(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084498
(43)【公開日】2024-06-25
(54)【発明の名称】消波ブロック把持装置
(51)【国際特許分類】
B66C 1/62 20060101AFI20240618BHJP
B66C 1/44 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
B66C1/62 M
B66C1/44 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022198802
(22)【出願日】2022-12-13
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 掲載年月日:令和4年12月4日 掲載アドレス1:https://www.pref.yamanashi.jp/seichosangyo/sangyo-taisho/hyousho2022.html 掲載アドレス2:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC045R40U2A101C2000000/
(71)【出願人】
【識別番号】503116073
【氏名又は名称】鈴健興業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100150223
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 修三
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 康修
【テーマコード(参考)】
3F004
【Fターム(参考)】
3F004AA01
3F004AB11
3F004AE01
3F004EA13
(57)【要約】
【課題】消波ブロックを把持して移動させることを、人力で危険なワイヤの玉掛け作業せずに安全でありながら、手軽に使用できる小型軽量の消波ブロック把持装置を提供する。
【解決手段】消波ブロック把持装置110であって、2つの脚部LPそれぞれの径方向を保持する保持機構120及び係合部材126と、作業機械100に回動可能に支持され、保持機構120及び係合部材126を支持するブラケット112と、を備え、保持機構120は、ブラケット112に回動可能に支持され、互いの先端部122Aが接近することで、2つの脚部LPのうちの一方の脚部LPを把持可能な1対の保持部材122と、ブラケット112を貫通し1対の保持部材122の上端部122Bそれぞれに端部が接続され、1対の保持部材122をそれぞれ回動駆動させる直動機構124と、を備え、係合部材126は、内径を脚部LPの最小外径以上に保持する変形可能な環状部材を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械に支持され、互いに異なる方向に延びる複数の脚部を備える消波ブロックを把持可能とする消波ブロック把持装置であって、
前記複数の脚部のうちの2つの脚部それぞれの径方向を保持する保持機構及び係合部材と、
前記作業機械に回動可能に支持され、該保持機構及び係合部材を支持するブラケットと、
を備え、
前記保持機構は、前記ブラケットに回動可能に支持され、互いの先端部が接近することで、前記2つの脚部のうちの一方の脚部を把持可能な1対の保持部材と、該ブラケットを貫通し該1対の保持部材の上端部それぞれに端部が接続され、該1対の保持部材をそれぞれ回動駆動させる直動機構と、を備え、
前記係合部材は、内径を前記脚部の最小外径以上に保持する変形可能な環状部材を備えることを特徴とする消波ブロック把持装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記ブラケットは、前記1対の保持部材に対する前記係合部材の方向を変更可能としていることを特徴とする消波ブロック把持装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記ブラケットは、前記係合部材を脱着交換可能としていることを特徴とする消波ブロック把持装置。
【請求項4】
請求項1において、
前記係合部材は、前記1対の保持部材の存在する第1平面に対して、対称な位置に設けられていることを特徴とする消波ブロック把持装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記ブラケットは、前記第1平面と、該第1平面に直交し、前記1対の保持部材から等距離に存在する第2平面に対して、対称な形状とされ、且つ、
該1対の保持部材及び前記係合部材は、該第2平面に対して、対称な形状とされていることを特徴とする消波ブロック把持装置。
【請求項6】
請求項1において、
前記ブラケットには、前記作業機械に回動可能に支持された際に、前記保持機構と前記係合部材との位置関係を変更させる変更部材が設けられていることを特徴とする消波ブロック把持装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかにおいて、
前記ブラケットは、前記作業機械に連結される1対の取付板を備え、
前記1対の保持部材はそれぞれ、該1対の取付板の外側で回動可能に支持され、且つ、
前記係合部材の端部は、前記1対の取付板それぞれに連結されていることを特徴とする消波ブロック把持装置。
【請求項8】
請求項7において、
前記作業機械は、無限軌道で移動可能とされた本体部と、該本体部に揺動可能に支持されたアーム体とを備え、
前記1対の取付板は、該アーム体の先端部を挟むように直接連結され、該アーム体により揺動回転する際の回転軸に直交することを特徴とする消波ブロック把持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消波ブロック把持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、正四面体の重心位置から各頂点の方向に延びる、すなわち互いに異なる方向に延びる4つの脚部を備えるコンクリート製の消波ブロックは、その独特の形状から、複数を重ねて配置すると強い結合力が得られる。このため、消波ブロックは、川や海で発生する波のエネルギーを効果的に減衰・消散させることができるので、消波根固ブロック、波消しブロックなどとも呼ばれ、護岸や水利を目的に使用されている。
【0003】
しかしながら、この消波ブロックの独特な形状により、基本的に、クレーンなどの作業機械による吊り上げ・吊り下ろしの際には、複数のワイヤを使用せざるをえない状態である。そして、この消波ブロックの下部に回した複数のワイヤの結合・切り離し(ワイヤの玉掛け作業(台付け作業))のほとんどは人力で行われている状態である。ここで、この消波ブロックは大きな重量とされているので、使用するワイヤも重く、人力でワイヤの結合・切り離しを行うだけでも非常に多くの労力を必要とする。また、この消波ブロックが使用される現場は、足場の悪い状況であり、作業員にとっては多くの危険を伴う。特に、複数の消波ブロックを重ねて配置する際には、下に来る消波ブロックの近傍にある消波ブロック上で作業員が指示を出す必要があるが、消波ブロックの表面が滑りやすく不安定な作業環境となっている。それにより、作業員の滑落や転倒などが生じやすく多くの事故が発生している。
【0004】
このため、従来様々な把持装置が提案されている。例えば、特許文献1の把持装置では、人力で危険なワイヤの玉掛け作業を解決すべく、3つの保持部材を閉じることで、平面視で3方向に延在する脚部の結合部分を把持する構成を備えている。即ち、特許文献1では、消波ブロックを上から下まで3つの側面でカバーし、重心部分近傍を3つの保持部材で支持する構成となっているので、消波ブロックを安定して把持し移動することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1で示す把持装置では、1つの脚部が真下を向いている場合と真上を向いている状態を想定しているため、1つの脚部をすべて抱え込むための大きさが把持装置に必要とされている(例えば、重量約16トンで高さ約3mの消波ブロックに対して、把持装置は重量約12トンで高さ約6m)。このため、特許文献1の把持装置自体が消波ブロックに対して大きくかつ大重量となって、手軽に使用するのが困難なおそれがあった。
【0007】
そこで、本発明は、前記問題点を解決するべくなされたもので、消波ブロックを把持して移動させることを、人力で危険なワイヤの玉掛け作業せずに安全でありながら、手軽に使用可能かつ、小型軽量化の可能な消波ブロック把持装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、作業機械に支持され、互いに異なる方向に延びる複数の脚部を備える消波ブロックを把持可能とする消波ブロック把持装置であって、前記複数の脚部のうちの2つの脚部それぞれの径方向を保持する保持機構及び係合部材と、前記作業機械に回動可能に支持され、該保持機構及び係合部材を支持するブラケットと、を備え、前記保持機構が、前記ブラケットに回動可能に支持され、互いの先端部が接近することで、前記2つの脚部のうちの一方の脚部を把持可能な1対の保持部材と、該ブラケットを貫通し該1対の保持部材の上端部それぞれに端部が接続され、該1対の保持部材をそれぞれ回動駆動させる直動機構と、を備え、前記係合部材が、内径を前記脚部の最小外径以上に保持する変形可能な環状部材を備えたことにより、前記課題を解決したものである。
【0009】
本発明では、互いに異なる方向に延びる複数の脚部を備える消波ブロックの複数の脚部のうちの2つの脚部それぞれの径方向を保持する保持機構及び係合部材を備える。即ち、保持機構及び係合部材は、2つの脚部それぞれの径方向を保持する構成でよいため、1つの脚部を丸ごと抱え込むような大きさの保持機構を必要としない構成とすることが可能である。更に、係合部材は内径を脚部の最小外径以上に保持する変形可能な環状部材を備えることから、係合部材を極めて軽く構成することが可能となる。
【0010】
同時に、ブラケットを貫通し1対の保持部材の上端部それぞれに端部が接続され、1対の保持部材をそれぞれ回動駆動させる直動機構を備える構成である。このため、消波ブロック把持装置において、ブラケットの端部から、1対の保持部材の先端部までの距離、即ち消波ブロック把持装置の上下方向の長さを極めて短くでき、それに伴い更なる軽量化が可能となる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、消波ブロックを把持して移動させることを、人力で危険なワイヤの玉掛け作業せずに安全でありながら、手軽に使用できる小型軽量の消波ブロック把持装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る作業機械と消波ブロック把持装置と消波ブロックを示す模式図
【
図2】
図1の消波ブロック把持装置を示す図(斜視図(A)、下面図(B)、側面図(C)、正面図(D))
【
図3】
図2、
図8の消波ブロック把持装置を用いて消波ブロックを把持して移動させる手順を説明するフローチャート
【
図4】
図3の手順を示す図(消波ブロックに対して消波ブロック把持装置を降下させる図(A)、消波ブロック把持装置で消波ブロックを把持した図(B)、消波ブロック把持装置で消波ブロックを吊り下げた図(C))
【
図5】
図2の消波ブロック把持装置を用いて消波ブロックを所定の位置に配置させる手順を説明するフローチャート
【
図6】
図5の手順を示す図(消波ブロックを把持したまま消波ブロック把持装置を降下させる図(A)、消波ブロックを消波ブロック把持装置により地面に配置させる図(B)、消波ブロックを開放して消波ブロック把持装置を上昇させる図(C)))
【
図7】本発明の第2実施形態に係る作業機械と消波ブロック把持装置を示す模式図(消波ブロックを把持する前の図(A)、消波ブロックを把持した後の図(B))
【
図8】
図7の消波ブロック把持装置を用いて消波ブロックを把持する手順を示す図(消波ブロックに対して消波ブロック把持装置を降下させる図(A)、消波ブロックの脚部に係合部材を係合させる図(B)、消波ブロック把持装置で消波ブロックを把持した図(C)、消波ブロック把持装置で消波ブロックを吊持した図(D))
【
図9】本実施形態の作業機械を用いて消波ブロック把持装置の別の係合部材を脚部に係合させて消波ブロックを把持した後を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、
図1~
図6を参照して、本発明の第1実施形態の一例を詳細に説明する。
【0014】
最初に、
図1に基づいて、作業機械100と、消波ブロック把持装置110と、消波ブロックCBについて、概略説明する。
【0015】
作業機械100は、
図1に示す如く、例えばアウトリガー付きのクレーン車(エキスカベータなどでもよいし、台船に設けられたクレーン機構でもよい)であり、回動可能な本体部101に傾斜角を変更可能なアーム体102を備えている。アーム体102は、例えば伸縮可能なテレスコピックブームとされている(ラティスブームであってもよい)。アーム体102の先端には主ホイール104が設けられており、消波ブロック把持装置110を吊持する主ワイヤMwが係合している(このため、主ワイヤMwを中心として、消波ブロック把持装置110は、相応に回転可能な状態となっている)。また、図示されていないが、アーム体102の先端には、副ホイールが設けられ、消波ブロック把持装置110の姿勢を変更するための副ワイヤSwが係合している。つまり、主ワイヤMwと副ワイヤSwの送り長さを短くすれば、消波ブロック把持装置110は上昇し、主ワイヤMwと副ワイヤSwの送り長さを長くすれば、消波ブロック把持装置110は降下する。なお、アーム体102には、消波ブロック把持装置110を駆動させるためのホースHsを送り出すリレーホイール106が回転可能に支持されている。
【0016】
消波ブロックCBは、
図1に示す如く、正四面体の重心位置から各頂点の方向に延びる、すなわち互いに異なる方向に延びる4つの脚部LPを備えるコンクリート製の異形ブロックである。一般的には、消波ブロックCBには、腐食による劣化を防止する観点もあり、鉄筋を使用していない場合が多い。このため、消波ブロックCBは、局所的な応力がかかると大きく破損する可能性があり、その大きさと相まって把持・運搬・設置をする際には大きな応力をかけずに慎重かつ正確に行う必要がある。汎用的に使用されている消波ブロックCBとしては、重量0.5トン(高さ90cm)から80トン(高さ5m)までの合計18種類のサイズがあり、脚部LPの断面がほぼ円形とされている。河川では、主に10トン以下のものが用いられている(例えば重量6.3トンで高さ約2m)。なお、消波ブロックCBは、基本的に工事現場近くで、型枠を用いて必要数と必要サイズのものが製造される。
【0017】
消波ブロック把持装置110は、
図2(B)~(D)に示す如く、対称面PL、RLそれぞれに対して対称的な形状とされている。具体的に、消波ブロック把持装置110は、
図1に示す如く、作業機械100に支持され、消波ブロックCBを把持可能としている。消波ブロック把持装置110は、
図2(A)、(B)に示す如く、ブラケット112と、保持機構120と、係合部材126と、を備える。ブラケット112は、作業機械100に回動可能に支持され、保持機構120及び係合部材126を支持する。保持機構120及び係合部材126は、消波ブロックCBの4つ(複数)の脚部LPのうちの2つの脚部LPそれぞれの径方向を保持する。そして、保持機構120は1対の保持部材122と直動機構124とを備え、係合部材126は環状部材を備える。なお、対称面PLは、1対の保持部材122の存在する第1平面をいう。また、対称面RLは、第1平面に直交し、1対の保持部材122から等距離に存在する第2平面をいう。
【0018】
本実施形態では、消波ブロックCBとして主に河川に対して使用できるものを想定しており、消波ブロック把持装置110は、例えば重量6.3トンで高さ約2mの消波ブロックCBに対して、重量2トン未満で高さ2m未満とされている(このため、例えば、重量16トンで高さ約3mの消波ブロックCBに対しては、消波ブロック把持装置110は、大きくても重量5トン未満で、高さ3m未満で構成することが可能である)。消波ブロック把持装置110は、消波ブロックCBのサイズ毎に、使い分けるのが望ましいが、消波ブロック把持装置110の1つのサイズで、隣接する3以上の消波ブロックCBのサイズを把持することが可能とされている(例えば、6.3トン(高さ2m)の消波ブロックCBを想定した消波ブロック把持装置110は、3.2トン(高さ1.6m)、4トン(高さ1.8m)、5トン(高さ1.9m)、6トン(高さ2m)、8トン(高さ2.3m)の5つの異なるサイズの消波ブロックCBを移動可能としている)。
【0019】
次に、各構成要素について、詳細に説明する。
【0020】
ブラケット112は、
図2(A)、(B)に示す如く、1対の取付板114と、1対の取付板114を連結する筒状の連結部116と、連結部116の下方に配置され、1対の取付板114に支持される回動支持部118と、を備える。
【0021】
1対の取付板114は、
図2(A)、(B)に示す如く、互いに同一形状で、対称面PLに対して対称な形状とされている。まず、1対の取付板114にはそれぞれ、アーム体102から伸びる主ワイヤMwに支持される主取付孔114Aと、副ワイヤSwに支持される副取付孔114Bと、が設けられている(即ち、ブラケット112は、作業機械100に連結される1対の取付板114を備える構成といえる。なお、主ワイヤMwなどによる支持方法としては、例えば主取付孔114Aと副取付孔114Bにそれぞれ、金属ロッドを渡して、2つの金属ロッドに主ワイヤMwと副ワイヤSwとがそれぞれ連結された形態であってよい)。主取付孔114Aと副取付孔114Bとは、対称面PLに対して等距離に設けられている。本実施形態では、副ワイヤSwに張力をかけずに、主ワイヤMwで主取付孔114Aを支持すると、対称面PLの鉛直方向に対する角度が20度から40度の間の角度となるようにされている。このため、主ワイヤMwに対する副ワイヤSwの送り長さを(短くする方向で)変化させることで、対称面PLの鉛直方向に対する角度を逆方向に最大で20度から40度の間の角度とすることができ、消波ブロック把持装置110の姿勢をそれらの角度範囲で変更させることができる(つまり、ブラケット112には、作業機械100に回動可能に支持された際に、保持機構120と係合部材126との位置関係を変更させる変更部材(即ち、主取付孔114Aと副取付孔114B)が設けられていることとなる)。
【0022】
また、
図2(A)、(C)に示す如く、1対の取付板114の側面の主取付孔114Aと副取付孔114Bの下方には貫通孔が設けられており、その貫通孔を囲むように、筒状の連結部116が1対の取付板114を連結させている。この構成により、ブラケット112の中空部が構成され、この中空部に直動機構124がブラケット112に接触することなく、貫通した状態で配置される。
【0023】
回動支持部118は、1対の板状部材であり、1対の取付板114に対しては1対の取付板114に交差した形態で一体され、連結部116とは連結部116の下方に一体化されている。回動支持部118は、取付板114の側面の外側に延在する端部でそれぞれ、1対の保持部材122を回動可能に支持している。つまり、1対の保持部材122はそれぞれ、1対の取付板114の外側で支持されている構造である。
【0024】
保持機構120は、
図2(A)に示す如く、1対の保持部材122と、直動機構124と、を備える。1対の保持部材122は、ブラケット112に回動可能に支持され、互いの先端部122Aが接近することで、2つの脚部LPのうちの一方の脚部LPを把持可能とされている。保持部材122は、
図2(A)に示す如く、脚部LPを把持する部分が、脚部LPに倣うように湾曲した形状の板状部材とされている。そして、脚部LPに直接的に接触する接触部122Cは、面取りが施されている(あるいは、断面形状がほぼ円の棒状部材が設けられていてもよいし、この棒状部材を、ゴムなどの緩衝材料で構成し、交換可能としておいてもよい)。このため、1対の保持部材122で脚部LPを把持しても角がないので消波ブロックCBに局所的な応力がかかることを回避でき、脚部LPの破損を防止することができる。1対の保持部材122の上端部122Bはそれぞれ、1つの直動機構124の端部に直接的に連結されている。
【0025】
図2(A)に示す直動機構124は、上述の如く、ブラケット112を貫通し1対の保持部材122の上端部122Bそれぞれに端部が接続され、1対の保持部材122をそれぞれ回動駆動させる構成となっている。直動機構124は、例えばシリンダ室とピストンから構成されるシリンダ機構である。シリンダ機構は、地面GDに配置したポンプユニット(不図示)からの油圧で動かしてもよいが、地面GDに配置したポンプユニット(不図示)からの水圧で動かしてもよい。
【0026】
(2つの)係合部材126は、対称面PLに対して、対称な位置に設けられている。本実施形態では、
図2(C)で示す1対の保持部材122と係合部材126との角度αは、約70度としている。係合部材126は、内径を消波ブロックCBの脚部LPの最小外径以上に保持する変形可能な環状部材を備える。例えば、環状部材は、リング状に湾曲した太さが1cm以上(消波ブロックCBの重量による)のワイヤロープ130である(なお、これに限らず、環状部材は、幅の細い金属板などで構成してもよい)。ワイヤロープ130の両端はそれぞれ、取付板114に結合部128を介して連結されている(即ち、係合部材126の端部は、1対の取付板114それぞれに連結されている構成である)。結合部128はボルトなどで取付板114に固定されているので、そのボルトを外して別の係合部材126を取付けることができる。即ち、ブラケット112は係合部材126を脱着交換可能としている構成である(このため、把持する消波ブロックCBの脚部LPの外径に応じて、ワイヤロープ130の長さを変えた係合部材126を用いることで、より広い範囲の消波ブロックCBの脚部LPを保持することができる)。また、結合部128は、ワイヤロープ130の伸びる方向を変更可能としている。つまり、ブラケット112は、保持部材122に対する係合部材126の方向を変更可能としている構成でもある。なお、ワイヤロープ130の少なくとも一部の外周はゴムなどの緩衝部材で覆われていてもよい。この緩衝部材があることで、脚部LPに直接ワイヤロープ130が接触することを防止でき、消波ブロックCBの破損とワイヤロープ130の摩耗とを防止することができる。
【0027】
次に、本実施形態における消波ブロック把持装置110を用いて消波ブロックCBを把持して移動させる手順について、
図3、
図4(A)~(C)を用いて説明する。
【0028】
まず、作業機械100から主ワイヤMwと副ワイヤSwを伸ばして、消波ブロック把持装置110を消波ブロックCBの上方から降下させる(
図3ステップS2、
図4(A))。
【0029】
次に、必要に応じてアーム体102の位置と、主ワイヤMwに対する副ワイヤSwの長さと、を調整して、係合部材126の位置と角度を調整して、上方を向いた一方の脚部LPに係合部材126を係合させる(
図3ステップS4)。なお、この係合した状態は、取付板114に取り付けられ係合部材126の内側に一方の脚部LPが配置された状態をいう。
【0030】
そして、その一方の脚部LPに係合部材126が係合した状態のまま、1対の保持部材122の間に残りの一方の脚部LPが来るように、主ワイヤMwと副ワイヤSwを伸ばして消波ブロック把持装置110を降下させる(
図3ステップS6)。
【0031】
次に、直動機構124を動作させて、残りの一方の脚部LPを1対の保持部材122で把持する(
図3ステップS8、
図4(B))。すると、保持機構120の保持により、一方の脚部LPがワイヤロープ130の内側から抜けることがなく、係合部材126により一方の脚部LPを保持することとなる。
【0032】
そして、作業機械100により、主ワイヤMwと副ワイヤSwを引き上げて、消波ブロック把持装置110を上昇させ、消波ブロックCBを移動させる(
図3ステップS10、
図4(C))。なお、消波ブロック把持装置110は、消波ブロックCBに比べて軽量であるため、消波ブロックCBを空中に吊り下げた状態では、重心の位置が変化することで消波ブロック把持装置110はある程度回転した状態となる。
【0033】
次に、本実施形態における消波ブロック把持装置110を用いて消波ブロックCBを所定の位置に配置させる手順について、
図5、
図6(A)~(C)を用いて説明する。
【0034】
まず、作業機械100により、消波ブロックCBを把持した状態の消波ブロック把持装置110を所定の位置の上空に配置させる。そして、主ワイヤMwと副ワイヤSwを伸ばして、消波ブロック把持装置110を降下させる(
図5ステップS20、
図6(A))。
【0035】
そして、消波ブロックCBの一部が所定の位置に着いた段階で、主ワイヤMwと副ワイヤSwを伸ばす速度を落として、消波ブロックCBを完全に所定の位置に配置させる(
図5ステップS22、
図6(B))。
【0036】
次に、直動機構124を動かし、1対の保持部材122の間の距離を拡大させて(
図5ステップS24)、一方の脚部LPを開放する(
図5ステップS26)。
【0037】
そして、主ワイヤMwと副ワイヤSwを引き上げて消波ブロック把持装置110を上昇させて消波ブロック把持装置110を消波ブロックCBから離間させる(
図5ステップS28、
図6(C))。
【0038】
このように、本実施形態では、互いに異なる方向に延びる4つの脚部LPを備える消波ブロックCBの4つの脚部LPのうちの2つの脚部LPそれぞれの径方向を保持する保持機構120及び係合部材126を備える。即ち、保持機構120及び係合部材126は、2つの脚部LPそれぞれの径方向を保持する構成でよいため、1つの脚部LPを丸ごと抱え込むような大きさの保持機構を必要としない構成となっている。更に、係合部材126は、内径を脚部LPの最小外径以上に保持する変形可能な環状部材を備えることから、係合部材を極めて軽く構成することが可能である。
【0039】
例えば、従来技術によれば、重量約16トンで高さ約3mの消波ブロックに対して、把持装置は重量約12トンで高さ約6mとなるところ、本実施形態の消波ブロック把持装置110は、大きくても重量5トン未満かつ高さ3m未満で構成することが可能である。
【0040】
また、本実施形態では、ブラケット112を貫通し1対の保持部材122の上端部122Bそれぞれに端部が接続され、1対の保持部材122をそれぞれ回動駆動させる直動機構124を備える構成である。つまり、本実施形態では、ブラケット112の取付板114の中空部に直動機構124が配置されている。このため、消波ブロック把持装置110において、ブラケット112の主取付孔114Aのある端部から、1対の保持部材122の先端部122Aまでの距離、即ち消波ブロック把持装置110の上下方向の長さを極めて短くでき、それに伴い軽量化が可能である。
【0041】
また、本実施形態では、ブラケット112は、1対の保持部材122に対する係合部材126の方向を変更可能としている。このため、消波ブロックCBの大きさや種類が多少異なっても、2つの脚部LPを安定して保持することが可能である。なお、これに限らず、ブラケットが、1対の保持部材に対する係合部材の方向を変更可能としなくてもよい。特定の大きさの消波ブロックCBだけを大量に扱う際には、1対の保持部材に対する係合部材の方向が固定されていた方がより安定して効率的に消波ブロックCBを移動することができるからである。
【0042】
また、本実施形態では、ブラケット112は、係合部材126を脱着交換可能としている。このため、消波ブロックCBの大きさや種類が異なった場合には適切な係合部材126に交換することで、よりさまざまな消波ブロックCBに対応することが可能である。また、係合部材126が破損・消耗しても、その係合部材126だけを交換すれば済むので、低コストで高いメンテナンス性を発揮させることが可能である。更には、係合部材126を外して、消波ブロックCB以外のものを把持するようにしてもよい。なお、これに限らず、ブラケットが、係合部材を脱着交換可能としていなくてもよい。例えば、緊急時のみに用いる場合には、係合部材を脱着させる構成であると、その点を管理する必要もあり、即応性が損なわれる可能性もあるからである。
【0043】
また、本実施形態では、係合部材126が、対称面PLに対して、対称な位置に設けられている。このため、例えば、
図4(A)のような消波ブロックCBに対しては、対称面PLに対して左側の係合部材126を用いて、消波ブロックCBを保持することが可能である。また、
図4(A)のような消波ブロックCBを面対称で反転した状態で配置されている消波ブロックCBに対しては、対称面PLに対して右側の係合部材126を用いて、消波ブロックCBを保持することが可能である。つまり、係合部材126のこのような構成により、さまざまな状態で配置されている消波ブロックCBに対応して、消波ブロックCBを把持することが可能である。なお、これに限らず、係合部材が対称面PLに対して、対称な位置に設けられていなくてもよい。つまり、係合部材が2つではなく、1つだけでもよい。あるいは、係合部材が2つであっても、対称な位置に設けられていなくてもよい。
【0044】
また、本実施形態では、係合部材126が対称面PLに対して、対称な位置に設けられており、ブラケット112は、対称面PLである第1平面と、対称面RLである第2平面に対して、対称な形状とされ、且つ1対の保持部材122及び係合部材126は、対称面RLである第2平面に対して、対称な形状とされている。このため、消波ブロック把持装置110の取付方向を気にすることがなく、作業機械100への取付間違いなどが生じにくい。さらに、取付方向が決定されていることによる摩耗や損耗の偏りを無くすことができ、消波ブロック把持装置110のメンテナンス頻度を少なくすることが可能である。なお、これに限らず、必ずしも、消波ブロック把持装置110を構成する要素が対称面PL、RLに対して対称である必要はない。勿論、一部でも対称な形状があれば、設計製造上利点が生じるが、全く対称な形状や構成がなくてもよい。
【0045】
また、本実施形態では、ブラケット112には、作業機械100に回動可能に支持された際に、保持機構120と係合部材126との位置関係を変更させる変更部材(主取付孔114Aと副取付孔114B)が設けられている。このため、主ワイヤMwに対する副ワイヤSwの送り長さを変化させることで、消波ブロック把持装置110の姿勢を変更させることができる。これにより、消波ブロックCBの姿勢に応じて消波ブロック把持装置110の姿勢を変更して、消波ブロックCBを把持して吊り上げることが可能である。なお、これに限らず、別の作業機械を使用して2つの脚部LPを把持しやすいように消波ブロックCBを動かしたうえで、消波ブロックCBを把持して運搬するようにしてもよい。また、消波ブロックCBを運搬して所定の位置に配置する際には、所定の位置近傍に一旦配置して、別の作業機械などで所望の姿勢に変更するようにしてもよい。
【0046】
また、本実施形態では、ブラケット112が作業機械100に連結される1対の取付板114を備える。そして、1対の保持部材122がそれぞれ、1対の取付板114の外側で回動可能に支持され、かつ、係合部材126の端部が1対の取付板114それぞれに連結されている。つまり、1対の保持部材122のそれぞれが支持される回転軸の位置が互いに離れているので、1対の保持部材122で、脚部LPが回動支持部118に接するように、脚部LPを深く把持できる。同様に、係合部材126の端部の位置が互いに離れているので、係合部材126で、脚部LPの表面が取付板114の間に入り込むように、脚部LPを深く把持できる。このため、消波ブロック把持装置110が小型軽量であっても比較的脚部LPの大きい消波ブロックCBまでも消波ブロック把持装置110で安定して保持することが可能である。なお、これに限らず、ブラケットが1対の取付板を備えなくてもよい。あるいは、ブラケットが1対の取付板を備えていても、1対の保持部材がそれぞれ、1対の取付板の内側で回動可能に支持されもよい。更に、係合部材の端部が1対の取付板以外の部分に連結されていてもよい。
【0047】
また、本実施形態では、直動機構124が、油あるいは水を使用することを想定している。油を使用する場合には、作業機械100のポンプユニットを使用するようにしてもよいが、図示せぬ新たな作業機械を用意して、そのポンプユニットを使用した方が消波ブロック把持装置110の動作が作業機械100の動作に影響を与えずに、より好ましい(基本的には油圧を発生させるポンプユニットは一般的でないためである)。水を使用する場合には、水を吸い上げるポンプユニットを使用することができる。なお、このときのポンプユニットは、大型であるほど吐出能力が高く、保持機構120の動作を素早く行うことができるが、小型で汎用のものであってもよい。把持する対象物が重量の大きな消波ブロックCBであり、注意深く作業を進める関係上、保持機構120の動作の速度をそれほど速くしない方が好ましい可能性があるためである。なお、ポンプユニットは、エンジンを使用するものであれば、電源を別に用意する必要がなく、使用する場所に制限が少ない。このため、水を使用するのであれば、ポンプユニットを容易に準備することができる。更に、消波ブロックCBが水のある場所で使用されることから、水の入手、漏水、排出での問題が生じにくい。なお、これに限らず、流体に空気等を用いてもよい。勿論、直動機構が電動モータを使用するものであってもよい。
【0048】
よって、本実施形態では、消波ブロックCBを把持して移動させることを、人力で危険なワイヤの玉掛け作業せずに安全でありながら、手軽に使用でき、小型軽量な消波ブロック把持装置110を提供することが可能である。即ち、消波ブロック把持装置110は、従来技術よりも低コストで製造でき、かつ運搬、設置、そして使用のいずれも容易に行うことが可能であり、例えば、堤防決壊などのおそれが出てきた際の緊急対策時などにおいて、迅速かつ確実に消波ブロックCBの移動を行うことが可能である。
【0049】
本発明について第1実施形態を挙げて説明したが、本発明は第1実施形態に限定されるものではない。即ち本発明の要旨を逸脱しない範囲においての改良並びに設計の変更が可能なことは言うまでもない。
【0050】
例えば、第1実施形態では、消波ブロック把持装置110が、主ワイヤMwと副ワイヤSwを介してアーム体102に連結されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、
図7(A)、(B)、
図8(A)~(D)、
図9に示す第2実施形態の如くであってもよい。第2実施形態では、消波ブロック把持装置110がその姿勢が制御可能となるようにアーム体202の先端部に直接連結される構成とされている。以下に、第2実施形態について、説明を行う。なお、第1実施形態との差異は、主に作業機械200であり、消波ブロック把持装置110は同一である。このため、それ以外の構成要素については、符号の下2桁を同一として、説明を基本的に省略する。
【0051】
本実施形態では、作業機械200は、
図7(A)、(B)に示す如く、アーム体202が屈曲可能なバックホウである。つまり、作業機械200は、無限軌道で移動可能とされた本体部201と、本体部201に揺動可能に支持されたアーム体202とを備える構成である。アーム体202の先端部に設けられた支持軸とリンク軸とに、通常の作業アタッチメント(例えば、カッターやグラップルなど)と同様に、消波ブロック把持装置110が装着・支持される(支持軸と主取付孔114Aと、リンク軸と副取付孔114Bと、がそれぞれ直接連結されている)。つまり、消波ブロック把持装置110は、消波ブロック把持装置110の上昇下降と回転揺動の制御を可能とするアーム体202に装着されている。つまり、1対の取付板114は、アーム体202の先端部を挟むように直接連結され、アーム体202により揺動回転する際の回転軸に直交する構成とされている。
【0052】
次に、本実施形態における消波ブロック把持装置110を用いて消波ブロックCBを把持して移動させる手順について、
図3、
図8(A)~(D)を用いて説明する。
【0053】
まず、作業機械200のアーム体202を制御して、消波ブロック把持装置110を消波ブロックCBの上方から降下させる(
図3ステップS2、
図8(A))。
【0054】
次に、必要に応じてアーム体202の位置と、消波ブロック把持装置110の姿勢を調整して、上方を向いた一方の脚部LPに係合部材126を係合させる(
図3ステップS4、
図8(B))。なお、この係合した状態は、取付板114に取り付けられ係合部材126の内側に一方の脚部LPが配置された状態をいう。
【0055】
そして、その一方の脚部LPに係合部材126が係合した状態のまま、1対の保持部材122の間に残りの一方の脚部LPが来るように、アーム体202と消波ブロック把持装置110の姿勢とを制御して消波ブロック把持装置110を降下させる(
図3ステップS6)。
【0056】
次に、直動機構124を動作させて、残りの一方の脚部LPを1対の保持部材122で把持する(
図3ステップS8、
図8(C))。すると、保持機構120の保持により、一方の脚部LPがワイヤロープ130の内側から抜けることがなく、係合部材126により一方の脚部LPを保持することとなる。
【0057】
そして、作業機械200のアーム体202により、消波ブロック把持装置110を上昇させ、消波ブロックCBを移動させる(
図3ステップS10、
図8(D))。なお、消波ブロック把持装置110の姿勢は、作業機械200で制御可能なので、消波ブロックCBを空中に吊り下げた状態でも、消波ブロック把持装置110の姿勢はほとんど変わらないようにすることが可能である。
【0058】
なお、本実施形態における消波ブロック把持装置110を用いて消波ブロックCBを所定の位置に配置させる手順については、ほとんど
図3、
図8(A)~(D)の逆の工程であることから、説明を省略する。ちなみに、本実施形態でも、係合部材126が対称面PLに対して、対称な位置に設けられている。このため、消波ブロック把持装置110による消波ブロックCBの把持方法としては、
図7(B)に示す形態でもよいし、
図9に示す形態でもよい。
【0059】
このように、本実施形態では、作業機械200が、無限軌道で移動可能とされた本体部201と、本体部201に揺動可能に支持されたアーム体202とを備える。そして、1対の取付板114は、アーム体202の先端部を挟むように直接連結され、アーム体202により揺動回転する際の回転軸に直交する構成とされている。即ち、1対の取付板114の間の距離は、アーム体202の先端部の形状に規定され、相応にあり、1対の保持部材122のそれぞれが支持される回転軸の位置が互いに相応に離れているので、1対の保持部材122で、脚部LPが回動支持部118に接するように、脚部LPを深く把持できる。同様に、係合部材126の端部の位置が互いに相応に離れているので、係合部材126で、脚部LPの表面が取付板114の間に入り込むように、脚部LPを深く把持できる。このため、消波ブロック把持装置110が小型軽量であっても確実に脚部LPの大きい消波ブロックCBまでも消波ブロック把持装置110で安定して保持することが可能である。つまり、本実施形態では、第1実施形態に比べて、取付板114の意義が明確となることから、より小型軽量の消波ブロック把持装置110を実現することが可能である。
【0060】
また、本実施形態では、作業機械200が、バックホウであるので、消波ブロックCBを配置させる際の消波ブロックCBの姿勢制御が容易でかつ迅速に一連の動作を行うことが可能である。
【0061】
なお、上記実施形態では、消波ブロックCBが4つの脚部LPを備えるとしていたが、本発明はこれに限定されず、消波ブロックCBは2つ以上の脚部LPを備えればよい(2つの脚部LPの場合は、例え1つの消波ブロックCBでも、脚部LPの向きが異なる場合が該当する)。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、河川や港湾で用いられる互いに異なる方向に延びる複数の脚部を備える消波ブロックの移動や運搬や設置をするのに好適である。
【符号の説明】
【0063】
100、200…作業機械
101、201…本体部
102、202…アーム体
104…主ホイール
106…リレーホイール
110…消波ブロック把持装置
112…ブラケット
114…取付板
114A…主取付孔
114B…副取付孔
116…連結部
118…回動支持部
120…保持機構
122…保持部材
122A…先端部
122B…上端部
122C…接触部
124…直動機構
126…係合部材
128…結合部
130…ワイヤロープ
CB…消波ブロック
GD…地面
Hs…ホース
LP…脚部
Mw…主ワイヤ
PL、RL…対称面
Sw…副ワイヤ
α…角度