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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084413
(43)【公開日】2024-06-25
(54)【発明の名称】草刈刃及び草刈機
(51)【国際特許分類】
   A01D 34/535 20060101AFI20240618BHJP
   A01D 34/43 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
A01D34/535
A01D34/43
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022198675
(22)【出願日】2022-12-13
(71)【出願人】
【識別番号】390010836
【氏名又は名称】小橋工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】宝蔵 伸行
(72)【発明者】
【氏名】藤原 伸明
【テーマコード(参考)】
2B083
【Fターム(参考)】
2B083AA01
2B083BA06
2B083BA12
2B083BA16
2B083CA09
2B083CA30
2B083DA02
2B083HA05
2B083KA04
(57)【要約】
【課題】高い強度を保ちつつ、小石等が当たった場合、小石等が飛ぶ方向を適切に制御できるとともに、草刈刃への衝撃を緩和できる草刈刃及び草刈刃を装着した草刈機を提供することを課題とする。
【解決手段】取付部と刃先を有する草刈刃であって、前記取付部は平板状であって、取付孔 が形成されており、前記取付部と前記刃先との間に曲げられるとともにひねられた形状があることを特徴とする草刈刃、前記草刈刃が取付けられた回転軸を有する草刈機であって、前記回転軸には同じ向きにひねられた複数の前記草刈刃のみが取付けられていることを特徴とする草刈機及び前記草刈刃が取付けられた回転軸を有する草刈機であって、前記回転軸には複数の突設部が設置されており、前記突設部は、シャックルのピンを前記回転軸の軸方向に平行に支持し、前記突設部に支持された前記シャックルの本体に前記取付孔が取付けられていることを特徴とする草刈機。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付部と刃先を有する草刈刃であって、
前記取付部は平板状であって、取付孔が形成されており、
前記取付部と前記刃先との間に曲げられるとともにひねられた形状があることを特徴とする草刈刃。
【請求項2】
前記取付部は前記刃先の延在方向に直交する線上に位置することを特徴とする請求項1に記載された草刈刃。
【請求項3】
前記取付部が前記刃先の延在方向に対して略70°~90°になるようにひねられた形状であることを特徴とする請求項1に記載された草刈刃。
【請求項4】
前記取付部から前記刃先に向かうにつれて幅が広くなる形状であることを特徴とする請求項1に記載された草刈刃。
【請求項5】
請求項1~4の何れか1項に記載された草刈刃の前記取付孔がシャックルの本体に取り付けられていることを特徴とするシャックル付き草刈刃。
【請求項6】
請求項1~4の何れか1項に記載された草刈刃が取り付けられた回転軸を有する草刈機であって、
前記回転軸には、前記取付部が前記刃先に対して同じ向きにひねられた複数の前記草刈刃のみが取り付けられていることを特徴とする草刈機。
【請求項7】
前記草刈機は、走行車体にその側方にオフセットできるように連結され、
前記草刈刃は、前記オフセットする方向にひねられた形状であることを特徴とする請求項6に記載された草刈機。
【請求項8】
請求項1~4の何れか1項に記載された草刈刃が取り付けられた回転軸を有する草刈機であって、
前記回転軸の、走行車体の進行方向に向かって左側半分と右側半分には、それぞれ、前記取付部が前記刃先に対して同じ向きにひねられた複数の前記草刈刃のみが取り付けられており、
前記左側半分と前記右側半分に取り付けられた前記草刈刃は、互いに異なる向きにひねられていることを特徴とする草刈機。
【請求項9】
前記左側半分に取り付けられた前記草刈刃は、前記取付部が前記刃先に対して左にひねられた形状であり、
前記右側半分に取り付けられた前記草刈刃は、前記取付部が前記刃先に対して右にひねられた形状であることを特徴とする請求項8に記載された草刈機。
【請求項10】
請求項1~4の何れか1項に記載された草刈刃が取り付けられた回転軸を有する草刈機であって、
前記回転軸には複数の突設部が設置されており、
前記突設部は、シャックルのピンを前記回転軸の軸方向に平行に支持し、
前記突設部に支持された前記シャックルの本体に前記取付孔が取り付けられていることを特徴とする草刈機。
【請求項11】
前記回転軸には、前記取付部が前記刃先に対して同じ向きにひねられた複数の前記草刈刃のみが取り付けられていることを特徴とする請求項10に記載された草刈機。
【請求項12】
前記回転軸の、走行車体の進行方向に向かって左側半分と右側半分には、それぞれ、前記取付部が前記刃先に対して同じ向きにひねられた複数の前記草刈刃のみが取り付けられており、
前記左側半分と前記右側半分に取り付けられた前記草刈刃は、互いに異なる向きにひねられていることを特徴とする請求項10に記載された草刈機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、草刈刃及び草刈刃を装着した草刈機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、進行方向に対して直交する水平軸にフレール刃を装着し、フレール刃とともに水平軸を回転させて、フレール刃により雑草等をたたき切る構造のフレールモアが知られている。(特許文献1参照)
従来のフレール刃は、形状が逆Y字形状であるため、刃先が草に均一な高さで当たらず、草刈性能が低い。そのため、刃先が草に均一の高さで当たる草刈刃が提案されている。このような草刈刃では、刃先は回転方向前方(水平軸下方に位置したときは、進行方向)を向いているのに対して、水平軸に平行に取り付けられた取付軸に取り付けるために、草刈刃の取付部は横方向を向いている必要があるため、刃先と取付部をつなぐ形状として、以下のようなものが知られている。
例えば、板状の草刈刃の取付部を刃先に対して90°ひねったもの(特許文献2、特許文献3参照)、図14に示されるような板状の草刈刃の取付部を刃先に直交する線で折りたたんで形成したものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-64536号公報
【特許文献2】特開平7-8069号公報
【特許文献3】特開2009-268444号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
板状の草刈刃の取付部を刃先に対して90°ひねった草刈刃3のうち、取付部近傍のみをひねった形状(特許文献2)では、草刈刃の大部分が回転方向前方を向いた面となっているので、小石などが当たった場合、概ね進行方向に飛ばされて、カバーに衝突したり、カバーの下部の隙間から前方に飛んで、走行車体などに衝突したりすることがある。この飛んできた小石などにより走行車体が損傷するという問題がある。また、刃先付近のみをひねった形状(特許文献3)では、小石などが回転方向後方に抜けて、回転方向後方の他の草刈刃に再び衝突することがあり、草刈刃の損傷につながることがある。
【0005】
また、取付部を折りたたんだ形状のものも、草刈刃の形状により、小石などが当たった場合、概ね進行方向に飛ばされ、飛ばされた小石などが走行車体などに衝突することがある。また、折りたたみ加工が必要であり、曲げ加工を容易にするために、草刈刃の厚さを薄くする必要があるから、強度が弱く、破損しやすいという問題がある。
【0006】
また、これら従来の草刈刃は、水平軸に平行に取り付けられた取付軸に取り付けられており、小石などが当たった場合、回転方向後方に揺動することにより回転方向には逃げることができるが、左右方向にはほとんど揺動することができないので、小石などが当たった場所によっては、十分に逃げることができない。これにより、小石などが当たった場合の草刈刃への衝撃を十分に緩和することができないという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題を解決し、高い強度を保ちつつ、小石などが当たった場合、小石などが飛ぶ方向を適切に制御できるとともに、草刈刃への衝撃を緩和できる草刈刃及び草刈刃を装着した草刈機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような課題を解決するために、本発明は、以下の構成を具備するものである。
取付部と刃先を有する草刈刃であって、
前記取付部は平板状であって、取付孔が形成されており、
前記取付部と前記刃先との間に曲げられるとともにひねられた形状があることを特徴とする草刈刃。
【0009】
また、本発明は、以下の構成を具備するものである。
前記草刈刃が取り付けられた回転軸を有する草刈機であって、
前記回転軸には、前記取付部が前記刃先に対して同じ向きにひねられた複数の前記草刈刃のみが取り付けられていることを特徴とする草刈機。
【0010】
前記草刈刃が取り付けられた回転軸を有する草刈機であって、
前記回転軸には複数の突設部が設置されており、
前記突設部は、シャックルのピンを前記回転軸の軸方向に平行に支持し、
前記突設部に支持された前記シャックルの本体に前記取付孔が取り付けられていることを特徴とする草刈機。
【発明の効果】
【0011】
取付部と刃先との間に曲げられるとともにひねられた形状がある、回転軸に同じ向きにひねられた複数の草刈刃のみを取り付ける、回転軸に設置した複数の突設部にシャックルを介して草刈刃を装着することにより、高い強度を保ちつつ、小石などが当たった場合、小石などが飛ぶ方向を適切に制御できるとともに、草刈刃への衝撃を緩和できる草刈刃及び草刈刃を装着した草刈機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態の草刈機1の作業部14の格納状態での図である。
図2】本発明の実施形態の草刈機1の作業部14の最大オフセット状態での図であり、水平面作業時の状態を示す図である。
図3】本発明の実施形態の草刈機1の作業部14の最大オフセット状態での図であり、(a)下向きの法面作業時の状態、(b)は上向きの法面作業時の状態を示す図である。
図4】本発明の実施形態の草刈機1の作業部14を左方にオフセットできるようにした変形例の図である。
図5】本発明の実施形態の右ひねりの草刈刃3の図であり、(a)は加工前の図、(b)右ひねり加工後の図である。
図6図5(b)に示した右ひねりの草刈刃3の六面図及び4方向からの斜視図である。
図7】本発明の実施形態のひねり位置をずらした右ひねりの草刈刃3の六面図及び4方向からの斜視図である。
図8】本発明の実施形態の80°ひねられた右ひねりの草刈刃3の六面図及び4方向からの斜視図である。
図9】本発明の実施形態の左ひねりの草刈刃3の図である。
図10】本発明の実施形態の端部でひねられた右ひねりの草刈刃3の図である。
図11】本発明の実施形態の端部でひねられた左ひねりの草刈刃3の図である。
図12】本発明の実施形態の、端部でひねられた右ひねりの草刈刃3と左ひねりの草刈刃3を組み合わせた一対の草刈刃の図であり、(a)は2つの草刈刃3がそろった状態の図、(b)は2つの草刈刃3がずれた状態の図である。
図13】本発明の実施形態の草刈機1の作業部14の図であり、(a)及び(b)は右ひねりの草刈刃を装着した場合、(c)は右半分に右ひねりの草刈刃を、左半分に左ひねりの草刈刃を装着した場合の図である。
図14】従来の草刈刃の図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、トラクタ等の走行車体の後方に連結して、走行車体から伝達された動力により、水平面、傾斜面(法面等)の雑草等を刈り取る草刈機であって、進行方向に直交し、左右に延びる回転軸を有する。この回転軸に草刈刃を装着して、この回転軸を走行車体から伝達された動力により回転して草刈刃を回転させ、この回転する草刈刃により雑草等をたたき切る形式の草刈機及びこの草刈機に使用される草刈刃である。
【0014】
[実施形態]
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態の草刈機1及び草刈刃3を説明する。
以下の説明で、異なる図における同一符号は同一機能の部位を示しており、各図における重複説明は適宜省略する。
また、説明の便宜上、上方、下方、前方、後方、右方、左方といった方向を示す語句を用いるが、重力の働く方向が下方であり、その逆が上方である。また、走行車体2の進行する方向が前方であり、その逆が後方である。さらに、前方に向かって、右側が右方であり、左側が左方である。
【0015】
[全体構造]
図1は、本発明の実施形態の草刈機1の作業部14の格納状態での図であり、(a)は上方から見た図、(b)は左方から見た図、(c)後方から見た図である。
図2は、本発明の実施形態の草刈機1の作業部14の最大オフセット状態での図であり、水平面作業時の状態を示す図である。そして、(a)は上方から見た図、(b)は左方から見た図、(c)後方から見た図である。
図3は、本発明の実施形態の草刈機1の作業部14の最大オフセット状態での後方から見た図であり、(a)下向きの法面作業時の状態、(b)は上向きの法面作業時の状態を示す図である。
【0016】
図1、2に示すように、本実施形態における草刈機1は、装着部11、オフセット機構部12、動力伝達部13、作業部14、回動機構部15及び回転部16を備えている。
草刈機1は、トラクタ等の走行車体2に対して装着部11により連結される。装着部11と作業部14とは、オフセット機構部12、動力伝達部13、回転部16及び回動機構部15を介して連結される。これにより、走行車体2の走行に従って草刈機1が前進し、作業部14による草刈作業が行われる。オフセット機構部12と作業部14とは、回転部16及び回動機構部15を介して接続され、作業部14は、オフセット機構部12に対して、回転部16を中心に回転可能である。
【0017】
作業部14は、後述するように、オフセット機構部12の動作により、図1に示されるような走行車体2の後方に配置された状態(格納状態)から、図2に示されるような走行車体2の右側方にオフセットされた状態(最大オフセット状態)に移動可能である。そのため、オフセット機構部12、動力伝達部13、回転部16及び回動機構部15は、後述する作業部14のロータカバー142の上方かつ左方に設けられている。なお、図1に示されるような格納状態から図2に示される最大オフセット状態の間のどの位置でも草刈作業を行うことができる。
なお、図1に示されるような格納状態から図2に示される最大オフセット状態の間のどの位置でも草刈作業を行うことに限定されず、特定の範囲や特定の位置でのみ草刈作業を行うことができるようにしてもよい。例えば、格納状態では草刈作業が行えないもの、格納状態と最大オフセット状態の間の特定の箇所のみで草刈作業が行えるもの等にしてもよい。
【0018】
[装着部]
装着部11は、走行車体2の2つの後方タイヤ21の間に設けられた三点リンク機構22(ただし、ここではロワーリンクのみ示す)に対して連結される。三点リンク機構22は、通常、トップリンク、リフトロッド及びロワーリンクで構成される。三点リンク機構22は、公知の機構であるため、詳細な説明は省略する。
【0019】
装着部11は、走行車体2の幅方向である左右方向に延びるヒッチフレーム111を備える。ヒッチフレーム111は、走行車体2の後部に設けられた三点リンク機構22に連結可能に構成されている。ヒッチフレーム111の中央下部にはギアボックス112が設けられ、このギアボックス112に走行車体2から動力を受ける入力軸113が設けられている。入力軸113には、走行車体2に設けられたPTO軸23からユニバーサルジョイント(図示せず)を介して動力が伝達される。
【0020】
[オフセット機構部]
オフセット機構部12は、作業部14のオフセット移動を行うための機構である。具体的には、オフセット機構部12は、作業部14を、図1に示されるような走行車体2の後方の格納状態から図2に示されるような走行車体2の進行方向に対して側方(本実施形態においては右方)の最大オフセット状態に移動させることができる(図2参照)。オフセット機構部12は、オフセットフレーム121、リンクロッド122、支持フレーム123及び伸縮部材124を有する。本実施形態では、支持フレーム123は、回転部16を介して作業部14を支持しており、作業部14とともに右方にオフセットする構成である。
【0021】
オフセットフレーム121及びリンクロッド122の一端(前側)は、ヒッチフレーム111に回動可能に連結されており、オフセットフレーム121及びリンクロッド122の他端(後側)は、支持フレーム123に回動可能に連結されている。以上の構成により、ヒッチフレーム111、オフセットフレーム121、リンクロッド122及び支持フレーム123は、それぞれの回動中心を頂点とする平行四辺形のリンク機構を構成する。このリンク機構により、オフセット機構部12は、走行車体2の進行方向に対する作業部14の角度を保持したまま、作業部14をオフセット移動させることができる。
【0022】
伸縮部材124は、オフセット機構部12の動力源(アクチュエータ)であり、例えばガスシリンダ、油圧シリンダ等で構成される。伸縮部材124の一端は、ヒッチフレーム111に連結され、他端は、オフセットフレーム121後方に連結される。伸縮部材124の伸縮により、オフセット機構部12が駆動され、作業部14のオフセット量(オフセット方向への移動量)を制御することができる。
なお、図1に示されるように、作業部14が走行車体2の後方に位置する状態を格納状態といい、図2に示されるように、作業部14が走行車体2の外側に位置する状態を最大オフセット状態という。本実施形態では、作業部14は、走行車体2の右方にオフセットできる構造になっている。
【0023】
[動力伝達部]
動力伝達部13は、装着部11の入力軸113で受けた走行車体2からの動力を、作業部14側に伝達するための機構である。本実施形態の草刈機1は、動力伝達部13として、ユニバーサルジョイントではなく、チェーン駆動機構を採用している。具体的には、動力伝達部13は、少なくとも駆動スプロケット131、従動スプロケット132及びローラーチェーン133を有する。ローラーチェーン133は、駆動スプロケット131及び従動スプロケット132に巻き掛けられた構成である。作業部14は、従動スプロケット132からの動力が他の動力伝達手段を介して伝達され、草刈作業を行う。
なお、動力伝達部13は、チェーン駆動機構に限定されず、ユニバーサルジョイントでもよい。
また、動力伝達部13を備えず、草刈機1に電動モータや油圧モータ等の駆動源を備え、当該駆動源の動力を作業部14に直接伝達するようにしてもよいし、当該駆動源の動力を他の動力伝達手段を介して作業部14に伝達するようにしてもよい。
【0024】
[作業部]
作業部14は回転部16を介してオフセット機構部12に接続されている。図1(c)に示すように、回転部16は、第1回転部161及び第2回転部162を有する。第1回転部161は、オフセットフレーム121と支持フレーム123を揺動可能に連結している。そして、伸縮部材124の伸縮によって、第1回転部161はオフセット機構部12の動作と共に移動する。第2回転部162は、第1回転部161に同軸で回転自在に連結されており、回動機構部15を介して作業部14に連結されている。
【0025】
作業部14は、作業ロータ141、ロータカバー142、側板143、刈刃駆動部144及びゲージローラ145を有する。
作業ロータ141は、両端の側板143の間に配置された回転軸141a及び回転軸141aに放射状に複数設けられた草刈刃3を含む。回転軸141aは、走行車体2の進行方向に対して直交する水平方向に延在している。
回転軸141aの周面には、一対の突設部141bが複数設けられ、一対の突設部141bにはシャックル4が取り付けられる。シャックル4には草刈刃3が取り付けられる。一対の突設部141bには、シャックル4のシャックルピン41が支持されており、一対の突設部141bの間隔は、シャックル4が横向きに取り付けられる幅になっている。
作業部14は、回転軸141aを回転させて草刈刃3により雑草等を刈り取る。
実施形態では、回転軸141aに草刈刃3を刃先32が回転方向前方を向くように取り付けられるので、回転軸141aは左方から見て時計回りに回転する。これにより、草刈刃3は、後方から前方に向けて、雑草等をたたき切るように刈り取っていくことになる。刈り取られた雑草等の大部分はロータカバー142内を通って、最終的には後方に排出される。(図13(a)の矢印を参照)
【0026】
ロータカバー142は、作業ロータ141の上方、前方及び後方を覆って配置されるカバー部材である。ロータカバー142は、草刈刃3によって刈り取られた雑草等、雑草等に付着する土、作業面(地表面)に落ちている小石などの飛散を防止すると共に、刈り取られた雑草等を再び草刈刃3に戻し、細かく破砕する効果を有する。
【0027】
側板143は、ボールベアリング等を介して回転軸141aを回転可能に支持すると共に、ロータカバー142を支持する。本実施形態では、左端の側板143に対して刈刃駆動部144が設けられている。
【0028】
刈刃駆動部144は、走行車体2から動力伝達部13等を介して伝達された回転動力を、作業ロータ141の回転軸141aに伝達する。図2(b)に示すように、本実施形態の刈刃駆動部144は、駆動プーリー144a、従動プーリー144b、ベルト144c及びテンショナー144dを含む。ベルト144cは、駆動プーリー144aと従動プーリー144bとの間に巻き掛けられている。テンショナー144dは、駆動プーリー144a及び従動プーリー144bに巻き掛けられたベルト144cの内側に配置され、ベルト144cの内側から外側に向かってベルト144cへ張力を与えている。
【0029】
上述した構造の刈刃駆動部144では、駆動プーリー144aが動力伝達部13等から伝達された回転動力により回転し、ベルト144cを介して従動プーリー144bへ回転動力を伝達する。従動プーリー144bは、駆動プーリー144aから与えられた回転動力を回転軸141aに伝達し、作業ロータ141を駆動する。
【0030】
ゲージローラ145は、2つの側板143間に揺動するように支持されたアーム145aと、アーム145aに軸支されたローラ体145bを有する。そして、アーム145aの揺動位置を変えて固定することにより、ローラ体145bと回転軸141aの高さを変えて、草刈刃3での刈高さを調整できるよう構成されている。
【0031】
[回動機構部]
回動機構部15は、走行車体2の進行方向である前後方向に延びる軸を中心として作業部14を上下方向に回動させるための機構である。なお、回動機構部15は、公知の機構であるため、詳細な説明は省略する。
図3(a)に示されるように、草刈機1は、作業部14は、最大オフセット状態において、回動機構部15により、右側端部が下方になるように(後方から見て時計回りに)回動している。図3(a)に示される状態は、作業部14が走行車体2の走行面よりも下方に位置する傾斜面(法面等)の草刈作業を行う状態である。
また、図3(b)に示されるように、草刈機1は、作業部14が、最大オフセット状態において、回動機構部15により、右側端部が上方になるように(後方から見て反時計回りに)回動している。図3(b)に示される状態は、作業部14が走行車体2の走行面よりも上方に位置する傾斜面(法面等)の草刈作業を行う状態である。
なお、回動機構部15の構造としては、最大オフセット状態に限らず、作業部14が格納状態から最大オフセット状態の間のどの位置でも、作業部14を上下方向に回動可能である。
【0032】
[オフセット機構部の変形例]
図4は、本発明の実施形態の草刈機1の作業部14を左方にオフセットできるようにした変形例の図である。
実施形態の草刈機1は、走行車体2の右方にオフセットする構造であったが、本変形例では、走行車体2の左方にオフセットする構造としたものであり、走行車体2の左側方で草刈作業を行うように構成されている。
そのため、オフセット機構部12、動力伝達部13、回転部16及び回動機構部15は、作業部14のロータカバー142の上方かつ右方に設けられており、作業部14を走行車体2の左方にオフセットできる構成になっている。その他の構成は、実施形態と同様になっている。そして、草刈機1は、作業部14が、オフセット状態において、回動機構部15により、左側端部が下方になるように(後方から見て反時計回りに)回動したり、左側端部が上方になるように(後方から見て時計回りに)回動したりすることができる。
【0033】
[草刈刃]
作業ロータ141の回転軸141aに取り付けられる草刈刃3について、説明する。
草刈刃3は、回転軸141aの外周面に垂直に突設された一対の突設部141bに取り付けられたシャックル4に取り付けられている。シャックル4は、シャックルピン41とシャックル本体42とを有する。
一対の突設部141bは、回転軸141aの軸線方向(横方向)に離間して配置されており、シャックル4を介して草刈刃3を回転軸141aに取り付けるための取付部として機能する。
シャックルピン41は、シャックル本体42を一対の突設部141bに取り付けるための部材であり、一対の突設部141bに、回転軸141aの軸方向に平行になるように挿通され、固定される。
シャックル本体42は、略U字状の部材であり、シャックルピン41により、一対の突設部141bに取り付けられる。なお、シャックル本体42は、シャックルピン41を軸として、回転軸141aの回転方向の前後に揺動可能である。草刈刃3は、刃先32が回転軸141aの回転方向前方を向くように、シャックル本体42に取り付けられている。(図13(b)(c)参照)
なお、草刈刃3は、シャックル本体42を軸にして揺動可能であるとともに、シャックル本体42に沿って左右方向にも移動可能である。
なお、シャックル本体42の形状は、略U字状に限定されず、他の形状でもよい。
【0034】
図5は、本発明の実施形態の右ひねりの草刈刃3の図であり、(a)は曲げ加工前の図、(b)曲げ加工後の図である。図6は、図5(b)に示した右ひねりの草刈刃3の六面図及び4方向(正面側からの4方向)からの斜視図である。
草刈刃3が回転軸141aの下方に位置したとき、刃先32は、前方から見て水平かつ進行方向に対して直交する方向と平行になるように形成されている。草刈刃3は、上述のとおり、回転軸141aに平行に固定されたシャックルピン41に横向きに取り付けられたシャックル本体42に取り付けられるため、草刈刃3の取付部31は前後方向(進行方向)に平行な面である必要がある。そのため、取付部31は、刃先32が回転軸141aの回転方向を向くように、刃先32に対して90°ひねられた形状となっている。これにより、取付部31に形成した取付孔311をシャックル本体42に取り付けると、刃先32が回転軸141aの回転方向前方を向くことが可能になる。
【0035】
草刈刃3は、図5(a)に示す形状に形成された平板状の材料において、取付部31を刃先32方向に曲げながら、取付部31が刃先32に対して垂直となるようにひねる曲げ加工をすることにより形成される。図5(b)の草刈刃3は、上方から(取付部31側から)みて、刃先32に対して取付部31が右向き(時計回り)に垂直(略垂直も含む)ひねられた形状(このような形状の草刈刃3を右ひねりの草刈刃3という。)であり、ひねられた部分(ひねりによって生じた曲面部分)が概ね右斜め前方を向くとともに、ひねられた部分の上方に位置する平板状の取付部31が刃先32の延在方向に対して垂直(90°)になっている。
なお、前述の曲げ加工は、取付部31が刃先32に対して垂直となるようにひねりながら、取付部31を刃先32方向に曲げるようにしてもよい。
さらに、刃先32を取付部31方向に曲げてもよいし、刃先32が取付部31に対して垂直になるようにひねるようにしてもよい。
【0036】
以下、図5(b)に示すように、曲げる箇所とひねる箇所がほぼ同じ箇所となるような曲げ加工を、曲げるとともにひねる加工といい、取付部31と刃先32との間に曲げるとともにひねる加工が施されていることを、取付部31と刃先32との間に曲げられるとともにひねられた形状があるという。
なお、本明細書において、曲げるとは、草刈刃3が回転軸141aの下側の一対の突設部141bに取り付けられたシャックル4に垂下された状態において、刃先32が下方(鉛直方向)ではなく、前方(切断対象(雑草等)の方向)を向くように刃先32の延在方向と平行な線に沿って曲げることを意味し、ひねるとは、上方から見たときに、刃先32の延在方向と平板状の取付部31とのなす角θが所定の角度(図5(b)の草刈刃3では90°)となるようにねじることを意味する。
【0037】
図5(b)に示す草刈刃3は、図5(a)のAA線(刃先32の延在方向に直交し、取付孔311の中心を通る線)で示される草刈刃3の中心線に、平板状の取付部31が一致するように、90°ひねられており、上方から見て、平板状の取付部31がAA線上に位置している。より詳細には、平板状の取付部31全体が、刃先32の延在方向に直交する1本の線上に位置しているといえる。
また、曲げるとともにひねる加工が施された箇所が、取付部31に形成された取付孔311の下部(刃先側)から刃先32までの部分であり、草刈刃3の取付部31及び刃先32を除くほぼすべての部分(中間部33)が曲げられるとともにひねられた形状となっている。言い換えると、草刈刃3は、平板状の取付部31の下部に曲げられるとともにひねられた形状の中間部33が連続しており、さらに中間部33に刃先32が連続して形成されている形状である。
以上のことから、取付部31は、刃先32に対して、取付部31と刃先32との間の略全域に曲げられるとともにひねられた形状があるといえる。
本実施形態の草刈刃3は、板状部材を曲げ加工するだけで簡単に製造することができる。また、板状部材の厚みを変えることで、草刈刃3の強度をコントロールすることができる。
【0038】
この形状により、草刈刃3に小石などが当たり、草刈刃3にすくわれるような状態になったとき、草刈刃3のひねられた形状により、小石などは、概ね前方ではなく、前方よりも横方向にずれた、概ね斜め前方(図5(b)の例では右斜め前方:矢印参照)に飛ばされることになる。
なお、本実施形態の草刈刃3は、取付部31と刃先32との間の略全域に曲げられるとともにひねられた形状があるが、取付部31と刃先32との間の一部の領域に曲げられるとともにひねられた形状があってもよい。例えば、刃先32側に平板状の部分が形成されており、この平板状部分と取付部31との間に曲げられるとともにひねられた形状があってもよい。
また、本実施形態の草刈刃3は、取付部31から刃先32に向かうにつれて幅が広くなるイチョウ葉のような形状であるが、このような形状には限られず、取付部31から刃先32まで幅が等しい矩形状であってもよく、他にどのような形状でもよい。
また、本実施形態では、草刈刃3を、シャックル4を介して一対の突設部141bに取り付けたが、シャックル4を介さずに、例えば、一対の突設部141bに支持された軸に草刈刃3を取り付けてもよい。
【0039】
図7は、本発明の実施形態のひねり位置をずらした右ひねりの草刈刃3の六面図及び4方向(正面側からの4方向)からの斜視図である。
図5(b)の草刈刃3は、図5(a)のAA線で示される草刈刃3の中心線で、取付部31が90°ひねられており、上方から見て、平板状の取付部31がAA線上に位置しているものであるが、ひねる位置はこれに限られない。
図7に示す草刈刃3は、図5(a)のBB線(刃先32の延在方向に直交し、取付部31の中心から側方にずれた位置を通る線)で示される草刈刃3の中心線からずれた線に、平板状の取付部31が一致するように90°ひねられており、上方から見て、平板状の取付部31がBB線上に位置するような形状でもよい。
このようにひねる位置を草刈刃3の中心線からずらした形状では、ひねりが緩やかになり、曲げ加工に無理がなく、加工が容易であるとともに、加工後の草刈刃3の歪も小さくできる。
【0040】
図8は、本発明の実施形態の80°ひねった右ひねりの草刈刃3の六面図及び4方向(正面側からの4方向)からの斜視図である。
図5(b)の草刈刃3は、取付部31が90°ひねられたものであるが、ひねる角度は90°には限られず、90°よりも小さい角度でもよい。例えば、図8には80°ひねられた草刈刃3を示している。図8に示す草刈刃3では、平板状の取付部31が刃先32の延在方向に対して80°になっている。このように、90°より小さい角度でひねられた草刈刃3は、刃先32が回転軸141aの回転方向前方を向かず、回転軸141aの回転方向に直交する方向に対して少し傾斜する形状になる。このような形状では、曲げ加工に無理がなく、加工が容易であるとともに、加工後の草刈刃3の歪も小さくできる。また、刃先が斜めになるため、雑草等をたたき切る効果に加え、刃先のスライドにより切断する効果もあるため、刈り取る雑草等の種類によっては、刃先が回転軸141aの回転方向前方を向いたものより、切断効果が高くなる。また、刃先32に蹴られた小石などが概ね斜め前方に飛ばされることになる。角度を小さくすると、上述のとおり、刃先が傾斜することにより前方から見た場合の見かけの幅が狭くなる分、刃先の幅を広くする(すなわち、所定の切断幅を確保するために、草刈刃3を大きくする)必要があることや、刃先のスライドにより切断する効果や小石などが概ね斜め前方に飛ばされる効果が上がるものの、草刈刃3は主にたたき切ることにより雑草等を刈り取るものであることなどから、ひねる角度としては、70°程度以上ある方がよい。すなわち、平板状の取付部31が刃先32の延在方向に対して略70°~90°になっていることが好ましい。
なお、90°より大きい角度でひねることも可能である。
【0041】
図9は、本発明の実施形態の左ひねりの草刈刃3の図である。
図5~8の草刈刃3は、刃先32に対して取付部31が右向きにひねられた形状であるが、逆に、図9の草刈刃3のように、刃先32に対して取付部31が左向き(反時計回り)にひねられた形状(このような形状の草刈刃3を左ひねりの草刈刃3という。)でもよい。このような形状では、ひねりによって生じた曲面部分が概ね左斜め前方を向くため、草刈刃3に飛ばされた小石などは、左斜め前方(図9の矢印参照)に飛ばされることになる。
【0042】
上述のとおり、図5~9に示されるような本実施形態の草刈刃3は、回転軸141aの一対の突設部141bに取り付けられたシャックル4に取り付けられている。草刈刃3が石などに衝突した場合、回転軸141aの回転方向に揺動して回転軸141aの回転方向後方に逃げるところ、本実施形態では、取付孔311による草刈刃3のシャックル本体42に対する揺動、シャックルピン41によるシャックル本体42の回転軸141aに対する揺動という2つの揺動によって、大きく逃げることができる。本実施形態のように、草刈刃3の取付部31及び刃先32を除くほぼすべての部分がひねられた形状となるような比較的短尺な草刈刃3との組み合わせでは、2つの揺動により大きく逃げることができる効果は大きな利点となる。
また、本実施形態の草刈刃3は、取付孔311が略U字状のシャックル本体42に支持されていて、取付孔311が略U字状のシャックル本体42に沿って大きく揺動できるため、左右方向にも大きく揺動して逃げることができる。
このように、本実施形態の草刈刃3は、前後方向、左右方向のいずれの方向にも大きく逃げることができるので、石などの衝突による損傷を大きく低減することができる。
【0043】
図10は、本発明の実施形態の端部でひねった右ひねりの草刈刃3の図である。図11は、本発明の実施形態の端部でひねった左ひねりの草刈刃3の図である。図12は、本発明の実施形態の、端部でひねった右ひねりの草刈刃3と左ひねりの草刈刃3を組み合わせた草刈刃の図であり、(a)は2つの草刈刃がそろった状態の図、(b)は2つの草刈刃がずれた状態の図である。
図10に示す草刈刃3は、図5(a)のCC線(刃先32の延在方向に直交し、刃先32の延在方向の一端を通る線)で示される草刈刃3の端部線に、取付部31が一致するように、90°ひねられており、上方から見て、平板状の取付部31がCC線上に位置している。同様に、図11の草刈刃3は、図5(a)のC’C’線で示される草刈刃3の端部線で、取付部31が90°ひねられており、上方から見て、平板状の取付部31がC’C’線上に位置している。
これらの右ひねりの草刈刃3と左ひねりの草刈刃3を組み合わせて1つの草刈刃のように使用することもできる。
右ひねりの草刈刃3と左ひねりの草刈刃3からなる一対の草刈刃は、回転軸141aの一対の突設部141bに取り付けられた1つのシャックル4に取り付けられる。
図12(b)に示されるように、右ひねりの草刈刃3と左ひねりの草刈刃3は、それぞれ、別個にシャックル本体42に対する揺動が可能になっている。
すると、右ひねりの草刈刃3と左ひねりの草刈刃3は、ともに、回転軸141aの回転方向には、2つの揺動によって大きく逃げることができ、また、左右方向にも大きく揺動して逃げることができる。
【0044】
[草刈刃の配置]
図13は、本発明の実施形態の草刈機1の作業部14の図であり、(a)及び(b)は右ひねりの草刈刃3を装着した場合、(c)は作業部14の右側半分に右ひねりの草刈刃3を、左側半分に左ひねりの草刈刃3を装着した場合の図である。また、(a)は左断面図、(b)及び(c)は後断面図である。
なお、図13は、作業ロータ141が回転作業中で、各草刈刃3は遠心力により回転中心から外側に引張られている状態を示している。
上述のとおり、作業ロータ141は、両端の側板143の間に配置された回転軸141a及び回転軸141aに放射状に複数設けられた草刈刃3を含む。
本実施形態の草刈刃3は、上述したように、斜め前方に小石などが飛ばされる形状である。
【0045】
そこで、小石などが斜め前方に飛ばされることを利用して、飛ばされた方向に他のものが存在しないように配置することが考えらえれる。
図2のように、走行車体2の右外側に、草刈機1を最大オフセット状態に配置した場合、走行車体2は草刈機1の左前方に位置するから、図13(b)に示されるように、作業部14の回転軸141aには全幅にわたって、図5(b)に示すような右ひねりの草刈刃3を装着する。
この配置により、小石などは概ね右斜め前方に飛ばされるから、走行車体2に当たる可能性が大きく低減する。
また、図4のように、走行車体2の左外側に、草刈機1を最大オフセット状態に配置した場合、走行車体2は草刈機1の右前方に位置するから、作業部14の回転軸141aには全幅にわたって、図9に示すような左ひねりの草刈刃3を装着する。
この配置により、小石などは概ね左斜め前方に飛ばされるから、走行車体2に当たる可能性が大きく低減する。
【0046】
なお、作業部14の回転軸141aには全幅にわたって右ひねりの草刈刃3のみ、若しくは左ひねりの草刈刃3を装着する構成に限定されない。
走行車体2の右方に作業部14をオフセットさせる構成の場合、作業部14の右側部分では小石などが前方に飛んでも走行車体に小石などがあたる可能性が低いことから、回転軸141aの右方の所定範囲には右ひねりの草刈刃3ではなく、小石などが右方及び/又は前方に飛ぶような草刈刃を装着してもよい。
また、走行車体2の左方に作業部14をオフセットさせる構成の場合、作業部14の左側部分では小石などが前方に飛んでも走行車体に小石などがあたる可能性が低いことから、回転軸141aの左方の所定範囲には左ひねりの草刈刃3ではなく、小石などが左方及び/又は前方に飛ぶような草刈刃を装着してもよい。
【0047】
さらに、草刈機1は、図1のように、走行車体2の後方に、草刈機1を配置した状態で、草刈作業を行うこともある。この場合、走行車体2は草刈機1の前方に位置するから、図13(c)に示されるように、作業部14の回転軸141aの右半分には右ひねりの草刈刃3を、左半分には左ひねりの草刈刃3を装着する。
この配置により、作業部14の右半分からは右斜め前方に、左半分からは左斜め前方に、小石などが飛ばされるので、前方に位置する走行車体2に当たる可能性が大きく低減する。
【0048】
なお、作業部14の回転軸141aの右半分には右ひねりの草刈刃3を、左半分には左ひねりの草刈刃3を装着する構成に限定されない。
走行車体2の後方に草刈機1を配置する構成の場合、作業部14の左右両端近傍では前方に小石が飛んでも走行車体に小石などがあたる可能性が低いことから、回転軸141aの右端近傍の所定範囲には右ひねりの草刈刃3ではなく、小石などが右方及び/又は前方に飛ぶような草刈刃を装着してもよい、及び/又は、回転軸141aの左端近傍の所定範囲には左ひねりの草刈刃3ではなく、小石などが左方及び/又は前方に飛ぶような草刈刃を装着してもよい。
また、この配置は、オフセット可能な草刈機1が走行車体2の直後に位置する場合に限らず、草刈機がオフセット不能に走行車体2の後部に連結されている場合にも適用できる。
【0049】
以上のとおり、本発明に係る実施形態及びその変形例の、草刈機1及び草刈刃3を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は、これらの実施形態及びその変形例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
また、前述の実施形態及びその変形例は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 草刈機
11 装着部
111 ヒッチフレーム
112 ギアボックス
113 入力軸
12 オフセット機構部
121 オフセットフレーム
122 リンクロッド
123 支持フレーム
124 伸縮部材
13 動力伝達部
131 駆動スプロケット
132 従動スプロケット
133 ローラーチェーン
14 作業部
141 作業ロータ
141a 回転軸
141b 突設部
142 ロータカバー
143 側板
144 刈刃駆動部
144a 駆動プーリー
144b 従動プーリー
144c ベルト
144d テンショナー
145 ゲージローラ
145a アーム
145b ローラ体
15 回動機構部
16 回転部
161 第1回転部
162 第2回転部
2 走行車体
21 後方タイヤ
22 三点リンク機構
23 PTO軸
3 草刈刃
31 取付部
311 取付孔
32 刃先
33 中間部
4 シャックル
41 シャックルピン
42 シャックル本体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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