(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084496
(43)【公開日】2024-06-25
(54)【発明の名称】表面保護フィルム
(51)【国際特許分類】
C09J 7/38 20180101AFI20240618BHJP
C09J 175/04 20060101ALI20240618BHJP
C09J 11/06 20060101ALI20240618BHJP
B32B 27/00 20060101ALI20240618BHJP
B32B 27/40 20060101ALI20240618BHJP
B32B 27/18 20060101ALN20240618BHJP
【FI】
C09J7/38
C09J175/04
C09J11/06
B32B27/00 M
B32B27/40
B32B27/18 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022198798
(22)【出願日】2022-12-13
(71)【出願人】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107641
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 耕一
(74)【代理人】
【識別番号】110002239
【氏名又は名称】弁理士法人G-chemical
(72)【発明者】
【氏名】舟木 千尋
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 翔悟
【テーマコード(参考)】
4F100
4J004
4J040
【Fターム(参考)】
4F100AH05A
4F100AH05H
4F100AH06A
4F100AH06H
4F100AK51A
4F100AK51G
4F100AL05A
4F100AL05G
4F100AT00
4F100BA02
4F100CA22A
4F100CA22H
4F100JK06
4F100JL14
4J004AA14
4J004AA17
4J004AB01
4J004BA02
4J004CA06
4J004CB03
4J004DB02
4J004FA04
4J040EF111
4J040EF131
4J040EF291
4J040HB04
4J040HB31
4J040HD30
4J040KA23
4J040KA31
4J040KA38
4J040PA20
4J040PA42
(57)【要約】
【課題】光学部材や電子部材の製造工程において、加工、組立、検査、輸送などの際の該光学部材や該電子部材の表面の傷付き防止のために該光学部材や該電子部材の露出面に貼着することを主たる用途とする、粘着剤層を含む表面保護フィルムであって、貼り付け初期の優れた軽剥離性が発現でき、且つ、剥離力の経時上昇を抑制できる、表面保護フィルムを提供する。
【解決手段】本発明の実施形態による表面保護フィルムは、粘着剤層を含む表面保護フィルムであって、該粘着剤層を構成する粘着剤が粘着剤組成物から形成され、該粘着剤組成物が、ウレタンプレポリマー(A)、フッ素系化合物(B)、シリコーン系化合物(C)、および脂肪酸エステル(D)を含み、該粘着剤層表面のジヨードメタンに対する表面自由エネルギーが0.1mJ/m
2~8.0mJ/m
2である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘着剤層を含む表面保護フィルムであって、
該粘着剤層を構成する粘着剤が粘着剤組成物から形成され、
該粘着剤組成物が、ウレタンプレポリマー(A)、フッ素系化合物(B)、シリコーン系化合物(C)、および脂肪酸エステル(D)を含み、
該粘着剤層表面のジヨードメタンに対する表面自由エネルギーが0.1mJ/m2~8.0mJ/m2である、
表面保護フィルム。
【請求項2】
前記ウレタンプレポリマー(A)100重量部に対する前記シリコーン系化合物(C)の含有割合が0.02重量部~3重量部である、請求項1に記載の表面保護フィルム。
【請求項3】
前記表面保護フィルムに含まれる前記粘着剤層をアクリル板表面に貼り合わせて温度23℃で30分放置した後に、温度23℃で該表面保護フィルムを該アクリル板表面から剥離角度180度、剥離速度300mm/分で剥離したときの剥離力を剥離力P1とし、前記表面保護フィルムに含まれる前記粘着剤層をアクリル板表面に貼り合わせて温度23℃で1週間放置した後に、温度23℃で該表面保護フィルムを該アクリル板表面から剥離角度180度、剥離速度300mm/分で剥離したときの剥離力を剥離力P2としたときに、(剥離力P2/剥離力P1)×100(%)で算出される剥離力経時上昇率(1)が150%以下である、請求項1に記載の表面保護フィルム。
【請求項4】
前記表面保護フィルムに含まれる前記粘着剤層をアクリル板表面に貼り合わせて温度23℃で30分放置した後に、温度23℃で該表面保護フィルムを該アクリル板表面から剥離角度180度、剥離速度300mm/分で剥離したときの剥離力を剥離力P1とし、前記表面保護フィルムに含まれる前記粘着剤層をアクリル板表面に貼り合わせて温度50℃で1日放置した後に、温度23℃で該表面保護フィルムを該アクリル板表面から剥離角度180度、剥離速度300mm/分で剥離したときの剥離力を剥離力P3としたときに、(剥離力P3/剥離力P1)×100(%)で算出される剥離力経時上昇率(2)が250%以下である、請求項1に記載の表面保護フィルム。
【請求項5】
前記表面保護フィルムに含まれる前記粘着剤層中の黒点発生量が5個/100cm2以下である、請求項1に記載の表面保護フィルム。
【請求項6】
前記粘着剤組成物がイオン性化合物(E)を含む、請求項1に記載の表面保護フィルム。
【請求項7】
前記イオン性化合物(E)の分子量が350以下である、請求項6に記載の表面保護フィルム。
【請求項8】
対アクリル板剥離帯電圧が2kV以下である、請求項6に記載の表面保護フィルム。
【請求項9】
前記ウレタンプレポリマー(A)100重量部に対する前記脂肪酸エステル(D)の含有割合が0.01重量部~28重量部である、請求項6に記載の表面保護フィルム。
【請求項10】
請求項1から9までのいずれかに記載の表面保護フィルムが貼着された光学部材。
【請求項11】
請求項1から9までのいずれかに記載の表面保護フィルムが貼着された電子部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表面保護フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
光学部材や電子部材の製造工程においては、加工、組立、検査、輸送などの際に、該光学部材や該電子部材の表面が傷付くことを防止するために、一般に、該光学部材や該電子部材の露出面に表面保護フィルムが貼り付けられる。このような表面保護フィルムは、表面保護の必要がなくなった時点で、光学部材や電子部材から剥離される(特許文献1)。
【0003】
表面保護フィルムが貼り付けられた光学部材や電子部材から該表面保護フィルムを剥離しようとする際には、該表面保護フィルムと該光学部材や該電子部材との界面でのみスムーズに剥離できることが重要であり、軽剥離性が求められる。
【0004】
また、光学部材や電子部材は、一般に、高価で破損しやすい。このため、光学部材や電子部材の露出面に貼り付けられる表面保護フィルムには、剥離の際に該光学部材や該電子部材を破損させないことが重要であり、この点からも優れた軽剥離性が求められる。
【0005】
表面保護フィルムの軽剥離化の手段として、粘着剤層を構成する粘着剤を形成させる粘着剤組成物中にフッ素系化合物やシリコーン系化合物を添加する技術が報告されている。
【0006】
特許文献2、3には、ウレタン系粘着剤を形成させる粘着剤組成物中にフッ素系化合物および/またはシリコーン系化合物を含有させることにより、超軽剥離性を発現させる技術が報告されている。
【0007】
特許文献4には、ウレタン系粘着剤を形成させる粘着剤組成物中にフッ素系化合物および/またはシリコーン系化合物を含有させ、さらに脂肪酸エステルを含有させることにより、被着体から容易に剥がれることがなく、被着体に貼り付けた後の初期の剥離力が大きくても経時における重剥離化を抑制でき、被着体に貼り付けることによる該被着体表面の汚染性が低い、表面保護フィルムについての技術が報告されている。
【0008】
特許文献5には、ウレタン系粘着剤を形成させる粘着剤組成物中にフッ素系化合物および/またはシリコーン系化合物を含有させ、さらに低分子量ポリオールを含有させることにより、被着体から容易に剥がれることがなく、過酷な環境下に長期保管された場合であっても経時における重剥離化を十分に抑制でき、被着体に貼り付けることによる該被着体表面の汚染性が十分に低い、表面保護フィルムについての技術が報告されている。
【0009】
ここで、光学部材や電子部材の露出面に貼り付けることを主用途とした表面保護フィルムが備える粘着剤層を構成する好ましい粘着剤として、ウレタン系粘着剤が知られている。ウレタン系粘着剤を得るために用いられるウレタン系樹脂としては、一般によく知られているように、ウレタンプレポリマーを用いずに、ポリオールと多官能イソシアネートをダイレクトに反応させてウレタン系樹脂を製造する「ワンショット法」と、ウレタンプレポリマーと多官能イソシアネートを反応させてウレタン系樹脂を製造する「プレポリマー法」との、2種類の製造方法が存在する。
【0010】
「ワンショット法」では、数平均分子量が10000付近のポリオールを用いるため、多官能イソシアネートとの反応でダイレクトに硬化させることによって架橋密度が高くなり、軽剥離性を確保し得るが、一方で、「ワンショット法」では、粘着剤溶液の粘度が低いため、厚膜化には適していないという問題がある。他方、「プレポリマー法」では、粘着剤溶液の粘度が高いため、厚膜化には適している。しかし、「プレポリマー法」では、多官能イソシアネートとの反応で硬化させることによって得られる粘着剤の架橋密度が低いため、軽剥離性を発現し難いという問題がある。
【0011】
特許文献2、3では、ベースポリマーとしてウレタンプレポリマーを用いた場合について、フッ素系化合物を用いた実施形態について報告されている(実施例7~15)。特許文献4では、ベースポリマーとしてウレタンプレポリマーを用いた場合について、フッ素系化合物と脂肪酸エステルを用いた実施形態(実施例1~12、14,15)およびシリコーン系化合物と脂肪酸エステルを用いた実施形態(実施例13)について報告されている。特許文献5では、ベースポリマーとしてウレタンプレポリマーを用いた場合について、フッ素系化合物と低分子量ポリオールと脂肪酸エステルを用いた実施形態(実施例1~3)およびシリコーン系化合物と低分子量ポリオールを用いた実施形態(実施例13)について報告されている。
【0012】
しかし、本発明者らの検討により、特許文献2~5で報告されている実施形態においては、貼り付け初期の優れた軽剥離性の発現と剥離力の経時上昇を抑制との両立が十分に達成できておらず、特に、光学部材や電子部材の製造工程において、加工、組立、検査、輸送などの際の該光学部材や該電子部材の表面の傷付き防止のために該光学部材や該電子部材の露出面に貼着する用途には十分な性能を実現できていないことが判明した。
【0013】
他方、通常、表面保護フィルム、光学部材、電子部材は、電気絶縁性が高く、摩擦や剥離によって静電気を発生する。このため、表面保護フィルムが貼り付けられた光学部材や電子部材から該表面保護フィルムを剥離する際にも静電気が発生し、この静電気が残ったままの状態であると、例えば、液晶に電圧を印加すると、液晶分子の配向が損失したり、パネルの欠損が生じたりする。また、静電気の存在は、塵埃を吸引したり、作業性を低下させたりする要因ともなり得る。このような静電気を防止するため、表面保護フィルムに帯電防止処理を施す技術が報告されている。例えば、表面保護フィルムの表面層(トップコート層や背面層)として、帯電防止層を形成したり帯電防止コーティングを施したりすることにより、帯電防止機能を付与する技術が報告されている(特許文献6、7)。
【0014】
また、表面保護フィルムが備える粘着剤層自体に帯電防止性を付与するため、帯電防止剤として機能するアルカリ金属塩やイオン液体等のイオン性化合物を粘着剤層中に含有させる技術や、基材と粘着剤層の間に帯電防止層を設ける技術が報告されている(特許文献8)。
【0015】
しかしながら、上記のような技術では、帯電防止性能は帯電防止剤の量に依存する。このため、帯電防止剤の量を増やすほど被着体が汚染されてしまい、表面保護フィルムを剥離した後に別の部材を貼り付けた場合に剥がれが発生するなどの工程不良の恐れや、基材と粘着剤層の間に帯電防止層を設けるための工程が増えてしまうという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特許第6613516号公報
【特許文献2】特許第6368810号公報
【特許文献3】特許第6648168号公報
【特許文献4】特許第7137961号公報
【特許文献5】特許第7142482号公報
【特許文献6】特許第4170102号公報
【特許文献7】特許第4920613号公報
【特許文献8】特開2018-168373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の課題は、光学部材や電子部材の製造工程において、加工、組立、検査、輸送などの際の該光学部材や該電子部材の表面の傷付き防止のために該光学部材や該電子部材の露出面に貼着することを主たる用途とする、粘着剤層を含む表面保護フィルムであって、貼り付け初期の優れた軽剥離性が発現でき、且つ、剥離力の経時上昇を抑制できる、表面保護フィルムを提供することを目的とする。
【0018】
また、上記粘着剤層を構成する粘着剤を形成する粘着剤組成物がイオン性化合物を含む場合は、本発明の課題は、上記目的を達成するとともに、優れた帯電防止性能を発現でき、且つ、数日間貼り付けた状態で保管する場合などにおいても被着体の汚染を抑制できる、表面保護フィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
[1]本発明の実施形態による表面保護フィルムは、粘着剤層を含む表面保護フィルムであって、該粘着剤層を構成する粘着剤が粘着剤組成物から形成され、該粘着剤組成物が、ウレタンプレポリマー(A)、フッ素系化合物(B)、シリコーン系化合物(C)、および脂肪酸エステル(D)を含み、該粘着剤層表面のジヨードメタンに対する表面自由エネルギーが0.1mJ/m2~8.0mJ/m2である。
[2]上記[1]に記載の表面保護フィルムにおいて、上記ウレタンプレポリマー(A)100重量部に対する上記シリコーン系化合物(C)の含有割合が0.02重量部~3重量部であってもよい。
[3]上記[1]または[2]に記載の表面保護フィルムにおいて、上記表面保護フィルムに含まれる上記粘着剤層をアクリル板表面に貼り合わせて温度23℃で30分放置した後に、温度23℃で該表面保護フィルムを該アクリル板表面から剥離角度180度、剥離速度300mm/分で剥離したときの剥離力を剥離力P1とし、上記表面保護フィルムに含まれる上記粘着剤層をアクリル板表面に貼り合わせて温度23℃で1週間放置した後に、温度23℃で該表面保護フィルムを該アクリル板表面から剥離角度180度、剥離速度300mm/分で剥離したときの剥離力を剥離力P2としたときに、(剥離力P2/剥離力P1)×100(%)で算出される剥離力経時上昇率(1)が150%以下であってもよい。
[4]上記[1]から[3]までのいずれかに記載の表面保護フィルムにおいて、上記表面保護フィルムに含まれる上記粘着剤層をアクリル板表面に貼り合わせて温度23℃で30分放置した後に、温度23℃で該表面保護フィルムを該アクリル板表面から剥離角度180度、剥離速度300mm/分で剥離したときの剥離力を剥離力P1とし、上記表面保護フィルムに含まれる上記粘着剤層をアクリル板表面に貼り合わせて温度50℃で1日放置した後に、温度23℃で該表面保護フィルムを該アクリル板表面から剥離角度180度、剥離速度300mm/分で剥離したときの剥離力を剥離力P3としたときに、(剥離力P3/剥離力P1)×100(%)で算出される剥離力経時上昇率(2)が250%以下であってもよい。
[5]上記[1]から[4]までのいずれかに記載の表面保護フィルムにおいて、上記表面保護フィルムに含まれる上記前記粘着剤層中の黒点発生量が5個/100cm2以下であってもよい。
[6]上記[1]から[5]までのいずれかに記載の表面保護フィルムにおいて、上記粘着剤組成物がイオン性化合物(E)を含んでいてもよい。
[7]上記[6]に記載の表面保護フィルムにおいて、上記イオン性化合物(E)の分子量が350以下であってもよい。
[8]上記[6]または[7]に記載の表面保護フィルムにおいて、対アクリル板剥離帯電圧が2kV以下であってもよい。
[9]上記[6]から[8]までのいずれかに記載の表面保護フィルムにおいて、上記ウレタンプレポリマー(A)100重量部に対する上記脂肪酸エステル(D)の含有割合が0.01重量部~28重量部であってもよい。
[10]本発明の実施形態による光学部材は、上記[1]から[9]までのいずれかに記載の表面保護フィルムが貼着されたものである。
[11]本発明の実施形態による電子部材は、上記[1]から[9]までのいずれかに記載の表面保護フィルムが貼着されたものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、光学部材や電子部材の製造工程において、加工、組立、検査、輸送などの際の該光学部材や該電子部材の表面の傷付き防止のために該光学部材や該電子部材の露出面に貼着することを主たる用途とする、粘着剤層を含む表面保護フィルムであって、貼り付け初期の優れた軽剥離性が発現でき、且つ、剥離力の経時上昇を抑制できる、表面保護フィルムを提供ことができる。
【0021】
また、本発明によれば、上記粘着剤層を構成する粘着剤を形成する粘着剤組成物がイオン性化合物を含む場合は、上記効果を発現できるとともに、優れた帯電防止性能を発現でき、且つ、数日間貼り付けた状態で保管する場合などにおいても被着体の汚染を抑制できる、表面保護フィルムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一つの実施形態による表面保護フィルムの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本明細書中で「重量」との表現がある場合は、重さを示すSI系単位として慣用されている「質量」と読み替えてもよい。
【0024】
本明細書中で「(メタ)アクリル」との表現がある場合は、「アクリルおよび/またはメタクリル」を意味し、「(メタ)アクリレート」との表現がある場合は、「アクリレートおよび/またはメタクリレート」を意味し、「(メタ)アリル」との表現がある場合は、「アリルおよび/またはメタリル」を意味し、「(メタ)アクロレイン」との表現がある場合は、「アクロレインおよび/またはメタクロレイン」を意味する。
【0025】
≪≪A.表面保護フィルム≫≫
本発明の実施形態による表面保護フィルムは、粘着剤層を含む。
【0026】
表面保護フィルムは、粘着剤層を含んでいれば、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な他の部材を含んでいてもよい。代表的には、本発明の表面保護フィルムは、基材層と粘着剤層を含む。
【0027】
図1は、本発明の一つの実施形態による表面保護フィルムの概略断面図である。
図1において、表面保護フィルム10は、基材層1と粘着剤層2を備える。
図1において、基材層1と粘着剤層2とは直接に積層されている。
【0028】
図1において、粘着剤層2の基材層1の反対側の表面には、使用するまでの保護等のために、任意の適切なはく離ライナー(はく離シートやセパレーターと称することもある)が備えられていてもよい(図示せず)。はく離ライナーとしては、例えば、紙やプラスチックフィルム等の基材(ライナー基材)の表面がシリコーン処理されたはく離ライナー、紙やプラスチックフィルム等の基材(ライナー基材)の表面がポリオレフィン系樹脂によりラミネートされたはく離ライナーなどが挙げられる。
【0029】
ライナー基材としてのプラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン-酢酸ビニル共重合体フィルムなどが挙げられる。
【0030】
はく離ライナーの厚みは、好ましくは1μm~500μmであり、より好ましくは3μm~450μmであり、さらに好ましくは5μm~400μmであり、特に好ましくは10μm~300μmである。
【0031】
表面保護フィルムの厚みは、好ましくは5μm~500μmであり、より好ましくは10μm~450μmであり、さらに好ましくは15μm~400μmであり、特に好ましくは20μm~300μmである。
【0032】
本発明の実施形態による表面保護フィルムは、粘着剤層表面のジヨードメタンに対する表面自由エネルギーが、好ましくは0.1mJ/m2~8.0mJ/m2であり、より好ましくは0.1mJ/m2~7.5mJ/m2であり、さらに好ましくは0.1mJ/m2~7.0mJ/m2であり、特に好ましくは0.1mJ/m2~6.5mJ/m2であり、最も好ましくは0.1mJ/m2~6.0mJ/m2である。粘着剤層表面のジヨードメタンに対する表面自由エネルギーが上記範囲内にあれば、本発明の効果をより発現し得る。粘着剤層表面のジヨードメタンに対する表面自由エネルギーが上記範囲内から外れると、例えば、剥離力の経時上昇が生じるおそれがある。
【0033】
なお、粘着剤層表面のジヨードメタンに対する表面自由エネルギーは、後述するように、容易に測定可能であり、この表面自由エネルギーが上記の所定範囲内に入るように粘着剤層を設計することにより、剥離力の経時上昇を抑制できるなど、本発明の効果をより発現し得る。このような粘着剤層を設計する具体的手段としては、代表的には、粘着剤層を構成する粘着剤を形成するために用いる粘着剤組成物が含む成分として、ベースポリマーとしてウレタンプレポリマー(A)を選択し、且つ、フッ素系化合物(B)、シリコーン系化合物(C)、および脂肪酸エステル(D)を適切に選択して併用することが挙げられる。そして、これらの選択は、当業者が過度な試行錯誤を繰り返さなくても実施可能な行為である。
【0034】
本発明の実施形態による表面保護フィルムは、該表面保護フィルムに含まれる粘着剤層をアクリル板表面に貼り合わせて、温度23℃で30分間放置した後に、温度23℃で該表面保護フィルムを該アクリル板表面から剥離角度180度、剥離速度300mm/分で剥離したときの剥離力P1が、好ましくは3.0gf/25mm以下であり、より好ましくは2.5gf/25mm以下であり、さらに好ましくは2.3gf/25mm以下であり、さらに好ましくは2.0gf/25mm以下であり、特に好ましくは1.8gf/25mm以下であり、最も好ましくは1.7gf/25mm以下である。上記剥離力P1が上記範囲内にあれば、本発明の実施形態による表面保護フィルムは、貼り付け初期の優れた軽剥離性を発現し得る。なお、製造工程等において意図しない剥離が生じないために、上記剥離力P1の下限値は、好ましくは0.5gf/25mm以上である。上記剥離力P1の測定方法については、後述する。
【0035】
本発明の実施形態による表面保護フィルムは、該表面保護フィルムに含まれる粘着剤層をアクリル板表面に貼り合わせて、温度23℃で1週間放置した後に、温度23℃で該表面保護フィルムを該アクリル板表面から剥離角度180度、剥離速度300mm/分で剥離したときの剥離力P2が、好ましくは7.0gf/25mm以下であり、より好ましくは5.0gf/25mm以下であり、さらに好ましくは4.0gf/25mm以下であり、さらに好ましくは3.5gf/25mm以下であり、特に好ましくは3.0gf/25mm以下であり、最も好ましくは2.5gf/25mm以下である。上記剥離力P2が上記範囲内にあれば、本発明の実施形態による表面保護フィルムは、貼り付け初期の優れた軽剥離性が発現し得るとともに、剥離力の経時上昇を抑制し得る。なお、製造工程等において意図しない剥離が生じないために、上記剥離力P2の下限値は、好ましくは0.5gf/25mm以上である。上記剥離力P2の測定方法については、後述する。
【0036】
本発明の実施形態による表面保護フィルムは、該表面保護フィルムに含まれる粘着剤層をアクリル板表面に貼り合わせて、温度50℃で1日放置した後に、温度23℃で該表面保護フィルムを該アクリル板表面から剥離角度180度、剥離速度300mm/分で剥離したときの剥離力P3が、好ましくは10.0gf/25mm以下であり、より好ましくは8.0gf/25mm以下であり、さらに好ましくは6.0gf/25mm以下であり、さらに好ましくは5.0gf/25mm以下であり、特に好ましくは4.5gf/25mm以下であり、最も好ましくは4.0gf/25mm以下である。上記剥離力P3が上記範囲内にあれば、本発明の実施形態による表面保護フィルムは、貼り付け初期の優れた軽剥離性が発現し得るとともに、剥離力の経時上昇を抑制し得る。なお、製造工程等において意図しない剥離が生じないために、上記剥離力P3の下限値は、好ましくは0.5gf/25mm以上である。上記剥離力P3の測定方法については、後述する。
【0037】
本発明の実施形態による表面保護フィルムは、上記剥離力P1から上記剥離力P2への剥離力経時上昇率(1)(剥離力経時上昇率(1)(%)=(剥離力P2/剥離力P1)×100(%))が、好ましくは150%以下であり、より好ましくは130%以下であり、さらに好ましくは125%以下であり、特に好ましくは120%以下である。上記剥離力経時上昇率(1)の下限値は、小さければ小さいほど好ましく、好ましくは100%以上である。上記剥離力経時上昇率(1)が上記範囲内にあれば、本発明の実施形態による表面保護フィルムは、剥離力の経時上昇をより抑制し得る。
【0038】
本発明の実施形態による表面保護フィルムは、上記剥離力P1から上記剥離力P3への剥離力経時上昇率(2)(剥離力経時上昇率(2)(%)=(剥離力P3/剥離力P1)×100(%))が、好ましくは250%以下であり、より好ましくは220%以下であり、さらに好ましくは200%以下であり、特に好ましくは195%以下である。上記剥離力経時上昇率(2)の下限値は、小さければ小さいほど好ましく、好ましくは100%以上である。上記剥離力経時上昇率(2)が上記範囲内にあれば、本発明の実施形態による表面保護フィルムは、剥離力の経時上昇をより抑制し得る。
【0039】
本発明の実施形態による表面保護フィルムは、該表面保護フィルムに含まれる粘着剤層中の黒点発生量が、好ましくは5個/100cm2以下であり、より好ましくは3個/100cm2以下であり、さらに好ましくは2個/100cm2以下であり、特に好ましくは1個/100cm2以下であり、最も好ましくは0個/100cm2である。表面保護フィルムに含まれる粘着剤層中の黒点発生量が多いと、表面保護フィルムの品質低下を招くおそれがあるだけでなく、例えば、光学部材や電子部材に貼り合わされる表面保護フィルムにおいては、検査性が低下してしまうおそれがある。
【0040】
表面保護フィルムは、任意の適切な方法により製造することができる。このような製造方法としては、例えば、
(1)粘着剤層の形成材料の溶液や熱溶融液を基材層上に塗布する方法、
(2)粘着剤層の形成材料の溶液や熱溶融液をはく離ライナー上に塗布して形成した粘着剤層を基材層上に移着する方法、
(3)粘着剤層の形成材料を基材層上に押出して形成塗布する方法、
(4)基材層と粘着剤層を二層または多層にて押出しする方法、
(5)基材層上に粘着剤層を単層ラミネートする方法またはラミネート層とともに粘着剤層を二層ラミネートする方法、
(6)粘着剤層とフィルムやラミネート層等の基材層形成材料とを二層または多層ラミネートする方法、
などの、任意の適切な製造方法に準じて行うことができる。
【0041】
塗布の方法としては、例えば、ロールコーター法、コンマコーター法、ダイコーター法、リバースコーター法、シルクスクリーン法、グラビアコーター法などが使用できる。
【0042】
≪A-1.粘着剤層≫
粘着剤層は、粘着剤から構成される。粘着剤は、粘着剤組成物から形成される。すなわち、粘着剤層は粘着剤から構成され、該粘着剤は粘着剤組成物から形成される。言い換えれば、粘着剤組成物から形成される粘着剤が層形状を構成することによって粘着剤層となる。
【0043】
粘着剤は、粘着剤組成物から形成されるものとして規定し得る。これは、粘着剤は、粘着剤組成物が、代表的には加熱や紫外線照射などによって架橋反応などを起こすことにより粘着剤となるため、粘着剤をその構造により直接特定することが不可能であり、また、およそ実際的でないという事情(「不可能・非実際的事情」)が存在するため、「粘着剤組成物から形成されるもの」との規定により、粘着剤を「物」として妥当に特定したものである。
【0044】
粘着剤層は、任意の適切な方法によって形成し得る。このような方法としては、例えば、粘着剤組成物を任意の適切な基材上に塗布し、必要に応じて加熱・乾燥を行い、必要に応じて硬化させて、該基材上において粘着剤層を形成する方法が挙げられる。塗布の方法、加熱・乾燥条件、硬化条件などは、粘着剤層の形成として通常知られている方法を適宜採用し得る。
【0045】
粘着剤層の厚みは、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは5μm~150μmであり、より好ましくは10μm~130μmであり、さらに好ましくは30μm~120μmであり、特に好ましくは50μm~100μmであり、最も好ましくは60μm~90μmである。
【0046】
粘着剤組成物は、ウレタンプレポリマー(A)、フッ素系化合物(B)、シリコーン系化合物(C)、および脂肪酸エステル(D)を含む。本発明においては、このように、粘着剤組成物に含まれる成分として、ウレタンプレポリマー(A)、フッ素系化合物(B)、シリコーン系化合物(C)、および脂肪酸エステル(D)を併用することにより、好ましくは、それぞれについて後述のような種類を選択したり、使用量を調整したりすることにより、本発明の効果を発現し得る。
【0047】
<A-1-1.ウレタンプレポリマー(A)>
ウレタンプレポリマー(A)は、粘着剤組成物の成分として一般にベースポリマーと称されるポリマー成分に該当する。
【0048】
粘着剤組成物中のウレタンプレポリマー(A)の含有割合は、固形分換算で、好ましくは60重量%~99.9重量%であり、より好ましくは65重量%~99.9重量%であり、さらに好ましくは70重量%~99.9重量%であり、特に好ましくは75重量%~99.9重量%であり、最も好ましくは80重量%~99.9重量%である。粘着剤組成物中のウレタンプレポリマー(A)の含有割合が固形分換算で上記範囲内にあれば、本発明の効果をより発現し得る。
【0049】
ウレタンプレポリマー(A)は、代表的には、多官能イソシアネート化合物(F)と反応して、ウレタン系樹脂となり得る。より具体的には、好ましくは、ウレタンプレポリマー(A)と多官能イソシアネート化合物(F)を含有する組成物からウレタン系樹脂が形成され、詳細には、ウレタンプレポリマー(A)と多官能イソシアネート化合物(F)を含有する組成物を硬化させてウレタン系樹脂が形成される。ウレタンプレポリマー(A)と多官能イソシアネート化合物(F)を含有する組成物を硬化させてウレタン系樹脂を形成する方法としては、塊状重合や溶液重合などを用いたウレタン化反応方法など、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切な方法を採用し得る。
【0050】
なお、ウレタン系樹脂の製造方法としては、一般によく知られているように、ウレタンプレポリマーを用いずに、ポリオールと多官能イソシアネートをダイレクトに反応させてウレタン系樹脂を製造する「ワンショット法」と、ウレタンプレポリマーと多官能イソシアネートを反応させてウレタン系樹脂を製造する「プレポリマー法」との、2種類の製造方法が存在する。本発明における、ベースポリマーとしてのウレタンプレポリマー(A)は、上記「プレポリマー法」において多官能イソシアネートと反応させるウレタンプレポリマーを意味し、上記「ワンショット法」において多官能イソシアネートと反応させるポリオールとは異なる。
【0051】
ウレタンプレポリマー(A)は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0052】
ウレタンプレポリマー(A)の数平均分子量Mnは、好ましくは3000~1000000である。
【0053】
ウレタンプレポリマー(A)は、代表的には、ポリオールと多官能イソシアネート化合物を反応させて得られる高分子であり、分子末端にイソシアネート基を有する。
【0054】
ウレタンプレポリマー(A)は、好ましくは、ポリウレタンポリオールであり、より好ましくは、ポリエステルポリオール(a1)およびポリエーテルポリオール(a2)から選ばれる少なくとも1種を、触媒存在下または無触媒下で、多官能イソシアネート化合物と反応させてなるものである。
【0055】
ポリエステルポリオール(a1)は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0056】
ポリエーテルポリオール(a2)は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0057】
ポリエステルポリオール(a1)としては、ポリウレタンポリオールの製造に通常用い得るポリエステルポリオールを適宜採用し得る。このようなポリエステルポリオール(a1)としては、例えば、酸成分とグリコール成分とを反応させて得られるポリエステルポリオールが挙げられる。酸成分としては、例えば、テレフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、イソフタル酸が挙げられる。グリコール成分としては、例えば、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、トリメチロールプロパンが挙げられる。
【0058】
ポリエステルポリオール(a1)の分子量としては、低分子量から高分子量まで使用可能である。ポリエステルポリオール(a1)の分子量としては、数平均分子量Mnが、好ましくは100~100000である。ポリエステルポリオール(a1)の使用量は、ポリウレタンポリオールを構成するポリオール中、好ましくは0モル%~90モル%である。
【0059】
ポリエーテルポリオール(a2)としては、ポリウレタンポリオールの製造に通常用い得るポリエーテルポリオールを適宜採用し得る。このようなポリエーテルポリオール(a2)としては、例えば、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の官能基数が2以上のポリエーテルポリオールが挙げられる。
【0060】
ポリエーテルポリオール(a2)の分子量としては、低分子量から高分子量まで使用可能である。ポリエーテルポリオール(a2)の分子量としては、数平均分子量Mnが、好ましくは100~100000である。ポリエーテルポリオール(a2)の使用量は、ポリウレタンポリオールを構成するポリオール中、好ましくは0モル%~90モル%である。
【0061】
ポリエーテルポリオール(a2)は、必要に応じてその一部を、エチレングリコール等のグリコール類や、エチレンジアミン等の多価アミン類などに置き換えて併用することができる。
【0062】
ポリエーテルポリオール(a2)としては、2官能性のポリエーテルポリオールのみを用いてもよいし、数平均分子量Mnが100~100000であり、且つ、1分子中に少なくとも3個以上の水酸基を有するポリエーテルポリオールを一部もしくは全部用いてもよい。
【0063】
ウレタンプレポリマー(A)を得るためにポリオールと反応させ得る多官能イソシアネート化合物は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0064】
多官能イソシアネート化合物としては、ウレタン化反応に用い得る任意の適切な多官能イソシアネート化合物を採用し得る。このような多官能イソシアネート化合物としては、例えば、多官能脂肪族系イソシアネート化合物、多官能脂環族系イソシアネート、多官能芳香族系イソシアネート化合物、多官能芳香脂肪族系イソシアネート化合物が挙げられる。
【0065】
多官能脂肪族系イソシアネート化合物としては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイソシアネート、2,3-ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどが挙げられる。
【0066】
多官能脂環族系イソシアネート化合物としては、例えば、3-イソシアネートメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、1,3-シクロペンタンジイソシアネート、1,3-シクロへキサンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチル-2,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,6-シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
【0067】
多官能芳香族系ジイソシアネート化合物としては、例えば、1,3-フェニレンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソソアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-トルイジンジイソシアネート、2,4,6-トリイソシアネートトルエン、1,3,5-トリイソシアネートベンゼン、4,4’-ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’-ジフェニルジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、4,4’,4”-トリフェニルメタントリイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
【0068】
多官能芳香脂肪族系イソシアネート化合物としては、例えば、ω,ω’-ジイソシアネート-1,3-ジメチルベンゼン、ω,ω’-ジイソシアネート-1,4-ジメチルベンゼン、ω,ω’-ジイソシアネート-1,4-ジエチルベンゼン、1,4-テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3-テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
【0069】
多官能イソシアネート化合物としては、上記のような各種多官能イソシアネート化合物のトリメチロールプロパンアダクト体、水と反応したビュウレット体、イソシアヌレート環を有する3量体なども挙げられる。また、これらを併用してもよい。
【0070】
多官能イソシアネート化合物が有するイソシアネート基は、好ましくは、ポリオールの水酸基よりも過剰になるようなモル比で使用する。ウレタンプレポリマー(A)を得るために用い得るポリオールと多官能イソシアネート化合物における、NCO基とOH基の当量比は、NCO基/OH基として、好ましくは1.01~5.0であり、より好ましくは1.1~3.0であり、さらに好ましくは1.1~2.0であり、特に好ましくは1.1~1.8であり、最も好ましくは1.2~1.6である。
【0071】
ウレタンプレポリマー(A)を得る際に用い得る触媒としては、任意の適切な触媒を用い得る。このような触媒としては、例えば、3級アミン系化合物、有機金属系化合物が挙げられる。
【0072】
3級アミン系化合物としては、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-ウンデセン-7(DBU)などが挙げられる。
【0073】
有機金属系化合物としては、例えば、錫系化合物、非錫系化合物などが挙げられる。錫系化合物としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)、ジオクチル錫ジラウレート(DOTDL)が挙げられる。非錫系化合物としては、例えば、ジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネート、ブトキシチタニウムトリクロライドなどのチタン系化合物;2-エチルヘキサン酸鉄、鉄アセチルアセトネートなどの鉄系化合物;安息香酸コバルト、2-エチルヘキサン酸コバルトなどのコバルト系化合物;ナフテン酸亜鉛、2-エチルヘキサン酸亜鉛などの亜鉛系化合物;ナフテン酸ジルコニウムなどのジルコニウム系化合物;が挙げられる。
【0074】
ウレタンプレポリマー(A)を調製する際に触媒を使用する場合、触媒の使用量は、ポリエステルポリオール(a1)とポリエーテルポリオール(a2)と多官能イソシアネート化合物の総量に対して、好ましくは0.0001重量%~1.0重量%であり、より好ましくは0.001重量%~1.0重量%であり、さらに好ましくは0.003重量%~1.0重量%であり、特に好ましくは0.005重量%~1.0重量%である。
【0075】
ウレタンプレポリマー(A)を調製する際に触媒を使用する場合、反応温度は、好ましくは100℃未満であり、より好ましくは85℃~95℃である。100℃以上になると反応速度、架橋構造の制御が困難となるおそれがある。
【0076】
ウレタンプレポリマー(A)を調製する際には、触媒を用いなくても良い。その場合は、反応温度が、好ましくは100℃以上であり、より好ましくは110℃以上である。また、無触媒下でウレタンプレポリマー(A)を調製する際は、3時間以上反応させることが好ましい。
【0077】
ウレタンプレポリマー(A)を調製する方法としては、例えば、1)ポリオール、触媒、多官能イソシアネート化合物を全量フラスコに仕込む方法、2)ポリオール、触媒をフラスコに仕込んで多官能イソシアネート化合物を滴下する添加する方法が挙げられる。2)の方法においては、多官能イソシアネート化合物を滴下した後に、さらに、ポリオールと多官能イソシアネート化合物を追加添加してもよい。ウレタンプレポリマー(A)を調製する方法として、反応を制御する上では、2)の方法が好ましい。
【0078】
ウレタンプレポリマー(A)を調製する際には、任意の適切な溶剤を用い得る。このような溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン、キシレン、アセトンが挙げられる。これらの溶剤の中でも、好ましくはトルエンである。
【0079】
ウレタンプレポリマー(A)を調製する際には、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なその他の成分を用い得る。その他の成分としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、樹脂成分、粘着付与剤、架橋遅延剤、無機充填剤、有機充填剤、金属粉、顔料、箔状物、軟化剤、老化防止剤、導電剤、表面潤滑剤、レベリング剤、腐食防止剤、耐熱安定剤、重合禁止剤、滑剤が挙げられる。その他の成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。その他の成分の中でも、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤などの劣化防止剤は、好ましい実施形態の一つである。
【0080】
酸化防止剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切な酸化防止剤を採用し得る。このような酸化防止剤としては、例えば、ラジカル連鎖禁止剤、過酸化物分解剤が挙げられる。ラジカル連鎖禁止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤が挙げられる。過酸化物分解剤としては、例えば、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が挙げられる。
【0081】
紫外線吸収剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切な紫外線吸収剤を採用し得る。このような紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、シュウ酸アニリド系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤が挙げられる。
【0082】
光安定剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切な光安定剤を採用し得る。このような光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線安定剤が挙げられる。
【0083】
<A-1-2.多官能イソシアネート化合物(F)>
前述した通り、ウレタンプレポリマー(A)は、代表的には、多官能イソシアネート化合物(F)と反応して、ウレタン系樹脂となる。したがって、粘着剤組成物は、好ましくは、多官能イソシアネート化合物(F)を含む。すなわち、粘着剤組成物は、好ましくは、ウレタンプレポリマー(A)、フッ素系化合物(B)、シリコーン系化合物(C)、脂肪酸エステル(D)、および多官能イソシアネート化合物(F)を含む。
【0084】
多官能イソシアネート化合物(F)は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0085】
多官能イソシアネート化合物(F)としては、ウレタン化反応に用い得る任意の適切な多官能イソシアネート化合物を採用し得る。このような多官能イソシアネート化合物(F)としては、ウレタンプレポリマー(A)を得るためにポリオールと反応させ得る多官能イソシアネート化合物として先に説明した多官能イソシアネート化合物を採用し得る。ウレタンプレポリマー(A)と反応してウレタン系樹脂となる多官能イソシアネート化合物(F)は、ウレタンプレポリマー(A)を得るためにポリオールと反応させ得る多官能イソシアネート化合物として先に説明した多官能イソシアネート化合物と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0086】
多官能イソシアネート化合物(F)が有するNCO基とウレタンプレポリマーが有するOH基の当量比が、NCO基/OH基として、好ましくは1.0~2.7であり、より好ましくは1.2~2.5であり、さらに好ましくは1.4~2.3であり、特に好ましくは1.5~2.2である。NCO基/OH基の当量比が上記範囲内にあれば、本発明の効果をより発現し得る。
【0087】
粘着剤組成物中の多官能イソシアネート化合物(F)の含有割合は、ウレタンプレポリマー(A)100重量部に対して、多官能イソシアネート化合物(F)が、好ましくは1.0重量部~15重量部であり、より好ましくは1.5重量部~14重量部であり、さらに好ましくは2.0重量部~13重量部であり、さらに好ましくは2.3重量部~12重量部であり、さらに好ましくは2.3重量部~11重量部であり、特に好ましくは2.5重量部~18重量部であり、最も好ましくは2.5重量部~10重量部である。ウレタンプレポリマー(A)100重量部に対する多官能イソシアネート化合物(F)の含有割合が上記範囲内にあれば、本発明の効果をより発現し得る。
【0088】
<A-1-3.フッ素系化合物(B)>
フッ素系化合物(B)としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なフッ素系化合物を採用し得る。粘着剤組成物がフッ素系化合物(B)を含むことにより、本発明の効果を発現し得る。粘着剤組成物がフッ素系化合物(B)を含まない場合、貼り付け初期の優れた軽剥離性が発現できないおそれや、剥離力の経時上昇を抑制できないおそれがある。
【0089】
フッ素系化合物(B)は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0090】
粘着剤組成物中のフッ素系化合物(B)の含有割合は、ウレタンプレポリマー(A)100重量部に対して、フッ素系化合物(B)が、好ましくは0.01重量部~3.0重量部であり、より好ましくは0.05重量部~2.0重量部であり、さらに好ましくは0.1重量部~1.5重量部であり、特に好ましくは0.1重量部~1.0重量部であり、最も好ましくは0.1重量部~0.9重量部である。ウレタンプレポリマー(A)100重量部に対するフッ素系化合物(B)の含有割合が上記範囲内にあれば、本発明の効果をより発現し得る。ウレタンプレポリマー(A)100重量部に対するフッ素系化合物(B)の含有割合が上記範囲内から外れると、貼り付け初期の優れた軽剥離性が発現できないおそれや、剥離力の経時上昇を抑制できないおそれがある。
【0091】
本発明の効果をより発現させ得る点で、フッ素系化合物(B)は、好ましくは、フッ素系オリゴマーであり、より好ましくは、含フッ素基と、親水性基および/または親油性基とを有するオリゴマーであり、さらに好ましくは、含フッ素基と親水性基と親油性基とを有するオリゴマーである。
【0092】
含フッ素基としては、代表的には、フッ素含有アルキル基(例えば、CF3-など)および/またはフッ素含有アルキレン基(例えば、-CF2-CF2-など)が挙げられる。親水性基とは、親水性を有する基であり、親水性とは、英語で「hydrophilic」と訳され、「水と親和性がある」なる意として当業者に一般に知られている特性である(例えば、マグローヒル科学技術用語大辞典(改訂第3版、日刊工業新聞社)など参照)。親油性基とは、親油性を有する基であり、親油性とは、英語で「lipophilic」と訳され、「油と親和性がある」なる意として当業者に一般に知られている特性である(例えば、マグローヒル科学技術用語大辞典(改訂第3版、日刊工業新聞社)など参照)。
【0093】
本発明の効果をより発現させ得る点で、フッ素系化合物(B)は、0.1%トルエン溶液とした場合の表面張力(トルエンの表面張力は27.9mN/m)が、好ましくは19.0mN/m~25.9mN/mであり、より好ましくは22.0mN/m~25.7mN/mであり、さらに好ましくは23.0mN/m~25.5mN/mであり、特に好ましくは23.5mN/m~25.3mN/mであり、最も好ましくは24.0mN/m~25.0mN/mである。フッ素系化合物(B)として上記のような特定のフッ素系化合物を採用することにより、本発明の効果をより発現し得る。また、フッ素系化合物(B)として上記のような特定のフッ素系化合物を採用することにより、剥離帯電圧が十分に抑制し得、優れた帯電防止性を発現し得、また、粘着剤層が優れた投錨性を発現し得る。
【0094】
フッ素系化合物(B)の特に好ましい実施形態は、含フッ素基と親水性基と親油性基を含有するオリゴマーであって、且つ、0.1%トルエン溶液とした場合の表面張力(トルエンの表面張力は27.9mN/m)が19.0mN/m~25.9mN/mであるフッ素系化合物である。上記表面張力は、好ましくは22.0mN/m~25.7mN/mであり、より好ましくは23.0mN/m~25.5mN/mであり、さらに好ましくは23.5mN/m~25.3mN/mであり、特に好ましくは24.0mN/m~25.0mN/mである。フッ素系化合物(B)として上記のような特定のフッ素系化合物を採用することにより、本発明の効果をより一層発現し得る。また、フッ素系化合物(B)として上記のような特定のフッ素系化合物を採用することにより、剥離帯電圧がより十分に抑制し得、より優れた帯電防止性を発現し得、また、粘着剤層がより優れた投錨性を発現し得る。
【0095】
含フッ素基と、親水性基および/または親油性基とを有するオリゴマーとしては、例えば、DIC株式会社製の「メガファックシリーズ」が挙げられる。
【0096】
DIC株式会社製の「メガファックシリーズ」の中で、含フッ素基と親水性基と親油性基を含有するオリゴマーとしては、例えば、
「メガファックF-477」(含フッ素基・親水性基・親油性基含有オリゴマー、0.1%トルエン溶液とした場合の表面張力=26.4mN/m)、
「メガファックF-553」(含フッ素基・親水性基・親油性基含有オリゴマー、0.1%トルエン溶液とした場合の表面張力=26.4mN/m)、
「メガファックF-555-A」(含フッ素基・親水性基・親油性基含有オリゴマー、0.1%トルエン溶液とした場合の表面張力=20.4mN/m)、
「メガファックF-556」(含フッ素基・親水性基・親油性基含有オリゴマー、0.1%トルエン溶液とした場合の表面張力=27.5mN/m)、
「メガファックF-559」(含フッ素基・親水性基・親油性基含有オリゴマー、0.1%トルエン溶液とした場合の表面張力=26.1mN/m)、
「メガファックF-562」(含フッ素基・親水性基・親油性基含有オリゴマー、0.1%トルエン溶液とした場合の表面張力=24.8mN/m)、
「メガファックF-565」(含フッ素基・親水性基・親油性基含有オリゴマー、0.1%トルエン溶液とした場合の表面張力=27.6mN/m)、
「メガファックF-568」(含フッ素基・親水性基・親油性基含有オリゴマー、0.1%トルエン溶液とした場合の表面張力=24.7mN/m)、
「メガファックF-571」(含フッ素基・親水性基・親油性基含有オリゴマー、0.1%トルエン溶液とした場合の表面張力=24.8mN/m)、
が挙げられる。
【0097】
DIC株式会社製の「メガファックシリーズ」の中で、0.1%トルエン溶液とした場合の表面張力(トルエンの表面張力は27.9mN/m)が19.0mN/m~25.9mN/mであるフッ素系化合物としては、例えば、
「メガファックF-251」(含フッ素基・親油性基含有オリゴマー、0.1%トルエン溶液とした場合の表面張力=24.9mN/m)、
「メガファックF-253」(含フッ素基・親油性基含有オリゴマー、0.1%トルエン溶液とした場合の表面張力=21.9mN/m)、
「メガファックF-551-A」(含フッ素基・親油性基含有オリゴマー、0.1%トルエン溶液とした場合の表面張力=25.6mN/m)、
「メガファックF-552」(含フッ素基・親油性基含有オリゴマー、0.1%トルエン溶液とした場合の表面張力=24.9mN/m)、
「メガファックF-554」(含フッ素基・親油性基含有オリゴマー、0.1%トルエン溶液とした場合の表面張力=25.5mN/m)、
「メガファックF-555-A」(含フッ素基・親水性基・親油性基含有オリゴマー、0.1%トルエン溶液とした場合の表面張力=20.4mN/m)、
「メガファックF-560」(含フッ素基・親油性基含有オリゴマー、0.1%トルエン溶液とした場合の表面張力=20.2mN/m)、
「メガファックF-561」(含フッ素基・親油性基含有オリゴマー、0.1%トルエン溶液とした場合の表面張力=23mN/m)、
「メガファックF-562」(含フッ素基・親水性基・親油性基含有オリゴマー、0.1%トルエン溶液とした場合の表面張力=24.8mN/m)、
「メガファックF-563」(含フッ素基・親油性基含有オリゴマー、0.1%トルエン溶液とした場合の表面張力=20.2mN/m)、
「メガファックF-568」(含フッ素基・親水性基・親油性基含有オリゴマー、0.1%トルエン溶液とした場合の表面張力=24.7mN/m)、
「メガファックF-569」(含フッ素基・親油性基含有オリゴマー、0.1%トルエン溶液とした場合の表面張力=19.7mN/m)、
「メガファックF-570」(含フッ素基・親水性基・親油性基・カルボキシル基含有オリゴマー、0.1%トルエン溶液とした場合の表面張力=22.9mN/m)、
「メガファックF-571」(含フッ素基・親水性基・親油性基含有オリゴマー、0.1%トルエン溶液とした場合の表面張力=24.8mN/m)、
「メガファックF-576」(含フッ素基・親油性基含有オリゴマー、0.1%トルエン溶液とした場合の表面張力=24.8mN/m)、
が挙げられる。
【0098】
DIC株式会社製の「メガファックシリーズ」の中で、含フッ素基と親水性基と親油性基を含有するオリゴマーであって、且つ、0.1%トルエン溶液とした場合の表面張力(トルエンの表面張力は27.9mN/m)が19.0mN/m~25.9mN/mであるフッ素系化合物としては、例えば、
「メガファックF-555-A」(含フッ素基・親水性基・親油性基含有オリゴマー、0.1%トルエン溶液とした場合の表面張力=20.4mN/m)、
「メガファックF-562」(含フッ素基・親水性基・親油性基含有オリゴマー、0.1%トルエン溶液とした場合の表面張力=24.8mN/m)、
「メガファックF-568」(含フッ素基・親水性基・親油性基含有オリゴマー、0.1%トルエン溶液とした場合の表面張力=24.7mN/m)、
「メガファックF-570」(含フッ素基・親水性基・親油性基・カルボキシル基含有オリゴマー、0.1%トルエン溶液とした場合の表面張力=22.9mN/m)、
「メガファックF-571」(含フッ素基・親水性基・親油性基含有オリゴマー、0.1%トルエン溶液とした場合の表面張力=24.8mN/m)、
が挙げられる。
【0099】
<A-1-4.シリコーン系化合物(C)>
シリコーン系化合物(C)としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なシリコーン系化合物を採用し得る。粘着剤組成物がシリコーン系化合物(C)を含むことにより、本発明の効果を発現し得る。粘着剤組成物がシリコーン系化合物(C)を含まない場合、貼り付け初期の優れた軽剥離性が発現できないおそれや、剥離力の経時上昇を抑制できないおそれがある。
【0100】
シリコーン系化合物(C)は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0101】
粘着剤組成物中のシリコーン系化合物(C)の含有割合は、粘着剤組成物が後述のイオン性化合物(E)を含まない場合には、ウレタンプレポリマー(A)100重量部に対して、好ましくは0.001重量部~20重量部であり、より好ましくは0.005重量部~10重量部であり、さらに好ましくは0.01重量部~5重量部であり、さらに好ましくは0.01重量部~2重量部であり、さらに好ましくは0.01重量部~1重量部であり、さらに好ましくは0.01重量部~0.5重量部であり、特に好ましくは0.01重量部~0.1重量部であり、最も好ましくは0.01重量部を超えて0.1重量部未満である。粘着剤組成物が後述のイオン性化合物(E)を含まない場合には、ウレタンプレポリマー(A)100重量部に対するシリコーン系化合物(C)の含有割合が上記範囲内にあれば、本発明の効果をより発現し得る。粘着剤組成物が後述のイオン性化合物(E)を含まない場合には、ウレタンプレポリマー(A)100重量部に対するシリコーン系化合物(C)の含有割合が上記範囲内から外れると、貼り付け初期の優れた軽剥離性が発現できないおそれや、剥離力の経時上昇を抑制できないおそれがある。また、粘着剤組成物が後述のイオン性化合物(E)を含まない場合には、ウレタンプレポリマー(A)100重量部に対するシリコーン系化合物(C)の含有割合が上記範囲内から外れて多すぎると、表面保護フィルムを被着体に貼り付けて剥離した後の被着体が汚染されるおそれがある。
【0102】
粘着剤組成物中のシリコーン系化合物(C)の含有割合は、粘着剤組成物が後述のイオン性化合物(E)を含む場合には、ウレタンプレポリマー(A)100重量部に対して、好ましくは0.001重量部~20重量部であり、より好ましくは0.01重量部~10重量部であり、さらに好ましくは0.01重量部~7重量部であり、さらに好ましくは0.02重量部~4重量部であり、特に好ましくは0.03重量部~2重量部であり、最も好ましくは0.03重量部を超えて1重量部以下である。粘着剤組成物が後述のイオン性化合物(E)を含む場合には、ウレタンプレポリマー(A)100重量部に対するシリコーン系化合物(C)の含有割合が上記範囲内にあれば、本発明の効果をより発現し得る。粘着剤組成物が後述のイオン性化合物(E)を含む場合には、ウレタンプレポリマー(A)100重量部に対するシリコーン系化合物(C)の含有割合が上記範囲内から外れると、貼り付け初期の優れた軽剥離性が発現できないおそれや、剥離力の経時上昇を抑制できないおそれがある。また、粘着剤組成物が後述のイオン性化合物(E)を含む場合には、ウレタンプレポリマー(A)100重量部に対するシリコーン系化合物(C)の含有割合が上記範囲内から外れて多すぎると、表面保護フィルムを被着体に貼り付けて剥離した後の被着体が汚染されるおそれがある。
【0103】
シリコーン系化合物(C)としては、例えば、反応性シリコーンオイル、非反応性シリコーンオイルが挙げられる。
【0104】
反応性シリコーンオイルとしては、例えば、シロキサン結合に供するSi原子に側鎖として有機基が結合した側鎖型反応性シリコーンオイル、構造の両末端に位置するSi原子に有機基が結合した両末端型反応性シリコーンオイル、構造の両末端に位置するSi原子の一方のみに有機基が結合した片末端型反応性シリコーンオイル、シロキサン結合に供するSi原子に側鎖として有機基が結合し且つ構造の両末端に位置するSi原子に有機基が結合した側鎖両末端型反応性シリコーンオイルが挙げられる。
【0105】
側鎖型反応性シリコーンオイルとしては、例えば、アミノ変性タイプの側鎖型反応性シリコーンオイル、エポキシ変性タイプの側鎖型反応性シリコーンオイル、カルビノール変性タイプの側鎖型反応性シリコーンオイル、メルカプト変性タイプの側鎖型反応性シリコーンオイル、カルボキシル変性タイプの側鎖型反応性シリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイルタイプの側鎖型反応性シリコーンオイルが挙げられる。これらの市販品としては、例えば、信越化学工業社製の側鎖型反応性シリコーンオイルとして市販されている各種シリコーンオイルが挙げられる。
【0106】
両末端型反応性シリコーンオイルとしては、例えば、アミノ変性タイプの両末端型反応性シリコーンオイル、エポキシ変性タイプの両末端型反応性シリコーンオイル、カルビノール変性タイプの両末端型反応性シリコーンオイル、メタクリル変性タイプの両末端型反応性シリコーンオイル、ポリエーテル変性タイプの両末端型反応性シリコーンオイル、メルカプト変性タイプの両末端型反応性シリコーンオイル、カルボキシル変性タイプの両末端型反応性シリコーンオイル、フェノール変性タイプの両末端型反応性シリコーンオイル、シラノール末端タイプの両末端型反応性シリコーンオイル、アクリル変性タイプの両末端型反応性シリコーンオイル、カルボン酸無水物変性タイプの両末端型反応性シリコーンオイルが挙げられる。これらの市販品としては、例えば、信越化学工業社製の両末端型反応性シリコーンオイルとして市販されている各種シリコーンオイルが挙げられる。特に、信越化学工業社製の「KF-6000」、「KF-6001」、「KF-6002」、「KF-6003」、「KF-6028」などの、カルビノール変性タイプの両末端型反応性シリコーンオイルが好ましく採用できる。
【0107】
カルビノール変性タイプの両末端型反応性シリコーンオイルとしては、本発明の効果をより発現させ得る点で、その水酸基価が、好ましくは1mgKOH/g~100mgKOH/gであり、より好ましくは10mgKOH/g~90mgKOH/gであり、さらに好ましくは20mgKOH/g~80mgKOH/gであり、特に好ましくは30mgKOH/g~70mgKOH/gである。
【0108】
片末端型反応性シリコーンオイルとしては、例えば、片末端反応性変性タイプの片末端型反応性シリコーンオイル、平均的片末端カルボキシル変性タイプの片末端型反応性シリコーンオイルが挙げられる。これらの市販品としては、例えば、信越化学工業社製の片末端型反応性シリコーンオイルとして市販されている各種シリコーンオイルが挙げられる。特に、信越化学工業社製の「X-22-170BX」、「X-22-170DX」、「X-22-4015」などの、カルビノール変性タイプの片末端型反応性シリコーンオイルが好ましく採用できる。
【0109】
カルビノール変性タイプの片末端型反応性シリコーンオイルとしては、本発明の効果をより発現させ得る点で、その水酸基価が、好ましくは1mgKOH/g~100mgKOH/gであり、より好ましくは10mgKOH/g~90mgKOH/gであり、さらに好ましくは20mgKOH/g~80mgKOH/gであり、特に好ましくは30mgKOH/g~70mgKOH/gである。
【0110】
側鎖両末端型反応性シリコーンオイルとしては、例えば、側鎖アミノ・両末端メトキシ変性タイプの側鎖両末端型反応性シリコーンオイル、エポキシ変性タイプの側鎖両末端型反応性シリコーンオイルが挙げられる。これらの市販品としては、例えば、信越化学工業社製の側鎖両末端型反応性シリコーンオイルとして市販されている各種シリコーンオイルが挙げられる。
【0111】
非反応性シリコーンオイルとしては、例えば、シロキサン結合に供するSi原子に側鎖として有機基が結合した側鎖型非反応性シリコーンオイル、構造の両末端に位置するSi原子に有機基が結合した両末端型非反応性シリコーンオイルが挙げられる。
【0112】
側鎖型非反応性シリコーンオイルとしては、例えば、ポリエーテル変性タイプの側鎖型非反応性シリコーンオイル、アラルキル変性タイプの側鎖型非反応性シリコーンオイル、フロロアルキル変性タイプの側鎖型非反応性シリコーンオイル、長鎖アルキル変性タイプの側鎖型非反応性シリコーンオイル、高級脂肪酸エステル変性タイプの側鎖型非反応性シリコーンオイル、高級脂肪酸含有タイプの側鎖型非反応性シリコーンオイル、フェニル変性タイプの側鎖型非反応性シリコーンオイルが挙げられる。これらの市販品としては、例えば、信越化学工業社製の側鎖型非反応性シリコーンオイルとして市販されている各種シリコーンオイルが挙げられる。特に、信越化学工業社製の「KF-351A」、「KF-352A」、「KF-353」、「KF-354L」、「KF-355A」、「KF-615A」、「KF-945」、「KF-640」、「KF-642」、「KF-643」、「KF-644」、「KF-6020」、「KF-6204」、「X-22-4515」などの、ポリエーテル変性タイプの側鎖型非反応性シリコーンオイルが好ましく採用できる。
【0113】
ポリエーテル変性タイプの側鎖型非反応性シリコーンオイルの中でも、糊残り性をより低減し得る点で、HLB値が、好ましくは8以上、より好ましくは9以上、さらに好ましくは10以上のポリエーテル変性タイプの側鎖型非反応性シリコーンオイルが好ましい。このようなポリエーテル変性タイプの側鎖型非反応性シリコーンオイルとしては、例えば、「KF-351A」(HLB=12)、「KF-353」(HLB=10)、「KF-354L」(HLB=16)、「KF-355A」(HLB=12)、「KF-615A」(HLB=10)、「KF-640」(HLB=14)、「KF-642」(HLB=12)、「KF-643」(HLB=14)、「KF-644」(HLB=11)、「KF-6204」(HLB=10)が挙げられる。
【0114】
両末端型非反応性シリコーンオイルとしては、例えば、ポリエーテル変性タイプの両末端型非反応性シリコーンオイルが挙げられる。これらの市販品としては、例えば、信越化学工業社製の両末端型非反応性シリコーンオイルとして市販されている各種シリコーンオイルが挙げられる。特に、信越化学工業社製の「KF-6004」などの、ポリエーテル変性タイプの両末端型非反応性シリコーンオイルが好ましく採用できる。
【0115】
シリコーン系化合物(C)としては、上記の他にも、従来公知の、任意の適切なシリコーン系化合物を採用し得る。このようなシリコーン系化合物としては、例えば、上記したもの以外のシロキサン結合含有ポリマー、上記したもの以外の水酸基含有シリコーン系化合物、上記したもの以外の架橋性官能基含有シリコーン系化合物が挙げられる。
【0116】
上記したもの以外のシロキサン結合含有ポリマーの市販品としては、例えば、商品名「LE-302」(共栄社化学株式会社製)、ビックケミー・ジャパン(株)製のBYKシリーズのレベリング剤、Algin Chemie社製のACシリーズのレベリング剤、共栄社化学(株)製のポリフローシリーズのレベリング剤、信越化学工業(株)製のKPシリーズのレベリング剤、ダウ・東レ(株)製のレベリング剤(「LP-7001」、「LP-7002」、「8032ADDITIVE」、「57ADDITIVE」、「L-7604」、「FZ-2110」、「FZ-2105」、「67ADDITIVE」、「8618ADDITIVE」、「3ADDITIVE」、「56ADDITIVE」など)が挙げられる。
【0117】
<A-1-5.脂肪酸エステル(D)>
脂肪酸エステル(D)としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な脂肪酸エステルを採用し得る。粘着剤組成物が脂肪酸エステル(D)を含むことにより、本発明の効果を発現し得る。粘着剤組成物が脂肪酸エステル(D)を含まない場合、貼り付け初期の優れた軽剥離性が発現できないおそれや、剥離力の経時上昇を抑制できないおそれがある。
【0118】
脂肪酸エステル(D)は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0119】
粘着剤組成物中の脂肪酸エステル(D)の含有割合は、ウレタンプレポリマー(A)100重量部に対して、好ましくは0.01重量部~50重量部であり、より好ましくは0.1重量部~40重量部であり、さらに好ましくは1重量部~30重量部であり、特に好ましくは5重量部~20重量部であり、最も好ましくは7重量部~15重量部である。ウレタンプレポリマー(A)100重量部に対する脂肪酸エステル(D)の含有割合が上記範囲内にあれば、本発明の効果をより発現し得る。ウレタンプレポリマー(A)100重量部に対する脂肪酸エステル(D)の含有割合が上記範囲内から外れると、貼り付け初期の優れた軽剥離性が発現できないおそれや、剥離力の経時上昇を抑制できないおそれがある。
【0120】
なお、後述するように、粘着剤組成物がイオン性化合物(E)を含む場合には、粘着剤組成物中の脂肪酸エステル(D)の含有割合は、ウレタンプレポリマー(A)100重量部に対して、好ましくは0.01重量部~28重量部であり、より好ましくは0.1重量部~25重量部であり、さらに好ましくは1重量部~23重量部であり、特に好ましくは3重量部~20重量部である。粘着剤組成物がイオン性化合物(E)を含む場合に、ウレタンプレポリマー(A)100重量部に対する脂肪酸エステル(D)の含有割合が上記範囲内にあれば、本発明の効果をより発現し得る。粘着剤組成物がイオン性化合物(E)を含む場合に、ウレタンプレポリマー(A)100重量部に対する脂肪酸エステル(D)の含有割合が上記範囲内から外れて大きすぎると、経時での被着体の汚染のおそれがある。
【0121】
脂肪酸エステル(D)の数平均分子量Mnは、好ましくは100~800であり、より好ましくは150~700であり、さらに好ましくは200~600であり、さらに好ましくは250~500であり、特に好ましくは300~400であり、最も好ましくは350~400である。脂肪酸エステル(D)の数平均分子量Mnが上記範囲内にあれば、本発明の効果をより発現し得る。
【0122】
脂肪酸エステルとしては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な脂肪酸エステルを採用し得る。このような脂肪酸エステルとしては、例えば、イソノナン酸イソトリデシル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ポリオキシエチレンビスフェノールAラウリン酸エステル、ステアリン酸ブチル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸2-エチルヘキシル、べへン酸モノグリセライド、2-エチルヘキサン酸セチル、イソステアリン酸コレステリル、メタクリル酸ラウリル、ヤシ脂肪酸メチル、ラウリン酸メチル、オレイン酸メチル、ステアリン酸メチル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ペンタエリスリトールモノオレエート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸イソトリデシル、2-エチルヘキサン酸トリグリセライド、ラウリン酸ブチル、オレイン酸オクチルが挙げられる。これらの脂肪酸エステルの中でも、本発明の効果をより発現させ得る点で、イソノナン酸イソトリデシル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピルが好ましく、イソノナン酸イソトリデシルがより好ましい。イソノナン酸イソトリデシルの市販品としては、例えば、商品名「サラコス913」(日清オイリオグループ社製)が挙げられる。パルミチン酸イソプロピルの市販品としては、例えば、商品名「エキセパールIPP」(花王社製)が挙げられる。ミリスチン酸イソプロピルの市販品としては、例えば、商品名「エキセパールIPM」(花王社製)が挙げられる。
【0123】
<A-1-6.イオン性化合物(E)>
粘着剤組成物は、イオン性化合物(E)を含んでいてもよい。イオン性化合物(E)は、好ましくは、帯電防止効果を発現し得る。イオン性化合物(E)をフッ素系化合物(B)と併用することにより、フッ素系化合物(B)との相互作用によって、イオン性化合物(E)が粘着剤層の表面側(被着体と貼り合わされる側)に偏在しやすくなるものと推察され、本発明の実施形態による表面保護フィルムは、剥離帯電圧がより十分に抑制され、より優れた帯電防止性を発現し得、また、粘着剤層がより優れた投錨性を発現し得る。
【0124】
イオン性化合物(E)は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
【0125】
粘着剤組成物中のイオン性化合物(E)の含有割合は、ウレタンプレポリマー(A)100重量部に対して、好ましくは0.01重量部~5.0重量部であり、より好ましくは0.05重量部~3.0重量部であり、さらに好ましくは0.1重量部~2.0重量部であり、特に好ましくは0.1重量部~1.0重量部であり、最も好ましくは0.1重量部~0.5重量部である。ウレタンプレポリマー(A)100重量部に対するイオン性化合物(E)の含有割合が上記範囲内にあれば、本発明の実施形態による表面保護フィルムは、剥離帯電圧がより一層十分に抑制され、より一層優れた帯電防止性を発現し得る。ウレタンプレポリマー(A)100重量部に対するイオン性化合物(E)の含有割合が上記範囲を外れて低すぎると、剥離帯電圧を十分に抑制できず、優れた帯電防止性を発現できないおそれがある。ウレタンプレポリマー(A)100重量部に対するイオン性化合物(E)の含有割合が上記範囲を外れて高すぎると、被着体が汚染されるおそれがある。
【0126】
粘着剤組成物がイオン性化合物(E)を含む場合、本発明の実施形態による表面保護フィルムは、対アクリル板剥離帯電圧が、好ましくは5kV以下であり、より好ましくは4kV以下であり、さらに好ましくは3kV以下であり、特に好ましくは2kV以下である。
【0127】
イオン性化合物(E)としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なイオン性化合物を採用し得る。このようなイオン性化合物(E)としては、好ましくは、イオン性液体である。イオン性液体とは、25℃で液状を呈する溶融塩(イオン性化合物)を意味する。
【0128】
イオン性液体としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なイオン性液体を採用し得る。このようなイオン性液体としては、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは、フルオロ有機アニオンを含むイオン性液体であり、より好ましくは、フルオロ有機アニオンとオニウムカチオンから構成されるイオン性液体である。
【0129】
イオン性液体としては、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは、1-ヘキシルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1-エチル-3-メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、1-エチル-3-メチルピリジニウムペンタフルオロエタンスルホネート、1-エチル-3-メチルピリジニウムヘプタフルオロプロパンスルホネート、1-エチル-3-メチルピリジニウムノナフルオロブタンスルホネート、1-ブチル-3-メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、1-ブチル-3-メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-オクチル-4-メチルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1-メチル-1-プロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-メチル-1-プロピルピロリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1-メチル-1-プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-メチル-1-プロピルピペリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムヘプタフルオロプロパンスルホネート、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、トリメチルプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドが挙げられ、より好ましくは、1-ブチル-3-メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミドが挙げられる。
【0130】
イオン性液体は、市販のものを使用してもよいが、合成したものを使用してもよい。イオン性液体の合成方法としては、例えば、文献「イオン性液体-開発の最前線と未来-」((株)シーエムシー出版発行)に記載されているような、一般的な、ハロゲン化物法、水酸化物法、酸エステル法、錯形成法、および中和法などを用いた合成方法が挙げられる。
【0131】
<A-1-7.その他の成分>
粘着剤組成物中には、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なその他の成分を含み得る。このようなその他の成分としては、例えば、溶剤、触媒、架橋促進剤、シランカップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、樹脂成分、粘着付与剤、架橋遅延剤、無機充填剤、有機充填剤、金属粉、着色剤(顔料や染料など)、連鎖移動剤、可塑剤、軟化剤、老化防止剤、導電剤、箔状物、表面潤滑剤、レベリング剤、腐食防止剤、耐熱安定剤、重合禁止剤、滑剤が挙げられる。その他の成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0132】
≪A-2.基材層≫
基材層は、1層のみであってもよいし、2層以上であってもよい。基材層は、延伸されたものであってもよい。
【0133】
基材層の厚みは、好ましくは4μm~450μmであり、より好ましくは8μm~400μmであり、さらに好ましくは12μm~350μmであり、特に好ましくは16μm~250μmである。
【0134】
基材層の粘着剤層を付設しない面に対しては、巻戻しが容易な巻回体の形成などを目的として、例えば、基材層に、脂肪酸アミド、ポリエチレンイミン、長鎖アルキル系添加剤等を添加して離型処理を行ったり、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系などの任意の適切な剥離剤からなるコート層を設けたりすることができる。
【0135】
基材層の材料としては、用途に応じて、任意の適切な材料を採用し得る。例えば、プラスチック、紙、金属フィルム、不織布などが挙げられる。好ましくは、プラスチックである。すなわち、基材層は、好ましくは、プラスチックフィルムである。基材層は、1種の材料から構成されていてもよいし、2種以上の材料から構成されていてもよい。例えば、2種以上のプラスチックから構成されていてもよい。
【0136】
上記プラスチックとしては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などが挙げられる。ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどが挙げられる。
【0137】
基材層は、必要に応じて、任意の適切な添加剤を含有し得る。基材層に含有され得る添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、充填剤、顔料などが挙げられる。基材層に含有され得る添加剤の種類、数、量は、目的に応じて適切に設定され得る。特に、基材層の材料がプラスチックの場合は、劣化防止等を目的として、上記の添加剤のいくつかを含有することが好ましい。耐候性向上等の観点から、添加剤として特に好ましくは、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤が挙げられる。
【0138】
≪≪B.用途≫≫
本発明の実施形態による表面保護フィルムは、代表的には、光学部材や電子部材の製造工程において、加工、組立、検査、輸送などの際の該光学部材や該電子部材の表面の傷付き防止のために該光学部材や該電子部材の露出面に貼着される、粘着剤層を含む表面保護フィルムであって、剥離帯電圧を十分に抑制し、剥離時に該光学部材や該電子部材を破損しないという効果を発現し得る。このため、光学部材や電子部材の表面保護に好適に用いることができる。本発明の光学部材は、本発明の表面保護フィルムが貼着されたものである。本発明の電子部材は、本発明の表面保護フィルムが貼着されたものである。
【実施例0139】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。なお、実施例等における、試験および評価方法は以下のとおりである。なお、「部」と記載されている場合は、特記事項がない限り「重量部」を意味し、「%」と記載されている場合は、特記事項がない限り「重量%」を意味する。
【0140】
<粘着剤層表面のジヨードメタンに対する表面自由エネルギーの測定>
はく離ライナーを剥がした表面保護フィルムを幅50mm×長さ100mmのサイズにカットし、粘着剤層表面を上面にして、接触角計(協和界面科学社製、型式「CA-X」)に固定し、粘着剤層表面に水を2.0μL滴下して接触角を測定した。次に同様の手順で、ジヨードメタンを2.0μL滴下して接触角を測定した。以上の2液の接触角の値からOwens-Wendt法を用いて粘着剤層表面のジヨードメタンに対する表面自由エネルギーを算出した。
【0141】
<対アクリル板の剥離力P1(温度23℃で30分間放置)>
はく離ライナーを剥がした表面保護フィルムを幅25mm×長さ140mmのサイズにカットし、アクリル板(アクリライト、三菱ケミカル株式会社製)へ2kgハンドローラー1往復にて貼着した。その後、23℃の環境温度下で30分間放置した。得られた評価用試料を、引っ張り試験機にて測定した。引っ張り試験機としては、島津製作所社製の商品名「オートグラフAG-Xplus HS 6000mm/min高速モデル(AG-50NX plus)」を用いた。引っ張り試験機に評価用試料をセットした後、引っ張り試験を開始した。引っ張り試験の条件は、剥離角度:180度、剥離速度(引っ張り速度):300mm/分とした。アクリル板から表面保護フィルムを剥離した時の荷重を測定し、その際の平均荷重を表面保護フィルムの対アクリル板の剥離力P1とした。
【0142】
<対アクリル板の剥離力P2(温度23℃で1週間放置)>
はく離ライナーを剥がした表面保護フィルムを幅25mm×長さ140mmのサイズにカットし、アクリル板(アクリライト、三菱ケミカル株式会社製)へ2kgハンドローラー1往復にて貼着した。その後、23℃の環境温度下で1週間放置した。得られた評価用試料を、引っ張り試験機にて測定した。引っ張り試験機としては、島津製作所社製の商品名「オートグラフAG-Xplus HS 6000mm/min高速モデル(AG-50NX plus)」を用いた。引っ張り試験機に評価用試料をセットした後、引っ張り試験を開始した。引っ張り試験の条件は、剥離角度:180度、剥離速度(引っ張り速度):300mm/分とした。アクリル板から表面保護フィルムを剥離した時の荷重を測定し、その際の平均荷重を表面保護フィルムの対アクリル板の剥離力P2とした。
【0143】
<対アクリル板の剥離力P3(温度50℃で1日放置)>
はく離ライナーを剥がした表面保護フィルムを幅25mm×長さ140mmのサイズにカットし、アクリル板(アクリライト、三菱ケミカル株式会社製)へ2kgハンドローラー1往復にて貼着した。その後、50℃の環境温度下で1日放置した。得られた評価用試料を、引っ張り試験機にて測定した。引っ張り試験機としては、島津製作所社製の商品名「オートグラフAG-Xplus HS 6000mm/min高速モデル(AG-50NX plus)」を用いた。引っ張り試験機に評価用試料をセットした後、引っ張り試験を開始した。引っ張り試験の条件は、剥離角度:180度、剥離速度(引っ張り速度):300mm/分とした。アクリル板から表面保護フィルムを剥離した時の荷重を測定し、その際の平均荷重を表面保護フィルムの対アクリル板の剥離力P3とした。
【0144】
<剥離力P1から剥離力P2への剥離力経時上昇率(1)>
剥離力P1から剥離力P2への剥離力経時上昇率(1)は、次式によって算出した。
剥離力経時上昇率(1)(%)=(剥離力P2/剥離力P1)×100(%)
【0145】
<剥離力P1から剥離力P3への剥離力経時上昇率(2)>
剥離力P1から剥離力P3への剥離力経時上昇率(2)は、次式によって算出した。
剥離力経時上昇率(2)(%)=(剥離力P3/剥離力P1)×100(%)
【0146】
<対アクリル板剥離帯電圧の測定>
はく離ライナーを剥がした表面保護フィルムを幅70mm×長さ100mmのサイズにカットし、被着体としてのアクリル板(アクリライト、三菱ケミカル株式会社製)の表面に、表面保護フィルムの片方の端部が該アクリル板の端から30mmはみ出すようにして、2kgハンドローラー1往復にて圧着した。得られたサンプルを23℃×50%RHの環境下に1日放置した後、高さ20mmのサンプル固定台の所定の位置にセットした。アクリル板から30mmはみ出した表面保護フィルムの端部を自動巻取り機に固定し、剥離角度150°、剥離速度30m/minとなるように剥離した。このときに発生する被着体表面の電位を、該被着体の中央から高さ30mmの位置に固定してある電位測定器(シシド静電気社製、型式「STATIRON DZ-4」)によって測定し、対アクリル板剥離帯電圧とした。測定は、23℃、50%RHの環境下で行った。
【0147】
<黒点評価>
はく離ライナーを剥がした表面保護フィルムの10cm角(100cm2)あたりの黒点(糊凹み)発生量を目視にて確認した。
【0148】
<汚染評価(温度23℃で1週間放置)>
はく離ライナーを剥がした表面保護フィルムを幅50mm×長さ100mmのサイズにカットし、アクリル板(アクリライト、三菱ケミカル株式会社製)へ2kgハンドローラー1往復にて貼着した。その後、23℃の環境温度下で1週間放置した。得られた評価用試料から表面保護フィルムを剥離し、被着体に汚染が見られないか目視にて確認した。
【0149】
<汚染評価(温度60℃、湿度90%で1週間放置または温度50℃で1週間放置)>
はく離ライナーを剥がした表面保護フィルムを幅50mm×長さ100mmのサイズにカットし、アクリル板(アクリライト、三菱ケミカル株式会社製)へ2kgハンドローラー1往復にて貼着した。その後、温度60℃、湿度90%で1週間放置(実施例1~16、比較例1~4の場合)または温度50℃で1週間放置(実施例17~34、比較例5~10の場合)した。得られた評価用試料から表面保護フィルムを剥離し、被着体に汚染が見られないか目視にて確認した。
【0150】
[製造例1]
1L丸底セパラブルフラスコ、セパラブルカバー、分液ロート、温度計、窒素導入管、リービッヒ冷却器、バキュームシール、攪拌棒、攪拌羽が装備された重合用実験装置に、ポリプロピレングリコール(製品名「サンニックスPP-2000」、三洋化成工業社製)を197g、ポリエステルポリオール(製品名「クラレポリオールP-2010」、クラレ社製)を197g、溶剤としてトルエン(東ソー社製)を110g、触媒としてジラウリン酸ジブチルすず(IV)(和光純薬工業社製)を0.041g、を投入し、撹拌しながら、常温で窒素置換を1時間実施した。その後、窒素流入下、攪拌しながら、ヘキサメチレンジイソシアネート(製品名「HDI」、東ソー社製)を33.5g投入し、ウォーターバスにて実験装置内の溶液温度が90±2℃となるように制御しつつ、4時間保持した後、ポリプロピレングリコール(製品名「GP1000」、三洋化成工業社製)を44g投入し、ウォーターバスにて実験装置内の溶液温度が90±2℃となるように制御しつつ、2時間保持した後、ヘキサメチレンジイソシアネート(製品名「HDI」、東ソー社製)を25.4g投入し、ウォーターバスにて実験装置内の溶液温度が90±2℃となるように制御しつつ、2時間保持し、ウレタンプレポリマー(A)の溶液を得た。なお、重合途中に、重合中の温度制御および粘度上昇による撹拌性低下防止のために、適宜トルエンを滴下した。滴下したトルエンの総量は380gであった。ウレタンプレポリマー(A)の溶液の固形分濃度は50重量%であった。
【0151】
[実施例1]
ウレタンプレポリマー(A)100重量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)4.0重量部、フッ素系化合物としてメガファックF-571(DIC社製)0.3重量部、シリコーン系化合物としてKF-354L(信越化学工業社製)0.10重量部、脂肪酸エステルとしてサラコス913(日清オイリオグループ社製)10重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤組成物を得た。得られたウレタン系粘着剤組成物を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるはく離ライナー(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(1)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。結果を表1、2に示した。
【0152】
[実施例2]
ウレタンプレポリマー(A)100重量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)4.0重量部、フッ素系化合物としてメガファックF-571(DIC社製)0.3重量部、シリコーン系化合物としてKF-640(信越化学工業社製)0.10重量部、脂肪酸エステルとしてサラコス913(日清オイリオグループ社製)10重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤組成物を得た。得られたウレタン系粘着剤組成物を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるはく離ライナー(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(2)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。結果を表1、2に示した。
【0153】
[実施例3]
ウレタンプレポリマー(A)100重量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)4.0重量部、フッ素系化合物としてメガファックF-571(DIC社製)0.3重量部、シリコーン系化合物としてKF-615A(信越化学工業社製)0.03重量部、脂肪酸エステルとしてサラコス913(日清オイリオグループ社製)10重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤組成物を得た。得られたウレタン系粘着剤組成物を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるはく離ライナー(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(3)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。結果を表1、2に示した。
【0154】
[実施例4]
ウレタンプレポリマー(A)100重量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)4.0重量部、フッ素系化合物としてメガファックF-571(DIC社製)0.3重量部、シリコーン系化合物としてKF-615A(信越化学工業社製)0.10重量部、脂肪酸エステルとしてサラコス913(日清オイリオグループ社製)10重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤組成物を得た。得られたウレタン系粘着剤組成物を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるはく離ライナー(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(4)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。結果を表1、2に示した。
【0155】
[実施例5]
ウレタンプレポリマー(A)100重量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)4.0重量部、フッ素系化合物としてメガファックF-571(DIC社製)0.3重量部、シリコーン系化合物としてKF-615A(信越化学工業社製)0.50重量部、脂肪酸エステルとしてサラコス913(日清オイリオグループ社製)10重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤組成物を得た。得られたウレタン系粘着剤組成物を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるはく離ライナー(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(5)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。結果を表1、2に示した。
【0156】
[実施例6]
ウレタンプレポリマー(A)100重量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)4.0重量部、フッ素系化合物としてメガファックF-571(DIC社製)0.3重量部、シリコーン系化合物としてKF-615A(信越化学工業社製)1.00重量部、脂肪酸エステルとしてサラコス913(日清オイリオグループ社製)10重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤組成物を得た。得られたウレタン系粘着剤組成物を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるはく離ライナー(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(6)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。結果を表1、2に示した。
【0157】
[実施例7]
ウレタンプレポリマー(A)100重量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)4.0重量部、フッ素系化合物としてメガファックF-571(DIC社製)0.3重量部、シリコーン系化合物としてKF-615A(信越化学工業社製)3.00重量部、脂肪酸エステルとしてサラコス913(日清オイリオグループ社製)10重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤組成物を得た。得られたウレタン系粘着剤組成物を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるはく離ライナー(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(7)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。結果を表1、2に示した。
【0158】
[実施例8]
ウレタンプレポリマー(A)100重量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)4.0重量部、フッ素系化合物としてメガファックF-571(DIC社製)0.3重量部、シリコーン系化合物としてKF-615A(信越化学工業社製)5.00重量部、脂肪酸エステルとしてサラコス913(日清オイリオグループ社製)10重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤組成物を得た。得られたウレタン系粘着剤組成物を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるはく離ライナー(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(8)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。結果を表1、2に示した。
【0159】
[実施例9]
ウレタンプレポリマー(A)100重量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)4.0重量部、フッ素系化合物としてメガファックF-571(DIC社製)0.3重量部、シリコーン系化合物としてKF-6002(信越化学工業社製)0.10重量部、脂肪酸エステルとしてサラコス913(日清オイリオグループ社製)10重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤組成物を得た。得られたウレタン系粘着剤組成物を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるはく離ライナー(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(9)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。結果を表1、2に示した。
【0160】
[実施例10]
ウレタンプレポリマー(A)100重量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)4.0重量部、フッ素系化合物としてメガファックF-571(DIC社製)0.3重量部、シリコーン系化合物としてKF-6001(信越化学工業社製)0.10重量部、脂肪酸エステルとしてサラコス913(日清オイリオグループ社製)10重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤組成物を得た。得られたウレタン系粘着剤組成物を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるはく離ライナー(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(10)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。結果を表1、2に示した。
【0161】
[実施例11]
ウレタンプレポリマー(A)100重量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)4.0重量部、フッ素系化合物としてメガファックF-571(DIC社製)0.3重量部、シリコーン系化合物としてX-22-4272(信越化学工業社製)0.10重量部、脂肪酸エステルとしてサラコス913(日清オイリオグループ社製)10重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤組成物を得た。得られたウレタン系粘着剤組成物を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるはく離ライナー(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(11)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。結果を表1、2に示した。
【0162】
[実施例12]
ウレタンプレポリマー(A)100重量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)4.0重量部、フッ素系化合物としてメガファックF-571(DIC社製)0.3重量部、シリコーン系化合物としてKF-615A(信越化学工業社製)0.03重量部、脂肪酸エステルとしてエキセパールIPP(花王社製)10重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤組成物を得た。得られたウレタン系粘着剤組成物を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるはく離ライナー(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(12)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。結果を表1、2に示した。
【0163】
[実施例13]
ウレタンプレポリマー(A)100重量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)4.0重量部、フッ素系化合物としてメガファックF-571(DIC社製)0.3重量部、シリコーン系化合物としてKF-615A(信越化学工業社製)0.03重量部、脂肪酸エステルとしてエキセパールIPM(花王社製)10重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤組成物を得た。得られたウレタン系粘着剤組成物を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるはく離ライナー(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(13)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。結果を表1、2に示した。
【0164】
[実施例14]
ウレタンプレポリマー(A)100重量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)4.0重量部、フッ素系化合物としてメガファックF-571(DIC社製)0.3重量部、シリコーン系化合物としてKF-615A(信越化学工業社製)0.03重量部、脂肪酸エステルとしてサラコス913(日清オイリオグループ社製)5重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤組成物を得た。得られたウレタン系粘着剤組成物を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるはく離ライナー(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(14)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。結果を表1、2に示した。
【0165】
[実施例15]
ウレタンプレポリマー(A)100重量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)4.0重量部、フッ素系化合物としてメガファックF-571(DIC社製)0.3重量部、シリコーン系化合物としてKF-615A(信越化学工業社製)0.03重量部、脂肪酸エステルとしてサラコス913(日清オイリオグループ社製)15重量部、酸化防止剤としてIrganox1010 (BASF社製)0.5重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤組成物を得た。得られたウレタン系粘着剤組成物を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるはく離ライナー(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(15)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。結果を表1、2に示した。
【0166】
[実施例16]
ウレタンプレポリマー(A)100重量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)4.0重量部、フッ素系化合物としてメガファックF-571(DIC社製)0.3重量部、シリコーン系化合物としてKF-615A(信越化学工業社製)0.03重量部、脂肪酸エステルとしてサラコス913(日清オイリオグループ社製)30重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤組成物を得た。得られたウレタン系粘着剤組成物を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるはく離ライナー(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(16)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。結果を表1、2に示した。
【0167】
[比較例1]
ウレタンプレポリマー(A)100重量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)4.0重量部、シリコーン系化合物としてKF-615A(信越化学工業社製)0.10重量部、脂肪酸エステルとしてサラコス913(日清オイリオグループ社製)10重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤組成物を得た。得られたウレタン系粘着剤組成物を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるはく離ライナー(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(C1)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。結果を表1、2に示した。
【0168】
[比較例2]
ウレタンプレポリマー(A)100重量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)4.0重量部、フッ素系化合物としてメガファックF-571(DIC社製)0.3重量部、脂肪酸エステルとしてサラコス913(日清オイリオグループ社製)10重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤組成物を得た。得られたウレタン系粘着剤組成物を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるはく離ライナー(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(C2)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。結果を表1、2に示した。
【0169】
[比較例3]
ウレタンプレポリマー(A)100重量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)4.0重量部、フッ素系化合物としてメガファックF-571(DIC社製)0.3重量部、シリコーン系化合物としてKF-615A(信越化学工業社製)0.10重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤組成物を得た。得られたウレタン系粘着剤組成を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるはく離ライナー(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(C3)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。結果を表1、2に示した。
【0170】
[比較例4]
ウレタンプレポリマー(A)100重量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)4.0重量部、フッ素系化合物としてメガファックF-571(DIC社製)1.0重量部、シリコーン系化合物としてKF-615A(信越化学工業社製)0.01重量部、脂肪酸エステルとしてサラコス913(日清オイリオグループ社製)10重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤組成物を得た。得られたウレタン系粘着剤組成物を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるはく離ライナー(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(C4)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。結果を表1、2に示した。
【0171】
【0172】
【0173】
[実施例17]
ウレタンプレポリマー(A)100重量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)3.0重量部、フッ素系化合物としてメガファックF-571(DIC社製)0.5重量部、シリコーン系化合物としてKF-354L(信越化学工業社製)0.10重量部、脂肪酸エステルとしてサラコス913(日清オイリオグループ社製)10重量部、帯電防止剤としてエレクセルAS110(第一工業製薬社製)を0.3重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤組成物を得た。得られたウレタン系粘着剤組成物を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるはく離ライナー(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(17)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。結果を表3、4に示した。
【0174】
[実施例18]
ウレタンプレポリマー(A)100重量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)3.0重量部、フッ素系化合物としてメガファックF-571(DIC社製)0.5重量部、シリコーン系化合物としてKF-640(信越化学工業社製)0.10重量部、脂肪酸エステルとしてサラコス913(日清オイリオグループ社製)10重量部、帯電防止剤としてエレクセルAS110(第一工業製薬社製)を0.3重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤組成物を得た。得られたウレタン系粘着剤組成物を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるはく離ライナー(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(18)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。結果を表3、4に示した。
【0175】
[実施例19]
ウレタンプレポリマー(A)100重量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)3.0重量部、フッ素系化合物としてメガファックF-571(DIC社製)0.5重量部、シリコーン系化合物としてKF-615A(信越化学工業社製)0.03重量部、脂肪酸エステルとしてサラコス913(日清オイリオグループ社製)10重量部、帯電防止剤としてエレクセルAS110(第一工業製薬社製)を0.3重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤組成物を得た。得られたウレタン系粘着剤組成物を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるはく離ライナー(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(19)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。結果を表3、4に示した。
【0176】
[実施例20]
ウレタンプレポリマー(A)100重量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)3.0重量部、フッ素系化合物としてメガファックF-571(DIC社製)0.5重量部、シリコーン系化合物としてKF-615A(信越化学工業社製)0.10重量部、脂肪酸エステルとしてサラコス913(日清オイリオグループ社製)10重量部、帯電防止剤としてエレクセルAS110(第一工業製薬社製)を0.3重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤組成物を得た。得られたウレタン系粘着剤組成物を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるはく離ライナー(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(20)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。結果を表3、4に示した。
【0177】
[実施例21]
ウレタンプレポリマー(A)100重量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)3.0重量部、フッ素系化合物としてメガファックF-571(DIC社製)0.5重量部、シリコーン系化合物としてKF-615A(信越化学工業社製)0.03重量部、脂肪酸エステルとしてサラコス913(日清オイリオグループ社製)10重量部、帯電防止剤としてCIL-312(日本カーリット社製)を0.3重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤組成物を得た。得られたウレタン系粘着剤組成物を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるはく離ライナー(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(21)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。結果を表3、4に示した。
【0178】
[実施例22]
ウレタンプレポリマー(A)100重量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)3.0重量部、フッ素系化合物としてメガファックF-571(DIC社製)0.5重量部、シリコーン系化合物としてKF-615A(信越化学工業社製)0.10重量部、脂肪酸エステルとしてサラコス913(日清オイリオグループ社製)10重量部、帯電防止剤としてCIL-312(日本カーリット社製)を0.3重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤組成物を得た。得られたウレタン系粘着剤組成物を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるはく離ライナー(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(22)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。結果を表3、4に示した。
【0179】
[実施例23]
ウレタンプレポリマー(A)100重量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)3.0重量部、フッ素系化合物としてメガファックF-571(DIC社製)0.5重量部、シリコーン系化合物としてKF-615A(信越化学工業社製)0.50重量部、脂肪酸エステルとしてサラコス913(日清オイリオグループ社製)10重量部、帯電防止剤としてエレクセルAS110(第一工業製薬社製)を0.3重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤組成物を得た。得られたウレタン系粘着剤組成物を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるはく離ライナー(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(23)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。結果を表3、4に示した。
【0180】
[実施例24]
ウレタンプレポリマー(A)100重量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)3.0重量部、フッ素系化合物としてメガファックF-571(DIC社製)0.5重量部、シリコーン系化合物としてKF-615A(信越化学工業社製)1.00重量部、脂肪酸エステルとしてサラコス913(日清オイリオグループ社製)10重量部、帯電防止剤としてエレクセルAS110(第一工業製薬社製)を0.3重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤組成物を得た。得られたウレタン系粘着剤組成物を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるはく離ライナー(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(24)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。結果を表3、4に示した。
【0181】
[実施例25]
ウレタンプレポリマー(A)100重量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)3.0重量部、フッ素系化合物としてメガファックF-571(DIC社製)0.5重量部、シリコーン系化合物としてKF-615A(信越化学工業社製)3.00重量部、脂肪酸エステルとしてサラコス913(日清オイリオグループ社製)10重量部、帯電防止剤としてエレクセルAS110(第一工業製薬社製)を0.3重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤組成物を得た。得られたウレタン系粘着剤組成物を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるはく離ライナー(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(25)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。結果を表3、4に示した。
【0182】
[実施例26]
ウレタンプレポリマーA 100重量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)3.0重量部、フッ素系化合物としてメガファックF-571(DIC社製)0.5重量部、シリコーン系化合物としてKF-615A(信越化学工業社製)5.00重量部、脂肪酸エステルとしてサラコス913(日清オイリオグループ社製)10重量部、帯電防止剤としてエレクセルAS110(第一工業製薬社製)を0.3重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤組成物を得た。得られたウレタン系粘着剤組成物を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるはく離ライナー(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(26)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。結果を表3、4に示した。
【0183】
[実施例27]
ウレタンプレポリマー(A)100重量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)3.0重量部、フッ素系化合物としてメガファックF-571(DIC社製)0.5重量部、シリコーン系化合物としてKF-6002(信越化学工業社製)0.10重量部、脂肪酸エステルとしてサラコス913(日清オイリオグループ社製)10重量部、帯電防止剤としてエレクセルAS110(第一工業製薬社製)を0.3重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤組成物を得た。得られたウレタン系粘着剤組成物を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるはく離ライナー(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(27)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。結果を表3、4に示した。
【0184】
[実施例28]
ウレタンプレポリマー(A)100重量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)3.0重量部、フッ素系化合物としてメガファックF-571(DIC社製)0.5重量部、シリコーン系化合物としてKF-6001(信越化学工業社製)0.10重量部、脂肪酸エステルとしてサラコス913(日清オイリオグループ社製)10重量部、帯電防止剤としてエレクセルAS110(第一工業製薬社製)を0.3重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤組成物を得た。得られたウレタン系粘着剤組成物を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるはく離ライナー(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(28)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。結果を表3、4に示した。
【0185】
[実施例29]
ウレタンプレポリマー(A)100重量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)3.0重量部、フッ素系化合物としてメガファックF-571(DIC社製)0.5重量部、シリコーン系化合物としてX-22-4272(信越化学工業社製)0.10重量部、脂肪酸エステルとしてサラコス913(日清オイリオグループ社製)10重量部、帯電防止剤としてエレクセルAS110(第一工業製薬社製)を0.3重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤組成物を得た。得られたウレタン系粘着剤組成物を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるはく離ライナー(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(29)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。結果を表3、4に示した。
【0186】
[実施例30]
ウレタンプレポリマー(A)100重量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)3.0重量部、フッ素系化合物としてメガファックF-571(DIC社製)0.5重量部、シリコーン系化合物としてKF-615A(信越化学工業社製)0.10重量部、脂肪酸エステルとしてエキセパールIPP(花王社製)10重量部、帯電防止剤としてエレクセルAS110(第一工業製薬社製)を0.3重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤組成物を得た。得られたウレタン系粘着剤組成物を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるはく離ライナー(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(30)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。結果を表3、4に示した。
【0187】
[実施例31]
ウレタンプレポリマー(A)100重量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)3.0重量部、フッ素系化合物としてメガファックF-571(DIC社製)0.5重量部、シリコーン系化合物としてKF-615A(信越化学工業社製)0.10重量部、脂肪酸エステルとしてエキセパールIPM(花王社製)10重量部、帯電防止剤としてエレクセルAS110(第一工業製薬社製)を0.3重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤組成物を得た。得られたウレタン系粘着剤組成物を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるはく離ライナー(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(31)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。結果を表3、4に示した。
【0188】
[実施例32]
ウレタンプレポリマー(A)100重量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)3.0重量部、フッ素系化合物としてメガファックF-571(DIC社製)0.5重量部、シリコーン系化合物としてKF-615A(信越化学工業社製)0.10重量部、脂肪酸エステルとしてサラコス913(日清オイリオグループ社製)5重量部、帯電防止剤としてエレクセルAS110(第一工業製薬社製)を0.3重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤組成物を得た。得られたウレタン系粘着剤組成物を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるはく離ライナー(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(32)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。結果を表3、4に示した。
【0189】
[実施例33]
ウレタンプレポリマー(A)100重量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)3.0重量部、フッ素系化合物としてメガファックF-571(DIC社製)0.5重量部、シリコーン系化合物としてKF-615A(信越化学工業社製)0.10重量部、脂肪酸エステルとしてサラコス913(日清オイリオグループ社製)15重量部、帯電防止剤としてエレクセルAS110(第一工業製薬社製)を0.3重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤組成物を得た。得られたウレタン系粘着剤組成物を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるはく離ライナー(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(33)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。結果を表3、4に示した。
【0190】
[実施例34]
ウレタンプレポリマー(A)100重量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)3.0重量部、フッ素系化合物としてメガファックF-571(DIC社製)0.5重量部、シリコーン系化合物としてKF-615A(信越化学工業社製)0.10重量部、脂肪酸エステルとしてサラコス913(日清オイリオグループ社製)30重量部、帯電防止剤としてエレクセルAS110(第一工業製薬社製)を0.3重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤組成物を得た。得られたウレタン系粘着剤組成物を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるはく離ライナー(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(34)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。結果を表3、4に示した。
【0191】
[比較例5]
ウレタンプレポリマー(A)100重量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)3.0重量部、シリコーン系化合物としてKF-615A(信越化学工業社製)0.10重量部、脂肪酸エステルとしてサラコス913(日清オイリオグループ社製)10重量部、帯電防止剤としてエレクセルAS110(第一工業製薬社製)を0.3重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤組成物を得た。得られたウレタン系粘着剤組成物を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるはく離ライナー(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(C5)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。結果を表3、4に示した。
【0192】
[比較例6]
ウレタンプレポリマー(A)100重量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)3.0重量部、フッ素系化合物としてメガファックF-571(DIC社製)0.5重量部、脂肪酸エステルとしてサラコス913(日清オイリオグループ社製)10重量部、帯電防止剤としてエレクセルAS110(第一工業製薬社製)を0.3重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤組成物を得た。得られたウレタン系粘着剤組成物を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるはく離ライナー(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(C6)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。結果を表3、4に示した。
【0193】
[比較例7]
ウレタンプレポリマー(A)100重量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)3.0重量部、フッ素系化合物としてメガファックF-571(DIC社製)0.5重量部、シリコーン系化合物としてKF-615A(信越化学工業社製)0.10重量部、帯電防止剤としてエレクセルAS110(第一工業製薬社製)を0.3重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤組成物を得た。得られたウレタン系粘着剤組成物を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるはく離ライナー(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(C7)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。結果を表3、4に示した。
【0194】
[比較例8]
ウレタンプレポリマー(A)100重量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)3.0重量部、フッ素系化合物としてメガファックF-571(DIC社製)0.5重量部、シリコーン系化合物としてKF-615A(信越化学工業社製)0.10重量部、脂肪酸エステルとしてサラコス913(日清オイリオグループ社製)10重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤組成物を得た。得られたウレタン系粘着剤組成物を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるはく離ライナー(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(C8)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。結果を表3、4に示した。
【0195】
[比較例9]
ウレタンプレポリマー(A)100重量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)3.0重量部、フッ素系化合物としてメガファックF-571(DIC社製)1.0重量部、シリコーン系化合物としてKF-615A(信越化学工業社製)0.01重量部、脂肪酸エステルとしてサラコス913(日清オイリオグループ社製)10重量部、帯電防止剤としてエレクセルAS110(第一工業製薬社製)を0.3重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤組成物を得た。得られたウレタン系粘着剤組成物を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるはく離ライナー(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(C9)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。結果を表3、4に示した。
【0196】
[比較例10]
ウレタンプレポリマー(A)100重量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(コロネートHX:C/HX、日本ポリウレタン社製)3.0重量部、フッ素系化合物としてメガファックF-571(DIC社製)0.5重量部、シリコーン系化合物としてKF-615A(信越化学工業社製)0.10重量部、脂肪酸エステルとしてサラコス913(日清オイリオグループ社製)30重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部を、全体の固形分が50重量%となるように酢酸エチルで希釈し、ウレタン系粘着剤組成物を得た。得られたウレタン系粘着剤組成物を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100-75S」、厚み75μm、三菱ケミカル株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥し、粘着剤層を作製した。次いで、得られた粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるはく離ライナー(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル株式会社製)のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(C10)を得た。常温で5日間エージングを行い、評価を行った。結果を表3、4に示した。
【0197】
【0198】
【0199】
〔実施例35~68〕
実施例1~34で得られた表面保護フィルム(1)~(34)のそれぞれについて、はく離ライナーを剥離し、粘着剤層側を、光学部材である偏光板(日東電工株式会社製、商品名「TEG1465DUHC」)に貼着し、表面保護フィルムが貼着された光学部材を得た。
【0200】
〔実施例69~102〕
実施例1~34で得られた表面保護フィルム(1)~(34)のそれぞれについて、はく離ライナーを剥離し、粘着剤層側を、電子部材である導電性フィルム(日東電工株式会社製、商品名「エレクリスタV270L-TFMP」)に貼着し、表面保護フィルムが貼着された電子部材を得た。