 達雄
(72)【発明者】
【氏名】西脇 達也
【テーマコード(参考)】
4M104
【Fターム(参考)】
4M104AA01
4M104BB04
4M104BB05
4M104BB06
4M104CC03
4M104DD08
4M104FF07
4M104FF10
4M104GG09
4M104HH17
(57)【要約】
【課題】安定した特性が得られる半導体装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、半導体装置は、第1電極、第2電極、第3電極、半導体部材、及び、第1絶縁部材を含む。第1絶縁部材の第2絶縁領域は、第1半導体領域の第3部分領域に対向する第1面を含む。第1絶縁部材の第3絶縁領域は、第3部分領域に対向する第2面を含む。第1面は、第1電極側の第1端を含む。第2面は、第2電極側の第2端を含む。第2端の第2位置は、第1端の第1位置と異なる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極と、
第2電極であって、前記第1電極から前記第2電極への方向は第1方向に沿い、前記第2電極は、第1電極部分と、前記第1電極部分と接続された第2電極部分と、を含む、前記第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極部分との間に設けられた第3電極と、
半導体部材であって、前記半導体部材は、
第1導電形の第1半導体領域であって、前記第1半導体領域は、第1部分領域、第2部分領域、第3部分領域及び第4部分領域を含み、前記第1部分領域は、前記第1方向において前記第1電極と前記第3電極との間に設けられ、前記第1部分領域から前記第2部分領域への第2方向は前記第1方向と交差し、前記第3部分領域の前記第2方向における位置は、前記第1部分領域の前記第2方向における位置と、前記第2部分領域の前記第2方向における位置との間にあり、前記第4部分領域は、前記第2部分領域と前記第1電極部分との間にある、前記第1半導体領域と、
前記第1導電形の第2半導体領域であって、前記第2半導体領域における前記第1導電形の不純物濃度は、前記第1半導体領域における前記第1導電形の不純物濃度よりも高く、前記第2半導体領域は、前記第2方向において前記第3電極と前記第1電極部分との間に設けられ、前記第2半導体領域は、前記第1方向において、前記第3部分領域と前記第2電極部分との間に設けられた、前記第2半導体領域と、
を含む前記半導体部材と、
第1導電部材であって、前記第1導電部材は、前記第1方向において、前記第1部分領域と前記第3電極との間に設けられ、前記第1導電部材から前記第4部分領域への方向は、前記第2方向に沿い、前記第1導電部材は、前記第2電極と電気的に接続された、または、前記第2電極に電気的に接続されることが可能である、前記第1導電部材と、
第1絶縁領域、第2絶縁領域、及び、第3絶縁領域を含む第1絶縁部材であって、前記第1絶縁領域は、前記第3電極と前記第2半導体領域との間に設けられ、前記第2絶縁領域は、前記半導体部材と前記第1導電部材との間に設けられ、前記第3絶縁領域の少なくとも一部は、前記第1導電部材と前記第3電極との間に設けられ、前記第2絶縁領域は、前記第3部分領域に対向する第1面を含み、前記第3絶縁領域は、前記第3部分領域に対向する第2面を含み、前記第1面は、前記第1方向において前記第1電極側の第1端を含み、前記第2面は、前記第1方向において前記第2電極側の第2端を含み、前記第2端の前記第2方向における第2位置は、前記第1端の前記第2方向における第1位置と異なる、前記第1絶縁部材と、
を備えた、半導体装置。
【請求項2】
前記第1導電部材と前記第1位置との間の前記第2方向に沿う第1距離は、前記第1導電部材と前記第2位置との間の前記第2方向に沿う第2距離よりも短い、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1位置と前記第2位置との間の前記第2方向に沿う距離は、前記第1絶縁領域の前記第2方向に沿う厚さの0.3倍以上2倍以下である、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1面と前記第2面との間に、段差が設けられた、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第3絶縁領域は、第3面をさらに含み、
前記第3面は、前記第1面と前記第2面との間にあり、前記第1面及び前記第2面とつながり、前記第3面は、前記第1面に対して非平行であり、前記第2面に対して非平行である、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第2半導体領域は、前記第1半導体領域と接した、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1電極部分は、前記半導体部材とショットキー接触する、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第1電極部分は、前記第2半導体領域及び前記第4部分領域と接し、
前記第1電極部分は、Pt、Co、及びNiよりなる群から選択された少なくとも1つを含む、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第1電極部分は、前記第1方向において前記第1電極側の第1電極部分端を含み、
前記第3電極は、前記第1方向において前記第1電極側の第3電極端を含み、
前記第3電極端の前記第1方向における位置は、前記第1電極の前記第1方向における位置と、前記第1電極部分端の前記第1方向における位置と、の間にある、請求項1~8のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第3電極の前記第2方向に沿う幅は、前記第1導電部材の前記第2方向に沿う幅よりも広い、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第1半導体領域は、第1半導体面と、第2半導体面と、第3半導体面と、第4半導体面と、を含み、
前記第3電極は、前記第2方向において、前記第1半導体面と前記第2半導体面との間にあり、
前記第1絶縁部材の一部は、前記第1半導体面と前記第3電極との間にあり、
前記第1絶縁部材の別の一部は、前記第3電極と前記第2半導体面との間にあり、
前記第1電極部分は、前記第2方向において、前記第3半導体面と前記第4半導体面との間にあり、
前記第1半導体面と前記第2半導体面との間の前記第2方向に沿う第1幅は、前記第3半導体面と前記第4半導体面との間の前記第2方向に沿う第2幅よりも大きい、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記第1半導体領域は、第1半導体面と、第2半導体面と、第5半導体面と、第6半導体面と、を含み、
前記第3電極は、前記第2方向において、前記第1半導体面と前記第2半導体面との間にあり、
前記第1絶縁部材の一部は、前記第1半導体面と前記第3電極との間にあり、
前記第1絶縁部材の別の一部は、前記第3電極と前記第2半導体面との間にあり、
前記第1導電部材は、前記第2方向において、前記第5半導体面と前記第6半導体面との間にあり、
前記第1絶縁部材の一部は、前記第5半導体面と前記第1導電部材との間にあり、
前記第1絶縁部材の別の一部は、前記第1導電部材と前記第6半導体面との間にあり、
前記第1半導体面と前記第2半導体面との間の前記第2方向に沿う第1幅は、前記第5半導体面と前記第6半導体面との間の前記第2方向に沿う第3幅よりも大きい、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記第1導電部材の前記第2方向に沿う幅は、前記第1方向において連続的に変化する、または、一定である、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記第2半導体領域の前記第2方向に沿う幅は、25nm以上50nm以下である、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項15】
第2絶縁部材をさらに備え、
前記第2絶縁部材の少なくとも一部は、前記第3電極と前記第2電極部分との間に設けられた、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項16】
第1導電形の第1半導体領域に、第1トレンチ及び第2トレンチを一度に形成し、前記第1トレンチの幅は、前記第2トレンチの幅よりも広く、前記第1トレンチの深さは前記第2トレンチの深さよりも深く、
前記第1トレンチの中及び前記第2トレンチの中に第1絶縁膜を形成し、前記第1絶縁膜は、第1絶縁部分、第2絶縁部分及び第3絶縁部分を含み、前記第1絶縁部分は、前記第1トレンチの底部に設けられ、前記第2絶縁部分は、前記第1トレンチの側壁に設けられ、前記第1トレンチの中に空間が残され、前記第2トレンチは前記第3絶縁部分により実質的に塞がれ、
前記第1絶縁部分を除去して前記第1半導体領域の一部を露出させ、
前記露出された前記第1半導体領域の前記一部を除去して第3トレンチを形成し、
前記第3トレンチの前記形成の後に、前記第2絶縁部分を除去し、
前記第1トレンチ及び前記第3トレンチの内側に第2絶縁膜を形成し、
前記第3トレンチの内部に第1導電材料を導入して第1導電部材を形成し、
前記第1導電部材の形成の後に前記第1導電部材の上に第3電極を形成し、
前記第3絶縁部分を除去した後に前記第2トレンチの内部に第2導電材料を導入して第1電極部分を形成する、半導体装置の製造方法。
【請求項17】
前記第3電極の前記形成は、
前記第1導電部材の形成の後に、前記第1トレンチの残余の空間に存在する前記第1導電材料を除去し、
前記第1導電部材の上、及び、前記第1トレンチの残余の前記空間に第3絶縁膜を埋め込み、
前記第1トレンチの内部の前記第3絶縁膜の一部を除去し、前記第1トレンチの内部に前記第3絶縁膜の別の一部を残し、
前記第1トレンチの側壁に第4絶縁膜を形成し、
前記第4絶縁膜の前記形成の後の前記第1トレンチの残余の空間に、第3導電材料を導入して前記第3電極を形成することを含む、請求項16に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項18】
前記第3電極の上部分、及び、前記第1半導体領域の上部分から第5絶縁膜を形成し、
前記第5絶縁膜を介して、前記第1半導体領域の表面部分に前記第1導電形の不純物を導入して、第2半導体領域を形成する、請求項17に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項19】
前記第1電極部分の前記形成は、
前記第2半導体領域の前記形成の後に、前記第3絶縁部分を除去し、
前記第3絶縁部分の前記除去により形成された前記第2トレンチの内部に前記第2導電材料を導入することを含む、請求項18に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項20】
前記第2絶縁部分の除去により、前記第1トレンチの側面と、前記第3トレンチの側面と、の間に段差が形成される、請求項16に記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、半導体装置において、安定した特性が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、安定した特性が得られる半導体装置及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態によれば、半導体装置は、第1電極、第2電極、第3電極、半導体部材、第1導電部材、及び、第1絶縁部材を含む。前記第1電極から前記第2電極への方向は第1方向に沿う。前記第2電極は、第1電極部分と、前記第1電極部分と接続された第2電極部分と、を含む。前記第3電極は、前記第1電極と前記第2電極部分との間に設けられる。前記半導体部材は、第1導電形の第1半導体領域と、前記第1導電形の第2半導体領域と、を含む。前記第1半導体領域は、第1部分領域、第2部分領域、第3部分領域及び第4部分領域を含む。前記第1部分領域は、前記第1方向において前記第1電極と前記第3電極との間に設けられる。前記第1部分領域から前記第2部分領域への第2方向は前記第1方向と交差する。前記第3部分領域の前記第2方向における位置は、前記第1部分領域の前記第2方向における位置と、前記第2部分領域の前記第2方向における位置との間にある。前記第4部分領域は、前記第2部分領域と前記第1電極部分との間にある。前記第2半導体領域における前記第1導電形の不純物濃度は、前記第1半導体領域における前記第1導電形の不純物濃度よりも高い。前記第2半導体領域は、前記第2方向において前記第3電極と前記第1電極部分との間に設けられる。前記第2半導体領域は、前記第1方向において、前記第3部分領域と前記第2電極部分との間に設けられる。前記第1導電部材は、前記第1方向において、前記第1部分領域と前記第3電極との間に設けられる。前記第1導電部材から前記第4部分領域への方向は、前記第2方向に沿う。前記第1導電部材は、前記第2電極と電気的に接続される。または、前記第2電極に電気的に接続されることが可能である。前記第1絶縁部材は、第1絶縁領域、第2絶縁領域、及び、第3絶縁領域を含む。前記第1絶縁領域は、前記第3電極と前記第2半導体領域との間に設けられる。前記第2絶縁領域は、前記半導体部材と前記第1導電部材との間に設けられる。前記第3絶縁領域の少なくとも一部は、前記第1導電部材と前記第3電極との間に設けられる。前記第2絶縁領域は、前記第3部分領域に対向する第1面を含む。前記第3絶縁領域は、前記第3部分領域に対向する第2面を含む。前記第1面は、前記第1方向において前記第1電極側の第1端を含む。前記第2面は、前記第1方向において前記第2電極側の第2端を含む。前記第2端の前記第2方向における第2位置は、前記第1端の前記第2方向における第1位置と異なる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る半導体装置の一部を例示する模式的断面図である。
【
図3】
図3(a)~
図3(d)は、第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式的断面図である。
【
図4】
図4(a)~
図4(d)は、第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式的断面図である。
【
図5】
図5(a)~
図5(d)は、第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式的断面図である。
【
図6】
図6(a)~
図6(d)は、第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式的断面図である。
【
図7】
図7(a)~
図7(d)は、第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式的断面図である。
【
図8】
図8(a)及び
図8(b)は、第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図2は、第1実施形態に係る半導体装置の一部を例示する模式的断面図である。
図1に示すように、実施形態に係る半導体装置110は、第1電極51、第2電極52、第3電極53、半導体部材10、第1導電部材61、及び第1絶縁部材41を含む。
【0009】
第1電極51から第2電極52への方向は第1方向D1に沿う。第1方向D1をZ軸方向とする。Z軸方向に対して垂直な1つの方向をX軸方向とする。Z軸方向及びX軸方向に対して垂直な方向をY軸方向とする。
【0010】
例えば、第1電極51は、第1電極面51fを含む。第1電極面51fは、半導体部材10に対向する。第1電極面51fは、X-Y平面に実質的に平行である。第1方向D1は、第1電極面51fと交差する。
【0011】
第2電極52は、第1電極部分52a及び第2電極部分52bを含む。第2電極部分52bは、第1電極部分52aと接続される。第3電極53は、第1電極51と第2電極部分52bとの間に設けられる。
【0012】
半導体部材10は、第1半導体領域11及び第2半導体領域12を含む。第1半導体領域11は、第1導電形である。第1導電形は、n形及びp形の一方である。この例では、第1導電形はn形である。半導体部材10は、例えば、シリコンを含む。
【0013】
第1半導体領域11は、第1部分領域11a、第2部分領域11b、第3部分領域11c及び第4部分領域11dを含む。第1部分領域11aは、第1方向D1において第1電極51と第3電極53との間に設けられる。第1部分領域11aから第2部分領域11bへの第2方向D2は、第1方向D1と交差する。第2方向D2は、例えば、X軸方向である。
【0014】
第3部分領域11cの第2方向D2における位置は、第1部分領域11aの第2方向D2における位置と、第2部分領域11bの第2方向D2における位置との間にある。第4部分領域11dは、第2部分領域11bと第1電極部分52aとの間にある。第1部分領域11a、第2部分領域11b、第3部分領域11c及び第4部分領域11dの境界は不明確で良い。
【0015】
第2半導体領域12は、第1導電形である。第2半導体領域12における第1導電形の不純物濃度は、第1半導体領域11における第1導電形の不純物濃度よりも高い。第1半導体領域11は、例えばn-層である。第2半導体領域12は、n層またはn+層である。
【0016】
第2半導体領域12は、第2方向D2において第3電極53と第1電極部分52aとの間に設けられる。第2半導体領域12は、第1方向D1において、第3部分領域11cと第2電極部分52bとの間に設けられる。
【0017】
第1導電部材61は、第1方向D1において、第1部分領域11aと第3電極53との間に設けられる。第1導電部材61から第4部分領域11dへの方向は、第2方向D2に沿う。
【0018】
第1導電部材61は、第2電極52と電気的に接続される。または、第1導電部材61は、第2電極52に電気的に接続されることが可能である。例えば、第1導電部材端子61T、及び、第2電極端子52Tが設けられて良い。第1導電部材端子61T及び第2電極端子52Tが、配線52Lにより電気的に接続されても良い。配線52Lは、半導体装置110に含まれても良い。配線52Lは、半導体装置110とは別に設けられても良い。第1導電部材61及び第3電極53は、第3方向D3に沿って延びる。第3方向D3は、第1方向D1及び第2方向D2を含む平面と交差する。第3方向D3は、例えば、Y軸方向である。
【0019】
第1絶縁部材41は、第1絶縁領域41a、第2絶縁領域41b、及び、第3絶縁領域41cを含む。第1絶縁領域41aは、第3電極53と第2半導体領域12との間に設けられる。第2絶縁領域41bは、半導体部材10と第1導電部材61との間に設けられる。第3絶縁領域41cの少なくとも一部は、第1導電部材61と第3電極53との間に設けられる。
【0020】
半導体装置110において、第1電極51と第2電極52との間の電流は、第3電極53の電位により制御されて良い。第3電極53の電位は、例えば、第2電極52の電位を基準にした電位で良い。第1電極51は、例えばドレイン電極として機能する。第2電極52は、例えばソース電極として機能する。第3電極53は、例えばゲート電極として機能する。半導体装置110は、例えばトランジスタである。
【0021】
第1導電部材61は、例えば、フィールドプレートとして機能する。例えば、電界の集中が緩和される。電界の集中に起因して生じる第1絶縁部材41などの破壊が抑制される。安定した特性が得やすい。高い信頼性が得やすい。
【0022】
図1及び
図2に示すように、実施形態においては、第2絶縁領域41bは、第1面F1を含む。第1面F1は、第3部分領域11cに対向する。第3絶縁領域41cは、第2面F2を含む。第2面F2は、第3部分領域11cに対向する。第1面F1は、第1端Fe1を含む。第1端Fe1は、第1方向D1において、第1面F1の、第2電極52側の端である。第2面F2は、第2端Fe2を含む。第2端Fe2は、第1方向D1において、第2面F2の、第1電極51側の端である。
【0023】
例えば、第1電極51から第2電極52への方向が「上方向」である場合、第1端Fe1は、第1面F1の上端である。第2端Fe2は、第2面F2の下端である。
【0024】
図1及び
図2に示すように、第2端Fe2の第2方向D2における第2位置は、第1端Fe1の第2方向D2における第1位置と異なる。第1端Fe1と第2端Fe2との間に段差41sが設けられる。
【0025】
例えば、
図2に示すように、第3絶縁領域41cは、第3面F3をさらに含む。第3面F3は、第1面F1と第2面F2との間にある。第3面F3は、第1面F1及び第2面F2とつながる。第3面F3は、第1面F1に対して非平行である。第3面F3は、第2面F2に対して非平行である。
【0026】
このような段差41sが設けられることで、チャージバランスを調整することができる。例えば、安定した特性が得られる半導体装置を提供できる。
【0027】
図2に示すように、第1導電部材61と第1位置との間の第2方向D2に沿う距離を第1距離d1とする。第1導電部材61と第2位置との間の第2方向D2に沿う距離を第2距離d2とする。第1距離d1は、第2距離d2よりも短い。第1面F1は、第2面F2を基準にして後退している。第2面F2は、第1面F1を基準にして突出している。
【0028】
図2に示すように、第1位置と第2位置との間の第2方向D2に沿う距離を距離Δdとする。距離Δdは、段差41sの大きさに対応する。距離Δdは、例えば、第1絶縁領域41aの第2方向D2に沿う厚さdxの0.3倍以上2倍以下で良い。
【0029】
図1に示すように、第2半導体領域12は、第1半導体領域11と接する。半導体装置110において、第2導電形の半導体領域が設けられなくて良い。例えば、第1電極部分52aは、半導体部材10とショットキー接触する。例えば、第1電極部分52aは、第2半導体領域12及び第4部分領域11dと接する。第1電極部分52aは、例えば、Pt、Co、及びNiよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。第1電極部分52aは、例えば仕事関数が比較的大きい材料を含む。これによりショットキー接触が得られる。半導体装置110は、例えばショットキー接触型のトランジスタである。第3電極53の電位により、ショットキーバリアの高さが制御できる。第3電極53の電位により、第1電極51と第2電極52との間に流れる電流が制御できる。
【0030】
図2に示すように、第1電極部分52aは、第1電極部分端52aeを含む。第1電極部分端52aeは、第1方向D1において第1電極51側の端である。第1電極部分端52aeは、第1電極部分52aの下端である。第3電極53は、第3電極端53eを含む。第3電極端53eは、第1方向D1において第1電極51側の端である。第3電極端53eは、第3電極53の下端である。第3電極端53eは、第1電極部分端52aeよりも下にあることが好ましい。
【0031】
例えば、第3電極端53eの第1方向D1における位置は、第1電極51の第1方向D1における位置と、第1電極部分端52aeの第1方向D1における位置と、の間にある。これにより、ゲート-ドレイン間容量Qgdの悪化を抑制することが容易になる。
【0032】
図2に示すように、第3電極53の第2方向D2に沿う幅は、第1導電部材61の第2方向D2に沿う幅よりも広い。
【0033】
図2に示すように、第1半導体領域11は、第1半導体面SF1と、第2半導体面SF2と、第3半導体面SF3と、第4半導体面SF4と、を含む。第3電極53は、第2方向D2において、第1半導体面SF1と第2半導体面SF2との間にある。第1絶縁部材41の一部は、第1半導体面SF1と第3電極53との間にある。第1絶縁部材41の別の一部は、第3電極53と第2半導体面SF2との間にある。
【0034】
第1電極部分52aは、第2方向D2において、第3半導体面SF3と第4半導体面SF4との間にある。第1半導体面SF1と第2半導体面SF2との間の第2方向D2に沿う距離を第1幅w1とする。第3半導体面SF3と第4半導体面SF4との間の第2方向D2に沿う距離を第2幅w2とする。第1幅w1は、第2幅w2よりも大きい。
【0035】
図2に示すように、第1半導体領域11は、第1半導体面SF1と、第2半導体面SF2と、第5半導体面SF5と、第6半導体面SF6と、を含んで良い。第1導電部材61は、第2方向D2において、第5半導体面SF5と第6半導体面SF6との間にある。第1絶縁部材41の一部は、第5半導体面SF5と第1導電部材61との間にある。第1絶縁部材41の別の一部は、第1導電部材61と第6半導体面SF6との間にある。第5半導体面SF5と第6半導体面SF6との間の第2方向D2に沿う距離を第3幅w3とする。第1幅w1(第1半導体面SF1と第2半導体面SF2との間の第2方向D2に沿う距離)は、第3幅w3よりも大きい。
【0036】
図1に示すように、第1導電部材61の第2方向D2に沿う幅は、第1方向D1において連続的に変化する、または、一定である。第1導電部材61がステップ状に変化する場合と比べて、電界の集中がより抑制できる。
【0037】
図2に示すように、第2半導体領域12の第2方向D2に沿う幅を第2半導体領域幅12wとする。実施形態において、第2半導体領域幅12wは、例えば、25nm以上50nm以下である。
【0038】
図1に示すように、半導体装置110は、第2絶縁部材42をさらに含んで良い。第2絶縁部材42の少なくとも一部は、第3電極53と第2電極部分52bとの間に設けられる。
【0039】
(第2実施形態)
第2実施形態は、半導体装置の製造方法に係る。
図3(a)~
図3(d)、
図4(a)~
図4(d)、
図5(a)~
図5(d)、
図6(a)~
図6(d)、
図7(a)~
図7(d)、
図8(a)及び
図8(b)は、第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式的断面図である。
【0040】
図3(a)に示すように、第1導電形の第1半導体領域11が準備される。第1半導体領域11は、例えばシリコン層である。第1半導体領域11の上に、マスク膜79が形成される。マスク膜79は、例えば、SiN
x膜で良い。マスク膜79の上面はX-Y平面に沿う。マスク膜79の上面に対して垂直な方向を第1方向D1とする。
【0041】
マスク膜79の上に目的とするパターン形状を有するレジスト膜77が形成される。マスク膜79とレジスト膜77との間にカーボン膜78が設けられて良い。カーボン膜78は必要に応じて設けられ省略されても良い。レジスト膜77をマスクとして用いて、カーボン膜78が加工される。カーボン膜78をマスクとして用いて、マスク膜79が加工される。これにより、マスク膜79に、目的とするパターン形状が与えられる。
【0042】
図3(b)に示すように、マスク膜79をマスクとして用いて、第1半導体領域11に、第1トレンチ91及び第2トレンチ92が一度に形成される。例えば、RIE(Reactive Ion Etching)によりこれらのトレンチが形成される。第1トレンチ91の幅は、第2トレンチ92の幅よりも広い。これらの幅は、マスク膜79のパターン形状に基づいている。幅が広い第1トレンチ91においては、幅が狭い第2トレンチ92と比べて、効率良く第1半導体領域11が除去される。これにより、第1トレンチ91の深さは、第2トレンチ92の深さよりも深い。第1トレンチ91から第2トレンチ92への方向は、第2方向D2に対応する。これらのトレンチは、第3方向D3に沿う。幅は、例えば、第2方向D2に沿う長さである。深さは、第1方向D1に沿う長さである。
【0043】
図3(c)に示すように、第1トレンチ91の中及び第2トレンチ92の中に第1絶縁膜81を形成する。第1絶縁膜81は、例えば、SiN
xで良い。第1絶縁膜81は、第1絶縁部分81a、第2絶縁部分81b及び第3絶縁部分81cを含む。第1絶縁部分81aは、第1トレンチ91の底部に設けられる。第2絶縁部分81bは、第1トレンチ91の側壁に設けられる。第1トレンチ91の中に空間が残される。第3絶縁部分81cは、第2トレンチ92に設けられる。第2トレンチ92は、第3絶縁部分81cにより実質的に塞がれる。
【0044】
図3(d)に示すように、第1絶縁部分81aを除去して第1半導体領域11の一部を露出させる。除去は、例えば、RIEにより行われる。このとき、第2絶縁部分81bの少なくとも一部は残る。第3絶縁部分81cも残る。
【0045】
図4(a)に示すように、露出された第1半導体領域11の上記の一部を除去して第3トレンチ93を形成する。除去は、例えば、RIEにより行われる。
【0046】
図4(b)に示すように、第3トレンチ93の形成の後に、残っていた第2絶縁部分81bを除去する。
図4(b)に示すように、第1トレンチ91の側壁と、第3トレンチ93の側壁と、の間に段差が形成される。段差の大きさは、残っていた第2絶縁部分81bの厚さに基づいている。このように、第2絶縁部分81bの除去により、第1トレンチ91の側面と、第3トレンチ93の側面と、の間に段差が形成される。
【0047】
図4(c)に示すように、第1トレンチ91及び第3トレンチ93の内側に第2絶縁膜82を形成する。第2絶縁膜82は、例えば、SiO
2で良い。
【0048】
図4(d)に示すように、第3トレンチ93の内部に第1導電材料65aが導入される。第1導電材料65aは、例えばポリシリコンで良い。第1導電材料65aは、トレンチの内部以外の部分にも形成されて良い。
【0049】
図5(a)に示すように、第1導電材料65aのうちで第3トレンチ93の中の部分を除く部分が除去される。これにより、第1導電部材61が形成される。このように、第3トレンチ93の内部に第1導電材料65aが導入されて第1導電部材61が形成される。第1トレンチ91の内部に空間が残る。
【0050】
後述するように、上記の第1導電部材61の形成の後に第1導電部材61の上に第3電極53が形成される。さらに、第3絶縁部分81cを除去した後に第2トレンチ92の内部に第2導電材料65bを導入して第1電極部分52aが形成される。これにより、半導体装置110が形成できる。
【0051】
実施形態において、第3電極53は、以下のように形成されて良い。
図5(a)に示すように、上記の第1導電部材61の形成の後に、第1トレンチ91の残余の空間に存在する第1導電材料65aを除去する。
【0052】
図5(b)に示すように、第1導電部材61の上、及び、第1トレンチ91の残余の空間に第3絶縁膜83を埋め込む。第3絶縁膜83は、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)により形成されたSiO
2膜で良い。第3絶縁膜83は、例えば、BPSG(Boro-Phospho Silicate Glass)膜で良い。例えば、ウエットエッチングについての第3絶縁膜83のエッチングレートは、ウエットエッチングについてのSiO
2のエッチングレートと実質的に同じで良い。
【0053】
図5(c)に示すように、第3絶縁膜83を平坦化する。第3絶縁膜83がBPSG膜である場合は、平坦化の工程が省略されて良い。
【0054】
図5(d)に示すように、第3絶縁膜83をウエットエッチングすることで、第1トレンチ91の底部に位置する第3絶縁膜83を残しつつ、第3絶縁膜83の他の部分を除去する。このエッチングにおいて、第2絶縁膜82の上側部分(第1トレンチ91の開口部に近い部分)が除去される。このように、第1トレンチ91の内部の第3絶縁膜83の一部を除去し、第1トレンチ91の内部に第3絶縁膜83の別の一部を残す。
【0055】
図6(a)に示すように、第1トレンチ91の側壁に第4絶縁膜84を形成する。第4絶縁膜84は、例えばシリコンの熱酸化により形成される。第4絶縁膜84は、例えば、第1絶縁領域41aとなる。
【0056】
図6(b)に示すように、第4絶縁膜84の形成の後の第1トレンチ91の残余の空間に、第3導電材料65cを導入する。第3導電材料65cは、例えばポリシリコンで良い。
【0057】
図6(c)に示すように、第3導電材料65cの不要な部分が除去される。残った第3導電材料65cにより、第3電極53が形成される。
図6(c)の状態において、第1半導体領域11の上に、マスク膜79が存在する。
【0058】
【0059】
図7(a)に示すように、例えば、第3電極53の上部分、及び、前記第1半導体領域の上部分から第5絶縁膜85を形成する。例えば熱酸化により第5絶縁膜85が形成される。
【0060】
図7(b)に示すように、第5絶縁膜85を介して、第1半導体領域11の表面部分に第1導電形の不純物を導入して、第2半導体領域12を形成する。
【0061】
この後、第2トレンチ92において、第1電極部分52aが形成される。第1電極部分52aは、例えば、以下のように形成されて良い。
【0062】
図7(c)に示すように、第5絶縁膜85の上に、第6絶縁膜86を形成する。第6絶縁膜86は、例えば、SiO2膜で良い。第6絶縁膜86は、第2絶縁部材42の少なくとも一部となる。
【0063】
図7(d)に示すように、第6絶縁膜86に開口部86oを形成する。開口部86oにおいて、第2トレンチ92の中に存在する第3絶縁部分81cが露出する。
【0064】
図8(a)に示すように、第3絶縁部分81cを除去する。第3絶縁部分81cの除去により、第2トレンチ92の底部及び側壁が露出する。
【0065】
図8(b)に示すように、第2トレンチ92の中の空間に第2導電材料65bが導入される。導入された第2導電材料65bにより、第1電極部分52aが形成される。第2導電材料65bの他の部分により、第2電極部分52bが形成される。これにより、第2電極52が形成される。
【0066】
この後、第1半導体領域11の下面に第1電極51が形成される。このようにして、半導体装置110が得られる。
【0067】
実施形態に係る半導体装置の製造方法においては、第1トレンチ91及び第2トレンチ92が1つの工程で1つのマスクで形成される。これらのトレンチが別の工程で形成されると、これらのトレンチの位置にずれが生じる。実施形態においては、位置ずれが抑制できる。
【0068】
実施形態においては、微細なトレンチを精度良く形成できる。例えば、第3電極53及び第1電極部分52aにおける位置ずれが抑制できる。これにより、例えば、位置ずれに起因するキャリア排出効率の低下が抑制される。例えば、電気的なショートが抑制される。例えば、より安定した特性が得られる。信頼性をより向上できる。
【0069】
実施形態は、以下の構成(例えば技術案)を含んで良い。
(構成1)
第1電極と、
第2電極であって、前記第1電極から前記第2電極への方向は第1方向に沿い、前記第2電極は、第1電極部分と、前記第1電極部分と接続された第2電極部分と、を含む、前記第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極部分との間に設けられた第3電極と、
半導体部材であって、前記半導体部材は、
第1導電形の第1半導体領域であって、前記第1半導体領域は、第1部分領域、第2部分領域、第3部分領域及び第4部分領域を含み、前記第1部分領域は、前記第1方向において前記第1電極と前記第3電極との間に設けられ、前記第1部分領域から前記第2部分領域への第2方向は前記第1方向と交差し、前記第3部分領域の前記第2方向における位置は、前記第1部分領域の前記第2方向における位置と、前記第2部分領域の前記第2方向における位置との間にあり、前記第4部分領域は、前記第2部分領域と前記第1電極部分との間にある、前記第1半導体領域と、
前記第1導電形の第2半導体領域であって、前記第2半導体領域における前記第1導電形の不純物濃度は、前記第1半導体領域における前記第1導電形の不純物濃度よりも高く、前記第2半導体領域は、前記第2方向において前記第3電極と前記第1電極部分との間に設けられ、前記第2半導体領域は、前記第1方向において、前記第3部分領域と前記第2電極部分との間に設けられた、前記第2半導体領域と、
を含む前記半導体部材と、
第1導電部材であって、前記第1導電部材は、前記第1方向において、前記第1部分領域と前記第3電極との間に設けられ、前記第1導電部材から前記第4部分領域への方向は、前記第2方向に沿い、前記第1導電部材は、前記第2電極と電気的に接続された、または、前記第2電極に電気的に接続されることが可能である、前記第1導電部材と、
第1絶縁領域、第2絶縁領域、及び、第3絶縁領域を含む第1絶縁部材であって、前記第1絶縁領域は、前記第3電極と前記第2半導体領域との間に設けられ、前記第2絶縁領域は、前記半導体部材と前記第1導電部材との間に設けられ、前記第3絶縁領域の少なくとも一部は、前記第1導電部材と前記第3電極との間に設けられ、前記第2絶縁領域は、前記第3部分領域に対向する第1面を含み、前記第3絶縁領域は、前記第3部分領域に対向する第2面を含み、前記第1面は、前記第1方向において前記第1電極側の第1端を含み、前記第2面は、前記第1方向において前記第2電極側の第2端を含み、前記第2端の前記第2方向における第2位置は、前記第1端の前記第2方向における第1位置と異なる、前記第1絶縁部材と、
を備えた、半導体装置。
【0070】
(構成2)
前記第1導電部材と前記第1位置との間の前記第2方向に沿う第1距離は、前記第1導電部材と前記第2位置との間の前記第2方向に沿う第2距離よりも短い、構成1に記載の半導体装置。
【0071】
(構成3)
前記第1位置と前記第2位置との間の前記第2方向に沿う距離は、前記第1絶縁領域の前記第2方向に沿う厚さの0.3倍以上2倍以下である、構成1または2に記載の半導体装置。
【0072】
(構成4)
前記第1面と前記第2面との間に、段差が設けられた、構成1~3のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0073】
(構成5)
前記第3絶縁領域は、第3面をさらに含み、
前記第3面は、前記第1面と前記第2面との間にあり、前記第1面及び前記第2面とつながり、前記第3面は、前記第1面に対して非平行であり、前記第2面に対して非平行である、構成1~4のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0074】
(構成6)
前記第2半導体領域は、前記第1半導体領域と接した、構成1~5のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0075】
(構成7)
前記第1電極部分は、前記半導体部材とショットキー接触する、構成1~6のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0076】
(構成8)
前記第1電極部分は、前記第2半導体領域及び前記第4部分領域と接し、
前記第1電極部分は、Pt、Co、及びNiよりなる群から選択された少なくとも1つを含む、構成1~7のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0077】
(構成9)
前記第1電極部分は、前記第1方向において前記第1電極側の第1電極部分端を含み、
前記第3電極は、前記第1方向において前記第1電極側の第3電極端を含み、
前記第3電極端の前記第1方向における位置は、前記第1電極の前記第1方向における位置と、前記第1電極部分端の前記第1方向における位置と、の間にある、構成1~8のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0078】
(構成10)
前記第3電極の前記第2方向に沿う幅は、前記第1導電部材の前記第2方向に沿う幅よりも広い、構成1~9のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0079】
(構成11)
前記第1半導体領域は、第1半導体面と、第2半導体面と、第3半導体面と、第4半導体面と、を含み、
前記第3電極は、前記第2方向において、前記第1半導体面と前記第2半導体面との間にあり、
前記第1絶縁部材の一部は、前記第1半導体面と前記第3電極との間にあり、
前記第1絶縁部材の別の一部は、前記第3電極と前記第2半導体面との間にあり、
前記第1電極部分は、前記第2方向において、前記第3半導体面と前記第4半導体面との間にあり、
前記第1半導体面と前記第2半導体面との間の前記第2方向に沿う第1幅は、前記第3半導体面と前記第4半導体面との間の前記第2方向に沿う第2幅よりも大きい、構成1~10のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0080】
(構成12)
前記第1半導体領域は、第1半導体面と、第2半導体面と、第5半導体面と、第6半導体面と、を含み、
前記第3電極は、前記第2方向において、前記第1半導体面と前記第2半導体面との間にあり、
前記第1絶縁部材の一部は、前記第1半導体面と前記第3電極との間にあり、
前記第1絶縁部材の別の一部は、前記第3電極と前記第2半導体面との間にあり、
前記第1導電部材は、前記第2方向において、前記第5半導体面と前記第6半導体面との間にあり、
前記第1絶縁部材の一部は、前記第5半導体面と前記第1導電部材との間にあり、
前記第1絶縁部材の別の一部は、前記第1導電部材と前記第6半導体面との間にあり、
前記第1半導体面と前記第2半導体面との間の前記第2方向に沿う第1幅は、前記第5半導体面と前記第6半導体面との間の前記第2方向に沿う第3幅よりも大きい、構成1~10のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0081】
(構成13)
前記第1導電部材の前記第2方向に沿う幅は、前記第1方向において連続的に変化する、または、一定である、構成1~12のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0082】
(構成14)
前記第2半導体領域の前記第2方向に沿う幅は、25nm以上50nm以下である、構成1~13のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0083】
(構成15)
第2絶縁部材をさらに備え、
前記第2絶縁部材の少なくとも一部は、前記第3電極と前記第2電極部分との間に設けられた、構成1~14のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0084】
(構成16)
第1導電形の第1半導体領域に、第1トレンチ及び第2トレンチを一度に形成し、前記第1トレンチの幅は、前記第2トレンチの幅よりも広く、前記第1トレンチの深さは前記第2トレンチの深さよりも深く、
前記第1トレンチの中及び前記第2トレンチの中に第1絶縁膜を形成し、前記第1絶縁膜は、第1絶縁部分、第2絶縁部分及び第3絶縁部分を含み、前記第1絶縁部分は、前記第1トレンチの底部に設けられ、前記第2絶縁部分は、前記第1トレンチの側壁に設けられ、前記第1トレンチの中に空間が残され、前記第2トレンチは前記第3絶縁部分により実質的に塞がれ、
前記第1絶縁部分を除去して前記第1半導体領域の一部を露出させ、
前記露出された前記第1半導体領域の前記一部を除去して第3トレンチを形成し、
前記第3トレンチの前記形成の後に、前記第2絶縁部分を除去し、
前記第1トレンチ及び前記第3トレンチの内側に第2絶縁膜を形成し、
前記第3トレンチの内部に第1導電材料を導入して第1導電部材を形成し、
前記第1導電部材の形成の後に前記第1導電部材の上に第3電極を形成し、
前記第3絶縁部分を除去した後に前記第2トレンチの内部に第2導電材料を導入して第1電極部分を形成する、半導体装置の製造方法。
【0085】
(構成17)
前記第3電極の前記形成は、
前記第1導電部材の形成の後に、前記第1トレンチの残余の空間に存在する前記第1導電材料を除去し、
前記第1導電部材の上、及び、前記第1トレンチの残余の前記空間に第3絶縁膜を埋め込み、
前記第1トレンチの内部の前記第3絶縁膜の一部を除去し、前記第1トレンチの内部に前記第3絶縁膜の別の一部を残し、
前記第1トレンチの側壁に第4絶縁膜を形成し、
前記第4絶縁膜の前記形成の後の前記第1トレンチの残余の空間に、第3導電材料を導入して前記第3電極を形成することを含む、構成16に記載の半導体装置の製造方法。
【0086】
(構成18)
前記第3電極の上部分、及び、前記第1半導体領域の上部分から第5絶縁膜を形成し、
前記第5絶縁膜を介して、前記第1半導体領域の表面部分に前記第1導電形の不純物を導入して、第2半導体領域を形成する、構成17に記載の半導体装置の製造方法。
【0087】
(構成19)
前記第1電極部分の前記形成は、
前記第2半導体領域の前記形成の後に、前記第3絶縁部分を除去し、
前記第3絶縁部分の前記除去により形成された前記第2トレンチの内部に前記第2導電材料を導入することを含む、構成18に記載の半導体装置の製造方法。
【0088】
(構成20)
前記第2絶縁部分の除去により、前記第1トレンチの側面と、前記第3トレンチの側面と、の間に段差が形成される、構成16~19のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
【0089】
実施形態によれば、安定した特性が得られる半導体装置及びその製造方法を提供できる。
【0090】
以上、例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの例に限定されるものではない。例えば、半導体装置に含まれる電極、半導体領域、導電部材及び絶縁部材などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0091】
各例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0092】
本発明の実施の形態として上述した半導体装置及びその製造方法を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての半導体装置及びその製造方法も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0093】
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0094】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0095】
10:半導体部材、 11、12:第1、第2半導体領域、 11a~11d:第1~第4部分領域、 12w:第2半導体領域幅、 41、42:第1、第2絶縁部材、 41a~41c:第1~第3絶縁領域、 41s:段差、 51~53:第1~第3電極、 51f:第1電極面、 52L:配線、 52T:第2電極端子、 52a:第1電極部分、 52ae:第1電極部分端、 52b:第2電極部分、 53e:第3電極端、 61:第1導電部材、 61T:第1導電部材端子、 65a~65c:第1~第3導電材料、 77:レジスト膜、 78:カーボン膜、 79:マスク膜、 81~86:第1~第6絶縁膜、 81a~81c:第1~第3絶縁部分、 86o:開口部、 91~93:第1~第3トレンチ、 110:半導体装置、 D1~D3:第1~第3方向、 F1~F3:第1~第3面、 Fe1、Fe2:第1、第2端、 SF1~SF6:第1~第6半導体面、 d1、d2:第1、第2距離、 dx:厚さ、 w1~w3:第1~第3幅、 Δd:距離