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特開2024-84333収穫管理方法、収穫管理システム、及び収穫管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084333
(43)【公開日】2024-06-25
(54)【発明の名称】収穫管理方法、収穫管理システム、及び収穫管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/02 20240101AFI20240618BHJP
【FI】
G06Q50/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022198539
(22)【出願日】2022-12-13
(71)【出願人】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205350
【弁理士】
【氏名又は名称】狩野 芳正
(74)【代理人】
【識別番号】100117617
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭策
(72)【発明者】
【氏名】吉峰 拓海
(72)【発明者】
【氏名】三谷 英樹
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC01
5L050CC01
(57)【要約】
【課題】ユーザによる進捗管理を支援する。
【解決手段】収穫管理方法は、圃場500において作物を収穫する収穫機30の位置に基づき、作物を収穫した収穫領域を推定することを含む。また、収穫管理方法は、収穫領域の面積と、圃場500または作物の種類に応じた単収とに基づき、収穫領域における収量を推定することを含む。収穫管理方法は、収穫機30の位置に基づき、収穫機30の軌道600を推定することを含んでもよい。また、収穫管理方法は、収穫領域における収穫機30の軌道600と、収量30とを関連付けて表す画像を表示するための表示情報を出力することを含んでもよい。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場において作物を収穫する収穫機の位置に基づき、前記作物を収穫した収穫領域を推定することと、
前記収穫領域の面積と、前記圃場または前記作物の種類に応じた単収とに基づき、前記収穫領域における収量を推定することと、
を含む収穫管理方法。
【請求項2】
前記収穫機の位置に基づき、前記収穫機の軌道を推定することと、
前記収穫領域における前記収穫機の軌道と、前記収量とを関連付けて表す画像を表示するための表示情報を出力することと、
を含む請求項1に記載の収穫管理方法。
【請求項3】
収穫された前記作物のうち、前記作物を回収する回収装置により回収されていない前記作物の未回収収量を推定すること
を含む請求項1に記載の収穫管理方法。
【請求項4】
前記未回収収量を推定することは、
測定された時刻が回収時刻以降である前記収穫機の位置に基づき、前記回収時刻以降に収穫された未回収領域を推定することと、
前記未回収領域と、前記圃場または前記作物の種類に応じた単収とに基づき、前記回収時刻以降に収穫された収量を前記未回収収量として推定することと、
を含む請求項3に記載の収穫管理方法。
【請求項5】
前記回収装置の位置から前記収穫機の位置までの距離が第1距離閾値以下である時間が第1時間閾値以上つづく回収期間のうち最も遅い時刻を前記回収時刻として決定すること
を含む請求項4に記載の収穫管理方法。
【請求項6】
前記回収装置の位置から前記圃場または前記収穫領域までの距離が第2距離閾値以下である時間が第2時間閾値以上つづく回収期間のうち最も遅い時刻を前記回収時刻として決定すること
を含む請求項4に記載の収穫管理方法。
【請求項7】
前記回収装置は、収穫された前記作物をまとめた収穫物群を回収し、
前記圃場において前記収穫物群を最後に回収した時刻以前であり、かつ、最後に前記収穫物群がまとめられた時刻を、前記回収時刻として決定すること
を含む請求項4に記載の収穫管理方法。
【請求項8】
前記未回収領域と、前記未回収収量とを関連付けて表す画像を表示するための表示情報を出力すること
を含む請求項4から7のいずれか1項に記載の収穫管理方法。
【請求項9】
前記収穫機の位置に基づき、前記収穫機の軌道を推定することと、
前記未回収領域に含まれる前記収穫機の軌道と、前記未回収収量とを関連付けて表す画像を表示するための表示情報を出力することと、
を含む請求項4から7のいずれか1項に記載の収穫管理方法。
【請求項10】
圃場において収穫機により収穫された作物を回収装置が前記圃場から最後に回収した回収時刻を、前記回収装置の位置と、前記回収装置の位置が測定された時刻とに基づき決定することと、
前記回収時刻以降における前記収穫機の稼働情報または位置情報に基づき、前記回収時刻以降に収穫された未回収収量を推定することと、
を含む収穫管理方法。
【請求項11】
圃場において作物を収穫する収穫機の位置に基づき、前記作物を収穫した収穫領域を推定する領域推定部と、
前記収穫領域の面積と、前記圃場または前記作物の種類に応じた単収とに基づき、前記収穫領域における収量を推定する全体収量推定部と、
を備える収穫管理システム。
【請求項12】
圃場において収穫機により収穫された作物を回収装置が前記圃場から最後に回収した回収時刻を、前記回収装置の位置と、前記回収装置の位置が測定された時刻とに基づき決定する回収時刻決定部と、
前記回収時刻以降における前記収穫機の稼働情報または位置情報に基づき、前記回収時刻以降に収穫された未回収収量を推定する未回収収量推定部と、
を備える収穫管理システム。
【請求項13】
圃場において作物を収穫する収穫機の位置に基づき、前記作物を収穫した収穫領域を推定することと、
前記収穫領域の面積と、前記圃場または前記作物の種類に応じた単収とに基づき、前記収穫領域における収量を推定することと、
を演算装置に実行させる収穫管理プログラム。
【請求項14】
圃場において収穫機により収穫された作物を回収装置が前記圃場から最後に回収した回収時刻を、前記回収装置の位置と、前記回収装置の位置が測定された時刻とに基づき決定することと、
前記回収時刻以降における前記収穫機の稼働情報または位置情報に基づき、前記回収時刻以降に収穫された未回収収量を推定することと、
を演算装置に実行させる収穫管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収穫管理方法、収穫管理システム、及び収穫管理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、栽培管理の分析に圃場における作業に関する情報を用いることが研究されている。
【0003】
特許文献1には、測位装置と収量センサを搭載した収穫機から位置情報と収量情報とを取得して、収穫機により収穫された収穫領域における収量を算出する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-85763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術では、高価な収量センサを必要とするため、収穫機が収量センサを搭載していない場合がある。このため、収量センサを搭載していない収穫機が収穫した収穫領域では、収穫領域に対応した収量を算出できない。
【0006】
上記の状況に鑑み、本開示は、収穫領域における収量を提示することで、ユーザによる収穫管理を支援することを目的の1つとする。他の目的については、以下の記載及び実施の形態の説明から理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に、発明を実施するための形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係の一例を示すために、参考として、括弧付きで付加されたものである。よって、括弧付きの記載により、特許請求の範囲は、限定的に解釈されるべきではない。
【0008】
上記目的を達成するための一実施の形態による収穫管理方法は、圃場(500)において作物を収穫する収穫機(30)の位置に基づき、作物を収穫した収穫領域を推定することを含む。また、収穫管理方法は、収穫領域の面積と、圃場(500)または作物の種類に応じた単収とに基づき、収穫領域における収量を推定することを含む。
【0009】
上記目的を達成するための一実施の形態による収穫管理方法は、圃場(500)において収穫機(30)により収穫された作物を回収装置(40)が圃場(500)から最後に回収した回収時刻を、回収装置(40)の位置と、回収装置(40)の位置が測定された時刻とに基づき決定することを含む。また、収穫管理方法は、回収時刻以降における収穫機(30)の稼働情報または位置情報に基づき、回収時刻以降に収穫された未回収収量を推定することを含む。
【0010】
上記目的を達成するための一実施の形態による収穫管理システム(1000)は、収穫領域推定部(150)と、全体収量推定部(161)とを備える。収穫領域推定部(150)は、圃場(500)において作物を収穫する収穫機(30)の位置に基づき、作物を収穫した収穫領域を推定する。全体収量推定部(161)は、収穫領域の面積と、圃場(500)または作物の種類に応じた単収とに基づき、収穫領域における収量を推定する。
【0011】
上記目的を達成するための一実施の形態による収穫管理システム(1000)は、回収時刻決定部(162)と、未回収収量推定部(163)とを備える。回収時刻決定部(162)は、圃場(500)において収穫機(30)により収穫された作物を回収装置(40)が圃場(500)から最後に回収した回収時刻を、回収装置(40)の位置と、回収装置(40)の位置が測定された時刻とに基づき決定する。未回収収量推定部(163)は、回収時刻以降における収穫機(30)の稼働情報または位置情報に基づき、回収時刻以降に収穫された未回収収量を推定する。
【0012】
上記目的を達成するための一実施の形態による収穫管理プログラム(420)は、圃場(500)において作物を収穫する収穫機(30)の位置に基づき、作物を収穫した収穫領域を推定することを演算装置(120、220)に実行させる。また、収穫管理プログラム(420)は、収穫領域の面積と、圃場(500)または作物の種類に応じた単収とに基づき、収穫領域における収量を推定することを演算装置(120、220)に実行させる。
【0013】
上記目的を達成するための一実施の形態による収穫管理プログラム(420)は、圃場(500)において収穫機(30)により収穫された作物を回収装置(40)が圃場(500)から最後に回収した回収時刻を、回収装置(40)の位置と、回収装置(40)の位置が測定された時刻とに基づき決定することを演算装置(120、220)に実行させる。また、収穫管理プログラム(420)は、回収時刻以降における収穫機(30)の稼働情報または位置情報に基づき、回収時刻以降に収穫された未回収収量を推定することを演算装置(120、220)に実行させる。
【発明の効果】
【0014】
上記の形態によれば、ユーザは、収穫領域における収量を容易に確認することできる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】一実施の形態における収穫管理システムの概略図である。
図2】一実施の形態における端末が表示する画像を説明するための図である。
図3】一実施の形態における収穫管理装置の構成を表す図である。
図4】一実施の形態における収穫管理システムが実行する機能ブロックを表す図である。
図5】一実施の形態における端末の構成を表す図である。
図6】一実施の形態における収穫管理システムが行う処理を表すフローチャートである。
図7】一実施の形態における回収時刻決定部が回収装置により作物を回収した時刻の決定方法を説明するための図である。
図8】一実施の形態における回収時刻決定部が回収装置により作物を回収した時刻の決定方法を説明するための図である。
図9】一実施の形態における収穫機の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施の形態1)
本発明の本実施の形態による収穫管理システム1000を、図面を参照して説明する。本実施の形態において、図1に示すように、収穫管理システム1000は、収穫管理装置100と、端末200とを備える。収穫管理装置100は、ネットワーク20、例えばインターネットを介して、端末200と、収穫機30と、回収装置40と通信可能に接続されている。
【0017】
収穫機30は、圃場で栽培されている作物、例えばサトウキビを収穫し、収穫した作物をまとめて圃場に排出する。収穫機30は、例えば、作物を収穫する収穫装置を牽引するトラクター、収穫装置と一体に形成された収穫機などを含む。
【0018】
収穫機30は、作物を収穫しているときに、図2に示すように、各時刻における収穫機30の位置を表す収穫機位置610を測定し、収穫機位置610を表す位置情報を収穫管理装置100に送信する。例えば、収穫機30は、測位装置、例えばGNSS(Global Navigation Satellite System)の受信機を備え、各時刻の収穫機位置610を表す位置情報を取得する。このため、収穫機位置610を測定された時刻の順番でつなげた線は、収穫機30が移動した軌道600を表す。
【0019】
図1に示す収穫管理装置100は、収穫機30から取得する位置情報に基づき、収穫機30が収穫した作物の収量を推定する。推定された収量は、端末200に表示される。例えば、図2に示すように、圃場500で収穫された全体収量650は、収穫機30により収穫された収穫領域を表す情報、例えば軌道600と関連付けられて端末200により表示される。収穫領域は、収穫機位置610に対する凸包で表されてもよく、凸包を収穫機30の作業幅だけ拡大した領域で表されてもよい。収穫領域は、収穫機30の位置情報に基づき決定される軌道600を、収穫機30の作業幅だけ広げた領域で表されてもよい。また、収穫領域は、収穫機30の位置情報に表された位置を含む圃場500を分割した小領域により表されてもよい。
【0020】
また、図1に示す回収装置40は、収穫機30により収穫された作物を圃場500から回収し、ポストハーベスト施設に搬入する。例えば、回収装置40は、トラックや、荷台を牽引するトラクターなどを含む。回収装置40は、例えばGNSS(Global Navigation Satellite System)の受信機を備え、各時刻における回収装置40の位置を表す位置情報を取得する。回収装置40の位置情報も、収穫管理装置100に送信される。
【0021】
収穫管理装置100は、収穫機30の位置情報と、回収装置40の位置情報とに基づき、圃場500で収穫された収穫物のうち、回収装置40に回収されていない収穫物の収量を表す未回収収量を推定する。例えば、図2に示すように、未回収収量652は、回収されていない収穫物が栽培されていた領域を表す未回収領域と関連付けて端末200により表示される。未回収領域は、例えば未回収領域における収穫機30の軌道600を表す未回収軌道602により表される。また、未回収領域は、未回収軌道602上の収穫機位置610に対する凸包で表されてもよく、凸包を収穫機30の作業幅だけ拡大した領域で表されてもよい。
【0022】
また、端末200は、収穫領域から未回収領域を除いた回収領域に関連付けて、回収装置40に回収された収穫物の収量を表す回収収量651を表示してもよい。例えば、回収収量651は、回収装置40に回収された収穫物が栽培されていた領域を表す回収領域と関連付けて表示される。回収領域は、例えば回収領域における収穫機30の軌道600を表す回収軌道601により表される。また、回収領域は、回収軌道601上の収穫機位置610に対する凸包で表されてもよく、凸包を収穫機30の作業幅だけ拡大した領域で表されてもよい。
【0023】
このように、収穫管理システム1000は、収穫機30の位置に基づき、圃場500における収量を推定することができる。また、収穫管理システム1000は、圃場500において収穫された収量のうち、回収装置40により回収されていない収穫物の未回収収量を推定する。ユーザ、例えばポストハーベスト施設の管理者は、未回収収量に基づき、これから回収される収穫物の収量を把握することができる。このため、管理者は、ポストハーベスト施設の処理能力に応じて、収穫機30の作業者に収穫の有無を指示することができる。例えば、管理者は、収穫機30がポストハーベスト施設の処理能力を超える量を収穫することを抑制する。このように、収穫管理システム1000は、圃場500における収量を管理者に報知することで、管理者による収穫作業の管理を支援する。
【0024】
(収穫管理システムの構成)
図1に示す収穫管理システム1000に含まれる収穫管理装置100の構成を説明する。収穫管理装置100は、図3に示すように、入出力装置110と、演算装置120と、通信装置130と、記憶装置140とを備える。収穫管理装置100は、例えば、コンピュータである。入出力装置110には、演算装置120が処理を実行するための情報が入力される。また、入出力装置110は、演算装置120が処理を実行した結果を出力する。入出力装置110は、様々な入力装置と出力装置とを含み、例えば、キーボード、マウス、マイク、ディスプレイ、スピーカー、タッチパネルなどを含む。入出力装置110は省略されてもよい。
【0025】
通信装置130は、ネットワーク20に電気的に接続され、ネットワーク20を介して各々の装置との通信を行う。例えば、通信装置130は、収穫機30または回収装置40から取得する位置情報を演算装置120に転送する。また、演算装置120が生成した信号を端末200に転送する。通信装置130は、例えば、NIC(Network Interface Card)、USB(Universal Serial Bus)などの種々のインタフェースを含む。
【0026】
記憶装置140は、収穫機30により収穫された収量を推定するための様々なデータ、例えば単収データ410と、収穫管理プログラム420とを格納する。記憶装置140は、収穫管理プログラム420を記憶する非一時的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)として用いられる。収穫管理プログラム420は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体1に記録されたコンピュータプログラム製品(computer program product)として提供されてもよく、または、サーバからダウンロード可能なコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。
【0027】
単収データ410は、圃場500における単収、例えば単位面積当たりの収量を表す。例えば、単収データ410は、圃場500において、過去に収穫された収量の統計量、例えば平均値、中央値などを表す。複数の圃場500がある場合、単収データ410は、各圃場500における単収を表す。また、複数の圃場500がある場合、単収データ410は、複数の圃場500を1つ以上に分類した圃場群における単収を表してもよく、圃場群に含まれる圃場500の単収の統計量を表してもよい。圃場群は、例えば圃場500の存在する地域、圃場500における作業者、圃場500の地質などに基づき分類される。
【0028】
演算装置120は、収穫管理プログラム420を実行して、収穫機30により収穫された収量を推定するための様々なデータ処理を行う。例えば、演算装置120は、中央演算処理装置(CPU;Central Processing Unit)などを含む。
【0029】
演算装置120は、収穫管理プログラム420を読み出し実行することで、図4に示すように、収穫領域推定部150と、収量推定部160と、出力部170とを実現する。収穫領域推定部150は、収穫機30の位置情報に基づき、収穫機30により収穫された収穫領域を推定する。収量推定部160は、推定された収穫領域と、収穫機30により収穫された圃場500における単収とに基づき、収穫機30により収穫された収量を推定する。出力部170は、収量を圃場500に関連付けて表す画像を表示するための表示情報を出力する。
【0030】
収量推定部160は、全体収量推定部161と、回収時刻決定部162と、未回収収量推定部163とを備える。全体収量推定部161は、圃場500全体において、収穫機30により収穫された収量を推定する。回収時刻決定部162は、回収装置40の位置情報に基づき、圃場500において、回収装置40により最後に回収された回収時刻を決定する。未回収収量推定部163は、回収時刻と、収穫機30の位置情報とに基づき、収穫機30により収穫された作物のうち、回収装置40により回収されていない作物の収量を表す未回収収量を推定する。
【0031】
次に、端末200の構成を説明する。端末200は、図5に示すように、入出力装置210と、演算装置220と、通信装置230と、記憶装置240とを備える。端末200は、例えば、コンピュータ、タブレット、携帯電話などを含む。入出力装置210には、演算装置220が処理を実行するための情報が入力される。また、入出力装置210は、演算装置220が処理を実行した結果を出力する。入出力装置210は、様々な入力装置と出力装置とを含み、例えば、キーボード、マウス、マイク、ディスプレイ、スピーカー、タッチパネルなどを含む。
【0032】
通信装置230は、ネットワーク20に電気的に接続され、ネットワーク20を介して各々の装置との通信を行う。例えば、通信装置230は、収穫管理装置100から取得する情報を演算装置220に転送する。また、演算装置220が生成した信号を収穫管理装置100に転送する。通信装置230は、例えば、NIC(Network Interface Card)、USB(Universal Serial Bus)などの種々のインタフェースを含む。
【0033】
記憶装置240は、収穫管理装置100から取得する表示情報を表示するための様々なデータ、例えば表示プログラム430を格納する。記憶装置240は、表示プログラム430を記憶する非一時的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)として用いられる。表示プログラム430は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体2に記録されたコンピュータプログラム製品(computer program product)として提供されてもよく、または、サーバからダウンロード可能なコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。
【0034】
演算装置220は、表示プログラム430を実行して、収穫管理装置100から取得する表示情報を表示するための様々なデータ処理を行う。例えば、演算装置220は、中央演算処理装置(CPU;Central Processing Unit)などを含む。
【0035】
演算装置220は、表示プログラム430を読み出し実行することで、入出力装置210と協働して、図4に示すように、表示部250を実現する。表示部250は、収穫管理装置100から取得した表示情報を表示する。
【0036】
(収穫管理システムの動作)
収穫管理システム1000の動作を説明する。収穫機30は、圃場500で作業を行っているとき、収穫管理装置100に位置情報を出力する。収穫管理装置100の演算装置120は、収穫機30から位置情報を受信すると、収穫管理プログラム420を読み出し実行する。収穫管理プログラム420を実行することで、演算装置120は、収穫管理方法の一部である図6に示す処理を実行する。
【0037】
ステップS110において、演算装置120により実現される収穫領域推定部150は、収穫機30の位置情報に基づき、収穫機30により収穫された領域を表す収穫領域を推定する。例えば、収穫領域推定部150は、収穫機30の位置情報に表される位置に対する凸包を収穫領域として推定する。収穫領域推定部150は、収穫機30の位置情報に表される位置に対する凸包を収穫機30の作業幅だけ拡大した領域を収穫領域として推定してもよい。
【0038】
ステップS120において、全体収量推定部161は、単収データ410と、推定された収穫領域の面積とに基づき、収穫領域において収穫機30により収穫された収量を推定する。例えば、全体収量推定部161は、推定された収穫領域の面積を決定する。また、全体収量推定部161は、収穫機30により収穫された圃場500の単収を、単収データ410から取得する。収穫領域における収量は、収穫領域の面積に、収穫領域に対応する圃場500の単収を積算することで決定される。
【0039】
ここで、収穫機30により収穫された圃場500は、収穫領域を含む圃場500を表し、全体収量推定部161により決定される。例えば、単収データ410は、圃場500に関連付けて、圃場500の領域を表す情報を格納する。全体収量推定部161は、単収データ410から、収穫領域を含む圃場500を検索し、検索された圃場500を収穫領域に対応する圃場500として決定する。
【0040】
ステップS130において、回収時刻決定部162は、回収装置40の位置情報に基づき、収穫機30により収穫された作物が最後に回収された回収時刻を決定する。例えば、回収時刻決定部162は、図7に示すように、収穫機30の位置から回収装置40の位置までの距離720が第1距離閾値以下である時間が第1時間閾値以上つづくとき、収穫された作物が回収されたと判定する。例えば、回収時刻決定部162は、収穫機30の位置から回収装置40の位置までの距離720が第1距離閾値以下である時間が第1時間閾値以上つづく回収期間のうち、最も遅い時刻を回収時刻として決定する。ここで、第1時間閾値は、例えば、収穫された作物を収穫機30から回収装置40に移動するために要する時間を表し、作物を移動するために要する最小時間でもよい。また、第1距離閾値は、例えば、収穫された作物を収穫機30から回収装置40に移動するときの収穫機30の位置から回収装置40の位置までの距離を表し、作物を移動できる最大距離でもよい。
【0041】
例えば、図7に示すように、収穫機30の位置が第1収穫機位置610-1から第8収穫機位置610-8まで順番に測定されたとする。ここで、第3収穫機位置610-3から第6収穫機位置610-6までは同じ位置を表す。また、回収装置40の位置が第1回収装置位置710-1から第9回収装置位置710-9まで順番に測定されたとする。ここで、第3回収装置位置710-3から第7回収装置位置710-7までは同じ位置を表す。
【0042】
このとき、回収時刻決定部162は、収穫機30の位置と、回収装置40の位置とに基づき、収穫機30の位置から回収装置40の位置までの距離720を算出する。例えば、回収時刻決定部162は、回収装置位置710のうち、測定された時刻が、収穫機位置610、例えば第3収穫機位置610-3が測定された時刻に最も近い回収装置位置710、例えば第4回収装置位置710-4を検索する。回収時刻決定部162は、各収穫機位置610、例えば第3収穫機位置610-3から、検索された回収装置位置710、例えば第4回収装置位置710-4までの距離720を算出する。
【0043】
回収時刻決定部162は、距離720が第1距離閾値以下となる収穫機位置610を抽出し、抽出された収穫機位置610が測定された時刻が連続する期間を、回収装置40が作物を回収している回収期間として決定する。図7に示す例において、回収時刻決定部162は、第3収穫機位置610-3から第7収穫機位置610-7までにおいて、対応する回収装置位置710までの距離720が第1距離閾値以下であるとする。この場合、回収時刻決定部162は、第3収穫機位置610-3の測定時刻から第7収穫機位置610-7の測定時刻までの期間を回収期間として決定する。
【0044】
回収時刻決定部162は、抽出した回収期間のうち、最も遅い時刻を回収時刻として決定する。回収時刻は、収穫領域において最後に作物を回収した時刻を表す。例えば、図7に示す例において、回収時刻決定部162は、第7収穫機位置610-7の測定時刻を回収時刻として決定する。
【0045】
ステップS140において、未回収収量推定部163は、収穫機30の位置情報に基づき、決定された回収時刻以降に収穫機30が収穫した領域を表す未回収領域を推定する。例えば、未回収収量推定部163は、収穫機30の位置情報のうち、回収時刻以降に測定された収穫機30の位置を表す位置情報を抽出する。抽出された位置情報に基づき、未回収収量推定部163は、未回収領域を推定する。例えば、未回収収量推定部163は、抽出された位置情報に表される位置に対する凸包を未回収領域として推定する。未回収収量推定部163は、抽出された位置情報に表される位置に対する凸包を収穫機30の作業幅だけ拡大した領域を未回収領域として推定してもよい。
【0046】
ステップS150において、未回収収量推定部163は、単収データ410と、推定された未回収領域の面積とに基づき、未回収領域において収穫機30により収穫された未回収収量を推定する。例えば、未回収収量推定部163は、推定された未回収領域の面積を決定する。また、未回収収量推定部163は、収穫機30により収穫された圃場500の単収を、単収データ410から取得する。未回収収量は、未回収領域の面積に、取得された圃場500の単収を積算することで決定される。
【0047】
また、未回収収量推定部163は、回収装置40により回収された回収収量を推定してもよい。例えば、回収収量は、収穫領域における収量から未回収収量を減算することで推定されてもよい。また、未回収収量推定部163は、回収時刻以前における収穫機30の位置に基づき、回収装置40により回収された作物が収穫された回収領域を推定する。未回収収量推定部163は、単収データ410と、推定された回収領域の面積とに基づき、回収収量を推定する。ここで、回収領域は、回収時刻以前における収穫機30の位置に対する凸包を表してもよく、凸包を収穫機30の作業幅だけ拡大した領域を表してもよい。
【0048】
ステップS160において、出力部170は、収穫領域と、収穫領域における収量とを関連付けて表す画像を表示するための表示情報を端末200に出力する。例えば、表示情報は、収穫領域と、収穫領域における収量とを関連付けた画像を表す。また、表示情報により表される画像は、図2に示すように、収穫領域における収穫機30の軌道600を表してもよい。また、表示情報により表される画像は、未回収領域と、未回収収量とを関連付けて表してもよい。さらに、表示情報により表される画像は、未回収領域における収穫機30の未回収軌道602を表してもよい。また、表示情報により表される画像は、回収装置40により回収された収量を表す回収収量を、回収領域と関連付けて表してもよい。また、表示情報により表される画像は、回収軌道601を表してもよい。
【0049】
ステップS170において、端末200の表示部250は、表示情報に表された画像を入出力装置210に表示する。
【0050】
このように、収穫管理システム1000は、ユーザに、収穫機30により収穫された収穫領域と、収量とを報知する。例えば、収穫管理システム1000は、収穫領域と、収量とをリアルタイムで報知する。これにより、収穫管理システム1000は、ユーザによる収穫作業の管理を支援する。
【0051】
(変形例)
実施の形態において説明した構成は一例であり、機能を阻害しない範囲で構成を変更することができる。例えば、単収データ410は、作物の種類、例えばサトウキビ、小麦などに応じた単収を表してもよい。さらに、単収データ410は、作物の品種に応じた単収を表してもよい。この場合、全体収量推定部161と、未回収収量推定部163とは、圃場500で栽培されている作物の種類、または、品種に基づき、収穫機30により収穫された収量を推定する。例えば、圃場500で栽培されている作物の種類、または、品種は、事前に、例えば播種または植付時にユーザにより登録されている。
【0052】
単収データ410は、作物の品種と、栽培条件との組み合わせに応じた単収を表してもよい。栽培条件は、例えば播種や植付を行った月や、夏植えや春植えなどに分類される作型を表す。
【0053】
また、図6のステップS130において、回収時刻決定部162は、回収装置位置710の測定時刻に基づき、回収装置40が収穫された作物を回収した回収期間を決定してもよい。例えば、回収時刻決定部162は、図7に示すように、距離720が第1距離閾値以下となる回収装置位置710を抽出し、抽出された回収装置位置710が測定された時刻が連続する期間を、回収装置40が作物を回収している回収期間として決定する。図7に示す例において、回収時刻決定部162は、第4回収装置位置710-4から第8回収装置位置710-8までにおいて、対応する収穫機位置610までの距離720が第1距離閾値以下であるとする。この場合、回収時刻決定部162は、第4回収装置位置710-4の測定時刻から第8回収装置位置710-8の測定時刻までの期間を回収期間として決定する。
【0054】
また、回収時刻決定部162は、距離720が第1距離閾値以下であり、かつ、収穫機30と回収装置40とが停止している期間を、回収期間として決定してもよい。例えば、回収時刻決定部162は、時間的に隣接する2つの収穫機位置610または回収装置位置710の間の距離が閾値より小さい期間が、所定の時間以上つづくとき、収穫機30または回収装置40が停止していると判定する。例えば、図7に示す例において、回収時刻決定部162は、第3回収装置位置710-3が測定された時刻から、第7回収装置位置710-7が測定された時刻までの期間に回収装置40が停止していると判定する。また、回収時刻決定部162は、第3収穫機位置610-3が測定された時刻から第6収穫機位置610-6が測定された時刻までの期間に収穫機30が停止していると判定する。この場合、回収時刻決定部162は、第3回収装置位置710-3が測定された時刻から第7回収装置位置710-7が測定された時刻までの期間と、第3収穫機位置610-3が測定された時刻から第6収穫機位置610-6が測定された時刻までの期間との両方に含まれる期間を回収期間として決定する。例えば、回収時刻決定部162は、第3回収装置位置710-3に対応する時刻と第3収穫機位置610-3に対応する時刻とのうち遅い方の時刻から、第7回収装置位置710-7に対応する時刻と第6収穫機位置610-6に対応する時刻とのうち早い方の時刻までの期間を回収期間として決定する。また、回収時刻決定部162は、第3回収装置位置710-3が測定された時刻から第7回収装置位置710-7が測定された時刻までの期間と、第3収穫機位置610-3が測定された時刻から第6収穫機位置610-6が測定された時刻までの期間とのいずれかを含む期間を回収期間として決定してもよい。例えば、回収時刻決定部162は、第3回収装置位置710-3に対応する時刻と第3収穫機位置610-3に対応する時刻とのうち早い方の時刻から、第7回収装置位置710-7に対応する時刻と第6収穫機位置610-6に対応する時刻とのうち遅い方の時刻までの期間を回収期間として決定してもよい。
【0055】
また、回収時刻決定部162は、収穫機30により収穫された圃場500と、回収装置40の位置とに基づき、回収期間を決定してもよい。例えば、回収時刻決定部162は、図8に示すように、回収装置40の位置から収穫機30により収穫された圃場500までの距離730が第2距離閾値以下である時間が第2時間閾値以上つづくとき、収穫された作物が回収されたと判定する。例えば、回収時刻決定部162は、距離730が第2距離閾値以下である時間が第2時間閾値以上つづく期間を回収期間として決定する。図8に示す例において、回収時刻決定部162は、第1回収装置位置710-1から第9回収装置位置710-9までの期間を回収期間として決定する。ここで、第2時間閾値は、例えば、収穫された作物を回収装置40に積載するために要する時間を表す。また、第2距離閾値は、例えば、収穫された作物を回収装置40に積載するときの圃場500から回収装置40の位置までの距離を表す。第2時間閾値は、第1時間閾値と同じでも、異なってもよい。また、第2距離閾値は、第1距離閾値と同じでも、異なってもよい。
【0056】
また、回収時刻決定部162は、収穫機30により収穫された収穫領域と、回収装置40の位置とに基づき、回収期間を決定してもよい。例えば、回収時刻決定部162は、図8に示すように、回収装置40の位置から収穫機30により収穫された収穫領域までの距離が第3距離閾値以下である時間が第3時間閾値以上つづくとき、収穫された作物が回収されたと判定してもよい。ここで、第3時間閾値は、例えば、収穫された作物を回収装置40に積載するために要する時間を表す。また、第3距離閾値は、例えば、収穫された作物を回収装置40に積載するときの収穫領域から回収装置40の位置までの距離を表す。第3時間閾値は、第1時間閾値または第2時間閾値と同じでも、異なってもよい。また、第3距離閾値は、第1距離閾値または第2距離閾値と同じでも、異なってもよい。
【0057】
また、回収時刻決定部162は、距離730が第2距離閾値以下であり、かつ、回収装置40が停止している期間を、回収期間として決定してもよい。例えば、回収時刻決定部162は、時間的に隣接する2つの回収装置位置710の間の距離が閾値より小さい期間が、所定の時間以上つづくとき、回収装置40が停止していると判定する。図8に示す例において、回収時刻決定部162は、第3回収装置位置710-3が測定された時刻から、第7回収装置位置710-7が測定された時刻までの期間に回収装置40が停止していると判定する。このため、回収時刻決定部162は、第3回収装置位置710-3が測定された時刻から、第7回収装置位置710-7が測定された時刻までの期間を回収期間として決定する。
【0058】
また、回収装置40が収穫領域において最後に作物を回収した回収時刻は、固定値、例えば17時を表してもよい。この場合、回収時刻決定部162は省略されてもよい。
【0059】
また、収穫機30が収穫した作物をまとめた収穫物群を圃場500に排出するとき、回収時刻は、回収装置40が圃場500から作物を回収した時刻の直前に収穫機30が収穫物群を排出した時刻を表してもよい。
【0060】
例えば、収穫機30は、圃場500で栽培されている作物、例えばサトウキビを収穫し、収穫した作物をまとめて圃場500に排出する。収穫機30は、例えば、図9に示すように、引起し装置310と、刈取装置320と、搬送装置330と、風選装置340と、排出装置350とを備える。引起し装置310は、圃場500で倒れているサトウキビを引き起こす。引き起こされたサトウキビは、刈取装置320により刈り取られる。搬送装置330は、刈り取られたサトウキビを、所定の寸法で切断しながら風選装置340に搬送する。風選装置340は、収穫物となるサトウキビの茎と、サトウキビの葉や塵とを分別し、サトウキビの茎を排出装置350に搬送し、サトウキビの葉や塵を側方または後方に排出する。排出装置350は、サトウキビの茎を収容容器351、例えば袋に収容し、サトウキビの茎が所定の量を超えると、収容容器351を収穫物群として圃場500に排出する。
【0061】
また、収穫機30は、収穫機30の各機械の状態を表す稼働情報を位置情報と合わせて収穫管理装置100に出力する。稼働情報は、例えば各種クラッチのON/OFF状況、排出装置350が収容容器351を排出するときに稼働する機構の状態などを表す情報を含む。また、収穫機30が収穫機械を牽引する車両、例えばトラクターであるとき、稼働情報には、収穫機械に動力を伝達するときのPTO(power take-off)回転数、収穫機械の姿勢を示すヒッチ高さやリフトアーム角度などの情報が含まれてもよい。
【0062】
図6に示すステップS130において、収穫管理装置100の回収時刻決定部162は、収穫機30の稼働情報に基づき、収穫機30が収穫物群を圃場500に排出した時刻を推定する。また、回収時刻決定部162は、前述の方法により、回収装置40が収穫領域において最後に作物を回収した時刻を推定する。回収時刻決定部162は、回収装置40が圃場500から作物を回収した時刻の直前に収穫機30が収穫物群を排出した時刻を回収時刻として決定する。
【0063】
ステップS150において、未回収収量推定部163は、収穫機30の稼働情報に基づき、未回収収量を推定してもよい。例えば、稼働情報は、収穫機30が各位置において作物を収穫した収量を表す。この場合、未回収収量推定部163は、稼働情報に基づき、回収時刻以降において収穫機30が収穫した収量を推定する。例えば、未回収収量は、回収時刻以降における収穫機30の各位置に対する収量の合計を表してもよい。
【0064】
収穫管理装置100の回収時刻決定部162により決定される回収時刻や、収穫機30の位置が測定された時刻などは、各時刻の相対的な時間的位置を表せればよく、例えば任意の基準時刻からの経過時間により表されてもよい。
【0065】
以上において説明した実施の形態および変形例は一例であり、各実施の形態および変形例で説明した構成は、機能を阻害しない範囲で、任意に変更してもよく、または/および、任意に組み合わせてもよい。さらに、必要となる機能を実現できれば、実施の形態および変形例で説明した一部の機能を省略してもよい。例えば、収穫管理装置100の一部、または、すべての処理を端末200が実行してもよい。また、端末200の一部、または、すべての処理を収穫管理装置100が実行してもよい。収穫管理プログラム420は、表示プログラム430を含んでもよい。
【0066】
また、収穫管理システム1000は、未回収収量を推定することなく、収穫機30が収穫した収量をユーザに報知してもよい。この場合、回収時刻決定部162と、未回収収量推定部163とは省略されてもよい。また、収穫管理システム1000は、未回収収量のみを推定してもよい。この場合、収穫領域推定部150と、全体収量推定部161とは省略されてもよい。また、未回収収量推定部163は、回収収量のみを推定してもよい。
【0067】
また、収穫管理システム1000は、端末200を含まず、収穫管理システム1000に含まれない外部端末に、表示情報を表示させてもよい。
【0068】
収穫管理システム1000は、複数の収穫機30により収穫される1つ以上の収穫領域を推定してもよい。また、収穫管理システム1000は、複数の回収装置40の位置情報に基づき、各回収装置40が収穫された作物を回収した収穫領域を推定してもよい。
【0069】
(付記)
各実施の形態で記載した収穫管理方法と、収穫管理システムと、収穫管理プログラムとは以下のように言うことができる。
【0070】
第1の態様に係る収穫管理方法は、
圃場において作物を収穫する収穫機の位置に基づき、前記作物を収穫した収穫領域を推定することと、
前記収穫領域の面積と、前記圃場または前記作物の種類に応じた単収とに基づき、前記第1収穫領域における収量を推定することと、
を含む。
【0071】
第2の態様に係る収穫管理方法は、第1の態様に係る収穫管理方法であって、
前記収穫機の位置に基づき、前記収穫機の軌道を推定することと、
前記第1収穫領域における前記収穫機の軌道と、前記収量とを関連付けて表す画像を表示するための表示情報を出力することと、
を含む。
【0072】
第3の態様に係る収穫管理方法は、第1または第2の態様に係る収穫管理方法であって、
収穫された前記作物のうち、前記作物を回収する回収装置により回収されていない前記作物の未回収収量を推定すること
を含む。
【0073】
第4の態様に係る収穫管理方法は、第3の態様に係る収穫管理方法であって、
前記未回収収量を推定することは、
測定された時刻が回収時刻以降である前記収穫機の位置に基づき、前記回収時刻以降に収穫された未回収領域を推定することと、
前記未回収領域と、前記圃場または前記作物の種類に応じた単収とに基づき、前記回収時刻以降に収穫された収量を前記未回収収量として推定することと、
を含む。
【0074】
第5の態様に係る収穫管理方法は、第4の態様に係る収穫管理方法であって、
前記回収装置の位置から前記収穫機の位置までの距離が第1距離閾値以下である時間が第1時間閾値以上つづく回収期間のうち最も遅い時刻を前記回収時刻として決定すること
を含む。
【0075】
第6の態様に係る収穫管理方法は、第4の態様に係る収穫管理方法であって、
前記回収装置の位置から前記圃場または前記収穫領域までの距離が第2距離閾値以下である時間が第2時間閾値以上つづく回収期間のうち最も遅い時刻を前記回収時刻として決定すること
を含む。
【0076】
第7の態様に係る収穫管理方法は、第4の態様に係る収穫管理方法であって、
前記回収装置は、収穫された前記作物をまとめた収穫物群を回収し、
前記圃場において前記収穫物群を最後に回収した時刻以前であり、かつ、最後に前記収穫物群がまとめられた時刻を、前記回収時刻として決定すること
を含む。
【0077】
第8の態様に係る収穫管理方法は、第4から第7のいずれか1つの態様に係る収穫管理方法であって、
前記未回収領域と、前記未回収収量とを関連付けて表す画像を表示するための表示情報を出力すること
を含む。
【0078】
第9の態様に係る収穫管理方法は、第4から第7のいずれか1つの態様に係る収穫管理方法であって、
前記収穫機の位置に基づき、前記収穫機の軌道を推定することと、
前記未回収領域に含まれる前記収穫機の軌道と、前記未回収収量とを関連付けて表す画像を表示するための表示情報を出力することと、
を含む。
【0079】
第10の態様に係る収穫管理方法は、
圃場において収穫機により収穫された作物を回収装置が前記圃場から最後に回収した回収時刻を、前記回収装置の位置と、前記回収装置の位置が測定された時刻とに基づき決定することと、
前記回収時刻以降における前記収穫機の稼働情報または位置情報に基づき、前記回収時刻以降に収穫された未回収収量を推定することと、
を含む。
【0080】
第11の態様に係る収穫管理システムは、
圃場において作物を収穫する収穫機の位置に基づき、前記作物を収穫した収穫領域を推定する領域推定部と、
前記収穫領域の面積と、前記圃場または前記作物の種類に応じた単収とに基づき、前記収穫領域における収量を推定する全体収量推定部と、
を備える。
【0081】
第12の態様に係る収穫管理システムは、
圃場において収穫機により収穫された作物を回収装置が前記圃場から最後に回収した回収時刻を、前記回収装置の位置と、前記回収装置の位置が測定された時刻とに基づき決定する回収時刻決定部と、
前記回収時刻以降における前記収穫機の稼働情報または位置情報に基づき、前記回収時刻以降に収穫された未回収収量を推定する未回収収量推定部と、
を備える。
【0082】
第13の態様に係る収穫管理プログラムは、
圃場において作物を収穫する収穫機の位置に基づき、前記作物を収穫した収穫領域を推定することと、
前記収穫領域の面積と、前記圃場または前記作物の種類に応じた単収とに基づき、前記収穫領域における収量を推定することと、
を演算装置に実行させる。
【0083】
第14の態様に係る収穫管理プログラムは、
圃場において収穫機により収穫された作物を回収装置が前記圃場から最後に回収した回収時刻を、前記回収装置の位置と、前記回収装置の位置が測定された時刻とに基づき決定することと、
前記回収時刻以降における前記収穫機の稼働情報または位置情報に基づき、前記回収時刻以降に収穫された未回収収量を推定することと、
を演算装置に実行させる。
【符号の説明】
【0084】
1、2 :記憶媒体
20 :ネットワーク
30 :収穫機
40 :回収装置
100 :収穫管理装置
110 :入出力装置
120 :演算装置
130 :通信装置
140 :記憶装置
150 :収穫領域推定部
160 :収量推定部
161 :全体収量推定部
162 :回収時刻決定部
163 :未回収収量推定部
170 :出力部
200 :端末
210 :入出力装置
220 :演算装置
230 :通信装置
240 :記憶装置
250 :表示部
310 :引起し装置
320 :刈取装置
330 :搬送装置
340 :風選装置
350 :排出装置
351 :収容容器
410 :単収データ
420 :収穫管理プログラム
430 :表示プログラム
500 :圃場
600 :軌道
601 :回収軌道
602 :未回収軌道
610 :収穫機位置
650 :全体収量
651 :回収収量
652 :未回収収量
710 :回収装置位置
720 :距離
730 :距離
1000 :収穫管理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9