(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084662
(43)【公開日】2024-06-25
(54)【発明の名称】軸受装置及び予圧管理方法
(51)【国際特許分類】
F16C 31/04 20060101AFI20240618BHJP
F16C 43/04 20060101ALI20240618BHJP
F16C 25/08 20060101ALI20240618BHJP
F16C 19/08 20060101ALI20240618BHJP
F16C 33/58 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
F16C31/04
F16C43/04
F16C25/08 Z
F16C19/08
F16C33/58
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022199021
(22)【出願日】2022-12-13
(71)【出願人】
【識別番号】000132725
【氏名又は名称】株式会社ソディック
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】辻 貴裕
【テーマコード(参考)】
3J012
3J104
3J117
3J701
【Fターム(参考)】
3J012AB02
3J012BB01
3J012BB02
3J012CB01
3J012FB10
3J012HB01
3J012HB02
3J104AA13
3J104AA23
3J104AA37
3J104AA63
3J104AA69
3J104AA74
3J104AA76
3J104DA01
3J104DA16
3J104DA18
3J117HA02
3J701AA02
3J701AA44
3J701AA52
3J701AA62
3J701BA56
3J701BA64
3J701FA46
3J701FA55
3J701FA60
3J701GA60
(57)【要約】
【課題】高剛性ハウジングを用いることなくベアリングに適正な予圧を与えることのできる軸受及び予圧管理方法を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様によれば、ベアリングを備えた軸受が提供される。この軸受は、ベアリングの軸方向の端部の一端に配設されるベアリングホルダと、端部の他端に配設され、ボルトによりベアリングホルダと接続されるベアリングキャップと、ベアリングホルダとベアリングキャップとの間に配設され、ベアリングを包含するベアリングカラーとを備える。ベアリングカラーは、ボルトを第1のトルクで締め付けた場合に変形せず、ボルトを第2のトルクで締め付けた場合に弾性変形する。第2のトルクは、第1のトルクよりも大きい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベアリングを備えた軸受であって、
ベアリングの軸方向の端部の一端に配設されるベアリングホルダと、
前記端部の他端に配設され、ボルトにより前記ベアリングホルダと接続されるベアリングキャップと、
前記ベアリングホルダと前記ベアリングキャップとの間に配設され、前記ベアリングを包含するベアリングカラーと
を備え、
前記ベアリングカラーは、前記ボルトを第1のトルクで締め付けた場合に変形せず、前記ボルトを第2のトルクで締め付けた場合に弾性変形し、
前記第2のトルクは、前記第1のトルクよりも大きい
軸受。
【請求項2】
前記第1のトルクは、工具を用いずに人手により締め付け可能なトルクであり、
前記第2のトルクは、工具を用いて締め付け可能な規定トルクである
請求項1に記載の軸受。
【請求項3】
前記第1のトルクは、前記ベアリングホルダと、前記ベアリングと、前記ベアリングキャップとを仮止めする、前記ベアリングへの予圧が略0となるトルクであり、
前記第2のトルクは、前記ボルトに応じた標準締め付けトルク以上最高締め付けトルク以下の範囲内の規定トルクである
請求項1に記載の軸受。
【請求項4】
前記ベアリングカラーの前記軸方向の長さは、前記ボルトを前記第1のトルクで締め付けた場合の前記ベアリングホルダと前記ベアリングキャップとの間隔と一致する
請求項1に記載の軸受。
【請求項5】
前記ベアリングキャップと前記ベアリングカラーとの間に配設されるシムを備え、
前記ベアリングカラーの前記軸方向の長さと、前記シムの前記軸方向の長さとの和は、前記ボルトを前記第1のトルクで締め付けた場合の前記ベアリングホルダと前記ベアリングキャップとの間隔と一致する
請求項1に記載の軸受。
【請求項6】
前記ベアリングカラーは、前記ボルトを前記第2のトルクで締め付けた場合の前記ベアリングホルダと前記ベアリングキャップとの間隔が前記ベアリングの適正予圧量に応じた長さとなる復元力を有する
請求項1に記載の軸受。
【請求項7】
前記ベアリングカラーの厚みは、前記ベアリングの適正予圧量に応じた厚さである
請求項6に記載の軸受。
【請求項8】
前記ベアリングカラーの材質は、前記ベアリングの適正予圧量に応じた材質である
請求項6に記載の軸受。
【請求項9】
ベアリングの予圧管理方法であって、
ベアリングの軸方向の端部の一端に配設されるベアリングホルダと、前記端部の他端に配設され、ボルトにより前記ベアリングホルダと接続されるベアリングキャップとの間に、前記ベアリングを包含するベアリングカラーを配設するステップと、
前記ボルトを第2のトルクで締め付けるステップと
を備え、
前記ベアリングカラーは、前記ボルトを第1のトルクで締め付けた場合に変形せず、前記ボルトを前記第2のトルクで締め付けた場合に弾性変形し、
前記第2のトルクは、前記第1のトルクよりも大きい
予圧管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸受及び予圧管理方法に関し、特に射出軸等の高負荷環境下でのベアリング予圧においてベアリング周辺部品を小型化し、組み立てが容易となる軸受及び予圧管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
射出成形機の射出軸等には、軸受が用いられている。例えば、特許文献1には、ボールねじ軸を支持する軸受けが記載されており、取付板に保持された軸受けに対して、ベアリングナットとボルト止めされた第1のベアリング押えで軸受けに予圧を付与している。この取付板は、ハウジングと称されることもあり、予圧による変形を受けにくい十分な剛性を持つものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、射出軸等の高負荷環境下では、必要となるベアリングのサイズが大きく、また、必要となるベアリングの数も多くなる。この場合、ハウジングの大きさも大きくなり、ハウジングが高剛性のものであれば、その大きさの差もより顕著となり、コストアップや重さによる作業効率の低下につながることとなる。
【0005】
本発明では上記事情を鑑み、高剛性ハウジングを用いることなくベアリングに適正な予圧を与えることのできる軸受及び予圧管理方法を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、ベアリングを備えた軸受が提供される。この軸受は、ベアリングの軸方向の端部の一端に配設されるベアリングホルダと、端部の他端に配設され、ボルトによりベアリングホルダと接続されるベアリングキャップと、ベアリングホルダとベアリングキャップとの間に配設され、ベアリングを包含するベアリングカラーとを備える。ベアリングカラーは、ボルトを第1のトルクで締め付けた場合に変形せず、ボルトを第2のトルクで締め付けた場合に弾性変形する。第2のトルクは、第1のトルクよりも大きい。
【0007】
本発明の一態様によれば、高剛性ハウジングを用いることなくベアリングに適正な予圧を与えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】ボルト5を第1のトルクで締め付けた場合の軸受1の断面の概略を示した図である。
【
図2】ボルト5を第2のトルクで締め付けた場合の軸受1の断面の概略を示した図である。
【
図3】ベアリングカラー6を配設せずにボルト5を第2のトルクで締め付けた場合の軸受1の断面の概略を示した図である。
【
図4】ボルト5を第1のトルクで締め付けた場合の軸受1の断面の概略を示した図である。
【
図5】ベアリングキャップ4とベアリングカラー6の間隙を埋める部材を採用した例を示した図である。
【
図6】軸受1の組み立ての流れを示すアクティビティ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本開示の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
1.軸受1の概要
図1は、軸受1の断面の概略を示した図である。同図に示すように、軸受1は、複数のベアリング2を備え、ベアリングホルダ3と、ベアリングキャップ4と、ボルト5と、ベアリングカラー6とを備える。
【0011】
軸受1は、射出成形機のボールねじ軸等を支持するもので、ベアリング2の内輪で、ボールねじ軸等を覆うような態様で、当該ボールねじ軸等を支持する。ベアリング2は、アキシャルベアリングである。ベアリングホルダ3は、ベアリング2の端部の一端に配設される。ベアリングホルダ3が配設されるベアリング2の端部は、軸受1で支持するボールねじ軸等の軸方向の端部である。ベアリングキャップ4は、ベアリング2の端部の他端に配設され、ボルト5によりベアリングホルダ3と接続される。ベアリングホルダ3とベアリングキャップ4とが、ボルト5により接続されることで、ベアリング2は、その位置が固定される。
【0012】
ベアリングカラー6は、中空の円筒形であり、かつ、その上面と下面とが開放された形状であり、ベアリングホルダ3とベアリングキャップ4との間に配設され、円筒形の中空部分にベアリング2を包含する。なお、ベアリングカラー6の内径は、ベアリング2の外輪の直径以上であればよく、ベアリングカラー6とベアリング2は接していてもよく、接していなくてもよい。また、ベアリングカラー6は、ボルト5を第1のトルクで締め付けた場合に変形せず、ボルトを第2のトルクで締め付けた場合に弾性変形する。第1のトルクは、ボルト5を、工具を用いずに人手により締め付け可能なトルクでベアリングホルダ3、ベアリング2、ベアリングキャップ4を仮止めするトルクであり同時にベアリング2への予圧が略0である。第2のトルクは、ボルト5を、工具を用いて締め付け可能な、望ましくはボルト径等に応じた標準締め付けトルクであり、規定トルクである。したがって、第2のトルクは、第1のトルクよりも大きいこととなる。なお、
図1は、ボルト5を第1のトルクで締め付けた場合を示している。また、規定トルクは、標準締め付けトルク以上、かつ最高締め付けトルク以下の範囲内の所定のトルクとしても良い。最高締め付けトルクはボルトの降伏点よりも小さく、メーカー等がボルトの最大の締め付けトルクを規定している場合はその値である。
【0013】
2.ベアリング2へ与える予圧
図2は、ボルト5を第2のトルクで締め付けた場合の軸受1の断面の概略を示した図である。また、
図3は、ベアリングカラー6を配設せずにボルト5を第2のトルクで締め付けた場合の軸受1の断面の概略を示した図である。ボルト5を第1のトルクで締め付けた場合は、
図1に示すように、ベアリングホルダ3とベアリングキャップ4の間隔は、d1となる。これに対して、ボルト5を第2のトルクで締め付けた場合は、
図2に示すように、ベアリングホルダ3とベアリングキャップ4の間隔は、d2となる。
【0014】
ベアリングホルダ3とベアリングキャップ4の間隔がd2となった場合、ベアリング2には、ベアリングホルダ3とベアリングキャップ4に挟まれることによる力がかかり、この力がベアリング2に対する予圧となる。なお、ベアリングホルダ3とベアリングキャップ4の間隔がd1の場合には、ベアリング2に予圧が与えられておらず、ベアリングホルダ3とベアリングキャップ4の間隔がd1よりも短いd2となった場合に、意図した適切な予圧がベアリング2に与えられることになる。なお、ベアリングカラー6を配設せずにボルト5を第2のトルクで締め付けた場合は、
図3に示すように、ベアリングホルダ3とベアリングキャップ4の間隔は、d3となる。このd3は、d2よりも短く、ベアリングホルダ3とベアリングキャップ4の間隔がd3となった場合に、ベアリング2に与えられる予圧は、過剰なものとなる。したがって、ベアリングカラー6は、ボルト5を第2のトルクで締め付けた場合のベアリングホルダ3とベアリングキャップ4との間隔がベアリングの適正予圧量に応じた長さd2となる復元力を有することが望ましい。
【0015】
3.ベアリングカラー6
前述したように、ベアリングカラー6は、所定の復元力を有することが望ましい。このため、ベアリングカラー6の厚みを、ベアリング2の適正予圧量に応じた厚さとするか、ベアリングカラー6の材質を、ベアリング2の適正予圧量に応じた材質とするか、ベアリングカラー6の厚みと材質の組み合わせをベアリング2の適正予圧量に応じたものとする。なお、同一素材のベアリングカラー6の厚みを、7.9mm、5.0mm、4.9mmとして、それぞれの場合のd2を測定したところ、表1に示すように、それぞれ、異なる値となることが確認された。
【0016】
【0017】
また、ベアリングカラー6の軸方向の長さは、好ましくは、ボルト5を第1のトルクで締め付けた場合のベアリングホルダ3とベアリングキャップ4との間隔d1と一致するようにするとよい。
【0018】
また、ベアリングカラー6の軸方向の長さがボルト5を第1のトルクで締め付けた場合のベアリングホルダ3とベアリングキャップ4との間隔d1より短い場合でも、ボルト5を第1のトルクで締め付けた場合のベアリングホルダ3とベアリングカラー6の間隙、又は、ベアリングキャップ4とベアリングカラー6の間隙を埋める部材を用いることで、ベアリングカラー6に所定の復元力を持たせることができる。
【0019】
図4は、ボルト5を第1のトルクで締め付けた場合の軸受1の断面の概略を示した図である。同図に示す例では、ベアリングカラー6の軸方向の長さがd1よりも短く、ベアリングキャップ4とベアリングカラー6の間に、間隙gが生じている。
図5は、ベアリングキャップ4とベアリングカラー6の間隙を埋める部材を採用した例を示した図である。同図に示す軸受1は、ベアリングキャップ4とベアリングカラー6との間に配設されるシム7を備える。この
図5に示した例では、ベアリングカラー6の軸方向の長さと、シム7の軸方向の長さとの和は、ボルト5を第1のトルクで締め付けた場合のベアリングホルダ3とベアリングキャップ4との間隔d1と一致する。シム7は、円環状の部材である。
【0020】
4.軸受1の組み立て
次に、軸受1の組み立ての流れについて説明する。
図6は、軸受1の組み立ての流れを示すアクティビティ図である。軸受1を組み立てる際には、まず、ベアリング2、ベアリングホルダ3、ベアリングキャップ4、ボルト5、ベアリングカラー6を仮組みし(A101)、ボルト5を第1のトルクで締め付ける(A102)。
【0021】
続いて、ベアリングキャップ4とベアリングカラー6の間隙の長さを測定する(A103)。この測定は、例えば、すきまゲージ(feeler guage)を用いて行う。そして、間隙の長さが0でない、つまり、間隙が存在した場合には、ベアリングキャップ4を外し(A104)、測定した間隙の長さに応じたシム7を挿入し(A105)、ベアリングキャップ4を装着する(A106)。そして、ボルト5を第2のトルクで締め付けて(A107)、軸受1の組み立てを終了する。
【0022】
一方、ベアリングキャップ4とベアリングカラー6の間隙の長さが0、つまり、間隙が存在しなかった場合には、ボルト5を第2のトルクで締め付けて(A107)、軸受1の組み立てを終了する。
【0023】
なお、軸受1の組み立ては、断続的に行うことができ、例えば、A103までを工場等で行い、間隙長に応じたシムを用意しておくことで、それ以降の処理を、軸受1の組み立て現場で行うようにすることもできる。この場合には、軸受1の組み立ての現場では、測定等を行う必要はなく、手順にしたがって組み立てのみを行えばよいことになる。
【0024】
5.その他
以上のように、軸受に用いられるアキシャルベアリングの予圧管理方法は、ベアリングの軸方向の端部の一端に配設されるベアリングホルダと、端部の他端に配設され、ボルトによりベアリングホルダと接続されるベアリングキャップとの間に、ベアリングを包含するベアリングカラーを配設するステップと、ボルトを第2のトルクで締め付けるステップとを備える。このベアリングカラーは、ボルトを第1のトルクで締め付けた場合に変形せず、ボルトを第2のトルクで締め付けた場合に弾性変形し、第2のトルクは、第1のトルクよりも大きい。
【0025】
本発明は、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0026】
(1)ベアリングを備えた軸受であって、ベアリングの軸方向の端部の一端に配設されるベアリングホルダと、前記端部の他端に配設され、ボルトにより前記ベアリングホルダと接続されるベアリングキャップと、前記ベアリングホルダと前記ベアリングキャップとの間に配設され、前記ベアリングを包含するベアリングカラーとを備え、前記ベアリングカラーは、前記ボルトを第1のトルクで締め付けた場合に変形せず、前記ボルトを第2のトルクで締め付けた場合に弾性変形し、前記第2のトルクは、前記第1のトルクよりも大きい軸受。
【0027】
(2)前記第1のトルクは、工具を用いずに人手により締め付け可能なトルクであり、前記第2のトルクは、工具を用いて締め付け可能な規定トルクである上記(1)に記載の軸受。
【0028】
(3)前記第1のトルクは、前記ベアリングホルダと、前記ベアリングと、前記ベアリングキャップとを仮止めする、前記ベアリングへの予圧が略0となるトルクであり、前記第2のトルクは、前記ボルトに応じた標準締め付けトルク以上最高締め付けトルク以下の範囲内の規定トルクである上記(1)に記載の軸受。
【0029】
(4)前記ベアリングカラーの前記軸方向の長さは、前記ボルトを前記第1のトルクで締め付けた場合の前記ベアリングホルダと前記ベアリングキャップとの間隔と一致する上記(1)に記載の軸受。
【0030】
(5)前記ベアリングキャップと前記ベアリングカラーとの間に配設されるシムを備え、前記ベアリングカラーの前記軸方向の長さと、前記シムの前記軸方向の長さとの和は、前記ボルトを前記第1のトルクで締め付けた場合の前記ベアリングホルダと前記ベアリングキャップとの間隔と一致する上記(1)に記載の軸受。
【0031】
(6)前記ベアリングカラーは、前記ボルトを前記第2のトルクで締め付けた場合の前記ベアリングホルダと前記ベアリングキャップとの間隔が前記ベアリングの適正予圧量に応じた長さとなる復元力を有する上記(1)乃至(5)のいずれか1つに記載の軸受。
【0032】
(7)前記ベアリングカラーの厚みは、前記ベアリングの適正予圧量に応じた厚さである上記(6)に記載の軸受。
【0033】
(8)前記ベアリングカラーの材質は、前記ベアリングの適正予圧量に応じた材質である上記(6)に記載の軸受。
【0034】
(9)ベアリングの予圧管理方法であって、ベアリングの軸方向の端部の一端に配設されるベアリングホルダと、前記端部の他端に配設され、ボルトにより前記ベアリングホルダと接続されるベアリングキャップとの間に、前記ベアリングを包含するベアリングカラーを配設するステップと、前記ボルトを第2のトルクで締め付けるステップとを備え、前記ベアリングカラーは、前記ボルトを第1のトルクで締め付けた場合に変形せず、前記ボルトを前記第2のトルクで締め付けた場合に弾性変形し、前記第2のトルクは、前記第1のトルクよりも大きい予圧管理方法。
もちろん、この限りではない。
【0035】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0036】
1 :軸受
2 :ベアリング
3 :ベアリングホルダ
4 :ベアリングキャップ
5 :ボルト
6 :ベアリングカラー
7 :シム
g :間隙
【手続補正書】
【提出日】2024-04-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベアリングを備えた軸受装置であって、
ベアリングの軸方向の端部の一端に配設されるベアリングホルダと、
前記端部の他端に配設され、ボルトにより前記ベアリングホルダと接続されるベアリングキャップと、
前記ベアリングホルダと前記ベアリングキャップとの間に配設され、前記ベアリングを覆うベアリングカラーと
を備え、
前記ベアリングカラーは、前記ボルトを第1のトルクで締め付けた場合に変形せず、前記ボルトを第2のトルクで締め付けた場合に弾性変形し、
前記第2のトルクは、前記第1のトルクよりも大きい
軸受装置。
【請求項2】
前記第2のトルクは、工具を用いて締め付け可能な規定トルクである
請求項1に記載の軸受装置。
【請求項3】
前記第1のトルクは、前記ベアリングホルダと、前記ベアリングと、前記ベアリングキャップとを仮止めする、前記ベアリングへの予圧が略0となるトルクであり、
前記第2のトルクは、前記ボルトに応じた標準締め付けトルク以上最高締め付けトルク以下の範囲内の規定トルクである
請求項1に記載の軸受装置。
【請求項4】
前記ベアリングカラーの前記軸方向の長さは、前記ボルトを前記第1のトルクで締め付けた場合の前記ベアリングホルダと前記ベアリングキャップとの間隔と一致する
請求項1に記載の軸受装置。
【請求項5】
前記ベアリングキャップと前記ベアリングカラーとの間に配設されるシムを備え、
前記ベアリングカラーの前記軸方向の長さと、前記シムの前記軸方向の長さとの和は、前記ボルトを前記第1のトルクで締め付けた場合の前記ベアリングホルダと前記ベアリングキャップとの間隔と一致する
請求項1に記載の軸受装置。
【請求項6】
前記ベアリングカラーは、前記ボルトを前記第2のトルクで締め付けた場合の前記ベアリングホルダと前記ベアリングキャップとの間隔が前記ベアリングの適正予圧量に応じた長さとなる復元力を有する
請求項1に記載の軸受装置。
【請求項7】
前記ベアリングカラーの厚みは、前記ベアリングの適正予圧量に応じた厚さである
請求項6に記載の軸受装置。
【請求項8】
前記ベアリングカラーの材質は、前記ベアリングの適正予圧量に応じた材質である
請求項6に記載の軸受装置。
【請求項9】
ベアリングの予圧管理方法であって、
ベアリングの軸方向の端部の一端に配設されるベアリングホルダと、前記端部の他端に配設され、ボルトにより前記ベアリングホルダと接続されるベアリングキャップとの間に、前記ベアリングを覆うベアリングカラーを配設するステップと、
前記ボルトを第2のトルクで締め付けるステップと
を備え、
前記ベアリングカラーは、前記ボルトを第1のトルクで締め付けた場合に変形せず、前記ボルトを前記第2のトルクで締め付けた場合に弾性変形し、
前記第2のトルクは、前記第1のトルクよりも大きい
予圧管理方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸受装置及び予圧管理方法に関し、特に射出軸等の高負荷環境下でのベアリング予圧においてベアリング周辺部品を小型化し、組み立てが容易となる軸受装置及び予圧管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
射出成形機の射出軸等には、軸受が用いられている。例えば、特許文献1には、ボールねじ軸を支持する軸受けが記載されており、取付板に保持された軸受けに対して、ベアリングナットとボルト止めされた第1のベアリング押えで軸受けに予圧を付与している。この取付板は、ハウジングと称されることもあり、予圧による変形を受けにくい十分な剛性を持つものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、射出軸等の高負荷環境下では、必要となるベアリングのサイズが大きく、また、必要となるベアリングの数も多くなる。この場合、ハウジングの大きさも大きくなり、ハウジングが高剛性のものであれば、その大きさの差もより顕著となり、コストアップや重さによる作業効率の低下につながることとなる。
【0005】
本発明では上記事情を鑑み、高剛性ハウジングを用いることなくベアリングに適正な予圧を与えることのできる軸受装置及び予圧管理方法を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、ベアリングを備えた軸受装置が提供される。この軸受装置は、ベアリングの軸方向の端部の一端に配設されるベアリングホルダと、端部の他端に配設され、ボルトによりベアリングホルダと接続されるベアリングキャップと、ベアリングホルダとベアリングキャップとの間に配設され、ベアリングを覆うベアリングカラーとを備える。ベアリングカラーは、ボルトを第1のトルクで締め付けた場合に変形せず、ボルトを第2のトルクで締め付けた場合に弾性変形する。第2のトルクは、第1のトルクよりも大きい。
【0007】
本発明の一態様によれば、高剛性ハウジングを用いることなくベアリングに適正な予圧を与えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】ボルト5を第1のトルクで締め付けた場合の軸受
装置1の断面の概略を示した図である。
【
図2】ボルト5を第2のトルクで締め付けた場合の軸受
装置1の断面の概略を示した図である。
【
図3】ベアリングカラー6を配設せずにボルト5を第2のトルクで締め付けた場合の軸受
装置1の断面の概略を示した図である。
【
図4】ボルト5を第1のトルクで締め付けた場合の軸受
装置1の断面の概略を示した図である。
【
図5】ベアリングキャップ4とベアリングカラー6の間隙を埋める部材を採用した例を示した図である。
【
図6】軸受
装置1の組み立ての流れを示すアクティビティ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本開示の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
1.軸受
装置1の概要
図1は、軸受
装置1の断面の概略を示した図である。同図に示すように、軸受
装置1は、複数のベアリング2を備え、ベアリングホルダ3と、ベアリングキャップ4と、ボルト5と、ベアリングカラー6とを備える。
【0011】
軸受装置1は、射出成形機のボールねじ軸等を支持するもので、ベアリング2の内輪で、ボールねじ軸等を覆うような態様で、当該ボールねじ軸等を支持する。ベアリング2は、アキシャルベアリングである。ベアリングホルダ3は、ベアリング2の端部の一端に配設される。ベアリングホルダ3が配設されるベアリング2の端部は、軸受装置1で支持するボールねじ軸等の軸方向の端部である。ベアリングキャップ4は、ベアリング2の端部の他端に配設され、ボルト5によりベアリングホルダ3と接続される。ベアリングホルダ3とベアリングキャップ4とが、ボルト5により接続されることで、ベアリング2は、その位置が固定される。
【0012】
ベアリングカラー6は、中空の円筒形であり、かつ、その上面と下面とが開放された形状であり、ベアリングホルダ3とベアリングキャップ4との間に配設され、円筒形の中空部分にベアリング2を
収容して覆う。なお、ベアリングカラー6の内径は、ベアリング2の外輪の直径以上であればよく、ベアリングカラー6とベアリング2は接していてもよく、接していなくてもよい。また、ベアリングカラー6は、ボルト5を第1のトルクで締め付けた場合に変形せず、ボルトを第2のトルクで締め付けた場合に弾性変形する。第1のトルクは、ボルト5を、工具を用いずに人手により締め付け可能なトルクでベアリングホルダ3、ベアリング2、ベアリングキャップ4を仮止めするトルクであり同時にベアリング2への予圧が略0である。第2のトルクは、ボルト5を、工具を用いて締め付け可能な、望ましくはボルト径等に応じた標準締め付けトルクであり、規定トルクである。したがって、第2のトルクは、第1のトルクよりも大きいこととなる。なお、
図1は、ボルト5を第1のトルクで締め付けた場合を示している。また、規定トルクは、標準締め付けトルク以上、かつ最高締め付けトルク以下の範囲内の所定のトルクとしても良い。最高締め付けトルクはボルトの降伏点よりも小さく、メーカー等がボルトの最大の締め付けトルクを規定している場合はその値である。
【0013】
2.ベアリング2へ与える予圧
図2は、ボルト5を第2のトルクで締め付けた場合の軸受
装置1の断面の概略を示した図である。また、
図3は、ベアリングカラー6を配設せずにボルト5を第2のトルクで締め付けた場合の軸受
装置1の断面の概略を示した図である。ボルト5を第1のトルクで締め付けた場合は、
図1に示すように、ベアリングホルダ3とベアリングキャップ4の間隔は、d1となる。これに対して、ボルト5を第2のトルクで締め付けた場合は、
図2に示すように、ベアリングホルダ3とベアリングキャップ4の間隔は、d2となる。
【0014】
ベアリングホルダ3とベアリングキャップ4の間隔がd2となった場合、ベアリング2には、ベアリングホルダ3とベアリングキャップ4に挟まれることによる力がかかり、この力がベアリング2に対する予圧となる。なお、ベアリングホルダ3とベアリングキャップ4の間隔がd1の場合には、ベアリング2に予圧が与えられておらず、ベアリングホルダ3とベアリングキャップ4の間隔がd1よりも短いd2となった場合に、意図した適切な予圧がベアリング2に与えられることになる。なお、ベアリングカラー6を配設せずにボルト5を第2のトルクで締め付けた場合は、
図3に示すように、ベアリングホルダ3とベアリングキャップ4の間隔は、d3となる。このd3は、d2よりも短く、ベアリングホルダ3とベアリングキャップ4の間隔がd3となった場合に、ベアリング2に与えられる予圧は、過剰なものとなる。したがって、ベアリングカラー6は、ボルト5を第2のトルクで締め付けた場合のベアリングホルダ3とベアリングキャップ4との間隔がベアリングの適正予圧量に応じた長さd2となる復元力を有することが望ましい。
【0015】
3.ベアリングカラー6
前述したように、ベアリングカラー6は、所定の復元力を有することが望ましい。このため、ベアリングカラー6の厚みを、ベアリング2の適正予圧量に応じた厚さとするか、ベアリングカラー6の材質を、ベアリング2の適正予圧量に応じた材質とするか、ベアリングカラー6の厚みと材質の組み合わせをベアリング2の適正予圧量に応じたものとする。なお、同一素材のベアリングカラー6の厚みを、7.9mm、5.0mm、4.9mmとして、それぞれの場合のd2を測定したところ、表1に示すように、それぞれ、異なる値となることが確認された。
【0016】
【0017】
また、ベアリングカラー6の軸方向の長さは、好ましくは、ボルト5を第1のトルクで締め付けた場合のベアリングホルダ3とベアリングキャップ4との間隔d1と一致するようにするとよい。
【0018】
また、ベアリングカラー6の軸方向の長さがボルト5を第1のトルクで締め付けた場合のベアリングホルダ3とベアリングキャップ4との間隔d1より短い場合でも、ボルト5を第1のトルクで締め付けた場合のベアリングホルダ3とベアリングカラー6の間隙、又は、ベアリングキャップ4とベアリングカラー6の間隙を埋める部材を用いることで、ベアリングカラー6に所定の復元力を持たせることができる。
【0019】
図4は、ボルト5を第1のトルクで締め付けた場合の軸受
装置1の断面の概略を示した図である。同図に示す例では、ベアリングカラー6の軸方向の長さがd1よりも短く、ベアリングキャップ4とベアリングカラー6の間に、間隙gが生じている。
図5は、ベアリングキャップ4とベアリングカラー6の間隙を埋める部材を採用した例を示した図である。同図に示す軸受
装置1は、ベアリングキャップ4とベアリングカラー6との間に配設されるシム7を備える。この
図5に示した例では、ベアリングカラー6の軸方向の長さと、シム7の軸方向の長さとの和は、ボルト5を第1のトルクで締め付けた場合のベアリングホルダ3とベアリングキャップ4との間隔d1と一致する。シム7は、円環状の部材である。
【0020】
4.軸受
装置1の組み立て
次に、軸受
装置1の組み立ての流れについて説明する。
図6は、軸受
装置1の組み立ての流れを示すアクティビティ図である。軸受
装置1を組み立てる際には、まず、ベアリング2、ベアリングホルダ3、ベアリングキャップ4、ボルト5、ベアリングカラー6を仮組みし(A101)、ボルト5を第1のトルクで締め付ける(A102)。
【0021】
続いて、ベアリングキャップ4とベアリングカラー6の間隙の長さを測定する(A103)。この測定は、例えば、すきまゲージ(feeler guage)を用いて行う。そして、間隙の長さが0でない、つまり、間隙が存在した場合には、ベアリングキャップ4を外し(A104)、測定した間隙の長さに応じたシム7を挿入し(A105)、ベアリングキャップ4を装着する(A106)。そして、ボルト5を第2のトルクで締め付けて(A107)、軸受装置1の組み立てを終了する。
【0022】
一方、ベアリングキャップ4とベアリングカラー6の間隙の長さが0、つまり、間隙が存在しなかった場合には、ボルト5を第2のトルクで締め付けて(A107)、軸受装置1の組み立てを終了する。
【0023】
なお、軸受装置1の組み立ては、断続的に行うことができ、例えば、A103までを工場等で行い、間隙長に応じたシムを用意しておくことで、それ以降の処理を、軸受装置1の組み立て現場で行うようにすることもできる。この場合には、軸受装置1の組み立ての現場では、測定等を行う必要はなく、手順にしたがって組み立てのみを行えばよいことになる。
【0024】
5.その他
以上のように、軸受装置に用いられるアキシャルベアリングの予圧管理方法は、ベアリングの軸方向の端部の一端に配設されるベアリングホルダと、端部の他端に配設され、ボルトによりベアリングホルダと接続されるベアリングキャップとの間に、ベアリングを覆うベアリングカラーを配設するステップと、ボルトを第2のトルクで締め付けるステップとを備える。このベアリングカラーは、ボルトを第1のトルクで締め付けた場合に変形せず、ボルトを第2のトルクで締め付けた場合に弾性変形し、第2のトルクは、第1のトルクよりも大きい。
【0025】
本発明は、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0026】
(1)ベアリングを備えた軸受装置であって、ベアリングの軸方向の端部の一端に配設されるベアリングホルダと、前記端部の他端に配設され、ボルトにより前記ベアリングホルダと接続されるベアリングキャップと、前記ベアリングホルダと前記ベアリングキャップとの間に配設され、前記ベアリングを覆うベアリングカラーとを備え、前記ベアリングカラーは、前記ボルトを第1のトルクで締め付けた場合に変形せず、前記ボルトを第2のトルクで締め付けた場合に弾性変形し、前記第2のトルクは、前記第1のトルクよりも大きい軸受装置。
【0027】
(2)前記第1のトルクは、工具を用いずに人手により締め付け可能なトルクであり、前記第2のトルクは、工具を用いて締め付け可能な規定トルクである上記(1)に記載の軸受装置。
【0028】
(3)前記第1のトルクは、前記ベアリングホルダと、前記ベアリングと、前記ベアリングキャップとを仮止めする、前記ベアリングへの予圧が略0となるトルクであり、前記第2のトルクは、前記ボルトに応じた標準締め付けトルク以上最高締め付けトルク以下の範囲内の規定トルクである上記(1)に記載の軸受装置。
【0029】
(4)前記ベアリングカラーの前記軸方向の長さは、前記ボルトを前記第1のトルクで締め付けた場合の前記ベアリングホルダと前記ベアリングキャップとの間隔と一致する上記(1)に記載の軸受装置。
【0030】
(5)前記ベアリングキャップと前記ベアリングカラーとの間に配設されるシムを備え、前記ベアリングカラーの前記軸方向の長さと、前記シムの前記軸方向の長さとの和は、前記ボルトを前記第1のトルクで締め付けた場合の前記ベアリングホルダと前記ベアリングキャップとの間隔と一致する上記(1)に記載の軸受装置。
【0031】
(6)前記ベアリングカラーは、前記ボルトを前記第2のトルクで締め付けた場合の前記ベアリングホルダと前記ベアリングキャップとの間隔が前記ベアリングの適正予圧量に応じた長さとなる復元力を有する上記(1)乃至(5)のいずれか1つに記載の軸受装置。
【0032】
(7)前記ベアリングカラーの厚みは、前記ベアリングの適正予圧量に応じた厚さである上記(6)に記載の軸受装置。
【0033】
(8)前記ベアリングカラーの材質は、前記ベアリングの適正予圧量に応じた材質である上記(6)に記載の軸受装置。
【0034】
(9)ベアリングの予圧管理方法であって、ベアリングの軸方向の端部の一端に配設されるベアリングホルダと、前記端部の他端に配設され、ボルトにより前記ベアリングホルダと接続されるベアリングキャップとの間に、前記ベアリングを覆うベアリングカラーを配設するステップと、前記ボルトを第2のトルクで締め付けるステップとを備え、前記ベアリングカラーは、前記ボルトを第1のトルクで締め付けた場合に変形せず、前記ボルトを前記第2のトルクで締め付けた場合に弾性変形し、前記第2のトルクは、前記第1のトルクよりも大きい予圧管理方法。
もちろん、この限りではない。
【0035】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0036】
1 :軸受装置
2 :ベアリング
3 :ベアリングホルダ
4 :ベアリングキャップ
5 :ボルト
6 :ベアリングカラー
7 :シム
g :間隙