IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 主興金屬有限公司の特許一覧

<>
  • 特開-花卉固定クリップ 図1
  • 特開-花卉固定クリップ 図2
  • 特開-花卉固定クリップ 図3
  • 特開-花卉固定クリップ 図4
  • 特開-花卉固定クリップ 図5
  • 特開-花卉固定クリップ 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084507
(43)【公開日】2024-06-25
(54)【発明の名称】花卉固定クリップ
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/12 20060101AFI20240618BHJP
【FI】
A01G9/12 D
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022198817
(22)【出願日】2022-12-13
(71)【出願人】
【識別番号】517023851
【氏名又は名称】主興金屬有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110003214
【氏名又は名称】弁理士法人服部国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】王 冠權
【テーマコード(参考)】
2B023
【Fターム(参考)】
2B023AC03
2B023AH02
(57)【要約】
【課題】花卉固定クリップを提供する。
【解決手段】本発明の花卉固定クリップは、二つのクリップ10、20と、弾性部材と、を備える。二つのクリップ10、20は、それぞれに押圧部11、21、及び、押圧部11、21から延在する挟持爪部12、22が設置され、挟持爪部12、22の爪片13、23は互いに交差するように配置されている。弾性部材は、二つのクリップ10、20の間に設けられ、二つの挟持爪部12、22が閉じて挟むような形態を維持し、二つの押圧部11、21が互いに離れた状態を成し、弾性による押圧及び復位を可能にする。本発明の花卉固定クリップにかかる弾性部材は、二つのクリップ10、20の押圧部11、21と挟持爪部12、22の交差箇所で一体成形されたV字型弾性片30であり、V字型弾性片30は、二つの翼状片31、32の交差箇所に一つの円弧状凹部33が成形されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれに押圧部、及び、前記押圧部から延在する挟持爪部が設置され、前記挟持爪部の爪片は互いに交差するように配置されている二つのクリップと、
二つの前記クリップの間に設けられ、二つの前記挟持爪部が閉じて挟むような形態を維持し、二つの前記押圧部が互いに離れた状態を成し、弾性による押圧及び復位を可能にする弾性部材と、
を備える花卉固定クリップであって、
前記弾性部材は、二つの前記クリップの前記押圧部と前記挟持爪部の交差箇所で一体成形されたV字型弾性片であり、前記V字型弾性片は二つの翼状片の交差箇所に一つの円弧状凹部が成形されていることを特徴とする花卉固定クリップ。
【請求項2】
前記V字型弾性片の二つの前記翼状片は、所定の曲率で内側に湾曲して後ろに向けて延在していることを特徴とする請求項1に記載の花卉固定クリップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は花卉の固定クリップに関する。
【背景技術】
【0002】
一般の蘭花などの花卉は栽培において、その枝梗が比較的柔らかいために垂れ落ち易く、その生長態様及び塑形の需要を維持するため、通常それに合わせて花梗固定棒を使用することにより枝梗の態様の支持を補助する。当該花梗固定棒は曲げられる特性を持っているが、依然花卉固定クリップに合わせて枝梗と花梗の固定棒の連結関係を締めるように固定する必要があり、それにより初めて予期した支持と塑形の目的を達成することができる。
【0003】
前記花卉固定クリップ構造については、図1及び図2を参照されたい。それは主に二つのクリップ(1)(2)が設置されており、各当該クリップ(1)(2)にそれぞれ押圧部(3)(4)、及び押圧部(3)(4)から延在する挟持爪部(5)(6)が設けられている。また二つのクリップ(1)(2)の挟持爪部(5)(6)の爪片は互いに交差する形態を呈するように配置され、二つのクリップ(1)(2)の押圧部(3)(4)にはさらに耳軸が設けられ、それにより一つの金属弾性部材(7)が組み立てられており、それにより花卉固定クリップの基本の機能と枠組みが構成される。二つのクリップ(1)(2)間の金属弾性部材(7)を利用して二つの挟持爪部(5)(6)の閉鎖状態を維持することができる。二つの押圧部(3)(4)が遠く離れる形状を呈し、また弾性による押圧及び復位の機能が付与され、それにより当該二つの押圧部(3)(4)を押圧することができる。それにより二つの挟持爪部(5)(6)を、遠く離れるようにコントロールし、それにより花梗固定棒(8)と花卉の枝梗(9)を挟み、二者の関係を一定の位置にするように維持することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ただし、前記花卉固定クリップについて言えば、それは、金属弾性部材を利用して二つのクリップを開くこと、また、それを挟むことの維持と操作を行うため、それは、金属弾性部材に生じやすい弾性疲労の問題を生じる。さらに花卉固定クリップは花梗固定棒と花卉枝梗を締めることによる定位に使用される。花卉を栽培する時に水分を補給するように水やりが必要なので、従って金属弾性部材に腐食が生じることが避けられない現象が生じる。このようになると、さらにその金属弾性部材の弾性機能の減損が加速し、その固定の安定性と耐用性に大きく影響し、その上その廃棄後にそれを回収しようとする時に、また金属素材とプラスチック素材の分解、回収の問題を抱えることにより極めて面倒で不便なことが派生する。さらにこのような花卉固定クリップの金属弾性部材はクリップが射出成形された後、別途人工の方法で逐一取り付け及び組み立てをしなければならず、それは作業の効率を低下させ、時間がかかるだけでなく、また品質はコントロールしにくく、それによりその製造コスト全体が高くなる。このすべてのことなどにより、前記花卉固定クリップすべてが産業利用性に不利な原因となり、実に何とかして改善し解決する必要がある。
【0005】
従来の花卉固定クリップの金属弾性部材において存在し、また派生した問題と欠陥に鑑みて、発明者は特に研究開発を行いそれらの問題を改善しようとして、関連製品領域に従事していた長年の経験と技術を生かして、さらに本発明の花卉固定クリップを研究開発した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
従来の花卉固定クリップの金属弾性部材の問題と欠陥を解決するため、本発明は構造設計において下記の特徴を有する。
本発明の花卉固定クリップは、二つのクリップの押圧部と挟持爪部の交差箇所で一体成形されたV字型弾性片を備える。V字型弾性片は主に二つのクリップの押圧部間に一体成形され、V字型弾性片の二つの翼状片は所定の曲率で、内側に湾曲して後ろに向けて延在している。V字型弾性片は、二つの翼状片の交差部に一つの円弧形凹部が形成されている。それによりV字型弾性片により良い弾性と強度が付与され、V字型弾性片の形態及びV字型弾性片が二つの押圧部間にあることにより、花卉固定クリップの正常な機能、態様を維持することができる。
【0007】
本発明の花卉固定クリップは、一体成形のV字型弾性片により従来の金属弾性部材に取って代わる。それは構造がもっと簡単となり、生産製造コストが安くなり、また将来の廃棄品回収においてはもっと便利で、また環境保全に良く、確かに産業上の利用価値を持っている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】従来の花卉固定クリップの構造模式図である。
図2】従来の花卉固定クリップの実施状態における構造模式図である。
図3】本発明の花卉固定クリップの構造模式図である。
図4】本発明の花卉固定クリップの構造関係模式図である。
図5】本発明の花卉固定クリップの動作を示す模式図である。
図6】本発明の花卉固定クリップの実施状態における参考図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の構造組成、技術手段及び効果達成に関して、図式に合わせて再び例を上げて更に具体的に下記のように説明する。
【0010】
図3図6を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明する。図に示すように、本発明は花卉固定クリップに行なわれている構造の改良設計である。その花卉固定クリップは主に二つのクリップ(10)(20)と二者間の弾性部材(後続の説明を参照されたい)によって組成されている。各当該クリップ(10)(20)はそれぞれ押圧部(11)(21)が設けられており、また押圧部(11)(21)から延在して成形された挟持爪部(12)(22)は、二つのクリップ(10)(20)の挟持爪部(12)(22)の爪片(13)(23)が互いに交差する形態で配置されている。それにより二つのクリップ(10)(20)間の弾性部材は、二つの挟持爪部(12)(22)を閉じて挟むような形態で維持することができ、二つの押圧部(11)(21)は遠く離れた状態を呈し、またその弾性による押圧及び復位機能が付与される。その改良は下記のように示されている。
【0011】
本発明の花卉固定クリップは二つのクリップ(10)(20)間に弾性部材を備え、それは二つのクリップ(10)(20)の押圧部(11)(21)と挟持爪部(12)(22)の交差箇所に一体成形されたV字型弾性片(30)である。当該V字型弾性片(30)の二つの翼状片(31)(32)は所定の曲率で内側に湾曲して後ろに向けて延在する。また二者の交差箇所に一つの円弧状凹部(33)が成形され、それにより当該円弧状凹部(33)の構造形態と翼状片(31)(32)の内へ曲がる曲率とは一致する。それにより当該V字型弾性片(30)が好適な弾性裕度と構造強度を有するように付与される。また当該V字型弾性片(30)の形態及びそれが二つの押圧部(11)(21)間にある構造関係により、二つの押圧部(11)(21)が遠く離れる形を維持することができ、また相対的に二つの挟持爪部(12)(22)を挟むように閉鎖した状態を維持することができることとなる。それにより当該花卉固定クリップは正常な機能、態様を確保できると同時に、当該V字型弾性片(30)の弾圧性能により、花卉固定クリップの開く・挟むをコントロールするように押圧し、それにより花梗固定棒(40)と花卉枝梗(50)を固定するように挟む作業においても、より省力的で安定する。
【0012】
前記構造により組成された本発明の花卉固定クリップは、開く・挟むをコントロールするように二つのクリップを弾圧し、また、もとに戻すV字型弾性片が付与される。V字型弾性片は二つのクリップと一体成形され、構造がもっと簡単となるだけでなく、またその生産製造コストがもっと安くなる。それと同時にV字型弾性片と二つのクリップはいずれもプラスチック素材であるので、従って使用上、従来の金属弾性部材により派生した腐食問題が決して生じず、その機能の運営及び使用寿命を延長することができ、また将来の廃棄品回収においても煩雑な分解作業も必要がなくなる。それによりもっと便利でかつ環境保全に良く、全体的に言えば、確かに産業上の利用可能性と実用価値を持っている。
【0013】
以上説明したように、本発明の花卉固定クリップにおける構造設計において、二つのクリップの間にV字型弾性片が成形され、それが従来の金属弾性部材に取って代わり、それは単に構造がもっと簡単になるだけでなく、さらにコストを低下させることができる。さらに金属弾性部材に存在し、また派生可能な問題と欠陥がなくなり、全体的に言えば、確実に産業上の利用可能性と実用価値を有し、誠に優れている、突出した革新的な設計であり、ここで法により特許出願を提出する。
【符号の説明】
【0014】
(1)(2)クリップ (3)(4)押圧部
(5)(6)挟持爪部 (7)金属弾性部材
(8)花梗固定棒 (9)枝梗
(10)(20)クリップ (11)(21)押圧部
(12)(22)挟持爪部 (13)(23)爪片
(30)V字型弾性片 (31)(32)翼状片
(33)円弧状凹部 (40)花梗固定棒
(50)枝梗
図1
図2
図3
図4
図5
図6