(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084488
(43)【公開日】2024-06-25
(54)【発明の名称】照明装置及び撮像システム
(51)【国際特許分類】
G01N 21/84 20060101AFI20240618BHJP
【FI】
G01N21/84 E
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022198784
(22)【出願日】2022-12-13
(71)【出願人】
【識別番号】591009705
【氏名又は名称】株式会社 東京ウエルズ
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】秋本 孝之
【テーマコード(参考)】
2G051
【Fターム(参考)】
2G051AA61
2G051AB02
2G051BA20
2G051BB11
2G051CA03
2G051CA04
(57)【要約】
【課題】ハーフミラーなどのビームスプリッターを利用する照明装置によって、効率的に、対象に対して照明光を明るく照射するのに有利な技術を提供する。
【解決手段】照明装置11は、入射光L0を第1光束L1及び第2光束L2に分割し、第1光束L1を対象50に向けて導くビームスプリッター21と、ビームスプリッター21からの第2光束L2の少なくとも一部を、ビームスプリッター21に入射させてビームスプリッター21から対象50に向けて出射させる導光部30と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射光を第1光束及び第2光束に分割し、前記第1光束を対象に向けて導くビームスプリッターと、
前記ビームスプリッターからの前記第2光束の少なくとも一部を、前記ビームスプリッターに入射させて前記ビームスプリッターから前記対象に向けて出射させる導光部と、
を備える照明装置。
【請求項2】
前記ビームスプリッターは、前記第1光束を前記対象に向けて反射し、前記第2光束を透過する、
請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記ビームスプリッターは、前記第1光束を第1導光方向に反射し、前記入射光から分割される前記第2光束を第2導光方向に透過し、
前記導光部は、前記ビームスプリッターからの前記第2光束の少なくとも一部を、前記ビームスプリッターに対して前記第1導光方向に入射させるように反射する、
請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
前記導光部は、
前記ビームスプリッターからの前記第2光束を反射する第1反射体と、
前記第1反射体によって反射された前記第2光束を前記ビームスプリッターに向けて反射する第2反射体と、
を有する請求項1に記載の照明装置。
【請求項5】
前記導光部は、
前記ビームスプリッターからの前記第2光束を反射する第1反射体と、
前記第1反射体によって反射された前記第2光束を反射する第2反射体と、
前記第2反射体によって反射された前記第2光束を前記ビームスプリッターに向けて反射する第3反射体と、
を有する請求項1に記載の照明装置。
【請求項6】
前記ビームスプリッターは、前記対象からの反射光である撮影光の少なくとも一部を透過し、
前記導光部は、前記ビームスプリッターを透過した前記撮影光の少なくとも一部を通過させる光透過部を有し、
前記撮影光は、前記ビームスプリッター及び前記光透過部を通って撮像装置に入射する、
請求項1に記載の照明装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の照明装置と、
前記ビームスプリッターを介して前記対象とは反対側に配置され、前記対象からの反射光である撮影光を、前記ビームスプリッターを介して受光する撮像装置と、
を備える撮像システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明装置及び撮像システムに関する。
【背景技術】
【0002】
撮像対象が、光の正反射の程度が大きい部分(例えばプリント配線基板等の基板に形成される配線や電子部品の電極など)を含む場合、当該撮像対象に照明光を斜めに照射すると、撮像対象からの反射光を撮像素子に対して適切に入射させられないことがある。
【0003】
そのため光の正反射の程度が大きい部分を含む撮像対象の撮像を行う場合、同軸照明と呼ばれる照明手法が利用されることがある(特許文献1~3参照)。同軸照明では、ハーフミラーなどのビームスプリッターを利用して、撮像対象に対する照明光の入射方向が、対象物からの反射光の進行方向と平行になるように、光の進行方向が調整される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-106912号公報
【特許文献2】特開2017-187296号公報
【特許文献3】特開2021-101194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ハーフミラーを利用する同軸照明では、照明光がハーフミラーによって反射光及び透過光に分割され、反射光のみが撮像対象に照射され、透過光は撮像対象の照射には使われない。その結果、撮像対象に対して実際に照射される照明光(反射光)の明るさは、本来の照明光の明るさに比べ、通常は半分以下に低減される。さらに撮像対象からの反射光である撮影光がハーフミラーを介して撮像素子に入射する場合、ハーフミラーによって明るさが低減された撮影光が撮像素子によって受光される。
【0006】
なお反射率が透過率よりも高いハーフミラーを使用することで、撮像対象に対して明るい照明光(反射光)を効果的に照射することが可能である。しかしながらそのような場合、撮像対象からの反射光(撮影光)がハーフミラーを透過する割合が低減し、その結果、ハーフミラーによって明るさが著しく低減された撮影光が撮像素子によって受光されることになる。
【0007】
一方、透過率が反射率よりも高いハーフミラーを使用することで、撮像対象からの反射光(撮影光)がハーフミラーを透過する割合が増大し、ハーフミラーによる撮影光の損失を低減できる。しかしながらこの場合、照明光がハーフミラーによって反射される割合が低減し、ハーフミラーによって明るさが著しく低減された照明光が撮像対象に照射されることになる。
【0008】
本開示は上述の事情に鑑みてなされたものであり、ビームスプリッターを利用する照明装置によって、効率的に、対象に対して照明光を明るく照射するのに有利な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様は、入射光を第1光束及び第2光束に分割し、第1光束を対象に向けて導くビームスプリッターと、ビームスプリッターからの第2光束の少なくとも一部を、ビームスプリッターに入射させてビームスプリッターから対象に向けて出射させる導光部と、を備える照明装置に関する。
【0010】
ビームスプリッターは、第1光束を対象に向けて反射し、第2光束を透過させてもよい。
【0011】
ビームスプリッターは、第1光束を第1導光方向に反射してもよく、入射光から分割される第2光束を第2導光方向に透過させてもよく、導光部は、ビームスプリッターからの第2光束の少なくとも一部を、ビームスプリッターに対して第1導光方向に入射させるように反射してもよい。
【0012】
導光部は、ビームスプリッターからの第2光束を反射する第1反射体と、第1反射体によって反射された第2光束をビームスプリッターに向けて反射する第2反射体と、を有してもよい。
【0013】
導光部は、ビームスプリッターからの第2光束を反射する第1反射体と、第1反射体によって反射された第2光束を反射する第2反射体と、第2反射体によって反射された第2光束をビームスプリッターに向けて反射する第3反射体と、を有してもよい。
【0014】
ビームスプリッターは、対象からの反射光である撮影光の少なくとも一部を透過してもよく、導光部は、ビームスプリッターを透過した撮影光の少なくとも一部を通過させる光透過部を有してもよく、撮影光は、ビームスプリッター及び光透過部を通って撮像装置に入射してもよい。
【0015】
本開示の他の態様は、上記のいずれかの照明装置と、ビームスプリッターを介して対象とは反対側に配置され、対象からの反射光である撮影光を、ビームスプリッターを介して受光する撮像装置と、を備える撮像システムに関する。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、ビームスプリッターを利用する照明装置によって、効率的に、対象に対して照明光を明るく照射するのに有利である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図3】
図3は、撮像システムの構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、撮像システムの構成例を示す図である。
【
図5】
図5は、撮像システムの構成例を示す図である。
【
図6】
図6は、撮像システムの構成例を示す図である。
【
図7A】
図7Aは、撮像対象である電子チップ(特に単一組成を有する面部)の撮影画像であって、
図3の撮像システムによって取得される撮影画像を示す。
【
図7B】
図7Bは、撮像対象である電子チップ(特に単一組成を有する面部)の撮影画像であって、
図4の撮像システムによって取得される撮影画像を示す。
【
図8A】
図8Aは、撮像対象である電子チップ(特に単一組成を有する面部)の撮影画像であって、
図5の撮像システムによって取得される撮影画像を示す。
【
図8B】
図8Bは、撮像対象である電子チップ(特に単一組成を有する面部)の撮影画像であって、
図6の撮像システムによって取得される撮影画像を示す。
【
図9A】
図9Aは、撮像対象である水晶発振器(特に素体(セラミックス)及び4つの電極(金属めっき)が露出する面部)の撮影画像であって、
図3の撮像システムによって取得される撮影画像を示す。
【
図9B】
図9Bは、撮像対象である水晶発振器(特に素体(セラミックス)及び4つの電極(金属めっき)が露出する面部)の撮影画像であって、
図4の撮像システムによって取得される撮影画像を示す。
【
図10A】
図10Aは、撮像対象である水晶発振器(特に素体(セラミックス)及び4つの電極(金属めっき)が露出する面部)の撮影画像であって、
図5の撮像システムによって取得される撮影画像を示す。
【
図10B】
図10Bは、撮像対象である水晶発振器(特に素体(セラミックス)及び4つの電極(金属めっき)が露出する面部)の撮影画像であって、
図6の撮像システムによって取得される撮影画像を示す。
【
図11A】
図11Aは、撮像対象である電子部品(特に素体(セラミックス)及び2つの電極(金属めっき)が露出する面部)の撮影画像であって、
図3の撮像システムによって取得される撮影画像を示す。
【
図11B】
図11Bは、撮像対象である電子部品(特に素体(セラミックス)及び2つの電極(金属めっき)が露出する面部)の撮影画像であって、
図4の撮像システムによって取得される撮影画像を示す。
【
図12A】
図12Aは、撮像対象である電子部品(特に素体(セラミックス)及び2つの電極(金属めっき)が露出する面部)の撮影画像であって、
図5の撮像システムによって取得される撮影画像を示す。
【
図12B】
図12Bは、撮像対象である電子部品(特に素体(セラミックス)及び2つの電極(金属めっき)が露出する面部)の撮影画像であって、
図6の撮像システムによって取得される撮影画像を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本開示の様々な実施形態を例示する。
【0019】
まず照明装置の構成例を、
図1及び
図2を参照して説明し、その後、照明装置及び撮像装置を備える撮像システムの構成例を、
図3~
図6を参照して説明する。
【0020】
図1及び
図2は、照明装置11の構成例を示す図である。
【0021】
図1及び
図2において第1方向D1及び第2方向D2は、互いに垂直を成す方向である。ただし第1方向D1及び第2方向D2の具体的な方向は限定されない。したがって第1方向D1及び第2方向D2のうちの一方(例えば第1方向D1)が鉛直方向(重力方向)に一致していてもよい。或いは、第1方向D1及び第2方向D2の両方が水平方向(すなわち鉛直方向と直交する方向)であってもよい。
【0022】
図1に示す照明装置11は、いわゆる同軸照明装置として構成され、光源20、プレート型のビームスプリッター(ハーフミラー)21、及び導光部30を備える。
【0023】
光源20は、第2方向D2に照明光L0を発する。光源20は、任意の発光装置によって構成可能である。例えば、照明光L0を発光可能なLED(発光ダイオード)を二次元的に多数配置することによって光源20が構成されてもよいし、ハロンゲンランプによって光源20が構成されてもよい。光源20から発せられた照明光L0は、ビームスプリッター21に向けて進行する。光源20とビームスプリッター21との間には、拡散板などの任意の光学系が設けられてもよい。
【0024】
ビームスプリッター21には、光源20からの照明光L0が入射する。ビームスプリッター21は、当該照明光L0(入射光)を第1光束L1及び第2光束L2に分割する。第1光束L1は、ビームスプリッター21によって撮像対象50に向けて第1方向D1(第1導光方向)に反射される。照明光L0から分割される第2光束L2は、ビームスプリッター21を第2方向D2(第2導光方向)に透過し、導光部30(特に第1反射体31)に向けてビームスプリッター21から出射される。
【0025】
導光部30は、ビームスプリッター21からの第2光束L2の少なくとも一部を、ビームスプリッター21に対して第1方向D1(第1導光方向)に入射させるように反射する。具体的には、
図1に示す導光部30は、第1反射体31、第2反射体32及び第3反射体33を備える。第1反射体31は、ビームスプリッター21からの第2光束L2を反射する。第2反射体32は、第1反射体31によって反射された第2光束L2を反射する。第3反射体33は、第2反射体32によって反射された第2光束L2をビームスプリッター21に向けて反射する。
【0026】
第1反射体31~第3反射体33は、光反射面を有するミラーなどの光反射体によって構成される。第1反射体31~第3反射体33の光反射面は、平面であってもよいし、曲面であってもよい。第1反射体31~第3反射体33間で光反射面の形状が互いに異なっていてもよく、例えば第1反射体31~第3反射体33のうちの少なくとも1つ以上が曲面形状の光反射面を有していてもよい。この場合、第2光束L2は、曲面形状の光反射面によって集光され、撮像対象50に対して局所的に照射されることも可能である。
【0027】
このように
図1に示す照明装置11では、ビームスプリッター21によって照明光L0が第1光束L1及び第2光束L2に分けられた後、第1光束L1は、ビームスプリッター21によって撮像対象50に向けて導かれる。一方、ビームスプリッター21からの第2光束L2の少なくとも一部は、導光部30(第1反射体31~第3反射体33)によって、ビームスプリッター21に入射させられ、ビームスプリッター21から撮像対象50に向けて出射される。
【0028】
一方、
図2に示す照明装置11は、光源20及びプレート型のビームスプリッター21を備えるが、導光部30(
図1参照)を具備しない。
【0029】
本例の光源20は、
図1に示す例と同様に、第2方向D2に照明光L0を発する。本例のビームスプリッター21も、
図1に示す例と同様に、光源20からの照明光L0(入射光)を第1光束L1及び第2光束L2に分割し、第1光束L1を撮像対象50に向けて反射しつつ、第2光束L2を透過させる。
【0030】
図2に示す例では導光部30が設けられないため、ビームスプリッター21を透過した第2光束L2は、基本的に撮像対象50に照射されない。したがって
図2に示す照明装置11では、第1光束L1のみが撮像対象50に照射される。
【0031】
このように照明装置11が導光部30を具備しない場合、第1光束L1のみが撮像対象50に照射される。一方、照明装置11が導光部30を具備する場合(
図1参照)、第1光束L1に加えて第2光束L2も撮像対象50に照射されるので、撮像対象50の照明のために照明光L0がより効率的に用いられる。
【0032】
入射光の半分を反射しつつ残りの半分を透過するハーフミラーがビームスプリッター21として用いられる場合、
図2に示す照明装置11では、光源20から発せられた照明光L0の半分の明るさ(輝度)を有する光(第1光束L1)が撮像対象50に照射される。一方、
図1に示す照明装置11によれば、
図2に示す照明装置11に比べ、理論上は1.5倍程度の明るさの光(第1光束L1及び第2光束L2)を撮像対象50に照射することが可能である。
【0033】
次に、上述のような照明装置11及び撮像装置を備える撮像システムの例について説明する。
【0034】
図3~
図6は、撮像システム10の構成例を示す図である。
図3及び
図4に示す撮像システム10は、導光部30を具備する照明装置11を備える。一方、
図5及び
図6に示す撮像システム10は、導光部30を具備しない照明装置11を備える。なお
図3~
図6では、ハウジング23の内側の装置構成が透視的に示されている。
図3~
図6において、同一又は対応の要素には共通の符号を付し、それらの要素についての重複する説明は省略する。
【0035】
図3に示す撮像システム10の照明装置11は、ハウジング23と、ハウジング23の内側に設けられる光源20、光学系26、プレート型のビームスプリッター21及び導光部30(すなわち第1反射体31~第3反射体33)と、を備える。光源20、光学系26、ビームスプリッター21及び導光部30(第1反射体31~第3反射体33)は、ハウジング23によって直接的又は間接的に支持される。
【0036】
ハウジング23は、光が通過可能な第1ハウジング透光部24及び第2ハウジング透光部25を有する。ハウジング23のうち、第1ハウジング透光部24及び第2ハウジング透光部25以外の箇所は、基本的に光を透過させない。第1ハウジング透光部24及び第2ハウジング透光部25の具体的な構成は限定されない。第1ハウジング透光部24及び第2ハウジング透光部25は、例えば物体が存在しない単なる空間として設けられてもよい。或いは第1ハウジング透光部24及び第2ハウジング透光部25は、光(具体的には第1光束L1、第2光束L2及び撮影光L3)を透過可能な透光部材(例えば透明体)により構成されてもよい。また第1ハウジング透光部24及び第2ハウジング透光部25は、任意の光学機能を発揮する光学部材により構成されてもよい。
【0037】
光源20から第2方向D2に発せられた照明光L0は、光学系26を介してビームスプリッター21に入射する。光学系26は、例えば入射光を拡散出射する拡散板を含み、当該拡散板によって照明光L0の光強度の二次元的なムラが低減される。ただし光学系26は、拡散板に加えて又は拡散板の代わりに、レンズ等の他の光学系を含んでもよい。
図3に示す例では、光源20、光学系26及びビームスプリッター21が第2方向D2に並ぶように配置される。
【0038】
ビームスプリッター21は、入射光である照明光L0を第1光束L1及び第2光束L2に分割し、第1光束L1を反射しつつ、第2光束L2を透過させる。ビームスプリッター21によって反射された第1光束L1は、第1ハウジング透光部24を通過した後、撮像対象50に照射される。
図3に示す例では、ビームスプリッター21、第1ハウジング透光部24及び撮像対象50が第1方向D1に並ぶように配置され、ビームスプリッター21は、第2方向D2に進む照明光L0中の第1光束L1の光成分の進行方向を第1方向D1に変える。
【0039】
一方、ビームスプリッター21を透過した第2光束L2は、ビームスプリッター21から第2方向D2に出射し、第1反射体31に入射する。
図3に示す第1反射体31は、ビームスプリッター21と第2方向D2に並ぶように配置されるとともに、第2反射体32と第1方向D1に並ぶように配置され、第2方向D2に進むビームスプリッター21からの第2光束L2の進行方向を第1方向D1に変える。
【0040】
図3に示す第2反射体32は、第3反射体33と第2方向D2に並ぶように配置され、第1方向D1に進む第1反射体31からの第2光束L2の進行方向を第2方向D2に変える。
【0041】
図3に示す第3反射体33は、ビームスプリッター21、第1ハウジング透光部24及び撮像対象50と第1方向D1に並ぶように配置され、第2方向D2に進む第2反射体32からの第2光束L2の進行方向を第1方向D1に変える。
【0042】
ビームスプリッター21は、第1方向D1に進行する第3反射体33からの第2光束L2の少なくとも一部を透過する。ビームスプリッター21を透過した第2光束L2は、第1ハウジング透光部24を通って撮像対象50に照射される。
【0043】
このように
図3に示す照明装置11によれば、撮像対象50には、第1光束L1及び第2光束L2が照射される。撮像対象50からの反射光である撮影光L3の少なくとも一部は、第1ハウジング透光部24、ビームスプリッター21、第3反射体33が有する光透過部35、及び第2ハウジング透光部25を順次通って、撮像装置12に入射する。
【0044】
このように光透過部35は、ビームスプリッター21を透過した撮影光L3の少なくとも一部を通過させる。光透過部35の具体的な構成は限定されない。例えば、光透過部35は、物体が存在しない単なる空間(貫通孔)として設けられてもよいし、撮影光L3を透過可能な透光部材(例えば透明体)により構成されてもよく、任意の光学機能を発揮する光学部材により構成されてもよい。
【0045】
撮像装置12は、ビームスプリッター21を介して撮像対象50とは反対側に配置され、撮像対象50からの撮影光L3を、ビームスプリッター21を介して受光する。そして撮像装置12は、受光した撮影光L3から撮像対象50の画像データを生成し、当該画像データを記憶装置(図示省略)に記憶したり、他の装置(図示省略)に出力送信したりする。
【0046】
撮像装置12の具体的な構成は限定されない。典型的には、撮像装置12は、光電変換によって画像データを出力する撮像素子と、撮像素子の受光面上に撮影光L3を結像させる1つ以上のレンズと、を備える。撮像素子は、二次元的に配列された多数のフォトダイオードを具備するCMOSイメージセンサやCCDイメージセンサによって構成可能である。
【0047】
記憶装置に記憶された撮像対象50の画像データは、必要に応じて任意のデバイスにより読み出され、任意の処理に使用されてもよい。またディスプレイ装置を具備するユーザインターフェースデバイス(図示省略)が、撮像装置12から出力される撮像対象50の画像データを受信し、当該画像データに基づいて撮像対象50の画像をディスプレイ装置に表示してもよい。
【0048】
また画像解析装置(図示省略)が、撮像装置12から出力される撮像対象50の画像データを受信して当該画像データを解析することで、撮像対象50の状態の評価又は検査を行ってもよい。この場合、評価対象物又は検査対象物(例えば電子チップなどの電子部品)が撮像対象50として使用され、光源20からの照明光L0(すなわち第1光束L1及び第2光束L2)が照射され、撮像装置12によって撮像される。このように撮像システム10は、撮像対象50の評価又は検査を行う評価システム又は検査システムの一部として機能させることも可能である。
【0049】
上述の
図3に示す照明装置11は、導光部30として第1反射体31~第3反射体33を備えるが、導光部30が具備する反射体の数及び配置は
図3に示す例には限定されない。例えば
図4に示すように、導光部30が具備する反射体として、第1反射体31及び第2反射体32のみが設けられてもよい。
【0050】
図4に示す例の照明装置11は、基本的に
図3に示す照明装置11と同様の構成を有するが、導光部30として第1反射体31及び第2反射体32がハウジング23の内側に設けられる。第1反射体31は、ビームスプリッター21からの第2光束L2を反射する。第2反射体32は光透過部35を有し、第1反射体31によって反射された第2光束L2をビームスプリッター21に向けて反射する。
【0051】
図4に示す例では、ビームスプリッター21及び第1反射体31は第2方向D2に並ぶように配置され、第2ハウジング透光部25、第2反射体32、ビームスプリッター21、第1ハウジング透光部24及び撮像対象50が第1方向D1に並ぶように配置される。
【0052】
図4に示す撮像システム10の他の構成及び作用効果は、
図3に示す撮像システム10と基本的に同様である。
【0053】
すなわち
図4に示す撮像システム10においても、光源20から発せられた照明光L0が光学系26を介してビームスプリッター21に入射し、ビームスプリッター21は、第1光束L1を撮像対象50に向けて反射しつつ、第2光束L2を透過する。ビームスプリッター21を透過した第2光束L2は、第1反射体31及び第2反射体32によって順次反射され、ビームスプリッター21を透過し、第1ハウジング透光部24を通過して撮像対象50に入射する。そして撮像対象50からの撮影光L3が、第1ハウジング透光部24を通って、ビームスプリッター21を透過し、光透過部35及び第2ハウジング透光部25を通って、撮像装置12によって受光される。
【0054】
このように
図4に示す撮像システム10においても、撮像対象50には第1光束L1及び第2光束L2が光効率良く照射される。
【0055】
一方、
図5及び
図6に示す撮像システム10では、第1光束L1のみが撮像対象50に照射され、第2光束L2は撮像対象50に照射されない。
【0056】
図5及び
図6に示す例において、照明装置11は、ハウジング23と、ハウジング23の内側に設けられる光源20、光学系26及びビームスプリッター21と、を備える。
図5に示すビームスプリッター21はキューブ型のビームスプリッターであり、
図6に示すビームスプリッター21はプレート型のビームスプリッターである。
【0057】
図5及び
図6に示す例において、光源20、光学系26及びビームスプリッター21は第2方向D2に並ぶように配置され、第2ハウジング透光部25、ビームスプリッター21及び第1ハウジング透光部24は第1方向D1に並ぶように配置される。
【0058】
図5及び
図6に示す撮像システム10において、光源20から光学系26を通ってビームスプリッター21に入射した照明光L0は、ビームスプリッター21によって第1光束L1及び第2光束L2に分割される。第1光束L1は、ビームスプリッター21によって反射され、第1ハウジング透光部24を通って撮像対象50に照射される。一方、第2光束L2は、ビームスプリッター21を透過して第2方向D2に進行し、ハウジング23に照射される。このようにしてハウジング23に照射された第2光束L2は、基本的には熱エネルギーとして消費され、撮像対象50の照明には寄与しない。
【0059】
したがって
図5及び
図6に示す撮像システム10において、撮像対象50には第1光束L1のみが照射される。そのため撮像対象50からの反射光であり撮像装置12によって受光される撮影光L3は、第1光束L1に加えて第2光束L2も撮像対象50に照射される
図3及び
図4に示す撮像システム10で得られる撮影光L3に比べ、必然的に暗くなる。
【0060】
図5及び
図6に示す撮像システム10において、入射光に対して「反射率:透過率=50%:50%」のビームスプリッター21が用いられる場合、光源20から発せられた照明光L0の半分の明るさの光(第1光束L1)が撮像対象50に照射される。またこの場合、撮像対象50からの反射光である撮影光L3の半分がビームスプリッター21を透過し、撮像装置12によって受光される。したがって撮像装置12によって受光される撮影光L3の明るさは、光源20から発せられる照明光L0の明るさの1/4以下になる。
【0061】
このように撮影光L3が本来的に暗くなる傾向がある撮像システム10では、撮像対象50の反射率が低い場合など、撮像装置12によって受光される撮影光L3が十分な明るさを持たないことがある。そのような場合には、撮像装置12のゲインコントロールなどによって撮影画像Pの明るさが調整されることがある。この場合、撮像装置12から出力される撮影画像Pに含まれるノイズ成分が増大されるため、そのような撮影画像Pを使って撮像対象50の評価又は検査が行われる場合には誤判定の可能性が増大する懸念がある。
【0062】
なおビームスプリッター21の反射率及び透過率の比率が調整されても、
図5及び
図6に示す撮像システム10では、撮像対象50に照射される照明光の明るさの増大と、撮像装置12が受光する撮影光L3の明るさの増大と、を両立することはできない。例えば、
図5及び
図6の撮像システム10において「反射率:透過率=70%:30%」のビームスプリッター21が用いられる場合、撮像対象50に対する照明光(第1光束L1)の明るさは増大される。しかしながらこの場合、撮像対象50からの反射光である撮影光L3がビームスプリッター21を透過する割合が低減するため、最終的に撮像対象50が受光する撮影光L3の明るさは、照明光L0の明るさの1/4よりも小さくなる。一方、
図5及び
図6の撮像システム10において「反射率:透過率=30%:70%」のビームスプリッター21が用いられる場合、撮影光L3がビームスプリッター21を透過する割合は増大するが、撮像対象50に照射される照明光の明るさが低減する。その結果、最終的に撮像対象50が受光する撮影光L3の明るさは、照明光L0の明るさの1/4よりも小さくなる。
【0063】
このように、ビームスプリッター21の反射率及び透過率の比率が調整されても、
図5及び
図6に示す撮像システム10では、最終的に撮像対象50が受光する撮影光L3は暗くなる傾向がある。
【0064】
次に、
図3~
図6の撮像システム10によって得られる撮像対象50の撮影画像P(すなわち撮像装置12から出力される画像データ)の例について説明する。
【0065】
図7A~
図8Bは、撮像対象50である電子チップ(特に単一組成を有する面部)の撮影画像Pを示す。
図7Aは、
図3の撮像システム10によって取得される撮影画像Pを示す。
図7Bは、
図4の撮像システム10によって取得される撮影画像Pを示す。
図8Aは、
図5の撮像システム10によって取得される撮影画像Pを示す。
図8Bは、
図6の撮像システム10によって取得される撮影画像Pを示す。
【0066】
図7A~
図8Bに示す撮影画像Pは、撮像システム10の装置構成の相違(
図3~
図6参照)以外の条件は基本的に同じに揃えられて取得された撮影画像Pである。したがって、撮像条件(例えば撮像装置12のシャッタースピードやゲインなど)及び照明条件(例えば光源20の位置や発光強さ、及び、ビームスプリッター21の位置や反射/透過特性など)は、
図7A~
図8Bの撮影画像P間で同じである。
【0067】
図7Aの撮影画像Pに関し、画像外周領域R1の平均濃淡値(すなわち平均画素値)は「210」であり、画像中央領域R2の平均濃淡値は「225」であった。また
図7Bの撮影画像Pに関し、画像外周領域R1の平均濃淡値は「213」であり、画像中央領域R2の平均濃淡値は「227」であった。一方、
図8Aの撮影画像Pに関し、画像外周領域R1の平均濃淡値は「125」であり、画像中央領域R2の平均濃淡値は「135」であった。また
図8Bの撮影画像Pに関し、画像外周領域R1の平均濃淡値は「121」であり、画像中央領域R2の平均濃淡値は「130」であった。
【0068】
なお、
図7A~
図8Bの撮影画像Pの濃淡値は8ビット(すなわち「0」~「255」)で表され、数値が大きいほど明るい画像であることを示し、数値が小さいほど暗い画像であることを示す。上述の画像外周領域R1の平均濃淡値は、画像外周領域R1に含まれる複数画素の画素値の平均値によって表される。同様に、画像中央領域R2の平均濃淡値は、画像中央領域R2に含まれる複数画素の画素値の平均値によって表される。
【0069】
図9A~
図10Bは、撮像対象50である水晶発振器(特に素体(セラミックス)及び4つの電極(金属めっき)が露出する面部)の撮影画像Pを示す。
図9Aは、
図3の撮像システム10によって取得される撮影画像Pを示す。
図9Bは、
図4の撮像システム10によって取得される撮影画像Pを示す。
図10Aは、
図5の撮像システム10によって取得される撮影画像Pを示す。
図10Bは、
図6の撮像システム10によって取得される撮影画像Pを示す。なお
図9A~
図10Bの撮影画像Pは、撮像システム10の装置構成の相違(
図3~
図6参照)以外の条件は基本的に同じに揃えられて取得された撮影画像Pである。
【0070】
一般に、金属めっきによる電極は、入射光に対する反射態様として正反射(鏡面反射)が支配的になり、
図3~
図6に示す撮像システム10により取得される撮影画像Pにおいて、光源20から出射される照明光L0の明るさの1/4程度の明るさを持ちうる。一方、セラミックス製の素体は、入射光に対する反射態様として拡散反射(散乱反射)が支配的になり、入射光の一部を全方向に概ね均等に反射するともに、入射光の他の部分を透過及び吸収する。そのためセラミック製の素体は、
図3~
図6に示す撮像システム10により取得される撮影画像Pにおいて、光源20から出射される照明光L0の明るさの1/4よりも大幅に小さい明るさを持ちうる。なお、電極及び素体の具体的な材質及び表面状態によって、電極及び素体における光の反射態様(散乱、透過及び吸収を含む)は変動する。そのため、撮像装置12によって実際に受光される電極及び素体の撮影光L3の明るさ(光強度)は、想定よりも小さくなることがある。
【0071】
図9Aの撮影画像Pに関し、第1画像電極領域R3の平均濃淡値は「235」であり、第2画像電極領域R4の平均濃淡値は「237」であり、画像素体領域R5の平均濃淡値は「120」であった。また
図9Bの撮影画像Pに関し、第1画像電極領域R3の平均濃淡値は「239」であり、第2画像電極領域R4の平均濃淡値は「237」であり、画像素体領域R5の平均濃淡値は「119」であった。一方、
図10Aの撮影画像Pに関し、第1画像電極領域R3の平均濃淡値は「179」であり、第2画像電極領域R4の平均濃淡値は「175」であり、画像素体領域R5の平均濃淡値は「38」であった。また
図10Bの撮影画像Pに関し、第1画像電極領域R3の平均濃淡値は「180」であり、第2画像電極領域R4の平均濃淡値は「175」であり、画像素体領域R5の平均濃淡値は「40」であった。
【0072】
図11A~
図12Bは、撮像対象50である電子部品(特に素体(セラミックス)及び2つの電極(金属めっき)が露出する面部)の撮影画像Pを示す。
図11Aは、
図3の撮像システム10によって取得される撮影画像Pを示す。
図11Bは、
図4の撮像システム10によって取得される撮影画像Pを示す。
図12Aは、
図5の撮像システム10によって取得される撮影画像Pを示す。
図12Bは、
図6の撮像システム10によって取得される撮影画像Pを示す。なお
図11A~
図12Bの撮影画像Pは、撮像システム10の装置構成の相違(
図3~
図6参照)以外の条件は基本的に同じに揃えられて取得された撮影画像Pである。
【0073】
図11Aの撮影画像Pに関し、第1画像電極領域R6の平均濃淡値は「224」であり、第2画像電極領域R7の平均濃淡値は「226」であり、画像素体領域R8の平均濃淡値は「114」であった。また
図11Bの撮影画像Pに関し、第1画像電極領域R6の平均濃淡値は「222」であり、第2画像電極領域R7の平均濃淡値は「222」であり、画像素体領域R8の平均濃淡値は「112」であった。一方、
図12Aの撮影画像Pに関し、第1画像電極領域R6の平均濃淡値は「162」であり、第2画像電極領域R7の平均濃淡値は「164」であり、画像素体領域R8の平均濃淡値は「36」であった。また
図12Bの撮影画像Pに関し、第1画像電極領域R6の平均濃淡値は「160」であり、第2画像電極領域R7の平均濃淡値は「163」であり、画像素体領域R8の平均濃淡値は「34」であった。
【0074】
上述の
図7A~
図12Bからも明らかなように、導光部30を具備する照明装置11を用いることによって、導光部30を具備しない照明装置11を用いる場合に比べ、明るい撮影画像Pを取得することができる。そのため、例えば撮影画像Pの二値化処理を行うことで、撮像対象50の構成部位(例えば電極部位及び素体部位)の範囲を精度良く区別及び把握することが可能である。また撮影画像Pにおける黒つぶれを効果的に抑制でき、撮像対象50のうち比較的反射率の低い部位の状態も、撮影画像Pにおいて明瞭に再現することが可能である。
【0075】
以上説明したように上述の導光部30を具備する照明装置11によれば、ビームスプリッター21によって反射される第1光束L1だけではなく、ビームスプリッター21を透過した第2光束L2の少なくとも一部も、撮像対象50に照射される。このように照明光L0のうちビームスプリッター21を透過した光成分(第2光束L2)を導光部30によってビームスプリッター21に再入射させることで、効率的に、撮像対象50に対して照明光を明るく照射することができる。その結果、明るい撮影光L3を撮像装置12によって受光させることができる。
【0076】
このように導光部30を具備する照明装置11によれば、全体的に明るい高精細な撮影画像Pを取得することができる。そのため、例えば撮像対象50の線幅の細い部分であっても、撮影画像Pにおいて明瞭に再現することが可能である。
【0077】
また光源20の発光負荷の軽減を可能にする。例えば発光強度が比較的小さい光源20が用いられる場合であっても、撮像対象50を十分な明るさの光によって照明することが可能であり、十分な明るさの撮像対象50の撮影画像Pを撮像装置12によって得ることが可能である。
【0078】
また十分な明るさの撮影画像Pが撮像装置12によって得られることで、ゲインコントロールなどの撮影画像Pの明るさ調整が不要になり、又は、そのような撮影画像Pの明るさ調整の程度を抑えることができる。その結果、ノイズ成分が抑えられた高画質の撮影画像Pを撮像装置12から出力することができる。そのため撮影画像Pを使って撮像対象50の評価又は検査が行われる場合には、当該評価又は検査において高精度な判定を安定的に行うことが可能であり、撮像対象50のキズ等の欠陥を撮影画像Pから高い信頼性を持って判別することが可能になる。
【0079】
[変形例]
上述の
図1、
図3及び
図4に示す例では、2つ又は3つの反射体(第1反射体31~第3反射体33参照)を具備する導光部30が用いられているが、導光部30は4つ以上の反射体を具備してもよい。
【0080】
また導光部30は、ミラーの代わりにプリズムなどの任意の反射体(第1反射体31~第3反射体33参照)を具備してもよい。
【0081】
また撮像システム10は、光(照明光L0、第1光束L1、第2光束L2及び撮影光L3を含む)の状態(進路及び特性を含む)を調整する任意の光学素子を備えてもよい。そのような光学素子として、例えば特定波長域の光をカットしたり透過させたりする光学フィルタ、及び、光を屈折させて発散又は収束させるレンズが挙げられる。そのような光学素子は、光源20とビームスプリッター21との間(例えば光学系26とビームスプリッター21の間)、ビームスプリッター21と撮像対象50との間、導光部30とビームスプリッター21との間、及び/又はビームスプリッター21と撮像装置12との間(例えば照明装置11と撮像装置12との間)に設置されてもよい。
【0082】
本明細書で開示されている実施形態及び変形例はすべての点で例示に過ぎず限定的には解釈されないことに留意されるべきである。上述の実施形態及び変形例は、添付の特許請求の範囲及びその趣旨を逸脱することなく、様々な形態での省略、置換及び変更が可能である。例えば上述の実施形態及び変形例が全体的に又は部分的に組み合わされてもよく、また上述以外の実施形態が上述の実施形態又は変形例と組み合わされてもよい。また、本明細書に記載された本開示の効果は例示に過ぎず、その他の効果がもたらされてもよい。
【0083】
上述の技術的思想を具現化する技術的カテゴリーは限定されない。例えば上述の装置を製造する方法或いは使用する方法に含まれる1又は複数の手順(ステップ)をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムによって、上述の技術的思想が具現化されてもよい。またそのようなコンピュータプログラムが記録されたコンピュータが読み取り可能な非一時的(non-transitory)な記録媒体によって、上述の技術的思想が具現化されてもよい。
【符号の説明】
【0084】
10 撮像システム、11 照明装置、12 撮像装置、20 光源、21 ビームスプリッター、23 ハウジング、24 第1ハウジング透光部、25 第2ハウジング透光部、26 光学系、30 導光部、31 第1反射体、32 第2反射体、33 第3反射体、35 光透過部、50 撮像対象、D1 第1方向、D2 第2方向、L0 照明光、L1 第1光束、L2 第2光束、L3 撮影光、P 撮影画像、R1 画像外周領域、R2 画像中央領域、R3 第1画像電極領域、R4 第2画像電極領域、R5 画像素体領域、R6 第1画像電極領域、R7 第2画像電極領域、R8 画像素体領域
【手続補正書】
【提出日】2024-05-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
入射光を第1光束及び第2光束に分割し、前記第1光束を対象に向けて導くビームスプリッターと、
前記ビームスプリッターからの前記第2光束の少なくとも一部を、前記ビームスプリッターに入射させて前記ビームスプリッターから前記対象に向けて出射させる導光部と、
を備え、
前記導光部は、前記ハウジングの内側において前記ハウジングとは別体として設けられる複数の反射体を含み、
前記複数の反射体のうちのいずれかは、前記ビームスプリッターを透過した前記対象からの反射光である撮影光の少なくとも一部を通過させる光透過部を有し、
前記光透過部は、物体が存在しない空間として設けられ、
前記撮影光は、前記ビームスプリッター及び前記光透過部を通って撮像装置に入射する、照明装置。
【請求項2】
前記ビームスプリッターは、前記第1光束を前記対象に向けて反射し、前記第2光束を透過する、
請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記ビームスプリッターは、前記第1光束を第1導光方向に反射し、前記入射光から分割される前記第2光束を第2導光方向に透過し、
前記導光部は、前記ビームスプリッターからの前記第2光束の少なくとも一部を、前記ビームスプリッターに対して前記第1導光方向に入射させるように反射する、
請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
前記導光部は、
前記ビームスプリッターからの前記第2光束を反射する第1反射体と、
前記第1反射体によって反射された前記第2光束を前記ビームスプリッターに向けて反射する第2反射体と、
を有する請求項1に記載の照明装置。
【請求項5】
前記導光部は、
前記ビームスプリッターからの前記第2光束を反射する第1反射体と、
前記第1反射体によって反射された前記第2光束を反射する第2反射体と、
前記第2反射体によって反射された前記第2光束を前記ビームスプリッターに向けて反射する第3反射体と、
を有する請求項1に記載の照明装置。
【請求項6】
前記ビームスプリッターは、前記対象からの反射光である撮影光の少なくとも一部を透過し、
前記導光部は、前記ビームスプリッターを透過した前記撮影光の少なくとも一部を通過させる光透過部を有し、
前記撮影光は、前記ビームスプリッター及び前記光透過部を通って前記撮像装置に入射する、
請求項1に記載の照明装置。
【請求項7】
前記撮影光は、前記光透過部を通った後、反射体を介することなく前記撮像装置に入射する、
請求項1に記載の照明装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の照明装置と、
前記ビームスプリッターを介して前記対象とは反対側に配置され、前記対象からの反射光である撮影光を、前記ビームスプリッターを介して受光する撮像装置と、
を備える撮像システム。