(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008469
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】手術用顕微鏡システム、補助撮像装置および術野撮像方法
(51)【国際特許分類】
A61B 90/20 20160101AFI20240112BHJP
A61B 90/25 20160101ALI20240112BHJP
【FI】
A61B90/20
A61B90/25
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022110368
(22)【出願日】2022-07-08
(71)【出願人】
【識別番号】399086263
【氏名又は名称】学校法人帝京大学
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100181722
【弁理士】
【氏名又は名称】春田 洋孝
(72)【発明者】
【氏名】大河内 真之
(57)【要約】
【課題】マイクロサージャリーにおいて術者または手術助手によって保持される手術用器具の位置からの術野の撮像画像を術者に提供することができる手術用顕微鏡システム、補助撮像装置および術野撮像方法を提供する。
【解決手段】少なくとも対物レンズを含む観察光学系を有する手術用顕微鏡本体と、少なくとも撮像部と照明部とを有する補助撮像装置とを備える手術用顕微鏡システムでは、前記補助撮像装置が、術者または手術助手によって保持される手術用器具に接続された状態で術野を撮像する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも対物レンズを含む観察光学系を有する手術用顕微鏡本体と、
少なくとも撮像部と照明部とを有する補助撮像装置とを備える手術用顕微鏡システムであって、
前記補助撮像装置は、術者または手術助手によって保持される手術用器具に接続された状態で、かつ、前記手術用顕微鏡本体とは異なるアングルで術野を撮像する、
手術用顕微鏡システム。
【請求項2】
前記手術用器具には、鑷子が含まれ、
前記手術用顕微鏡システムは、
前記鑷子と前記補助撮像装置とを接続する接続部材を備え、
前記補助撮像装置の前記撮像部は、マイクロサージャリーにおいて吻合される血管の内部の内膜を確認可能な術野を撮像する、
請求項1に記載の手術用顕微鏡システム。
【請求項3】
前記補助撮像装置は、前記撮像部と前記照明部とを収容するハウジング部を有し、
前記接続部材には、前記鑷子の先端側に配置される先端側部材と、前記先端側部材よりも前記鑷子の根元側に配置される根元側部材とが含まれ、
前記先端側部材は、前記ハウジング部に接続されるハウジング部側接続部と、前記鑷子に接続される手術用器具側接続部とを備え、
前記根元側部材は、前記ハウジング部に接続されるハウジング部側接続部と、前記鑷子に接続される手術用器具側接続部とを備える、
請求項2に記載の手術用顕微鏡システム。
【請求項4】
前記鑷子には、術者の親指に当接する第1部分と、術者の人差し指に当接する第2部分とが含まれ、
前記先端側部材の前記手術用器具側接続部と、前記根元側部材の前記手術用器具側接続部とが、前記第1部分に接続される、
請求項3に記載の手術用顕微鏡システム。
【請求項5】
少なくとも対物レンズを含む観察光学系を有する手術用顕微鏡本体を備える手術用顕微鏡システムに備えられる補助撮像装置であって、
前記補助撮像装置は、
少なくとも撮像部と照明部とを有し、
術者または手術助手によって保持される手術用器具に接続された状態で、かつ、前記手術用顕微鏡本体とは異なるアングルで術野を撮像する、
補助撮像装置。
【請求項6】
少なくとも対物レンズを含む観察光学系を有する手術用顕微鏡本体が術野を撮像する第1撮像ステップと、
少なくとも撮像部と照明部とを有する補助撮像装置が、前記手術用顕微鏡本体とは異なるアングルで前記術野を撮像する第2撮像ステップとを備える術野撮像方法であって、
前記補助撮像装置は、術者または手術助手によって保持される手術用器具に接続された状態で前記術野を撮像する、
術野撮像方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手術用顕微鏡システム、補助撮像装置および術野撮像方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、手術用顕微鏡システムについて記載されている。特許文献1に記載された手術用顕微鏡システムには、顕微鏡装置と表示装置とが備えられている。特許文献1に記載された技術では、顕微鏡装置が、観察対象を撮影し映像信号を出力する顕微鏡部と、顕微鏡部を支持しバランスアームとして構成される支持部と、支持部に着脱可能であり顕微鏡部による観察範囲を観察可能に構成される補助観察装置とを有する。また、特許文献1に記載された技術では、補助観察装置は、術者が覗き込む接眼部を有する。
ところで、特許文献1に記載された技術では、補助観察装置が、接眼部を有する例えばルーペであり、術部からかなり離れた位置に配置される。そのため、特許文献1に記載された技術によっては、例えばマイクロサージャリーにおいて術者または手術助手によって保持される手術用器具の位置からの術野の撮像画像などのような、術者が真に求める画像を術者に提供することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した点に鑑み、本発明は、マイクロサージャリーにおいて術者または手術助手によって保持される手術用器具の位置からの術野の撮像画像を術者に提供することができる手術用顕微鏡システム、補助撮像装置および術野撮像方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、少なくとも対物レンズを含む観察光学系を有する手術用顕微鏡本体と、少なくとも撮像部と照明部とを有する補助撮像装置とを備える手術用顕微鏡システムであって、前記補助撮像装置は、術者または手術助手によって保持される手術用器具に接続された状態で、かつ、前記手術用顕微鏡本体とは異なるアングルで術野を撮像する、手術用顕微鏡システムである。
【0006】
本発明の一態様は、少なくとも対物レンズを含む観察光学系を有する手術用顕微鏡本体を備える手術用顕微鏡システムに備えられる補助撮像装置であって、前記補助撮像装置は、少なくとも撮像部と照明部とを有し、術者または手術助手によって保持される手術用器具に接続された状態で、かつ、前記手術用顕微鏡本体とは異なるアングルで術野を撮像する、補助撮像装置である。
【0007】
本発明の一態様は、少なくとも対物レンズを含む観察光学系を有する手術用顕微鏡本体が術野を撮像する第1撮像ステップと、少なくとも撮像部と照明部とを有する補助撮像装置が、前記手術用顕微鏡本体とは異なるアングルで前記術野を撮像する第2撮像ステップとを備える術野撮像方法であって、前記補助撮像装置は、術者または手術助手によって保持される手術用器具に接続された状態で前記術野を撮像する、術野撮像方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、マイクロサージャリーにおいて術者または手術助手によって保持される手術用器具の位置からの術野の撮像画像を術者に提供することができる手術用顕微鏡システム、補助撮像装置および術野撮像方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態の手術用顕微鏡システム1の一例を示す図である。
【
図2】第1実施形態の手術用顕微鏡システム1を用いて行われるマイクロサージャリーにおける微小血管吻合を概念的に示す図である。
【
図3】接続部材13が鑷子ST1に取り付けられた状態の鑷子ST1および接続部材13の一例を示す図である。
【
図4】接続部材13が鑷子ST1に取り付けられた状態の鑷子ST1および接続部材13の一例を示す図である。
【
図5】補助撮像装置12のハウジング部12Cと接続部材13と鑷子ST1とが接続された状態の補助撮像装置12のハウジング部12C、接続部材13および鑷子ST1の一例を示す図である。
【
図6】補助撮像装置12のハウジング部12Cと接続部材13と鑷子ST1とが接続された状態の補助撮像装置12のハウジング部12C、接続部材13および鑷子ST1のうちの鑷子ST1が術者によって保持されてマイクロサージャリーにおける微小血管吻合に用いられる様子を模擬した図である。
【
図7】補助撮像装置12のハウジング部12Cと接続部材13と鑷子ST1とが接続された状態の補助撮像装置12のハウジング部12C、接続部材13および鑷子ST1のうちの鑷子ST1が術者によって保持されてマイクロサージャリーにおける微小血管吻合に用いられる様子を模擬した図である。
【
図8】補助撮像装置12のハウジング部12Cと接続部材13と鑷子ST1とが接続された状態の補助撮像装置12のハウジング部12C、接続部材13および鑷子ST1のうちの鑷子ST1が術者によって保持されてマイクロサージャリーにおける微小血管吻合に用いられる様子を模擬した図である。
【
図9】手術用顕微鏡本体11によって撮像される術野の画像の一例と補助撮像装置12によって撮像される術野の画像の一例とを比較して示す図である。
【
図10】マイクロサージャリーにおいて微小血管吻合が行われる時に術者が必要とする微小血管BLの情報を説明するための図である。
【
図11】第1実施形態の手術用顕微鏡システム1において実行される処理の一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図12】第2実施形態の手術用顕微鏡システム1の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照し、本発明の手術用顕微鏡システム、補助撮像装置および術野撮像方法の実施形態について説明する。
【0011】
[第1実施形態]
図1は第1実施形態の手術用顕微鏡システム1の一例を示す図である。
図1に示す例では、第1実施形態の手術用顕微鏡システム1は、例えばマイクロサージャリーにおいて微小血管吻合の形成外科手術が行われる時に用いられる。
図2は第1実施形態の手術用顕微鏡システム1を用いて行われるマイクロサージャリーにおける微小血管吻合を概念的に示す図である。詳細には、
図2中の円で囲まれた部分は、
図1および
図2に示す手術用顕微鏡本体11によって撮像される術野に含まれる術部(マイクロサージャリーにおいて吻合される2つの微小血管BL等)を示している。
【0012】
図1および
図2に示す例では、第1実施形態の手術用顕微鏡システム1が、手術用顕微鏡本体11と、補助撮像装置12と、接続部材13と、補助表示装置14とを備えている。
第1実施形態の手術用顕微鏡本体11は、例えば下記のURLが示すwebサイトに記載された手術用顕微鏡と同様に構成されている。
https://www.leica-microsystems.com/jp/%E8%A3%BD%E5%93%81%E7%B4%B9%E4%BB%8B/%E6%89%8B%E8%A1%93%E7%94%A8%E9%A1%95%E5%BE%AE%E9%8F%A1/
https://www.medicaltown.net/neurosurgery/product/sms/orbeye/
https://products.awi.co.jp/ja/medical/medical/equipment/id000172
【0013】
図1および
図2に示す例では、手術用顕微鏡本体11が、観察光学系11Aと、表示装置11Bとを有する。観察光学系11Aは、例えば、術野の画像を得る、倍率を変更する、ピントを合わせる等の機能を有する。観察光学系11Aには、例えば対物レンズ11A1、撮像素子11A2等が含まれる。対物レンズ11A1は、マイクロサージャリーにおいて吻合される2つの微小血管BL(
図2参照)等の術部を含む術野に対向して配置される。撮像素子11A2は、対物レンズ11A1を介して観察光学系11Aに入ってきた術野の光をデジタル画像データに変換して出力する。つまり、撮像素子11A2は、対物レンズ11A1を介して術野を撮像する。すなわち、観察光学系11Aは、術野を対物レンズ11A1等の光学系によって投影し、術野の投影像を撮像素子11A2に導く役割を果たす。
【0014】
表示装置11Bは、撮像素子11A2によって生成された術野のデジタル画像データに対応する術野の画像を表示する機能を有する。表示装置11Bは、例えば画像提示部11B1、接眼部11B2、ディスプレイ11B3等を備えている。画像提示部11B1は、撮像素子11A2によって生成された術野のデジタル画像データに対応する術野の画像を、接眼部11B2を介して術者の眼に提示する。ディスプレイ11B3は、撮像素子11A2によって生成された術野のデジタル画像データに対応する術野の画像を表示する。術者は、接眼部11B2を介して術野の画像を確認することができると共に、ディスプレイ11B3を用いて術野の画像を確認することもできる。ディスプレイ11B3は、手術助手、器械出し看護師などが術野の画像を確認するためにも用いられる。
図1に示す例では、手術用顕微鏡本体11がディスプレイ11B3を備えているが、他の例では、手術用顕微鏡本体11がディスプレイ11B3を備えていなくてもよい。
【0015】
図1および
図2に示す例では、補助撮像装置12が、例えば撮像部12A、照明部12B、ハウジング部12C、インタフェース部12D等を有する。
撮像部12Aは、手術用顕微鏡本体11によって撮像される術野に含まれる術部(マイクロサージャリーにおいて吻合される2つの微小血管BL等)を、手術用顕微鏡本体11とは異なるアングルで撮像する。照明部12Bは、撮像部12Aによって撮像される術部に照明光を照射する。ハウジング部12Cは、撮像部12Aおよび照明部12Bを収容する。
インタフェース部12Dは、撮像部12Aによって撮像された術部の画像データを補助表示装置14に伝送する機能を有する。インタフェース部12Dは、例えばUSB(Universal Serial Bus)ケーブル等によって構成される。補助表示装置14は、手術用顕微鏡本体11とは異なるアングルで撮像部12Aによって撮像された術部(マイクロサージャリーにおいて吻合される2つの微小血管BL)の画像を表示する。
図1および
図2に示す例では、USBケーブル等によって構成されるインタフェース部12Dにより、撮像部12Aによって撮像された術部の画像データが補助表示装置14に伝送されるが、他の例では、無線通信機能を有するインタフェース部12Dにより、撮像部12Aによって撮像された術部の画像データが補助表示装置14に伝送されてもよい。
【0016】
図1および
図2に示す例では、術者が、上述したように接眼部11B2を介して術野を確認することができると共に、補助表示装置14を用いることによって手術用顕微鏡本体11とは異なるアングルで術部(マイクロサージャリーにおいて吻合される2つの微小血管BL等)を確認することもできる。
補助撮像装置12は、例えば下記のURLが示すwebサイトに記載されたイヤースコープ、耳かきカメラ等と同様に構成されている。
https://www.amazon.co.jp/dp/B08Y8893B2?tag=sl01tn-22&linkCode=osi&th=1&psc=1
https://www.eselect-ec.jp/category/select/pid/9190
https://buy.sympheia.shop/bellarmine/jdMcJBemeE.html
https://www.biccamera.com/bc/item/5915548/
【0017】
接続部材13は、術者によって保持される手術用器具STと補助撮像装置12とを接続する。
図2に示すように、マイクロサージャリーにおいて微小血管吻合が行われる時には、術者の利き手によって手術用器具STとしての持針器ST2が保持される。持針器ST2は、縫合糸SRが接続された縫合針NDを把持する。
また、マイクロサージャリーにおいて微小血管吻合が行われる時には、術者の非利き手によって手術用器具STとしての鑷子ST1が保持される。鑷子ST1は、クリップCPによって固定されて、縫合糸SRによる縫合が行われる2つの微小血管BLのうちの一方の微小血管BLの把持などを行う。
【0018】
図3および
図4は接続部材13が鑷子ST1に取り付けられた状態の鑷子ST1および接続部材13の一例を示す図である。詳細には、
図3(A)および
図4(A)は鑷子ST1および接続部材13の上側から(つまり、手術用顕微鏡本体11の対物レンズ11A1から)鑷子ST1および接続部材13を見た図に相当し、
図3(B)および
図4(B)は
図3(A)および
図4(A)の下側から鑷子ST1および接続部材13を見た図に相当する。
図3は鑷子ST1および接続部材13の各部分の一例を説明するための図であり、
図4は鑷子ST1および接続部材13の寸法の一例を説明するための図である。
図5は補助撮像装置12のハウジング部12Cと接続部材13と鑷子ST1とが接続された状態の補助撮像装置12のハウジング部12C、接続部材13および鑷子ST1の一例を示す図である。詳細には、
図5(A)は補助撮像装置12のハウジング部12C、接続部材13および鑷子ST1の上側から(つまり、手術用顕微鏡本体11の対物レンズ11A1から)補助撮像装置12のハウジング部12C、接続部材13および鑷子ST1を見た図に相当し、
図5(B)は
図5(A)の下側から補助撮像装置12のハウジング部12C、接続部材13および鑷子ST1を見た図に相当する。
図1~
図5に示す例では、鑷子ST1に、第1部分ST11と、第2部分ST12とが含まれる。第1部分ST11は、術者の非利き手(つまり、術者の両手のうちの持針器ST2を持たない側の手)の親指に対応する部分である。第2部分ST12は、術者の非利き手の人差し指に対応する部分である。
つまり、
図1~
図5に示す例では、術者の右手が利き手であり、術者の左手が非利き手である。
【0019】
図3および
図4に示す例では、第1部分ST11に、先端部ST11Aと、根元部ST11Bと、被保持部ST11Cと、第1取り付け部ST11Dと、第2取り付け部ST11Eとが含まれる。先端部ST11Aは、微小血管BL等を把持する部分である。根元部ST11Bは、例えば溶接等によって鑷子ST1の第2部分ST12に接合される部分である。
つまり、
図3および
図4に示す例では、鑷子ST1が、2つの部材を溶接等によって接合することによって構成される所謂「併式」の鑷子である。
他の例では、鑷子ST1が、1つの部材を折り曲げることによって構成される所謂「折り曲げ式」の鑷子であってもよい。
【0020】
図3および
図4に示す例では、被保持部ST11Cは、先端部ST11Aと根元部ST11Bとの間の部分であって、術者によって保持される部分である。詳細には、被保持部ST11Cは、術者の非利き手の親指に当接する部分である。第1取り付け部ST11Dは、接続部材13の後述する先端側部材13Aが取り付けられる部分である。第2取り付け部ST11Eは、接続部材13の後述する根元側部材13Bが取り付けられる部分である。
第2部分ST12には、先端部ST12Aと、根元部ST12Bと、被保持部ST12Cとが含まれる。先端部ST12Aは、第1部分ST11の先端部ST11Aと協働して微小血管BL等を把持する部分である。根元部ST12Bは、例えば溶接等によって第1部分ST11の根元部ST11Bに接合される部分である。被保持部ST12Cは、被保持部ST12Cは、先端部ST12Aと根元部ST12Bとの間の部分であって、術者によって保持される部分である。詳細には、被保持部ST12Cは、術者の非利き手の人差し指に当接する部分である。
【0021】
また、
図3および
図4に示す例では、接続部材13に、先端側部材13Aと、根元側部材13Bとが含まれる。先端側部材13Aは、先端側部材13Aおよび根元側部材13Bのうちの鑷子ST1の先端側(
図3および
図4の右側)に配置される部材である。根元側部材13Bは、先端側部材13Aよりも鑷子ST1の根元側(
図3および
図4の左側)に配置される部材である。
先端側部材13Aは、ハウジング部側接続部13A1と、手術用器具側接続部13A2とを備えている。
手術用器具側接続部13A2は、鑷子ST1の第1部分ST11の第1取り付け部ST11Dに取り付けられる部分である。
図3および
図4に示すように、手術用器具側接続部13A2は、先端側部材13Aを構成する板状の部材の一部を折り曲げることによって構成されている。
図3および
図4に示す例では、手術用器具側接続部13A2を鑷子ST1の第1部分ST11の第1取り付け部ST11Dに対して加締めることによって、先端側部材13Aの手術用器具側接続部13A2と鑷子ST1の第1部分ST11とが接続される。
他の例では、先端側部材13Aの手術用器具側接続部13A2が、
図3および
図4に示す例とは異なる形状を有していてもよく、
図3および
図4に示す例とは異なる手法(例えば接着、溶着、溶接、圧入など)によって、先端側部材13Aと鑷子ST1とが接続されてもよい。
【0022】
図3および
図4に示す例では、ハウジング部側接続部13A1が、補助撮像装置12のハウジング部12Cに接続される部分である。
図3、
図4および
図5に示すように、ハウジング部側接続部13A1は、概略U字形状であって、補助撮像装置12のハウジング部12Cの概略円筒形状の外側表面と相補形状を有する。
図3、
図4および
図5に示す例では、補助撮像装置12のハウジング部12Cを先端側部材13Aのハウジング部側接続部13A1に圧入することによって、補助撮像装置12のハウジング部12Cと先端側部材13Aとが接続される。
他の例では、先端側部材13Aのハウジング部側接続部13A1が、
図3、
図4および
図5に示す例とは異なる形状を有していてもよく、
図3、
図4および
図5に示す例とは異なる手法(例えば接着、溶着、溶接、加締め等)によって、先端側部材13Aと補助撮像装置12のハウジング部12Cとが接続されてもよい。
【0023】
図3および
図4に示す例では、根元側部材13Bが、ハウジング部側接続部13B1と、手術用器具側接続部13B2とを備えている。
手術用器具側接続部13B2は、鑷子ST1の第1部分ST11の第2取り付け部ST11Eに取り付けられる部分である。
図3および
図4に示すように、手術用器具側接続部13B2は、根元側部材13Bを構成する板状の部材の一部を折り曲げることによって構成されている。
図3および
図4に示す例では、手術用器具側接続部13B2を鑷子ST1の第1部分ST11の第2取り付け部ST11Eに対して加締めることによって、根元側部材13Bの手術用器具側接続部13B2と鑷子ST1の第1部分ST11とが接続される。
他の例では、根元側部材13Bの手術用器具側接続部13B2が、
図3および
図4に示す例とは異なる形状を有していてもよく、
図3および
図4に示す例とは異なる手法(例えば接着、溶着、溶接、圧入など)によって、根元側部材13Bと鑷子ST1とが接続されてもよい。
【0024】
図3および
図4に示す例では、ハウジング部側接続部13B1が、補助撮像装置12のハウジング部12Cに接続される部分である。
図3、
図4および
図5に示すように、ハウジング部側接続部13A1は、概略U字形状である。
図3、
図4および
図5に示す例では、上述したように補助撮像装置12のハウジング部12Cを先端側部材13Aのハウジング部側接続部13A1に圧入することによって、補助撮像装置12のハウジング部12Cが、根元側部材13Bのハウジング部側接続部13B1に突き当てられる(つまり、接続される)。
他の例では、根元側部材13Bのハウジング部側接続部13B1が、
図3、
図4および
図5に示す例とは異なる形状を有していてもよく、補助撮像装置12のハウジング部12Cが根元側部材13Bのハウジング部側接続部13B1に突き当てられる
図3、
図4および
図5に示す例とは異なり、例えば接着、溶着、溶接、圧入、加締め等によって、補助撮像装置12のハウジング部12Cと根元側部材13Bのハウジング部側接続部13B1とが結合(固定)されてもよい。
【0025】
図6~
図8は補助撮像装置12のハウジング部12Cと接続部材13と鑷子ST1とが接続された状態の補助撮像装置12のハウジング部12C、接続部材13および鑷子ST1のうちの鑷子ST1が術者によって保持されてマイクロサージャリーにおける微小血管吻合に用いられる様子を模擬した図である。
図6~
図8に示す例では、補助撮像装置12は、術者によって保持される手術用器具STとしての鑷子ST1に接続された状態で、かつ、手術用顕微鏡本体11とは異なるアングルで術野を撮像する。
【0026】
図9は手術用顕微鏡本体11によって撮像される術野の画像の一例と補助撮像装置12によって撮像される術野の画像の一例とを比較して示す図である。詳細には、
図9(A)は手術用顕微鏡本体11によって撮像される術野の画像の一例を示しており、
図9(B)は補助撮像装置12によって撮像される術野の画像の一例を示している。
図9(A)に示すように、マイクロサージャリーにおいて吻合される2つの微小血管BLの中心軸線は、手術用顕微鏡本体11の観察光学系11Aの対物レンズ11A1の光軸に概略垂直な向き(
図9(A)の左右方向)に延びている。そのため、術者は、
図9(A)に示す手術用顕微鏡本体11によって撮像される術野の画像のみを用いることによっては、マイクロサージャリーにおいて吻合される微小血管BLの内部を詳細に把握することができない。
図9(B)に示すように、マイクロサージャリーにおいて吻合される2つの微小血管BLの中心軸線は、補助撮像装置12の撮像部12Aの光軸と小さい鋭角(例えば30°より小さい鋭角)をなす。そのため、術者は、
図9(B)に示すように、マイクロサージャリーにおいて吻合される2つの微小血管BLのうちの補助撮像装置12の撮像部12Aに対向する微小血管BL(
図9(A)に示す2つの微小血管BLのうちの
図9(A)の右側の微小血管BL)の端部を、鑷子ST1の第1部分ST11および第2部分ST12により広げた状態で補助撮像装置12によって撮像される術野の画像(つまり、
図9(B)に示す術野の画像)を用いることにより、補助撮像装置12の撮像部12Aに対向する微小血管BL(
図9(B)に示す微小血管BL)の内部を詳細に把握することができる。
【0027】
図10はマイクロサージャリーにおいて微小血管吻合が行われる時に術者が必要とする微小血管BLの情報を説明するための図である。詳細には、
図10(A)は内膜が剥離していない微小血管BLの断面を示しており、
図10(B)は内膜が剥離している微小血管BLの断面を示している。
図10(B)に示すように、マイクロサージャリーにおいて吻合される微小血管BLの端部(つまり、微小血管BLのうちの縫合糸SRによって縫合される部分)の内膜が剥離している場合、術者は、マイクロサージャリーにおいて微小血管吻合が行われた後に、剥離している内膜が原因となって微小血管BLに血栓が形成されてしまうことを回避するための処置(具体的には、剥離している内膜を縫合糸SRによって微小血管BLの内壁に押さえつける処置)を行う必要がある。術者は、そのような処置を行う必要があるか否かを判断するために、マイクロサージャリーにおいて吻合される微小血管BLの端部の内膜が剥離しているか否かの情報を必要とする。
ところが、上述したように、マイクロサージャリーにおいて吻合される2つの微小血管BLの中心軸線が、手術用顕微鏡本体11の観察光学系11Aの対物レンズ11A1の光軸に概略垂直な向き(
図9(A)の左右方向)に延びているため、術者は、
図9(A)に示す手術用顕微鏡本体11によって撮像される術野の画像のみを用いることによっては、マイクロサージャリーにおいて吻合される微小血管BLの端部の内部を詳細に把握することができず、微小血管BLの端部の内膜が剥離しているか否かの情報を得ることが困難であった。
【0028】
そこで、第1実施形態の手術用顕微鏡システム1では、
図9(B)に示すように、補助撮像装置12の撮像部12Aが、マイクロサージャリーにおいて吻合される微小血管BLの端部の内部の内膜を確認可能な術野を撮像する。そのため、第1実施形態の手術用顕微鏡システム1によれば、鑷子ST1の位置から見た、マイクロサージャリーにおいて吻合される微小血管BLの端部の内部の内膜を確認可能な
図9(B)に示す術野の画像を術者に提供することができる。
【0029】
更に、第1実施形態の手術用顕微鏡システム1では、
図6~
図8に示すように、先端側部材13Aの手術用器具側接続部13A2と、根元側部材13Bの手術用器具側接続部13B2とが、鑷子ST1の第1部分ST11および第2部分ST12のうちの、術者の非利き手の親指に当接する第1部分ST11に接続される。つまり、補助撮像装置12の撮像部12Aが、鑷子ST1の第1部分ST11および第2部分ST12のうちの、術者の非利き手の親指に当接する第1部分ST11に接続部材13を介して接続される。
そのため、第1実施形態の手術用顕微鏡システム1によれば、術者が人差し指を親指側に動かすことによって鑷子ST1の第2部分ST12の先端部ST12Aを動かす時に撮像部12Aによって撮像される術野の画像の揺れを抑制することができる。
【0030】
図11は第1実施形態の手術用顕微鏡システム1において実行される処理の一例を説明するためのシーケンス図である。
図11に示す例では、ステップS11において、手術用顕微鏡本体11の観察光学系11Aが、
図9(A)に示すような術野を撮像する。
次いで、ステップS12では、手術用顕微鏡本体11の表示装置11Bが、ステップS11において撮像された術野の画像を表示する。
【0031】
図11に示す例では、ステップS11およびステップS12に並行して、ステップS13~ステップS15が実行される。
詳細には、ステップS13では、補助撮像装置12が術者によって保持される鑷子ST1に接続された状態で、補助撮像装置12の撮像部12Aが、
図9(B)に示すような術野を撮像する。つまり、補助撮像装置12の撮像部12Aは、
図9(A)に示すようなアングルとは異なるアングルで術野を撮像する。
次いで、ステップS14では、補助撮像装置12のインタフェース部12Dが、ステップS13において撮像された術野の画像データを補助表示装置14に伝送する。
次いで、ステップS15では、補助表示装置14が、ステップS13において撮像された術野の画像を表示する。
術者は、ステップS12において表示される術野の画像と、ステップS15において表示される術野の画像とを使い分けて、マイクロサージャリーにおける微小血管吻合を行う。
【0032】
上述したように、第1実施形態の手術用顕微鏡システム1では、補助撮像装置12が、術者によって保持される鑷子ST1に接続された状態で、かつ、手術用顕微鏡本体11とは異なるアングルで術野を撮像する。
そのため、第1実施形態の手術用顕微鏡システム1では、マイクロサージャリーにおいて術者によって保持される鑷子ST1の位置からの術野の撮像画像を術者に提供することができる。
【0033】
[第2実施形態]
以下、本発明の手術用顕微鏡システム、補助撮像装置および術野撮像方法の第2実施形態について説明する。
第2実施形態の手術用顕微鏡システム1は、後述する点を除き、上述した第1実施形態の手術用顕微鏡システム1と同様に構成されている。従って、第2実施形態の手術用顕微鏡システム1によれば、後述する点を除き、上述した第1実施形態の手術用顕微鏡システム1と同様の効果を奏することができる。
【0034】
図12は第2実施形態の手術用顕微鏡システム1の一例を示す図である。
図12に示す例では、第2実施形態の手術用顕微鏡システム1は、第1実施形態の手術用顕微鏡システム1と同様に、例えばマイクロサージャリーにおいて微小血管吻合が行われる時に用いられる。
【0035】
図12に示す例では、第2実施形態の手術用顕微鏡システム1が、手術用顕微鏡本体11と、補助撮像装置12と、接続部材13と、補助表示装置14とを備えている。
第2実施形態の手術用顕微鏡本体11は、例えば下記のURLが示すwebサイトに記載された手術用顕微鏡と同様に構成されている。
https://topconhealthcare.jp/ja/wp-content/uploads/sites/25/2020/08/OMS-90_Brochure_E343_Rev1.pdf
https://www.medicalexpo.com/ja/prod/dre-medical/product-76042-733911.html
【0036】
図12に示す例では、手術用顕微鏡本体11が、観察光学系11Aを有する。観察光学系11Aには、例えば対物レンズ11A1、接眼レンズ11A3等が含まれる。対物レンズ11A1は、マイクロサージャリーにおいて吻合される2つの微小血管BL(
図2参照)等の術部を含む術野に対向して配置される。接眼レンズ11A3は、対物レンズ11A1によって拡大された像を更に拡大する機能を有する。術者は、接眼レンズ11A3を介して術野の画像を確認することができる。
【0037】
図12に示す例では、術者が、接眼レンズ11A3を介して術野を確認することができると共に、補助表示装置14を用いることによって手術用顕微鏡本体11とは異なるアングルで術部(マイクロサージャリーにおいて吻合される2つの微小血管BL等)を確認することもできる。
【0038】
第2実施形態の手術用顕微鏡システム1では、第1実施形態の手術用顕微鏡システム1と同様に、補助撮像装置12の撮像部12Aが、マイクロサージャリーにおいて吻合される微小血管BLの端部の内部の内膜を確認可能な術野を撮像する。そのため、第2実施形態の手術用顕微鏡システム1によれば、第1実施形態の手術用顕微鏡システム1と同様に、鑷子ST1の位置から見た、マイクロサージャリーにおいて吻合される微小血管BLの端部の内部の内膜を確認可能な
図9(B)に示す術野の画像を術者に提供することができる。
【0039】
更に、第2実施形態の手術用顕微鏡システム1では、第1実施形態の手術用顕微鏡システム1と同様に、先端側部材13Aの手術用器具側接続部13A2と、根元側部材13Bの手術用器具側接続部13B2とが、鑷子ST1の第1部分ST11および第2部分ST12のうちの、術者の非利き手の親指に当接する第1部分ST11に接続される。つまり、補助撮像装置12の撮像部12Aが、鑷子ST1の第1部分ST11および第2部分ST12のうちの、術者の非利き手の親指に当接する第1部分ST11に接続部材13を介して接続される。
そのため、第2実施形態の手術用顕微鏡システム1によれば、第1実施形態の手術用顕微鏡システム1と同様に、術者が人差し指を親指側に動かすことによって鑷子ST1の第2部分ST12の先端部ST12Aを動かす時に撮像部12Aによって撮像される術野の画像の揺れを抑制することができる。
【0040】
また、第2実施形態の手術用顕微鏡システム1では、第1実施形態の手術用顕微鏡システム1と同様に、補助撮像装置12が、術者によって保持される鑷子ST1に接続された状態で、かつ、手術用顕微鏡本体11とは異なるアングルで術野を撮像する。
そのため、第2実施形態の手術用顕微鏡システム1では、第1実施形態の手術用顕微鏡システム1と同様に、マイクロサージャリーにおいて術者によって保持される鑷子ST1の位置からの術野の撮像画像を術者に提供することができる。
【0041】
[第3実施形態]
以下、本発明の手術用顕微鏡システム、補助撮像装置および術野撮像方法の第3実施形態について説明する。
第3実施形態の手術用顕微鏡システム1は、後述する点を除き、上述した第1実施形態の手術用顕微鏡システム1と同様に構成されている。従って、第3実施形態の手術用顕微鏡システム1によれば、後述する点を除き、上述した第1実施形態の手術用顕微鏡システム1と同様の効果を奏することができる。
【0042】
第3実施形態の手術用顕微鏡システム1の一例では、第3実施形態の手術用顕微鏡システム1は、マイクロサージャリーにおいて微小血管吻合以外の顕微鏡下手術(例えば神経の縫合、リンパ管の修復など)が行われる時に用いられる。
【0043】
第3実施形態の手術用顕微鏡システム1の一例では、術者が、接眼レンズ11A3を介して術野を確認することができると共に、補助表示装置14を用いることによって手術用顕微鏡本体11とは異なるアングルで術部(マイクロサージャリーにおいて吻合される2つの神経、リンパ管など)を確認することもできる。
【0044】
第3実施形態の手術用顕微鏡システム1では、第1実施形態の手術用顕微鏡システム1と同様に、先端側部材13Aの手術用器具側接続部13A2と、根元側部材13Bの手術用器具側接続部13B2とが、鑷子ST1の第1部分ST11および第2部分ST12のうちの、術者の非利き手の親指に当接する第1部分ST11に接続される。つまり、補助撮像装置12の撮像部12Aが、鑷子ST1の第1部分ST11および第2部分ST12のうちの、術者の非利き手の親指に当接する第1部分ST11に接続部材13を介して接続される。
そのため、第3実施形態の手術用顕微鏡システム1によれば、第1実施形態の手術用顕微鏡システム1と同様に、術者が人差し指を親指側に動かすことによって鑷子ST1の第2部分ST12の先端部ST12Aを動かす時に撮像部12Aによって撮像される術野の画像の揺れを抑制することができる。
【0045】
また、第3実施形態の手術用顕微鏡システム1では、第1実施形態の手術用顕微鏡システム1と同様に、補助撮像装置12が、術者によって保持される鑷子ST1に接続された状態で、かつ、手術用顕微鏡本体11とは異なるアングルで術野を撮像する。
そのため、第3実施形態の手術用顕微鏡システム1では、第1実施形態の手術用顕微鏡システム1と同様に、マイクロサージャリーにおいて術者によって保持される鑷子ST1の位置からの術野の撮像画像を術者に提供することができる。
【0046】
[第4実施形態]
以下、本発明の手術用顕微鏡システム、補助撮像装置および術野撮像方法の第4実施形態について説明する。
第4実施形態の手術用顕微鏡システム1は、後述する点を除き、上述した第1実施形態の手術用顕微鏡システム1と同様に構成されている。従って、第4実施形態の手術用顕微鏡システム1によれば、後述する点を除き、上述した第1実施形態の手術用顕微鏡システム1と同様の効果を奏することができる。
【0047】
第4実施形態の手術用顕微鏡システム1の一例では、第4実施形態の手術用顕微鏡システム1は、任意の顕微鏡下手術(例えば形成外科手術、脳外科手術、整形外科手術、眼科手術、歯科手術、獣医外科手術など)が行われる時に用いられる。
【0048】
第4実施形態の手術用顕微鏡システム1の一例では、撮像部12Aが、手術用顕微鏡本体11によって撮像される術野に含まれる術部を、手術用顕微鏡本体11とは異なるアングルで撮像する。そのため、術者は、接眼部11B2を介して術野を確認することができると共に、補助表示装置14を用いることによって手術用顕微鏡本体11とは異なるアングルで術部を確認することもできる。
【0049】
第4実施形態の手術用顕微鏡システム1の一例では、接続部材13が、術者によって保持される手術用器具ST(手術用器具STが、鑷子ST1以外の手術用器具STであってもよい。)と補助撮像装置12とを接続する。
【0050】
第4実施形態の手術用顕微鏡システム1では、補助撮像装置12が、術者によって保持される手術用器具STに接続された状態で、かつ、手術用顕微鏡本体11とは異なるアングルで術野を撮像する。
そのため、第4実施形態の手術用顕微鏡システム1では、顕微鏡下手術(マイクロサージャリー)において術者によって保持される手術用器具STの位置からの術野の撮像画像を術者に提供することができる。
【0051】
[第5実施形態]
以下、本発明の手術用顕微鏡システム、補助撮像装置および術野撮像方法の第5実施形態について説明する。
第5実施形態の手術用顕微鏡システム1は、後述する点を除き、上述した第1実施形態の手術用顕微鏡システム1と同様に構成されている。従って、第5実施形態の手術用顕微鏡システム1によれば、後述する点を除き、上述した第1実施形態の手術用顕微鏡システム1と同様の効果を奏することができる。
【0052】
第5実施形態の手術用顕微鏡システム1の一例では、第5実施形態の手術用顕微鏡システム1は、任意の顕微鏡下手術(例えば形成外科手術、脳外科手術、整形外科手術、眼科手術、歯科手術、獣医外科手術など)が行われる時に用いられる。
【0053】
第5実施形態の手術用顕微鏡システム1の一例では、撮像部12Aが、手術用顕微鏡本体11によって撮像される術野に含まれる術部を、手術用顕微鏡本体11とは異なるアングルで撮像する。そのため、術者は、接眼部11B2を介して術野を確認することができると共に、補助表示装置14を用いることによって手術用顕微鏡本体11とは異なるアングルで術部を確認することもできる。
【0054】
第5実施形態の手術用顕微鏡システム1の一例では、接続部材13が、手術助手によって保持される手術用器具ST(例えば鉤など)と補助撮像装置12とを接続する。
【0055】
第5実施形態の手術用顕微鏡システム1では、補助撮像装置12が、手術助手によって保持される手術用器具STに接続された状態で、かつ、手術用顕微鏡本体11とは異なるアングルで術野を撮像する。
そのため、第5実施形態の手術用顕微鏡システム1では、顕微鏡下手術(マイクロサージャリー)において手術助手によって保持される手術用器具STの位置からの術野の撮像画像を術者に提供することができる。
【0056】
<第1~第5実施形態の手術用顕微鏡システム1の適用例>
手術用顕微鏡本体11によって撮像される術野の画像および撮像部12Aによって撮像される術野の画像を手術支援ロボットに提供することによって、手術支援ロボットが適切に動作する安全なロボット支援下手術を実現することができる。
手術用顕微鏡本体11によって撮像される術野の画像および撮像部12Aによって撮像される術野の画像を、微小血管吻合術のトレーニングに適用することによって、微小血管吻合術の習熟および指導を容易にすることができる。
【0057】
以上、本発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。上述した各実施形態および各例に記載の構成を組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0058】
1…手術用顕微鏡システム、11…手術用顕微鏡本体、11A…観察光学系、11A1…対物レンズ、11A2…撮像素子、11B…表示装置、11B1…画像提示部、11B2…接眼部、11B3…ディスプレイ、11A…観察光学系、11A1…対物レンズ、11A3…接眼レンズ、12…補助撮像装置、12A…撮像部、12B…照明部、12C…ハウジング部、12D…インタフェース部、14…補助表示装置、13…接続部材、13A…先端側部材、13A1…ハウジング部側接続部、13A2…手術用器具側接続部、13B…根元側部材、13B1…ハウジング部側接続部、13B2…手術用器具側接続部、ST…手術用器具、ST1…鑷子、ST11…第1部分、ST11A…先端部、ST11B…根元部、ST11C…被保持部、ST11D…第1取り付け部、ST11E…第2取り付け部、ST12…第2部分、ST12A…先端部、ST12B…根元部、ST12C…被保持部、ST2…持針器、CP…クリップ、SR…縫合糸、ND…縫合針、BL…微小血管