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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084504
(43)【公開日】2024-06-25
(54)【発明の名称】ロボットハンド
(51)【国際特許分類】
   B25J 15/08 20060101AFI20240618BHJP
【FI】
B25J15/08 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022198813
(22)【出願日】2022-12-13
(71)【出願人】
【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂本 勝也
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707BS10
3C707DS01
3C707ES05
3C707ES10
3C707EU17
3C707EV04
3C707HS21
3C707KS03
3C707KS30
3C707KS36
3C707KX07
3C707LV07
(57)【要約】
【課題】把持状態を正しく判定することが可能なロボットハンドを提供することを目的とする。
【解決手段】湾曲する動作を行う流体圧アクチュエータで構成された複数の指部材40を備えたロボットハンド20において、指部材40が移動する軌道から外れた位置を検出する位置に検出部62を配置する。これにより、検出部62が指部材40を検出することがなくなるため、指部材40を誤検出することなく、把持対象物の把持を正しく判定することが可能となる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
把持対象物を把持する方向へ移動可能な複数の指部材と、
前記指部材が移動する軌跡から外れた位置を検出対象として、距離を検出する検出部と、
を備えたロボットハンド。
【請求項2】
前記指部材は、湾曲する動作を行う流体圧アクチュエータである請求項1に記載のロボットハンド。
【請求項3】
前記検出部を複数備え、複数の前記検出部は、前記指部材が移動する軌跡から外れた位置で、かつそれぞれ異なる位置を検出対象として、距離を検出する請求項1に記載のロボットハンド。
【請求項4】
前記検出部は、複数の領域を検出し、前記複数の領域のうち、前記指部材が移動する軌跡から外れた領域を検出対象とする請求項1に記載のロボットハンド。
【請求項5】
前記検出部の検出結果に基づいて、把持対象物を把持したか否かを判定し、把持したと判定した場合に、前記把持対象物を移動する制御を行う制御部を更に備えた請求項1に記載のロボットハンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ロボットハンドに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、流体の圧力によって膨張及び収縮する円筒状のチューブと、所定方向に配向された繊維コードを編み込んだ伸縮性を有する構造体であり、チューブの外周面を覆うスリーブと、チューブの軸方向における端部を封止する封止部材と、スリーブの内側において、チューブの軸方向における一端側から他端側に亘って設けられる拘束部材を備え、拘束部材が、チューブの軸方向に沿った圧縮に対して抵抗し、軸方向に直交する直交方向に変形可能である液体圧アクチュエータを複数用いて、ヒトの指に似た挙動を実現し得る把持システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-88999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
把持対象物を把持可能なロボットハンドでは、手のひらに対応する部分にセンサ等の検出部を配置して、把持対象物を正しく把持できているかを確認してから次の動作に移行する必要がある。
【0005】
しかしながら、光学式の検出部を用いた場合、ロボットハンドを把持する動作を行うときに、検出位置によっては、ロボットハンドの指部材を検出してしまい、正しく把持された状態と、把持できていない状態とを切り分けて判定することが難しい場合がある。特に、特許文献1の技術のように、湾曲型のロボットハンドでは、把持対象物に指が沿うため、把持対象物の位置関係が同じ位置にならない場合があり、正しく把持状態を判定できないことがある。
【0006】
本開示は、把持状態を正しく判定することが可能なロボットハンドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1態様に係るロボットハンドは、把持対象物を把持する方向へ移動可能な複数の指部材と、前記指部材が移動する軌跡から外れた位置を検出対象として、距離を検出する検出部と、を備える。
【0008】
第2態様に係るロボットハンドは、第1態様に係るロボットハンドにおいて、前記指部材は、湾曲する動作を行う流体圧アクチュエータである。
【0009】
第3態様に係るロボットハンドは、第1態様又は第2態様に係るロボットハンドにおいて、前記検出部を複数備え、複数の前記検出部は、前記指部材が移動する軌跡から外れた位置で、かつそれぞれ異なる位置を検出対象として、距離を検出する。
【0010】
第4態様に係るロボットハンドは、第1態様又は第2態様に係るロボットハンドにおいて、前記検出部は、複数の領域を検出し、前記複数の領域のうち、前記指部材が移動する軌跡から外れた領域を検出対象とする。
【0011】
第5態様に係るロボットハンドは、第1態様~第4態様の何れか1の態様に係るロボットハンドにおいて、前記検出部の検出結果に基づいて、把持対象物を把持したか否かを判定し、把持したと判定した場合に、前記把持対象物を移動する制御を行う制御部を更に備える。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、把持状態を正しく判定することが可能なロボットハンドを提供できる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態に係るロボットハンドを有するロボットアームの全体像を示す図である。
図2】指部材を説明する側面図である。
図3】ロボットハンドの手のひら部分に検出部を配置して把持対象物の把持状態を検出する例を示す図である。
図4】把持対象物の把持状態の誤検出を説明するための図である。
図5】指部材が移動する軌道から外れた位置を検出する位置に検出部を配置した例を示す図である。
図6】本実施形態に係るロボットアームの制御系の構成を示すブロック図である。
図7】本実施形態に係るロボットアームの制御部で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8】マルチゾーン対応のTOF測距センサを検出部として適用した変形例のロボットハンドの一例を示す図である。
図9】マルチゾーン対応のTOF測距センサを適用した検出部の検出結果の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本開示の技術を実現する実施形態の一例を詳細に説明する。なお、各図面において、同一又は等価な構成要素及び部品には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。また、本開示は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の目的の範囲内において適宜変更を加えて実施することができる。
【0015】
図1は、本実施形態に係るロボットハンド20を有するロボットアーム10の全体像を示す図である。
【0016】
ロボットアーム10は、図1に示すように、図示しない基礎に取り付けられたベース14と、アーム部材16と、アーム部材16同士又はアーム部材16とベース14とを繋ぐ関節18とを有する。また、接続されたアーム部材16の先端には、関節18を介してロボットハンド20が設けられている。
【0017】
このロボットアーム10は、ロボットハンド20が、ロボットハンド支持部21を備えており、ロボットハンド支持部21は、複数の取付部20S及び複数の指部材40を備え、取付部20Sと指部材40の取り付け部分はカバー60で覆われている。複数の指部材40は、把持対象物を把持する方向へ移動可能とされている。指部材40は、詳細には、湾曲することにより、把持対象物の方向へ移動する。これにより、ロボットアーム10は、図示しない把持対象物を、指部材40が湾曲することによって把持することが可能とされている。把持対象物を把持した状態で、ロボットアーム10は、各関節18を回動させることにより、把持対象物を搬送先へ移動させ、指部材40の湾曲した状態を解除することによって、把持対象物の搬送を行う。
【0018】
なお、複数の取付部20S及び複数の指部材40が設けられる個数及び位置は、把持対象物及びロボットアーム10の形状等によって適宜設定される。図1に示すように本実施形態では、一例として4つの指部材40が、それぞれ指部材取付構造12によってロボットハンド20に取り付けられている。
【0019】
本実施形態における指部材40は、湾曲する動作を行う流体圧アクチュエータ56である。流体圧アクチュエータ56は、いわゆるマッキベン型アクチュエータであり、流入口56Iから作動流体が導入されることにより図2の二点鎖線で示すように先端(図2における図面下側)が湾曲する部材である。作動流体としては、把持対象物及び、流体圧アクチュエータ56に応じて適宜決定されるが、一例として圧縮空気が用いられる。
【0020】
流体圧アクチュエータ56は、例えば、特開2021-88999号公報に記載の技術を適用し、アクチュエータ本体部50、封止機構46及び封止機構48を備える。
【0021】
アクチュエータ本体部50は、チューブ42とスリーブ44とによって構成され、流入口56Iを介して流体が流入する。
【0022】
また、チューブ42とスリーブ44との間には、拘束部材52が設けられる。拘束部材52は、軸方向DAXには圧縮せず、径方向DR(撓み方向)に沿ってのみ変形可能である。つまり、拘束部材52は、軸方向DAXに沿った圧縮に対して抵抗し、軸方向DAXに直交する直交方向(径方向DR)に変形可能である。換言すると、拘束部材52は、軸方向DAXに沿って変形し難く、径方向DRに沿って撓める特性を有している。なお、変形可能とは、湾曲、或いはカール可能と言い換えてもよい。
【0023】
アクチュエータ本体部50は、基本的な特性として、チューブ42内への流体の流入によって、アクチュエータ本体部50の軸方向DAXにおいて収縮し、径方向DRにおいて膨張する。また、アクチュエータ本体部50は、チューブ42から流体の流出によって、アクチュエータ本体部50の軸方向DAXにおいて膨張し、径方向DRにおいて収縮する。このようなアクチュエータ本体部50の形状変化によって、流体圧アクチュエータ56は、アクチュエータとしての機能を発揮する。
【0024】
封止機構46及び封止機構48は、軸方向DAXにおけるアクチュエータ本体部50の両端部を封止する。封止機構46と封止機構48との相違点は、流入口56Iが設けられているか否かと、形状であり、封止機構48は指形状とされている。
【0025】
流入口56Iは、流体圧アクチュエータ56の駆動圧力源、具体的には、気体や液体のコンプレッサと接続されたホースを取り付けられる。流入口56Iを介して流入した流体は、図示しない通過孔を通過してアクチュエータ本体部50の内部、具体的には、チューブ42の内部に流入する。
【0026】
すなわち、アクチュエータ本体部への流体の流入(加圧)によって、アクチュエータ本体部50が軸方向DAXに沿って収縮しようとすると、拘束部材52の部分は圧縮剛性が高いため、拘束部材52が配置された部分は収縮することができない。一方、その他のアクチュエータ本体部50の部分は収縮しようとするため、直交方向(径方向DR)に沿った曲げ方向の力が発生し、拘束部材52を背面として湾曲する。
【0027】
ところで、上述のように構成されたロボットハンド20では、把持対象物が正しく把持できているかを確認してから、次の動作に進む必要がある。
【0028】
そこで、図3に示すように、ロボットハンド20の手のひら部分に、測距センサ等の検出部62を配置して把持対象物までの距離を検出することにより、把持対象物を把持したか否かを検出することが考えられる。検出部62は、例えば、光を照射して反射光を検出することで距離を検出し、検出した距離が閾値以下の場合に信号がオンとなり把持状態と判定する。
【0029】
検出部62として光学式のセンサを適用した場合、ロボットハンド20を把持する動作をするときに、正しく把持された状態と、把持できない状態をセンサで切り分けることができない場合がある。特に、湾曲型のソフトハンドの指の場合は、把持対象物に指が沿うため、同じ位置にならない場合があり、把持状態を正しく判定できない場合がある。例えば、把持対象物を把持したか否かを判定する閾値によっては、図4左側に示すように、指部材40の先端を検出して信号がオンとなり把持状態と誤判定してしまったり、図4右側に示すように、把持対象物を把持しているのに、閾値以上の距離で把持している場合は信号がオフとなり把持していないと誤判定してしまったりしてしまう。
【0030】
そこで、本実施形態では、図5に示すように、指部材40が移動する軌道から外れた位置を検出する位置に検出部62を配置する。これにより、検出部62が指部材40を検出することがなくなるため、図5左側に示すように、信号がオフとなり指部材40を誤検出することなく、図5右側に示すように、把持対象物の把持を正しく判定することが可能となる。なお、図5では、単一の検出部62を配置した例を示すが、検出部62が1つに限るものではなく、複数でもよく、複数の場合も各指部材40が移動する軌道から外れた位置に各検出部62を配置すればよい。
【0031】
続いて、本実施形態に係るロボットアーム10の制御系の構成について説明する。図6は、本実施形態に係るロボットアーム10の制御系の構成を示すブロック図である。
【0032】
本実施形態に係るロボットアーム10は、図6に示すように、制御部70に検出部62、コンプレッサ72、及び駆動部74が接続されている。
【0033】
検出部62は、距離を検出する光学式のセンサが適用され、上述したように、指部材40が移動する軌道から外れた位置を検出する位置に配置されている。例えば、検出部62としては、TOF(Time-of-Flight)式の非接触距離計、三角測距式の非接触距離計を適用する。
【0034】
コンプレッサ72は、流体圧アクチュエータ56の流入口56Iを介してアクチュエータ本体部50のチューブ42内部に圧縮空気を流入し、ロボットハンド20による把持動作を行う。
【0035】
駆動部74は、ロボットアーム10の移動する駆動源であり、各関節18を回動させることにより、把持対象物を搬送先等へ移動する。
【0036】
制御部70は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及びI/O(入出力インターフェース)等がバスに接続されたコンピュータで構成されている。制御部70は、コンプレッサ72を駆動することにより、ロボットハンド20の流体圧アクチュエータ56を駆動し、把持動作を制御する。また、制御部70は、検出部62の検出結果を取得し、検出結果に基づいて把持対象物を把持したか否かを判定する。そして、把持対象物の把持状態が検出された場合に、駆動部74を駆動して、把持対象物を搬送先等へ移動する制御を行う。
【0037】
次に、上述のように構成された本実施形態に係るロボットアーム10の制御部70で行われる具体的な処理について説明する。図7は、本実施形態に係るロボットアーム10の制御部70で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図7の処理は、例えば、把持対象物の把持指示が行われ、コンプレッサ72が駆動されて圧縮空気が予め定めた圧力になった場合に開始する。
【0038】
ステップ100では、制御部70が、検出部62による距離検出を行ってステップ102へ移行する。すなわち、検出部62から光を照射して反射光を検出する。本実施形態では、検出部62が、指部材40が移動する軌道から外れた位置に配置されているため、把持対象物からの反射光を確実に検出できる。
【0039】
ステップ102では、制御部70が、検出部62の検出結果を取得してステップ104へ移行する。
【0040】
ステップ104では、制御部70が、検出距離が予め定めた閾値以下であるか否かを判定する。該判定が否定された場合にはステップ106へ移行し、肯定された場合にはステップ110へ移行する。
【0041】
ステップ106では、制御部70が、把持対象物の把持が失敗したと判定してステップ108へ移行する。
【0042】
ステップ108では、制御部70が、再把持動作を行って上述のステップ100に戻って上述の処理を繰り返す。再把持動作は、例えば、コンプレッサ72の圧力を開放して指部材の湾曲を解消して、ロボットアーム10を把持対象物の方向等へ移動して、コンプレッサ72を再駆動して、指部材を湾曲させて把持対象物を把持する動作を再度行う。
【0043】
一方、ステップ110では、制御部70が、把持対象物の把持が成功したと判定してステップ112へ移行する。
【0044】
ステップ112では、制御部70が、次の動作へ移行して一連の処理を終了する。例えば、駆動部74を駆動して、各関節18を回動させることにより、把持対象物を搬送先へ移動する。
【0045】
本実施形態に係るロボットハンド20では、把持対象物の把持状態の検出を行うための検出部62が、指部材40が移動する軌道から外れた位置を検出する位置に配置されているので、指部材40を把持対象物として誤検出することがなくなる。また、これにより、図5に示すように、ロボットハンド20の各指部材40が湾曲した状態、すなわち、把持対象物を把持せずにロボットハンド20の各指部材40が閉じて把持状態の場合の指部材の先端の位置よりも遠い位置に閾値を設定することができるので、把持対象物を把持したか否かを正しく判定することが可能となる。
【0046】
さらには、把持対象物の形状や、大きさに関わらず、把持対象物を把持したか否かを正しく判定することが可能となる。
【0047】
なお、上記の実施形態では、単一または複数の検出部62を用いる例を説明したが、複数の領域を検出するマルチゾーン対応のTOF測距センサを検出部62として適用してもよい。
【0048】
例えば、図8に示すように、ロボットハンド20の手のひら部分の中央位置に検出部62を配置し、複数の領域を検出する。例えば、8×8のマルチゾーン対応の測距センサを用いて8×8の領域を検出する。そして、指部材40が移動する軌道を外れた位置の領域(ゾーン)を検出対象として、把持状態を判定する。図8は、マルチゾーン対応のTOF測距センサを検出部62として適用した変形例のロボットハンド20の一例を示す図である。なお、図8では、3つの指部材40を備えたロボットハンド20の例を示す。また、図9は、マルチゾーン対応のTOF測距センサを適用した検出部62の検出結果の一例を示す図である。
【0049】
例えば、図9に示すように、ロボットハンド20が開及び閉の場合のそれぞれにおいて、検出しない3箇所の領域(図9の太枠線)を検出対象として設定する。
【0050】
これにより、図9に示すように、リンゴを把持した場合に、検出対象とした3箇所の領域により、リンゴを把持していることを検出することが可能となる。また、スプレーボトルについても、検出対象とした3箇所の領域のうち1つの領域で把持状態を検出できる。
【0051】
このように、複数の領域を検出する検出部62を適用することにより、様々な把持対象物の把持確認を1つの検出部62で対応することが可能となる。
【0052】
なお、上記の実施形態では、指部材40を流体圧アクチュエータ56で構成した例を説明したが、指部材40はこれに限るものではない。例えば、モータ等によって駆動される機械的な指部材40を適用してもよいし、他の構成の指部材40を適用してもよい。
【0053】
また、上記の実施形態では、単一の検出部62を用いる例を説明したが、複数の検出部62を用いる場合には、それぞれ指部材40が移動する軌跡から外れた位置を検出する位置に複数の検出部62を設けて、把持対象物に応じて使用する検出部62を切り替える形態としてもよい。また、マルチゾーン対応のTOF測距センサを用いる場合においても、検出対象とする領域を把持対象物に応じて切り替える形態としてもよい。
【0054】
また、本開示の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も本開示の技術的範囲に含まれる。
【0055】
また、上記実施形態では、制御部70で行われる処理は、フローチャートを用いた処理によるソフトウエア構成によって実現してもよいし、各処理をハードウェア構成により実現する形態としてもよい。
【符号の説明】
【0056】
10 ロボットアーム、20 ロボットハンド、40 指部材、56 流体圧アクチュエータ、62 検出部、70 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9