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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084400
(43)【公開日】2024-06-25
(54)【発明の名称】排紙装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 31/30 20060101AFI20240618BHJP
   B65H 31/04 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
B65H31/30
B65H31/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022198654
(22)【出願日】2022-12-13
(71)【出願人】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 正行
(72)【発明者】
【氏名】工藤 芳弘
(72)【発明者】
【氏名】滝 仁
【テーマコード(参考)】
3F054
【Fターム(参考)】
3F054AA01
3F054AB01
3F054AC01
3F054BA02
3F054BD02
3F054BJ02
(57)【要約】
【課題】印刷装置の大容量排紙部から排紙され、台車1に積載された用紙束を積み替える際における作業者の負担を軽減することが可能な排紙装置を提供する。
【解決手段】ガイド棒14、ガイド棒14に沿って昇降可能な排紙台15、及び排紙台15をガイド棒14に固定するクランパ16を有する台車1と、排紙台15を昇降させるリフト機構2とを備える。クランパ16、台車1の移動により排紙台15がリフト機構2から離間すると、排紙台15をガイド棒14に固定する。排紙台15を高い位置でガイド棒14に固定することにより、用紙束Q1が高い位置のまま台車1を移動させることができる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガイド棒、前記ガイド棒に沿って昇降可能な排紙台、及び前記排紙台を前記ガイド棒に固定するロック機構を有する台車と、
前記排紙台を昇降させるリフト機構と、
を備え、
前記ロック機構は、前記台車の移動により前記排紙台が前記リフト機構から離間すると、前記排紙台を前記ガイド棒に固定する
排紙装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排紙装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多数枚の用紙を高速で印刷する印刷装置の大容量排紙部には、印刷後の用紙が積載された用紙束を装置外に取り出すために、搬送用の台車が搭載されている(特許文献1参照)。このような印刷装置においては、作業者は印刷終了後に印刷装置から台車を取り出して、大量の用紙束を積み替える作業を行う必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-37485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、台車に積載された大量の用紙束は低い位置に置かれているため、作業者は前屈みになって用紙束を持ち上げることとなり、大きな負担となっている。例えば、A3用紙が4000枚重なった用紙束では、積載した用紙束の最上面は台車の底面から500[mm]程度の高さで、重量が40[Kg]程度となり、これを低い位置から持ち上げることは作業者にとって重労働となっている。
【0005】
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、印刷装置の大容量排紙部から排紙され、台車に積載された用紙束を積み替える際における作業者の負担を軽減することが可能な排紙装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本願発明に係る排紙装置は、ガイド棒、前記ガイド棒に沿って昇降可能な排紙台、及び前記排紙台を前記ガイド棒に固定するロック機構を有する台車と、前記排紙台を昇降させるリフト機構と、を備え、前記ロック機構は、前記台車の移動により前記排紙台が前記リフト機構から離間すると、前記排紙台を前記ガイド棒に固定する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、台車に積載された用紙束を積み替える際における作業者の負担を軽減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る排紙装置の構成を模式的に示す説明図である。
図2図2は、リフト機構の概略構成を示す斜視図である。
図3図3は、台車の排紙台の下方に設置されたクランパの詳細な構成を示す説明図であり、台車がリフト機構の所定位置にセットされていないときの様子を示す。
図4図4は、台車の排紙台の下方に設置されたクランパの詳細な構成を示す説明図であり、台車がリフト機構の所定位置にセットされているときの様子を示す。
図5図5は、排紙台に印刷済みの用紙が積載され、リフターが下降している様子を示す説明図である。
図6図6は、用紙の積載が終了し、リフターが上昇した様子を示す説明図である。
図7図7は、リフターを下降させた状態で台車を用紙の積載位置に移動させる様子を示す説明図であり、(a)は台車移動前、(b)は台車移動後を示す。
図8図8は、リフターを所定の高さに設定した状態で台車を用紙の積算位置に移動させる様子を示す説明図であり、(a)は台車移動前、(b)は台車移動後を示す。
図9図9は、リフターにより上昇した排紙台上に積載された用紙束を、操作者が持ち上げる様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、部材ないし部分の縦横の寸法や縮尺は実際のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法や縮尺は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0010】
図1は、実施形態に係る排紙装置の構成を模式的に示す説明図である。実施形態に係る排紙装置100は、印刷装置200の下流側に設けられ、該印刷装置200にて印刷された用紙を積載して排紙する。図1に示すように、排紙装置100は、台車1と、リフト機構2を備えている。
【0011】
台車1は、底板11と、該底板11の下面に搭載された車輪12と、底板11の側辺部から上部に立設された手押し部13、を備えている。操作者は手押し部13を握って押すことにより、床面に接している車輪12が転動して、台車1を所望の方向に移動させることができる。
【0012】
台車1の底板11の側辺部には、2本のガイド棒14が立設されている。なお、ガイド棒14は、紙面に直交する方向に2本立設されており、図1では1本のガイド棒14のみを記載している。ガイド棒14には、該ガイド棒14に連結されて上下方向に摺動可能な排紙台15が設けられている。即ち、排紙台15は、ガイド棒14に沿って摺動することにより昇降可能とされている。
【0013】
排紙台15は、底板11と平行に配置された平板形状を有しており、排紙装置100の上流側に設置された印刷装置200で印刷された用紙を積載する。排紙台15とガイド棒14との接続部の下方には、排紙台15の昇降をロックするクランパ16(後述する図3図4参照)が設置されている。クランパ16は、排紙台15をガイド棒14に固定するロック機構としての機能を備えている。クランパ16の詳細については後述する。
【0014】
図2は、リフト機構2の概略構成を示す斜視図である。リフト機構2は、台車1の側部近傍に設けられ、例えば床面に固定して設置されている。
【0015】
リフト機構2は、鉛直方向に立設された2本の支柱21と、該支柱21に係合して上下方向にスライド移動可能なリフター22を備えている。
【0016】
リフター22は、2本の支柱21に係合して上下方向に摺動する摺動部22Aと、摺動部22Aに接続され水平方向を向くように配置された長尺平板形状の昇降板22Bを備えている。昇降板22Bの先端部には、突起部pが設けられている。突起部pは、台車1がリフター22の下方に置かれたときに、クランパ16のクランプレバー16C(後述する図3図4参照)と接触してクランパによるロックを解除する。クランプレバー16Cの詳細については後述する。
【0017】
リフター22には図示省略の電動モータが接続されており、該電動モータを制御することにより、支柱21に沿って上下方向に移動させることができる。従って、台車1を移動させて所定位置にセットし、且つ、排紙台15がリフター22の上面側に位置するようにし、この状態で図示省略の電動モータを駆動させてリフター22を上昇させることにより、図1に示すように、排紙台15を上方に移動させることができる。「所定位置」とは、印刷装置200から排紙された印刷済みの用紙を排紙台15に積載する位置である。
【0018】
即ち、台車1がリフト機構2の所定位置にセットされているときにリフター22を昇降させることにより、排紙台15を任意の高さに昇降させることができる。
【0019】
図3は、台車1の排紙台15の下方に設置されたクランパ16の詳細な構成を示す説明図であり、台車1がリフト機構2の所定位置にセットされていないときの様子を示す。図3に示すようにクランパ16は円筒部16A、バネ16B、及びクランプレバー16Cを備えている。
【0020】
円筒部16A、バネ16B、及びクランプレバー16Cの内部にはガイド棒14が挿通している。即ち、クランパ16はガイド棒14に沿って昇降可能である。
【0021】
クランプレバー16Cは、バネ16Bの付勢力により下方に押圧されている。クランプレバー16Cは、下方に押圧されることによりブレーキが作動する。クランプレバー16Cが作動することによりクランパ16がロックされ、ひいては排紙台15の昇降が阻止される。即ち、台車1がリフト機構2の所定位置にセットされていない状態においては、排紙台15がガイド棒14に固定される。
【0022】
図4は、台車1がリフト機構2の所定位置にセットされたときの様子を示す説明図である。図4に示すように、台車1がリフト機構2の所定位置にセットされ、昇降板22Bが上昇すると、昇降板22Bの先端部に形成された突起部pがクランプレバー16Cに接触して該クランプレバー16Cを上方に押圧する。このため、クランプレバー16Cによるロックが解除されて排紙台15は昇降可能になる。
【0023】
即ち、台車1がリフト機構2の所定位置にセットされた状態においては、排紙台15がガイド棒14に沿って昇降可能な状態となる。
【0024】
次に、上述ように構成された本実施形態に係る排紙装置100の動作について説明する。初めに、図1に示したように台車1をリフト機構2の所定位置にセットし、更に、リフト機構2のリフター22を上方に移動させる。リフター22が上昇することにより排紙台15は上昇する。排紙台15を印刷装置200による用紙の排紙高さL1に設定する。
【0025】
より詳細に説明すると、図7(a)に示すようにリフター22を下降させた状態で台車1をリフト機構2の方向に移動させて台車1をリフト機構2の所定位置にセットする。この状態で図7(b)に示すようにリフター22を上昇させて、排紙台15を印刷装置200による用紙の排紙高さL1に設定する。
【0026】
また他の例として、図8(a)に示すように排紙台15の下方に収容部17を設置し、この収容部17内にリフター22(図2に示す昇降板22B)を挿入する構成としてもよい。このような構成とすることにより、図8(b)に示すようにリフター22を昇降させると、これに連動して排紙台15を昇降させることができる。
【0027】
印刷装置200による印刷が実施されると、排紙された印刷済みの用紙が排紙台15上に積載されるので、図5に示すように積載した用紙束の上面が排紙高さL1となるようにリフター22を徐々に下降させる。
【0028】
印刷が終了すると、リフター22を駆動する電動モータを制御してリフター22を上昇させる。この際、図6に示すように排紙台15上に積載された用紙束の上面が印刷装置200の排紙スペースの上限付近となるまで上昇させる。具体的には、排紙高さL1から距離X1だけ高い位置まで上昇させる。
【0029】
この状態で操作者が印刷済みの用紙束を取り出すために台車1を移動させると、クランプレバー16Cと突起部pとの係合が解除される。即ち、図4に示したように、突起部pがクランプレバー16Cに係合してクランパ16がロックされている状態から、図3に示したように、突起部pがクランプレバー16Cから離れることにより、クランパ16がロックされる。
【0030】
このため、排紙台15はガイド棒14に固定されて昇降が阻止され、排紙台15の高さが維持されたまま台車1を移動させることができる。その結果、図9に示すように、操作者は、用紙束Q1を前屈みにならずに容易に持ち上げて移動させることができる。
【0031】
このように、本実施形態に係る排紙装置100は、ガイド棒14、ガイド棒14に沿って昇降可能な排紙台15、及び排紙台15をガイド棒14に固定するクランパ16(ロック機構)を有する台車1と、排紙台15を昇降させるリフト機構2と、を備え、クランパ16、台車1の移動により排紙台15がリフト機構2から離間すると、排紙台15をガイド棒14に固定する。
【0032】
本実施形態に係る排紙装置100では、多数枚の印刷用紙を台車1の排紙台15に積載した場合に、印刷装置200による印刷終了時において、排紙台15を上昇させることにより、用紙束Q1を高い位置に固定させた状態を維持して移動させることができる。
【0033】
このため、図9に示したように操作者は台車1の排紙台15に積載されている用紙束Q1を持ち上げる際に、前屈みになることなく無理のない姿勢で用紙束Q1を持ち上げて移動させることができる。即ち、台車1上の排紙台15の高さ位置を調整して排紙台15上の用紙束Q1を積み替える作業者の負担を軽減することが可能になる。
【0034】
また、リフター22の昇降を制御するという簡単な構成であり、低コスト化を図ることが可能である。
【0035】
また、本発明は、上述の実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階でその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上述の実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素を適宜組み合わせても良い。このような、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることはもちろんである。以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0036】
[付記1]
ガイド棒、前記ガイド棒に沿って昇降可能な排紙台、及び前記排紙台を前記ガイド棒に固定するロック機構を有する台車と、
前記排紙台を昇降させるリフト機構と、
を備え、
前記ロック機構は、前記台車の移動により前記排紙台が前記リフト機構から離間すると、前記排紙台を前記ガイド棒に固定する
排紙装置。
【符号の説明】
【0037】
1 台車
2 リフト機構
11 底板
12 車輪
13 手押し部
14 ガイド棒
15 排紙台
16 クランパ
16A 円筒部
16B バネ
16C クランプレバー
17 収容部
21 支柱
22 リフター
22A 摺動部
22B 昇降板
100 排紙装置
200 印刷装置
p 突起部
Q1 用紙束
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9