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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084689
(43)【公開日】2024-06-25
(54)【発明の名称】パワーモジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/07 20060101AFI20240618BHJP
【FI】
H01L25/04 C
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023183546
(22)【出願日】2023-10-25
(31)【優先権主張番号】202211602836.X
(32)【優先日】2022-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】502330713
【氏名又は名称】台達電子工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】DELTA ELECTRONICS, INC.
【住所又は居所原語表記】No.252,ShanYing Rd.,Guishan Dist.,Taoyuan City 333,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】翁任賢
(72)【発明者】
【氏名】呉翰林
(72)【発明者】
【氏名】姜俊良
(72)【発明者】
【氏名】李泰廣
(57)【要約】      (修正有)
【課題】基板と、複数の半導体素子と、複数の端子と、パッケージとを含むパワーモジュールにおいて、体積を減少させ、電力密度を高める。
【解決手段】パワーモジュールにおいて、基板2は、第1金属表面20を含み、複数の半導体素子3が第1金属表面上20に設置される。端子40~46の端子方向は、第1金属表面20の底辺に垂直であり、パッケージは第1金属表面20と複数の半導体素子3を覆い、かつ、端子40~46を部分的に覆う。端子40~46は、同じ方向に沿ってパッケージの外に延び、正電圧端子40と、負電圧端子41と、を含み、正電圧端子40の末端は第1金属表面20の第1側辺22の中間位置に貼り付けられ、負電圧端子41の末端は第1金属表面20の第2側辺23の中間位置に貼り付けられ、第1側辺22と第2側辺23は、空間的に互いに対向している。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、複数の半導体素子と、複数の端子と、パッケージとを含むパワーモジュールであって、
前記基板は、第1金属表面を含み、
前記複数の半導体素子は、前記第1金属表面上に設置され、
各前記端子の端子方向は、前記第1金属表面の底辺に垂直であり、
前記パッケージは、前記第1金属表面、前記複数の半導体素子を覆い、各前記端子を部分的に覆い、各前記端子は同じ方向に沿って前記パッケージの外に延び、
前記複数の端子は正電圧端子と負電圧端子とを含み、前記正電圧端子の末端は前記第1金属表面の第1側辺の中間位置に貼り付けられ、前記負電圧端子の末端は前記第1金属表面の第2側辺の中間位置に貼り付けられ、前記第1側辺及び前記第2側辺は、空間的に互いに対向している、パワーモジュール。
【請求項2】
前記複数の半導体素子の数は偶数個であり、前記複数の半導体素子は、前記第1金属表面上にマトリックスを形成するように配列され、
前記マトリックスの中心、前記第1金属表面の第1側辺の中間位置、及び前記第1金属表面の第2側辺の中間位置は、空間的に同じ水平線上にある、請求項1に記載のパワーモジュール。
【請求項3】
前記複数の端子は、前記正電圧端子と前記負電圧端子との間に設置された相電圧端子をさらに含み、
前記相電圧端子の末端は、前記第1金属表面の前記水平線よりも前記底辺に近い位置に貼り付けられる、請求項2に記載のパワーモジュール。
【請求項4】
前記相電圧端子と前記正電圧端子との間の第1距離は、前記相電圧端子と前記負電圧端子との間の第2距離と同じである、請求項3に記載のパワーモジュール。
【請求項5】
前記複数の端子は、前記第1距離内に設置された第1ゲート端子及び第1ソース端子をさらに含み、
前記第1ゲート端子及び前記第1ソース端子の末端は、前記第1金属表面の前記底辺に隣接し、前記第1ゲート端子及び前記第1ソース端子の末端は、少なくとも1つのボンディングワイヤを介して前記第1金属表面に電気的に接続され、
前記パッケージは、前記第1ゲート端子及び前記第1ソース端子の末端を覆う、請求項4に記載のパワーモジュール。
【請求項6】
前記複数の端子は、前記第2距離内に設置された第2ゲート端子及び第2ソース端子をさらに含み、
前記第2ゲート端子及び前記第2ソース端子の末端は、前記第1金属表面の前記底辺に隣接し、前記第2ゲート端子及び前記第2ソース端子の末端は、少なくとも1つのボンディングワイヤを介して前記第1金属表面に電気的に接続され、
前記パッケージは、前記第2ゲート端子及び前記第2ソース端子の末端を覆う、請求項4に記載のパワーモジュール。
【請求項7】
各前記半導体素子は、少なくとも1つのボンディングワイヤを介して前記第1金属表面に電気的に接続され、
前記正電圧端子が電源電流を受信すると、前記電源電流は、前記第1金属表面及び前記少なくとも1つのボンディングワイヤを経て、前記水平線よりも遠い前記半導体素子に流れる、請求項3に記載のパワーモジュール。
【請求項8】
前記電源電流は、前記水平線よりも遠い前記半導体素子を流れた後、前記相電圧端子を経て前記パワーモジュールから流出する、請求項7に記載のパワーモジュール。
【請求項9】
前記電源電流は、前記水平線よりも遠い前記半導体素子を流れた後、前記負電圧端子を経て前記パワーモジュールから流出する、請求項7に記載のパワーモジュール。
【請求項10】
前記負電圧端子が前記電源電流を受信すると、前記電源電流は、前記第1金属表面及び前記少なくとも1つのボンディングワイヤを経て、前記水平線よりも近い前記半導体素子を流れ、
前記電源電流は、前記水平線よりも近い前記半導体素子を流れた後、前記相電圧端子を経て前記パワーモジュールから流出する、請求項7に記載のパワーモジュール。
【請求項11】
前記相電圧端子が前記電源電流を受信すると、前記電源電流は、前記第1金属表面及び前記少なくとも1つのボンディングワイヤを経て、前記水平線よりも近い前記半導体素子を流れ、
前記電源電流は、前記水平線よりも近い前記半導体素子を流れた後、前記負電圧端子を経て前記パワーモジュールから流出する、請求項7に記載のパワーモジュール。
【請求項12】
前記正電圧端子、前記負電圧端子、及び前記相電圧端子は、他の端子より断面積が大きい、請求項3に記載のパワーモジュール。
【請求項13】
前記複数の端子の数は奇数個で、3個以上である、請求項1に記載のパワーモジュール。
【請求項14】
前記基板は、熱伝導性絶縁板と第2金属表面とをさらに含み、
前記第1金属表面は、前記熱伝導性絶縁板の第1面に貼り付けられ、前記第2金属表面は、前記熱伝導性絶縁板の第2面に貼り付けられ、前記第1面と前記第2面は対向しており、前記第2金属表面は前記パッケージから露出する、請求項1に記載のパワーモジュール。
【請求項15】
前記パッケージはエポキシ樹脂で製造される、請求項1に記載のパワーモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パワーモジュール、特に1つの基板上に複数の半導体素子を設置したパワーモジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
既存の充電ステーション設備では、電源変換ユニットに、TO247構造のディスクリート部品を複数使用する必要がある。各TO247構造のディスクリート部品は、1つのMOSFETチップを有し、ディスクリート部品のサイズ及び電力密度は固定されている。
【0003】
各ディスクリート部品のサイズ及び電力密度が固定されているため、上昇する電力需要を満たすための設備は、電力需要が低い従来の設備と比べて、より多くのディスクリート部品を同時に使用して、高電力需要を満たす必要がある。しかし、設備により多くのディスクリート部品を使用すると、体積が増加し、電子部品の数が増えるため、設備内部の放熱がより困難になる。
【0004】
そこで、上記の従来技術を改善できるパワーモジュールをどのように開発するかは、現在急務となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、1つの基板上に複数の半導体素子を設置することにより、従来の多くのディスクリート部品を1つのパワーモジュールに置き換えて、体積を減少させ、電力密度を高める、パワーモジュールを提供することである。さらに、本発明のパワーモジュールの正電圧及び負電圧端子が、それぞれ金属表面の側辺の中間位置に貼り付けられているため、パワーモジュールの構造的安定性が向上し、耐用年数が延長される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の構想によれば、本発明は、基板と、複数の半導体素子と、複数の端子と、パッケージとを含むパワーモジュールを提供する。基板は第1金属表面を含み、複数の半導体素子は第1金属表面上に設置される。各端子の端子方向は第1金属表面の底辺に垂直である。パッケージは、第1金属表面と複数の半導体素子を覆い、各端子を部分的に覆い、各端子は同じ方向に沿ってパッケージの外に延びる。複数の端子は正電圧端子と負電圧端子とを含み、正電圧端子の末端は第1金属表面の第1側辺の中間位置に貼り付けられ、負電圧端子の末端は第1金属表面の第2側辺の中間位置に貼り付けられ、第1側辺と第2側辺は、空間的に互いに対向している。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の好ましい実施形態のパワーモジュールの立体構造概略図である。
図2図1のパワーモジュールの部分立体構造概略図である。
図3図2のパワーモジュールの平面図である。
図4図3のパワーモジュールが電源電流を受信するときの電流の流れを示す概略図である。
図5】本発明の別の好ましい実施形態のパワーモジュールが電源電流を受信するときの電流の流れを示す概略図である。
図6】本発明の別の好ましい実施形態のパワーモジュールが電源電流を受信するときの電流の流れを示す概略図である。
図7図1のパワーモジュールの断面構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の特徴と利点を示すいくつかの典型的な実施形態について、後述の説明において詳細に記述する。本発明は異なる態様において様々な変更を加えることができ、いずれも本発明の範囲から逸脱することなく、かつその説明及び図面は本質的に説明するために用いられものであり、本発明を限定する意図はないことを理解されたい。
【0009】
図1は本発明の好ましい実施形態のパワーモジュール1の立体構造概略図であり、図2図1のパワーモジュール1の部分立体構造概略図であり、図3図2のパワーモジュール1の平面図である。図1図2及び図3に示すように、パワーモジュール1は、基板2、複数の半導体素子3、複数の端子、及びパッケージ5を含む。いくつかの実施形態では、半導体素子3は能動デバイス(active device)であってもよい。実際には、前記能動デバイスは、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、炭化ケイ素(SiC)パワートランジスタ、窒化ガリウム(GaN)パワートランジスタ、カスケード(cascade)構造を有する半導体素子または他の能動デバイスであってもよい。基板2は第1金属表面20を含み、複数の半導体素子3は第1金属表面20上に設置される。いくつかの実施形態では、端子の数は奇数個で、3個以上である。各端子の端子方向は、第1金属表面20の底辺21に垂直である。パッケージ5は、第1金属表面20と複数の半導体素子3を覆い、各端子を部分的に覆い、各端子は同じ方向に沿ってパッケージ5の外に延びる。複数の端子は正電圧端子40及び負電圧端子41を含み、正電圧端子40の末端400は、第1金属表面20の第1側辺22の中間位置(例えば、第1側辺22の中間点であるが、これに限定されない)に貼り付けられ、負電圧端子41の末端410は、第1金属表面20の第2側辺23の中間位置(例えば、第2側辺23の中間点であるが、これに限定されない)に貼り付けられる。正電圧端子40の末端400及び負電圧端子41の末端410が、それぞれ第1側辺22及び第2側辺23の中間位置に貼り付けられているため、パワーモジュール1が組立中に外力の影響を受けると、パワーモジュール1の構造は比較的安定しており、パワーモジュール1の信頼性と耐用年数が向上する。第1側辺22及び第2側辺23は、空間的に互いに対向しており、第1金属表面20の底辺21とともに、第1金属表面20の4辺のうちの3辺を構成している。本発明のパワーモジュール1は、1つの基板上に複数の半導体素子を設置することにより、従来の多くのディスクリート部品を1つのパワーモジュールに置き換えて、体積を減少させ、電力密度を高める。また、本発明のパワーモジュール1の正電圧及び負電圧端子が、それぞれ金属表面の側辺の中間位置に貼り付けられているため、パワーモジュール1の構造的安定性が増加し、耐用年数が延長される。
【0010】
いくつかの実施形態では、正電圧端子40の末端400は2つの半導体素子3の間に設置され、負電圧端子41の末端410は2つの半導体素子3の間に設置される。正電圧端子40及び負電圧端子41の末端400及び410が、それぞれ2つの半導体素子3の間に設置されるため、パワーモジュール1の放熱効果を高めることができる。
【0011】
いくつかの実施形態では、半導体素子3の数は偶数個であり、図1図3に示すパワーモジュール1は、第1金属表面20上にマトリックスを形成するように配列された4つの半導体素子3を含む。マトリックスの中心O、第1側辺22及び第2側辺23の中間位置は、空間的に同じ水平線L上にある。
【0012】
いくつかの実施形態では、複数の端子は、正電圧端子40と負電圧端子41との間に設置された相電圧端子42をさらに含む。相電圧端子42の末端420は第1金属表面20に貼り付けられ、末端420が第1金属表面20に貼り付けられる位置は、水平線Lよりも底辺21に近い。相電圧端子42と正電圧端子40との間の第1距離R1は、相電圧端子42と負電圧端子41との間の第2距離R2と同じである。
【0013】
いくつかの実施形態では、正電圧端子40、負電圧端子41、及び相電圧端子42は同じ断面積を有し、かつ他の端子より断面積が大きいため、正電圧端子40、負電圧端子41、及び相電圧端子42は、パワーモジュール1の外部から入力される電源電流に耐えることができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、複数の端子は、第1ゲート端子43及び第1ソース端子44をさらに含み、第1ゲート端子43及び第1ソース端子44は、第1距離R1内に設置され、すなわち、第1ゲート端子43及び第1ソース端子44は、相電圧端子42と正電圧端子40との間に位置する。第1ゲート端子43の末端430及び第1ソース端子44の末端440は、第1金属表面20の底辺21に隣接し(ここでの隣接とは、近接しているが、接触していないという状態である)、少なくとも1つのボンディングワイヤ6を介して第1金属表面20に電気的に接続される。本発明の複数のボンディングワイヤ6のうち、一部のボンディングワイヤ6は信号伝送に使用され、一部のボンディングワイヤ6は電力伝送に使用される。いくつかの実施形態では、ボンディングワイヤ6の信号は、第1金属表面20上の半導体素子3によって提供される。パッケージ5は、第1ゲート端子43の末端430及び第1ソース端子44の末端440を覆う。なお、図面を簡潔にするために、図面には一部のボンディングワイヤ6のみに符号を付している。
【0015】
いくつかの実施形態では、複数の端子は、第2ゲート端子45及び第2ソース端子46をさらに含み、第2ゲート端子45及び第2ソース端子46は、第2距離R2内に設置され、すなわち、第2ゲート端子45及び第2ソース端子46は、相電圧端子42と負電圧端子41との間に位置する。第2ゲート端子45の末端450及び第2ソース端子46の末端460は、第1金属表面20の底辺21に隣接し(ここでの隣接とは、近接しているが、接触していないという状態である)、少なくとも1つのボンディングワイヤ6を介して第1金属表面20に電気的に接続される。いくつかの実施形態では、ボンディングワイヤ6の信号は、第1金属表面20上の半導体素子3によって提供される。パッケージ5は、第2ゲート端子45の末端450及び第2ソース端子46の末端460を覆う。
【0016】
図4を参照し、図4図3のパワーモジュール1が電源電流を受信するときの電流の流れを示す概略図である。各半導体素子3は、それぞれ少なくとも1つのボンディングワイヤ6を介して第1金属表面20に電気的に接続される。図4において、実線矢印方向は、電源電流が正電圧端子40及び相電圧端子42を経てパワーモジュール1にそれぞれ流入及び流出する方向を表す。正電圧端子40が電源電流を受信すると、電源電流は、第1金属表面20及び少なくとも1つのボンディングワイヤ6を経て、水平線Lよりも遠い半導体素子3(すなわち、水平線Lに対して底辺21とは異なる側にある半導体素子3)を流れ、その後、相電圧端子42を経てパワーモジュール1から流出する。
【0017】
本発明のパワーモジュールの端子設置位置は、図3及び図4に示すパワーモジュール1に限定されない。図5を参照し、図5に示すパワーモジュール1と図4に示すパワーモジュール1との違いは、本実施形態の端子設置位置が異なることにある。図5に示す実施形態では、負電圧端子41は、相電圧端子42と正電圧端子40との間に設置され、第2ゲート端子45及び第2ソース端子46は、正電圧端子40と負電圧端子41との間に位置し、第1ゲート端子43及び第1ソース端子44は、負電圧端子41と相電圧端子42との間に位置する。図5において、実線矢印方向は、電源電流が正電圧端子40及び相電圧端子42を経てパワーモジュール1にそれぞれ流入及び流出する方向を表す。図5に示す実施形態では、電源電流は、水平線Lよりも遠い半導体素子3を流れた後、相電圧端子42を経てパワーモジュール1から流出する。
【0018】
いくつかの実施形態では、電源電流は、相電圧端子42を経てパワーモジュール1に流入し、水平線Lよりも近い半導体素子3(すなわち、水平線Lに対して底辺21と同じ側にある半導体素子3)を流れることができる。電源電流が相電圧端子42を経てパワーモジュール1に流入する実施形態は、それぞれ図4及び図5に例示して説明する。
【0019】
図4及び図5を参照し、図4及び図5において、白抜き矢印方向は、電源電流が相電圧端子42及び負電圧端子41を経てパワーモジュール1にそれぞれ流入及び流出する方向を表す。図4に示す実施形態では、相電圧端子42が電源電流を受信すると、電源電流は、第1金属表面20及び少なくとも1つのボンディングワイヤ6を経て、水平線Lよりも近い半導体素子3を流れ、その後、負電圧端子41を経てパワーモジュール1から流出する。
【0020】
本発明のパワーモジュールの第1金属表面20上のボンディングワイヤ6の接続方式は、図3図4及び図5に示すパワーモジュール1に限定されない。図6を参照し、図6に示すパワーモジュール1と図3図4及び図5に示すパワーモジュール1との違いは、本実施形態のボンディングワイヤ6の接続方式が異なることだけである。異なる実施形態において、ボンディングワイヤ6の接続方式は、半導体素子3と複数の端子との間の配置関係によって異なる。
【0021】
再び図1を参照し、いくつかの実施形態では、パッケージ5は、取り外し可能な上部シーラント50及び下部シーラント51と、2つの固定部品52とを有する。いくつかの実施形態では、上部シーラント50及び下部シーラント51は一体的に形成され、射出成形されたエポキシ樹脂(Epoxy)であり、上部シーラント50及び下部シーラント51はパッケージ5を形成する。いくつかの他の実施形態では、上部シーラント50及び下部シーラント51がパッケージ5を形成した後、2つの固定部品52によって固着され、固定部品52は、例えばロックねじであってもよいが、これに限定されない。
【0022】
図7を参照し、図7図1のパワーモジュール1の断面構造概略図である。本発明の基板2は、熱伝導性絶縁板24と第2金属表面25とをさらに含み、熱伝導性絶縁板24は、対向する第1面240と第2面241とを有し、第1金属表面20は、熱伝導性絶縁板24の第1面240に貼り付けられ、第2金属表面25は、熱伝導性絶縁板24の第2面241に貼り付けられ、パッケージ5から露出する。いくつかの実施形態では、パッケージ5はエポキシ樹脂で製造される。
【0023】
上記のように、本発明は、1つの基板上に複数の半導体素子を設置することにより、従来の多くのディスクリート部品を1つのパワーモジュールに置き換えて、体積を減少させ、電力密度を高める、パワーモジュールを提供する。また、本発明のパワーモジュールの正電圧及び負電圧端子が、それぞれ金属表面の側辺の中間位置に貼り付けられているため、パワーモジュールの構造的安定性が向上し、耐用年数が延長され、正電圧及び負電圧端子の末端が2つの半導体素子の間に設置されるため、パワーモジュールの放熱効果を高めることができる。
【0024】
上記は、本発明を説明するために提案された好ましい実施形態に過ぎず、本発明は、上記の実施形態に限定されず、本発明の範囲は特許出願の範囲によって決定されることに留意されたい。本発明は、当業者なら様々な修正を加えることができるが、特許請求の範囲によって定義される範囲から逸脱することはない。
【符号の説明】
【0025】
1:パワーモジュール
2:基板
20:第1金属表面
21:底辺
22:第1側辺
23:第2側辺
24:熱伝導性絶縁板
240:第1面
241:第2面
25:第2金属表面
3:半導体素子
40:正電圧端子
41:負電圧端子
400、410:末端
42:相電圧端子
420:末端
43:第1ゲート端子
44:第1ソース端子
430、440:末端
45:第2ゲート端子
46:第2ソース端子
450、460:末端
5:パッケージ
50:上部シーラント
51:下部シーラント
52:固定部品
6:ボンディングワイヤ
O:マトリックスの中心
L:水平線
R1:第1距離
R2:第2距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7