(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084681
(43)【公開日】2024-06-25
(54)【発明の名称】バスバーアセンブリおよびセルモジュール
(51)【国際特許分類】
H01M 50/507 20210101AFI20240618BHJP
H01M 50/503 20210101ALI20240618BHJP
H01M 50/522 20210101ALI20240618BHJP
H01M 50/526 20210101ALI20240618BHJP
H01M 50/557 20210101ALN20240618BHJP
【FI】
H01M50/507
H01M50/503
H01M50/522
H01M50/526
H01M50/557
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023131722
(22)【出願日】2023-08-12
(31)【優先権主張番号】202223357004.4
(32)【優先日】2022-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】507357232
【氏名又は名称】株式会社AESCジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100204490
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 葉子
(72)【発明者】
【氏名】白 玉龍
(72)【発明者】
【氏名】何 亞飛
(72)【発明者】
【氏名】宋 之奇
【テーマコード(参考)】
5H043
【Fターム(参考)】
5H043AA19
5H043CA08
5H043CA21
5H043DA02
5H043FA04
5H043JA03F
5H043JA06F
5H043JA09F
5H043LA23F
(57)【要約】 (修正有)
【課題】タブと導電部材の間の電気的接続の信頼性を向上させることのできるバスバーアセンブリおよびセルモジュールを提供する。
【解決手段】バスバーアセンブリは、バスバーブラケット、導電部材、およびタブ導出スリット310を含む。バスバーブラケットは、互いに反対側を向いた第1側および第2側を有する。導電部材は、バスバーブラケット上に配置される。タブ導出スリットは、第1側から第2側に延伸し、バスバーブラケットを通過する。タブ導出スリットは、対向する2つの導出壁301、302を有し、導出壁のうちの少なくとも1つは、導電部材上に形成される。本発明において、タブ導出スリットの少なくとも1つの導出壁が導電部材上に形成されるため、タブを対応する導出スリットに挿入したとき、タブが容易に導出壁に接触する。そのため、タブが導電部材と完全に接触し、両者間の接続の信頼性が向上する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに反対側を向いた第1側および第2側を有するバスバーブラケットと、
前記バスバーブラケット上に配置された導電部材と、
前記第1側から前記第2側に延伸し、前記バスバーブラケットを通過するタブ導出スリットと、
を含み、前記タブ導出スリットが、対向する2つの導出壁を有し、前記導出壁の少なくとも1つが、前記導電部材上に形成されたバスバーアセンブリ。
【請求項2】
前記タブ導出スリットの前記2つの導出壁が、第1導出壁および第2導出壁を含み、前記第1導出壁が、前記導電部材上に形成され、前記第2導出壁が、前記バスバーブラケット上に形成された請求項1に記載のバスバーアセンブリ。
【請求項3】
前記バスバーブラケットが、スロットを備え、前記スロットが、互いに対向する第1側壁および第2側壁を含み、前記導電部材が、前記スロットを通過して、前記第1側壁または前記第2側壁に取り付けられ、前記第1導出壁が、前記導電部材の前記第2側壁または前記第1側壁に面する表面上に形成され、前記第2導出壁が、前記スロットの前記第2側壁または前記第1側壁上に形成された請求項2に記載のバスバーアセンブリ。
【請求項4】
前記バスバーブラケットが、並んで配置された複数のスロットを備え、前記導電部材が、第1導電部材を含み、前記第1導電部材が、前記スロットのうちの少なくとも1つに配置され、前記第1導電部材が、前記スロットのうちの1つのみを貫通する請求項3に記載のバスバーアセンブリ。
【請求項5】
前記第1導電部材を備えた前記スロットが、前記バスバーブラケット上の最も外側のスロットである請求項4に記載のバスバーアセンブリ。
【請求項6】
前記第1導電部材が、主体部および第1湾曲部を含み、前記主体部が、前記スロットを通過し、前記第1湾曲部が、前記主体部に接続されて、前記バスバーブラケットの前記第1側に配置され、前記スロットから離れる方向に前記主体部に対して曲げられた請求項5に記載のバスバーアセンブリ。
【請求項7】
前記バスバーブラケットが、並んで配置された前記スロットのうちの少なくとも2つを備え、前記導電部材が、第2導電部材を含み、前記第2導電部材が、前記2つの隣接するスロットに延伸し、前記タブ導出スリットのうちの2つが、前記単片の第2導電部材と前記バスバーブラケットの間に形成された請求項3に記載のバスバーアセンブリ。
【請求項8】
前記2つの隣接するスロットの間に位置決め部が提供され、前記第2導電部材が、前記位置決め部に固定された取り付け部を有し、前記位置決め部および前記取り付け部が、前記第1側から前記第2側の方向に向かって順番に配置され、前記第2導電部材が、前記バスバーブラケットの前記第1側に配置され、前記取り付け部に対して曲げられた第2湾曲部および第3湾曲部を有し、前記第2湾曲部が、前記スロットのうちの1つを貫通し、前記第3湾曲部が、他方の隣接するスロットを貫通し、各湾曲部が、前記取り付け部と90°未満の角度を形成する請求項7に記載のバスバーアセンブリ。
【請求項9】
前記第2導出壁が、ガイド部に接続され、前記ガイド部が、前記バスバーブラケットの前記第1側に位置し、前記ガイド部と前記対応する湾曲部の間にガイド溝が形成され、前記ガイド溝の溝幅が、前記第1側から前記第2側の方向に向かって徐々に減少する請求項6に記載のバスバーアセンブリ。
【請求項10】
前記導電部材が、さらに、前記対応する湾曲部に接続されたフランジ部を含み、前記フランジ部が、前記第1側から前記第2側に向かって折り曲げられ、前記フランジ部と前記対応する湾曲部の間に円弧遷移が提供された請求項9に記載のバスバーアセンブリ。
【請求項11】
前記導電部材が、銅バー、アルミニウムバー、またはアルミニウム-銅複合バーである請求項1に記載のバスバーアセンブリ。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の前記バスバーアセンブリを有するバスバーアセンブリと、
前記タブ導出スリットに挿入されたタブを有し、前記タブ導出スリットごとに少なくとも一つのタブが挿入され、前記タブが前記導電部材に接続されたセルと、
を含むセルモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーの技術分野に関するものであり、特に、バスバーアセンブリおよびセルモジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
セルモジュールは、複数のセルと統合され、各セルの電極は、バスバーアセンブリを介して一括して接続される。
【0003】
現在、電極を組み立てるときは、電極のタブをバスバーブラケットに挿入した後、溶接などの手段によってタブをバスバーブラケット上の導電部材に接続する必要がある。しかしながら、先行技術では、タブをバスバーブラケットに挿入した後、タブを導電部材に完全に接触させるのが困難であることが多いため、その結果、溶接効果が下がり、タブと導電部材の間の電気的接続の信頼性が下がる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した先行技術の欠点を考慮して、本発明は、タブと導電部材の間の電気的接続の信頼性を向上させることのできるバスバーアセンブリおよびセルモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記を達成するために、本発明は、以下の技術方案を提供する。
【0006】
本発明は、バスバーブラケット、導電部材、およびタブ導出スリットを含むバスバーアセンブリを提供する。
【0007】
バスバーブラケットは、互いに反対側を向いた第1側および第2側を有する。
【0008】
導電部材は、バスバーブラケット上に配置される。
【0009】
タブ導出スリットは、第1側から第2側に延伸し、バスバーブラケットを通過する。タブ導出スリットは、対向する2つの導出壁を有し、導出壁の少なくとも1つは、導電部材上に形成される。
【0010】
選択的に、タブ導出スリットの2つの導出壁は、第1導出壁および第2導出壁を含む。第1導出壁は、導電部材上に形成され、第2導出壁は、バスバーブラケット上に形成される。
【0011】
選択的に、バスバーブラケットは、スロットを備え、スロットは、互いに対向する第1側壁および第2側壁を含む。導電部材は、スロットを通過し、第1側壁または第2側壁に取り付けられる。第1導出壁は、第2側壁または第1側壁に面する導電部材の表面に形成される。第2導出壁は、スロットの第2側壁または第1側壁に形成される。
【0012】
選択的に、バスバーブラケットは、並んで配置された複数のスロットを備える。導電部材は、第1導電部材を含み、第1導電部材は、スロットのうちの少なくとも1つの中に配置され、第1導電部材は、スロットのうちの1つのみを貫通する。
【0013】
選択的に、第1導電部材を備えたスロットは、バスバーブラケット上の最も外側のスロットである。
【0014】
選択的に、第1導電部材は、主体部および第1湾曲部を含む。主体部は、スロットを通過する。第1湾曲部は、主体部に接続されて、バスバーブラケットの第1側に配置され、スロットから離れる方向に主体部に対して曲げられる。
【0015】
選択的に、バスバーブラケットは、並んで配置されたスロットのうちの少なくとも2つを備える。導電部材は、第2導電部材を含み、第2導電部材は、2つの隣接するスロットに延伸する。タブ導出スリットのうちの2つは、第2導電部材とバスバーブラケットの間に形成される。
【0016】
選択的に、2つの隣接するスロットの間に位置決め部が提供される。第2導電部材は、位置決め部に固定された取り付け部を有する。位置決め部および取り付け部は、第1側から第2側の方向に向かって順に配置される。第2導電部材は、バスバーブラケットの第1側に配置され、取り付け部に対して曲げられた第2湾曲部および第3湾曲部を有する。第2湾曲部は、スロットのうちの1つを貫通し、第3湾曲部は、他の隣接するスロットを貫通する。各湾曲部は、取り付け部と90°未満の角度を形成する。
【0017】
選択的に、第2導出壁は、ガイド部に接続され、ガイド部は、バスバーブラケットの第1側に位置する。ガイド部と対応する湾曲部の間には、ガイド溝が形成され、ガイド溝の溝幅は、第1側から第2側の方向に向かって徐々に減少する。
【0018】
選択的に、導電部材は、さらに、対応する湾曲部に接続されたフランジ部を含む。フランジ部は、第1側から第2側に折り曲げられ、フランジ部と対応する湾曲部の間に円弧遷移が提供される。
【0019】
選択的に、導電部材は、銅バー、アルミニウムバー、またはアルミニウム-銅複合バーである。
【0020】
これに対応して、本発明は、さらに、バスバーアセンブリおよびセルを含むセルモジュールを提供する。
【0021】
バスバーアセンブリは、上記に基づくバスバーアセンブリを有する。
【0022】
セルは、タブ導出スリットに挿入されたタブを有する。少なくとも1つのタブは、各タブ導出スリットに挿入され、タブは、導電部材に接続される。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、タブ導出スリットの少なくとも1つの導出壁を導電部材上に形成するため、タブが対応する導出スリットに挿入されたとき、タブが導電部材と完全に接触し、両者間の電気的接続の信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の1つの実施形態に係るセルモジュールの分解図である。
【
図2】
図1のバスバーアセンブリの例示的構造の概略図である。
【
図4】
図2のスロットを備えたバスバーブラケットの概略図である。
【
図5】
図2のバスバーアセンブリに形成されたタブ導出スリットの内部構造の概略図である。
【
図6】本発明に係るバスバーアセンブリの別の例示的構造の概略図である。
【
図7】
図6のバスバーアセンブリの別の視角から見た概略的構造図である。
【
図8】
図6のスロットを備えたバスバーブラケットの概略図である。
【
図9】
図6のバスバーアセンブリに形成されたタブ導出スリットの内部構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、具体的な実施形態により本発明の実施について説明する。当業者であれば、本明細書に開示された内容から本発明の他の利点および効果を容易に理解することができる。
【0026】
以下の実施形態において提供されるすべてのバスバーアセンブリは、セルモジュールに適用されるのに適している。
図1を参照すると、セルモジュールは、セル400および以下の実施形態における任意のバスバーアセンブリを含む。
図2~
図9を併せて参照すると、セル400は、タブ導出スリット310に嵌合して挿入されるタブ401を有し、タブ401は、バスバーアセンブリ内の導電部材200に接続される。
【0027】
図1に示した実施形態において、セルモジュールは、さらに、筐体を含み、筐体は、着脱可能に接続された主筐体510および外カバー520を含む。各セル400は、主筐体510内に配置される。さらに、外カバー520に対応する主筐体510の一端は、バスバーアセンブリHを備えるため、主筐体510内のセル400のタブ401をバスバーアセンブリ内の導電部材200に接続することができる。外カバー520は、バスバーアセンブリを覆い、バスバーアセンブリを保護することができる。
【0028】
図2~
図9を参照すると、本発明のバスバーアセンブリHは、バスバーブラケット100、導電部材200、およびタブ導出スリット310を含む。バスバーブラケット100は、互いに反対側を向いた第1側Aおよび第2側Bを有する。導電部材200は、バスバーブラケット100上に配置される。タブ導出スリット310は、第1側Aから第2側Bに延伸して、バスバーブラケット100を通過する。タブ導出スリット310は、対向する2つの導出壁を有し、導出壁のうちの少なくとも1つは、導電部材200上に形成される。
【0029】
理解しやすくするために、
図5、
図8、および
図9の第1導出壁301および第2導出壁302は、いずれもここで説明されている導出壁に属する。また、タブ401をタブ導出スリット310に挿入するとき、第1側Aから第2側Bにタブ401を挿入することと同等である。導電部材は、通常、銅バーであり、実際の実施において、導電部材200は、アルミニウムバーまたはアルミニウム-銅複合バーであってもよく、十分な導電性があれば、銀、金、または関連する合金材料でも作ることができる。
【0030】
注意すべきこととして、上記の説明における「導出壁のうちの少なくとも1つが導電部材上に形成される」とは、導出壁が導電部材上に直接形成される状況を指すことができ、詳細については、
図2~
図9の例を参照することができる。また、構成要素が導電部材上に提供され、導出壁がその構成要素上に配置されることを意味することもできる。例えば、絶縁部材が導電部材上に配置されてもよく、導出壁が絶縁部材上に形成されてもよい(図示せず)。
【0031】
本発明において、タブ導出スリット310の少なくとも1つの導出壁は、導電部材200上に形成されるため、タブ401を対応する導出スリット310に挿入したとき、タブ401は、容易に導出壁に接触することができる。つまり、タブ401を導電部材200と完全に接触させるために、導電部材200とタブ401の間の接続が溶接であるか、その他の方法であるかに関わらず、両者間の接続の信頼性が向上する。
【0032】
いくつかの実施形態において、タブ導出スリットの両方の導出壁は、導電部材上に形成される(図示せず)。このような構造により、タブを導出スリットに挿入したとき、タブが導出壁のどちら側に接触しているかに関わらず、タブが導電部材と接触していることを意味する。したがって、このようにして、タブと導電部材の間の十分な接触をさらに促進し、導電部材とタブの間の無効な接続の可能性が低くなる。
【0033】
いくつかの別の実施形態において、
図4~
図5、
図8、および
図9を参照すると、タブ導出スリット310の2つの導出壁は、第1導出壁301および第2導出壁302を含む。第1導出壁301は、導電部材200上に形成され、第2導出壁302は、バスバーブラケット100上に形成される。両方の導出壁が導電部材200上に形成される方法と比較して、この方法では、導電部材200の構造がより単純になり、コストが下がる。
【0034】
具体的に説明すると、いくつかの実施形態において、再度
図4、
図5、
図8、および
図9を参照すると、バスバーブラケット100は、スロット111を備え、スロット111は、互いに対向する第1側壁Mおよび第2側壁Nを含む。
図4および
図8において、各スロット111内で、左の側壁を第1側壁Mとし、右の側壁を第2側壁Nとして扱う。導電部材200は、スロット111を通過する。
図9の右側のスロットに対応する構造および
図5の構造を参照すると、導電部材200は、第1側壁Mに取り付けられる。第1導出壁301は、導電部材200の第2側壁Nに面する表面上に形成され、第2導出壁302は、スロット111の第2側壁N上に形成される。実際の実施において、
図8および
図9の左側のスロットに対応する構造を参照すると、導電部材200がスロット111を通過するとき、第2側壁Nにも取り付けることができる。それに対応して、第1導出壁301は、導電部材200の第1側壁Mに面する表面に形成され、第2導出壁302は、スロット111の第1側壁Mに形成される。当然のことながら、「導出壁のうちの1つが導電部材上に形成される」ことを実現するために、導電部材がスロットを貫通するように配置する必要はなく、導電部材をスロットのすぐ隣に直接配置してもよい。
【0035】
注意すべきこととして、上記の説明における「~に取り付ける」は、導電部材200を第1側壁または第2側壁に固定する、密着して取り付ける、または近接させるという状況のいずれかを指すことができる。
【0036】
実際の実施の間、導電部材200がスロット111を貫通することが望ましい。このようにして、この構造を備えたバスバーアセンブリをセルモジュールに適用するとき、導電部材200とタブ401の両方をスロット111に挿入するのと同等である。導電部材200がさまざまな理由で変形したり作業精度が低くなったりする場合でも、導電部材200は、常にスロット111内に限定され、変形が制限される。そのため、スロット111に挿入されたタブ401と導電部材200の接続の信頼性をさらに向上させることができる。
【0037】
以下、スロット111を通過する導電部材200の異なる実施について詳細に説明する。
【0038】
いくつかの実施形態において、
図2~
図5を参照すると、バスバーブラケット100は、並んで配置された複数のスロット111を備える。導電部材200は、第1導電部材を含み、第1導電部材は、スロット111のうちの少なくとも1つに配置され、第1導電部材は、スロット111のうちの1つだけを貫通する。
図2において、第1導電部材を備えたスロット111は、バスバーブラケット100上の最も外側のスロット111であり、ここでの最も外側のスロットは、図中のバスバーブラケット100の両端に対応することができる。
図2において、2つのスロット111は、バスバーブラケット100の両端に個別に分配される。
【0039】
いくつかの別の実施形態において、
図6~
図9を参照すると、バスバーブラケット100は、並んで配置されたスロット111のうちの少なくとも2つを備える。導電部材200は、第2導電部材を含み、第2導電部材は、2つの隣接するスロット111に延伸する。タブ導出スリット310のうちの2つは、単片の第2導電部材とバスバーブラケット100の間に形成される。このような構造により、単片の導電部材200を使用して、タブ導出スリット310のうちの2つを形成することができ、追加のバスバー部品がなくても、2つの対応する隣接するスロット111に挿入されたタブ401間の通信および合流が達成される。構造がさらに簡易化されるため、コストの削減をさらに促進する。
【0040】
実際の実施において(図示せず)、第1導電部材および第2導電部材は、バスバーブラケット100上に一緒に配置されてもよい。この場合、バスバーブラケット100は、複数のスロット111を備え、各第1導電部材は、それに対応して、対応するスロットに延伸する。一般的に、第1導電部材と第2導電部材の両方がバスバーブラケット100上に配置される場合、第1導電部材は、最も外側にあり、第2導電部材は、中間に配置される。
【0041】
単片の導電部材200が1つのスロット111のみを貫通するか、それとも同じ導電部材200が2つのスロット111から延伸するかに関わらず、導電部材200は、湾曲板であってもよい。導電部材200が湾曲板を採用するとき、自重と構造が比較的低く、単純であるため、コストが削減される。導電部材200は、湾曲板を使用しなくてもよい。以下、湾曲板形状の導電部材200、および単片の導電部材200が1つのスロット111のみを通過するモードと2つのスロット111に同時に延伸するモードの2つのモードについて、具体的に説明する。
【0042】
単片の導電部材200が1つのスロット111のみを貫通する例について、
図4および
図5を参照すると、第1導電部材は、湾曲板であり、第1導電部材は、主体部210および第1湾曲部220を含む。第1導出壁301は、主体部210上に形成され、主体部210は、スロット111を通過する。第1湾曲部220は、主体部210に接続され、バスバーブラケット100の第1側(すなわち、側A)に配置され、スロット111から離れた方向に主体部210に対して曲げられる。
【0043】
この構造において、第1湾曲部220は、ガイド機能を有する。具体的に説明すると、タブ401を第1側Aから第2側Bに向かってタブ導出スリット310に挿入したとき、タブ401は、まず、第1湾曲部220に対応する位置を通過し、その後、タブ導出スリット310に入ることができる。したがって、タブ401は、第1導電部材に対して挿入され、第1湾曲部220は、第1導出壁301に接触する。この場合、第1湾曲部220は、タブ401を案内することができる。
【0044】
図3を参照すると、導電部材200を曲げて、取り付け部250を形成してもよい。取り付け部250は、バスバーブラケット100の1つの表面に取り付けられる。取り付け部250とバスバーブラケット100の間の接続をファスナーまたはクランプを介して実現することにより、導電部材200をバスバーブラケット100に確実に取り付けることができる。
【0045】
同じ導電部材200が2つのスロット111から延伸する例について、
図8および
図9を参照すると、第2導電部材は、湾曲板であり、2つのスロット111の間に位置決め部112が提供される。第2導電部材は、位置決め部112に固定された取り付け部250を有する。位置決め部112および取り付け部250は、第1側Aから第2側Bの方向に向かって順番に配置される。第2導電部材は、バスバーブラケット100の第1側(側A)に配置され、取り付け部250に対して曲げられた第2湾曲部230および第3湾曲部260を有する。第2湾曲部230は、スロット111のうちの1つを貫通し、第3湾曲部260は、他方の隣接するスロット111を貫通する。各湾曲部は、取り付け部250と90°未満の角度αを形成する。
【0046】
図9において、α=60°であり、実際の実施において、角度αの値は、90°未満の任意の値であってもよい。
【0047】
この構造において、各タブ401を対応するタブ導出スリット310に挿入したとき、第2湾曲部230または第3湾曲部260は、対応するタブ401を案内する。このようにして、位置決め部112と取り付け部250もファスナーによって接続することができる。
【0048】
タブ401をタブ導出スリット310にさらにスムーズに入れるために、
図4、
図5、
図8、および
図9を参照すると、同じ導電部材200が1つのスロット111のみに延伸するか、同じ導電部材200が2つの隣接するスロット111に延伸するかに関わらず、バスバーブラケット100上に追加のガイド部120を提供することができる。
【0049】
具体的に説明すると、
図2~
図5および
図6~
図9を併せて参照すると、いくつかの実施形態において、第2導出壁302は、ガイド部120に接続され、ガイド部120は、バスバーブラケット100の第1側(側A)に位置する。ガイド部120と対応する湾曲部の間には、ガイド溝320が形成され、ガイド溝320の溝幅は、第1側Aから第2側Bの方向に向かって徐々に減少する。
【0050】
この構造において、タブ401は、タブ出口スリット310に入る前に、まず、ガイド溝320を通過する。ガイド溝320は、ガイド機能を発揮し、タブ401を狭いタブ導出スリット310にスムーズに入れることができる。
【0051】
いくつかの実施形態において、
図5および
図9を参照すると、導電部材200は、さらに、対応する湾曲部に接続されたフランジ部240を含む。フランジ部240は、第1側から第2側に折り曲げられ、フランジ部240と対応する湾曲部の間に円弧遷移が提供される。この構造により、セルモジュールが圧縮されると、導電部材200にフランジ部240があるため、対応する湾曲部の鋭い縁がセル400を破損させてセル400の制御が失われることを防ぐことができる。
【0052】
いくつかの実施形態において、
図4および
図5、
図8、および
図9を参照すると、バスバーブラケット100は、バスバー基板110を含み、スロット111は、バスバー基板110上に配置される。
【0053】
ここで、
図8および
図9を参照すると、上述した位置決め部112は、バスバー基板110の一部に属してもよい。
【0054】
上述した実施形態は、本発明の原理と効果を説明するものであり、本発明を制限するものではない。当業者であれば、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、上記の実施形態を修正または変更することができる。したがって、本発明において開示された精神および技術的概念から逸脱することなく当業者によって行われるすべての同等な修正または変更は、依然として本発明の請求項によってカバーされるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0055】
タブ導出スリットの少なくとも1つの導出壁が導電部材上に形成されるため、タブを対応する導出スリットに挿入したとき、タブが導電部材に完全に接触し、両者間の電気的接続の信頼性が向上する。
【符号の説明】
【0056】
H バスバーアセンブリ
100 バスバーブラケット
110 バスバー基板
111 スロット
112 位置決め部
120 ガイド部
A 第1側
B 第2側
200 導電部材
210 主体部
220 第1湾曲部
221 ガイド壁
230 第2湾曲部
240 フランジ部
250 取り付け部
260 第3湾曲部
310 タブ導出スリット
301 第1導出壁
302 第2導出壁
320 ガイド溝
400 セル
401 タブ
510 主筐体
520 外カバー
【外国語明細書】