(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084687
(43)【公開日】2024-06-25
(54)【発明の名称】バッテリートレイラックの拘束装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/262 20210101AFI20240618BHJP
【FI】
H01M50/262 Z
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023181735
(22)【出願日】2023-10-23
(31)【優先権主張番号】111147726
(32)【優先日】2022-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】505441638
【氏名又は名称】致茂電子股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Chroma Ate Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】チェン, インチェン
(72)【発明者】
【氏名】チャン, ウェンチュアン
(72)【発明者】
【氏名】チェン, インチ
(72)【発明者】
【氏名】リン, チュアンツェ
【テーマコード(参考)】
5H040
【Fターム(参考)】
5H040AA06
5H040AY06
(57)【要約】
【課題】バッテリートレイラックの拘束及び解除動作を安定して行うことができるバッテリートレイラックの拘束装置を提供する。
【解決手段】制御器は、推力発生装置を駆動し、加圧ヘッドに、少なくとも1個のロックモジュールを帯同させてバッテリートレイラックに接近させて、バッテリートレイラックを押すようにした後、制御器は、ねじロック装置を制御して、バッテリートレイラックに対してねじでロックして拘束し、或いはねじのロックを開放して拘束を解除する。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、加圧モジュールと、少なくとも1個のロックモジュールと、制御器とを備えるバッテリートレイラックの拘束装置において、
前記フレームが台座を有し、
前記加圧モジュールが、推力発生装置と、加圧ヘッドとを有し、
該加圧ヘッドが前記推力発生装置に接続され、前記推力発生装置が前記フレームに組み立てられ、前記加圧ヘッドをバッテリートレイラックに接近又は離間させるように駆動することができ、
少なくとも1個の前記ロックモジュールが、スライドテーブルと、ねじロック装置とを有し、
該ねじロック装置が前記スライドテーブルに組み立てられ、前記スライドテーブルが前記台座を滑るように設けられると共に前記加圧ヘッドに連結され、
前記制御器が、前記加圧モジュールと、少なくとも1個の前記ロックモジュールとに電気的に接続され、
前記制御器が、前記推力発生装置を駆動し、前記加圧ヘッドに、少なくとも1個の前記ロックモジュールを帯同させて前記バッテリートレイラックに接近させて、該バッテリートレイラックを押すようにした後、
前記制御器が前記ねじロック装置を制御して、前記バッテリートレイラックに対してねじでロックして拘束、或いは該ねじのロックを開放して拘束を解除する、ことを特徴とするバッテリートレイラックの拘束装置。
【請求項2】
少なくとも1個の前記ロックモジュールが、更にガイドロッドと、圧縮スプリングとを有し、
前記スライドテーブルが貫通孔を有し、
前記ガイドロッドが前記貫通孔を貫通し、且つ、一端が前記加圧ヘッドに接続し、
前記圧縮スプリングは、前記ガイドロッドに嵌められて、前記圧縮スプリングの両端がそれぞれ前記貫通孔及び前記ガイドロッドの他端に当接する、ことを特徴とする請求項1に記載のバッテリートレイラックの拘束装置。
【請求項3】
前記ねじロック装置が、電動機と、スリーブアダプターと、スリーブと、スプリングとを有し、
前記スリーブが、ボルトソケット孔と、アダプターソケット孔とを有し、
前記ボルトソケット孔が前記バッテリートレイラックに対してねじロック又はねじロックを解除するために用いられ、
前記アダプターソケット孔には前記スリーブアダプターが差し込まれ、
前記アダプターソケット孔と前記スリーブアダプターとの間には径方向ギャップが存在し、
前記スリーブアダプターが前記電動機に接続し、
前記スプリングの一端が前記電動機に当接し、他端は前記スリーブに当接する、ことを特徴とする請求項1に記載のバッテリートレイラックの拘束装置。
【請求項4】
前記ねじロック装置が、円錐形ガスケットと、固定ねじとを更に有し、
前記スリーブの前記ボルトソケット孔が円錐形底面を有し、
前記円錐形ガスケットが前記ボルトソケット孔に収容されると共に前記円錐形底面に当接し、
前記固定ねじが、前記ボルトソケット孔と、前記円錐形ガスケットとに嵌め入れられることによって前記スリーブアダプターをロックする、ことを特徴とする請求項3に記載のバッテリートレイラックの拘束装置。
【請求項5】
第1の位置センサーと、第2の位置センサーと、第3の位置センサーと、反射センサーと、圧力センサーとを更に備え、
前記第1の位置センサーと、前記第2の位置センサーと、前記第3の位置センサーと、前記反射センサーと、前記圧力センサーとが前記制御器に電気的に接続され、
前記第1の位置センサーと、前記第2の位置センサーと、前記第3の位置センサーとが前記台座上に設けられ、
前記第1の位置センサーが前記加圧ヘッドのストロークの開始位置に相当し、
前記第2の位置センサーと、前記第3の位置センサーとが、前記加圧ヘッドの動作ストロークの両端の限界位置に対応し、
前記反射センサーが前記加圧ヘッドに設けられ、前記加圧ヘッドと前記バッテリートレイラックとの距離を検出するために用いられ、
前記圧力センサーが前記フレームに設けられ、前記推力発生装置による前記バッテリートレイラックの押圧力を検出するために使用され、前記制御器が、前記加圧ヘッドがストロークの終了位置に到達したかどうかを判断する基準となる、ことを特徴とする請求項1に記載のバッテリートレイラックの拘束装置。
【請求項6】
前記加圧ヘッドが少なくとも1個の磁石を有し、
前記制御器が前記ねじロック装置を制御して前記バッテリートレイラックのロックを開放して拘束を解除した後、
前記制御器が前記推力発生装置を駆動して、前記加圧ヘッドを、前記バッテリートレイラックから離れる方向へ移動させると共に、少なくとも1個の前記磁石を利用して前記バッテリートレイラックを押すように伸ばす、ことを特徴とする請求項1に記載のバッテリートレイラックの拘束装置。
【請求項7】
バッテリートレイラックに圧力を加え且つ該圧力を維持するように拘束、或いは、前記バッテリートレイラックの拘束を解除して、前記圧力を取り除くために使用され、
前記バッテリートレイラックが加圧プレートと、少なくとも1個の定圧ボルトとを有するバッテリートレイラックの拘束装置であって、
加圧モジュールと、
少なくとも1個のロックモジュールと、
制御器とを備え、
前記加圧モジュールが、前記バッテリートレイラックの前記加圧プレートに対応し、
少なくとも1個の前記ロックモジュールが、前記バッテリートレイラックの少なくとも1個の前記定圧ボルトに対応し、
前記制御器が前記加圧モジュールと、少なくとも1個の前記ロックモジュールとに電気的に接続され、
前記バッテリートレイラックを拘束しようとするとき、前記制御器が、前記加圧モジュールを制御して、前記加圧プレートに推力を加え、前記バッテリートレイラックにクランプ圧力をかけ、且つ、前記制御器、少なくとも1個の前記ロックモジュールを制御して少なくとも1個の前記定圧ボルトをロックして前記クランプ圧力を維持し、
前記バッテリートレイラックの拘束を解除しようとするとき、前記制御器が前記加圧モジュールを制御して、前記加圧プレートに前記推力を加え、
且つ、前記制御器が少なくとも1個の前記ロックモジュールを制御して少なくとも1個の前記定圧ボルトのロックを解除した後、
前記制御器が前記加圧モジュールを制御して前記加圧プレートの前記推力を取り消す、ことを特徴とするバッテリートレイラックの拘束装置。
【請求項8】
フレームを更に備え、
該フレームが台座を有し、
前記加圧モジュールが、推力発生装置と、加圧ヘッドとを有し、
該加圧ヘッドが、前記推力発生装置に接続し、該推力発生装置が前記フレームに取り付けられ、且つ前記加圧ヘッドを前記バッテリートレイラックに向けて接近又は離間させ、
少なくとも1個の前記ロックモジュールが、スライドテーブルと、ねじロック装置とを有し、
該ねじロック装置が前記スライドテーブルに組み立てられ、
該スライドテーブルが前記台座を滑るように設けられ且つ前記加圧ヘッドに連結され、
前記制御器が前記推力発生装置を駆動して前記加圧ヘッドに、少なくとも1個の前記ロックモジュールを帯同するように、前記バッテリートレイラックに接近させると共に前記加圧プレートに前記推力を加え、且つ、前記制御器が前記ねじロック装置を制御して、少なくとも1個の前記定圧ボルトをロックして拘束、或いはロックを開放して拘束を解除する、ことを特徴とする請求項7に記載のバッテリートレイラックの拘束装置。
【請求項9】
少なくとも1個の前記ロックモジュールが、ガイドロッドと、圧縮スプリングとを有し、
前記スライドテーブルが貫通孔を有し、
前記ガイドロッドが前記貫通孔に嵌め入れられ、且つ、一端が前記加圧ヘッドに接続し、
前記圧縮スプリングは、前記ガイドロッドに嵌着されて、前記圧縮スプリングの両端がそれぞれ前記貫通孔及び前記ガイドロッドの他端に当接し、
前記制御器が前記推力発生装置を駆動し、前記加圧ヘッドを、前記ガイドロッドと前記圧縮スプリングとによって、前記スライドテーブルを帯同させて、前記バッテリートレイラックに接近させ、
前記制御器が、前記推力発生装置を駆動させて、前記加圧ヘッドを前記バッテリートレイラックから離間させる方向に移動させたとき、前記加圧ヘッドが直接前記スライドテーブルを推動する、ことを特徴とする請求項8に記載のバッテリートレイラックの拘束装置。
【請求項10】
前記加圧ヘッドが更に少なくとも1個の磁石を有し、
前記バッテリートレイラックの拘束を解除しようとしたとき、前記制御器が少なくとも1個の前記ロックモジュールを制御して、少なくとも1つの前記定圧ボルトのねじのロックを外した後、
前記制御器が前記推力発生装置を駆動して、前記加圧ヘッドを前記バッテリートレイラックから離間させる方向へ移動させると共に、少なくとも1個の前記磁石によって前記加圧プレートを磁力によって吸って前記バッテリートレイラックを伸ばす、ことを特徴とする請求項8に記載のバッテリートレイラックの拘束装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化成工程の製造ラインにおける機械設備に関し、特に、バッテリートレイラックの拘束及び解除動作を安定して行うことができるバッテリートレイラックの拘束装置に関する。
【背景技術】
【0002】
バッテリー(電池)を製造する化成工程における生産ラインでは、バッテリーセルをクランプして固定するための従来の拘束解放装置は、力を付与する部品として主に1本のねじを使用してバッテリートレイラックに拘束力を与える。このようにして、複数のソフトパックリチウムバッテリーをクランプして成形することができる。同様に、上記のプロセスを逆に行えば、ソフトパックリチウムバッテリーの成形圧力が解放され、バッテリーのフレームの拘束力が解放される。従来の技術については、中国の公開特許公報第111326781号「ソフトパックバッテリトレイ自動切り替え加圧クランプ機構及び切り替えクランプ方法」や、中国の公開特許公報第111261920号「拘束解放装置」等を参照されたい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来の拘束装置の構造は比較的単純ではあるものの、バッテリートレイフレームのねじをロックし又はロックを解除するだけなので、全ての圧力抑制又は減圧解除の実行工程は、バッテリートレイラック自体によって完全に実行される。さらに説明すると、従来のバッテリートレイラックを押して拘束すると、ねじの力だけでトレイラック上のバッテリーセパレーターが押され、ソフトパックされたリチウム電池が化成中に過度に膨張しないように拘束される。
【0004】
以上のことから、従来の拘束装置は、構造が比較的単純である利点がある一方、バッテリートレイラックのねじをロック、或いはロックを解除したりするだけに過ぎない。
【0005】
更に、従来のバッテリートレイラックに圧力が加えられることで拘束されると、トレイラック上のバッテリーセパレーターをねじの力だけで押し込み、成形時にソフトパックリチウムバッテリーが過度に膨張しないように拘束する。
【0006】
しかし、従来のバッテリートレイラックには緩衝するための機構がなく、膨張しようとする力をねじ及びバッテリーセパレーターによって完全に支えられなければならない。このため、ねじやバッテリーセパレーターの強度が不足するとパレットラックが破損してしまうという問題が生じやすいという欠点がある。一方、これを避けるには、ねじやバッテリーセパレーターに十分な強度を持たせる必要が生じ、装置全体が大きくなりがちで、その分コスト高となる。
【0007】
また、長期間にわたり使用してしまうと、バッテリーセパレーターやねじに度重なる大きなストレスがかかるため、特に加圧された時のねじ自体への応力の集中は顕著となるので、材料の疲労と相まって寿命に大きな影響を与えることが多い。
これ等を考慮して、この問題に一種の新しい拘束及び解放を目的とした装置を提供するにはどうすればよいかが課題となる。
【0008】
そのため、本発明では、機械的な構造をより最適化して、バッテリートレイフレーム上でより安定した拘束と拘束を解除する動作を実行できるようにする。発明者を解決するために研究を重ねて本発明を創作した。
【0009】
本発明は、均一で且つ安定した拘束(ロック)の処理及びスムーズな拘束の解除を実現すべく、全体的な操作プロセスが非常に安定しており、信頼性が高く、寿命も長く、コスト安となるバッテリートレイラック用の拘束装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一態様は、フレームと、加圧モジュールと、少なくとも1個のロックモジュールと、制御器とを備えるバッテリートレイラックの拘束装置において、前記フレームが台座を有し、前記加圧モジュールが、推力発生装置と、加圧ヘッドとを有し、該加圧ヘッドが前記推力発生装置に接続され、前記推力発生装置が前記フレームに組み立てられ、前記加圧ヘッドをバッテリートレイラックに接近又は離間させるように駆動することができ、少なくとも1個の前記ロックモジュールが、スライドテーブルと、ねじロック装置とを有し、該ねじロック装置が前記スライドテーブルに組み立てられ、前記スライドテーブルが前記台座を滑るように設けられると共に前記加圧ヘッドに連結され、前記制御器が、前記加圧モジュールと、少なくとも1個の前記ロックモジュールとに電気的に接続され、前記制御器が、前記推力発生装置を駆動し、前記加圧ヘッドに、少なくとも1個の前記ロックモジュールを帯同させて前記バッテリートレイラックに接近させて、該バッテリートレイラックを押すようにした後、前記制御器が前記ねじロック装置を制御して、前記バッテリートレイラックに対してねじでロックして拘束、或いは該ねじのロックを開放して拘束を解除する、ことを特徴とするバッテリートレイラックの拘束装置である。
【0011】
また、上記態様においては、少なくとも1個の前記ロックモジュールが、更にガイドロッドと、圧縮スプリングとを有し、前記スライドテーブルが貫通孔を有し、前記ガイドロッドが前記貫通孔を貫通し、且つ、一端が前記加圧ヘッドに接続し、前記圧縮スプリングは、前記ガイドロッドに嵌められて、前記圧縮スプリングの両端がそれぞれ前記貫通孔及び前記ガイドロッドの他端に当接してもよい。
【0012】
また、上記態様においては、前記ねじロック装置が、電動機と、スリーブアダプターと、スリーブと、スプリングとを有し、前記スリーブが、ボルトソケット孔と、アダプターソケット孔とを有し、前記ボルトソケット孔が前記バッテリートレイラックに対してねじロック又はねじロックを解除するために用いられ、前記アダプターソケット孔には前記スリーブアダプターが差し込まれ、前記アダプターソケット孔と前記スリーブアダプターとの間には径方向ギャップが存在し、前記スリーブアダプターが前記電動機に接続し、前記スプリングの一端が前記電動機に当接し、他端は前記スリーブに当接してもよい。
【0013】
また、上記態様においては、前記ねじロック装置が、円錐形ガスケットと、固定ねじとを更に有し、前記スリーブの前記ボルトソケット孔が円錐形底面を有し、前記円錐形ガスケットが前記ボルトソケット孔に収容されると共に前記円錐形底面に当接し、前記固定ねじが、前記ボルトソケット孔と、前記円錐形ガスケットとに嵌め入れられることによって前記スリーブアダプターをロックしてもよい。
【0014】
また、上記態様においては、第1の位置センサーと、第2の位置センサーと、第3の位置センサーと、反射センサーと、圧力センサーとを更に備え、前記第1の位置センサーと、前記第2の位置センサーと、前記第3の位置センサーと、前記反射センサーと、前記圧力センサーとが前記制御器に電気的に接続され、前記第1の位置センサーと、前記第2の位置センサーと、前記第3の位置センサーとが前記台座上に設けられ、前記第1の位置センサーが前記加圧ヘッドのストロークの開始位置に相当し、前記第2の位置センサーと、前記第3の位置センサーとが、前記加圧ヘッドの動作ストロークの両端の限界位置に対応し、前記反射センサーが前記加圧ヘッドに設けられ、前記加圧ヘッドと前記バッテリートレイラックとの距離を検出するために用いられ、前記圧力センサーが前記フレームに設けられ、前記推力発生装置による前記バッテリートレイラックの押圧力を検出するために使用され、前記制御器が、前記加圧ヘッドがストロークの終了位置に到達したかどうかを判断する基準となってもよい。
【0015】
また、上記態様においては、前記加圧ヘッドが少なくとも1個の磁石を有し、前記制御器が前記ねじロック装置を制御して前記バッテリートレイラックのロックを開放して拘束を解除した後、前記制御器が前記推力発生装置を駆動して、前記加圧ヘッドを、前記バッテリートレイラックから離れる方向へ移動させると共に、少なくとも1個の前記磁石を利用して前記バッテリートレイラックを押すように伸ばしてもよい。
【0016】
また、本開示の他の態様は、バッテリートレイラックに圧力を加え且つ該圧力を維持するように拘束、或いは、前記バッテリートレイラックの拘束を解除して、前記圧力を取り除くために使用され、前記バッテリートレイラックが加圧プレートと、少なくとも1個の定圧ボルトとを有するバッテリートレイラックの拘束装置であって、加圧モジュールと、少なくとも1個のロックモジュールと、制御器とを備え、前記加圧モジュールが、前記バッテリートレイラックの前記加圧プレートに対応し、少なくとも1個の前記ロックモジュールが、前記バッテリートレイラックの少なくとも1個の前記定圧ボルトに対応し、前記制御器が前記加圧モジュールと、少なくとも1個の前記ロックモジュールとに電気的に接続され、前記バッテリートレイラックを拘束しようとするとき、前記制御器が、前記加圧モジュールを制御して、前記加圧プレートに推力を加え、前記バッテリートレイラックにクランプ圧力をかけ、且つ、前記制御器、少なくとも1個の前記ロックモジュールを制御して少なくとも1個の前記定圧ボルトをロックして前記クランプ圧力を維持し、前記バッテリートレイラックの拘束を解除しようとするとき、前記制御器が前記加圧モジュールを制御して、前記加圧プレートに前記推力を加え、且つ、前記制御器が少なくとも1個の前記ロックモジュールを制御して少なくとも1個の前記定圧ボルトのロックを解除した後、前記制御器が前記加圧モジュールを制御して前記加圧プレートの前記推力を取り消す、ことを特徴とするバッテリートレイラックの拘束装置である。
【0017】
また、上記態様においては、フレームを更に備え、該フレームが台座を有し、前記加圧モジュールが、推力発生装置と、加圧ヘッドとを有し、該加圧ヘッドが、前記推力発生装置に接続し、該推力発生装置が前記フレームに取り付けられ、且つ前記加圧ヘッドを前記バッテリートレイラックに向けて接近又は離間させ、少なくとも1個の前記ロックモジュールが、スライドテーブルと、ねじロック装置とを有し、該ねじロック装置が前記スライドテーブルに組み立てられ、該スライドテーブルが前記台座を滑るように設けられ且つ前記加圧ヘッドに連結され、前記制御器が前記推力発生装置を駆動して前記加圧ヘッドに、少なくとも1個の前記ロックモジュールを帯同するように、前記バッテリートレイラックに接近させると共に前記加圧プレートに前記推力を加え、且つ、前記制御器が前記ねじロック装置を制御して、少なくとも1個の前記定圧ボルトをロックして拘束、或いはロックを開放して拘束を解除してもよい。
【0018】
また、上記態様においては、少なくとも1個の前記ロックモジュールが、ガイドロッドと、圧縮スプリングとを有し、前記スライドテーブルが貫通孔を有し、前記ガイドロッドが前記貫通孔に嵌め入れられ、且つ、一端が前記加圧ヘッドに接続し、前記圧縮スプリングは、前記ガイドロッドに嵌着されて、前記圧縮スプリングの両端がそれぞれ前記貫通孔及び前記ガイドロッドの他端に当接し、前記制御器が前記推力発生装置を駆動し、前記加圧ヘッドを、前記ガイドロッドと前記圧縮スプリングとによって、前記スライドテーブルを帯同させて、前記バッテリートレイラックに接近させ、前記制御器が、前記推力発生装置を駆動させて、前記加圧ヘッドを前記バッテリートレイラックから離間させる方向に移動させたとき、前記加圧ヘッドが直接前記スライドテーブルを推動してもよい。
【0019】
また、上記態様においては、前記加圧ヘッドが更に少なくとも1個の磁石を有し、前記バッテリートレイラックの拘束を解除しようとしたとき、前記制御器が少なくとも1個の前記ロックモジュールを制御して、少なくとも1つの前記定圧ボルトのねじのロックを外した後、前記制御器が前記推力発生装置を駆動して、前記加圧ヘッドを前記バッテリートレイラックから離間させる方向へ移動させると共に、少なくとも1個の前記磁石によって前記加圧プレートを磁力によって吸って前記バッテリートレイラックを伸ばしてもよい。
【発明の効果】
【0020】
このように、本発明によって提供されるバッテリートレイラックの拘束装置は、従来のバッテリートレイラックの拘束装置と比較して、加圧モジュールは先ずバッテリートレイラックに推力を加え、次にねじロックで固定して拘束を行う。
そして、拘束を解除する際は、先ず、バッテリートレイラックに推力が加わり、ねじロックが解除されることにより拘束が解除される。
したがって、本発明は、定圧ボルト及びロックモジュールにかかる応力を大幅に軽減し、応力集中を回避して、安定して確実に動作し、耐用年数を大幅に伸ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1A】ベルトコンベヤーを備える本発明のバッテリートレイラックの拘束装置の好ましい実施形態を示した斜視図である。
【
図1B】バッテリートレイラックを除いた本発明のバッテリートレイラックの拘束装置の好ましい実施形態を示した正面図である。
【
図2】ベルトコンベヤーを除いた本発明のバッテリートレイラックの拘束装置の好ましい実施形態を示した斜視図である。
【
図3】本発明のバッテリートレイラックの拘束装置の好ましい実施形態を示したブロック図である。
【
図4A】本発明のバッテリートレイラックの拘束装置の好ましい実施形態における加圧モジュールとロックモジュールの斜視図である。
【
図4B】本発明のバッテリートレイラックの拘束装置の好ましい実施形態における加圧モジュールとロックモジュールの側面図である。
【
図5】本発明のバッテリートレイラックの拘束装置の好ましい実施形態における加圧モジュールとロックセットの結合状態の一部を示した断面図である。
【
図6A】本発明のバッテリートレイラックの好ましい実施形態におけるねじロック装置の拘束装置の断面図である。
【
図6B】本発明の電動機が取り外された後のバッテリートレイラックの拘束装置の好ましい実施形態におけるねじロック装置の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明のバッテリートレイラックの拘束装置について本実施形態で詳細に説明する。ここで、本明細書では同一の構成要素には同一の符号を付す。更に、本発明の全ての図面は例示を目的としており、必ずしも一定の縮尺で描かれておらず、全ての詳細な構成が図面に示されている訳ではない。
【0023】
図1Aを参照して本発明を説明する。ここで、
図1Aはベルトコンベヤーを備える本発明のバッテリートレイラックの拘束装置の好ましい実施形態を示した斜視図である。
【0024】
図に示すように、まず、本発明のバッテリートレイラックの拘束装置(以下、単に「拘束装置1」ともいう場合がある)を用いてバッテリートレイラックTを加圧して拘束力を付与し、この拘束力を維持してソフトパックリチウムバッテリーをバッテリートレイラックT内にクランプして成形し、成形プロセス中のソフトパックリチウムバッテリーの過剰な膨張を回避することができる。化成作業が完了した後、本発明の拘束装置1を用いてバッテリートレイラックTへの圧力を解除して拘束力を解除することもできる。
【0025】
具体的には、成形前に拘束されると共に成形後にその拘束が解除されるバッテリートレイラックTが、ベルトコンベヤーCによって拘束装置1に搬送される。
【0026】
なお、
図1に示すベルトコンベヤーCは拘束装置1の片側にのみ設置されているので、片側から出入りするものであることに留意されたい。なお、本発明の他の実施形態では、ワンイン-ワンアウト(一つの入り口と一つの出口)方式を採用することもでき、拘束装置1の両側にベルトコンベヤーCを設けることもできる。
【0027】
バッテリートレイラックTの左側が拘束装置1の左内側の底部に当接するため、加圧プレートTpは、外力により押されると、複数の加圧ばね(図示せず)を介してバッテリートレイラックTの左側に向けて押圧することができ、また、加圧後は定圧ボルトTsでロックして圧力を維持することができる。即ち、上記拘束装置1により与えられる拘束力である。
【0028】
なお、明細書においては、バッテリートレイラックTの左側とは
図1における奥側を意味し、右側とは加圧モジュール2の符号が付されている側(手前側)の方向を意味し、左右方向はこのように決定される。また、拘束装置1の底部とは、上述した左右方向に直交する高さ方向における一番低い位置を意味する。
同様に、定圧ボルトTsのロックを解除すると、圧力を解除してリリースすることができる。
【0029】
また、拘束装置1は、主に、加圧モジュール2と、ロックモジュール3とを備える。加圧モジュール2は、バッテリートレイラックTの加圧プレートTpに対応し、加圧プレートTpに推力を加えて拘束力の基礎を化成するために用いられる。
【0030】
ロックモジュール3は、バッテリートレイラックTの定圧ボルトTsに対応し、定圧ボルトTsをロックして圧力を維持、又は、ねじロックを解除して圧力を開放するときに使用する。
【0031】
図1A、
図1B、
図2、及び
図3を参照して本発明の実施形態を説明する。ここで、
図1Bはベルトコンベヤーを除いた本発明のバッテリートレイラックの拘束装置の好ましい実施形態を示した正面図である。また、
図2はバッテリートレイラックを除いた本発明のバッテリートレイラックの拘束装置の好ましい実施形態を示した斜視図である。また、
図3は本発明のバッテリートレイラックの拘束装置の好ましい実施形態を示したブロック図である。
【0032】
図1A~
図3に示すように、本実施形態の拘束装置1は、フレームFと、制御器4(
図3を参照)とを備え、
図1A等の加圧モジュール2及びロックモジュール3はフレームF上に取り付けられている、フレームFはロックモジュール3に隣接する側に
図2に示すように台座F1が設けられている。
【0033】
ここで、フレームFの形状を説明する。フレームFは、
図1に示すように、左右方向に延伸する一対の棒を備える。これら一対の棒の左側及び右側の両端に接続されると共に、高さ方向に延伸する一対の板を備える。また、この一対の板は左右方向に延伸する一対の棒の左側同士又は右側同士を繋ぐように、上述した左右方向及び高さ方向の何れにも直交する前後方向にも延伸する略矩形状を呈し、これらを組み立てることによりフレームFの概略の枠組みが形成され、上述した台座F1等はこの枠組みの中に収容される。
【0034】
また、
図2及び
図3に示すように、フレームFの前後方向の両側には、バッテリートレイラックTを所定の高さまで持ち上げて拘束又は拘束を解除するためのリフティングモジュール6がそれぞれ設けられている。これにより、バッテリートレイラックTと稼動中のベルトコンベヤーCとが隔離される。
【0035】
図3に示すように、制御器4は、リフティングモジュール6、加圧モジュール2、及びロックモジュール3に電気的に接続されており、拘束又は拘束した状態を解除する動作を実行するために、これらリフティングモジュール6、加圧モジュール2、及びロックモジュール3の動作を制御するために使用される。
【0036】
更に説明すると、
図1Bに示すように、加圧モジュール2は、推力発生装置21と、加圧ヘッド22とを備える。本実施形態では、推力発生装置21として、モーター(図示せず)により駆動されるスクリュージャッキ減速機(Screw Jack Reducer)が用いられている。
このうちスクリュージャッキ減速機は水平構造を採用しており、垂直昇降から水平移動へと移動方向が変更する。
【0037】
また、フレームFには推力発生装置21が取り付けられており、最大1500kgfの推力を得ることができる。加圧ヘッド22は、スクリュージャッキのねじの末端に接続されている。
【0038】
したがって、推力発生装置21は、加圧ヘッド22をバッテリートレイラックTに接近又は離間させるように駆動することができる。推力発生装置21は、スクリュージャッキ減速機とモーターとの組み合わせに加えて、推力を得ることができる油圧シリンダや電動シリンダ等を用いることもできる。
【0039】
更に、
図1Bに示すように、ロックモジュール3は、主にスライドテーブル31と、ねじロック装置32とを備え、ねじロック装置32はスライドテーブル31上に取り付けられる。
【0040】
スライドテーブル31は、ガイドレール(図示せず)とガイド溝(図示せず)とを結合させる形態によって台座F1上を滑ることができるよう設置されており、同時にスライドテーブル31が加圧ヘッド22に結合される。
【0041】
このようにして、推力発生装置21、加圧ヘッド22、スライドテーブル31、及びねじロック装置32が互いに連結され、加圧モジュール2とロックモジュール3とを、連動させることができる。
【0042】
次に、
図4A、
図4B及び
図5を同時に参照して説明する。ここで、
図4Aは本発明のバッテリートレイラックの拘束装置の好ましい実施形態における加圧モジュールとロックモジュールを示した斜視図である。
図4Bは本発明のバッテリートレイラックの拘束装置の好ましい実施形態における加圧モジュールとロックモジュールの側面図である。また、
図5は本発明のバッテリートレイラックの拘束装置の好ましい実施形態における加圧モジュールとロックセットとの結合状態を示した断面図である。
【0043】
図4A及び
図4Bに示すように、ロックモジュール3は、スライドテーブル31と、ねじロック装置32とに加えて、ガイドロッド33と、圧縮スプリング34とを更に備え、スライドテーブル31は
図5に示す貫通孔311を更に有する。
【0044】
図5を参照して更に詳細に説明する。略円柱状に形成されて左右方向に延伸するガイドロッド33は貫通孔311を貫通し、その一端が加圧ヘッド22に接続されており、加圧ヘッド22に引っ張られて連動するように移動することができる。
【0045】
また、圧縮スプリング34はガイドロッド33に巻き付けるように嵌められ、そして、その両端は、それぞれ貫通孔311の内部とガイドロッド33の他端とにそれぞれ当接されている。
したがって、ガイドロッド33が加圧ヘッド22に連動してバッテリートレイラックT側に移動すると(
図1B参照)、圧縮スプリング34は圧縮状態を呈し、圧縮スプリング34が圧縮された後の弾性復元力により、スライドテーブル31を帯同してバッテリートレイラックT側に移動することができる。
【0046】
このため、制御器4は、推力発生装置21を駆動するだけでよく、加圧ヘッド22は、ガイドロッド33及び圧縮スプリング34を介してスライドテーブル31をバッテリートレイラックTに接近するように駆動することができ、圧縮スプリング34を再び緩衝材として使用して衝撃力を吸収することができる。
【0047】
一方、制御器4は推力発生装置21を駆動することもでき、加圧ヘッド22をバッテリートレイラックTから離間させ、加圧ヘッド22はスライドテーブル31を直接押し、ロックモジュール3を初期の位置に戻すように駆動する。
【0048】
また、
図3に示すように、拘束装置1は、制御器4に電気的に接続された5個のセンサーをさらに備える。
5個のセンサーは、それぞれ、第1の位置センサー51、第2の位置センサー52、第3の位置センサー55、反射センサー53、及び圧力センサー54である。
【0049】
具体的には、第1の位置センサー51、第2の位置センサー52、及び第3の位置センサー55は遮断スイッチであっても差し支えない。反射センサー53は反射スイッチであっても差し支えない。圧力センサー54は力センサー(load cell)であってもよい。
【0050】
また、
図2に示すように、更に説明すると、第1の位置センサー51は、台座F1の推力発生装置21に近い側に配置されており、この位置が加圧ヘッド22のストロークの開始位置に相当する。
【0051】
第2の位置センサー52は、
図1Bに示すように、台座F1のバッテリートレイラックT側に配置されており、この設定は加圧ヘッド22の限界位置に相当し、第2の位置センサー52を超えても動作が停止しない場合、リフタースクリュー(図示せず)は減速機から離脱する。
【0052】
第3の位置センサー55は、
図2に示すように、第1の位置センサー51よりも推力発生装置21の一方側(右側)の台座F1上に配置されており、このように配置することにより、加圧ヘッド22の他の限界位置に対応し、第3の位置センサー55を超えて動作が停止しない場合、ロックモジュール3は減速機と衝突することとなる。
【0053】
したがって、第2の位置センサー52と第3の位置センサー55とが、加圧ヘッド22の移動ストロークの限界位置を制御するために使用され、第2の位置センサー52、又は第3の位置センサー55が加圧ヘッド22を検出すると、制御器4は、構成要素の衝突又は離脱を回避するために、推力発生装置21の駆動を直ちに停止する。
【0054】
反射センサー53は、加圧ヘッド22に設けられ、加圧ヘッド22とバッテリートレイラックTとの間の距離、具体的には加圧ヘッド22と加圧プレートTpとの間の距離を検出するために用いられる。
【0055】
制御器4は、反射センサー53の検出結果に応じて、加圧ヘッド22が送り出す速度、即ち加圧ヘッド22が加圧プレートTpに一定距離まで接近すると減速を開始するように制御することができる。
【0056】
また、
図1Bに示すように、圧力センサー54はフレームFに、具体的には、フレームFの加圧モジュール2とは反対側に配置されているので、実際にはフレームFとバッテリートレイラックTとの間に挟まれて、推力発生装置21によるバッテリートレイラックTの押圧力を検出するために使用される。
【0057】
押圧力が設定値に達すると、制御器4は推力発生装置21の動作を停止し、その位置をストロークの終了位置とする。しかしながら、ストロークの終了位置は、第2の位置センサー52が配置される限界位置を超えることはできない。
【0058】
図4Aに示すように、1個又は複数の磁石221を加圧ヘッド22に取り付けることができる。
【0059】
その効果は、
図3の制御器4がねじロック装置32を制御して
図1BのバッテリートレイラックTへのねじロックを緩めて、拘束を解除した後、制御器4が推力発生装置21(
図1B、
図4B)を駆動して加圧ヘッド22をバッテリートレイラックTから離間させると、
図4Aの磁石221は加圧プレートTpを磁力で吸着させ、バッテリートレイラックTを伸ばしてバッテリートレイラックT上のバッテリーセパレーター(図示せず)間の距離を広げ、バッテリーセパレーターの交換を容易にする。
【0060】
最後に、
図1B、
図6A及び
図6Bを同時に参照して説明する。ここで、
図6Aは本発明のバッテリートレイラックの拘束装置の好ましい実施形態におけるねじロック装置の断面図である。また、
図6Bは本発明の電動機が取り外された後のバッテリートレイラックの拘束装置の好ましい実施形態におけるねじロック装置の分解斜視図である。
【0061】
図1Bに示すように、ねじロック装置32は、具体的には、
図6Aに示す電動機321、スリーブアダプター322、スリーブ323、及びスプリング325を備えており、スリーブ323の2つの端面は、それぞれ、ボルトソケット孔326とアダプターソケット孔327とを有する。
【0062】
さらに説明すると、
図6A、
図6Bに示したボルトソケット孔326は
図1BのバッテリートレイラックTの定圧ボルトTsに接続するために使用され、
図6Aに示したアダプターソケット孔327はスリーブアダプター322に嵌めるように接続するために使用される。
【0063】
また、アダプターソケット孔327とスリーブアダプター322との間には径方向ギャップGが形成される。
【0064】
つまり、アダプターソケット孔327のサイズ設計はスリーブアダプター322のサイズ設計よりも大きいので、スリーブアダプター322に対するスリーブ323の可動に余裕が生まれ、スリーブ323は、定圧ボルトTsの位置に応じて揺動することができ、突き合わせる過程をより円滑にすることができる。
【0065】
さらに、スリーブアダプター322は電動機321に接続されており、スプリング325はスリーブアダプター322に嵌着されており、スプリング325の一端は電動機321に当接しており、他端はスリーブ323に接している。したがって、スリーブ323が
図1Bの定圧ボルトTsから離れた後、
図6Aのスプリング325はスリーブ323をリセットして実質的に水平状態を維持することができるので、次のバッテリートレイラックTの定圧ボルトTsを結合するのに役立つ。
【0066】
図1Bに示すねじロック装置32は、さらに、
図6Bに示すように、円錐形ガスケット(テーパワッシャ)324と、固定ねじ328とを備え、スリーブ323のボルトソケット孔326は、円錐形底面(テーパー状底面)329を更に有する。
【0067】
具体的には、円錐形ガスケット324は、ボルトソケット孔326に収容され、円錐形底面329に当接する。円錐形ガスケット324及び円錐形底面329は、定圧ボルトTsの位置に応じてスリーブ323を揺動させ、スリーブ323と定圧ボルトTsとの突き合わせる作業をより円滑にするために用いられる。
【0068】
なお、径方向ギャップGを異なる大きさに設計することにより、揺動させる際の余裕の程度を増減させることもできる。また、固定ねじ328は、ボルトソケット孔326及び円錐形ガスケット324を通ってスリーブアダプター322にロックされる。
【0069】
図1A及び
図1Bを参照して本発明の実施形態の拘束作業の動作フローを説明する。化成されるバッテリートレイラックTがベルトコンベヤーCから拘束装置1に進入すると、制御器4は、リフティングモジュール6を制御してバッテリートレイラックTを上昇させ、加圧ヘッド22を加圧プレートTpに対応させ、スリーブ323は定圧ボルトTsに対応する。
【0070】
次に、制御器4は推力発生装置21を駆動して加圧ヘッド22をバッテリートレイラックTの方向に移動させ、これに同期してロックモジュール3も前方に駆動する。
ここで、スリーブ323は、先ず定圧ボルトTsに嵌めるように装着され、圧縮スプリング34が圧縮されてスライドテーブル31に力を加え、スリーブ323が定圧ボルトTsを緊密に覆う。
【0071】
すると、加圧ヘッド22が加圧プレートTpに当接し、推力発生装置21が前進を続けて加圧プレートTpを押し、加圧プレートTpに推力Fpを与える。
【0072】
加圧プレートTpに推力Fpを加え、バッテリートレイラックTにクランプ(挟み込む)圧力を与えさせ、これを圧力センサー54により検出される押圧力が設定値に達するまで行う。そして、制御器4は、ストローク終了位置であると判断すると同時に推力発生装置21の動作を停止する。
【0073】
しかしながら、加圧ヘッド22の移動させる過程において、バッテリートレイラックTの受圧ばね(図示せず)が推力Fpを受けて圧縮し、ソフトパックリチウムバッテリーがクランプ圧力を受けて成形される。
【0074】
また、制御器4は、電動機321を駆動して定圧ボルトTsを同期するようロックすることでクランプ圧力を維持し、受圧ばね(図示せず)も圧縮状態を維持して拘束する。
【0075】
ねじロックが完了した後、制御器4は推力発生装置21を駆動してロックモジュール3と共に加圧ヘッド22をバッテリートレイラックTから離れる方向に移動させ、加圧ヘッド22は第1の位置センサー51の位置に到達すると停止する。
【0076】
本実施形態における拘束(バインド)を解除するときの動作フローは、拘束するときの動作の動作フローとほぼ同様であるが、特に説明する必要があるのは、加圧ヘッド22が加圧プレートTpに接触すると、加圧モジュール2は推力Fpより若干大きな推力を加圧プレートTpに加える点である。
【0077】
このとき、定圧ボルトTsにかかる引張応力を先に取り除くことができる。次に、制御器4は、電動機321を駆動して定圧ボルトTsのねじロックを解除する。
【0078】
同時に、制御器4は、推力発生装置21を駆動して、加圧ヘッド22をロックモジュール3と共にバッテリートレイラックTから徐々に離間させる。このとき、クランプ圧力がゆっくりと解放され、加圧ばねが元の状態に戻り解放された状態となる。同時に、バッテリートレイラックTは、加圧ヘッド22上の磁石221(
図4を参照)によって引き伸ばされる。
【0079】
引き延ばされる距離が限界に達すると、磁石221も自動的に加圧プレートTpから離れ、そして、加圧ヘッド22は第1の位置センサー51の位置に到達するまで後退を続けた後に停止し、拘束を開放する動作が完了する。
【0080】
なお、上述した実施形態は説明の便宜のための例示に過ぎず、本発明の権利範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、特許出願の範囲に基づいて定められる。
【符号の説明】
【0081】
1 拘束装置
2 加圧モジュール
3 ロックモジュール
4 制御器
6 リフティングモジュール
21 推力発生装置
22 加圧ヘッド
31 スライドテーブル
32 ねじロック装置
33 ガイドロッド
34 圧縮スプリング
51 第1の位置センサー
52 第2の位置センサー
53 反射センサー
54 圧力センサー
55 第3の位置センサー
221 磁石
311 貫通孔
321 電動機
322 スリーブアダプター
323 スリーブ
324 円錐形ガスケット
325 スプリング
326 ボルトソケット孔
327 アダプターソケット孔
328 固定ねじ
329 円錐形底面
C ベルトコンベヤー
G 径方向ギャップ
F フレーム
F1 台座
Fp 推力
T バッテリートレイラック
Tp 加圧プレート
Ts 定圧ボルト