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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084390
(43)【公開日】2024-06-25
(54)【発明の名称】皮膚洗浄剤組成物。
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/25 20060101AFI20240618BHJP
   A61K 8/36 20060101ALI20240618BHJP
   A61K 8/9789 20170101ALI20240618BHJP
   A61K 8/96 20060101ALI20240618BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
A61K8/25
A61K8/36
A61K8/9789
A61K8/96
A61Q19/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022198638
(22)【出願日】2022-12-13
(71)【出願人】
【識別番号】306018376
【氏名又は名称】クラシエ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】仁木 舞子
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA021
4C083AA022
4C083AA111
4C083AA112
4C083AB032
4C083AB332
4C083AB441
4C083AB442
4C083AC241
4C083AC242
4C083AC392
4C083AC522
4C083AC532
4C083AC642
4C083AC662
4C083AC712
4C083AC782
4C083AD042
4C083AD132
4C083BB22
4C083BB23
4C083CC23
4C083DD23
4C083DD27
4C083EE06
(57)【要約】
【課題】
皮膚洗浄剤組成物に吸油性粉体が配合された場合であっても吸油性粉体が洗浄剤組成物中に均一に分散され、洗い流し後のすっきり感に優れた皮膚洗浄剤組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】
下記(A)及び(B)を含有することを特徴とする皮膚洗浄剤組成物により上記課題を解決する。好ましくは(A)がカオリン又は/及び海シルトであり、洗浄剤組成物が石鹸系である。
(A)吸油性粉体
(B)グレープフルーツ果実エキス
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(A)及び(B)を含有することを特徴とする皮膚洗浄剤組成物。
(A)吸油性粉体
(B)グレープフルーツ果実エキス
【請求項2】
前記(A)がカオリン又は/及び海シルトである請求項1に記載の皮膚洗浄剤組成物。
【請求項3】
洗浄剤組成物が石鹸系である請求項1又は2に記載の皮膚洗浄剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は皮膚洗浄剤組成物に関し、詳細には、洗い流し後のすっきり感に優れる皮膚洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、皮膚洗浄剤組成物は、さっぱり感を出すために石けんである脂肪酸カリウム塩を配合するなど検討されており、その剤型も固形状、液状、クリーム状など様々な形態で用いられている。
【0003】
このような皮膚洗浄剤組成物の中には、洗浄中の使用感や洗浄後のすっきり感をより高めるため、吸油性粉体が配合されているものもある。しかしながら、粉体は均一分散性に劣ることから、組成物中に安定に配合することが難しいといった問題がある。
【0004】
これまで、粉体を安定に配合する試みとしては、例えば、高級脂肪酸、ヒドロキシアパタイト、特定の共重合体又はクロスポリマー、両性界面活性剤の組み合わせや、高級脂肪酸塩、マイカ、タルクなどの吸油性粉体、IOB値が0.2以上0.7未満の非イオン性界面活性剤を組み合わせが提案されている(特許文献1、2)。しかしながら、これらの試みはクリーム状の剤型で液状の剤型には適用できず、また使用性が悪くなるという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010-260801号公報
【特許文献2】特開2012-167035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、皮膚洗浄剤組成物に吸油性粉体が配合された場合であっても吸油性粉体が洗浄剤組成物中に均一に分散され、洗い流し後のすっきり感に優れた皮膚洗浄剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明者は上記課題に対して鋭意検討した結果、洗浄剤組成物中に吸油性粉体とグレープフルーツ果実エキスを配合することにより、吸油性粉体が均一に分散し、洗い流し後のすっきり感が良好で、使用性にも優れた皮膚洗浄剤組成物を見出して、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
[1]
下記(A)及び(B)を含有することを特徴とする皮膚洗浄剤組成物である。
(A)吸油性粉体
(B)グレープフルーツ果実エキス
[2]
前記(A)がカオリン又は/及び海シルトである皮膚洗浄剤組成物である。
[3]
前記洗浄剤組成物が石鹸系である皮膚洗浄剤組成物である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、皮膚洗浄剤組成物に吸油性粉体が配合された場合であっても吸油性粉体が洗浄剤組成物中に均一に分散され、洗い流し後のすっきり感に優れ、さらに使用感も優れた皮膚洗浄剤組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の皮膚洗浄剤組成物について詳細に説明する。
【0011】
本発明の皮膚洗浄剤は、例えば、ボディソープ、洗顔フォーム、ハンドソープ等に用いることができる。また、皮膚洗浄剤の剤型は、公知の剤型の中から、その用途や使用目的等に応じて任意に選択することができる。例えば、液状、クリーム状、ゲル状、ペースト状等とすることができるが、本発明では特に液状剤型において効果を発揮する。ここで液状とは、30℃で粘度が4000mPa・s以下の剤型のものを意味する。
【0012】
本明細書において、「さっぱり感」とは、すすぎ時にぬるつきがない(きしみ)の感触を意味し、「すっきり感」とは、皮膚上の脂成分が除去されたときのような爽快感を意味する。また「石鹸系洗浄剤組成物」とは、高級脂肪酸塩からなる洗浄剤組成物である。
【0013】
<(A)成分>
本発明で用いられる(A)成分は吸油性粉体である。吸油性粉体は、吸油、吸湿、被覆などの目的で、洗浄剤や化粧品に用いられる。
【0014】
吸油性粉体として、カオリン又は海シルトが挙げられる。カオリンは、天然に産出する含水ケイ酸アルミニウムであり、白色~類白色の塊又は粉末である。一方、海シルトは海泥で、海底でとれる砂と粘土の中間程度の粗さの泥状のものである。これらは吸着剤やスクラブ剤として使用されることが知られている。本発明においては、皮膚への吸着性を有することから、皮脂や古い角質を吸着するため、洗い流し後のすっきり感を得ることができる。
【0015】
本発明の洗浄剤組成物において、(A)成分の配合量は、洗浄剤組成物全体質量中0.001質量%以上が好ましく、0.002質量%以上がさらに好ましい。0.001質量%以上であれば洗い流し後のすっきり感が良好となる。
【0016】
<(B)成分>
本発明に用いられる(B)成分は、グレープフルーツ果実エキスである。グレープフルーツ果実エキスは、グレープフルーツの果実から水、エタノール、BG、またはこれらの混液で抽出して得られる抽出物である。一般的に保湿剤や収斂剤として使われる。
【0017】
本発明において、(A)成分に加え(B)成分を配合することで、洗い流し後のすっきり感を全身で感じることができる。これは、(B)成分を配合することで、皮膚洗浄剤組成物の粘度が上がり、これにより(A)成分の吸油性粉体を長期間にわたって均一に分散させることができるためと推測される。
【0018】
本発明の洗浄剤組成物において、(B)成分の配合量は、洗浄剤組成物全体質量中0.0001質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がさらに好ましい。0.0001質量%以上であれば、洗い流し後のすっきり感が良好となる。また上限値は、洗浄剤組成物全体質量中1質量%以下が好ましく、0.1質量%がさらに好ましい。1質量%以下であれば、洗浄剤組成物の粘度高くなりすぎず使用性が良好となる。(B)成分は、増粘剤としても作用することから、洗浄剤組成物の粘度が1500mPa・s以上、更に好ましくは2000mPa・s以上になるように配合するのが好ましい。
【0019】
<洗浄基剤>
本発明の洗浄剤組成物の基剤は、石鹸系やアミノ酸系のいずれでもあってもよく、一般的に使用される成分を用いればよい。洗い流し後のすっきり感に加え、さっぱり感をも求める場合には石鹸系が好ましい。
【0020】
<石鹸系洗浄基剤>
石鹸系の洗浄剤組成物を用いる場合は、高級級脂肪酸塩及び/又はその塩である。これらの成分は、泡立ち、泡質(クリーミー性)、すすぎ時のきしみ感に寄与する成分として好ましい。
【0021】
高級脂肪酸として、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸等の炭素数12~22の高級脂肪酸;オリーブ油、綿実油等の植物性油脂;魚油、牛脂等の動物性油脂等が挙げられ、これらは、それぞれ1種単独で、又は二種以上を適宜組合せて用いることができる。本発明においては、洗浄力および起泡力の観点から、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸がより好ましく用いられる。
【0022】
高級脂肪酸塩としては、高級脂肪酸をアルカリ剤でケン化、又は中和した、アルカリ金属塩や有機アミン塩等が挙げられる。用いられるアルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機アルカリ、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の有機アルカリ等が挙げられる。本発明においては、起泡力の観点から、無機アルカリを用いることが好ましく、水酸化カリウムがより好ましく用いられる。
【0023】
<アミノ酸系洗浄基剤>
アミノ酸系の洗浄剤組成物を用いる場合は、N-アシルアスパラギン酸及びその塩やN-アシルメチルタウリン酸及びその塩などがある。これらの成分は、皮膚への刺激性を低減させる成分として好ましい。具体的には、ラウロイルアスパラギン酸Na、ラウロイルメチルタウリンMgらが用いられる。
【0024】
本発明の洗浄剤組成物において、洗浄基剤の配合量は、洗浄剤組成物全体質量中17~55質量%が好ましく、より好ましくは20~30質量%である。17質量%以上であれば泡立ち、泡質が良好となり、55質量%以下であれば使用性が良好となり洗い流し時にギシギシしてしまうのが軽減される。
【0025】
<その他の成分>
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、上述した成分の他に、本発明の目的を損なわない範囲で他の成分、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤、水溶性高分子化合物、生理活性成分、酸化防止剤、金属イオン封鎖剤、防腐剤、紫外線吸収剤、香料、保湿剤、塩類、溶媒、中和剤、昆虫忌避剤、酵素等の成分を適宜配合することができる。
【0026】
上記アニオン性界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、例えばN-ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム、N-ヤシ油脂肪酸アシルグリシンナトリウム、N-パーム核油脂肪酸アシルグリシンアンモニウム、N-ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸カリウム、N-ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸トリエタノールアミン、N-ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、N-ラウロイルグルタミン酸トリエタノールアミン、N-ラウロイルアラニンナトリウム、N-ステアロイルアラニンナトリウム、ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム、α-ラウロイルスルホン酸ナトリウム、ミリストイルアリルスルホン酸ナトリウム、ラウリルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミ
ン、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸アミドエーテル硫酸カリウム等が挙げられ、適宜一種又は二種以上選択して用いればよい。
【0027】
上記両性界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、例えばラウリン酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、β-アミノプロピオン酸ナトリウム、N-ラウロイル-N’-カルボキシメチル-N’-ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられ、適宜一種又は二種以上選択して用いればよい。
【0028】
上記ノニオン界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、例えばモノステアリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンラウリン酸ソルビタン、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、デシルグルコシド、ラウリルグルコシド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンモノイソステアレート、ポリオキシエチレンジオレイン酸グリセリル、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸N-メチルエタノールアミド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、ポリグリセリルモノアルキルエーテル等が挙げられ、適宜一種又は二種以上選択して用いればよい。
【0029】
上記水溶性高分子としては、特に限定されるものではないが、例えばヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、高重合ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリグルタミン酸、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸、キサンタンガム、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸アルキル共重合体、カチオン化セルロース、カチオン化グァーガム、カチオン化フェヌグリークガム、カチオン化ローカストビーンガム、カチオン化タラガム、カチオン化ガラクトマンナン、アクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル・ポリオキシエチレン共重合体、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、及びアクリルアミド・アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体等が挙げられ、適宜一種又は二種以上選択して用いればよい。
【0030】
上記生理活性成分としては、皮膚に塗布した場合に皮膚に何らかの生理活性を与える物質が挙げられる。例えば、抗炎症剤、老化防止剤、紫外線防御剤、ひきしめ剤、抗酸化剤、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン類、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、酵素成分等が挙げられる。上記生理活性成分は、天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分や、化合物等が挙げられるが、これらの中でも、特に天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分が安全性の点で好ましい。
【0031】
上記天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分の例としては、例えばアシタバエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アロエエキス、アンズエキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オトギリソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カキョクエキス、キウイエキス、キューカンバーエキス、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クロレラエキス、クワエキス、紅茶エキス、酵母エキス、コラーゲン、サルビアエキス
、サボンソウエキス、サンザシエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シャクヤクエキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウニンエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ビワエキス、ブクリョウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ホップエキス、マドンナリリー花エキス、マロニエエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズマリーエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。
【0032】
また、上記天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分以外の成分としては、例えばデオキシリボ核酸、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜などの生体高分子、アミノ酸、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイなどの保湿成分、スフィンゴ脂質、セラミド、コレステロール、コレステロール誘導体、リン脂質などの油性成分、ε-アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β-グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン等の抗炎症剤、ビタミン類(A、B2、B6、C、D、E)、パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、ビタミンCエステル等のビタミン類、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、4-アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分、トコフェロール、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン等の抗酸化剤、α-ヒドロキシ酸、β-ヒドロキシ酸などの細胞賦活剤、γ-オリザノール、ビタミンE誘導体などの血行促進剤、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、ヒノキチオール、塩化ベンザルコニウム等の殺菌剤、l-メントール、ハッカ油等の冷感剤、レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤等が挙げられる。
【実施例0033】
次に本発明について実施例をもって詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。実施例に先立ち、各実施例で採用した試験法、評価法を説明する。
【0034】
(1)洗い流し後のすっきり感試験法
10名の専門パネルにより、実施例及び比較例の皮膚洗浄剤組成物を使用し、洗い流し後のすっきり感について官能評価した。尚、官能評価の平均値をスコアとする。
5:洗浄部分全体が、皮脂成分が完全に除去され非常にすっきりしている
4:洗浄部分全体が、皮脂成分が除去されすっきりしている
3:どちらともいえない
2:洗浄部分全体が、皮脂成分が除去されずすっきりしない
1:洗浄部分全体が、皮脂成分が除去されず全くすっきりしない
【0035】
(2)洗い流し時のさっぱり感試験法
10名の専門パネルにより、実施例及び比較例の皮膚洗浄剤組成物を使用し、洗い流し時のさっぱり感について官能評価した。尚、官能評価の平均値をスコアとする。
5:洗い流し時に洗浄部分全体が、ぬるつきがなく非常にさっぱりしている
4:洗い流し時に洗浄部分全体が、ぬるつきがなくさっぱりしている
3:どちらともいえない
2:洗い流し時に洗浄部分全体が、ぬるつきがありさっぱりしない
1:洗い流し時に洗浄部分全体が、ぬるつきがあり全くさっぱりしない
【0036】
(1)すっきり感試験及び(2)さっぱり感試験における10名の専門パネルのスコア平均値を次の基準で分類した。
◎:極めて良好 (平均値が4.5点以上)
○:良好 (平均値が3.5点以上、4.5点未満)
△:やや悪い (平均値が2.5点以上、3.5点未満)
×:悪い (平均値が2.5点未満)
【0037】
(3)粘度
実施例及び比較例に記載の試料をブルックフィールド型粘度計において30℃の粘度を測定した。
【0038】
実施例及び比較例
表1~3に示す組成のボディシャンプー組成物を調製し、25±3℃の常温下で15日間静置保管した。その後、これらの試料を2g手に取り、パネリストの左右いずれかの前腕部に塗布し20秒間擦った後、ぬるま湯で洗い流した。その後、前記(1)~(3)の試験を行い、その結果を表1、2に示した。なお、以下の全ての実施例及び比較例における配合量は全て質量%である。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
表1~3より明らかなように、本発明の成分を用いた実施例のボディシャンプー組成物は、比較例の組成物に比べていずれも優れた性能を見出した。
【0043】
(4)吸油性粉体の沈殿試験
実施例3及び比較例5の試料を調製後、吸油性粉体の沈殿がないことを確認の上、25±3℃の常温下で静置保管し、7日目及び30日目の沈殿状態を目視で確認した。その結
果、比較例1の試料は7日目にわずかな沈殿が認められ、30日目には沈殿量が更に増えていた。しかし、実施例1の試料は30日目においても沈殿は認められなかった。
【0044】
以下、本発明の皮膚洗浄剤組成物のその他の処方例を挙げる。なお、これらの処方例の皮膚洗浄剤組成物についても、上記の洗い流し後のすっきり感、洗い流し時のさっぱり感、粘度の各項目を検討した。
【0045】
処方例1 ボディシャンプー (質量%)
(1)ラウリン酸 7.0
(2)ミリスチン酸 6.0
(3)パルミチン酸 4.0
(4)ステアリン酸 1.0
(5)水酸化カリウム 5.0
(6)DPG 4.0
(7)パーム核脂肪酸アミドプロピルベタイン 1.0
(8)ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム(2E.O) 1.0
(9)ラウロイルサルコシントリエタノールアミン 0.3
(10)ジステアリン酸グリコール 2.0
(11)塩化カリウム 0.2
(12)塩化ナトリウム 0.2
(13)塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体 1.0
(14)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド 2.0
(15)海シルト 0.01
(16)カオリン 0.01
(17)グレープフルーツ果実エキス 1.0
(18)エデト酸二ナトリウム 0.1
(19)香料 0.5
(20)精製水 残 余
【0046】
常法により上記組成の石けん系ボディシャンプーを調製し、洗い流し後のすっきり感、洗い流し時のさっぱり感、粘度を評価したところ、いずれの特性も優れており良好な結果を得た。
【0047】
処方例2 ボディシャンプー (質量%)
(1)ラウリン酸 10.0
(2)ミリスチン酸 5.0
(3)パルミチン酸 4.0
(4)ステアリン酸 1.0
(5)水酸化カリウム 5.0
(6)DPG 4.0
(7)パーム核脂肪酸アミドプロピルベタイン 1.0
(8)ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム(2E.O) 1.0
(9)ラウロイルサルコシントリエタノールアミン 0.3
(10)ジステアリン酸グリコール 2.0
(11)塩化カリウム 0.2
(12)塩化ナトリウム 0.2
(13)塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体 1.0
(14)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド 2.0
(15)海シルト 0.005
(16)カオリン 0.005
(17)グレープフルーツ果実エキス 1.0
(18)N-アセチルグルコサミン 0.1
(19)ポリクオタニウム-7 1.0
(20)エデト酸二ナトリウム 0.1
(21)香料 0.5
(22)精製水 残 余
【0048】
常法により上記組成の石けん系ボディシャンプーを調製し、洗い流し後のすっきり感、洗い流し時のさっぱり感、粘度を評価したところ、いずれの特性も優れており良好な結果を得た。