(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084678
(43)【公開日】2024-06-25
(54)【発明の名称】スライドレール組立体
(51)【国際特許分類】
A47B 88/53 20170101AFI20240618BHJP
【FI】
A47B88/53
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023125267
(22)【出願日】2023-08-01
(31)【優先権主張番号】111148130
(32)【優先日】2022-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】504297766
【氏名又は名称】川湖科技股▲分▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】513240939
【氏名又は名称】川益科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】陳 庚金
(72)【発明者】
【氏名】楊 順和
(72)【発明者】
【氏名】游 凱文
(72)【発明者】
【氏名】王 俊強
【テーマコード(参考)】
3B160
【Fターム(参考)】
3B160AB47
3B160EA13
3B160EA14
3B160EB61
3B160EB82
(57)【要約】 (修正有)
【課題】所定位置で他のスライドレールに対してロックされるように構成されたスライドレールを有するスライドレール組立体を提供する。
【解決手段】スライドレール組立体20は、第1レール22と、第2レール24と、ロック部材と、駆動部材と、操作部材26とを備えている。第2レールは、第1レールに対して相対的に移動可能である。ロック部材は、第2レールを所定位置で第1レールに対してロックするように構成されている。駆動部材は、第2レールに対して相対的に移動可能である。操作部材が初期位置から非初期位置へ移動された場合に、操作部材は、駆動部材を駆動して移動させ、ロック部材をさらに駆動して移動させ、第2レールを所定位置で第1レールに対して相対的にロック解除するように構成されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1レールと、
前記第1レールに対して相対的に移動可能である第2レールと、
前記第2レールを所定位置で前記第1レールに対してロックするように構成されているロック部材と、
前記第2レールに対して相対的に移動可能である駆動部材と、
操作部材とを備え、
前記操作部材を初期位置から非初期位置へ移動させるために、力が前記操作部材に加えられた場合に、前記操作部材は、前記駆動部材を駆動して直線的に移動させ、前記ロック部材をさらに駆動して移動させ、前記第2レールを前記所定位置で前記第1レールに対して相対的にロック解除するように構成されている、スライドレール組立体。
【請求項2】
前記駆動部材の直線移動方向は、前記第1レールに対する前記第2レールの移動方向と実質的に同一である、請求項1記載のスライドレール組立体。
【請求項3】
さらに、前記第2レールに接続された接続部材を備え、前記接続部材は、前記操作部材を収容するように構成された空間が形成され、
前記操作部材が前記初期位置にある場合に、前記操作部材の操作部は、前記接続部材の前記空間から外へ広がり、前記操作部材が前記非初期位置にある場合に、前記操作部材の前記操作部は、前記接続部材の前記空間の中に位置する、請求項1記載のスライドレール組立体。
【請求項4】
前記接続部材の前記空間はさらに、前記駆動部材と前記ロック部材とを収容するように構成されている、請求項3記載のスライドレール組立体。
【請求項5】
前記操作部材の移動方向は、前記駆動部材の前記直線移動方向に対して実質的に垂直である、請求項2記載のスライドレール組立体。
【請求項6】
さらに、第1弾性部材と、第2弾性部材と、第3弾性部材とを備え、前記第2レールが前記所定位置で前記第1レールに対してロックされた場合に、前記操作部材は、前記第1弾性部材の弾性力に応じて前記初期位置に保持されるように構成され、
前記駆動部材は、前記第2弾性部材の弾性力に応じて第1駆動位置に保持されるように構成され、
前記操作部材を前記初期位置から前記非初期位置へ移動させるために、力が前記操作部材に加えられた場合に、前記操作部材は、前記駆動部材を駆動して前記第1駆動位置から第2駆動位置に直線的に移動させて、前記ロック部材をさらに駆動してロック状態からロック解除状態に切り替え、前記第2レールを前記所定位置で前記第1レールに対して相対的にロック解除するように構成され、前記第3弾性部材は、前記ロック部材に弾性力を与えるように構成されている、請求項3記載のスライドレール組立体。
【請求項7】
第1レールと、
前記第1レールに対して長手方向に移動可能である第2レールと、
前記第2レールに接続されている接続部材と、
前記第2レールを後退位置で前記第1レールに対してロックするように構成されているロック部材と、
操作部材とを備え、
前記接続部材は、前記操作部材を収容するように構成された空間が形成され、
前記操作部材が初期位置から非初期位置へ移動された場合に、前記操作部材は、前記ロック部材を駆動して横方向に移動させて、ロック状態からロック解除状態に切り替え、前記第2レールを前記後退位置で前記第1レールに対して相対的にロック解除するように構成されている、スライドレール組立体。
【請求項8】
さらに、前記第2レールに対して相対的に移動可能である駆動部材を備え、
前記操作部材は、前記駆動部材の直線移動により、前記ロック部材を駆動して横方向に移動させて、前記ロック状態から前記ロック解除状態に切り替えるように構成され、
前記駆動部材の直線移動方向は、前記第1レールに対する前記第2レールの移動方向と実質的に同一であり、前記操作部材、前記駆動部材及び前記ロック部材の移動方向は、互いに実質的に垂直である、請求項7記載のスライドレール組立体。
【請求項9】
前記操作部材が前記初期位置にある場合に、前記操作部材の操作部は、前記接続部材の前記空間から外へ広がり、前記操作部材が前記非初期位置にある場合に、前記操作部材の前記操作部は、前記接続部材の前記空間の中に位置し、
前記接続部材の前記空間はさらに、前記駆動部材と前記ロック部材とを収容するように構成されている、請求項8記載のスライドレール組立体。
【請求項10】
さらに、第1弾性部材と、第2弾性部材と、第3弾性部材とを備え、前記操作部材は、前記第1弾性部材の弾性力に応じて前記初期位置に保持されるように構成され、
前記駆動部材は、前記第2弾性部材の弾性力に応じて第1駆動位置に保持されるように構成され、
前記操作部材を前記初期位置から前記非初期位置へ移動させるために、力が前記操作部材に加えられた場合に、前記操作部材は、前記駆動部材を駆動して前記第1駆動位置から第2駆動位置に直線的に移動させて、前記ロック部材をさらに駆動して前記ロック状態から前記ロック解除状態に切り替え、前記第2レールを所定位置で前記第1レールに対して相対的にロック解除するように構成され、前記第3弾性部材は、前記ロック部材に弾性力を与えるように構成されている、請求項9記載のスライドレール組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライドレール組立体に関し、またさらに詳細には、所定位置で他のスライドレールに対してロックされるように構成されたスライドレールを有するスライドレール組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許US10,342,341B2号は、相互に対して移動可能な第1レールと第2レールとを少なくとも備えているスライドレール組立体を開示する。第2レールが第1レールに対して後退位置にある場合に、ロック部材は、第2レールを後退位置にロックするために、第1レールのブロッキング構造に突き当たるように構成されている。
【0003】
米国特許US10,098,459B2号は、相互に対して移動可能な第1レールと第2レールとを少なくとも備えているスライドレール組立体を開示する。第2レールが第1レールに対して後退位置にある場合に、係合部材は、第2レールを後退位置にロックするために、第1レールのブラケット上のストップに係合するように構成されている。
【0004】
米国特許公開US2022/0160127A1号は、少なくとも2本のレールを備えているスライドレール組立体を開示する。その一方のレールが他方のレールに対して後退位置にある場合に、ロック部材は、2本のレールを後退位置でロックするために、第1レールのブロッキング部分に係合するように構成されている。
【発明の概要】
【0005】
前述の場合のスライドレール組立体のレールは、ロック部材(又は係合部材)により後退位置でロックされるように構成されている。ロック部材(又は係合部材)は、回転によって作動するように構成されている。しかし、異なる市場の要求に対しては、ユーザのためにさまざまな製品を開発することが重要である。
【0006】
本発明は、所定位置で他のスライドレールに対してロックされるように構成されたスライドレールを有するスライドレール組立体を提供する。
【0007】
本発明の実施形態によれば、スライドレール組立体は、第1レールと;第1レールに対して相対的に移動可能である第2レールと;第2レールを所定位置で第1レールに対してロックするように構成されているロック部材と;第2レールに対して相対的に移動可能である駆動部材と;操作部材とを備え;操作部材を初期位置から非初期位置へ移動させるために、力が操作部材に加えられた場合に、操作部材は、駆動部材を駆動して直線的に移動させ、ロック部材をさらに駆動して移動させ、第2レールを所定位置で第1レールに対して相対的にロック解除するように構成されている。
【0008】
本発明の他の実施形態によれば、スライドレール組立体は、第1レールと;第1レールに対して長手方向に移動可能である第2レールと;第2レールに接続されている接続部材と;第2レールを後退位置で第1レールに対してロックするように構成されているロック部材と;操作部材とを備え;接続部材は、操作部材を収容するように構成された空間が形成され;操作部材が初期位置から非初期位置へ移動された場合に、操作部材は、ロック部材を駆動して横方向に移動させて、ロック状態からロック解除状態に切り替え、第2レールを後退位置で第1レールに対して相対的にロック解除するように構成されている。
【0009】
本発明のこれらの目的及び他の目的は、さまざまな図及び図面に示される好ましい実施形態に関する以下の詳細な説明を読んだ後に、当業者に疑いなく明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態によるスライドレール組立体を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態によるスライドレール組立体の分解斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態に係り、カバー本体を備えているスライドレール組立体の部分図である。
【
図4】本発明の実施形態に係り、カバー本体を取り外した状態のスライドレール組立体を第1の視野角で示す部分図である。
【
図5】本発明の実施形態による第2の視野角でのスライドレール組立体の部分図である。
【
図6】本発明の実施形態に係り、カバー本体を取り外した状態のスライドレール組立体を示す部分図である。
【
図7】本発明の実施形態による第2の視野角でのスライドレール組立体の部分図である。
【
図8】本発明の実施形態に係り、伸長状態にあるスライドレール組立体を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1及び
図2に示すように、本発明の実施形態に係り、スライドレール組立体20は、第1レール22と、第2レール24と、操作部材26とを備えている。好ましくは、スライドレール組立体20はさらに、接続部材28を備えている。
【0012】
第2レール24は、第1レール22に対して長手方向に移動可能であり、所定位置R(後退位置などであるが、本発明はこれに限定されない)にある。なお、本実施形態で、X軸は長手方向(又はスライドレールの長さ方向)であり、Y軸は横方向(又はスライドレールの側方方向)であり、Z軸は縦方向(又はスライドレールの高さ方向)である。
【0013】
好ましくは、スライドレール組立体20はさらに、第3レール30と第4レール31とを備え、第3レール30と第4レール31とは、第1レール22と第2レール24との間に移動可能に取り付けられている。第3レール30と第4レール31とは、第1レール22に対する第2レール24の移動距離を延長するように構成されている。
【0014】
好ましくは、第1レール22は、前部分22aを有する。第4レール31は、後部分31bを有する。第1レール22は、少なくとも1つのブロッキング特徴部32を含む。本実施形態で、第1レール22は、
図2に示すように、2つのブロッキング特徴部32からなるが、1つのブロッキング特徴部32としても正常に作動するために十分である。さらに、ブロッキング特徴部32は、第1レール22の前部分22aに隣接して配置されている。本実施形態で、ブロッキング特徴部32は開口Hの内壁であるが、本発明はこれに限定されない。又は他の実施形態では、ブロッキング特徴部32は、凹部又は溝の内壁であってよく、又はブロッキング特徴部32は、突出部であってよい。本発明はこれに限定されない。
【0015】
接続部材28は、第2レール24に接続、例えば、固定的に接続されている。接続部材28は、第2レール24の一部として見ることができる。第2レール24は、前部分24aと後部分24bとを有する。本実施形態で、接続部材28は、第2レール24の前部分24aに隣接して配置されている。
【0016】
図3及び
図4に示すように、接続部材28は、カバー本体34(
図3に示す)を含む。カバー本体34を取り外した後、スライドレール組立体20がさらに、少なくとも1つのロック部材36と駆動部材38とを備えていることが分かる(
図4に示す)。本実施形態で、スライドレール組立体20は、
図4に示すように、2つのロック部材36を備えているが、1つのロック部材36としても正常に作動するために十分である。ロック部材36は、ブロッキング特徴部32と相互作用するように構成されている。
【0017】
図4及び
図5に示すように、接続部材28には、操作部材26と、ロック部材36と、駆動部材38とを収容するように構成された空間Sが形成されている。
【0018】
好ましくは、接続部材28には、ロック部材36に対応する貫通孔40が形成され、貫通孔40は、空間Sと連通する。第2レール24が第1レール22に対して所定位置Rにある場合に、貫通孔40は、第1レール22の開口Hに対応し、ロック部材36は、貫通孔40を介して第1レール22の開口Hの中に延びることが可能である(
図5に示す)。第2レール24が第1レール22に対して所定位置Rにある場合に、ロック部材36は、第2レール24を第1レール22に対して所定位置Rでロックするように構成されている。またさらに詳細には、ロック状態J1にあるロック部材36のロック区間41は、第2レール24をロックするために第1レール22のブロッキング特徴部32と相互作用するように構成されている(
図5に示す)。例えば、ロック部材36のロック区間41と第1レール22のブロッキング特徴部32とは、第2レール24を所定位置Rで第1レール22に対してロックするために、互いにブロッキングするように構成されている。
【0019】
好ましくは、スライドレール組立体20はさらに、(
図5に示す)第1弾性部材42を備え、操作部材26は、第1弾性部材42の弾性力に応じて初期位置K1に保持されるように構成されている。なお、本実施形態で、第1弾性部材42はねじりバネであるが、本発明はこれに限定されない。さらに、第1弾性部材42は、第1弾性部44aと、第2弾性部44bと、第1弾性部44aと第2弾性部44bとの間に接続された取り付け部46とを含む。取り付け部46は、接続部材28の対応する特徴部48(突出部などであるが、本発明はこれに限定されない)に取り付けられる。第1弾性部44aは、(
図5に示す)第1レール22の所定部分49に突き当たるように構成され、第2弾性部44bは、操作部材26に適宜弾性力を与えるように構成され、これにより、操作部材26は初期位置K1に保持されることが可能である。
【0020】
好ましくは、スライドレール組立体20はさらに、(
図4に示す)第2弾性部材50を備え、駆動部材38は、第2弾性部材50の弾性力に応じて第1駆動位置M1に保持されるように構成されている。本実施形態で、第2弾性部材50は圧縮バネであるが、本発明はこれに限定されない。
【0021】
好ましくは、スライドレール組立体20はさらに、ロック部材36に弾性力を与えるように構成された第3弾性部材52を備え(
図4に示す)、ロック部材36は、第3弾性部材52の弾性力に応じてロック状態J1に保持されるように構成されている(
図4及び
図5に示す)。なお、本実施形態で、第3弾性部材52は、具体的な材料(金属材料など)からなるワイヤ状バネであるが、本発明はこれに限定されない。
【0022】
好ましくは、ロック部材36は、第1翼部54aと、第2翼部54bと、第1翼部54aと第2翼部54bとの間に接続された本体部分56とを含む(
図4に示す)。本体部分56は、接続部材28の貫通孔40に対応する。第1翼部54aと第2翼部54bとは、本体部分56に対して所定の角度で折り曲げられている。ロック部材36が第3弾性部材52の弾性力によってロック状態J1に保持された場合に、第1翼部54aと第2翼部54bとは、貫通孔40を囲む外縁壁にそれぞれ突き当たるように構成されている(
図4に示す)。
【0023】
好ましくは、ロック部材36の本体部分56は、互いに反対側の第1サイド及び第2サイドを有する。第3弾性部材52は、ロック部材36の本体部分56の第1サイドに弾性力を加えるように構成されている(
図4に示す)。第2レール24が第1レール22に対して所定位置Rにある場合に、ロック部材36の本体部分56の第2サイドは、第1レール22の開口Hに対応する(
図5に示す)。また、ロック部材36の本体部分56は、ロック区間41(
図5に示す)を含む。
【0024】
図4ないし
図7に示すように、ユーザが操作部材26に力Fを加えて操作部材26を初期位置K1(
図4及び
図5に示す)から非初期位置K2(
図6及び
図7に示す)へ移動させた場合に、操作部材26は、駆動部材38を駆動して直線的に移動させ、ロック部材36をさらに駆動して移動させ、第2レール24を所定位置Rで第1レール22に対して相対的にロック解除するように構成され、これにより、第2レール24は、第1レール22に対して所定位置Rから第1方向D1に相対的に離れるように移動が可能である。
【0025】
さらに、操作部材26を初期位置K1から非初期位置K2へ移動させるために、力Fが操作部材26に加えられた場合に、操作部材26は、駆動部材38を駆動して、第1駆動位置M1(
図4に示す)から第2駆動位置M2(
図6に示す)へ第2レール24に対して相対移動(直線移動など)するように構成されている。このように、駆動部材38は、ロック部材36を駆動してロック状態J1(
図4及び
図5に示す)からロック解除状態J2(
図6及び
図7に示す)に切り替えるように構成されている。このように、ロック部材36のロック区間41と第1レール22のブロッキング特徴部32とは、第2レール24を所定位置Rで第1レール22に対して相対的にロック解除するために、互いにブロッキングしなくなる(
図7に示す)。
【0026】
好ましくは、操作部材26と駆動部材38とのうちの一方は、第1構造58を有し、操作部材26と駆動部材38とのうちの他方は、第2構造60を有する(
図4に示す)。第1構造58と第2構造60とは、2つの傾斜面の組み合わせ、又は傾斜面と曲面との組み合わせ、又は曲面と傾斜面との組み合わせであってよいが、本発明はこれに限定されない。
【0027】
好ましくは、駆動部材38とロック部材36とのうちの一方は、第1所定特徴部62を有し、駆動部材38とロック部材36とのうちの他方は、第2所定特徴部64を有する(
図4に示す)。第1所定特徴部62と第2所定特徴部64とは、2つの傾斜面の組み合わせ、又は傾斜面と曲面との組み合わせ、又は曲面と傾斜面との組み合わせであってよいが、本発明はこれに限定されない。
【0028】
操作部材26を初期位置K1(
図4及び
図5に示す)から非初期位置K2(
図6及び
図7に示す)へ移動させるために、力Fが操作部材26に加えられた場合に、操作部材26は、駆動部材38を駆動して、第1構造58と第2構造60との間の接触により、第1駆動位置M1(
図4に示す)から第2駆動位置M2(
図6に示す)へ第1所定方向A1に直線的に移動するように構成されている。また、駆動部材38は、ロック部材36をさらに駆動して第2所定方向A2(
図4に示す)に横移動(横変位又はシフトなど)させて、第1所定特徴部62と第2所定特徴部64との間の接触により、ロック部材36をロック状態J1(
図4及び
図5に示す)からロック解除状態J2(
図6及び
図7に示す)に切り替えるように構成されている。このように、ロック部材36の本体部分56のロック区間41と第1レール22のブロッキング特徴部32とは、第2レール24を所定位置Rで第1レール22に対して相対的にロック解除するために、互いにブロッキングしなくなり(
図7に示すように、ロック部材36のロック区間41と第1レール22のブロッキング特徴部32とが整合しなくなり)、これにより、第2レール24は、長手方向に、第1レール22に対して所定位置Rから第1方向D1に相対移動が可能である。
【0029】
好ましくは、駆動部材38の直線移動方向は、第1レール22に対する第2レール24の移動方向と実質的に同一である。例えば、駆動部材38の直線移動方向と第2レール24の移動方向とは、長手方向と同一である。
【0030】
好ましくは、第1弾性部材42の弾性力に応じて操作部材26が初期位置K1にある場合に、操作部材26の操作部26aは接続部材28の空間Sから外へ広がる(extended out of)(
図4に示す)。従って、ユーザは、第2レール24が所定位置Rでロックされていることを知ることができる。換言すれば、第2レール24を所定位置Rでロック解除するために、操作部材26の操作部26aに力Fを加える必要があることを知ることができる。
【0031】
好ましくは、操作部材26が非初期位置K2にある場合に、操作部材26の操作部26aは、接続部材28の空間Sの中に位置する(
図6に示す)。従って、ユーザは、第2レール24が所定位置Rでロック解除されたことを知ることができる。
【0032】
好ましくは、操作部材26の移動方向は、(
図4に示す)駆動部材38の直線移動方向に対して実質的に垂直である。例えば、操作部材26の移動方向は縦方向(又はスライドレールの高さ方向)であり、駆動部材38の直線移動方向は長手方向(又はスライドレールの長さ方向)である。
【0033】
好ましくは、操作部材26の移動方向と、駆動部材38の移動方向と、ロック部材36の移動方向とは、互いに実質的に垂直である(
図4に示す)。例えば、操作部材26の移動方向は、縦方向(又はスライドレールの高さ方向)であり、駆動部材38の直線移動方向は、長手方向(又はスライドレールの長さ方向)であり、ロック部材36の移動方向は、横方向(又はスライドレールの側方方向)である。
【0034】
好ましくは、接続部材28と駆動部材38とのうちの一方は、第1制限特徴部66を含み、接続部材28と駆動部材38とのうちの他方は、第2制限特徴部68を含む(
図4に示す)。駆動部材38は、第1制限特徴部66と第2制限特徴部68との相互作用によって、限定された範囲内で接続部材28に対して相対移動するように構成されている。本実施形態で、第1制限特徴部66と第2制限特徴部68とのうちの一方は、突出した柱部であり、第1制限特徴部66と第2制限特徴部68とのうちの他方は、長孔(又はスロット)である。突出した柱部は、長孔(又はスロット)の一部を貫通する。
【0035】
好ましくは、接続部材28は、第1ガイド特徴部70aと第2ガイド特徴部70bとのような少なくとも1つのガイド特徴部をさらに含み、駆動部材38の一部は、第1ガイド特徴部70aと第2ガイド特徴部70bとの間に支持されるように構成され(
図4に示す)、直線経路(又は長手経路)に沿って移動する際の駆動部材38の安定性を向上させる。なお、本実施形態で、第1ガイド特徴部70aと第2ガイド特徴部70bとは突起であるが、本発明はこれに限定されない。
【0036】
図7及び
図8に示すように、(
図7に示す)ロック部材36が第1レール22のブロッキング特徴部32から係合解除された場合に、第2レール24は、第2レール24が他の所定位置E(
図8に示すような伸長位置など)にあることができるように、長手方向に、第1レール22に対して所定位置Rから第1方向D1に離れるように移動することができる。
【0037】
さらに、第2レール24が所定位置Eにあり、ユーザが操作部材26に力Fを加えるのを中止した場合に、第1弾性部材42の第1弾性部44aは第1レール22の所定部分49に突き当たらなくなり、これにより、第1弾性部材42の第2弾性部44bは、操作部材26に弾性力を与えなくなるため、操作部材26は非初期位置K2に留まる。さらに、第2レール24を、長手方向に、所定位置Eから第1方向D1と反対の第2方向D2に移動させて所定位置Rに復帰させると、第1弾性部材42の第1弾性部44aが第1レール22の所定部分49に再び突き当たり、これにより、第1弾性部材42の第2弾性部44bは、操作部材26に再び弾性力を与えるように構成され、操作部材26を駆動して非初期位置K2から初期位置K1に復帰させる(
図5に示す)。
【0038】
従って、本発明の実施形態によるスライドレール組立体20は、以下の技術的特徴を有する。
【0039】
1.背景技術のロック部材(又は係合部材)が、回転によって、第2レールのロックを解除するのとは異なり、本発明のロック部材36は、回転なしで、第2レール24を所定位置でロック解除するように構成されている。このように、背景技術とは対照的に、本発明のロック部材36は、一層大きな移動範囲、特に、一層大きな横移動の移動範囲を有し、そのため、本発明は、異なる厚み(例えば、横方向の厚み)を有するスライドレール組立体に適用するのに一層良好である。
【0040】
2.ロック部材36は回転によって作動するように構成されていないので、ロック部材36の耐衝撃構造強度は、回転によって第2レールを第1レールに対してロックする背景技術のものよりも優れている。
【0041】
3.第2レール24が第1レール22に対して所定位置Rにあり、かつ、操作部材26が第1弾性部材42の弾性力に応じて初期位置K1にある場合に、操作部材26の操作部26aが接続部材28の空間Sから外へ広がる(
図4に示す)。従って、ユーザは、第2レール24が所定位置Rでロックされたことを知ることができる。
【0042】
本発明の教示を保持しつつ、装置及び方法の多数の修正及び変更がなされてよいことは、当業者であれば容易に理解することである。従って、上記の開示は、添付の請求項の範囲によってのみ限定されると解釈されるものとする。