(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084693
(43)【公開日】2024-06-25
(54)【発明の名称】時計コンポーネント、時計歯車セット、磁性ガンギ車、及び時計コンポーネントを製造する方法
(51)【国際特許分類】
G04B 15/14 20060101AFI20240618BHJP
【FI】
G04B15/14 B
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023186520
(22)【出願日】2023-10-31
(31)【優先権主張番号】22213223.5
(32)【優先日】2022-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】506425538
【氏名又は名称】ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】ディ ドメニコ、 ジャンニ
(72)【発明者】
【氏名】ルショト、 ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】クーザン、 ピエール
(72)【発明者】
【氏名】ガンデルマン、 アレックス
(72)【発明者】
【氏名】リバット、 ニコラス
(57)【要約】 (修正有)
【課題】時計コンポーネントを提供する。
【解決手段】時計コンポーネント10は、第1キャビティ111及び第2キャビティ112を備える本体110を有する第1部品11を含み、第2キャビティは、係合によって第2部品12を受容し、第1キャビティと第2キャビティとは、第1キャビティから第2キャビティまでの接着剤の毛管流を許容するように構成される毛管流路を介して互いに接続される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
時計コンポーネント(10)であって、
第1キャビティ及び第2キャビティ(111、112)を備える本体(110)を有する第1部品(11)を含み、前記第2キャビティ(112)は、係合によって第2部品(12)を受容し、前記第1キャビティ(111)と前記第2キャビティ(112)とは、前記第1キャビティ(111)から前記第2キャビティまでの接着剤の毛管流を許容するように構成される毛管流路を介して互いに接続されることを特徴とする、時計コンポーネント(10)。
【請求項2】
前記本体(110)は、第2キャビティと同じ数の第1キャビティを有する、請求項1に記載の時計コンポーネント(10)。
【請求項3】
前記本体(110)は、第2キャビティよりも少ない数の第1キャビティを有する、請求項1に記載の時計コンポーネント(10)。
【請求項4】
各第1キャビティ(111)が、固有の毛管流路(13)を介して一の第2キャビティ(112)に接続される、請求項1に記載の時計コンポーネント(10)。
【請求項5】
一以上の前記第1キャビティ、一以上の前記第2キャビティ、及び前記毛管流路(13)は貫通してはいない、請求項1に記載の時計コンポーネント(10)。
【請求項6】
一以上の前記第1キャビティ、一以上の前記第2キャビティ、及び前記毛管流路(13)は貫通している、請求項1に記載の時計コンポーネント(10)。
【請求項7】
前記本体(110)は、前記第2部品(12)に弾性的な締め付け力を及ぼすべく前記第2キャビティ(112)又は各第2キャビティ(112)において弾性的に変形可能である、請求項6に記載の時計コンポーネント(10)。
【請求項8】
時計歯車セットであって、
前記時計歯車セットは請求項1に記載の時計コンポーネント(10)によって形成され、前記時計歯車セットは、前記第1部品(11)の周縁に配列されて前記歯車セットの回転軸まわりに均等に分散されるいくつかの第2キャビティを含み、前記第2部品(12)は磁石によって形成されることを特徴とする、時計歯車セット。
【請求項9】
前記第1部品(11)の前記本体(110)がリム(14)を含み、前記リム(14)からは放射状平面に複数の歯(15)が延び、各歯(15)は、前記第2キャビティ(112)が配列される自由端を含み、前記第1キャビティ(111)は前記リム(14)に配列される、請求項8に記載の時計歯車セット。
【請求項10】
前記本体(110)は非磁性材料から作られる、請求項1に記載の時計歯車セット。
【請求項11】
前記本体(110)はシリコンから作られ、酸化シリコン被覆物を有する、請求項10に記載の時計歯車セット。
【請求項12】
請求項8に記載の時計歯車セットから形成される磁性ガンギ車。
【請求項13】
時計コンポーネント(10)を製造する方法であって、
・第1部品(11)の本体(110)を、毛管流路(13)を介して互いに接続される第1キャビティ(111)及び第2キャビティ(112)を含むように生成するステップと、
・第2部品(12)を、前記第2キャビティ(112)の形状と相補的な形状を有するように生成するステップと、
・前記第2部品(12)を前記第2キャビティ(112)に係合させるステップと、
・前記第1キャビティ(111)に接着剤を、前記毛管流路(13)を通って前記第2キャビティ(112)へと毛管作用によって流れるように堆積させるステップと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時計コンポーネントの分野に関し、詳しくは、2部品のアセンブリから得られる時計コンポーネントと同コンポーネントの製造方法に関する。
【0002】
詳しくは、時計コンポーネントは時計歯車セットを形成し、さらに詳しくはガンギ車(escape wheel)を形成する。
【0003】
本発明は特に、磁気パレットレバーと磁気的に協働することができる磁気ガンギ車を与えることに適している。
【背景技術】
【0004】
時計産業において、コンポーネントの製造は、その寸法が小さいために複雑となることが多い。詳しくは、コンポーネントが一定数の部品を組み立てることによって製造される場合、これらの部品が適切に一緒に保持されることと、コンポーネントが製造公差に適合することとを確実にするべく、これらの部品を繰り返し可能な方法で互いに強固に接続することは、特に複雑となる。
【0005】
詳しくは、例えば、いくつかの時計ムーブメントは、摩擦ひいては関連するエネルギー損失を最小限にするべく、磁気システム、すなわち磁気相互作用により互いに協働するコンポーネントを実装するサブアセンブリ、を含む。
【0006】
例えば、特許文献1は、磁石を含む磁気ガンギ車セットを含む磁気脱進機構を記載する。
【0007】
これらのデバイスを実装するときの困難の一つが、磁石を含む歯車セットの構築にある。詳しくは、磁石のサイズがほんの千分の数十ミリメートルなので、その取り付けが複雑なタスクとなる。
【0008】
本発明は、この欠点を克服するソリューションを提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】欧州特許出願公開第3208667(A1)号公報
【発明の概要】
【0010】
この目的に向けて、本発明は、第1キャビティ及び第2キャビティを備える本体を有する第1部品を含む時計コンポーネントに関する。前記第2キャビティは、係合によって第2部品を受容し、前記第1キャビティと前記第2キャビティとは、第1キャビティから第2キャビティまでの接着剤の毛管流を許容するように構成される毛管流路を介して互いに接続される。第2部分はそれゆえ、接着剤の接合によって第2キャビティの中に装着される。留意すべきことだが、第1キャビティは、接着剤の堆積を容易にするように設計される。詳しくは、その寸法が、接着剤を堆積するべく使用されるツールに適合される。
【0011】
特定実施形態において、本発明はさらに、以下の特徴の一以上を含み得る。これらの特徴は、単独で、又は技術的に可能な任意の組み合わせに従って考慮する必要がある。
【0012】
特定実施形態において、本体は、第2キャビティと同じ数の第1キャビティを有する。
【0013】
特定実施形態において、本体は、第2キャビティよりも少ない数の第1キャビティを有する。
【0014】
特定実施形態において、各第1キャビティが毛管流路を介して固有の第2キャビティに接続される。
【0015】
特定実施形態において、一以上の第1キャビティ、一以上の第2キャビティ、及び毛管流路は貫通してはいない。
【0016】
特定実施形態において、一以上の第1キャビティ、一以上の第2キャビティ、及び毛管流路は貫通している。
【0017】
特定実施形態において、本体は、第2部分に弾性的な締め付け力を及ぼすべく当該第2キャビティ又は各第2キャビティにおいて弾性的に変形可能である。
【0018】
本発明の他の目的は、上述した時計コンポーネントにより形成される時計歯車セットを与えることである。前記時計歯車セットは、第1部品の周縁に配列されて前記歯車セットの回転軸まわりに均等に分散されるいくつかの第2キャビティを含み、この第2部品は磁石によって形成される。
【0019】
特定実施形態において、本体は非磁性材料から作られる。
【0020】
特定実施形態において、本体はシリコンから作られ、酸化シリコン被覆物を有する。
【0021】
特定実施形態において、第1部品の本体はリムを含む。リムからは放射状平面に複数の歯が延び、各歯は、第2キャビティが配列される自由端を有する。第1キャビティはリムに配列される。
【0022】
本発明の他の目的は、上述した時計歯車セットによって形成される磁気ガンギ車を与えることである。
【0023】
さらに、本発明の他側面は、時計コンポーネントを製造する方法であって、
・第1部品の本体を、毛管流路を介して互いに接続される第1キャビティ及び第2キャビティを含むように生成するステップと、
・第2部品を、第2キャビティの形状と相補的な形状を有するように生成するステップと、
・第2部品を第2キャビティに係合させるステップと、
・第1キャビティに接着剤を、毛管流路を通って第2キャビティの中へと毛管作用によって流れるように堆積させるステップと
を含む方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明のさらなる特徴及び利点が、非限定的な例を介して添付図面を参照して与えられる以下の詳細な説明を読むことで明らかになる。
【
図1】本発明の好ましい例示の実施形態に係る磁気歯車セットの上面図を、前記歯車セットの歯の詳細図とともに模式的に示す。
【0025】
明確性を目的として図面が必ずしも縮尺どおりには描かれないことに留意すべきである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図面から、詳しくは
図1における詳細図からわかるように、本発明は、少なくとも一つの第1キャビティ111及び少なくとも一つの第2キャビティ112を備える本体110を有する第1部品11を含む時計コンポーネント10に関する。当該第2キャビティ又は各第2キャビティ112が、係合によって第2部品12を受容する。
【0027】
以下において、本発明は、単一の第1キャビティ111及び単一の第2キャビティ112を参照して記載され、本記載の読解及び理解が単純化される。しかしながら、上述したように、時計コンポーネント10が一以上の第1キャビティ111と、それぞれが係合により第2部品12を受容する一以上の第2キャビティ112とを含み得ることに留意すべきである。
【0028】
第2キャビティ112と第2部品12とは相補的な形状を有することにより、機械的な遊びあり又はなしでの相互連動、すなわち嵌合、関係において互いに協働し合うように適合される。
【0029】
第1キャビティ111と第2キャビティ112とは、第1キャビティ111から第2キャビティ112への接着剤の毛管流を許容する毛管流路13を介して互いに接続される。この特徴により、第2部品12を第1部品11に、簡単、迅速かつ繰り返し可能な態様で接着剤によって装着することが可能となる。
【0030】
実際のところ、第2部品12を第1部品11の本体110に装着することが、接着剤を、毛管流路13を通って第2キャビティ112まで毛管作用によって流れることができるように簡単に第1キャビティ111に堆積しなければならない点で大幅に簡略化される。ここで理解すべきなのは、ひとたび接着剤が第2キャビティ112まで流れると、接着剤の膜が第2部品12と第1部品11との間に形成され、詳しくは、第2部品12と、前記第2部品12が面する第2キャビティ112の壁との間に、毛管現象という同じ物理現象のおかげで形成されることである。
【0031】
留意すべきことだが、当業者は、本発明を生成するのに適した市販の時計接着剤を見出すことができる。
【0032】
本発明のおかげで、時計コンポーネント10の組み立てに、オペレータの当該部品への特定の技能も複雑かつ高価な組み立て機械への投資も不要となる。
【0033】
好ましくは、
図2に示されるように、第1キャビティ111、第2キャビティ112及び毛管流路13は貫通しているわけではなく、
図2に示されるように、歯車セットの本体110の厚さの一部のみにわたって深さ方向に延びる。
【0034】
この特徴により、第1キャビティ111及び第2キャビティ112に堆積された接着剤は確実に、毛管流路13の中以外のどこか他の箇所へ流れることがなくなる。その結果、接着剤の毛管流を案内するべく又は当該毛管流の漏洩を防止するべく特別な嵌合を必要としない限りにおいて、時計コンポーネント10の製造が容易になることに加え、この特徴により、第2部品12が第2キャビティ112に対して確実に接合される。
【0035】
ただし、本発明の他実施形態において、第1キャビティ111、第2キャビティ112及び毛管流路13が貫通してよい。すなわち、第1部品11の本体110の両側面に開放されてよい。
【0036】
この特徴は、第1キャビティ111、第2キャビティ112及び毛管流路13が、いずれの寸法深さ要件にも固執する必要なしに生成できる限りにおいて、第1部品11の本体110の製造が簡略化されるという利点を有する。さらに、第2キャビティ112は、弾性的に変形可能としてよい。これにより、弾性的な締め付け力が第2部品12に及ぶので、第2部品12が確実に、接着剤による接合の前に第2キャビティ112の中の定位置に保持される。この締め付け力はまた、接着剤による接合に加えて第2部品12が第1部品11の本体110に装着されることを確実にする。
【0037】
本体110は、
図1及び
図2に示されるように第2キャビティ112と同じ数の第1キャビティ111を有してよい。この特徴により確実に、接着剤が第2キャビティ112のすべてにわたって均等に分散されるようになる。
【0038】
代替的に、第1部品11の本体110は、第2キャビティ112よりも少ない第1キャビティ111を有してよい。本発明のこの実施形態において、当該第1キャビティ111又は各第1キャビティ111が、いくつかの毛管流路13に接続される。この特徴により、より少ない数の第1キャビティ111に接着剤が塗布されなければならない限りにおいて時計コンポーネント10の構築が簡略化される。第1キャビティ111はより大きな寸法を有し、第1キャビティ111はそれぞれが、接続対象の第2キャビティ112に収容される第2部品12のすべてを接合するのに十分な体積の接着剤を受容するように適合されるからである。
【0039】
好ましくは、各第1キャビティ111が、固有の毛管流路13を介して一の第2キャビティ112に接続される。第1部品11の本体110の製造を簡略化するには、毛管流路13がいくつかの第2キャビティ112を接続することも考えられるが、このソリューションは、これら第2キャビティ112それぞれへの接着剤の分散が、均等に制御するには複雑になる限りにおいて、あまり好ましくはない。
【0040】
本発明の好ましい例示の実施形態において、時計コンポーネント10は、複数の第2キャビティ112を含む時計歯車セットを形成する。
図1及び
図2に示されるように、第2キャビティ112は第1部品11の周縁に配列され、歯車セットの回転中の不均衡を回避するべく、第1キャビティ111と同様に前記歯車セットの回転軸まわりに均等に分散される。有利には、一以上の第2部品12は磁石によって形成される。
【0041】
図1及び
図2に示されるように、第1部品11の本体110はリム14を含み、このリム14から複数の歯15が放射状平面に延びる。各歯15は、第2キャビティ112及び磁石が配列される自由端を含み、第1キャビティ111はリム14に配列される。
【0042】
本発明のこの好ましい例示の実施形態において、磁石及び第2キャビティ112は、円形断面を有する円柱又は円筒の形状を有し、各磁石は摩擦嵌合されるように第2キャビティ112と協働し、接着剤接合の前に定位置に保持され得る。
【0043】
有利には、時計歯車セットは、
図1及び
図2に示されるように磁性ガンギ車を形成する。
【0044】
有利には、本体110は非磁性材料から作られる。すなわち、この材料は磁石による引力も斥力も受けない。非限定的な例が、シリコン、酸化シリコン、及びガラス等を含む。本体110に対して酸化シリコン被覆物によりシリコンを使用することにより、良好な機械的強度と低密度とが組み合わせられ、ひいては動くときの慣性10が低くなるという利点が得られる。
【0045】
有利には、磁性ガンギ車の心棒もまた、非磁性の又は随意的に弱磁性の材料から作られる。
【0046】
本発明はまた、時計コンポーネント10を製造する方法であって、
・第1部品11の本体110を、毛管流路13を介して互いに接続される第1キャビティ111及び第2キャビティ112を含むように生成するステップと、
・第2部品12を、第2キャビティ112の形状と相補的な形状を有するように生成するステップと、
・第2部品12を第2キャビティ112に係合させるステップと、
・第1キャビティ111に接着剤を、毛管流路13を通って第2キャビティ112へと毛管作用によって流れるように堆積させるステップと
を含む方法に関する。
【0047】
詳しくは、第1部品11の本体110を生成するステップは、ブランクから本体110を機械加工する工程と、第1キャビティ111及び第2キャビティ112並びに毛管流路13をエッチングする工程とを含んでよい。
【0048】
第1部品11を生成するステップと第2部品12を生成するステップとは、これらのステップが並行して又は一方が他方の前に実装され得るという意味で互いに独立してよい。
【0049】
一般に、以上で考慮された実装例及び実施形態は、非限定的な例として説明されていること、それゆえ他の代替的例も可能であることに留意すべきである。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-25
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
時計コンポーネント(10)であって、
第1キャビティ及び第2キャビティ(111、112)を備える本体(110)を有する第1部品(11)を含み、前記第2キャビティ(112)は、係合によって第2部品(12)を受容し、前記第1キャビティ(111)と前記第2キャビティ(112)とは、前記第1キャビティ(111)から前記第2キャビティまでの接着剤の毛管流を許容するように構成される毛管流路を介して互いに接続されることを特徴とする、時計コンポーネント(10)。
【請求項2】
前記本体(110)は、第2キャビティと同じ数の第1キャビティを有する、請求項1に記載の時計コンポーネント(10)。
【請求項3】
前記本体(110)は、第2キャビティよりも少ない数の第1キャビティを有する、請求項1に記載の時計コンポーネント(10)。
【請求項4】
各第1キャビティ(111)が、固有の毛管流路(13)を介して一の第2キャビティ(112)に接続される、請求項1に記載の時計コンポーネント(10)。
【請求項5】
一以上の前記第1キャビティ、一以上の前記第2キャビティ、及び前記毛管流路(13)は貫通してはいない、請求項1に記載の時計コンポーネント(10)。
【請求項6】
一以上の前記第1キャビティ、一以上の前記第2キャビティ、及び前記毛管流路(13)は貫通している、請求項1に記載の時計コンポーネント(10)。
【請求項7】
前記本体(110)は、前記第2部品(12)に弾性的な締め付け力を及ぼすべく前記第2キャビティ(112)又は各第2キャビティ(112)において弾性的に変形可能である、請求項6に記載の時計コンポーネント(10)。
【請求項8】
時計歯車セットであって、
前記時計歯車セットは請求項1に記載の時計コンポーネント(10)によって形成され、前記時計歯車セットは、前記第1部品(11)の周縁に配列されて前記時計歯車セットの回転軸まわりに均等に分散されるいくつかの第2キャビティを含み、前記第2部品(12)は磁石によって形成されることを特徴とする、時計歯車セット。
【請求項9】
前記第1部品(11)の前記本体(110)がリム(14)を含み、前記リム(14)からは放射状平面に複数の歯(15)が延び、各歯(15)は、前記第2キャビティ(112)が配列される自由端を含み、前記第1キャビティ(111)は前記リム(14)に配列される、請求項8に記載の時計歯車セット。
【請求項10】
前記本体(110)は非磁性材料から作られる、請求項8に記載の時計歯車セット。
【請求項11】
前記本体(110)はシリコンから作られ、酸化シリコン被覆物を有する、請求項10に記載の時計歯車セット。
【請求項12】
請求項8に記載の時計歯車セットから形成される磁性ガンギ車。
【請求項13】
時計コンポーネント(10)を製造する方法であって、
第1部品(11)の本体(110)を、毛管流路(13)を介して互いに接続される第1キャビティ(111)及び第2キャビティ(112)を含むように生成するステップと、
第2部品(12)を、前記第2キャビティ(112)の形状と相補的な形状を有するように生成するステップと、
前記第2部品(12)を前記第2キャビティ(112)に係合させるステップと、
前記第1キャビティ(111)に接着剤を、前記毛管流路(13)を通って前記第2キャビティ(112)へと毛管作用によって流れるように堆積させるステップと
を含む、方法。
【外国語明細書】